JPWO2016117369A1 - 歯形部品の製造方法及び歯形部品 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2015年1月21日に日本に出願された、特願2015−9637号、特願2015−9710号、特願2015−9711号及び特願2015−9719号と、2015年11月18日に日本に出願された、特願2015−226009号及び特願2015−225947号とに基づき優先権を主張し、それらの内容をここに援用する。
以下に、重なり疵11eの発生メカニズムを説明する。なお、以下では、説明の便宜上、歯形部品11の製造過程で得られる円筒容器にも同じ符号11を使用する。図1Aに示すように、被加工材を絞り成形することにより得られた円筒容器11をダイ14の上に置き、拘束パンチ12の平面部12aとダイ14の平面部14aとで円筒容器11の底面部11aを拘束する。この状態で、鍛圧パンチ13の平面部13aで円筒容器11の開口端11dを押込むことにより、歯形の成形を行う。図1Aに示すように、鍛圧成形前において円筒容器11の角部11cの板厚は、底面部11a及び側壁部11bの板厚より薄い。図1Bに示すように、鍛圧成形が開始される、すなわち鍛圧パンチ13の下降動作が開始されると、側壁部11bが下方に押し潰されることにより、側壁部11bが増肉される。そのため、鍛圧成形の過程で、角部11cにおいて図中の矢印の方向に材料流れが生じ、その結果、角部11cの内面側と拘束パンチ12の肩R部12bとの間に隙間15が生じる。その後、鍛圧パンチ13で円筒容器11の開口端11dを更に押込むと、図1Cに示すように、側壁部11bの内周面の一部が盛り上がって隙間15に流入する。その結果、図1Dに示すように、鍛圧成形終了後に、側壁部11bの内周面の一部が底面部11aの上面に重なることにより、底面部11aの上面と側壁部11bの内周面との間の境界に重なり疵11eが形成される。
しかしながら、上記のような歯形部品の製造過程で生じる重なり疵は、歩留まり低下の原因となるので、冷間鍛造を採用することで本来得られるはずの高歩留まりという利点を十分に得ることができない。
そのため、高い寸法精度及び強度が要求される歯形部品(つまり高い品質が要求される歯形部品)の製造方法として冷間鍛造を採用した場合であっても、製造過程で重なり疵が発生することを抑制することで歯形部品の歩留まりを向上することが可能な技術が要求されていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、歯形部品の歩留まりを向上することが可能な歯形部品の製造方法及び高品質の歯形部品を提供することを目的とする。
(1)本発明の一態様に係る歯形部品の製造方法は、被加工材を絞り成形することにより、底面部及び側面部を有する円筒容器を得る絞り工程と;前記円筒容器の前記側面部のうち、歯先部が形成される特定部位を縮径することにより、前記底面部と前記側面部との間の角部を増肉させる縮径工程と;前記縮径工程にて縮径された前記円筒容器の前記特定部位に前記歯先部を形成することにより、前記底面部、前記側面部及び前記歯先部を有する歯形部品を得る歯形成形工程と;を有する。前記縮径工程では、前記円筒容器の中心軸方向及び径方向を含む断面で前記円筒容器を見た場合に、前記円筒容器の前記底面部に対して平行に接する直線L1と、前記円筒容器の前記側面部に対して平行に接する直線L2との交点をP0と定義し、前記直線L1が前記円筒容器の前記底面部から離脱し始める点をP1、前記直線L2が前記円筒容器の前記側面部から離脱し始める点をP2と定義し、さらに、前記直線L1上の前記交点P0と前記点P1との間の長さをΔR、前記直線L2上の前記交点P0と前記点P2との間の長さをΔHと定義したとき、前記円筒容器の前記角部の外側の形状が、前記円筒容器の板厚tと、前記長さΔR及びΔHとを用いて表される下記条件式(1)を満たすように前記角部を増肉させる。
(ΔR+ΔH)≦ 2t …(1)
(10)上記(6)〜(8)のいずれか一つに記載の歯形部品の製造方法において、前記歯形成形工程が、前記縮径工程にて縮径された前記円筒容器の前記山部に粗歯形を形成する粗歯形成形工程と;前記粗歯形を加工することにより前記山部に完成歯形を前記歯先部として形成する完成歯形成形工程と;を有していてもよい。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図2Aは、第1実施形態に係る歯形部品の製造方法により製造された歯形部品21の平面図である。図2Bは、図2Aに示す歯形部品21のA−A断面図である。図2A及び図2Bに示すように、歯形部品21は、材軸(図2Bに示す一点鎖線)の方向において、一方の端部が開放され、且つ他方の端部が閉鎖された有底円筒形状を有する部品である。
歯形部品21は、底面部21cと、底面部21cの外縁部から立ち上がる側面部21dとを有する。底面部21cと側面部21dとにより形成される角部の外側の角度は、略直角である。側面部21dは、材軸を中心とする円周方向に沿って交互に現れるように設けられた歯先部21a及び歯底部21bを有する。本実施形態では、歯先部21a及び歯底部21bのそれぞれの個数が8個である場合を例示しているが、歯先部21a及び歯底部21bの個数(すなわち歯形部品21の歯数)は8個に限定されず、複数であればよい。
歯先部21aは、歯底部21bよりも材軸を中心とする径方向の外側へ向かって突出する部位である。より具体的には、図2Aに示すように、材軸を中心とする半径Raの円周上に歯先部21aの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rcの円周上に歯先部21aの内周面及び歯底部21bの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rbの円周上に歯底部21bの内周面が位置する。以下では、上記半径Raを歯先部21aの外半径と呼称し、上記半径Rcを歯先部21aの内半径と呼称し、上記半径Rbを歯底部21bの内半径と呼称する。
また、図2Aにおいて、θgは、材軸を中心とする円周方向において互いに隣り合う歯先部21a間の角度を示す。
詳細は後述するが、本実施形態では、歯形部品の製造方法として冷間鍛造を採用するので、熱間鍛造により製造された歯形部品と比較して、抜き勾配が無く、厚さの寸法精度が一桁小さい歯形部品21を切削工程無しで得ることができる。すなわち、本実施形態に係る歯形部品の製造方法によれば、重なり疵及び抜き勾配が無く、厚さの寸法精度が±0.05mm〜±0.3mmであるという高品質の歯形部品21を得ることができる。 このような歯形部品21を製造するため、第1実施形態に係る歯形部品の製造方法は、絞り工程と、縮径工程と、歯形成形工程とを有する。以下、各工程の詳細について説明する。なお、上記のように、本実施形態では、歯形部品の製造方法として冷間鍛造を採用するので、各工程は常温下で実施される。
図3は、絞り工程の成形開始前の状態を示し、図4及び図5は、絞り工程の成形後の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、パンチ32と、ノックアウト33と、ダイ34とを備える。ノックアウト33及びダイ34は、パンチ32に対向配置されている。
谷部31aが、歯底部21bに対応する部位となる。山部31b及び谷部31aの数は歯形部品21の歯数に一致すると共に、山部31b、傾斜部31c及び谷部31aが材軸を中心とする円周方向に沿って所定の間隔で形成されている。
被加工材の外径が同一の円板形状の場合、歯形成形工程で歯形を成形する際に、歯形の歯底部で被加工材の材料が余り、早期に金型で形成される空間内に充満するため、成形荷重が過大になる。それを軽減するため、歯底部21bに対応する部位を谷部31aとしている。山部31bに対する谷部31aの深さd(材軸を中心とする径方向における、山部31bの外周縁と谷部31aの外周縁との間の長さ)は、図2Aに示す歯形部品21の歯先部21aの外半径Raから歯底部21bの内半径Rbを引いた長さΔr(=Ra−Rb)程度にすればよい。また、谷部31aの領域角θ1は、一つの歯の領域角(図2Aに示すθg)の1/3程度にすればよい。また、傾斜部31cの領域角θ2は、一つの歯の領域角(図2Aに示すθg)の1/6程度にすればよい。
図8は、縮径工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、パンチ62と、カウンターパンチ63と、カウンターパンチ63の外周に配置されるダイ64とを備える。カウンターパンチ63及びダイ64は、パンチ62に対向配置されている。
ここで、図9Bに示すように、縮径円筒容器65の中心軸方向及び径方向を含む断面で縮径円筒容器65を見た場合、縮径円筒容器65の底面部65cに対して平行に接する直線L1と、縮径円筒容器65の側面部65bに対して平行に接する直線L2との交点をP0と定義する。また、図9Bに示すように、直線L1が縮径円筒容器65の底面部65cから離脱し始める点をP1、直線L2が縮径円筒容器65の側面部65bから離脱し始める点をP2と定義する。さらに、図9Bに示すように、直線L1上の交点P0と点P1との間の長さをΔR、直線L2上の交点P0と点P2との間の長さをΔHと定義する。
条件式(1)は、縮径円筒容器65の板厚tと、上記の長さΔR及びΔHとを用いて以下のように表される。
(ΔR+ΔH)≦ 2t …(1)
すなわち、縮径円筒容器65の角部65aの外側の形状が条件式(1)を満たすように、縮径円筒容器65の角部65aを増肉させると、角部65aの外側の角度が直角に近い値となる。
なお、縮径円筒容器65の角部65aの外側の角度をより直角に近い値にするために、縮径円筒容器65の角部65aの外側の形状が下記条件式(2)を満たすように、縮径円筒容器65の角部65aを増肉させることが好ましい。
(ΔR+ΔH)≦ 1.5t …(2)
図10〜図13は、歯形成形工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、内パンチ72と、内パンチ72の外周に配置される外パンチ73と、カウンターパンチ74と、カウンターパンチ74の外周に配置されるダイ75とを備える。カウンターパンチ74及びダイ75は、内パンチ72及び外パンチ73に対向配置されている。
図16Aは、第2実施形態に係る歯形部品の製造方法により製造された歯形部品121の平面図である。図16Bは、図16Aに示す歯形部品121のA−A断面図である。図16A及び図16Bに示すように、歯形部品121は、材軸(図16Bに示す一点鎖線)の方向において、一方の端部が開放され、且つ他方の端部が閉鎖された有底円筒形状を有する部品である。
