JPWO2016056305A1 - 制御装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

指令値と制御量とを減算して算出された制御偏差と制御ゲインとに基づいて操作量を生成する制御演算部(101)と、オン又はオフを示す調整実行指令値を生成する調整実行指令生成部(102)と、調整実行指令値がオンである期間において、制御偏差とヒステリシス幅設定値とに基づいて調整時加算値を生成する2値出力部(103)と、調整実行指令値がオフである期間において、制御量又は制御偏差の低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号を算出し、標準偏差の推定値である標準偏差推定値を算出する標準偏差推定部(106)と、標準偏差推定値に基づいてヒステリシス幅演算値を算出し、2値出力部(103)のヒステリシス幅設定値をヒステリシス幅演算値に変更するヒステリシス幅演算部(107)と、を備える。ヒステリシスの大きさを適切に設定することにより、ノイズの影響を除去して精度よく制御ゲインを算出することができる。

Description

本発明は、フィードバック制御により対象装置の制御を行う制御装置及び制御方法に関する。
産業用装置では、必要な動作を実現するためにフィードバック制御が利用される。フィードバック制御では、検出される制御量から操作量を算出するために使用される制御ゲインの調整が必要になる。
制御ゲインを適切に調整するための方法の1つにリミットサイクル法がある。リミットサイクル法は、2値制御と呼ばれる2つの操作量のうちから1つを選択して出力する制御を行うことにより、制御量を一定又は一定とみなされる周期で振動させ、振動波形に基づいて制御対象の動特性を同定し、制御ゲインを計算するものである(非特許文献1)。振動波形は、リミットサイクル波形と呼ばれている。
リミットサイクル法は、制御対象の動特性を同定するために、制御偏差の正負の符号に基づいて2値制御の操作量の1つを選択し、制御量を一定又は一定とみなされる周期で振動させ、リミットサイクル波形を生じさせる必要がある。しかし、リミットサイクル法は、検出される制御量にノイズが含まれており、制御偏差の正負の符号がノイズの影響で反転した場合、制御対象の動特性とは無関係にオンオフ制御が動作してしまい、チャタリングが発生して一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクル波形が得られず、制御対象の動特性を同定することができない場合がある。
特許文献1は、検出される制御量にノイズが含まれる場合であっても、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクル波形を生じさせることが記載されている。特許文献1は、制御偏差の正負の符号の判定にヒステリシス特性を設けることで、検出される制御量に含まれるノイズの影響による2値制御のチャタリングを防止することが記載されている。特許文献1は、検出される制御量にノイズが含まれる場合にも制御対象の動特性を同定して制御ゲインを計算することが記載されている。
特開昭61−279901号公報
須田信英、"PID制御"、システム制御情報ライブラリー、朝倉書店、pp162−167
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、制御偏差の正負の符号の判定に設けられるヒステリシス特性のヒステリシスの大きさを適切に設定しないと、精度のよいリミットサイクル波形が得られずに、制御ゲインの計算を精度よく行うことが困難になる。
設定されるヒステリシスの大きさが小さくて適切でない場合には、検出される制御量に含まれるノイズの影響を除去できず、制御対象の動特性とは無関係に2値制御が動作することによりチャタリングが発生してしまい、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクル波形を得ることができず、制御ゲインの計算を精度よく行うことができない。
また、設定されるヒステリシスの大きさが大き過ぎて適切でない場合には、ノイズの影響を除去できても、制御量の振動振幅が大きくなり、制御量が飽和してリミットサイクル波形が制御対象の動特性とは無関係な形状になってしまったり、制御対象が損傷してしまったりする可能性があり、制御ゲインの計算を精度よく行うことができない。
したがって、特許文献1に基づいてリミットサイクル法を実施する場合には、操作者が、検出される制御量に含まれるノイズの大きさを予め観測して、ノイズの影響を除去でき、かつ、制御量の振動振幅を過剰に増大させない程度にヒステリシスの大きさを設定する必要がある。よって、特許文献1は、適切なヒステリシスの大きさを設定するために多大な時間及び手間を要するといった問題点がある。
また、操作者がヒステリシスの大きさを設定するような構成の場合には、操作者が外部から制御量を詳細に観測できるように制御量を表示する機能、及びヒステリシスの大きさを外部から設定するための機能を制御装置に備えておく必要がある。よって、特許文献1は、制御装置の生産コストを増加させるといった問題点もある。
さらに、ある特定の動作環境において、操作者によって適切にヒステリシスの大きさが設定されても、制御量の大きさの変化に伴って制御量に含まれるノイズの大きさが増大したり、制御装置及び制御対象の周辺に設置される電気機械及び電子機器の動作状況により制御量に含まれるノイズの大きさが増大したりして、ノイズの影響を除去できず、制御ゲインの計算が精度よく行えない場合も生じる。このような場合には、制御量の大きさに基づいて、又は、制御装置及び制御対象の周辺に設置される電気機械及び電子機器の動作状態の影響に基づいて、操作者がヒステリシスの大きさを変更する必要がある。また、操作者が制御量に含まれるノイズの大きさを調べる必要もある。