JPWO2016059690A1 - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、保存時に食品を加熱して微生物を殺菌する再加熱処理を行う場合には、種々の微生物に対応し、様々な種類の食品の様々な調理法に応じた適切な再加熱処理を行う必要がある。
図1は、実施の形態1に係る加熱調理器100の構成の一例を概略的に示す断面模式図である。以下、図1に基づいて加熱調理器100について説明する。
加熱調理器100は、被調理物である食品(本実施の形態1では食材200および煮汁201)を入れた鍋状容器5を加熱コイル3で加熱することで、食品を調理および保存するものである。
本体1は、容器カバー2と、加熱手段としての加熱コイル3と、温度センサー4と、時間計測手段7と、各部および各装置を駆動制御して調理工程および保存工程を実行する制御手段8とを備えている。
なお、鍋状容器5は、誘導加熱により発熱する磁性体金属を含む材料で構成され、有底円筒形状である。鍋状容器5の上端部外周には、フランジ部5aが形成されている。また、鍋状容器5に樹脂性の取っ手18を設ける。
蓋体10は、例えばステンレスなどの金属で構成されており、蓋体10の周縁部には、鍋状容器5の上端部外周に形成されたフランジ部5aとの密閉性を確保するシール材である蓋パッキン9が取り付けられている。また、蓋体10には、鍋状容器5の内部と外部とが連通し、鍋状容器5内の蒸気が通る通気口10aとを備え、蓋体10の中央には蓋つまみ19が設けられている。
操作表示部15は、本体1の前面に設けられている。この操作表示部15は、使用者からの操作入力を受け付けるとともに、操作入力に関する情報および加熱調理器100の動作状態を表示する。操作表示部15に対して設定可能な項目としては、例えば、調理の開始、取り消し、加熱時間、火力の強弱、食材の種類、調理方法、自動調理メニューなどがある。
操作表示部15が表示する項目としては、例えば、加熱調理中または保存中等の加熱調理器100の状態、設定されている自動調理メニューの内容、現在時刻等が挙げられる。なお、ここで示した操作表示部15の具体的構成は一例であり、本願発明を限定するものではない。
図2は、実施の形態1に係る加熱調理器100の制御手段8の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御手段8は、種類推定部81と、数推定部82と、加熱制御部83と、条件情報84とを有している。
種類推定部81は、操作表示部15に設定された設定情報に基づき、食品に生残する微生物の種類を推定する。
条件情報84は、複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数が予め設定された情報(テーブル)である。
数推定部82は、温度センサー4が検知した温度と、時間計測手段7が計測した保存工程の経過時間とに基づき、微生物の増殖数を推定する。
加熱制御部83は、微生物の種類および増殖数の少なくとも一方に基づき、微生物を加熱殺菌する再加熱工程の加熱時間および加熱温度帯を設定し、食品の温度が加熱時間の間、加熱温度帯となるように加熱コイル3の通電を制御する。
なお、種類推定部81および数推定部82は、本発明における「推定手段」に相当する。
次に、本実施の形態1に係る加熱調理器100の動作について説明する。
本実施の形態1では、操作表示部15に設定された鍋状容器5内の食品の情報に基づいて、保存する食品に生残する微生物の種類に対応した再加熱工程を実施する動作について説明する。
そして、使用者は、操作表示部15の設定キーで、複数の自動調理メニューの中から任意のメニューを設定し、または任意の加熱時間、食材の種類、調理方法などの設定し、スタートスイッチを押して加熱調理開始の動作指示を行う。制御手段8は、操作表示部15によって入力された設定に従い、加熱調理工程を実行する。
加熱調理工程が終了すると、制御手段8は、食品を保存する保存工程を実行する。
また、例えば白飯を保温する場合においては、耐熱性のある微生物(たとえば、バチルス・ステアロサーモフィルス菌)が増殖する可能性がある。
さらに、殺菌だけでなく、食品の種類および調理内容に応じて適切な再加熱を行う必要がある。例えばカレーのようなとろみがあるものに対しては低温で殺菌することで鍋底が焦げ付くことがなく、また香気成分といった揮発性のカレーの美味しさに寄与する成分が再加熱によって損なわれないようにすることが望ましい。
