JP3233696B2 - 新規カルボン酸エステル誘導体、及びこれを含有する殺虫、殺ダニ剤 - Google Patents
新規カルボン酸エステル誘導体、及びこれを含有する殺虫、殺ダニ剤Info
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ル誘導体、及びこれを含有する殺虫、殺ダニ剤に関する
ものである。
は、殺虫、殺ダニ作用を有することが知られている。し
かしながら、これらの作用はある分野においては、必ず
しも満足出来るものではない。一方、BHCやDDTな
どの有機塩素系殺虫剤は環境汚染や慢性毒性等の問題に
よって使用が禁止され、更にこれに替わるべき有機リン
酸エステル系及びカーバメート系殺虫剤においても諸分
野で抵抗性害虫問題が深刻化する兆しを見せており、こ
れらを背景として新しく更に優れた殺虫、殺ダニ剤の創
出が切望されてきた。
が有している問題点を解消し、殺虫、殺ダニ活性に優れ
るとともに、化学的安定性、安全性の高いピレスロイド
を開発する目的でなされたものである。
め、本研究者らは鋭意研究を行った結果、請求項1で示
される新規なカルボン酸エステル誘導体を見い出し、実
用に供し得ることを確認して本発明を完成したのであ
る。本発明による請求項1で示されるカルボン酸エステ
ル誘導体は、新規化合物である。なお、請求項1で表わ
されるエステルには、カルボン酸及びアルコール中の立
体構造に基づく光学異性体あるいは幾何異性体が存在す
るが、これらのエステルも全て本発明に含まれる。次に
請求項1で示される化合物の代表例について、その合成
例を示すが、その合成ルートを図示すれば、次の如くで
ある。
ベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロ
ビニル)シクロプロパンカルボキシレート α−エチニル−2−クロロ−4,5−メチレンジオキシ
ベンジルアルコール 1.47g(7mM)とトリエチルア
ミン 1.01g(10mM)をジクロロメタン30mlに
溶解し、氷冷下、2,2−ジメチル−3−(2,2−ジ
クロロビニル)シクロプロパンカルボン酸クロライド
1.48g(7mM)を添加した。この反応液を室温にもど
し、室温で3時間攪拌したのち、反応液を30mlの5
%塩酸水溶液で洗い、さらに飽和食塩水30mlで洗っ
た。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥したのち、ジクロ
ロメタンを減圧濃縮し、得られた油状物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキ
サン=1:40)により精製して、無色油状物のα−エ
チニル−2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジ
ル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニ
ル)シクロプロパンカルボキシレート 1.86gを得た。
(収率69%)
ベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチ
レート α−エチニル−2−クロロ−4,5−メチレンジオキシ
ベンジルアルコール1.05g(5mM)と2−(4−クロ
ロフェニル)−3−メチル酪酸 1.06g(5mM)をジ
クロロメタン30mlに溶解し、氷冷下、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド 1.2g(6mM)を加え、室温で
12時間攪拌した。この反応液を、ろ過し、濃縮したの
ち、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;
酢酸エチル:ヘキサン=1:20)で精製して、無色油
状物の α−エチニル−2−クロロ−4,5−メチレン
ジオキシベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メ
チルブチレート 1.41gを得た。(収率70%)
下記の如くである。化合物1
ベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパ
ンカルボキシレート化合物2
シベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロ
パンカルボキシレート化合物3
ベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパ
ンカルボキシレート化合物4
ベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパ
ンカルボキシレート化合物5
ベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレート化合物6
シベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2
−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート化合物7
ベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレート化合物8
ベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレート化合物9
ベンジル 3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレート化合物10
シベンジル 3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2