よって、特許文献1は、操作者がヒステリシスの大きさの設定を継続的に変更し続ける必要があり、多大な時間及び手間を要する問題点もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ヒステリシスの大きさを適切に設定することにより、ノイズの影響を除去して精度よく制御ゲインを算出することができる制御装置及び制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御装置は、外部から入力される指令値と制御対象装置から入力される制御量とを減算することにより制御偏差を算出する減算器と、前記制御偏差と制御ゲインとに基づいて操作量を生成し、前記操作量を出力する制御演算部と、オン又はオフを示す調整実行指令値を生成し、前記調整実行指令値を出力する調整実行指令生成部と、前記調整実行指令生成部から出力されている前記調整実行指令値がオンである期間において、前記制御偏差とヒステリシス幅設定値とに基づいて調整時加算値を生成し、前記調整時加算値を出力する2値出力部と、前記調整実行指令生成部から出力されている前記調整実行指令値がオフである期間において、前記制御量又は前記制御偏差の低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号を算出し、前記低周波数成分除去信号の標準偏差の推定値である標準偏差推定値を算出する標準偏差推定部と、前記標準偏差推定値に基づいてヒステリシス幅演算値を算出し、前記2値出力部のヒステリシス幅設定値を前記ヒステリシス幅演算値に変更するヒステリシス幅演算部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ヒステリシスの大きさを適切に設定することにより、ノイズの影響を除去して精度よく制御ゲインを算出する、という効果を奏する。
実施の形態1に係る制御装置及び制御対象装置の構成図 実施の形態1に係る2値出力部の動作を模式的に示す図 実施の形態1に係る標準偏差推定部の構成図 実施の形態2に係る制御装置及び制御対象装置の構成図 実施の形態2に係る標準偏差推定部の構成図 実施の形態3に係る制御装置及び制御対象装置の構成図 実施の形態3に係る標準偏差推定部の構成図 実施の形態4に係る制御装置及び制御対象装置の構成図 実施の形態4に係る標準偏差推定部の構成図 実施の形態5に係る制御装置及び制御対象装置の構成図 実施の形態5に係る標準偏差推定部の構成図 実施の形態6に係る制御装置及び制御対象装置の構成図
以下に、本発明の実施の形態に係る制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る制御装置100及び制御対象装置10の構成図、図2は、実施の形態1に係る2値出力部103の動作を模式的に示す図、図3は、実施の形態1に係る標準偏差推定部106の構成図である。
図1に示すように、制御対象装置10は、搬送材12を搬送し巻き取るロール間搬送機構11と、張力軸モータ13の回転速度を制御する張力軸速度制御器21と、速度軸モータ15の回転速度を制御する速度軸速度制御器22と、加算を行う加算器23とを備える。制御対象装置10は、制御装置100から張力軸速度加算値Vaddが入力され、外部から基準速度指令値Vr0が入力される。
ロール間搬送機構11は、帯状又は線状の搬送材12を複数のロールの間で搬送する機構を有する。搬送材12は、紙、樹脂、金属又は繊維が例示される。ロール間搬送機構11は、駆動機構を有する張力軸モータ13と、回転機構を有する張力軸ロール14と、駆動機構を有する速度軸モータ15と、回転機構を有する速度軸ロール16と、張力検出値Yfbを算出する張力検出器20とを備える。
ロール間搬送機構11は、張力軸モータ13及び速度軸モータ15を駆動して張力軸ロール14及び速度軸ロール16を回転させることで搬送材12を巻き取る。
張力軸ロール14と搬送材12との間のすべりは、微小であるものとする。張力軸ロール14の周速度と、搬送材12の張力軸ロール14に接する部分の速度とは、一致又は予め定められた範囲内に収まるものとする。速度軸ロール16と搬送材12との間のすべりは、微小であるものとする。速度軸ロール16の周速度と、搬送材12の速度軸ロール16に接する部分の速度とは、一致又は予め定められた範囲内に収まるものとする。
張力軸速度制御器21は、入力された張力軸速度指令値Vr1に、張力軸ロール14が搬送材12を搬送する速度が一致するように張力軸モータ13の回転速度を制御する。具体的には、張力軸速度制御器21は、張力軸ロール14の径及び減速比を考慮して張力軸速度指令値Vr1を張力軸モータ13の回転速度に変換した指令に対して張力軸モータ13の回転速度が一致又は予め定められた範囲内に収まるように制御する。
速度軸速度制御器22は、入力された基準速度指令値Vr0に、速度軸ロール16が搬送材12を搬送する速度が一致又は予め定められた範囲内に収まるように速度軸モータ15の回転速度を制御する。具体的には、速度軸速度制御器22は、速度軸ロール16の径及び減速比を考慮して、基準速度指令値Vr0を速度軸モータ15の回転速度に変換した指令に対して速度軸モータ15の回転速度が一致又は予め定められた範囲内に収まるように制御する。
外部から入力される基準速度指令値Vr0は、搬送材12の搬送速度を規定するものであり、搬送材12の搬送条件により様々な値を取り得る。
加算器23は、基準速度指令値Vr0と張力軸速度加算値Vaddとを加算して張力軸速度指令値Vr1を算出し、張力軸速度指令値Vr1を出力する。
張力検出器20は、搬送材12の張力を検出した値である張力検出値Yfbを出力する。張力検出値Yfbは、制御量であり、後述するように指令値に近づくように制御される変数である。
実施の形態1では張力軸ロール14は、搬送材12を巻き取る構成、速度軸ロール16は、搬送材12を巻き出す構成で説明するが、これらの構成に限られない。速度軸ロール16は、搬送材12を巻き取り、張力軸ロール14は、搬送材12を巻き出す構成でもよい。また、張力軸ロール14及び速度軸ロール16は、搬送材12の巻き取り及び巻き出しを直接行わず、搬送材12の送り動作のみを行う中間軸であってもよい。
制御対象装置10は、基準速度指令値Vr0と張力軸速度加算値Vaddとを加算して、張力軸ロール14の張力軸速度指令値Vr1を生成する。したがって、張力軸ロール14は、速度軸ロール16と比較して張力軸速度加算値Vaddの分だけ速く回転する。つまり、搬送材12の張力軸ロール14に接する部分の搬送速度は、搬送材12の速度軸ロール16に接する部分の搬送速度よりも速くなる。搬送材12は、張力軸ロール14と速度軸ロール16との間で引っ張られることにより張力が発生する。制御対象装置10は、張力軸速度加算値Vaddの値が変更されると、張力軸ロール14の回転速度が変更されるので、搬送材12に発生する張力が変化する。