また、微生物が増殖し易い温度帯は、微生物の種類によって異なることから、保存工程における食品の温度と経過時間とに基づき、微生物の増殖数が推定できる。
また、微生物の種類とは、一種類に限らず複数種類でも良い。また、例えば食中毒などの原因になりやすい種類など、任意の微生物を対象としても良い。
本実施の形態1に係る加熱調理器100の保存工程は、保存工程A、B、Cを有する。
以下、保存工程の動作を、図3を参照して説明する。
ステップS1で自動調理メニューがグループAに属しないと判断されると(S1:No)、ステップS3でグループBに属するかを判断される(S3)。
そして、グループBであれば(S3:Yes)、保存工程Bを実行し(S4)、グループBでなければ(S3:No)、保存工程Cを実行する。
自動調理メニューで設定されたメニューが「煮魚」であり、「煮魚」がグループAに属し、保存工程Aが実行された場合の処理について説明する。
以下、保存工程Aの動作を、図4を参照して説明する。
操作表示部15で「終了」キーが押された場合(S12:Yes)、制御手段8は、保存工程Aを終了する。
このステップS13は、再加熱工程を実行する開始タイミングを決定する処理である。
具体例を図5、図6を用いて説明する。
制御手段8には、保存工程Aに対応した条件情報84が予め記憶されている。
図5に示すように、条件情報84は、複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数(以下、係数ともいう)が予め設定された情報(テーブル)である。係数は、0〜1の範囲で設定され、微生物の増殖速度が速い温度帯の係数であるほど大きい値が設定されている。
例えば図5に示すように、腸炎ビブリオが増殖し易い温度帯である40℃〜45℃における係数が「1」に設定されている。そして、40℃〜45℃よりも高い温度帯であるほど係数が小さく設定され、40℃〜45℃よりも低い温度帯であるほど係数が小さく設定されている。
制御手段8の数推定部82は、温度センサー4が検知した食品の検知温度、および時間計測手段7が計測した保存工程の経過時間を、温度履歴として取得する。
そして、条件情報84を参照し、検知温度の温度帯ごとに、係数と経過時間とを乗算し、その合計値を予測値Aとして求める。例えば図6に示す例では、食品の温度が60℃〜75℃の範囲である経過時間が13分である場合、係数×経過時間=1.04となる。また、食品の温度が55℃〜60℃の範囲である経過時間が9分である場合、係数×経過時間=1.35となる。このような計算を各温度帯について行い、その合計値を予測値Aとする。
制御手段8は、予測値Aが閾値以上でない場合(S13:No)、ステップS12に戻り上述した動作を繰り返す。
一方、予測値Aが閾値以上である場合(S13:Yes)、再加熱工程A(S14)を実行する。
再加熱工程Aでは、第1経過時間T1(例えば15分)の間、鍋状容器5内の温度が第1温度帯(例えば80℃以上84℃以下)となるように加熱し、再加熱工程Aの前に増殖した可能性のある微生物を殺菌する。
次に、ステップS16で、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ2a(例えば82℃)よりも大きいか否か判定する。
温度θが温度θ2aよりも大きくない場合(S16:No)、ステップS15へ戻る。
温度θが温度θ2aよりも大きい場合(S16:Yes)、時間計測手段7は、経過時間TAの計測を開始する(S17)。
温度θが温度θ1a以下である場合(S18:Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S19)、ステップS112へ進む。
温度θが温度θ1a以下でない場合(S18:No)、ステップS110で、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ3a(例えば84℃)よりも大きいか否かを判定する。この温度θ3aは、温度θ2aよりも高い温度である。即ち、θ1a<θ2a<θ3a、の関係である。
温度θが温度θ3aよりも大きい場合(S110:Yes)、ステップ111で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS112へ進む。
温度θが温度θ3aよりも大きくない場合(S110:No)、ステップS112へ進む。
経過時間TAが第1経過時間T1以上でない場合(S112:No)、ステップS18へ戻る。
次に、自動調理メニューで設定されたメニューが「カレー」であり、「カレー」がグループBに属し、保存工程Bが実行された場合の処理について説明する。
