JP4279949B2 - 腹足類忌避剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は腹足類、特にナメクジ、カタツムリ、マイマイ等の農作物、花卉等に被害を与える有害腹足類に対して有効な忌避剤、該忌避剤を用いる忌避方法に関する。
【0002】
【従来技術】
ナメクジ等の腹足類は、農作物、花卉等を加害することから、従来、誘引剤を含む製剤にメタアルデヒド等の薬剤を併用したり、ピレスロイド系殺虫剤をスプレーしたりして、誘引、防除することが行われている。
【0003】
これら腹足類の殺滅を目的とする薬剤を用いる他にも、忌避剤を用いて腹足類を忌避することで、その被害を防ぐことも検討されている。
これらの中でも天然物由来の忌避剤が近年注目されており、例えば、リナロール、シトラール等をナメクジの忌避剤として用いること、モノテルペンジオール系化合物であるカラン−3,4−ジオールをナメクジ等の防除シートに忌避剤として保持して用いることなどが知られている。
ところがこれらの忌避剤は、忌避効果が十分でなかったり、持続性がないという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、天然物由来であって、ナメクジ等の腹足類に対して十分な忌避効果を有し、持続性にも優れた腹足類忌避剤、さらに該忌避剤を用いた忌避方法を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を満足するため鋭意検討した結果、以下の手段によって課題を解決することを見い出した。
(1)メチルオイゲノール及びメチルイソオイゲノールからなる群から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含むことを特徴とする腹足類忌避剤。
(2)前記腹足類忌避剤を用いることを特徴とする腹足類忌避方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の有効成分としては、ケイ皮アルコール、オイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組合せて用いることができる。これらの中でも、メチルイソオイゲノールが忌避効果、その持続性に優れており好ましい。
【0007】
これらは天然物又は合成物のいずれであってもよく、天然物では有効量が得られる場合は、これらを含有する精油成分であってもよい。このような精油成分としては、例えば、ケイ皮油、丁字油、肉桂葉油、ピメント油、ペイ油等が挙げられる。
【0008】
前記有効成分は、各種の溶媒に溶解乃至分散させたり固体担体と混合したり吸着させたりして、エアゾール剤、ポンプ剤、液剤、シート剤、テープ剤、粉剤、顆粒剤、塗布剤等の剤型に調製して腹足類忌避剤とすることができる。溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ヘキサン、ケロシン、パラフィン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル等のエステル類等が使用できる。
【0009】
固体担体としては、例えば、カオリン、タルク、ベントナイト、クレー、珪藻土、炭酸カルシウム、シリカ、ゼオライト等の鉱物質又は無機質粉末、木粉、大豆粉、小麦粉、澱粉粉等の植物質粉末、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリブタジエン等のプラスチック、繊維又はゴムの粉末、樟脳、ナフタレン、パラジクロロベンゼン、トリイソプロピル-S-トリオキサン、シクロドデカン、アダマンタン等の昇華性粉末等が使用できる。
【0010】
また前記の剤型に調製するに際しては、必要に応じて、塗膜形成剤、乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、安定化剤、噴射剤等を添加配合することができる。
これらの添加剤としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、シリコーン、アクリル樹脂、塩化ゴム、石油樹脂、メチルセルロース、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ラテックスエマルジョン等の塗膜形成剤、脂肪族モノカルボン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド等の界面活性剤、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、液化石油ガス、ジメチルエーテル、フルオロカーボン、圧縮ガス等が挙げられる。
【0011】