また、ロール間搬送機構11は、張力検出器20により搬送材12に作用する張力を測定し、張力検出値Yfbを出力する。つまり、制御対象装置10は、張力検出値Yfbの値を用いて張力軸速度加算値Vaddを算出する制御装置100と組み合わされることで、フィードバック制御を行う構成になっている。
制御装置100は、操作量Ucを算出する制御演算部101と、調整の実行の可否を示す指令値である調整実行指令値SWatを生成する調整実行指令生成部102と、調整時に操作量Ucに加算される値である調整時加算値Uaddを算出する2値出力部103と、ゲイン候補値を算出する制御ゲイン演算部104とを備える。また、制御装置100は、制御演算部101で用いるゲインの値を変更する制御ゲイン調整部105と、標準偏差の推定値である標準偏差推定値Sigを算出する標準偏差推定部106と、ヒステリシス幅演算値Hcを算出するヒステリシス幅演算部107と、減算を行う減算器108と、加算を行う加算器109とを備える。制御装置100は、外部から張力指令値Yrが入力され、制御対象装置10から張力検出値Yfbが入力され、制御対象装置10に張力軸速度加算値Vaddを出力する。
制御演算部101は、張力指令値Yrと張力検出値Yfbとの偏差である張力偏差値Yeと、調整実行指令値SWatとが入力される。張力偏差値Yeは、制御偏差のことである。また、制御演算部101は、調整実行指令値SWatがオフである通常の状態においては、張力偏差値Yeに対して、制御ゲインの1つである比例ゲインを乗じて得た比例補償と、張力偏差値Yeに対して、制御ゲインの1つである積分ゲインを乗じて積分を行って得た積分補償との和を操作量Ucで出力する。実施の形態1では、調整実行指令値SWatがオンである期間を自動調整期間と呼ぶ。
制御演算部101は、調整実行指令値SWatがオフからオンに切り換わるときに、調整実行指令値SWatがオンになる直前の操作量Ucの値を保持し、自動調整期間には保持された操作量Ucの値を出力する。調整実行指令値SWatがオンになる直前の操作量Ucの値を保つ動作は、比例ゲイン及び積分ゲインを0にし、積分の出力を保持するようにすることで実現される。これにより、制御演算部101は、自動調整期間においても直前の安定な制御状態を保つことができ、後述のように自動調整が実行される自動調整期間へと安定して移行し、短時間で制御ゲインを精度のよい値に設定することができる。
調整実行指令生成部102は、外部からの操作による指示入力に基づいてオン又はオフかを示す信号である調整実行指令値SWatを生成する。調整実行指令生成部102は、外部からの操作により調整実行指令値SWatをオフからオンに変更し、予め定められた期間だけオンの信号を出力した後にオフへと戻す。ここで予め定められた期間とは、予め定めた一定時間又は後述する2値出力部103の出力が予め定められた回数だけ変化したという判断を行うまでの期間のことであるが、これらの構成に限られない。
2値出力部103は、調整実行指令値SWatがオンである自動調整期間に調整動作し、張力偏差値Yeと、ヒステリシス幅設定値Hsとを用いて、予め設定された加算値振幅Dの大きさの振幅を持ち、後述する方法で正負が決定される値である調整時加算値Uaddを出力する。なお、後述するように、2値出力部103は、調整実行指令値SWatがオフの期間において、0の調整時加算値Uaddを出力する。
図2は、張力偏差値Yeと、ヒステリシス幅設定値Hsとに基づいて+D又は−Dのうちから一方を選択して調整時加算値Uaddを出力する2値出力部103の動作を模式的に示す図である。
ここで、調整時加算値Uaddの正負の決め方について説明する。2値出力部103は、張力偏差値Yeの大きさがヒステリシス幅設定値Hsより大きい場合には、張力偏差値Yeの符号に基づいて+D又は−Dの2つの値のうちから一方を選択する。2値出力部103は、張力偏差値Yeの大きさがヒステリシス幅設定値Hs以下の場合には、前回の調整時加算値Uaddが+Dであれば+Dを、前回の調整時加算値Uaddが−Dであれば−Dを選択する。つまり、調整時加算値Uaddの決定に際して張力偏差値Yeは、ヒステリシス幅設定値Hsの大きさのヒステリシス特性を持つ。
また、図2は、張力偏差値Yeとヒステリシス幅設定値Hsとに基づいて+Dと−Dとの2つの値のうちから一方を選択するときの2値出力部103の動作を模式的に示している。2値出力部103は、+Dと−Dとのうちいずれか一方を選択するときに、張力偏差値Yeの代わりに張力偏差値Yeにローパスフィルタを作用させた信号を用いて、張力偏差値Yeにローパスフィルタを作用させた信号とヒステリシス幅設定値Hsとに基づいて、+Dと−Dとの2つの値のうちから一方を選択してもよい。
2値出力部103の動作は、温度調整制御で用いられるリミットサイクル法と呼ばれる方法と同様であり、調整実行指令値SWatがオンになると2値出力部103が出力する調整時加算値Uaddと、張力偏差値Yeが発振する。
制御ゲイン演算部104は、張力偏差値Yeと調整実行指令値SWatとが入力される。また、制御ゲイン演算部104は、調整実行指令値SWatがオンになっている自動調整期間において、張力偏差値Yeの振動周期と振幅とを測定し、測定の結果に基づいて制御演算部101の比例ゲインの候補である比例ゲイン候補値G1と、積分ゲインの候補である積分ゲイン候補値G2とを算出する。なお、比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とを合わせて制御ゲイン候補値という。
具体的には、制御ゲイン演算部104は、張力偏差値Yeの振幅からヒステリシス幅設定値Hsを減算して得た値を補正振幅Yaとし、補正振幅Yaの逆数に予め定められた定数を乗じて比例ゲイン候補値G1を算出する。また、制御ゲイン演算部104は、比例積分演算の積分時定数が振動周期に、補正振幅Yaと張力偏差値Yeとの振幅の比と、予め定められた定数を乗じて積分ゲイン候補値G2を算出する。
比例ゲイン及び積分ゲインの具体的な計算方法は、記述関数法に基づいて2値出力部103の入出力の線形化ゲインを計算し、Ziegler−Nicholsの限界感度法に基づいて比例ゲインと積分ゲインを決定するといった方法を用いればよい。この方法により、制御ゲイン演算部104は、搬送材12の特性及び張力検出器20の特性に基づいた正確な調整が可能である。
制御ゲイン演算部104は、算出された比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とを、調整実行指令値SWatがオフとなった時点で出力する。