以下、保存工程Bの動作を、図7を参照して説明する。
操作表示部15で「終了」キーが押された場合(S12:Yes)、制御手段8は、保存工程Bを終了する。
このステップS13bは、再加熱工程を実行する開始タイミングを決定する処理である。
具体例を図8、図9を用いて説明する。
制御手段8には、保存工程Bに対応した条件情報84が予め記憶されている。
この条件情報84は保存工程Aのものとは異なり、保存工程Bにおいて食品内に生残しうる微生物の増殖に適した予測式になっている。
図8に示すように、条件情報84は、複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数(以下、係数ともいう)が予め設定された情報(テーブル)である。係数は、0〜1の範囲で設定され、微生物の増殖速度が速い温度帯の係数であるほど大きい値が設定されている。
例えば図8に示すように、ウェルシュ菌が増殖し易い温度帯である40℃〜45℃における係数が「1」に設定されている。そして、40℃〜45℃よりも高い温度帯であるほど係数が小さく設定され、40℃〜45℃よりも低い温度帯であるほど係数が小さく設定されている。また、ウェルシュ菌は、腸炎ビブリオに比べてやや高温で増殖し易い特徴があるため、45℃〜50℃および50℃〜55℃の温度帯における係数が、保存工程Aにおける係数よりも大きく設定されている。
制御手段8の数推定部82は、温度センサー4が検知した食品の検知温度、および時間計測手段7が計測した保存工程の経過時間を、温度履歴として取得する。
そして、条件情報84を参照し、検知温度の温度帯ごとに、係数と経過時間とを乗算し、その合計値を予測値Bとして求める。例えば図9に示す例では、食品の温度が60℃〜75℃の範囲である経過時間が41分である場合、係数×経過時間=2.05となる。また、食品の温度が55℃〜60℃の範囲である経過時間が36分である場合、係数×経過時間=3.6となる。このような計算を各温度帯について行い、その合計値を予測値Bとする。
制御手段8は、予測値Bが閾値以上でない場合(S13b:No)、ステップS12に戻り上述した動作を繰り返す。
一方、予測値Bが閾値以上である場合(S13b:Yes)、再加熱工程B(S14b)を実行する。
再加熱工程Bでは、第2経過時間T2(例えば30分)の間、鍋状容器5内の温度が第2温度帯(例えば70℃以上74℃以下)となるように加熱し、再加熱工程Bの前に増殖した可能性のある微生物を殺菌する。
次に、ステップS16bで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ2b(例えば72℃)よりも大きいか否か判定する。
温度θが温度θ2bよりも大きくない場合(S16b:No)、ステップS15bへ戻る。
温度θが温度θ2bよりも大きい場合(S16b:Yes)、時間計測手段7は、経過時間TBの計測を開始する(S17b)。
温度θが温度θ1b以下である場合(S18b:Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S19b)、ステップS112bへ進む。
温度θが温度θ1b以下でない場合(S18b:No)、ステップS110bで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ3b(例えば74℃)よりも大きいか否かを判定する。この温度θ3bは、温度θ2bよりも高い温度である。即ち、θ1b<θ2b<θ3b、の関係である。
温度θが温度θ3bよりも大きい場合(S110b:Yes)、ステップ111bで、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS112bへ進む。
温度θが温度θ3bよりも大きくない場合(S110b:No)、ステップS112bへ進む。
経過時間TBが第2経過時間T2以上でない場合(S112b:No)、ステップS18bへ戻る。
食品の種類によって腐敗の原因となる微生物には、ある程度の傾向がある。たとえば前述した煮魚であれば、魚に付着している腸炎ビブリオが原因になる可能性が高い。また、カレーであればウェルシュ菌が原因になる可能性が高い。
腸炎ビブリオに比べて、ウェルシュ菌は増殖のスピードが同等か若干遅く、また、やや高温で繁殖する特徴がある。これらの特徴を踏まえた上で、図5および図8に示した条件情報84(テーブル)を用いて微生物の増殖の状態を予測し、食品が腐敗する前に再加熱処理を行う。
