JPWO2016059690A1 - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る加熱調理器は、食品を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御して、食品を加熱する加熱調理工程と、加熱調理工程のあと食品を保存する保存工程とを、実行する制御手段と、保存工程における、食品に生残する微生物の種類および増殖数の少なくとも一方を推定する推定手段と、を備え、制御手段は、推定手段が推定した微生物の種類および増殖数の少なくとも一方に基づき、保存工程において食品を加熱する再加熱工程を実行する。

Description

本発明は、食品を加熱調理し、その食品を保存する加熱調理器に関するものである。
従来、米飯保温において米飯腐敗細菌が死滅する条件の温度と時間の設定を行った後、米飯腐敗細菌の増殖する条件を設定し、再び米飯腐敗細菌が死滅する条件の設定を行う米飯保温器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特公平7−28817号公報(例えば、請求項1および図1参照)
しかしながら、米飯保温して保存することが前提である炊飯器とは異なり、様々な種類の食品を様々な調理法で調理し、その食品を保存する加熱調理器においては、保存時に腐敗を起こす原因となる微生物は多種に亘る。
そのため、保存時に食品を加熱して微生物を殺菌する再加熱処理を行う場合には、種々の微生物に対応し、様々な種類の食品の様々な調理法に応じた適切な再加熱処理を行う必要がある。
また、再加熱処理が不必要に高温または長時間に亘り行われると、または再加熱処理が不必要に頻繁に行われると、省エネルギー性が低下するという課題がある。また、不必要な再加熱処理が行われると、食品が焦げ付いたり、煮崩れたりして美味しさが損なわれるという課題がある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、食品を衛生的に保つことができる加熱調理器を提供することを目的としている。また、省エネルギー性を向上できる加熱調理器を提供することを目的としている。
本発明に係る加熱調理器は、食品を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御して、前記食品を加熱する加熱調理工程と、前記加熱調理工程のあと前記食品を保存する保存工程とを、実行する制御手段と、前記保存工程における、前記食品に生残する微生物の種類および増殖数の少なくとも一方を推定する推定手段と、を備え、前記制御手段は、前記推定手段が推定した前記微生物の種類および増殖数の少なくとも一方に基づき、前記保存工程において前記食品を加熱する再加熱工程を実行するものである。
本発明に係る加熱調理器は、食品を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御手段と、前記食品の種類、調理方法、および自動調理メニューの少なくとも1つの設定情報が入力操作手段と、を備え、前記制御手段は、前記食品を加熱する加熱調理工程と、前記加熱調理工程のあと前記食品を保存する保存工程と、前記保存工程において、前記食品を加熱する再加熱工程と、を実行し、前記操作手段に入力された前記設定情報に応じて、前記再加熱工程における加熱時間および加熱温度帯の少なくとも一方を変更するものである。
本発明に係る加熱調理器によれば、保存時に生残する微生物に対応した再加熱を行うことができ、食品を衛生的に保つことができる。また、省エネルギー性を向上できる。
実施の形態1に係る加熱調理器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の制御手段8の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程を説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Aを説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Aにおける条件情報84の一例を示す図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Aにおける予測値Aの算出例を示す図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Bを説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Bにおける条件情報84の一例を示す図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Bにおける予測値Bの算出例を示す図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Cを説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Cにおける条件情報84の一例を示す図である。 実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Cにおける予測値Cの算出例を示す図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。 実施の形態2に係る加熱調理器100の制御手段8の構成を示すブロック図である。
以下、本発明に係る加熱調理器100の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。以下、図1に基づいて加熱調理器100について説明する。
加熱調理器100は、被調理物である食品(本実施の形態1では食材200および煮汁201)を入れた鍋状容器5を加熱コイル3で加熱することで、食品を調理および保存するものである。
[本体1]
本体1は、容器カバー2と、加熱手段としての加熱コイル3と、温度センサー4と、時間計測手段7と、各部および各装置を駆動制御して調理工程および保存工程を実行する制御手段8とを備えている。