制御ゲイン調整部105は、制御ゲイン演算部104で算出された比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とが入力される。制御ゲイン調整部105は、制御演算部101の比例ゲインと積分ゲインとを、算出された比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とに変更する。
実施の形態1では、制御ゲイン調整部105は、比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とが入力された直後に、制御演算部101の比例ゲインと積分ゲインとを比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とに変更するものとするが、これらの構成に限られない。制御ゲイン調整部105は、制御装置100の操作者が比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とを確認した後に、制御演算部101の比例ゲインと積分ゲインとの変更操作を実行してもよい。また、制御ゲイン調整部105は、複数組の比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とを保持しておき、制御装置100の操作者が、複数組の中から1組の比例ゲイン候補と積分ゲイン候補値G2とを選択した後に、制御演算部101の比例ゲインと積分ゲインの変更処理を実行してもよい。
図3は、標準偏差推定部106の具体的な構成図である。標準偏差推定部106は、張力検出値Yfbの低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号yhを算出する高域通過フィルタ部106aと、入力される信号yhの2乗値である出力信号y106bを算出する2乗値計算部106bと、低域通過フィルタを作用させて出力信号y106cを算出する低域通過フィルタ部106cとを備える。また、標準偏差推定部106は、入力される信号y106cの2乗根である出力信号y106dを算出する2乗根計算部106dと、調整実行指令値SWatに基づいて標準偏差推定値Sigを出力するセレクタ部106eと、標準偏差推定値Sigを保持する遅延部106fとを備える。
標準偏差推定部106は、調整実行指令値SWatと張力検出値Yfbとが入力され、調整実行指令値SWatがオフである期間には、張力検出値Yfbに基づいて後述する方法で標準偏差推定値Sigを算出し、標準偏差推定値Sigを出力する。
標準偏差推定部106は、調整実行指令値SWatがオンである自動調整期間において、後述する1周期前の標準偏差推定値である前回標準偏差推定値Sigが出力されるように動作する。よって、自動調整期間において標準偏差推定部106から出力される標準偏差推定値Sigは、前回標準偏差推定値Sigになる。
高域通過フィルタ部106aは、張力検出値Yfbが入力され、張力検出値Yfbに対して高域通過フィルタを作用させて、張力検出値Yfbの低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号yhを算出し、低周波数成分除去信号yhを出力する。
2乗値計算部106bは、低周波数成分除去信号yhが入力され、低周波数成分除去信号yhの値を2乗して得られる出力信号y106bを算出し、出力信号y106bを出力する。
低域通過フィルタ部106cは、出力信号y106bが入力され、出力信号y106bに対して低域通過フィルタを作用させて、出力信号y106bの高周波数成分を除去した出力信号y106cを算出し、出力信号y106cを出力する。
2乗根計算部106dは、出力信号y106cが入力され、出力信号y106cの2乗根を計算して得られる出力信号y106dを算出し、出力信号y106dを出力する。
セレクタ部106eは、前回標準偏差推定値Sigと出力信号y106dとが入力され、調整実行指令値SWatに基づいて、調整実行指令値SWatがオンのときには前回標準偏差推定値Sigを選択し、また、調整実行指令値SWatがオフのときには出力信号y106dを選択して、選択した方を標準偏差推定値Sigにして出力する。
遅延部106fは、標準偏差推定値Sigを、標準偏差推定部106の動作周期の1周期の期間だけ保持し、保持した値を前回標準偏差推定値Sigにして標準偏差推定部106の動作周期の1周期後に出力する。
図1に戻り、ヒステリシス幅演算部107は、標準偏差推定値Sigが入力され、標準偏差推定値Sigに基づいてヒステリシス幅演算値Hcを算出する。具体的には、ヒステリシス幅演算部107は、標準偏差推定値Sigに対して、予め定められた係数Khを乗じることによりヒステリシス幅演算値Hcを算出する。ここで、係数Khは定数であり、1以上60以下の値に設定されるものとする。
また、ヒステリシス幅演算部107は、動作周期毎に2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsをヒステリシス幅演算値Hcに変更する。
減算器108は、張力指令値Yrと張力検出値Yfbとが入力され、張力指令値Yrと張力検出値Yfbとの差分から張力偏差値Yeを算出し、張力偏差値Yeを出力する。
加算器109は、操作量Ucと調整時加算値Uaddとが入力され、操作量Ucと調整時加算値Uaddとを加算して張力軸速度加算値Vaddを算出し、張力軸速度加算値Vaddを出力する。
次に、制御装置100の動作について説明する。制御演算部101は、調整実行指令生成部102から出力されている調整実行指令値SWatがオフの期間において、張力偏差値Yeを0にするように操作量Ucを算出する。ここで、2値出力部103の出力である調整時加算値Uaddは、0であり、張力軸速度加算値Vaddの値は、操作量Ucの値と一致する。すなわち、制御装置100による張力軸速度加算値Vaddを出力する動作は、PI制御によるフィードバック制御の動作となる。
標準偏差推定部106は、調整実行指令値SWatがオフの期間において、張力検出値Yfbの低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号yhの標準偏差の推定値である標準偏差推定値Sigを出力する。ヒステリシス幅演算部107は、標準偏差推定部106にて計算された標準偏差推定値Sigに基づいて、ヒステリシス幅演算値Hcを算出し、2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsをヒステリシス幅演算値Hcに変更する。