また、再加熱処理では予測しうる腐敗原因の微生物を殺菌できるような加熱条件(加熱温度帯と加熱時間)が成立するように加熱を行うことで、食品を衛生的に保存することができる。
また、再加熱処理を行うまでの間は加熱コイル3への通電を行っていないため、省エネルギー性も向上する。
また、鍋状容器5内の食品に関する情報に応じて、再加熱工程における加熱温度帯と加熱時間とを変更するので、不必要に頻繁に再加熱が実行されることがなく、省エネルギー性を向上することができる。また、再加熱工程によって、食品が焦げ付いたり、煮崩れたりして美味しさを損なう可能性を低減することができる。
したがって、保存中に食品を衛生的に保つことができるとともに、省エネルギー性を向上することができる。
次に、自動調理メニューで設定されたメニューが「白飯」であり、「白飯」がグループCに属し、保存工程Cが実行された場合の処理について説明する。
例えば、食品が「白飯」であれば、加熱調理後に温度が下がっていくと徐々に硬くなり美味しくない。そういった食品はグループCに属し、保温しながら保存する保存工程Cが実行される。
以下、保存工程Cの動作を、図10を参照して説明する。
操作表示部15で「終了」キーが押されていない場合(S12:No)、制御手段8は、鍋状容器5内の食品の温度を予め設定された保温温度帯に保持する保温工程を実行する(S20)。
温度θが温度θ4以下である場合(S21:Yes)、ステップS22で、制御手段8は加熱コイル3に通電し、鍋状容器5と鍋状容器5内に収容された食品を加熱し、ステップS13cへ進む。
温度θが温度θ4以下でない場合(S22:No)、ステップS23で、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ5(例えば65℃)よりも大きいか否かを判定する。この温度θ4は、温度θ4よりも高い温度である。即ち、θ4<θ5、の関係である。
温度θが温度θ5よりも大きい場合(S23:Yes)、ステップ24で、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS13cへ進む。
温度θが温度θ5よりも大きくない場合(S23:No)、加熱コイル3への通電を継続し、ステップS13cへ進む。
このステップS13cは、再加熱工程を実行する開始タイミングを決定する処理である。
具体例を図11、図12を用いて説明する。
制御手段8には、保存工程Cに対応した条件情報84が予め記憶されている。
図11に示すように、条件情報84は、複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数(以下、係数ともいう)が予め設定された情報(テーブル)である。係数は、0〜1の範囲で設定され、微生物の増殖速度が速い温度帯の係数であるほど大きい値が設定されている。
例えば図11に示すように、バチルス・ステアロサーモフィルス菌が増殖し易い温度帯である65℃以下における係数が「0.3」に設定されている。そして、65℃よりも高い温度帯であるほど係数が小さく設定されている。
制御手段8の数推定部82は、温度センサー4が検知した食品の検知温度、および時間計測手段7が計測した保存工程(保温工程を含む)の経過時間を、温度履歴として取得する。
そして、条件情報84を参照し、検知温度の温度帯ごとに、係数と経過時間とを乗算し、その合計値を予測値Cとして求める。例えば図12に示す例では、食品の温度が60℃〜65℃の範囲である経過時間が287分である場合、係数×経過時間=86.1となる。このような計算を各温度帯について行い、その合計値を予測値Cとする。
制御手段8は、予測値Cが閾値以上でない場合(S13c:No)、ステップS12に戻り上述した動作を繰り返す。
一方、予測値Cが閾値以上である場合(S13cYes)、再加熱工程C(S14c)を実行する。
再加熱工程Cでは、第3経過時間T3(例えば15分)の間、鍋状容器5内の温度が第3温度帯(例えば90℃以上94℃以下)となるように加熱し、再加熱工程Cの前に増殖した可能性のある微生物を殺菌する。
次に、ステップS16cで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ2c(例えば92℃)よりも大きいか否か判定する。
温度θが温度θ2cよりも大きくない場合(S16c:No)、ステップS15cへ戻る。
温度θが温度θ2cよりも大きい場合(S16c:Yes)、時間計測手段7は、経過時間TCの計測を開始する(S17c)。