歯形部品121は、底面部121cと、底面部121cの外縁部から立ち上がる側面部121dとを有する。底面部121cと側面部121dとにより形成される角部の外側の角度は、略直角である。側面部121dは、材軸を中心とする円周方向に沿って交互に現れるように設けられた歯先部121a及び歯底部121bを有する。本実施形態では、歯先部121a及び歯底部121bのそれぞれの個数が8個である場合を例示しているが、歯先部121a及び歯底部121bの個数(すなわち歯形部品121の歯数)は8個に限定されず、複数であればよい。
歯先部121aは、歯底部121bよりも材軸を中心とする径方向の外側へ向かって突出する部位である。より具体的には、図16Aに示すように、材軸を中心とする半径Raの円周上に歯先部121aの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rcの円周上に歯先部121aの内周面及び歯底部121bの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rbの円周上に歯底部121bの内周面が位置する。以下では、上記半径Raを歯先部121aの外半径と呼称し、上記半径Rcを歯先部121aの内半径と呼称し、上記半径Rbを歯底部121bの内半径と呼称する。
また、図16Aにおいて、θgは、材軸を中心とする円周方向において互いに隣り合う歯先部121a間の角度を示す。
このような歯形部品121を製造するため、第2実施形態に係る歯形部品の製造方法は、絞り工程と、縮径工程と、歯形成形工程(粗歯形成形工程及び完成歯形成形工程)とを有する。以下、各工程の詳細について説明する。なお、上記のように、本実施形態では、歯形部品の製造方法として冷間鍛造を採用するので、各工程は常温下で実施される。
図17は、絞り工程の成形開始前の状態を示し、図18及び図19は、絞り工程の成形後の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、パンチ132と、ノックアウト133と、ダイ134とを備える。ノックアウト133及びダイ134は、パンチ132に対向配置されている。
谷部131aが、歯底部121bに対応する部位となる。山部131b及び谷部131aの数は歯形部品121の歯数に一致すると共に、山部131b、傾斜部131c及び谷部131aが材軸を中心とする円周方向に沿って所定の間隔で形成されている。
被加工材の外径が同一の円板形状の場合、歯形成形工程で歯形を成形する際に、歯形の歯底部で被加工材の材料が余り、早期に金型で形成される空間内に充満するため、成形荷重が過大になる。それを軽減するため、歯底部121bに対応する部位を谷部131aとしている。山部131bに対する谷部131aの深さd(材軸を中心とする径方向における、山部131bの外周縁と谷部131aの外周縁との間の長さ)は、図16Aに示す歯形部品121の歯先部121aの外半径Raから歯底部121bの内半径Rbを引いた長さΔr(=Ra−Rb)程度にすればよい。また、谷部131aの領域角θ1は、一つの歯の領域角(図16Aに示すθg)の1/3程度にすればよい。また、傾斜部131cの領域角θ2は、一つの歯の領域角(図16Aに示すθg)の1/6程度にすればよい。
図22は、縮径工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、パンチ162と、カウンターパンチ163と、カウンターパンチ163の外周に配置されるダイ164とを備える。カウンターパンチ163及びダイ164は、パンチ162に対向配置されている。
ここで、図23Bに示すように、縮径円筒容器165の中心軸方向及び径方向を含む断面で縮径円筒容器165を見た場合、縮径円筒容器165の底面部165cに対して平行に接する直線L1と、縮径円筒容器165の側面部165bに対して平行に接する直線L2との交点をP0と定義する。また、図23Bに示すように、直線L1が縮径円筒容器165の底面部165cから離脱し始める点をP1、直線L2が縮径円筒容器165の側面部165bから離脱し始める点をP2と定義する。さらに、図23Bに示すように、直線L1上の交点P0と点P1との間の長さをΔR、直線L2上の交点P0と点P2との間の長さをΔHと定義する。
条件式(1)は、縮径円筒容器165の板厚tと、上記の長さΔR及びΔHとを用いて以下のように表される。
(ΔR+ΔH)≦ 2t …(1)
すなわち、縮径円筒容器165の角部165aの外側の形状が条件式(1)を満たすように、縮径円筒容器165の角部165aを増肉させると、角部165aの外側の角度が直角に近い値となる。
なお、縮径円筒容器165の角部165aの外側の角度をより直角に近い値にするために、縮径円筒容器165の角部165aの外側の形状が下記条件式(2)を満たすように、縮径円筒容器165の角部165aを増肉させることが好ましい。
(ΔR+ΔH)≦ 1.5t …(2)
図24〜図27は、粗歯形成形工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、粗歯形成形用の内パンチ172と、内パンチ172の外周に配置される粗歯形成形用の外パンチ173と、粗歯形成形用のカウンターパンチ174と、カウンターパンチ174の外周に配置される粗歯形成形用のダイ175とを備える。カウンターパンチ174及びダイ175は、内パンチ172及び外パンチ173に対向配置されている。
図30〜図32は、粗歯形成形工程に続く完成歯形成形工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、完成歯形成形用の内パンチ182と、内パンチ182の外周に配置される完成歯形成形用の外パンチ183と、完成歯形成形用のノックアウト184と、ノックアウト184の外周に配置される完成歯形成形用のダイ185とを備える。ノックアウト184及びダイ185は、内パンチ182及び外パンチ183に対向配置されている。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図35Aは、第3実施形態に係る歯形部品の製造方法により製造された歯形部品221の平面図である。図35Bは、図35Aに示す歯形部品221のA−A断面図である。図35A及び図35Bに示すように、歯形部品221は、材軸(図35Bに示す一点鎖線)の方向において、一方の端部が開放され、且つ他方の端部が閉鎖された有底円筒形状を有する部品である。
歯形部品221は、底面部221cと、底面部221cの外縁部から立ち上がる側面部221dとを有する。底面部221cと側面部221dとにより形成される角部の外側の角度は、略直角である。側面部221dは、材軸を中心とする円周方向に沿って交互に現れるように設けられた歯先部221a及び歯底部221bを有する。本実施形態では、歯先部221a及び歯底部221bのそれぞれの個数が8個である場合を例示しているが、歯先部221a及び歯底部221bの個数(すなわち歯形部品221の歯数)は8個に限定されず、複数であればよい。
歯先部221aは、歯底部221bよりも材軸を中心とする径方向の外側へ向かって突出する部位である。より具体的には、図35Aに示すように、材軸を中心とする半径Raの円周上に歯先部221aの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rcの円周上に歯先部221aの内周面及び歯底部221bの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rbの円周上に歯底部221bの内周面が位置する。以下では、上記半径Raを歯先部221aの外半径と呼称し、上記半径Rcを歯先部221aの内半径と呼称し、上記半径Rbを歯底部221bの内半径と呼称する。
また、図35Aにおいて、θgは、材軸を中心とする円周方向に沿って互いに隣り合う歯先部221a間の角度を示す。
このような歯形部品221を製造するため、第3実施形態に係る歯形部品の製造方法は、絞り工程と、拡径工程と、縮径工程と、歯形成形工程とを有する。以下、各工程の詳細について説明する。なお、上記のように、本実施形態では、歯形部品の製造方法として冷間鍛造を採用するので、各工程は常温下で実施される。
図36は、絞り工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、パンチ232と、ノックアウト233と、ダイ234とを備える。ノックアウト233及びダイ234は、パンチ232に対向配置されている。
谷部231aが、歯底部221bに対応する部位となる。山部231b及び谷部231aの数は歯形部品221の歯数に一致すると共に、山部231b、傾斜部231c及び谷部231aが材軸を中心とする円周方向に沿って所定の間隔で形成されている。
被加工材の外径が同一の円板形状の場合、歯形成形工程で歯形を成形する際に、歯形の歯底部で被加工材の材料が余り、早期に金型で形成される空間内に充満するため、成形荷重が過大になる。それを軽減するため、歯底部221bに対応する部位を谷部231aとしている。山部231bに対する谷部231aの深さd(材軸を中心とする径方向における、山部231bの外周縁と谷部231aの外周縁との間の長さ)は、図35Aに示す歯形部品221の歯先部221aの外半径Raから歯底部221bの内半径Rbを引いた長さΔr(=Ra−Rb)程度にすればよい。また、谷部231aの領域角θ1は、一つの歯の領域角(図35Aに示すθg)の1/3程度にすればよい。また、傾斜部231cの領域角θ2は、一つの歯の領域角(図35Aに示すθg)の1/6程度にすればよい。
拡径工程は、第1ステップと第2ステップとを有する。
図40及び図41は、拡径工程の第1ステップの成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、第1パンチ242と、第1ノックアウト243と、第1ノックアウト243の外周に配置される第1ダイ244とを備える。第1ノックアウト243及び第1ダイ244は、第1パンチ242に対向配置されている。
図47は、縮径工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、パンチ262と、カウンターパンチ263と、カウンターパンチ263の外周に配置されるダイ264とを備える。カウンターパンチ263及びダイ264は、パンチ262に対向配置されている。
ここで、図48Bに示すように、縮径円筒容器265の中心軸方向及び径方向を含む断面で縮径円筒容器265を見た場合、縮径円筒容器265の底面部265cに対して平行に接する直線L1と、縮径円筒容器265の側面部265bに対して平行に接する直線L2との交点をP0と定義する。また、図48Bに示すように、直線L1が縮径円筒容器265の底面部265cから離脱し始める点をP1、直線L2が縮径円筒容器265の側面部265bから離脱し始める点をP2と定義する。さらに、図48Bに示すように、直線L1上の交点P0と点P1との間の長さをΔR、直線L2上の交点P0と点P2との間の長さをΔHと定義する。