次に、調整実行指令生成部102が調整実行指令値SWatをオフからオンへと出力を変更する時点の動作について説明する。制御演算部101は、調整実行指令値SWatがオフからオンへと変更されると、積分の出力を保持して一定の操作量Ucを出力する。また、標準偏差推定部106は、標準偏差推定値Sigに前回標準偏差推定値Sigを代入する動作に切り替わり、前回標準偏差推定値Sigが出力されるように動作する。よって、調整実行指令値SWatがオフからオンへと変更された場合、標準偏差推定部106から出力される標準偏差推定値Sigは、前回標準偏差推定値Sigになる。したがって、ヒステリシス幅演算部107で算出されるヒステリシス幅演算値Hcは、一定の値となり、2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsは一定の値となる。2値出力部103は、張力偏差値Yeとヒステリシス幅設定値Hsとに基づいて+D又は−Dの値を交互に選択して調整時加算値Uaddを出力する。
張力軸速度加算値Vaddと張力偏差値Yeは、2値出力部103の調整時加算値Uaddの+D又は−Dの値の選択に際して、ヒステリシス幅設定値Hsが張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響を適切に除去できている場合には、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクル振動を発生する。
また、制御ゲイン演算部104は、調整実行指令値SWatがオンの期間において、張力偏差値Yeの振動振幅と振動周期に基づいて、比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とを算出する。
調整実行指令生成部102は、調整実行指令値SWatをオフからオンへと変更してから予め定められた自動調整期間が経過した後に、調整実行指令値SWatをオンからオフへと変更する。
2値出力部103は、調整実行指令生成部102が調整実行指令値SWatをオンからオフへと変更した時点で、調整時加算値Uaddの値を0に保持する。制御ゲイン演算部104は、調整実行指令値SWatがオンからオフへと変更される直前に算出された比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2を出力する。
制御ゲイン調整部105は、制御演算部101の比例ゲインの値と積分ゲインの値とを、入力された比例ゲイン候補値G1と積分ゲイン候補値G2とに変更する。このとき、標準偏差推定部106は、2乗根計算部106dで算出された出力信号y106dが出力されるように動作する。よって、標準偏差推定部106から出力される標準偏差推定値Sigは、出力信号y106dである。制御演算部101は、制御ゲイン調整部105により変更された比例ゲインと積分ゲインとに基づいて操作量Ucの算出を開始する。
制御装置100は、以下に述べるように、2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsを適切な値に設定し、調整時加算値Uaddを張力偏差値Yeとヒステリシス幅設定値Hsとに基づいて決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響が低減される。結果として、制御装置100は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生することができ、精度よく制御ゲインを調整することができる。
制御装置100は、算出されたヒステリシス幅演算値Hcをヒステリシス幅設定値Hsに代入する。このとき、ヒステリシス幅演算値Hcは、標準偏差推定値Sigに基づいて算出される。標準偏差推定値Sigは、後述する標準偏差推定部106により、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の良好な推定値となっている。つまり、制御装置100は、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の値を標準偏差推定値Sigに基づいて推定するので、自動調整期間に生じるノイズの信号の分布を推定することができ、高い確率でノイズの信号の振幅を上回る程度の大きさのヒステリシス幅演算値Hcを算出することができる。
次に、標準偏差推定部106の動作と効果について説明する。高域通過フィルタ部106aは、調整実行指令値SWatがオフの期間において、張力検出値Yfbに対して高域通過フィルタを作用させて得られる低周波数成分除去信号yhを計算する。
このとき、仮に、制御演算部101の制御ゲインが適切な値ではない状態であって制御帯域が低い場合には、張力検出値Yfbは、外乱の影響による低周波数の振動成分、及び張力指令値Yrに対してオフセット誤差を持つことになる。低周波数の振動成分及びオフセット誤差は、制御帯域が低く制御性能が適切でないことに起因して生じるものであり、張力検出値Yfbを限界周波数付近の高い周波数で振動させるリミットサイクル法の動作時には見られない現象である。つまり、制御帯域が低いことに起因して生じる低周波数の振動成分及びオフセット誤差は、リミットサイクル法における調整時加算値Uaddの決定には影響を及ぼさないため、ヒステリシス幅演算値Hcの算出にこれらを考慮する必要がない。さらに言えば、張力検出値Yfbの低周波数成分の振動の振幅は、ノイズの振幅と比較して大きい場合があり、張力検出値Yfbの低周波数成分の振動とノイズの信号を区別せずに標準偏差推定値Sigを算出してしまうと、標準偏差推定値Sigの算出結果がノイズの信号の標準偏差の真の値を大きく上回ることになる。そして、必要以上に大きなヒステリシス幅設定値Hsが設定されてしまい、張力検出値Yfbの振動振幅を過剰に増幅させるという悪影響を及ぼすため、低周波数成分の振動成分及びオフセット誤差は、標準偏差推定値Sigを算出する際には除去されるべきである。
高域通過フィルタ部106aは、張力検出値Yfbに高域通過フィルタを作用させるので、張力検出値Yfbの低周波数の振動成分及びオフセット誤差を除去し、張力検出値Yfbの高周波数成分からなるノイズの信号を低周波数成分除去信号yhにより抽出することができる。
