JPWO2016075719A1 - カード類用保護袋 - Google Patents

Abstract

保護袋の四隅の外縁がカード類の円弧状の四隅の外縁に沿っており、且つ、保護袋内の四隅の内縁とカード類の円弧状の四隅の外縁とがフィットするカード類用保護袋を提供する。同形同大の矩形状の２枚のフィルム１がずれることなく重ね合わされ、一辺に開口部４が形成されるように残りの３辺がシールされているカード類用保護袋Ａであって、四隅が円弧状になっており、開口部４と対峙する底辺側の２つの底辺隅部５ａ，５ｂがシールされることなく開口している。

Description

本発明は、キャラクタカード，トランプ，名札，伝票，証票，各種リーフレット等のカード類用保護袋に関する。さらに詳しくは、保護袋の四隅の外縁がカード類の円弧状の四隅の外縁に沿っており、且つ、保護袋内の四隅の内縁とカード類の円弧状の四隅の外縁とがフィットするカード類用保護袋に関する。

この種のカード類用保護袋は、一般に、ポリ塩化ビニルフィルム等の透明な合成樹脂フィルムで矩形状に形成され、キャラクタカード，トランプ，名札，伝票，証票，各種リーフレット等のカード類に印刷されたキャラクタデザインや文字を透視可能な保護袋として利用されている。また、カード類用保護袋は、外面に粘着剤が塗布されて、ファイル等の見出し部分や、商品カタログ等の表紙裏の名刺入れポケットなどとしても用いられている。

ところで昨今、ポケットモンスタ−（登録商標）等の人気キャラクタが印刷され、四隅が円弧状のキャラクタカードを集めて、手持ちのカードの山札の一番上から順にカードを一枚提示して遊ぶ対戦型トレーディングカードゲームが盛んに行われるようになっている。

しかるに、従来の保護袋は、四隅が直角のエッジを有していたため、使用時、特にシャッフルと呼ばれるカードを切る動作時において、その鋭いエッジによりプレイヤが手に痛みを感じるという問題がある上、保護袋の形状がカードの形状にフィットせず、保護袋内でカードがずれるなど、カードそのものを使用しているような感覚が得られず扱いづらいという問題があった。

そこで、プレイヤは、個人的に保護袋の隅部をカード類の形状に合わせて、コーナーカッタなどで直角のエッジを円弧上に裁断して除去することもあったが、隅部を除去したことによって、保護袋内のカード類が外側に露出する場合には、カード類の隅部が破れやすくなるだけでなく、手の油や汗がカード類に付着し、さらに保護袋内にゴミやホコリなどが入るなどしてカード類が汚れるなどの新たな問題もあり改善が望まれていた。

また、従来のカード類用保護袋として、特許文献１の技術が知られている。この保護袋Ｈは、図９に示すように、保護袋Ｈの底辺隅部の外縁１０１は円弧状に裁断されており、鋭いエッジが存在しないものの、底辺隅部の内縁１０２が角を有していることにより、保護袋Ｈ内において、保護袋Ｈ内の底辺隅部の内縁１０２とカード類の円弧状の外縁とがフィットしなかった。

また、保護袋Ｈは、底部シール部１０３及び側部シール部１０４が幅広に設けられていることにより、保護袋Ｈと収納するカード類とのサイズが大幅に異なってしまうため、保護袋Ｈをつけたままゲームを行うには不向きであった。

特開２０１１−５６８３７号公報

本発明は上記事情に鑑み、保護袋の四隅の外縁がカード類の円弧状の四隅の外縁に沿うと共に、保護袋内の四隅の内縁とカード類の円弧状の四隅の外縁とがフィットしており、かつ手に痛みを感ずることもなく、保護袋の隅が破れたりせずカード類を汚さずに保護できるカード類用保護袋を提供することを目的とする。

第１発明のカード類用保護袋は、同形同大の矩形状の２枚のフィルムがずれることなく重ね合わされ、一辺に開口部が形成されるように残りの３辺がシールされているカード類用保護袋であって、四隅が円弧状になっており、前記開口部と底辺側の２つの底辺隅部を残して、残る３辺がシールされていることを特徴とする。
第２発明のカード類用保護袋は、第１発明において、前記底辺隅部は、溶着することなく円弧状に切断されてなることを特徴とする。
第３発明のカード類用保護袋は、第２発明において、一対の側辺は、溶断されてなり、前記底辺は、超音波溶着された後に切断されてなることを特徴とする。