条件式(1)は、縮径円筒容器265の板厚tと、上記の長さΔR及びΔHとを用いて以下のように表される。
(ΔR+ΔH)≦ 2t …(1)
すなわち、縮径円筒容器265の角部265aの外側の形状が条件式(1)を満たすように、縮径円筒容器265の角部265aを増肉させると、角部265aの外側の角度が直角に近い値となる。
なお、縮径円筒容器265の角部265aの外側の角度をより直角に近い値にするために、縮径円筒容器265の角部265aの外側の形状が下記条件式(2)を満たすように、縮径円筒容器265の角部265aを増肉させることが好ましい。
(ΔR+ΔH)≦ 1.5t …(2)
図49〜図52は、歯形成形工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、内パンチ272と、内パンチ272の外周に配置される外パンチ273と、カウンターパンチ274と、カウンターパンチ274の外周に配置されるダイ275とを備える。カウンターパンチ274及びダイ275は、内パンチ272及び外パンチ273に対向配置されている。
また、外パンチ273の平面部273aを縮径円筒容器265の開口端265dに当接させる。この状態で、内パンチ272と外パンチ273とカウンターパンチ274を、外パンチ273の平面部273aがダイ275の曲面部275bを通過するまで下方に移動させる。続いて、内パンチ272とカウンターパンチ274とダイ275を固定した状態で、外パンチ273を下方に移動させ、縮径円筒容器265の側面部を圧縮することにより、図53に示すように、内パンチ272と外パンチ273とカウンターパンチ274とダイ275とにより囲まれた空間内に材料が充満する。その結果、縮径円筒容器265の縮径側面部265b(山部231bが変形した突起部に対応する部位)に歯先部221aが形成され、縮径円筒容器265の側面部の他の部位(谷部231aに対応する部位)に歯底部221bが形成される。以上の各工程により、底面部221c、側面部221d、歯先部221a及び歯底部221bを有する歯形部品221が完成する。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図55Aは、第4実施形態に係る歯形部品の製造方法により製造された歯形部品321の平面図である。図55Bは、図55Aに示す歯形部品321のA−A断面図である。図55A及び図55Bに示すように、歯形部品321は、材軸(図55Bに示す一点鎖線)の方向において、一方の端部が開放され、且つ他方の端部が閉鎖された有底円筒形状を有する部品である。
歯形部品321は、底面部321cと、底面部321cの外縁部から立ち上がる側面部321dとを有する。底面部321cと側面部321dとにより形成される角部の外側の角度は、略直角である。そして、側面部321dは、材軸を中心とする円周方向に沿って交互に現れるように設けられた歯先部321a及び歯底部321bを有する。本実施形態では、歯先部321a及び歯底部321bのそれぞれの個数が8個である場合を例示しているが、歯先部321a及び歯底部321bの個数(すなわち歯形部品321の歯数)は8個に限定されず、複数であればよい。
歯先部321aは、歯底部321bよりも材軸を中心とする径方向の外側へ向かって突出する部位である。より具体的には、図55Aに示すように、材軸を中心とする半径Raの円周上に歯先部321aの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rcの円周上に歯先部321aの内周面及び歯底部321bの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rbの円周上に歯底部321bの内周面が位置する。以下では、上記半径Raを歯先部321aの外半径と呼称し、上記半径Rcを歯先部321aの内半径と呼称し、上記半径Rbを歯底部321bの内半径と呼称する。
また、図55Aにおいて、θgは、材軸を中心とする円周方向に沿って互いに隣り合う歯先部321a間の角度を示す。
このような歯形部品321を製造するため、第4実施形態に係る歯形部品の製造方法は、絞り工程と、拡径工程と、縮径工程と、歯形成形工程(粗歯形成形工程及び完成歯形成形工程)とを有する。以下、各工程の詳細について説明する。なお、上記のように、本実施形態では、歯形部品の製造方法として冷間鍛造を採用するので、各工程は常温下で実施される。
図56は、絞り工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、パンチ332と、ノックアウト333と、ダイ334とを備える。ノックアウト333及びダイ334は、パンチ332に対向配置されている。
谷部331aが、歯底部321bに対応する部位となる。山部331b及び谷部331aの数は歯形部品321の歯数に一致すると共に、山部331b、傾斜部331c及び谷部331aが材軸を中心とする円周方向に沿って所定の間隔で形成されている。
被加工材の外径が同一の円板形状の場合、歯形成形工程で歯形を成形する際に、歯形の歯底部で被加工材の材料が余り、早期に金型で形成される空間内に充満するため、成形荷重が過大になる。それを軽減するため、歯底部321bに対応する部位を谷部331aとしている。山部331bに対する谷部331aの深さd(材軸を中心とする径方向における、山部331bの外周縁と谷部331aの外周縁との間の長さ)は、図55Aに示す歯形部品321の歯先部321aの外半径Raから歯底部321bの内半径Rbを引いた長さΔr(=Ra−Rb)程度にすればよい。また、谷部331aの領域角θ1は、一つの歯の領域角(図55Aに示すθg)の1/3程度にすればよい。また、傾斜部331cの領域角θ2は、一つの歯の領域角(図55Aに示すθg)の1/6程度にすればよい。
拡径工程は、第1ステップと第2ステップとを有する。
図60及び図61は、拡径工程の第1ステップの成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、第1パンチ342と、第1ノックアウト343と、第1ノックアウト343の外周に配置される第1ダイ344とを備える。第1ノックアウト343及び第1ダイ344は、第1パンチ342に対向配置されている。
図67は、縮径工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、パンチ362と、カウンターパンチ363と、カウンターパンチ363の外周に配置されるダイ64とを備える。カウンターパンチ363及びダイ364は、パンチ362に対向配置されている。
ここで、図68Bに示すように、縮径円筒容器365の中心軸方向及び径方向を含む断面で縮径円筒容器365を見た場合、縮径円筒容器365の底面部365cに対して平行に接する直線L1と、縮径円筒容器365の側面部365bに対して平行に接する直線L2との交点をP0と定義する。また、図68Bに示すように、直線L1が縮径円筒容器365の底面部365cから離脱し始める点をP1、直線L2が縮径円筒容器365の側面部365bから離脱し始める点をP2と定義する。さらに、図68Bに示すように、直線L1上の交点P0と点P1との間の長さをΔR、直線L2上の交点P0と点P2との間の長さをΔHと定義する。
条件式(1)は、縮径円筒容器365の板厚tと、上記の長さΔR及びΔHとを用いて以下のように表される。
(ΔR+ΔH)≦ 2t …(1)
すなわち、縮径円筒容器365の角部365aの外側の形状が条件式(1)を満たすように、縮径円筒容器365の角部365aを増肉させると、角部365aの外側の角度が直角に近い値となる。
なお、縮径円筒容器365の角部365aの外側の角度をより直角に近い値にするために、縮径円筒容器365の角部365aの外側の形状が下記条件式(2)を満たすように、縮径円筒容器365の角部365aを増肉させることが好ましい。
(ΔR+ΔH)≦ 1.5t …(2)
図69〜図72は、粗歯形成形工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、粗歯形成形用の内パンチ372と、内パンチ372の外周に配置される粗歯形成形用の外パンチ373と、粗歯形成形用のカウンターパンチ374と、カウンターパンチ374の外周に配置される粗歯形成形用のダイ375とを備える。カウンターパンチ374及びダイ375は、内パンチ372及び外パンチ373に対向配置されている。
図75〜図77は、粗歯形成形工程に続く完成歯形成形工程の成形開始前の状態を示す。同図を参照して、プレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された、完成歯形成形用の内パンチ382と、内パンチ382の外周に配置される完成歯形成形用の外パンチ383と、完成歯形成形用のノックアウト384と、ノックアウト384の外周に配置される完成歯形成形用のダイ385とを備える。ノックアウト384及びダイ385は、内パンチ382及び外パンチ383に対向配置されている。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図80Aは、第5実施形態に係る歯形部品の製造方法により製造された歯形部品421の平面図である。図80Bは、図80Aに示す歯形部品421のA−A断面図である。図80A及び図80Bに示すように、歯形部品421は、材軸(図80Bに示す一点鎖線)の方向において、一方の端部が開放され、且つ他方の端部が閉鎖された有底円筒形状を有する部品である。
歯形部品421は、容器底部4210と側面部4211とを有する。側面部4211は、容器底部4210の外縁部から立ち上がるように設けられる。容器底部4210と側面部4211とにより形成される外側の角部の角度は、略直角である。側面部4211は、材軸を中心とする円周方向に沿って交互に現れるように設けられた歯先部421a及び歯底部421bを有する。本実施形態では、歯先部421a及び歯底部421bのそれぞれの個数が8個である場合を例示しているが、歯先部421a及び歯底部421bの個数(すなわち歯形部品421の歯数)は8個に限定されず、複数であればよい。
歯先部421aは、歯底部421bよりも材軸を中心とする径方向の外側へ向かって突出する部位である。より具体的には、図80Aに示すように、材軸を中心とする半径Raの円周上に歯先部421aの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rcの円周上に歯先部421aの内周面及び歯底部421bの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rbの円周上に歯底部421bの内周面が位置する。以下では、上記半径Raを歯先部421aの外半径と呼称し、上記半径Rcを歯先部421aの内半径と呼称し、上記半径Rbを歯底部421bの内半径と呼称する。
また、図80Aにおいて、θgは、材軸を中心とする円周方向に沿って互いに隣り合う歯先部421a間の角度を示す。