−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート化合物11
ベンジル 3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレート化合物12
ベンジル 3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシレート化合物13
ベンジル 2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−
テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物14
シベンジル 2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2
−テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシレー
ト化合物15
ベンジル 2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−
テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物16
ベンジル 2,2−ジメチル−3−(1,2,2,2−
テトラブロモエチル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物17
ベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブ
チレート化合物18
シベンジル 3−メチル−2−フェニルブチレート化合
物19
ベンジル 3−メチル−2−(4−メチルフェニル)ブ
チレート化合物20
ベンジル 2−(4−メトキシフェニル)−3−メチル
ブチレート化合物21
ベンジル 2−(4−クロロメチルフェニル)−3−メ
チルブチレート化合物22
ベンジル 2−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−
3−メチルブチレート化合物23
ベンジル 2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル
フェニルアミノ)−3−メチルブチレート化合物24
シベンジル 2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチ
ルフェニルアミノ)−3−メチルブチレート化合物25
ベンジル 2−(4−メチルフェニルアミノ)−3−メ
チルブチレート化合物26
ベンジル 2−(4−メチルフェニルアミノ)−3−メ
チルブチレート
トルが広いこと、低毒性であること、安価であることか
ら、従来の有機リン剤、有機塩素系殺虫剤に替わる家庭
用ならびに農園芸用殺虫剤として使用することができ
る。本発明殺虫、殺ダニ剤の用途としてハエ、蚊、ゴキ
ブリ等の衛生害虫をはじめ、有機リン剤、カーバメート
剤抵抗性ツマグロヨコバイ、ウンカ類や、ニカメイチュ
ウ、カメムシ類、ヨトウガ、コナガ、タバコガ、マメゾ
ウムシ、ヤガ、モンシロチョウ、クリケムシ、ハマキ、
アブラムシ、カイガラムシ類の農業害虫、コクゾウ等の
貯殻害虫、ダニ類等の防除に極めて有効である。
チルビシクロヘプテンカルボキシイミド(商品名MGK
−264)、N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシ
イミドとアリールスルホン酸塩との混合物(商品名MG
K−5026)、サイネピリン500、オクタクロロジ
プロピルエーテル、ピペロニルブトキサイドなどの共力
剤を加えると、その殺虫効果を一層高めることが出来
る。また、他の殺虫剤例えばフェニトロチオン、DDV
P、ダイアジノン等の有機リン剤、NAC、MTMC、
BPMC、PHC等のカーバメート剤、ピレトリン、ア
レスリン、フタールスリン、フェノトリン、ペルメトリ
ン、エムペントリン等の従来のピレスロイド系殺虫剤あ
るいは殺ダニ剤、殺菌剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長
調整剤、肥料その他の農薬を混合することによって効果
のすぐれた多目的組成物が得られ、労力の省力化、薬剤
間の相乗効果も充分期待しえるものである。
であることを明らかにするため実施例及び効果の試験成
績を示す。
えて全体を100部として0.2%油剤を得た。
ブトキサイド 0.8部に白灯油を加えて全体を100部
として油剤を得た。
M−200(東邦化学登録商標名)10部、キシロール
70部を加えて攪拌混合溶解して20%乳剤を得た。
ン 0.1部、オクタクロロジプロピルエーテル 1.5部を
精製灯油28部に溶解し、エアゾール容器に充填し、バ
ルブ部分を取りつけた後、該バルブ部分を通じて噴射剤
(液化石油ガス)70部を加圧充填してエアゾールを得
た。
を除虫菊抽出粕粉、木粉、デン粉などの蚊取線香用基材
99.0gに均一に混合し、公知の方法によって蚊取線香
を得た。
部をよく粉砕混合して0.3%粉剤を得た。
レー20部、ラウリルスルホン酸塩3部、カルボキシメチ
ルセルローズ2部を粉砕混合して水和剤を得た。
(A)、0.2%とサイネピリン500、0.8%白灯溶液
(B)、0.1%とフタールスリン0.1%白灯溶液(C)及
びアレスリン、フタールスリンの夫々の0.2%の白灯溶
液につき、イエバエの落下仰転率を求め、供試薬剤の相
対有効濃度を算出し、更に24時間後の致死率を求めた
ところ表1の如くであった。( )は24時間後の致死
率を示す。
アカイエカ成虫約50匹を放ち、電池式小型扇風機(羽
根の径13cm)を箱内に設置し、回転させる。そこへ
実施例5によって得られた本発明化合物(1),(4),
(6)の蚊取線香0.1gの両端に点火したものを入れると