容器カバー2は、その上面に被加熱物である鍋状容器5が載置される。容器カバー2の中央には、温度センサー4が挿入される孔部2aが設けられている。
なお、鍋状容器5は、誘導加熱により発熱する磁性体金属を含む材料で構成され、有底円筒形状である。鍋状容器5の上端部外周には、フランジ部5aが形成されている。また、鍋状容器5に樹脂性の取っ手18を設ける。
加熱コイル3は、制御手段8により通電制御され、鍋状容器5を誘導加熱するものである。なお、加熱手段として、加熱コイル3に代えてシーズヒーター等の電気ヒーターを設けてもよい。
温度センサー4は、例えばサーミスタで構成され、鍋状容器5の温度を検知する。本実施の形態1の温度センサー4は、バネ等の弾性手段によって上方に付勢されており、容器カバー2に収容された鍋状容器5の底面に接する。温度センサー4が検知した鍋状容器5の温度に関する情報は、制御手段8に出力される。なお、温度センサー4の具体的構成はサーミスタに限定されず、鍋状容器5に接触して温度を検知する接触式温度センサーのほか、例えば赤外線センサー等の鍋状容器5の温度を非接触で検知する非接触式温度センサーを採用してもよい。
時間計測手段7は、制御手段8からの指示信号に基づいて経過時間をカウントする。時間計測手段7がカウントした経過時間は、制御手段8に出力される。
制御手段8は、温度センサー4、並びに本体1に設けられた操作表示部(操作部)15からの出力に基づいて、加熱コイル3に通電する高周波電流の動作を制御する。そのほか、制御手段8は、加熱調理器100の動作全般を制御する。制御手段8は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンまたはCPUのような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。
[蓋体10]
蓋体10は、例えばステンレスなどの金属で構成されており、蓋体10の周縁部には、鍋状容器5の上端部外周に形成されたフランジ部5aとの密閉性を確保するシール材である蓋パッキン9が取り付けられている。また、蓋体10には、鍋状容器5の内部と外部とが連通し、鍋状容器5内の蒸気が通る通気口10aとを備え、蓋体10の中央には蓋つまみ19が設けられている。
[操作表示部15]
操作表示部15は、本体1の前面に設けられている。この操作表示部15は、使用者からの操作入力を受け付けるとともに、操作入力に関する情報および加熱調理器100の動作状態を表示する。操作表示部15に対して設定可能な項目としては、例えば、調理の開始、取り消し、加熱時間、火力の強弱、食材の種類、調理方法、自動調理メニューなどがある。
なお、食材の種類の具体例としては、肉、魚、野菜が挙げられる。自動調理メニューは自動で指定のレシピを調理するものであり、具体例としては、カレー、白飯、煮魚が挙げられる。調理方法の具体例としては、煮る、蒸す、焼く、がある。
操作表示部15が表示する項目としては、例えば、加熱調理中または保存中等の加熱調理器100の状態、設定されている自動調理メニューの内容、現在時刻等が挙げられる。なお、ここで示した操作表示部15の具体的構成は一例であり、本願発明を限定するものではない。
操作表示部15に対して使用者が操作入力を行うと、本体1に内蔵された制御手段8は、入力された加熱時間の長さおよび火力の強さなどに合わせた加熱プログラムに従って、加熱コイル3を動作させて加熱調理工程および保存工程を実行する。
[制御手段8]
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100の制御手段8の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御手段8は、種類推定部81と、数推定部82と、加熱制御部83と、条件情報84とを有している。
種類推定部81は、操作表示部15に設定された設定情報に基づき、食品に生残する微生物の種類を推定する。
条件情報84は、複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数が予め設定された情報(テーブル)である。
数推定部82は、温度センサー4が検知した温度と、時間計測手段7が計測した保存工程の経過時間とに基づき、微生物の増殖数を推定する。
加熱制御部83は、微生物の種類および増殖数の少なくとも一方に基づき、微生物を加熱殺菌する再加熱工程の加熱時間および加熱温度帯を設定し、食品の温度が加熱時間の間、加熱温度帯となるように加熱コイル3の通電を制御する。
なお、種類推定部81および数推定部82は、本発明における「推定手段」に相当する。
[動作]
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100の動作について説明する。
本実施の形態1では、操作表示部15に設定された鍋状容器5内の食品の情報に基づいて、保存する食品に生残する微生物の種類に対応した再加熱工程を実施する動作について説明する。
まず、使用者が、肉、野菜、魚、米などの食材200と、酒、醤油などの調味料および水などの煮汁201と(以下、食品という)、を入れた鍋状容器5を、本体1内の容器カバー2の上面に載置し、蓋体10を閉じる。
そして、使用者は、操作表示部15の設定キーで、複数の自動調理メニューの中から任意のメニューを設定し、または任意の加熱時間、食材の種類、調理方法などの設定し、スタートスイッチを押して加熱調理開始の動作指示を行う。制御手段8は、操作表示部15によって入力された設定に従い、加熱調理工程を実行する。
加熱調理工程が終了すると、制御手段8は、食品を保存する保存工程を実行する。
保存工程において、食品に生残する微生物の種類および増殖数は、調理対象となる食品の種類および調理内容の特性によって異なる。例えば煮魚であれば、魚に付着している腸炎ビブリオが生残および増殖する可能性が高い。また、例えばカレーであれば、ウェルシュ菌が生残および増殖する可能性が高い。腸炎ビブリオに比べて、ウェルシュ菌は増殖のスピードが同等か若干遅く、また、やや高温で繁殖する特徴がある。