詳細は後述するが、本実施形態では、歯形部品の製造方法として冷間鍛造を採用するので、熱間鍛造により製造された歯形部品と比較して、抜き勾配が無く、厚さの寸法精度が一桁小さい歯形部品421を切削工程無しで得ることができる。すなわち、本実施形態に係る歯形部品の製造方法によれば、重なり疵及び抜き勾配が無く、厚さの寸法精度が±0.05mm〜±0.3mmであるという高品質の歯形部品421を得ることができる。
このような歯形部品421を製造するため、第5実施形態に係る歯形部品の製造方法は、絞り工程と、拡径工程と、縮径工程と、歯形成形工程とを有する。以下、各工程の詳細について説明する。なお、上記のように、本実施形態では、歯形部品の製造方法として冷間鍛造を採用するので、各工程は常温下で実施される。
図81及び図82は、それぞれ絞り工程の成形前及び成形後の状態を模式的に示す断面図である。図81及び図82に示すように、絞り工程で用いるプレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置されたパンチ432と、ノックアウト433と、ダイ434とを備える。ノックアウト433及びダイ434は、パンチ432に対向配置されている。
拡径工程は、第1ステップと第2ステップとを有する。図83及び図84は、拡径工程の第1ステップの開始前の状態を模式的に示す図であり、図83は図84のA−A線断面図、図84は平面図である。図83及び図84に示すように、拡径工程の第1ステップで用いるプレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された第1パンチ442と、第1ノックアウト443と、第1ダイ444とを備える。第1ノックアウト443及び第1ダイ444は、第1パンチ442に対向配置されている。
図90は、縮径工程による成形前の状態を模式的に示す断面図である。図90に示すように、縮径工程で用いるプレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置されたパンチ462と、カウンターパンチ463と、ダイ464とを備える。カウンターパンチ463及びダイ464は、パンチ462に対向配置されている。
条件式(1)は、縮径円筒容器465の板厚tと、上記の長さΔR及びΔHとを用いて以下のように表される。
(ΔR+ΔH)≦ 2t …(1)
すなわち、縮径円筒容器465の角部465aの外側の形状が条件式(1)を満たすように、縮径円筒容器465の角部465aを増肉させると、角部465aの外側の角度が直角に近い値となる。
なお、縮径円筒容器465の角部465aの外側の角度をより直角に近い値にするために、縮径円筒容器465の角部465aの外側の形状が下記条件式(2)を満たすように、縮径円筒容器465の角部465aを増肉させることが好ましい。
(ΔR+ΔH)≦ 1.5t …(2)
図92〜図95は、歯形成形工程による成形前の状態を模式的に示す図である。なお、図92は、中心軸Cを通過する面で切断した断面図(図94のD−D線断面図)であり、図93は図92のA−A線断面図であり、図94は図92のB矢視図(平面図)であり、図95は図92のE矢視図(視底面図)である。これらの図に示すように、歯形成形工程で用いるプレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された内パンチ472と、外パンチ473と、カウンターパンチ474と、ダイ475とを備える。カウンターパンチ474及びダイ475は、内パンチ472に対向配置されている。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
図99Aは、第6実施形態に係る歯形部品の製造方法により製造された歯形部品521の平面図である。図99Bは、図99Aに示す歯形部品521のA−A断面図である。図99A及び図99Bに示すように、歯形部品521は、材軸(図99Bに示す一点鎖線)の方向において、一方の端部が開放され、且つ他方の端部が閉鎖された有底円筒形状を有する部品である。
歯形部品521は、容器底部5210と側面部5211とを有する。側面部5211は、容器底部5210の外縁部から立ち上がるように設けられる。容器底部5210と側面部5211とにより形成される外側の角部の角度は、略直角である。側面部5211は、材軸を中心とする円周方向に沿って交互に現れるように設けられた歯先部521a及び歯底部521bを有する。本実施形態では、歯先部521a及び歯底部521bのそれぞれの個数が8個である場合を例示しているが、歯先部521a及び歯底部521bの個数(すなわち歯形部品521の歯数)は8個に限定されず、複数であればよい。
歯先部521aは、歯底部521bよりも材軸を中心とする径方向の外側へ向かって突出する部位である。より具体的には、図99Aに示すように、材軸を中心とする半径Raの円周上に歯先部521aの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rcの円周上に歯先部521aの内周面及び歯底部521bの外周面が位置し、材軸を中心とする半径Rbの円周上に歯底部521bの内周面が位置する。以下では、上記半径Raを歯先部521aの外半径と呼称し、上記半径Rcを歯先部521aの内半径と呼称し、上記半径Rbを歯底部521bの内半径と呼称する。
また、図99Aにおいて、θgは、材軸を中心とする円周方向に沿って互いに隣り合う歯先部521a間の角度を示す。
詳細は後述するが、本実施形態では、歯形部品の製造方法として冷間鍛造を採用するので、熱間鍛造により製造された歯形部品と比較して、抜き勾配が無く、厚さの寸法精度が一桁小さい歯形部品521を切削工程無しで得ることができる。すなわち、本実施形態に係る歯形部品の製造方法によれば、重なり疵及び抜き勾配が無く、厚さの寸法精度が±0.05mm〜±0.3mmであるという高品質の歯形部品521を得ることができる。
このような歯形部品521を製造するため、第6実施形態に係る歯形部品521の製造方法は、絞り工程と、拡径工程と、縮径工程と、歯形成形工程(粗歯形成形工程及び完成歯形成形工程)とを有する。以下、各工程の詳細について説明する。なお、上記のように、本実施形態では、歯形部品の製造方法として冷間鍛造を採用するので、各工程は常温下で実施される。
図100及び図101は、それぞれ絞り工程の成形前及び成形後の状態を模式的に示す断面図である。図100及び図101に示すように、絞り工程で用いるプレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置されたパンチ532と、ノックアウト533と、ダイ534とを備える。ノックアウト533及びダイ534は、パンチ532に対向配置されている。
拡径工程は、第1ステップと第2ステップとを有する。図102及び図103は、拡径工程の第1ステップの開始前の状態を模式的に示す図であり、図102は図103のA−A線断面図、図103は平面図である。図102及び図103に示すように、拡径工程の第1ステップで用いるプレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された第1パンチ542と、第1ノックアウト543と、第1ダイ544とを備える。第1ノックアウト543及び第1ダイ544は、第1パンチ542に対向配置されている。
図109は、縮径工程による成形前の状態を模式的に示す断面図である。図109に示すように、縮径工程で用いるプレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置されたパンチ562と、カウンターパンチ563と、ダイ564とを備える。カウンターパンチ563及びダイ564は、パンチ562に対向配置されている。
条件式(1)は、縮径円筒容器565の板厚tと、上記の長さΔR及びΔHとを用いて以下のように表される。
(ΔR+ΔH)≦ 2t …(1)
すなわち、縮径円筒容器565の角部565aの外側の形状が条件式(1)を満たすように、縮径円筒容器565の角部565aを増肉させると、角部565aの外側の角度が直角に近い値となる。
なお、縮径円筒容器565の角部565aの外側の角度をより直角に近い値にするために、縮径円筒容器565の角部565aの外側の形状が下記条件式(2)を満たすように、縮径円筒容器565の角部565aを増肉させることが好ましい。
(ΔR+ΔH)≦ 1.5t …(2)
図111〜図114は、粗歯形成形工程による成形前の状態を模式的に示す図である。なお、図111は、中心軸Cを通過する面で切断した断面図(図113のD−D線断面図)であり、図112は図111のA−A線断面図であり、図113は図111のB矢視図(平面図)であり、図114は図111のE矢視図(視底面図)である。これらの図に示すように、粗歯形成形工程で用いるプレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された粗歯形成形内パンチ572と、粗歯形成形外パンチ573と、粗歯形成形カウンターパンチ574と、粗歯形成形ダイ575とを備える。粗歯形成形カウンターパンチ574及び粗歯形成形ダイ575は、粗歯形成形内パンチ572に対向配置されている。
図118〜図120は、粗歯形成形工程に続く完成歯形成形工程の成形前の状態を模式的に示す図である。図118は図120のD−D断面図であり、図119は図118のA−A断面平面図であり、図120は図118のE矢視図である。これらの図に示すように、完成歯形成形工程で用いるプレス機は、各々の中心軸Cが同軸上に配置された完成歯形成形内パンチ582と、完成歯形成形外パンチ583と、完成歯形成形ノックアウト584と、完成歯形成形ダイ585とを備える。完成歯形成形ノックアウト584及び完成歯形成形ダイ585は、完成歯形成形内パンチ582に対向配置されている。
被加工材の材質としては、鉄、鋼、アルミニウム、チタン、ステンレス、又は銅等の金属、若しくは、これらの合金等、塑性加工が可能な公知の各種のものを採用できる。また、金属と樹脂との複合材料、又は異種金属の複合材料なども被加工材として採用してもよい。
しかしながら、被加工材の形状は上記の形状に限定されず、例えば多角形状を有する平板を被加工材として使用してもよい。
21a 歯先部
21b 歯底部
31 被加工材
31a 谷部
31b 山部
31c 傾斜部
32 パンチ
34 ダイ
35 波状円筒容器
62 パンチ
63 カウンターパンチ
64 ダイ
65 縮径円筒容器
72 内パンチ
73 外パンチ
74 カウンターパンチ
75 ダイ
121 歯形部品
121a 歯先部
121b 歯底部
131 被加工材
131a 谷部
131b 山部
131c 傾斜部
132 パンチ
134 ダイ
135 波状円筒容器
162 パンチ
163 カウンターパンチ
164 ダイ
165 縮径円筒容器
172 粗歯形成形用の内パンチ