30分以内に80%以上のアカイエカを落下仰転するこ
とが出来、翌日には、その80%以上を致死させること
が出来た。
面5〜6葉期の大根畑に実施例3によって得られた乳剤
のうち本発明化合物(1)、(2)、(5)、(1
1)、(17)、(19)、(23)、(24)を含む
各々の乳剤の水による1000倍希釈液を100l/反
あたり散布した。2日後の寄生率調査で散布前密度の1
/10以下に各区共に減少していた。
日前に1本の木に対してアブラムシを約200匹寄生さ
せた。実施例7によって得られた水和剤のうち、
(1)、(3)、(6)、(8)、(9)、(12)、
(13)、(16)、(20)、(22)の4000倍
希釈液を害虫がついた葉へ圧縮空気スプレー法で10m
l/ポットあたり散布し、2日後の被害度を観察した。
その結果、いずれによっても被害度の増大は認められな
かった。
(5)、(7)、(10)、(14)、(15)、(1
8)、(21)の各々の粉剤を直径14cmの腰高シャ
ーレ底面に2g/m2の割合で均一に散布し、底部1c
mを残してバターを襞壁面に塗布する。その中にチャバ
ネゴキブリ成虫を一群10匹として放ち、30分間接触
させ、新しい容器にゴキブリを移せば3日後にはいずれ
の粉剤によっても80%以上のゴキブリを殺虫すること
が出来た。
アカイエカ成虫約50匹を放ち、電池式小型扇風機(羽
根の径13cm)を箱内に設置し、回転させる。本発明
化合物(5)、(8)、(13)、(19)各々40m
gを2.2cm×3.5cmのパルプ製マットに含浸し、これ
を加熱蒸散したところ、30分以内に80%以上のアカ
イエカを落下仰転することが出来、翌日には、その80
%以上を致死させることが出来た。
ン、フタールスリン等のピレスロイドよりも強い殺虫効
力を持ち、その実用性は極めて高い。
酸エステル誘導体は、温血動物に対して低毒性である一
方、種々の害虫に対して、高い殺虫、殺ダニ活性を示
し、また化学的安定性においても優れている。
Claims (2)
- 【請求項1】次式I 【化1】 (式中、R1は一般式(II),(III),(I
V),(V),(VI)を表わし、R2はハロゲン原子
又はメチル基を表わし、R3、R4は同一のハロゲン原子
を表わし、Xは、ブロモ原子を表わす。R5は、水素原
子、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ハロメチル
基、フルオロメトキシ基を表わし、R6、R7は同一又は
相異なって水素原子、ハロゲン原子、フルオロメチル
基、メチル基を表わす。)で表わされるカルボン酸エス
テル誘導体。 - 【請求項2】次式I 【化2】 (式中、R1は一般式(II),(III),(I
V),(V),(VI)を表わし、R2はハロゲン原子
又はメチル基を表わし、R3、R4は同一のハロゲン原子
を表わし、Xは、ブロモ原子を表わす。R5は、水素原
子、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ハロメチル
基、フルオロメトキシ基を表わし、R6、R7は同一又は
相異なって水素原子、ハロゲン原子、フルオロメチル
基、メチル基を表わす。)で表わされるカルボン酸エス
テル誘導体を含有する殺虫、殺ダニ剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25532092A JP3233696B2 (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 新規カルボン酸エステル誘導体、及びこれを含有する殺虫、殺ダニ剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25532092A JP3233696B2 (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 新規カルボン酸エステル誘導体、及びこれを含有する殺虫、殺ダニ剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06316569A JPH06316569A (ja) | 1994-11-15 |
JP3233696B2 true JP3233696B2 (ja) | 2001-11-26 |
Family
ID=17277148
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25532092A Expired - Lifetime JP3233696B2 (ja) | 1992-08-10 | 1992-08-10 | 新規カルボン酸エステル誘導体、及びこれを含有する殺虫、殺ダニ剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3233696B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024070892A1 (ja) * | 2022-09-26 | 2024-04-04 | 住友化学株式会社 | シクロプロパンカルボン酸エステル化合物及びその用途 |
-
1992
- 1992-08-10 JP JP25532092A patent/JP3233696B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
南アフリカ共和国特許第6906043号 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06316569A (ja) | 1994-11-15 |
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