JP2004074287A - パラボラアンテナ鏡面製造方法及びパラボラアンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工中に接合部分から亀裂が発生する恐れがなく、非常に高い鏡面精度が得られると共に亀裂による鏡面不良率も低く、かつ設備費の大幅低減が可能なパラボラアンテナ鏡面製造方法及びパラボラアンテナ装置を提供する。
【解決手段】複数のアルミニウム板を摩擦撹拌接合方法により接合し、鏡面用平面板48を製作する。次に上記鏡面用平面板48をプレス成形機50のリング状取付台51にセットした後、外周押え昇降用シリンダ23を下降させ、外周押えリング25により鏡面用平面板48の外周部をリング状取付台51のカール成形用溝52に押圧してカール成形すると共に、鏡面用平面板48をリング状取付台51に固定する。次いで上型昇降用シリンダ22を下降させ、上型24により鏡面用平面板48を放物面状に成形加工してパラボラアンテナ鏡面板を製作する。
【選択図】 図5
【解決手段】複数のアルミニウム板を摩擦撹拌接合方法により接合し、鏡面用平面板48を製作する。次に上記鏡面用平面板48をプレス成形機50のリング状取付台51にセットした後、外周押え昇降用シリンダ23を下降させ、外周押えリング25により鏡面用平面板48の外周部をリング状取付台51のカール成形用溝52に押圧してカール成形すると共に、鏡面用平面板48をリング状取付台51に固定する。次いで上型昇降用シリンダ22を下降させ、上型24により鏡面用平面板48を放物面状に成形加工してパラボラアンテナ鏡面板を製作する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、複数のアルミニウム板を摩擦撹拌接合方法により接合し、プレス成形機にて、放物面状をした上型のみを使用してパラボラアンテナ鏡面を製造するパラボラアンテナ鏡面製造方法及びパラボラアンテナ装置に関する。
パラボラアンテナの鏡面板としてアルミニウム板が一般に使用されている。従来、この種のアルミニウム鏡面板接合には、MIG溶接やTIG溶接により、複数のアルミニウム板を接合して大口径(直径2mφ以上)のパラボラアンテナ用の鏡面用平面板を製作し、この鏡面用平面板をスピニングによる絞り加工またはプレス加工により放物面状に加工してパラボラアンテナ鏡面を製作している。
図7は、MIG溶接やTIG溶接等の従来の溶接方法により複数枚例えば3枚のアルミニウム板1を溶接した場合の状態を示し、図8は溶接接合部2の詳細図である。アルミニウム板1を従来の溶接方法により溶接すると、溶接接合部2には、図8に詳細を示すように表面側溶接余盛部3及び裏面側溶接余盛部4が形成される。
図9は、上記溶接接合部2の表面側溶接余盛部3及び裏面側溶接余盛部4をグラインダー等にて仕上げ加工した状態を示したものである。図9において、5は表面側溶接余盛部仕上部、6は裏面側溶接余盛部仕上部である。
アルミニウム板1が比較的小さい場合には、溶接接合部2の表面側溶接余盛部3及び裏面側溶接余盛部4をグラインダー等にて仕上げ加工することにより、図9に示したように平面に仕上げることができる。
しかし、大口径パラボラアンテナ用鏡面板のように大きなアルミニウム板1を溶接する場合には、アルミニウム板1の溶接部が長いため、自動溶接等にて溶接を行なうが、溶接部に欠陥が発生し易い。
また、アルミニウム板1が大きいために溶接部を全長に亘って水平に固定することが難しく、治具等の固定具で水平(高低差0.2mm以内)に固定しても、溶接中の溶接熱や、材料の熱膨張等により、図10に示すように溶接接合部2に表面側溶接接合の段差部7及び裏面側溶接接合の段差部8が発生する。この段差部7、8部分は、グラインダー等で表面側溶接余盛部3及び裏面側溶接余盛部4部分と共に仕上げ加工するが、その仕上げ加工に非常に多くの時間を要し、全面を均一に仕上げ加工するのは非常に困難である。上記段差部7、8の部分は、極力水平になだらかに加工する必要があるため、図11に示すように仕上げ加工時に板を削り過ぎて、その薄くなった部分9の強度が弱くなり、プレス加工や絞り加工時に割れを生じたり、また、欠陥溶接部等があると、同様に割れを生じる。