次に、2乗値計算部106bと低域通過フィルタ部106cと2乗根計算部106dを備えることによる標準偏差推定部106の構成と効果について説明する。説明のために、ある正規分布の時系列信号xを例にとる。時系列信号xの平均値をμとし、標準偏差をσとする。時系列信号xから標本を時系列順に抽出するために、標本の時間間隔をdtとすると、次の式(1)と式(2)が成り立つ。
Figure 2016056305
Figure 2016056305
式(1)及び式(2)においてxs(i)は、時系列信号xからi番目に抽出された標本を示す。また、xs(n)は、時系列信号xの中での終端の時間における標本を示す。また、式(1)及び式(2)においてT=N×dtである。
一方で、時系列信号xに対して、dtより大きなτを時定数とする一次遅れの低域通過フィルタを作用させて得られる信号のi番目の標本は、xlpf(i)とする。このとき終端の時間におけるxlpf(n)は、次の式(3)で計算される。
Figure 2016056305
xlpf(n)の計算に用いる時系列信号xの標本の数をNとする。Nが大きい場合には、次の式(4)が成り立つ。
Figure 2016056305
ここでは、時定数τがdtよりも大きいこと、及びNが1より大きいことを利用して式を近似している。また、o(dt/τ)は、dt/τのオーダー以下の大きさの項をまとめたものであり、0に近似できる。
式(1)と式(4)とを比較すると、標本の数Nが大きく、かつ低域通過フィルタの時定数τが標本の時間間隔dtよりも大きい場合に、xlpf(n)とμは、一致又は予め定められた範囲内に収まるので、xlpf(n)は、μのよい推定値となることがわかる。
同様に、標本xs(n)を2乗した値に対して、τを時定数とする一次遅れの低域周波数フィルタを作用させた結果をx2lpf(n)とすると、x2lpf(n)は、次の式(5)で計算される。
Figure 2016056305
ここで、x2lpf(n)とxlpf(n)とを用いて、式(6−1)においてAで表されるものを式(6−2)で定義する。
Figure 2016056305
Figure 2016056305
式(2)と式(6−2)とを比較すると、標本の数Nが大きく、かつ低域通過フィルタの時定数τが標本の時間間隔dtよりも大きい場合に以下のことがわかる。
すなわち、Aとσは、一致又は予め定められた範囲内に収まるため、Aは、σのよい推定値となることがわかる。また、仮に時系列信号xの平均値μが0であれば、式(7)となることは明らかである。
Figure 2016056305
標準偏差推定部106は、上記の例のように低域通過フィルタを用いた方法で、低周波数成分除去信号yhの標準偏差の推定値を算出する。ただし、低周波数成分除去信号yhは、張力検出値Yfbの低周波数成分が除去された信号であるため、低周波数成分除去信号yhの平均値は0に近似できる。すなわち、低周波数成分除去信号yhの標準偏差の推定値は、平均値が0である場合の標準偏差の推定値の演算式である式(7)に基づいて計算できる。
2乗値計算部106bと低域通過フィルタ部106cと2乗根計算部106dにおいて、式(7)の計算が実施される。よって、2乗根計算部106dの出力信号y106d及び標準偏差推定値Sigは、張力検出値Yfbのノイズの信号を抽出した低周波数除去信号yhの標準偏差のよい推定値となっている。以上から、標準偏差推定部106は、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の推定を行うことができる。
次に、ヒステリシス幅演算部107の動作について説明する。説明のため前述の時系列信号xを例にとる。ここでは時系列信号xの平均値μは、0であると考える。時系列信号xは、正規分布であることから、時系列信号xから無作為に抽出された標本xsは、約68.2689492%の確率で次の式(8)を満たす値であり、約99.9999998%の確率で次の式(9)を満たす値である。
Figure 2016056305
Figure 2016056305
このように、正規分布の信号の標準偏差の値を用いると、標本が高い確率で含まれる範囲の上下限を計算することができる。標準偏差に対して1以上6以下の係数を乗算して計算される値を上下限とする範囲は、無作為に抽出される標本xsが約68.2689492%から約99.9999998%の高い確率で含まれる範囲である。よって、標準偏差に対して1以上6以下の係数を乗算した値は、一定期間内に時系列信号xがとり得る振幅の、よい推定値であるといえる。
したがって、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の推定値である標準偏差推定値Sigに対して1以上6以下の係数を乗算することで得られる値は、一定期間内のノイズの信号の振幅のよい推定値になるといえる。
ヒステリシス演算部107は、ヒステリシスの大きさを張力検出値Yfbに含まれるノイズの振幅に対して1倍以上10倍以下の大きさにして設定するので、ノイズの影響を除去し、かつ、ヒステリシスの大きさが過大に設定されることを回避することができる。
ヒステリシス演算部107は、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の推定値である標準偏差推定値Sigに対して1以上60以下の係数Khを乗じることによりヒステリシス幅演算値Hcを算出する。1以上60以下の係数Khは、標準偏差に対して1以上6以下の係数を乗算し、さらに1以上10以下の係数を乗算して得られる値をヒステリシス演算値Hcとすることを意図されたものである。これによりヒステリシス幅演算値Hcの大きさは、ノイズの影響を除去できる大きさであり、かつ、制御量の振動振幅を過剰に増大させない程度に算出される。
以上より、操作者は、リミットサイクル法による制御ゲインを計算する前に、検出される制御量に含まれるノイズの大きさを観測する必要がない。制御装置100は、ノイズの影響を除去でき、かつ、制御量の振動振幅を過剰に増大させないようにヒステリシスの大きさを適切に設定することができる。
また、操作者は、検出される制御量を詳細に観測して制御装置100の外部からヒステリシスの大きさの調整を行う必要がない。このため、制御装置100は、制御量を表示する機能及び外部からヒステリシスの大きさを設定するための機能を備える必要が無い。