173 粗歯形成形用の外パンチ
174 粗歯形成形用のカウンターパンチ
175 粗歯形成形用のダイ
176 粗歯形成形品
182 完成歯形成形用の内パンチ
183 完成歯形成形用の外パンチ
184 完成歯形成形用のノックアウト
185 完成歯形成形用のダイ
221 歯形部品
221a 歯先部
221b 歯底部
231 被加工材
231a 谷部
231b 山部
231c 傾斜部
232 パンチ
234 ダイ
235 円筒容器
242 第1パンチ
244 第1ダイ
245 第1拡径円筒容器
252 第2パンチ
254 第2ダイ
255 第2拡径円筒容器
262 パンチ
263 カウンターパンチ
264 ダイ
265 縮径円筒容器
272 内パンチ
273 外パンチ
274 カウンターパンチ
275 ダイ
321 歯形部品
321a 歯先部
321b 歯底部
331 被加工材
331a 谷部
331b 山部
331c 傾斜部
332 パンチ
334 ダイ
335 円筒容器
342 第1パンチ
344 第1ダイ
345 第1拡径円筒容器
352 第2パンチ
354 第2ダイ
355 第2拡径円筒容器
362 パンチ
363 カウンターパンチ
364 ダイ
365 縮径円筒容器
372 粗歯形成形用の内パンチ
373 粗歯形成形用の外パンチ
374 粗歯形成形用のカウンターパンチ
375 粗歯形成形用のダイ
376 粗歯形成形品
382 完成歯形成形用の内パンチ
383 完成歯形成形用の外パンチ
384 完成歯形成形用のノックアウト
385 完成歯形成形用のダイ
421 歯形部品
421a 歯先部
421b 歯底部
431 被加工材
432 パンチ
433 ノックアウト
434 ダイ
435 円筒容器
442 第1パンチ
443 第1ノックアウト
444 第1ダイ
445 第1拡径円筒容器
452 第1パンチ
453 第1ノックアウト
454 第1ダイ
455 第2拡径円筒容器
462 パンチ
463 カウンターパンチ
464 ダイ
465 縮径円筒容器
472 内パンチ
473 外パンチ
474 カウンターパンチ
475 ダイ
521 歯形部品
521a 歯先部
521b 歯底部
531 被加工材
532 パンチ
533 ノックアウト
534 ダイ
535 円筒容器
542 第1パンチ
543 第1ノックアウト
544 第1ダイ
545 第1拡径円筒容器
552 第1パンチ
553 第1ノックアウト
554 第1ダイ
555 第2拡径円筒容器
562 パンチ
563 カウンターパンチ
564 ダイ
565 縮径円筒容器
572 粗歯形成形内パンチ
573 粗歯形成形外パンチ
574 粗歯形成形カウンターパンチ
575 粗歯形成形ダイ
576 粗歯形部品
582 完成歯形成形内パンチ
583 完成歯形成形外パンチ
584 完成歯形成形カウンターパンチ
585 完成歯形成形ダイ
Claims (29)
- 被加工材を絞り成形することにより、底面部及び側面部を有する円筒容器を得る絞り工程と;
前記円筒容器の前記側面部のうち、歯先部が形成される特定部位を縮径することにより、前記底面部と前記側面部との間の角部を増肉させる縮径工程と;
前記縮径工程にて縮径された前記円筒容器の前記特定部位に前記歯先部を形成することにより、前記底面部、前記側面部及び前記歯先部を有する歯形部品を得る歯形成形工程と;
を有し、
前記縮径工程では、
前記円筒容器の中心軸方向及び径方向を含む断面で前記円筒容器を見た場合に、前記円筒容器の前記底面部に対して平行に接する直線L1と、前記円筒容器の前記側面部に対して平行に接する直線L2との交点をP0と定義し、前記直線L1が前記円筒容器の前記底面部から離脱し始める点をP1、前記直線L2が前記円筒容器の前記側面部から離脱し始める点をP2と定義し、さらに、前記直線L1上の前記交点P0と前記点P1との間の長さをΔR、前記直線L2上の前記交点P0と前記点P2との間の長さをΔHと定義したとき、
前記円筒容器の前記角部の外側の形状が、前記円筒容器の板厚tと、前記長さΔR及びΔHとを用いて表される下記条件式(1)を満たすように前記角部を増肉させることを特徴とする歯形部品の製造方法。
(ΔR+ΔH)≦ 2t …(1)
- 前記絞り工程により得られた前記円筒容器の前記特定部位を拡径する拡径工程を、前記絞り工程と前記縮径工程との間にさらに有することを特徴とする請求項1に記載の歯形部品の製造方法。
- 前記歯形成形工程が、
前記縮径工程にて縮径された前記円筒容器の前記特定部位に粗歯形を形成する粗歯形成形工程と;
前記粗歯形を加工することにより前記特定部位に完成歯形を前記歯先部として形成する完成歯形成形工程と;
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記被加工材は、材軸を中心とする円周方向に沿って交互に現れるように設けられた山部及び谷部を有する平板であって、前記山部は、前記谷部から前記材軸を前記中心とする径方向の外側へ向かって突出する部位であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法。
- 前記被加工材は、円形状の平板、または多角形状の平板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法。
- 前記被加工材は、材軸を中心とする円周方向に沿って交互に現れるように設けられた山部及び谷部を有する平板であって、前記山部は、前記谷部から前記材軸を前記中心とする径方向の外側へ向かって突出する部位であり、
前記絞り工程では、前記円筒容器の前記側面部に、前記山部及び前記谷部が含まれるように、前記被加工材を絞り成形し、
前記縮径工程では、前記絞り工程により得られた前記円筒容器の前記側面部に含まれる前記山部を前記特定部位として縮径する、
ことを特徴とする請求項1に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記絞り工程において、
中心軸が同軸上に配置された、パンチと、ダイとを用い、
前記パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行なパンチ平面部と、前記パンチ平面部とパンチ曲面部を介して連続し、前記中心軸と平行な第1方向に延びるパンチ側面部とを有し、前記パンチ側面部には、前記第1方向に延伸する山筋及び谷筋が形成されており、
前記ダイは、前記中心軸と直交する径方向に平行なダイ平面部と、前記ダイ平面部に連続して前記第1方向に延びるダイ側面部とを有し、前記ダイ側面部には、前記第1方向に延伸する山筋及び谷筋が形成されており、
前記被加工材の前記山部が前記ダイの前記谷筋に位置するように前記被加工材を前記ダイの上に置き、
その後、前記パンチを前記ダイの方向に相対移動させることにより、前記側面部が前記底面部に対して直立する前記円筒容器を得る
ことを特徴とする請求項6に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記縮径工程において、
中心軸が同軸上に配置された、パンチと、カウンターパンチと、前記カウンターパンチの外周に配置されるダイとを用い、
前記パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行なパンチ平面部と、前記パンチ平面部とパンチ曲面部を介して連続して前記中心軸と平行な第1方向に延び、且つ半径が前記歯形部品の前記歯先部の内半径と同等のパンチ側面部とを有し、
前記カウンターパンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行なカウンターパンチ平面部と、前記カウンターパンチ平面部に連続して前記第1方向と逆方向に延び、且つ半径が前記歯形部品の前記歯先部の外半径と同等のカウンターパンチ側面部とを有し、
前記ダイは、前記第1方向に延び、且つ半径が前記歯形部品の前記歯先部の外半径と同等のダイ側面部と、前記ダイ側面部とダイ曲面部を介して連続し、前記第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する方向に拡開するダイ傾斜部とを有し、
前記絞り工程により得られた前記円筒容器の前記底面部を前記パンチと前記カウンターパンチとの間に挟んだ状態で、前記パンチ及び前記カウンターパンチを前記ダイの方向に相対移動させることにより、前記円筒容器の前記側面部に含まれる前記山部を前記特定部位として縮径する、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記歯形成形工程において、
中心軸が同軸上に配置された、内パンチと、前記内パンチの外周に配置される外パンチと、カウンターパンチと、前記カウンターパンチの外周に配置されるダイとを用い、
前記内パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な内パンチ平面部と、前記内パンチ平面部と内パンチ曲面部を介して連続して前記中心軸に平行な第1方向に延びる内パンチ側面部とを有し、前記内パンチ側面部には、前記第1方向に延びる内パンチ山筋及び内パンチ谷筋が形成されており、
前記ダイは、前記第1方向に延びるダイ側面部と、前記ダイ側面部とダイ曲面部を介して連続し、前記第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する方向に拡開するダイ傾斜部とを有し、前記ダイ側面部には、前記第1方向に延びるダイ谷筋及びダイ山筋が形成されており、
前記外パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な外パンチ平面部と、前記外パンチ平面部に連続して前記内パンチ側面部に沿って前記第1方向に延びる外パンチ第1側面部と、前記外パンチ平面部に連続して前記ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びる外パンチ第2側面部とを有し、
前記カウンターパンチは、前記ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びるカウンターパンチ側面部と、前記カウンターパンチ側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行なカウンターパンチ平面部とを有し、
前記縮径工程にて縮径された前記円筒容器の前記山部が前記ダイ谷筋に位置するように、前記円筒容器の前記底面部を前記内パンチ平面部と前記カウンターパンチ平面部との間に挟んだ状態で、前記外パンチ平面部を前記円筒容器の開口端に当接させ、
その後、前記内パンチ、前記外パンチ及び前記カウンターパンチを前記ダイの方向に相対移動させ、
前記外パンチ平面部が前記ダイ曲面部を通過した後、前記内パンチ、前記カウンターパンチ及び前記ダイを固定した状態で、前記外パンチを前記カウンターパンチの方向に相対移動させることにより、前記円筒容器の前記山部に前記歯先部を形成する、