また、アルミニウム板1が大きいために溶接部を全長に亘って水平に固定することが難しく、治具等の固定具で水平(高低差0.2mm以内)に固定しても、溶接中の溶接熱や、材料の熱膨張等により、図10に示すように溶接接合部2に表面側溶接接合の段差部7及び裏面側溶接接合の段差部8が発生する。この段差部7、8部分は、グラインダー等で表面側溶接余盛部3及び裏面側溶接余盛部4部分と共に仕上げ加工するが、その仕上げ加工に非常に多くの時間を要し、全面を均一に仕上げ加工するのは非常に困難である。上記段差部7、8の部分は、極力水平になだらかに加工する必要があるため、図11に示すように仕上げ加工時に板を削り過ぎて、その薄くなった部分9の強度が弱くなり、プレス加工や絞り加工時に割れを生じたり、また、欠陥溶接部等があると、同様に割れを生じる。
また、鏡面板の設計強度は、溶接部強度に合せる必要があり、溶接部分の強度低下分を鏡面板全体の強度アップでカバーする必要があるので、鏡面板を厚くしなければならず、大幅に材料費が高くなる等の問題があった。
次に上記のように複数のアルミニウム板1を接合して製作した鏡面用平面板10を、スピニングによる絞り加工で放物面状に加工する場合の例を説明する。
図12は、従来のスピニング加工により、鏡面用平面板10を絞り加工している工程途中の状態を示したものである。先ず、広幅な鏡面用平面板10を絞り金型11の上部に載置し、その中央部をボルト12により絞り金型11に固定する。この場合、鏡面用平面板10の鏡面側が絞り金型11に接するようにする。そして、絞り金型11を矢印cで示すように一定の方向に回転させながら、鏡面用平面板10の上面を絞り用ローラ13で圧力を加え、更に、この絞り用ローラ13を矢印dで示すように絞り金型11に沿って移動させて鏡面用平面板10を絞り加工し、放物面状のパラボラアンテナ鏡面板を製作する。
次に、上記複数のアルミニウム板1を接合して製作した鏡面用平面板10を、プレス成形機によりプレス加工して放物面状に加工する場合の例を説明する。
図13は、従来用いられている一般のプレス成形機20を示したもので、(a)は平面図、(b)は一部を断面して示す正面図である。また、図13(b)の左側部分の断面図は、外周押えリング25にて鏡面用平面板10を固定し、上型24が下降途中で鏡面プレス成形中の工程を示し、同図(b)の右側部分の断面図は、下型27内より外周カール部を成形するための下型カール成形用リング31が上昇し、外周カール部を成形している途中工程を示す図である。
プレス成形機20は、支持機構21の上部基台21aに複数本例えば4本の上型昇降用シリンダ22と8本の外周押え昇降用シリンダ23が設けられ、上型昇降用シリンダ22の下側に上型24が取り付けられ、外周押え昇降用シリンダ23の下側に外周押えリング25が取り付けられている。上記上型24は、上側が平板状に形成されると共に下側がパラボラアンテナの放物面状に形成され、更に、外周に沿って外周カール部成形用リング26が形成されている。
また、プレス成形機20の下型27は、中央部が上型24の放物面に合わせて放物面状に形成され、その外周部は平板状に形成されて平面板保持部28を構成している。この下型27の平面板保持部28には、リング状の溝29が形成され、この溝29内に下型カール成形用リング31が設けられると共に、その下側に複数のリング型昇降用シリンダ32が設けられる。
更に、上型24と下型27を正確に嵌合させるために、上型24と下型27との間の外周に沿って複数本例えば4本以上のガイドポスト(図示せず)が設けられる。