さらに、制御装置100は、張力検出値Yfbに含まれるノイズの大きさの変化があっても、標準偏差推定部106とヒステリシス幅演算部107の機能により、適切なヒステリシスの大きさが逐次演算される。このため、制御装置100は、制御量の大きさの変化及び制御対象装置10の周辺に設置される電気機械及び電子機器の動作状態の変更に伴うノイズの大きさの変化があっても、適切な大きさのヒステリシスの値を設定することができる。
また、制御装置100は、適切な大きさのヒステリシスを設定することができ、自動調整期間に調整時加算値を適切に決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響によるハンチングを抑制できる。結果として、制御装置100は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生し、制御ゲインの値を精度よく計算することができる。
なお、高域通過フィルタ部106aは、張力検出値Yfbに対して高域通過フィルタを作用させて、張力検出値Yfbの低周波数成分を除去する構成であると説明したが、これらの構成に限られない。高域通過フィルタ部106aは、張力検出値Yfbが時間経過に伴って、高周波数成分の信号を除いて一定の値を示す場合には、張力検出値Yfbと定数との差を低周波数成分除去信号yhで算出する減算器によって構成されてもよい。当該構成でも、高域通過フィルタ部106aは、張力検出値Yfbの低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号yhを算出することができ、同様の効果が得られることは明らかである。以下の実施の形態でも同様である。
また、実施の形態1では、低域通過フィルタを一次遅れフィルタで構成する制御装置100の例を示したが、これらの構成に限られない。制御装置100は、入力信号の高周波数成分を除去する特性を持っていればよく、一次遅れフィルタを直列に並べた高次の遅れフィルタ、バターワースフィルタ又はチェビシェフフィルタのような、異なる極配置をもつフィルタを用いても同様の効果を得ることができる。以下の実施の形態でも同様である。
ヒステリシス幅演算部107は、動作周期毎に2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsを、ヒステリシス幅演算値Hcに変更すると説明したが、これらの構成に限られない。ヒステリシス幅演算部107は、動作周期の整数倍の時間毎に2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsを、ヒステリシス幅演算値Hcに変更してもよい。また、ヒステリシス幅演算部107は、制御装置100の動作中に操作者がヒステリシス幅設定値Hsを変更するタイミングを指定することができる機能を有し、操作者が指定したタイミングでヒステリシス幅設定値Hsをヒステリシス幅演算値Hcに変更してもよい。以下の実施の形態でも同様である。
また、実施の形態1では、制御対象装置10はロール間搬送機構を含む装置であると説明したが、ロール間搬送機構を含む装置に限定されない。制御対象装置10は、操作量を外部から入力することで制御量を変更できる機構と、制御量を検出して出力する機構とを有しており、フィードバック制御により安定化を行える装置であれば他の構成の装置でもよい。以下の実施の形態でも同様である。
実施の形態2.
本発明に係る制御装置の実施の形態2について説明する。図4は、実施の形態2に係る制御装置200及び制御対象装置10の構成図、図5は、標準偏差推定部116の構成図である。標準偏差推定部116は、上述した制御装置100の標準偏差推定部106に変更を加えたものである。なお、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
制御装置200は、操作量Ucを算出する制御演算部101と、調整実行指令値SWatを生成する調整実行指令生成部102と、調整時加算値Uaddを算出する2値出力部103と、ゲイン候補値を算出する制御ゲイン演算部104とを備える。また、制御装置200は、制御演算部101で用いるゲインの値を変更する制御ゲイン調整部105と、標準偏差推定値Sigを算出する標準偏差推定部116と、ヒステリシス幅演算値Hcを算出するヒステリシス幅演算部107と、減算を行う減算器108と、加算を行う加算器109とを備える。
制御装置200は、外部から張力指令値Yrが入力され、制御対象装置10から張力検出値Yfbが入力され、制御対象装置10に張力軸速度加算値Vaddを出力する。
標準偏差推定部116は、低周波数成分除去信号yhを算出する高域通過フィルタ部106aと、低周波数成分除去信号yhの値の絶対値を計算して出力信号y116bを算出する絶対値計算部116bと、低域通過フィルタを作用させて出力信号y116cを算出する低域通過フィルタ部116cとを備える。また、標準偏差推定部116は、出力信号y116cに基づいて出力信号y116dを算出する変換ゲイン器116dと、調整実行指令値SWatに基づいて標準偏差推定値Sigを出力するセレクタ部116eと、標準偏差推定値Sigを保持する遅延部106fとを備える。
標準偏差推定部116は、調整実行指令値SWatと張力検出値Yfbとが入力され、調整実行指令値SWatがオフである期間において、張力検出値Yfbに基づいて標準偏差推定値Sigを算出し、標準偏差推定値Sigを出力する。
また、標準偏差推定部116は、調整実行指令値SWatがオンである自動調整期間において、前回標準偏差推定値Sigを出力する。よって、自動調整期間において標準偏差推定部116から出力される標準偏差推定値Sigは、前回標準偏差推定値Sigになる。
絶対値演算部116bは、低周波数成分除去信号yhが入力され、低周波数成分除去信号yhの値に対して絶対値を計算して得られる出力信号y116bを算出し、出力信号y 116bを出力する。
低域通過フィルタ部116cは、出力信号y116bが入力され、出力信号y116bに低域通過フィルタを作用させて、出力信号y116bの高周波数成分を除去した出力信号y116cを算出し、出力信号y116cを出力する。変換ゲイン器116dは、出力信号y116cが入力され、出力信号y116cに対して√(π/2)を乗算して出力信号y116dを算出し、出力信号y116dを出力する。なお、√(π/2)は、(π/2)が根号であることを意味する。