本発明の腹足類忌避剤は、必要により他に腹足類防除剤、殺虫剤、忌避剤、殺菌剤、防黴剤、香料、酸化防止剤、撥水・撥油剤等を含有してもよく、例えば、メタアルデヒド等の腹足類防除剤、ピレスロイド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、フッ素系殺虫剤、昆虫成長制御剤等の殺虫剤、N−ジエチル−m−トル−アミド、ジメチルフタレート、アミドアミン等の忌避剤、パラクロロメタキシレート等の殺菌剤、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、γ−オリザノール等の酸化防止剤、レモン系、ローズ系、グリーン系等の各種香料、ロウ、油脂、金属セッケン、フッ素系撥油剤等の撥水・撥油剤等が挙げられる。
【0012】
本発明の腹足類忌避剤は、その使用に当たっては、忌避を要求される腹足類の生息場所や侵入食害場所、例えば、農作物自体やそれが栽培されている畑、果樹園、花卉等の生育している花壇、植木鉢及びその周囲、一般家庭や食堂等の厨房、洗面所、ベランダ、物置等に撒布したり、噴霧したり、塗布することができる。
【0013】
また別途に有効成分又はこれを含有する紙、布、樹脂、ロープ、金属線、棚、網等を前記の場所や農作物、花卉に設置するなどしてもよい。
【0014】
本発明の腹足類忌避剤中の有効成分量及び適用量は、忌避剤の剤型や適用方法、適用場所に応じて適宜決定すればよく、例えば、分散剤や水和剤等の剤型で用いる場合、有効成分を0.1〜40重量%、好ましくは1〜20重量%含有させればよく、またエアゾール剤やポンプ剤の剤型とする場合には、有効成分を0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%含有させればよい。
またその適用量としては、通常適用場所1m2当たり有効成分量が1〜20g、好ましくは3〜10g程度を目安とすればよい。
【0015】
本発明により忌避される腹足類としては、例えば、コウラナメクジ、チャコウラナメクジ、ノナメクジ等のコウラナメクジ科、ナメクジ、ヤマナメクジ等のナメクジ科、ニワコウラナメクジ等のニワコウラナメクジ科、オカモノアラガイ等のオカモノアラガイ科、アフリカマイマイ等のアフリカマイマイ科、ウスカワマイマイ等のオナジマイマイ科等のナメクジ、カタツムリ、マイマイ等を挙げることができる。
【0016】
【実施例】
以下に実施例において本発明を具体的に説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。
・忌避試験
(1)試験方法
各供試成分を2g/50mlとなるようにエタノールに溶解し、直径5.5cmの濾紙に0.2mlを塗布した。これを乾燥した後、空気孔をあけた直径120mm、高さ60mmのプラスチック製容器の中央に置き、その上に餌としニンジンを載せ、そこにコウラナメクジ3頭を放虫して蓋をした。
翌朝ニンジンの食痕を観察することで、供試成分の忌避性を確認した。なお持続性を確認するために、2日目以降は毎朝ナメクジを一旦回収し、夕方に新たなナメクジ3頭を放虫した。
またナメクジを取り出している昼間は、容器の蓋を取り外して、供試成分の揮散を促した。
【0017】
(2)試験結果
結果は第1表に示した。表中、食痕がなく、濾紙上を這った跡がないものを○、食痕がなく、濾紙上を這った跡があるものを△、食痕があるものを×として示した。
供試成分のうち、ケイ皮アルコール、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノールは忌避性があり、しかも持続性があることが確認された。この中でもメチルイソオイゲノールが特に優れていた。
【0018】
【表1】
第1表 忌避効果
供試成分 1日目 2日目 3日目 5日目 14 日目
ケイ皮アルコール ○ ○ △ ×
メチルオイゲノール ○ ○ ○ △
メチルイソオイゲノール ○ ○ ○ ○ ○
シトラール ○ ×
L−カルボン ○ ×
リナロール ×
【0019】
【発明の効果】
本発明は、天然物由来の成分を有効成分とした腹足類忌避剤であり、本発明の忌避剤を腹足類の生息場所や侵入食害場所に撒布したり、噴霧したり、塗布することによって、ナメクジ等の有害腹足類を十分に忌避し、持続した忌避効果を得ることができる。
Claims (2)
- メチルオイゲノール及びメチルイソオイゲノールからなる群から選ばれる少なくとも一種を有効成分として含むことを特徴とする腹足類忌避剤。
- 請求項1の腹足忌避剤を用いることを特徴とする腹足類の忌避方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102960321A (zh) * | 2012-11-22 | 2013-03-13 | 宁波市农业科学研究院 | 一种农地蜗牛诱杀装置及诱杀方法 |
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1999
- 1999-07-02 JP JP18907999A patent/JP4279949B2/ja not_active Expired - Fee Related
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