上記の構成において、プレス成形機20の上型24と下型27の間に鏡面用平面板10をセットし、外周押え昇降用シリンダ23を駆動して外周押えリング25にて鏡面用平面板10の外周を固定し、上型昇降用シリンダ22により上型24を下降させる。この上型24の下降により下型27との間において鏡面用平面板10をプレス加工し、放物面状に成形する。その後、図13(b)の右側部分の断面図に示すようにリング型昇降用シリンダ32を駆動し、下型カール成形用リング31を上昇させて鏡面用平面板10の外周にカール部を形成する。
図14は、上記プレス成形機20によりプレス成形されたパラボラアンテナ鏡面板35を一部断面して示したもので、外周縁に沿ってカール部36が形成されている。
以上はパラボラアンテナ鏡面板35にカール部36を設けた場合について示したが、その他、強度アップのために、成形時にカール部36を成形せずに、図15に示すようにリング状のアングル部材37をリベット38でパラボラアンテナ鏡面板35の外周縁に取付ける場合もある。
特開2001−001165号公報
実開昭62−046126号公報
上記のように複数のアルミニウム板1をMIG溶接やTIG溶接で接合した鏡面用平面板10をスピニングによる絞り加工を行なってパラボラアンテナ鏡面板を製作した場合には、絞り加工中溶接部分より亀裂が入ったり、鏡面の面精度(放物面の形状や深さ及び平坦度)を要求される精度にまで仕上げるのが困難であった。最近のデジタル方式に使用する鏡面の場合は、その鏡面の放物面の鏡面精度は±0.5mm以下を必要とし、従来のスピニングによる絞り加工では、その鏡面精度を出すために多くの鏡面精度修正時間を必要とし、納期の長期化及び製品原価高を招いており、溶接部分の段差による鏡面精度不良や、絞り加工時の溶接接合部よりの亀裂による鏡面不良率も高いという問題があった。
また、従来一般に用いられているプレス機械は、図13に示したプレス成形機20のように上型24及び下型27を使用し、その嵌合精度を向上させるために、上型24と下型27の凸型凹型の嵌合部分を正確に機械加工で合せ、また上型24と下型27の間に鏡面用平面板10が入る隙間も高精度に製作する必要がある。高精度化しないと、必要とする鏡面精度が確保できないので、上型24と下型27の間に複数のガイドポストを設けて正確に嵌合する必要がある等、高度の金型機械加工を必要とし、プレス成形機も複雑となり、非常に高価な設備費を必要とする。また、複数のアルミニウム板1をMIG溶接やTIG溶接で従来のように接合した場合には、溶接部分の接合精度や、仕上げ精度により、必要とする鏡面精度が得られなかったり、接合部分の接合不具合により、プレス成形中に、接合部分より割れが発生する等の問題があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、加工中に接合部分から亀裂が発生する恐れがなく、非常に高い鏡面精度が得られると共に亀裂による鏡面不良率も低く、かつ設備費の大幅低減が可能なパラボラアンテナ鏡面製造方法及びパラボラアンテナ装置を提供することを目的とする。
第1の発明に係るパラボラアンテナ鏡面製造方法は、下側が放物面状をした上型と、該上型の外周部下方に設けられ、鏡面用平面板が載置されるリング状取付台とからなるプレス成形機により、プレス成形してパラボラアンテナ鏡面板を製作することを特徴とする。
第2の発明に係るパラボラアンテナ鏡面製造方法は、複数のアルミニウム板を摩擦撹拌接合方法により接合した広幅の平面板を上記鏡面用平面板として用いることを特徴とする。
第3の発明に係るパラボラアンテナ装置は、上記第1の発明または第2の発明に係るパラボラアンテナ鏡面製造方法によりパラボラアンテナ鏡面板を形成することを特徴とする。
本発明によれば、プレス成形機における下型を使用せず、上型のみで鏡面板をプレス成形することができ、上型と下型の嵌合のための高精度金型加工が不要であると共にガイドポスト等も不要となり、構造が非常に簡単で設備費の大幅低減が可能であり、しかも、メンテナンスも非常に容易である。