第１発明によれば、つぎの効果を奏する。
ａ）カード類用保護袋の四隅が丸く、底辺隅部が形状に沿ってシールされているため、カード類用保護袋とほぼ同形同大のカード類を収納する場合に、カードの丸い四隅がカード類用保護袋の丸い四隅とフィットするので、余分なシールしろが無く、カードゲームなどで遊ぶ際には、カードそのものに触れている感覚で楽しむことができる。
ｂ）また、四隅が円弧状になっており、しかも底部の隅は溶着されておらず開口しているので柔らかくなっており四隅にある鋭利な角で手指などを傷めることがない。
第２発明によれば、カード類用保護袋の底辺隅部を溶断するのではなく、円弧状に切断して底辺隅部を形成するようにしたので、前述のカード類用保護袋を製造することができる。
第３発明によれば、カード類用保護袋において、一対の側辺は、溶断されてなり、底辺は、超音波溶着された後に切断されてなるように構成したので、最後に１枚ごとに溶断して１枚ごとのカード類用保護袋を製造するまでは、底辺隅部を円弧状にシールして開口隅部とともに円弧状に切断する処理も含めて、２枚重ねの一連のシート状のフィルムに対して連続処理が可能となるため、カード類用保護袋を大量生産することができる。

カード類用保護袋Ａの構成を示す斜視図である。 カード類用保護袋Ａの使用方法の説明図であって、（Ａ）カードを挿入する前の状態を示す図であり、（Ｂ）カードを挿入した後の状態を示す図である。 カード類用保護袋Ａの製造方法の流れを示すフローチャートである。 超音波溶着部の形成方法の説明図である。 七宝形状切断部の形成方法の説明図である。 側辺の溶断方法と個別の保護袋に製造された状態の説明図である。 従来の保護袋Ｈの模式図である。

つぎに、本発明の実施形態に係るカード類用保護袋の構成について図面に基づいて説明する。

本発明のカード類用保護袋Ａは、図１に示すように、基本的構成は、四角形の２枚のフィルム１，１が重ねられて袋状に構成されたものである。より具体的には、つぎのとおりである。
フィルム１，１は長四角形であり、その四隅は円弧状に丸められた形状をしている。そして、フィルム１の長手方向一対の辺がシールされてなる側辺２ａ，２ｂと、フィルム１の幅方向の一辺がシールされてなる底辺３と、底辺３と対峙する辺に設けられ、カード類を出し入れするための開口部４と、円弧状に形成され、その形状に沿ってシールされる底辺３側の２つの底辺隅部５ａ，５ｂと、円弧状に形成され、シールされない２つの開口部４側の開口隅部６ａ，６ｂとを有している。図２に示すように、内部にカード類が収納されて使用される。

フィルム１は、例えば、ポリプロピレンなどの透明性を有する合成樹脂フィルムからなる。なお、フィルム１は、ポリエチレンなどのその他の合成樹脂フィルムとしても良く、ポリプロピレンに限定されない。

側辺２ａ，２ｂは、溶断されることにより形成されている。側辺２ａ，２ｂのシール幅は、側辺に余分なシールしろが形成されないように幅狭に設けられており、図２に示すように、カード類用保護袋Ａとほぼ同形同大のカード類を収納する場合に、カード類用保護袋Ａの幅方向の内寸が収納するカード類の短手方向の幅とほぼ同寸法となり、カード類がカード類用保護袋Ａ内の幅方向においてフィットする。

底辺３は、超音波溶着された後に切断されることにより形成されている。底辺３のシール幅は、側辺２ａ，２ｂと同様に、余分なシールしろが形成されないように幅狭に設けられている。一方、開口部４はシールされていないことから、カード類用保護袋Ａとほぼ同形同大のカード類を収納する場合に、カード類用保護袋Ａの長手方向の内寸が収納するカード類の長手方向の長さとほぼ同寸法となる。このためカード類がカード類用保護袋Ａ内の長手方向においてフィットする。