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記歯形成形工程が、
前記縮径工程にて縮径された前記円筒容器の前記山部に粗歯形を形成する粗歯形成形工程と;
前記粗歯形を加工することにより前記山部に完成歯形を前記歯先部として形成する完成歯形成形工程と;
を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記粗歯形成形工程において、
中心軸が同軸上に配置された、粗歯形成形内パンチと、前記粗歯形成形内パンチの外周に配置される粗歯形成形外パンチと、粗歯形成形カウンターパンチと、前記粗歯形成形カウンターパンチの外周に配置される粗歯形成形ダイとを用い、
前記粗歯形成形内パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な粗歯形成形内パンチ平面部と、前記粗歯形成形内パンチ平面部及び粗歯形成形内パンチ曲面部を介して連続して前記中心軸に平行な第1方向に延びる粗歯形成形内パンチ側面部とを有し、前記粗歯形成形内パンチ側面部には、前記第1方向に延びる粗歯形成形内パンチ山筋及び粗歯形成形内パンチ谷筋が形成されており、
前記粗歯形成形ダイは、前記第1方向に延びる粗歯形成形ダイ側面部と、前記粗歯形成形ダイ側面部及び粗歯形成形ダイ曲面部を介して連続し、前記第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する方向に拡開する粗歯形成形ダイ傾斜部とを有し、前記粗歯形成形ダイ側面部には、前記第1方向に延びる粗歯形成形ダイ谷筋及び粗歯形成形ダイ山筋が形成されており、
前記粗歯形成形外パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な粗歯形成形外パンチ平面部と、前記粗歯形成形外パンチ平面部に連続して前記粗歯形成形内パンチ側面部に沿って前記第1方向に延びる粗歯形成形外パンチ第1側面部と、前記粗歯形成形外パンチ平面部に連続して前記粗歯形成形ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びる粗歯形成形外パンチ第2側面部とを有し、
前記粗歯形成形カウンターパンチは、前記粗歯形成形ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びる粗歯形成形カウンターパンチ側面部と、前記粗歯形成形カウンターパンチ側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行な粗歯形成形カウンターパンチ平面部とを有し、
前記縮径工程にて縮径された前記円筒容器の前記山部が前記粗歯形成形ダイ谷筋に位置するように、前記円筒容器の前記底面部を前記粗歯形成形内パンチ平面部と前記粗歯形成形カウンターパンチ平面部との間に挟んだ状態で、前記粗歯形成形外パンチ平面部を前記円筒容器の開口端に当接させ、
その後、前記粗歯形成形内パンチ、前記粗歯形成形外パンチ及び前記粗歯形成形カウンターパンチを前記粗歯形成形ダイの方向に相対移動させることにより、前記円筒容器の前記山部に前記粗歯形を形成する、
ことを特徴とする請求項10に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記完成歯形成形工程において、
中心軸が同軸上に配置された、完成歯形成形内パンチと、前記完成歯形成形内パンチの外周に配置される完成歯形成形外パンチと、完成歯形成形ダイとを用い、
前記完成歯形成形内パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な完成歯形成形内パンチ平面部と、前記完成歯形成形内パンチ平面部及び完成歯形成形内パンチ曲面部を介して連続して前記中心軸に平行な第1方向に延びる完成歯形成形内パンチ側面部とを有し、前記完成歯形成形内パンチ側面部は、前記中心軸に直交する断面の形状及び寸法が前記粗歯形成形内パンチ側面部と同一であり、前記第1方向に延伸する完成歯形成形内パンチ山筋及び完成歯形成形内パンチ谷筋を有し、
前記完成歯形成形ダイは、前記中心軸と直交する径方向に平行な完成歯形成形ダイ平面部と、前記完成歯形成形ダイ平面部に連続して前記第1方向に延びる完成歯形成形ダイ側面部とを有し、前記完成歯形成形ダイ側面部は、前記中心軸に直交する断面の形状及び寸法が前記粗歯形成形ダイ側面部と同一であり、前記第1方向に延伸する完成歯形成形ダイ山筋及び完成歯形成形ダイ谷筋を有し、
前記完成歯形成形外パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な完成歯形成形外パンチ平面部と、前記完成歯形成形外パンチ平面部に連続して前記完成歯形成形内パンチ側面部に沿って前記第1方向に延びる完成歯形成形外パンチ第1側面部と、前記完成歯形成形外パンチ平面部に連続して前記完成歯形成形ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びる完成歯形成形外パンチ第2側面部とを有し、
前記粗歯形成形工程にて前記円筒容器の前記山部に形成された前記粗歯形が前記完成歯形成形ダイ谷筋に位置するように、前記円筒容器の前記底面部を前記完成歯形成形内パンチ平面部と前記完成歯形成形ダイ平面部との間に挟んだ状態で、前記完成歯形成形外パンチ平面部で前記円筒容器の開口端を押込むことにより、前記円筒容器の前記山部に前記完成歯形を形成する、
ことを特徴とする請求項11に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記絞り工程により得られた前記円筒容器の前記特定部位を拡径する拡径工程を、前記絞り工程と前記縮径工程との間にさらに有し、
前記被加工材は、材軸を中心とする円周方向に沿って交互に現れるように設けられた山部及び谷部を有する平板であって、前記山部は、前記谷部から前記材軸を前記中心とする径方向の外側へ向かって突出する部位であり、
前記絞り工程では、前記円筒容器の前記側面部に、前記山部及び前記谷部が含まれるように、前記被加工材を絞り成形し、
前記拡径工程では、前記絞り工程により得られた前記円筒容器の前記側面部に含まれる前記山部が変形した突起部を前記特定部位として拡径し、
前記縮径工程では、前記拡径工程にて拡径された前記円筒容器の前記突起部を縮径する、
ことを特徴とする請求項1に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記拡径工程において、
中心軸が同軸上に配置された、第1パンチと、第1ダイとを用いた第1ステップと、
中心軸が同軸上に配置された、第2パンチと、第2ダイとを用いた第2ステップとを有し、
前記第1パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な第1パンチ平面部と、前記第1パンチ平面部及び第1パンチ第1曲面部を介して連続し、前記中心軸と平行な第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する径方向に拡開する第1パンチ傾斜部と、前記第1パンチ傾斜部及び第1パンチ第2曲面部を介して連続して前記第1方向に延びる第1パンチ側面部とを有し、前記第1パンチ側面部には、前記第1方向に延伸する山筋及び谷筋が形成されており、
前記第1ダイは、前記中心軸と直交する径方向に平行な第1ダイ平面部と、前記第1ダイ平面部に連続して前記第1方向に延びる第1ダイ側面部とを有し、前記第1ダイ側面部には、前記第1方向に延伸する山筋及び谷筋が形成されており、さらに前記第1ダイ側面部は、前記第1パンチ側面部から径方向に前記被加工材の板厚分をオフセットしたかたちで配置され、
前記第2パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な第2パンチ平面部と、前記第2パンチ平面部及び第2パンチ曲面部を介して連続して前記第1方向に延びる第2パンチ側面部とを有し、前記第2パンチ側面部は、形状及び寸法が前記第1パンチ側面部と同一であり、前記第1方向に延伸する山筋及び谷筋が形成されており、
前記第2ダイは、前記中心軸と直交する径方向に平行な第2ダイ平面部と、前記第2ダイ平面部に連続して前記第1方向に延びる第2ダイ側面部とを有し、前記第2ダイ側面部は、形状及び寸法が前記第1ダイ側面部と同一であり、前記第1方向に延伸する山筋及び谷筋が形成されており、
前記第1ステップでは、前記絞り工程により得られる前記円筒容器の前記山部が変形した前記突起部が前記第1ダイの前記谷筋に位置するように前記円筒容器を前記第1ダイの上に置き、
その後、前記第1パンチを前記第1ダイの方向に相対移動させることにより、前記突起部を拡径し、
前記第2ステップでは、拡径された前記突起部が前記第2ダイの前記谷筋に位置するように前記円筒容器を前記第2ダイの上に置き、
その後、前記第2パンチを前記第2ダイの方向に相対移動させることにより、前記側面部が前記底面部に対して直立する前記円筒容器を得る、
ことを特徴とする請求項13に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記縮径工程において、
中心軸が同軸上に配置された、パンチと、カウンターパンチと、前記カウンターパンチの外周に配置されるダイとを用い、
前記パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行なパンチ平面部と、前記パンチ平面部及びパンチ曲面部を介して連続して前記中心軸と平行な第1方向に延び、且つ半径が前記歯形部品の前記歯先部の内半径と同等のパンチ側面部とを有し、
前記カウンターパンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行なカウンターパンチ平面部と、前記カウンターパンチ平面部に連続して前記第1方向と逆方向に延び、且つ半径が前記歯形部品の前記歯先部の外半径と同等のカウンターパンチ側面部とを有し、
前記ダイは、前記第1方向に延び、且つ半径が前記歯形部品の前記歯先部の外半径と同等のダイ側面部と、前記ダイ側面部及びダイ曲面部を介して連続し、前記第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する方向に拡開するダイ傾斜部とを有し、
前記拡径工程により拡径された前記突起部を有する前記円筒容器の前記底面部を前記パンチと前記カウンターパンチとの間に挟んだ状態で、前記パンチ及び前記カウンターパンチを前記ダイの方向に相対移動させることにより、前記円筒容器の前記側面部に含まれる前記突起部を縮径する、
ことを特徴とする請求項13または14に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記歯形成形工程において、