また、複数の鏡面用アルミニウム板を摩擦撹拌接合方法により接合した鏡面用平面板を使用することにより、従来用いられているMIG溶接やTIG溶接と異なり、接合部の段差がなく、接合部の仕上げ加工もないので、鏡面板厚が母材厚さを保守でき、接合部分の強度不足によるプレス加工中の接合部分からの亀裂の発生もなく、必要とする鏡面精度を容易に得ることができる。また、接合部の溶接熱による加工硬化もなく、鏡面板が全面に亘り均一に伸びるため、非常に高い鏡面精度が得られ、加工時間を短縮し得ると共に不良率を低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
本発明は、摩擦撹拌接合機械を用いて複数のアルミニウム板を接合して広幅の鏡面用平面板を製作し、この鏡面用平面板をプレス成形機により放物面状に加工してパラボラアンテナ鏡面板を製作するものである。
本発明は、摩擦撹拌接合機械を用いて複数のアルミニウム板を接合して広幅の鏡面用平面板を製作し、この鏡面用平面板をプレス成形機により放物面状に加工してパラボラアンテナ鏡面板を製作するものである。
図1は、摩擦撹拌接合機械の要部を示したものである。同図において、41は加工用のベッドで、幅及び長さが接合材の大きさに適した適当な大きさを有している。上記ベッド41上には、接合用の複数のアルミニウム板1が載置され、例えば四隅部が固定機構(図示せず)により固定される。
また、上記ベッド41の上方には、摩擦撹拌接合機構(図示せず)がベッド41の長手方向に移動可能に設けられている。上記摩擦撹拌接合機構は、図示しないが保持板にドリルを設け、このドリルの下端部にアルミニウム板接合用の回転工具42を装着したもので、サーボモータにより上記ドリルと共に回転工具42を回転駆動するように構成されている。
上記回転工具42は、先端に硬質の接合円板43を有すると共に、この接合円板43の中心部に接合用板厚に適した径の突起部44を有し、矢印aで示す一定の方向に接合用板厚に適した回転速度で回転駆動される。
次に上記摩擦撹拌接合機械を用いて複数のアルミニウム板1を接合する場合の動作について説明する。
図1に示すように複数の接合用アルミニウム板1を鏡面側が下側となるようにベッド41上に載置し、その接合面を突合せた状態で例えば各角部を固定する。この状態で、サーボモータを駆動し、回転工具42を高速回転させながら、突起部44をアルミニウム板1の側部から突合せ面46の間に挿入すると共に、接合円板43をアルミニウム板1の上面に当接させた状態て矢印bで示す方向に一定の速度で走行させる。このとき突起部44とアルミニウム板1の突合せ面46との摩擦によりアルミニウム材を再結晶温度以上の例えば400℃位まで上昇させ、原子を置換で混じり合わせてアルミニウム板1の突合せ面46を結合する。このとき接合部47の上面は接合円板43により平面状に成形され、下面はベッド41の上面に圧接されて鏡面状となる。
図1に示すように複数の接合用アルミニウム板1を鏡面側が下側となるようにベッド41上に載置し、その接合面を突合せた状態で例えば各角部を固定する。この状態で、サーボモータを駆動し、回転工具42を高速回転させながら、突起部44をアルミニウム板1の側部から突合せ面46の間に挿入すると共に、接合円板43をアルミニウム板1の上面に当接させた状態て矢印bで示す方向に一定の速度で走行させる。このとき突起部44とアルミニウム板1の突合せ面46との摩擦によりアルミニウム材を再結晶温度以上の例えば400℃位まで上昇させ、原子を置換で混じり合わせてアルミニウム板1の突合せ面46を結合する。このとき接合部47の上面は接合円板43により平面状に成形され、下面はベッド41の上面に圧接されて鏡面状となる。