また、例えば白飯を保温する場合においては、耐熱性のある微生物(たとえば、バチルス・ステアロサーモフィルス菌)が増殖する可能性がある。
さらに、殺菌だけでなく、食品の種類および調理内容に応じて適切な再加熱を行う必要がある。例えばカレーのようなとろみがあるものに対しては低温で殺菌することで鍋底が焦げ付くことがなく、また香気成分といった揮発性のカレーの美味しさに寄与する成分が再加熱によって損なわれないようにすることが望ましい。
このように、食品の種類および調理内容によって、保存工程中に生残し易い微生物の種類が推定できる。また、加熱殺菌に適した加熱温度帯および加熱時間は、食品に生残する微生物の種類、食品の種類および調理内容に応じて異なる。
また、微生物が増殖し易い温度帯は、微生物の種類によって異なることから、保存工程における食品の温度と経過時間とに基づき、微生物の増殖数が推定できる。
このようなことから、保存工程においては、食品の種類および調理内容に応じて、食品に生残し易い微生物に対応した加熱温度帯および加熱時間とする再加熱工程を実行する。また、保温工程における微生物の増殖数に対応した開始タイミングで再加熱工程を実行する。以下、このような動作の詳細を説明する。
なお、微生物の増殖数とは、厳密な数を言うものではなく、微生物が増殖(増加)する傾向を示す指標であり、微生物が生残する食品の環境条件(温度、時間など)により推定されるものである。
また、微生物の種類とは、一種類に限らず複数種類でも良い。また、例えば食中毒などの原因になりやすい種類など、任意の微生物を対象としても良い。
図3は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程を説明するフローチャートである。
本実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程は、保存工程A、B、Cを有する。
以下、保存工程の動作を、図3を参照して説明する。
加熱調理工程が終了すると、制御手段8は、操作表示部15に入力された設定情報に応じて、保存工程A、B、Cの何れかを選択する。ここでは、操作表示部15に入力された自動調理メニューに基づき、保存工程A、B、Cの何れかを選択する場合を例に説明する。
図3に示すとおり、制御手段8は、自動調理メニューがグループAに属するかを判定し(S1)、グループAであれば(S1:Yes)、保存工程Aを実行する(S2)。
ステップS1で自動調理メニューがグループAに属しないと判断されると(S1:No)、ステップS3でグループBに属するかを判断される(S3)。
そして、グループBであれば(S3:Yes)、保存工程Bを実行し(S4)、グループBでなければ(S3:No)、保存工程Cを実行する。
[保存工程A]
自動調理メニューで設定されたメニューが「煮魚」であり、「煮魚」がグループAに属し、保存工程Aが実行された場合の処理について説明する。
図4は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Aを説明するフローチャートである。
以下、保存工程Aの動作を、図4を参照して説明する。
保存工程Aが開始されると、制御手段8は、加熱コイル3の通電を遮断し(S11)、操作表示部15で「終了」キーが押されたか否かを判断する(S12)。
操作表示部15で「終了」キーが押された場合(S12:Yes)、制御手段8は、保存工程Aを終了する。
操作表示部15で「終了」キーが押されていない場合(S12:No)、制御手段8は、後述する予測値Aが閾値(例えば100)以上であるかを判断する(S13)。
このステップS13は、再加熱工程を実行する開始タイミングを決定する処理である。
具体例を図5、図6を用いて説明する。
図5は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Aにおける条件情報84の一例を示す図である。
制御手段8には、保存工程Aに対応した条件情報84が予め記憶されている。
図5に示すように、条件情報84は、複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数(以下、係数ともいう)が予め設定された情報(テーブル)である。係数は、0〜1の範囲で設定され、微生物の増殖速度が速い温度帯の係数であるほど大きい値が設定されている。
例えば図5に示すように、腸炎ビブリオが増殖し易い温度帯である40℃〜45℃における係数が「1」に設定されている。そして、40℃〜45℃よりも高い温度帯であるほど係数が小さく設定され、40℃〜45℃よりも低い温度帯であるほど係数が小さく設定されている。
図6は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Aにおける予測値Aの算出例を示す図である。
制御手段8の数推定部82は、温度センサー4が検知した食品の検知温度、および時間計測手段7が計測した保存工程の経過時間を、温度履歴として取得する。
そして、条件情報84を参照し、検知温度の温度帯ごとに、係数と経過時間とを乗算し、その合計値を予測値Aとして求める。例えば図6に示す例では、食品の温度が60℃〜75℃の範囲である経過時間が13分である場合、係数×経過時間=1.04となる。また、食品の温度が55℃〜60℃の範囲である経過時間が9分である場合、係数×経過時間=1.35となる。このような計算を各温度帯について行い、その合計値を予測値Aとする。
このように、予測値Aは、主に殺菌対象とする微生物が増殖し易い温度帯が、長く継続するほど大きい値となる。つまり、予測値Aは、主に殺菌対象とする微生物の増殖数を示す指標である。
再び図4を参照する。
制御手段8は、予測値Aが閾値以上でない場合(S13:No)、ステップS12に戻り上述した動作を繰り返す。
一方、予測値Aが閾値以上である場合(S13:Yes)、再加熱工程A(S14)を実行する。
(再加熱工程A)
再加熱工程Aでは、第1経過時間T1(例えば15分)の間、鍋状容器5内の温度が第1温度帯(例えば80℃以上84℃以下)となるように加熱し、再加熱工程Aの前に増殖した可能性のある微生物を殺菌する。