開口部４は、２枚のフィルム１の一辺がシールしてないことにより、カード類をこの開口を介して出し入れ可能に形成されている。

底辺隅部５ａ，５ｂは、何ら溶着することなく円弧状に切断する。例えば、直径１〜４ｍｍφ、好ましくは、直径３ｍｍφの円弧状に切断されることにより形成されている。なお、底辺隅部５ａ，５ｂの直径は、収容するカード類の大きさにより適宜変更すれば良く、前記サイズに限定されない。

開口隅部６ａ，６ｂは、例えば、直径１〜４ｍｍφ、好ましくは、直径３ｍｍφの円弧状に切断されることにより形成され、開口部４が開封し易く、カード類を容易に出し入れできるように、シールがされていない。なお、開口隅部６ａ，６ｂの直径は、収容するカード類の大きさにより適宜変更すれば良く、前記サイズに限定されない。

底辺隅部５ａ，５ｂ及び開口隅部６ａ，６ｂが円弧状に切断され、さらに、側辺２ａ，２ｂ及び底辺３のシール幅は、余分なシールしろが形成されないように幅狭に設けられていることにより、カード類用保護袋Ａとほぼ同形同大のカードを収納する場合に、カード類がカード類用保護袋Ａ内側においてフィットし、カードゲームなどで遊ぶ際には、カードそのものに触れている感覚で楽しむことができる。

本実施形態の保護袋ではこのように底辺隅部５ａ，５ｂを切断する結果、底辺隅部５ａ，５ｂには、小さな開口が生ずる。しかし、開口が生ずることによって底辺隅部５ａ，５ｂは過度に硬くならず柔らかさを保持でき、カード使用時に手に痛みを感じさせることはなくなる。

続いて、図３〜図６に基づいて本発明に係るカード類用保護袋Ａの製造方法について説明する。

カード類用保護袋Ａの製造方法は、図３に示すつぎの工程からなる。
（１）重ね合わせた２枚の所定の幅を有する長尺なフィルム１１の、幅方向中央部のセンターラインに超音波溶着を施すことにより、超音波溶着部１２を形成するステップＳＴ１（図４の超音波溶着部形成工程）
（２）開口部と底辺の隅部と切断するステップＳＴ２（図５の隅部の切断工程）
（３）側辺を溶断するステップＳＴ３（図６の側辺の溶断工程）
（４）超音波溶着部を切断するステップＳＴ４（図６の切断分離工程）とで構成されている。

（ステップＳＴ１）
先ず、ステップＳＴ１では、連続走行にて繰り出し走行する長尺状の所定の幅を有する２枚重ねのフィルム１１（包装用の積層フィルム）の幅方向中央部の流れ方向に、例えばライン状の超音波溶着部１２を余分なシールしろができないように幅狭に形成する。なお、超音波溶着部１２は、ライン状に限らず、破線状としてもよく、前記形状に限定されない。また、フィルム１１は、予めフィルムが２枚積層された原反ロールを用いるか、又は、２つの原反ロールを設け、該原反ロールから繰り出しながらフィルムを積層するようにしてもよい。
溶着した後は冷却して溶着部分を固定化する。冷却には冷風を当てたり金属板に接触させて熱を取り去る等の手段が用いられる。

併せて両端縁の不要部分１７（いわゆる耳）をトリミングして除去する。トリミングされて出来る両端縁は、カード類用保護袋Ａの開口部４の縁辺となる。また、フィルム１１は、ステップＳＴ５の溶断工程を経て１枚ずつとなったカード類用保護袋Ａのフィルム１に対応している。

（ステップＳＴ２）
ステップＳＴ２では、超音波溶着線１２上に1ヵ所の七宝状切断部１４とシート両端部のそれぞれに半七宝状切断部１５を形成する。「七宝状」とは、ダイヤモンド形の四角形であり、かつ四辺とも円弧状辺であり内側に凹んだ辺で構成された四角形をいう。「半七宝状」とは、上記七宝状の半分の形状を意味する。