上記摩擦撹拌接合方法は、従来の溶接接合の場合と異なり、アルミニウム板1はそれ程高温にならず、回転工具42が接している周囲の狭い範囲のみ、わずかな熱を帯びるだけであるので、溶接する場合のように頑丈にアルミニウム板1全体と溶接部を確実に固定する必要はなく、アルミニウム板1の周囲の適当な個所例えば四隅を固定するだけで良く、接合部の固定は不要である。また、回転工具42が、接合面を押しながら接合していき、また、熱もそれ程高くならないので、接合部47が熱膨張で歪んだり、伸びることがなく、接合面を固定することなく接合することが可能である。
上記のように摩擦撹拌接合機械により複数のアルミニウム板1が接合され、図2に示すように広幅の鏡面用平面板48が製作される。図3は、上記接合部47の撹拌部分を拡大して示した断面図である。図3に示すように接合部47の上面は接合円板43により平面状に成形され、下面はベッド41の上面に圧接されて鏡面状に形成される。
上記摩擦撹拌接合方法にて接合した鏡面用平面板48は、ベッド41上から取り外した状態でも溶接接合のように変形することがないので、歪み取り修正を加える必要がなく、そのままプレス加工用金型にセットすることが可能である。
次に、上記複数のアルミニウム板1を摩擦撹拌接合方法にて接合した広幅な鏡面用平面板48を図4に示すプレス成形機50によりプレス加工する場合について説明する。図4(a)はプレス成形機50の平面図、同図(b)は一部を断面して示す正面図である。なお、図4(b)は、上記鏡面用平面板48をリング状取付台51にセットし、上型24及び外周押えリング25が上死点に位置している状態を示している。
プレス成形機50は、支持機構21の上部基台21aに複数本例えば4本の上型昇降用シリンダ22が設けられると共に、その外側に8本の外周押え昇降用シリンダ23が設けられる。そして、上型昇降用シリンダ22の下端部に上型24が取り付けられ、外周押え昇降用シリンダ23の下端部に外周押えリング25が取り付けられる。上型24は、上側が平板状に形成されると共に下側がパラボラアンテナの放物面状に形成されている。上記上型昇降用シリンダ22及び外周押え昇降用シリンダ23としては、例えば油圧式のものが使用される。
また、支持機構21の下部には、リング状の下部基台21bが設けられ、その中央部は開口した状態となっている。上記下部基台21bの上部には、鏡面用平面板48を載置するためのリング状取付台51が設けられる。このリング状取付台51の上部外周には、カール成形用溝52が形成されている。このカール成形用溝52部分の外径は、外周押えリング25の内径より小さく、すなわち鏡面用平面板48の厚さ分程度小さく形成される。上記上型24、外周押えリング25、及びリング状取付台51等は、鉄等の鋳造品で構成される。
上記プレス成形機50により上記鏡面用平面板48をプレス加工する場合、図4(b)に示したように鏡面用平面板48をリング状取付台51にセットした後、外周押え昇降用シリンダ23を下降させ、図5に示すように外周押えリング25により鏡面用平面板48の外周部をリング状取付台51のカール成形用溝52に押圧してカール成形すると共に、鏡面用平面板48をリング状取付台51に固定する。
次いで、上型昇降用シリンダ22を下降させ、上型24により鏡面用平面板48を放物面状に成形加工してパラボラアンテナ鏡面板を形成する。
図5は外周押えリング25により鏡面用平面板48の外周を固定した状態で、上型24が下降して鏡面用平面板48をプレス加工している成形加工の途中状態を示している。なお、上記外周押えリング25は、上型24の成形圧力に負けることなく、確実にプレス成形時に鏡面用平面板48をリング状取付台51に固定すると同時に、鏡面外周部にカール部分を成形する必要上、外周押え昇降用シリンダ23を複数本設けて均等に鏡面用平面板48の外周面を押えるようにすることが望ましい。
図6(a)は、上記のようにプレス成形機50により成形加工したパラボラアンテナ鏡面板54の平面図、同図(b)は一部を断面して示す側面図である。上記パラボラアンテナ鏡面板54の外周には、カール部36が形成されている。