ステップS15で、制御手段8は加熱コイル3に通電し、鍋状容器5と鍋状容器5内に収容された食品を加熱する。
次に、ステップS16で、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ2a(例えば82℃)よりも大きいか否か判定する。
温度θが温度θ2aよりも大きくない場合(S16:No)、ステップS15へ戻る。
温度θが温度θ2aよりも大きい場合(S16:Yes)、時間計測手段7は、経過時間TAの計測を開始する(S17)。
次に、ステップS18で、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ1a(例えば80℃)以下であるか否かを判定する。この温度θ1aは、温度θ2aよりも低い温度である。
温度θが温度θ1a以下である場合(S18:Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S19)、ステップS112へ進む。
温度θが温度θ1a以下でない場合(S18:No)、ステップS110で、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ3a(例えば84℃)よりも大きいか否かを判定する。この温度θ3aは、温度θ2aよりも高い温度である。即ち、θ1a<θ2a<θ3a、の関係である。
温度θが温度θ3aよりも大きい場合(S110:Yes)、ステップ111で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS112へ進む。
温度θが温度θ3aよりも大きくない場合(S110:No)、ステップS112へ進む。
即ち、ステップS18〜S111の動作において、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、温度θ1a以上θ3a以下となるように、加熱コイル3への通電を制御する。
ステップS112で、制御手段8は、時間計測手段7が計測した経過時間TAが、予め設定した第1経過時間T1(例えば15分)以上であるか否かを判定する。
経過時間TAが第1経過時間T1以上でない場合(S112:No)、ステップS18へ戻る。
即ち、制御手段8は、経過時間TAが予め設定した第1経過時間T1を経過するまでの間、ステップS18〜S111の動作を繰り返し行う。
ステップS112において、経過時間TAが第1経過時間T1以上である場合(S112:Yes)、再加熱工程Aの動作を終了し、ステップS12へ戻り上述した動作を繰り返す。
[保存工程B]
次に、自動調理メニューで設定されたメニューが「カレー」であり、「カレー」がグループBに属し、保存工程Bが実行された場合の処理について説明する。
図7は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Bを説明するフローチャートである。
以下、保存工程Bの動作を、図7を参照して説明する。
保存工程Bが開始されると、制御手段8は、加熱コイル3の通電を遮断し(S11)、操作表示部15で「終了」キーが押されたか否かを判断する(S12)。
操作表示部15で「終了」キーが押された場合(S12:Yes)、制御手段8は、保存工程Bを終了する。
操作表示部15で「終了」キーが押されていない場合(S12:No)、制御手段8は、後述する予測値Bが閾値(例えば100)以上であるかを判断する(S13b)。
このステップS13bは、再加熱工程を実行する開始タイミングを決定する処理である。
具体例を図8、図9を用いて説明する。
図8は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Bにおける条件情報84の一例を示す図である。
制御手段8には、保存工程Bに対応した条件情報84が予め記憶されている。
この条件情報84は保存工程Aのものとは異なり、保存工程Bにおいて食品内に生残しうる微生物の増殖に適した予測式になっている。
図8に示すように、条件情報84は、複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数(以下、係数ともいう)が予め設定された情報(テーブル)である。係数は、0〜1の範囲で設定され、微生物の増殖速度が速い温度帯の係数であるほど大きい値が設定されている。
例えば図8に示すように、ウェルシュ菌が増殖し易い温度帯である40℃〜45℃における係数が「1」に設定されている。そして、40℃〜45℃よりも高い温度帯であるほど係数が小さく設定され、40℃〜45℃よりも低い温度帯であるほど係数が小さく設定されている。また、ウェルシュ菌は、腸炎ビブリオに比べてやや高温で増殖し易い特徴があるため、45℃〜50℃および50℃〜55℃の温度帯における係数が、保存工程Aにおける係数よりも大きく設定されている。
図9は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Bにおける予測値Bの算出例を示す図である。
制御手段8の数推定部82は、温度センサー4が検知した食品の検知温度、および時間計測手段7が計測した保存工程の経過時間を、温度履歴として取得する。
そして、条件情報84を参照し、検知温度の温度帯ごとに、係数と経過時間とを乗算し、その合計値を予測値Bとして求める。例えば図9に示す例では、食品の温度が60℃〜75℃の範囲である経過時間が41分である場合、係数×経過時間=2.05となる。また、食品の温度が55℃〜60℃の範囲である経過時間が36分である場合、係数×経過時間=3.6となる。このような計算を各温度帯について行い、その合計値を予測値Bとする。
このように、予測値Bは、主に殺菌対象とする微生物が増殖し易い温度帯が、長く継続するほど大きい値となる。つまり、予測値Bは、主に殺菌対象とする微生物の増殖数を示す指標である。
再び図7を参照する。
制御手段8は、予測値Bが閾値以上でない場合(S13b:No)、ステップS12に戻り上述した動作を繰り返す。