上記の切断部１４，１５は上下動するカッターを用いてもよく、回転するカッティングロールを用いて形成してもよい。
中央１ヵ所の七宝状切断部１４と両端２カ所の半七宝状切断部１５とは同時に形成してもよく、順に形成してもよい。
この切断工程中２枚のシート１１はセンタライン１２で溶着されていることから位置ズレすることはない。

七宝形状切断部１４の各円弧部分の直径１〜４ｍｍφ、好ましくは、直径３ｍｍφが推奨される。

ここで、図６に示すように、七宝形状に切断した七宝形状切断部１４は、カード類用保護袋Ａの底辺隅部５ａ，５ｂに対応し、半七宝形状に切断した半七宝形状切断部１５は、カード類用保護袋Ａの開口隅部６ａ，６ｂに対応している。

（ステップＳＴ３）
ステップ３では側辺の溶断が行われる。
溶断位置は、切断部１４と切断部１５を通る位置１６である。この工程によりカード類用保護袋Ａの側辺２ａ、２ｂが細い幅で溶着され、かつ隣り合う前後の収納袋Ａ、Ａ間が切断される。

（ステップＳＴ４）
ステップＳＴ４では、超音波溶着部１２が設けられた箇所において、例えば、スリット刃によって２列に切断する。

ここで、図６に示すように、切断した超音波溶着部１２は、カード類用保護袋Ａの底辺３に対応している。また、幅方向に溶断した溶断箇所１６は、カード類用保護袋Ａの側辺２ａ，２ｂに対応している。

ステップＳＴ３の溶断工程とステップＳＴ４の切断工程は、その順に行ってもよく、同時に行ってもよく、逆順に行ってもよい。これらの順序は製造機械の構造や寸法精度の出しやすさに依存して決めることでよい。

上記製法によると、つぎの利点がある。
（１）従来は、直線状にフィルムを溶断することはできても円弧状にフィルムを溶断することは困難であり、四隅が円弧状で、しかも円弧状に沿ってシールされたカード類用保護袋Ａは製造できなかったところ、底辺隅部５ａ，５ｂを円弧状に切断して底辺隅部５ａ，５ｂを形成するようにしたので、前述のカード類用保護袋Ａを製造することができる。

（２）底辺隅部５ａ，５ｂを形成する際に、隅部５ａ，５ｂは溶着されていないので、２枚のシートの間は開口している。このため、カード袋の両端が柔らかく手に痛みを感じさせることはない。

（３）円弧状にフィルム１１を溶断すること自体でもさることながら、円弧状にフィルム１１を溶断する工程を高速な処理が求められる製造工程に組み込むことは困難であるところ、カード類用保護袋Ａにおいて、一対の側辺２ａ，２ｂは、溶断されてなり、底辺３は、超音波溶着された後に切断されてなるように構成したので、最後に１枚ごとに溶断して１枚ごとのカード類用保護袋Ａを製造するまでは、底辺隅部５ａ，５ｂを円弧状に切断して開口隅部６ａ，６ｂとともに円弧状に切断する処理も含めて、２枚重ねの一連のシート状のフィルム１１に対して連続処理が可能となるため、カード類用保護袋Ａを大量生産することができる。

なお、本発明は前述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。

Ａ：カード類用保護袋
１：フィルム
２ａ，２ｂ：側辺
３：底辺
４：開口部
５ａ，５ｂ：底辺隅部
６ａ，６ｂ，６ａ’，６ｂ’：開口隅部
１１：フィルム
１２：超音波溶着部
１４：七宝形状切断部
１５：半七宝形状切断部
１６：溶断部
Ｃ：カード類

Claims (3)

1. 同形同大の矩形状の２枚のフィルムがずれることなく重ね合わされ、一辺に開口部が形成されるように残りの３辺がシールされているカード類用保護袋であって、
   四隅が円弧状になっており、前記開口部と底辺側の２つの底辺隅部を残して、残る３辺がシールされている
   ことを特徴とするカード類用保護袋。
2. 前記底辺隅部は、溶着することなく円弧状に切断されてなる
   ことを特徴とする請求項１に記載のカード類用保護袋。
3. 一対の側辺は、溶断されてなり、前記底辺は、超音波溶着された後に切断されてなる
   ことを特徴とする請求項２に記載のカード類用保護袋。

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