温度θが温度θ1c以下である場合(S18c:Yes)、制御手段8は加熱コイル3に通電し(S19c)、ステップS112cへ進む。
温度θが温度θ1c以下でない場合(S18c:No)、ステップS110cで、制御手段8は、温度センサー4が検知する温度θが、予め設定された温度θ3c(例えば94℃)よりも大きいか否かを判定する。この温度θ3cは、温度θ2cよりも高い温度である。即ち、θ1c<θ2c<θ3c、の関係である。
温度θが温度θ3cよりも大きい場合(S110c:Yes)、ステップ111cで、制御手段8は、加熱コイル3への電力を遮断し、ステップS112cへ進む。
温度θが温度θ3cよりも大きくない場合(S110c:No)、ステップS112cへ進む。
経過時間TCが第3経過時間T3以上でない場合(S112c:No)、ステップS18cへ戻る。
また、腐敗の原因となる微生物を推定する手段として、操作表示部15で設定した情報だけでなく、保温の有無を反映することでより正確に微生物の種類を推定することができる。
本実施の形態2では、食品に生残する微生物の種類および増殖数を、食品の性質等により推定する。なお、本実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一または相当する構成には同一の符号を付す。
図13に示すように、本実施の形態2における加熱調理器100は、食品性質検知手段30を備えている。
食品性質検知手段30は、例えば、食品の酸化還元電位を検知する酸化還元電位センサーによって構成されている。
なお、食品性質検知手段30は、これに限らず、例えば、水素イオン指数を検知するpHセンサーによって構成しても良い。
また、食品性質検知手段30は、これに限らず、例えば、水分活性を検知する水分活性センサーによって構成しても良い。
また、食品性質検知手段30は、これに限らず、例えば、酸化還元電位と相関の高い酸素濃度を検知するセンサーによって構成しても良い。
また、食品性質検知手段30は、酸化還元電位、水素イオン指数、水分活性、平衡相対湿度、糖度、塩分濃度、および酸素濃度のうちの2つ以上を検知するセンサーによって構成しても良い。
そのため、これらの項目を測定し、その情報を反映することでさらに正確に微生物の種類や増殖数を推定することができる。
図14において、制御手段8の種類推定部81および数推定部82は、食品性質検知手段30に基づき、保存工程において食品に生残する微生物の種類および微生物の増殖数の少なくとも一方を推定する。
なお、微生物の増殖数とは、厳密な数を言うものではなく、微生物が増殖(増加)する傾向を示す指標であり、微生物が生残する食品の環境条件(温度、時間など)により推定されるものである。
また、微生物の種類とは、一種類に限らず複数種類でも良い。また、例えば食中毒などの原因になりやすい種類など、任意の微生物を対象としても良い。
また、数推定部82が推定した微生物の増殖数によって再加熱工程の開始タイミングを判断する。
各工程の詳細は上記実施の形態1と同様である。
なお、上記実施の形態1および2の構成に加え、蓋体10の開閉を検知するセンサーを設けてもよい。
蓋体10を開閉するときに微生物が混入するリスクが高まる。このため、加熱調理工程終了後からの蓋体10の開閉の頻度が高いほど増殖するスピードが速くなると判断し、各保存工程のそれぞれの条件情報84(テーブル)の係数を大きくしてもよい。
また、上記実施の形態1および2の構成に加え、通気口10aを開閉することができる弁を設けてもよい。通気口10aを閉じることで鍋状容器5内が嫌気的な状態となり、酸素濃度(酸化還元電位)を測定しなくても嫌気的な微生物が増殖していると推定することができる。
Claims (12)
- 食品を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御して、前記食品を加熱する加熱調理工程と、前記加熱調理工程のあと前記食品を保存する保存工程とを、実行する制御手段と、
前記保存工程における、前記食品に生残する微生物の種類および増殖数の少なくとも一方を推定する推定手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記推定手段が推定した前記微生物の種類および増殖数の少なくとも一方に基づき、前記保存工程において前記食品を加熱する再加熱工程を実行する
加熱調理器。 - 経過時間を計測する時間計測手段と、
前記食品の温度を検知する温度検知手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、