一方、予測値Bが閾値以上である場合(S13b:Yes)、再加熱工程B(S14b)を実行する。
(再加熱工程B)
再加熱工程Bでは、第2経過時間T2(例えば30分)の間、鍋状容器5内の温度が第2温度帯(例えば70℃以上74℃以下)となるように加熱し、再加熱工程Bの前に増殖した可能性のある微生物を殺菌する。
ステップS15bで、制御手段8は加熱コイル3に通電し、鍋状容器5と鍋状容器5内に収容された食品を加熱する。
次に、ステップS16bで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ2b(例えば72℃)よりも大きいか否か判定する。
温度θが温度θ2bよりも大きくない場合(S16b:No)、ステップS15bへ戻る。
温度θが温度θ2bよりも大きい場合(S16b:Yes)、時間計測手段7は、経過時間TBの計測を開始する(S17b)。
次に、ステップS18bで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ1b(例えば70℃)以下であるか否かを判定する。この温度θ1bは、温度θ2bよりも低い温度である。
温度θが温度θ1b以下である場合(S18b:Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S19b)、ステップS112bへ進む。
温度θが温度θ1b以下でない場合(S18b:No)、ステップS110bで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ3b(例えば74℃)よりも大きいか否かを判定する。この温度θ3bは、温度θ2bよりも高い温度である。即ち、θ1b<θ2b<θ3b、の関係である。
温度θが温度θ3bよりも大きい場合(S110b:Yes)、ステップ111bで、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS112bへ進む。
温度θが温度θ3bよりも大きくない場合(S110b:No)、ステップS112bへ進む。
即ち、ステップS18b〜S111bの動作において、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、温度θ1b以上θ3b以下となるように、加熱コイル3への通電を制御する。
ステップS112bで、制御手段8は、時間計測手段7が計測した経過時間TBが、予め設定した第2経過時間T2(例えば30分)以上であるか否かを判定する。
経過時間TBが第2経過時間T2以上でない場合(S112b:No)、ステップS18bへ戻る。
即ち、制御手段8は、経過時間TBが予め設定した第2経過時間T2を経過するまでの間、ステップS18b〜S111bの動作を繰り返し行う。
ステップS112bにおいて、経過時間TBが第2経過時間T2以上である場合(S112b:Yes)、再加熱工程Bの動作を終了し、ステップS12bへ戻り上述した動作を繰り返す。
以上のように、保存工程Aと保存工程Bとでは、再加熱工程を実行する開始タイミングを決定するための条件情報84が異なる。また、保存工程Aと保存工程Bとでは、再加熱工程における加熱条件(加熱温度帯および加熱時間)が異なる。それは加熱工程Aに対応する食品に生残する微生物の種類と、加熱工程Bに対応する食品に生残する微生物の種類とが異なると想定されるからである。
食品の種類によって腐敗の原因となる微生物には、ある程度の傾向がある。たとえば前述した煮魚であれば、魚に付着している腸炎ビブリオが原因になる可能性が高い。また、カレーであればウェルシュ菌が原因になる可能性が高い。
腸炎ビブリオに比べて、ウェルシュ菌は増殖のスピードが同等か若干遅く、また、やや高温で繁殖する特徴がある。これらの特徴を踏まえた上で、図5および図8に示した条件情報84(テーブル)を用いて微生物の増殖の状態を予測し、食品が腐敗する前に再加熱処理を行う。
また、再加熱処理では予測しうる腐敗原因の微生物を殺菌できるような加熱条件(加熱温度帯と加熱時間)が成立するように加熱を行うことで、食品を衛生的に保存することができる。
さらに、殺菌だけでなく、カレーのようなとろみがあるものに対しては低温で殺菌することで鍋底が焦げ付くことがなく、また香気成分といった揮発性のカレーの美味しさに寄与する成分が再加熱処理によって出来るだけ損なわれないような加熱条件にすることで衛生性と美味しさを両立させることが出来る。
また、再加熱処理を行うまでの間は加熱コイル3への通電を行っていないため、省エネルギー性も向上する。
このように、操作表示部15から入力された鍋状容器5内の食品に関する情報と、加熱調理工程後の温度履歴とから、再加熱工程を開始するタイミングを判断することにより、鍋状容器5内の食品を衛生的に保存することが出来る。
また、鍋状容器5内の食品に関する情報に応じて、再加熱工程における加熱温度帯と加熱時間とを変更するので、不必要に頻繁に再加熱が実行されることがなく、省エネルギー性を向上することができる。また、再加熱工程によって、食品が焦げ付いたり、煮崩れたりして美味しさを損なう可能性を低減することができる。
したがって、保存中に食品を衛生的に保つことができるとともに、省エネルギー性を向上することができる。
[保存工程C]
次に、自動調理メニューで設定されたメニューが「白飯」であり、「白飯」がグループCに属し、保存工程Cが実行された場合の処理について説明する。
上述した保存工程Aおよび保存工程Bでは、再加熱処理を実行するまでは加熱コイル3に通電していない状態で保存している。一方、食品の種類によっては加熱コイル3に通電して保温したほうが美味しく保存できるものがある。
例えば、食品が「白飯」であれば、加熱調理後に温度が下がっていくと徐々に硬くなり美味しくない。そういった食品はグループCに属し、保温しながら保存する保存工程Cが実行される。
図10は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Cを説明するフローチャートである。
以下、保存工程Cの動作を、図10を参照して説明する。