中心軸が同軸上に配置された、内パンチと、前記内パンチの外周に配置される外パンチと、カウンターパンチと、前記カウンターパンチの外周に配置されるダイとを用い、
前記内パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な内パンチ平面部と、前記内パンチ平面部及び内パンチ曲面部を介して連続して前記中心軸に平行な第1方向に延びる内パンチ側面部とを有し、前記内パンチ側面部には、前記第1方向に延びる内パンチ山筋及び内パンチ谷筋が形成されており、
前記ダイは、前記第1方向に延びるダイ側面部と、前記ダイ側面部及びダイ曲面部を介して連続し、前記第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する方向に拡開するダイ傾斜部とを有し、前記ダイ側面部には、前記第1方向に延びるダイ谷筋及びダイ山筋が形成されており、
前記外パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な外パンチ平面部と、前記外パンチ平面部に連続して前記内パンチ側面部に沿って前記第1方向に延びる外パンチ第1側面部と、前記外パンチ平面部に連続して前記ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びる外パンチ第2側面部とを有し、
前記カウンターパンチは、前記ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びるカウンターパンチ側面部と、前記カウンターパンチ側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行なカウンターパンチ平面部とを有し、
前記縮径工程により縮径された前記突起部が前記ダイ谷筋に位置するように、前記円筒容器の前記底面部を前記内パンチ平面部と前記カウンターパンチ平面部との間に挟んだ状態で、前記外パンチ平面部を前記円筒容器の開口端に当接させ、
その後、前記内パンチ、前記外パンチ及び前記カウンターパンチを前記ダイの方向に相対移動させ、
前記外パンチ平面部が前記ダイ曲面部を通過した後、前記内パンチ、前記カウンターパンチ及び前記ダイを固定した状態で、前記外パンチを前記カウンターパンチの方向に相対移動させることにより、前記円筒容器の前記突起部に前記歯先部を形成する、
ことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記歯形成形工程が、
前記縮径工程にて縮径された前記円筒容器の前記突起部に粗歯形を形成する粗歯形成形工程と;
前記粗歯形を加工することにより前記突起部に完成歯形を前記歯先部として形成する完成歯形成形工程と;
を有することを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記粗歯形成形工程において、
中心軸が同軸上に配置された、粗歯形成形内パンチと、前記粗歯形成形内パンチの外周に配置される粗歯形成形外パンチと、粗歯形成形カウンターパンチと、前記粗歯形成形カウンターパンチの外周に配置される粗歯形成形ダイとを用い、
前記粗歯形成形内パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な粗歯形成形内パンチ平面部と、前記粗歯形成形内パンチ平面部及び粗歯形成形内パンチ曲面部を介して連続して前記中心軸に平行な第1方向に延びる粗歯形成形内パンチ側面部とを有し、前記粗歯形成形内パンチ側面部には、前記第1方向に延びる粗歯形成形内パンチ山筋及び粗歯形成形内パンチ谷筋が形成されており、
前記粗歯形成形ダイは、前記第1方向に延びる粗歯形成形ダイ側面部と、前記粗歯形成形ダイ側面部及び粗歯形成形ダイ曲面部を介して連続し、前記第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する方向に拡開する粗歯形成形ダイ傾斜部とを有し、前記粗歯形成形ダイ側面部には、前記第1方向に延びる粗歯形成形ダイ谷筋及び粗歯形成形ダイ山筋が形成されており、
前記粗歯形成形外パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な粗歯形成形外パンチ平面部と、前記粗歯形成形外パンチ平面部に連続して前記粗歯形成形内パンチ側面部に沿って前記第1方向に延びる粗歯形成形外パンチ第1側面部と、前記粗歯形成形外パンチ平面部に連続して前記粗歯形成形ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びる粗歯形成形外パンチ第2側面部とを有し、
前記粗歯形成形カウンターパンチは、前記粗歯形成形ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びる粗歯形成形カウンターパンチ側面部と、前記粗歯形成形カウンターパンチ側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行な粗歯形成形カウンターパンチ平面部とを有し、
前記縮径工程により縮径された前記突起部が前記粗歯形成形ダイ谷筋に位置するように、前記円筒容器の前記底面部を前記粗歯形成形内パンチ平面部と前記粗歯形成形カウンターパンチ平面部との間に挟んだ状態で、前記粗歯形成形外パンチ平面部を前記円筒容器の開口端に当接させ、
その後、前記粗歯形成形内パンチ、前記粗歯形成形外パンチ及び前記粗歯形成形カウンターパンチを前記粗歯形成形ダイの方向に相対移動させることにより、前記円筒容器の前記突起部に前記粗歯形を形成する、
ことを特徴とする請求項17に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記完成歯形成形工程において、
中心軸が同軸上に配置された、完成歯形成形内パンチと、前記完成歯形成形内パンチの外周に配置される完成歯形成形外パンチと、完成歯形成形ダイとを用い、
前記完成歯形成形内パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な完成歯形成形内パンチ平面部と、前記完成歯形成形内パンチ平面部及び完成歯形成形内パンチ曲面部を介して連続して前記中心軸に平行な第1方向に延びる完成歯形成形内パンチ側面部とを有し、前記完成歯形成形内パンチ側面部は、前記中心軸に直交する断面の形状及び寸法が前記粗歯形成形内パンチ側面部と同一であり、前記第1方向に延伸する完成歯形成形内パンチ山筋及び完成歯形成形内パンチ谷筋を有し、
前記完成歯形成形ダイは、前記中心軸と直交する径方向に平行な完成歯形成形ダイ平面部と、前記完成歯形成形ダイ平面部に連続して前記第1方向に延びる完成歯形成形ダイ側面部とを有し、前記完成歯形成形ダイ側面部は、前記中心軸に直交する断面の形状及び寸法が前記粗歯形成形ダイ側面部と同一であり、前記第1方向に延伸する完成歯形成形ダイ山筋及び完成歯形成形ダイ谷筋を有し、
前記完成歯形成形外パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な完成歯形成形外パンチ平面部と、前記完成歯形成形外パンチ平面部に連続して前記完成歯形成形内パンチ側面部に沿って前記第1方向に延びる完成歯形成形外パンチ第1側面部と、前記完成歯形成形外パンチ平面部に連続して前記完成歯形成形ダイ側面部に沿って前記第1方向に延びる完成歯形成形外パンチ第2側面部とを有し、
前記粗歯形成形工程にて前記円筒容器の前記突起部に形成された前記粗歯形が前記完成歯形成形ダイ谷筋に位置するように、前記円筒容器の前記底面部を前記完成歯形成形内パンチ平面部と前記完成歯形成形ダイ平面部との間に挟んだ状態で、前記完成歯形成形外パンチ平面部で前記円筒容器の開口端を押込むことにより、前記円筒容器の前記突起部に前記完成歯形を形成する、
ことを特徴とする請求項18に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記絞り工程により得られた前記円筒容器の前記特定部位を拡径する拡径工程を、前記絞り工程と前記縮径工程との間にさらに有し、
前記絞り工程では、円形状の平板である前記被加工材を絞り成形することにより、前記円筒容器を得る、
ことを特徴とする請求項1に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記拡径工程において、
中心軸が同軸上に配置された第1パンチと第1ダイとを用いた第1ステップと、
中心軸が同軸上に配置された第2パンチと第2ダイとを用いた第2ステップとを有し、
前記第1パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な第1パンチ平面部と、前記第1パンチ平面部及び第1パンチ第1曲面部を介して連続し、前記中心軸と平行な第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する径方向に拡開する第1パンチ傾斜部と、前記第1パンチ傾斜部と第1パンチ第2曲面部を介して連続して前記第1方向に延伸する第1パンチ側面部と、を有し、前記第1パンチ側面部には、前記第1方向に延伸する山筋及び谷筋が形成されており、
前記第1ダイは、前記第1方向に延伸する第1ダイ第1側面部と、前記第1ダイ第1側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行な第1ダイ平面部と、前記第1ダイ平面部に連続して前記第1方向に延伸する第1ダイ第2側面部と、を有し、前記第1ダイ第2側面部は、前記第1パンチ側面部から径方向に前記被加工材の板厚分をオフセットした山筋及び谷筋を有し、
前記第2パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な第2パンチ平面部と、前記第2パンチ平面部及び第2パンチ曲面部を介して連続して前記第1方向に延伸する第2パンチ側面部を有し、前記第2パンチ側面部は、形状及び寸法が前記第1パンチ側面部と同一であり、前記第1方向に延伸する山筋及び谷筋が形成されており、
前記第2ダイは、前記第1方向に延伸する第2ダイ第1側面部と、前記第2ダイ第1側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行な第2ダイ平面部と、前記第2ダイ平面部に連続して前記第1方向に延伸する第2ダイ第2側面部と、を有し、前記第2ダイ第2側面部は、形状及び寸法が前記第1ダイ第2側面部と同一であり、前記第1方向に延伸する山筋及び谷筋が形成されており、
前記第1ステップでは、前記絞り工程により得られる前記円筒容器を前記第1ダイの上に置き、
その後、前記第1パンチを前記第1ダイの方向に相対移動させることにより、前記第1パンチの山筋により前記側面部に含まれる前記特定部位を拡径し、
前記第2ステップでは、拡径された前記特定部位が前記第2ダイの前記谷筋に位置するように前記円筒容器を前記第2ダイ平面部の上に置き、