前記推定手段が推定した前記微生物の種類および増殖数の少なくとも一方に基づき、前記再加熱工程における加熱時間および加熱温度帯を設定し、
前記食品の温度が前記加熱時間の間、前記加熱温度帯となるように前記加熱手段を制御する
請求項1に記載の加熱調理器。 - 前記推定手段は、
前記保存工程の経過時間と、前記保存工程における前記食品の温度とに基づき、前記微生物の増殖数を推定する
請求項1または2に記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、
前記保存工程において、前記食品の温度が予め設定された保温温度帯となるように前記加熱手段を制御する保温工程を実行し、
前記推定手段は、
前記保存工程における、前記食品に生残する微生物の種類および増殖数の少なくとも一方を推定する
請求項1〜3の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記食品の種類、調理方法、及び自動調理メニューの少なくとも1つの設定情報が入力される操作手段を、さらに備え、
前記推定手段は、
前記操作手段に入力された前記設定情報に基づき、前記微生物の種類を推定する
請求項1〜4の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 前記食品の酸化還元電位、水素イオン指数、水分活性、平衡相対湿度、糖度、塩分濃度、および酸素濃度の少なくとも1つを検知する食品性質検知手段を更に備え、
前記推定手段は、
前記食品性質検知手段の検知結果に基づき、前記微生物の種類および増殖数の少なくとも一方を推定する
請求項1〜5の何れか一項に記載の加熱調理器。 - 食品を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記食品の種類、調理方法、及び自動調理メニューの少なくとも1つの設定情報が入力される操作手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記食品を加熱する加熱調理工程と、
前記加熱調理工程のあと前記食品を保存する保存工程と、
前記保存工程において、前記食品を加熱する再加熱工程と、を実行し、
前記操作手段に入力された前記設定情報に応じて、前記再加熱工程における加熱時間および加熱温度帯の少なくとも一方を変更する
加熱調理器。 - 経過時間を計測する時間計測手段と、
前記食品の温度を検知する温度検知手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、
前記保存工程における前記食品の温度と、前記保存工程の経過時間とに基づき、前記再加熱工程の開始タイミングを決定する
請求項7に記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、
複数の温度帯のそれぞれに重み付け係数が設定された条件情報が、予め記憶され、
前記保存工程において、前記食品の温度が属する前記温度帯の前記重み付け係数と、当該温度帯の経過時間とを乗算した値に基づき、前記再加熱工程の開始タイミングを決定する
請求項8に記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、
前記重み付け係数がそれぞれ異なる複数の前記条件情報が、予め記憶され、
前記操作手段に入力された前記設定情報に応じて、複数の前記条件情報のうちの1つを選択する
請求項9に記載の加熱調理器。 - 前記条件情報は、
前記食品に生残する微生物の増殖速度が速い前記温度帯の前記重み付け係数が、前記微生物の増殖速度が遅い前記温度帯の前記重み付け係数よりも大きく設定された
請求項9または10に記載の加熱調理器。 - 前記制御手段は、
前記保存工程において、前記食品の温度が予め設定された保温温度帯となるように前記加熱手段を制御する保温工程を実行し、
前記制御手段は、
前記保存工程における前記食品の温度と、前記保存工程の経過時間とに基づき、前記再加熱工程の開始タイミングを決定する
請求項7〜11の何れか一項に記載の加熱調理器。
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2014/077472 WO2016059690A1 (ja) | 2014-10-15 | 2014-10-15 | 加熱調理器 |
Publications (2)
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