保存工程Cが開始されると、制御手段8は、操作表示部15で「終了」キーが押されたか否かを判断する(S12)。操作表示部15で「終了」キーが押された場合(S12:Yes)、制御手段8は、保存工程Cを終了する。
操作表示部15で「終了」キーが押されていない場合(S12:No)、制御手段8は、鍋状容器5内の食品の温度を予め設定された保温温度帯に保持する保温工程を実行する(S20)。
保温工程では、鍋状容器5内の温度が保温温度帯(例えば63℃以上65℃以下)となるように加熱し、食品を保温する。
ステップS21で、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ4(例えば63℃)以下であるか否かを判定する。
温度θが温度θ4以下である場合(S21:Yes)、ステップS22で、制御手段8は加熱コイル3に通電し、鍋状容器5と鍋状容器5内に収容された食品を加熱し、ステップS13cへ進む。
温度θが温度θ4以下でない場合(S22:No)、ステップS23で、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ5(例えば65℃)よりも大きいか否かを判定する。この温度θ4は、温度θ4よりも高い温度である。即ち、θ4<θ5、の関係である。
温度θが温度θ5よりも大きい場合(S23:Yes)、ステップ24で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS13cへ進む。
温度θが温度θ5よりも大きくない場合(S23:No)、加熱コイル3への通電を継続し、ステップS13cへ進む。
即ち、ステップS21〜S24の動作において、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、温度θ4以上θ5以下となるように、加熱コイル3への通電を制御する。
次に、制御手段8は、後述する予測値Cが閾値(例えば100)以上であるかを判断する(S13c)。
このステップS13cは、再加熱工程を実行する開始タイミングを決定する処理である。
具体例を図11、図12を用いて説明する。
図11は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Cにおける条件情報84の一例を示す図である。
制御手段8には、保存工程Cに対応した条件情報84が予め記憶されている。
図11に示すように、条件情報84は、複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数(以下、係数ともいう)が予め設定された情報(テーブル)である。係数は、0〜1の範囲で設定され、微生物の増殖速度が速い温度帯の係数であるほど大きい値が設定されている。
保存工程Cに対応した条件情報84は、保存工程Aおよび保存工程Bのものとは異なり、鍋状容器5内の食品、この場合「白飯」で発生しうる微生物で、且つ保温中にも死滅せずに残っていた耐熱性のある微生物(たとえば、バチルス・ステアロサーモフィルス菌)の増殖に適した予測式になっている。
例えば図11に示すように、バチルス・ステアロサーモフィルス菌が増殖し易い温度帯である65℃以下における係数が「0.3」に設定されている。そして、65℃よりも高い温度帯であるほど係数が小さく設定されている。
図12は、実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程Cにおける予測値Cの算出例を示す図である。
制御手段8の数推定部82は、温度センサー4が検知した食品の検知温度、および時間計測手段7が計測した保存工程(保温工程を含む)の経過時間を、温度履歴として取得する。
そして、条件情報84を参照し、検知温度の温度帯ごとに、係数と経過時間とを乗算し、その合計値を予測値Cとして求める。例えば図12に示す例では、食品の温度が60℃〜65℃の範囲である経過時間が287分である場合、係数×経過時間=86.1となる。このような計算を各温度帯について行い、その合計値を予測値Cとする。
このように、予測値Cは、主に殺菌対象とする微生物が増殖し易い温度帯が、長く継続するほど大きい値となる。つまり、予測値Cは、主に殺菌対象とする微生物の増殖数を示す指標である。
再び図10を参照する。
制御手段8は、予測値Cが閾値以上でない場合(S13c:No)、ステップS12に戻り上述した動作を繰り返す。
一方、予測値Cが閾値以上である場合(S13cYes)、再加熱工程C(S14c)を実行する。
(再加熱工程C)
再加熱工程Cでは、第3経過時間T3(例えば15分)の間、鍋状容器5内の温度が第3温度帯(例えば90℃以上94℃以下)となるように加熱し、再加熱工程Cの前に増殖した可能性のある微生物を殺菌する。
ステップS15cで、制御手段8は加熱コイル3に通電し、鍋状容器5と鍋状容器5内に収容された食品を加熱する。
次に、ステップS16cで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ2c(例えば92℃)よりも大きいか否か判定する。
温度θが温度θ2cよりも大きくない場合(S16c:No)、ステップS15cへ戻る。
温度θが温度θ2cよりも大きい場合(S16c:Yes)、時間計測手段7は、経過時間TCの計測を開始する(S17c)。
次に、ステップS18cで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ1c(例えば90℃)以下であるか否かを判定する。この温度θ1cは、温度θ2cよりも低い温度である。
温度θが温度θ1c以下である場合(S18c:Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S19c)、ステップS112cへ進む。
温度θが温度θ1c以下でない場合(S18c:No)、ステップS110cで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ3c(例えば94℃)よりも大きいか否かを判定する。この温度θ3cは、温度θ2cよりも高い温度である。即ち、θ1c<θ2c<θ3c、の関係である。