その後、前記第2パンチを前記第2ダイの方向に相対移動させることにより、前記側面部が前記底面部に対して直立する前記円筒容器を得る、
ことを特徴とする請求項20に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記縮径工程において、
パンチと、前記パンチと中心軸が同軸上に配置されるカウンターパンチと、前記カウンターパンチの外周に沿って配置されるダイと、を用い、
前記パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行なパンチ平面部と、前記パンチ平面部及びパンチ曲面部を介して連続して中心軸に沿って前記中心軸に平行な第1方向に延伸し、半径が前記歯形部品の前記歯先部の内半径と同等のパンチ側面部と、を有し、
前記カウンターパンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行なカウンターパンチ平面部と、カウンターパンチ平面部に連続して前記第1方向と逆方向に延伸し、半径が前記歯形部品の前記歯先部の外半径と同等であるカウンターパンチ側面部と、を有し、
前記ダイは、前記第1方向に延伸し、内半径が前記歯形部品の前記歯先部の外半径と同等のダイ側面部と、前記ダイ側面部及びダイ曲面部を介して連続して前記第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する方向に拡開するダイ傾斜部と、を有し、
前記拡径工程により拡径された前記特定部位を有する前記円筒容器の前記底面部を前記パンチと前記カウンターパンチとの間に挟んだ状態で、前記パンチ及び前記カウンターパンチを前記ダイの方向に相対移動させることにより、前記円筒容器の前記側面部に含まれる前記特定部位を縮径する、
ことを特徴とする請求項20または21に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記歯形成形工程において、
互いに中心軸が同軸上に配置される内パンチと、前記内パンチの外周に沿って配置される外パンチと、前記内パンチに対向配置されるカウンターパンチと、前記カウンターパンチの外周に沿って配置されるダイと、を用い、
前記内パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な内パンチ平面部と、前記内パンチ平面部と内パンチ曲面部を介して連続して中心軸に平行な第1方向に延伸する内パンチ側面部と、を有し、前記内パンチ側面部には、前記第1方向に延びる内パンチ山筋及び内パンチ谷筋が形成されており、
前記ダイは、前記第1方向に延伸するダイ側面部と、前記ダイ側面部及びダイ曲面部を介して連続して前記第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する方向に拡開するダイ傾斜部と、を有し、前記ダイ側面部には、前記第1方向に延びるダイ谷筋及びダイ山筋が形成されており、
前記外パンチは、筒状の形状であり、前記内パンチ側面部に沿って前記第1方向に延伸する外パンチ第1側面部と、前記外パンチ第1側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行な外パンチ平面部と、前記外パンチ平面部に連続して前記ダイの前記ダイ側面部に沿って前記第1方向に延伸する外パンチ第2側面部と、を有し、前記外パンチ平面部は、互いに隣合う前記歯先部の間の部位に対応する部位が窪んだ窪み部を有し、
前記カウンターパンチは、前記ダイ側面部に沿って前記第1方向に延伸するカウンターパンチ側面部と、前記カウンターパンチ側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行なカウンターパンチ平面部と、を有し、
前記縮径工程により縮径された前記特定部位が前記ダイ谷筋に位置するように、前記円筒容器の前記底面部を前記内パンチ平面部と前記カウンターパンチ平面部との間に挟んだ状態で、前記外パンチ平面部を前記円筒容器の開口端に当接させ、
その後、前記内パンチ、前記外パンチ及び前記カウンターパンチを前記ダイの方向に相対移動させ、
前記外パンチ平面部が前記ダイ曲面部を通過した後、前記内パンチ、前記カウンターパンチ及び前記ダイを固定した状態で、前記外パンチを前記カウンターパンチの方向に相対移動させることにより、前記円筒容器の前記特定部位に前記歯先部を形成する、
ことを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記歯形成形工程が、
前記縮径工程にて縮径された前記円筒容器の前記特定部位に粗歯形を形成する粗歯形成形工程と;
前記粗歯形を加工することにより前記特定部位に完成歯形を前記歯先部として形成する完成歯形成形工程と;
を有することを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記粗歯形成形工程において、
互いに中心軸が同軸上に配置される粗歯形成形内パンチと、前記粗歯形成形内パンチの外周に沿って配置される粗歯形成形外パンチと、前記粗歯形成形内パンチに対向配置される粗歯形成形カウンターパンチと、前記粗歯形成形カウンターパンチの外周に沿って配置される粗歯形成形ダイと、を用い、
前記粗歯形成形内パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な粗歯形成形内パンチ平面部と、前記粗歯形成形内パンチ平面部及び粗歯形成形内パンチ曲面部を介して連続して中心軸に平行な第1方向に延伸する粗歯形成形内パンチ側面部と、を有し、前記粗歯形成形内パンチ側面部には、前記第1方向に延びる粗歯形成形内パンチ山筋及び粗歯形成形内パンチ谷筋が形成されており、
前記粗歯形成形ダイは、前記第1方向に延伸する粗歯形成形ダイ側面部と、前記粗歯形成形ダイ側面部及び粗歯形成形ダイ曲面部を介して連続して前記第1方向に進むに従って前記中心軸と直交する方向に拡開する粗歯形成形ダイ傾斜部と、を有し、前記粗歯形成形ダイ側面部には、前記第1方向に延びる粗歯形成形ダイ谷筋及び粗歯形成形ダイ山筋が形成されており、
前記粗歯形成形外パンチは、筒状の形状であり、前記粗歯形成形内パンチ側面部に沿って前記第1方向に延伸する粗歯形成形外パンチ第1側面部と、前記粗歯形成形外パンチ第1側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行な粗歯形成形外パンチ平面部と、前記粗歯形成形外パンチ平面部に連続して前記粗歯形成形ダイの前記粗歯形成形ダイ側面部に沿って前記第1方向に延伸する粗歯形成形外パンチ第2側面部と、を有し、前記粗歯形成形外パンチ平面部は、互いに隣合う前記歯先部の間の部位に対応する部位が窪んだ窪み部を有し、
前記粗歯形成形カウンターパンチは、前記粗歯形成形ダイ側面部に沿って前記第1方向に延伸する粗歯形成形カウンターパンチ側面部と、前記粗歯形成形カウンターパンチ側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行な粗歯形成形カウンターパンチ平面部と、を有し、
前記縮径工程により縮径された前記特定部位が前記粗歯形成形ダイ谷筋に位置するように、前記円筒容器の前記底面部を前記粗歯形成形内パンチ平面部と前記粗歯形成形カウンターパンチ平面部との間に挟んだ状態で、前記粗歯形成形外パンチ平面部を前記円筒容器の開口端に当接させ、
その後、前記粗歯形成形内パンチ、前記粗歯形成形外パンチ及び前記粗歯形成形カウンターパンチを前記粗歯形成形ダイの方向に相対移動させることにより、前記円筒容器の前記特定部位に前記粗歯形を形成する、
ことを特徴とする請求項24に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記完成歯形成形工程において、
互いに中心軸が同軸上に配置される完成歯形成形内パンチと、前記完成歯形成形内パンチの外周に沿って配置される完成歯形成形外パンチと、前記完成歯形成形内パンチに対向配置される完成歯形成形ノックアウトと、前記完成歯形成形ノックアウトの外周に沿って配置される完成歯形成形ダイと、を用い、
前記完成歯形成形内パンチは、前記中心軸と直交する径方向に平行な完成歯形成形内パンチ平面部と、前記完成歯形成形内パンチ平面部及び完成歯形成形内パンチ曲面部を介して連続して前記中心軸に平行な第1方向に延伸する完成歯形成形内パンチ側面部を有し、前記完成歯形成形内パンチ側面部は、前記中心軸に直交する断面の形状及び寸法が前記粗歯形成形内パンチ側面部と同一であり、前記第1方向に延びる完成歯形成形内パンチ山筋及び完成歯形成形内パンチ谷筋を有し、
前記完成歯形成形ダイは、前記第1方向に延伸する完成歯形成形ダイ第1側面部と、前記完成歯形成形ダイ第1側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行な完成歯形成形ダイ平面部と、前記完成歯形成形ダイ平面部に連続して、前記第1方向に延伸する完成歯形成形ダイ第2側面部とを有し、前記完成歯形成形ダイ第2側面部は、前記中心軸に直交する断面の形状及び寸法が前記粗歯形成形ダイ側面部と同一であり、前記第1方向に延びる完成歯形成形ダイ山筋及び完成歯形成形ダイ谷筋を有し、
前記完成歯形成形外パンチは、筒状の形状であり、前記完成歯形成形内パンチ側面部に沿って前記第1方向に延伸する完成歯形成形外パンチ第1側面部と、前記完成歯形成形外パンチ第1側面部に連続して前記中心軸と直交する径方向に平行な完成歯形成形外パンチ平面部と、前記完成歯形成形外パンチ平面部に連続して前記完成歯形成形ダイ第2側面部に沿って前記第1方向に延伸する完成歯形成形外パンチ第2側面部とを有し、前記完成歯形成形外パンチ平面部は、互いに隣り合う前記歯先部の間の部位に対応する部位が窪んだ窪み部を有し、
前記粗歯形成形工程にて前記円筒容器の前記特定部位に形成された前記粗歯形が前記完成歯形成形ダイ谷筋に位置するように、前記円筒容器の前記底面部を前記完成歯形成形内パンチ平面部と前記完成歯形成形ダイ平面部との間に挟んだ状態で、前記完成歯形成形外パンチ平面部にて前記円筒容器の開口端を押込むことにより、前記円筒容器の前記特定部位に前記完成歯形を形成する、
ことを特徴とする請求項25に記載の歯形部品の製造方法。 - 前記歯形成形工程の後に、前記歯形部品の端部を切削して平坦にする工程をさらに有することを特徴とする請求項20〜26のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法。
- 請求項1〜27のいずれか一項に記載の歯形部品の製造方法によって製造されたことを特徴とする歯形部品。
- 底面部と;
前記底面部に対して直立する側面部と;
前記側面部に形成された歯先部と;
を備え、
抜き勾配が無く、
厚さの寸法精度が±0.05mm〜±0.3mmである、
ことを特徴とする歯形部品。
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