上記のように上型昇降用シリンダ22により上型24が下降して鏡面用平面板48を高圧力で押すことにより、鏡面用平面板48が上型24に密着してプレス成形される。この結果、放物面状をした高精度のパラボラアンテナ鏡面板54を短時間で成形することができる。
本発明は、上記実施形態で示したように下型を不要とし、上型24のみで鏡面板をプレス成形するため、上型と下型の嵌合のための高精度金型加工が不要であると共にガイドポスト等も不要となり、従来の上型及び下型を使用したプレス成形機に比較して構造が非常に簡単で設備費の大幅低減が可能であり、しかも、上型と下型の嵌合部がないので、メンテナンスも非常に容易である。
また、リング状取付台51の上部外周に、カール成形用溝52を設けておくことにより、鏡面の外周成形加工も、鏡面成形時に同時に行なうことができ、鏡面の外周カールを別工程で行なったり、図15に示したように、鏡面外周に強度アップのためにアングル部材37をリベット38にて取付ける必要もなく、材料費、加工費を低減し、工程短縮による納期短縮も可能となる。
また、複数のアルミニウム板1を摩擦撹拌接合方法により接合した鏡面用平面板48を使用することにより、接合部47の段差がなく、接合部47の仕上げ加工もないので、鏡面板厚が母材厚さを保守でき、接合部分の強度不足によるプレス加工中の接合部分から亀裂を生じる恐れがなく、必要とする鏡面精度を容易に得ることができる。また、接合部47の溶接熱による加工硬化もなく、鏡面板が全面に亘り均一に伸びるため、従来方法に比べて一層鏡面精度が得やすいという利点がある。更に、接合部47では、アルミニウム原子が互いに完全に混ざり合っているため、接合不良を生ずる恐れがなく、プレス加工中に接合部47から割れを発生することもない。また、接合部47の接合強度は、従来のMIGやTIG溶接の場合は母材部分の70%位であるのに対し、摩擦撹拌接合方法の場合には、その接合のための接合熱がアルミニウムの融点の660℃に比較して400℃前後と非常に低温であり、熱による強度低下や接合不良がないので、90%以上を確保でき、高い接手効率を得ることができる。
なお、上記図4及び図5に示した実施形態では、上型昇降用シリンダ22を4本使用した場合について示したが、上型24のセンターに1本の上型昇降用シリンダ22を設けてもでも良い。しかし、成形圧力が鏡面用平面板48に均一に働き、鏡面精度を高めるためには、複数本の上型昇降用シリンダ22を使用し、成形時にバランス良く鏡面用平面板48をプレス加工できる構造とすることが望ましい。
また、上記実施形態では、上型昇降用シリンダ22及び外周押え昇降用シリンダ23として油圧式のものを用いた場合について示したが、エアー圧力式のものを用いても良い。
1…アルミニウム板、21…支持機構、21a…上部基台、21b…下部基台、22…上型昇降用シリンダ、23…外周押え昇降用シリンダ、24…上型、25…外周押えリング、36…カール部、41…摩擦撹拌接合機械のベッド、42…回転工具、43…接合円板、44…突起部、46…突合せ面、47…接合部、48…鏡面用平面板、50…プレス成形機、51…リング状取付台、52…カール成形用溝、54…パラボラアンテナ鏡面板。
Claims (3)
- 下側が放物面状をした上型と、該上型の外周部下方に設けられ、鏡面用平面板が載置されるリング状取付台とからなるプレス成形機により、プレス成形してパラボラアンテナ鏡面板を製作することを特徴とするパラボラアンテナ鏡面製造方法。
- 複数のアルミニウム板を摩擦撹拌接合方法により接合した広幅の平面板を上記鏡面用平面板として用いることを特徴とするパラボラアンテナ鏡面製造方法。
- 請求項1又は請求項2に記載のパラボラアンテナ鏡面製造方法によりパラボラアンテナ鏡面板を形成することを特徴とするパラボラアンテナ装置。
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