温度θが温度θ3cよりも大きい場合(S110c:Yes)、ステップ111cで、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS112cへ進む。
温度θが温度θ3cよりも大きくない場合(S110c:No)、ステップS112cへ進む。
即ち、ステップS18c〜S111cの動作において、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、温度θ1c以上θ3c以下となるように、加熱コイル3への通電を制御する。
ステップS112cで、制御手段8は、時間計測手段7が計測した経過時間TCが、予め設定した第3経過時間T3(例えば15分)以上であるか否かを判定する。
経過時間TCが第3経過時間T3以上でない場合(S112c:No)、ステップS18cへ戻る。
即ち、制御手段8は、経過時間TCが予め設定した第3経過時間T3を経過するまでの間、ステップS18c〜S111cの動作を繰り返し行う。
ステップS112cにおいて、経過時間TCが第3経過時間T3以上である場合(S112c:Yes)、再加熱工程Cの動作を終了し、ステップS12cへ戻り上述した動作を繰り返す。
この保存工程Cのように、食品を保温しながら保存する場合は、耐熱性のある微生物の増殖の可能性があるため、微生物の種類を予測する手段として、食品の情報だけでなく、保温の有無と保存中の温度履歴といった情報も勘案して、図11のような条件情報84に基づき再加熱工程Cを開始し、耐熱性のある微生物に適した加熱条件(加熱温度帯と加熱時間)によって再加熱工程Cを行うことにより、食品を腐敗させることがなく保存することができる。
以上のように、微生物の種類や増殖数を推定する手段として食品の情報と鍋状容器5の温度履歴に基づいて、菌の増殖を予測する条件情報84(テーブル)と再加熱工程Cの開始条件を選択することで不必要に加熱することがなく、衛生性と省エネルギー性を両立させることができる。
また、腐敗の原因となる微生物を推定する手段として、操作表示部15で設定した情報だけでなく、保温の有無を反映することでより正確に微生物の種類を推定することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、食品に生残する微生物の種類および増殖数を、食品の性質等により推定する。なお、本実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一または相当する構成には同一の符号を付す。
図13は、実施の形態2に係る加熱調理器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。
図13に示すように、本実施の形態2における加熱調理器100は、食品性質検知手段30を備えている。
食品性質検知手段30は、例えば、食品の酸化還元電位を検知する酸化還元電位センサーによって構成されている。
なお、食品性質検知手段30は、これに限らず、例えば、水素イオン指数を検知するpHセンサーによって構成しても良い。
また、食品性質検知手段30は、これに限らず、例えば、水分活性を検知する水分活性センサーによって構成しても良い。
また、食品性質検知手段30は、これに限らず、例えば、水分活性と相関が高い平衡相対湿度、糖度、および塩分濃度の少なくとも1つ検知するセンサーによって構成しても良い。
また、食品性質検知手段30は、これに限らず、例えば、酸化還元電位と相関の高い酸素濃度を検知するセンサーによって構成しても良い。
また、食品性質検知手段30は、酸化還元電位、水素イオン指数、水分活性、平衡相対湿度、糖度、塩分濃度、および酸素濃度のうちの2つ以上を検知するセンサーによって構成しても良い。
保存工程において食品に生残し増殖しうる微生物の種類、増殖の速度は、食品の水素イオン指数(pH)、水分活性、酸化還元電位等によって変わる。
そのため、これらの項目を測定し、その情報を反映することでさらに正確に微生物の種類や増殖数を推定することができる。
図14は、実施の形態2に係る加熱調理器100の制御手段8の構成を示すブロック図である。
図14において、制御手段8の種類推定部81および数推定部82は、食品性質検知手段30に基づき、保存工程において食品に生残する微生物の種類および微生物の増殖数の少なくとも一方を推定する。
なお、微生物の増殖数とは、厳密な数を言うものではなく、微生物が増殖(増加)する傾向を示す指標であり、微生物が生残する食品の環境条件(温度、時間など)により推定されるものである。
また、微生物の種類とは、一種類に限らず複数種類でも良い。また、例えば食中毒などの原因になりやすい種類など、任意の微生物を対象としても良い。
このような構成により、加熱条件がそれぞれ異なる複数の保存工程のうちから、種類推定部81が推定した微生物の種類に対応した保存工程を実行する。
また、数推定部82が推定した微生物の増殖数によって再加熱工程の開始タイミングを判断する。
各工程の詳細は上記実施の形態1と同様である。
以上のように本実施の形態2においては、食品性質検知手段30によって食品自体の性質を検知して、食品に生残する微生物の種類、増殖数をより精度良く推定することができる。
(変形例1)
なお、上記実施の形態1および2の構成に加え、蓋体10の開閉を検知するセンサーを設けてもよい。
蓋体10を開閉するときに微生物が混入するリスクが高まる。このため、加熱調理工程終了後からの蓋体10の開閉の頻度が高いほど増殖するスピードが速くなると判断し、各保存工程のそれぞれの条件情報84(テーブル)の係数を大きくしてもよい。
(変形例2)
また、上記実施の形態1および2の構成に加え、通気口10aを開閉することができる弁を設けてもよい。通気口10aを閉じることで鍋状容器5内が嫌気的な状態となり、酸素濃度(酸化還元電位)を測定しなくても嫌気的な微生物が増殖していると推定することができる。
なお、実施の形態1〜4では鍋状容器を有する加熱調理器100の構成例で説明したが、これに限るものではなく、本発明は例えばオーブン、電子レンジ、グリルなどにも適応される。
1 本体、2 容器カバー、2a 孔部、3 加熱コイル、4 温度センサー、5 鍋状容器、5a フランジ部、7 時間計測手段、8 制御手段、9 蓋パッキン、10 蓋体、10a 通気口、15 操作表示部、18 取っ手、19 蓋つまみ、30 食品性質検知手段、81 種類推定部、82 数推定部、83 加熱制御部、84 条件情報、100 加熱調理器、200 食材、201 煮汁。
本発明に係る加熱調理器は、食品を加熱する加熱手段と、加熱手段を制御して、食品を加熱する加熱調理工程と、加熱調理工程のあと食品を保存する保存工程とを、実行する制御手段と、食品の種類、調理方法、及び自動調理メニューの少なくとも1つの設定情報が入力される操作手段と、を備え、制御手段は、操作手段に入力された設定情報に基づき、保存工程において食品を加熱する再加熱工程を実行するものである。

Claims (12)

  1. 食品を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段を制御して、前記食品を加熱する加熱調理工程と、前記加熱調理工程のあと前記食品を保存する保存工程とを、実行する制御手段と、
    前記保存工程における、前記食品に生残する微生物の種類および増殖数の少なくとも一方を推定する推定手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記推定手段が推定した前記微生物の種類および増殖数の少なくとも一方に基づき、前記保存工程において前記食品を加熱する再加熱工程を実行する
    加熱調理器。
  2. 経過時間を計測する時間計測手段と、
    前記食品の温度を検知する温度検知手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記推定手段が推定した前記微生物の種類および増殖数の少なくとも一方に基づき、前記再加熱工程における加熱時間および加熱温度帯を設定し、
    前記食品の温度が前記加熱時間の間、前記加熱温度帯となるように前記加熱手段を制御する
    請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記推定手段は、
    前記保存工程の経過時間と、前記保存工程における前記食品の温度とに基づき、前記微生物の増殖数を推定する
    請求項1または2に記載の加熱調理器。
  4. 前記制御手段は、
    前記保存工程において、前記食品の温度が予め設定された保温温度帯となるように前記加熱手段を制御する保温工程を実行し、
    前記推定手段は、
    前記保存工程における、前記食品に生残する微生物の種類および増殖数の少なくとも一方を推定する
    請求項1〜3の何れか一項に記載の加熱調理器。
  5. 前記食品の種類、調理方法、及び自動調理メニューの少なくとも1つの設定情報が入力される操作手段を、さらに備え、
    前記推定手段は、
    前記操作手段に入力された前記設定情報に基づき、前記微生物の種類を推定する
    請求項1〜4の何れか一項に記載の加熱調理器。
  6. 前記食品の酸化還元電位、水素イオン指数、水分活性、平衡相対湿度、糖度、塩分濃度、および酸素濃度の少なくとも1つを検知する食品性質検知手段を更に備え、
    前記推定手段は、
    前記食品性質検知手段の検知結果に基づき、前記微生物の種類および増殖数の少なくとも一方を推定する
    請求項1〜5の何れか一項に記載の加熱調理器。
  7. 食品を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段を制御する制御手段と、
    前記食品の種類、調理方法、及び自動調理メニューの少なくとも1つの設定情報が入力される操作手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記食品を加熱する加熱調理工程と、
    前記加熱調理工程のあと前記食品を保存する保存工程と、
    前記保存工程において、前記食品を加熱する再加熱工程と、を実行し、
    前記操作手段に入力された前記設定情報に応じて、前記再加熱工程における加熱時間および加熱温度帯の少なくとも一方を変更する
    加熱調理器。
  8. 経過時間を計測する時間計測手段と、
    前記食品の温度を検知する温度検知手段と、をさらに備え、
    前記制御手段は、
    前記保存工程における前記食品の温度と、前記保存工程の経過時間とに基づき、前記再加熱工程の開始タイミングを決定する
    請求項7に記載の加熱調理器。
  9. 前記制御手段は、
    複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数が設定された条件情報が、予め記憶され、
    前記保存工程において、前記食品の温度が属する前記温度帯の前記重み付け係数と、当該温度帯の経過時間とを乗算した値に基づき、前記再加熱工程の開始タイミングを決定する
    請求項8に記載の加熱調理器。
  10. 前記制御手段は、
    前記重み付け係数がそれぞれ異なる複数の前記条件情報が、予め記憶され、
    前記操作手段に入力された前記設定情報に応じて、複数の前記条件情報のうちの1つを選択する
    請求項9に記載の加熱調理器。
  11. 前記条件情報は、
    前記食品に生残する微生物の増殖速度が速い前記温度帯の前記重み付け係数が、前記微生物の増殖速度が遅い前記温度帯の前記重み付け係数よりも大きく設定された
    請求項9または10に記載の加熱調理器。
  12. 前記制御手段は、
    前記保存工程において、前記食品の温度が予め設定された保温温度帯となるように前記加熱手段を制御する保温工程を実行し、
    前記制御手段は、
    前記保存工程における前記食品の温度と、前記保存工程の経過時間とに基づき、前記再加熱工程の開始タイミングを決定する
    請求項7〜11の何れか一項に記載の加熱調理器。
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