セレクタ部116eは、前回標準偏差推定値Sigと出力信号y116dとが入力される。セレクタ部116eは、調整実行指令値SWatに基づいて、調整実行指令値SWatがオンのときには前回標準偏差推定値Sigを選択し、また、調整実行指令値SWatがオフのときには出力信号y116dを選択して、選択した方を標準偏差推定値Sigにして出力する。
つまり、標準偏差推定部116は、調整実行指令値SWatがオフの期間において、張力検出値Yfbの低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号yhの標準偏差の推定値である標準偏差推定値Sigを出力する。
また、制御装置200は、2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsを適切な値に設定し、調整時加算値Uaddを張力偏差値Yeとヒステリシス幅設定値Hsとに基づいて決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響が低減される。結果として、制御装置200は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生することができ、精度よく制御ゲインを調整することができる。
制御装置200は、算出されたヒステリシス幅演算値Hcをヒステリシス幅設定値Hsに代入する。このとき、ヒステリシス幅演算値Hcは、標準偏差推定値Sigに基づいて算出される。標準偏差推定値Sigは、後述する標準偏差推定部116により、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の良好な推定値となっている。つまり、制御装置200は、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の値を標準偏差推定値Sigに基づいて推定するので、自動調整期間に生じるノイズの信号の分布を推定することができ、高い確率でノイズの信号の振幅を上回る程度の大きさのヒステリシス幅演算値Hcを算出することができる。
制御装置200と上述した制御装置100とは、標準偏差推定部の構成のみが異なる。以下では、標準偏差推定部116により標準偏差推定値Sigを計算する際の動作と効果について説明する。
ここで、実施の形態1と同様に、ある正規分布の時系列信号xを例にとる。時系列信号xの平均値をμ、標準偏差をσとする。また、時系列信号xの絶対値をとった信号を信号axとし、信号axの平均値をμaxとする。時系列信号xの平均値μが0である場合には、次の式(10)が成り立つ。
Figure 2016056305
したがって、信号axの平均値μaxに対して√(π/2)を乗算して得られる値は、時系列信号xの標準偏差となる。なお、√(π/2)は、(π/2)が根号であることを意味する。
実施の形態1で説明した式(1)及び式(4)は、信号axの場合にも同様に成り立つ。信号axから時間間隔dtで標本を抽出し、i番目の標本をaxs(i)とし、axs(n)を終端の時間における信号axの標本とする。信号axに対して、dtより大きなτを時定数とする一次遅れの低域通過フィルタを作用させて得られる信号のi番目の標本をaxlpf(i)とする。このとき、次の式(11)と式(12)が成り立つ。
Figure 2016056305
Figure 2016056305
ただし、T=N×dtである。
式(11)と式(12)とを比較すると、標本の数Nが大きく、かつ低域通過フィルタの時定数τが標本の時間間隔dtよりも大きい場合に、axlpf(n)とμaxは、一致又は予め定められた範囲内に収まるため、axlpf(n)は、μaxのよい推定値となることがわかる。
絶対値演算部116b、低域通過フィルタ部116c及び変換ゲイン器116dは、上述した例と同様の計算を行っている。つまり、出力信号y116cは、出力信号y116 の平均値のよい推定値となっている。また、出力信号y116dは、低周波数成分除去信号yhの標準偏差のよい推定値となっている。
また、制御装置200は、適切な大きさのヒステリシスを設定することができ、自動調整期間に調整時加算値を適切に決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響によるハンチングを抑制できる。結果として、制御装置200は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生し、制御ゲインの値を精度よく計算することができる。
実施の形態3.
本発明に係る制御装置の実施の形態3について説明する。図6は、実施の形態3に係る制御装置300及び制御対象装置10の構成図、図7は、標準偏差推定部126の構成図である。標準偏差推定部126は、上述した制御装置200の標準偏差推定部116に変更を加えたものである。なお、実施の形態1又は実施の形態2と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1又は実施の形態2と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
制御装置300は、操作量Ucを算出する制御演算部101と、調整実行指令値SWatを生成する調整実行指令生成部102と、調整時加算値Uaddを算出する2値出力部103と、ゲイン候補値を算出する制御ゲイン演算部104とを備える。また、制御装置300は、制御演算部101で用いるゲインの値を変更する制御ゲイン調整部105と、標準偏差推定値Sigを算出する標準偏差推定部126と、ヒステリシス幅演算値Hcを算出するヒステリシス幅演算部107と、減算を行う減算器108と、加算を行う加算器109とを備える。
制御装置300は、外部から張力指令値Yrが入力され、制御対象装置10から張力検出値Yfbが入力され、制御対象装置10に張力軸速度加算値Vaddを出力する。
標準偏差推定部126は、低周波数成分除去信号yhを算出する高域通過フィルタ部106aと、低周波数成分除去信号yhの値の絶対値を計算して出力信号y116bを算出する絶対値計算部116bと、低域通過フィルタを作用させて出力信号y126cを算出する第1の低域通過フィルタ部126cと、2乗値計算により出力信号y126dを算出する第1の2乗値計算部126dと、2乗値計算により出力信号y126eを算出する第2の2乗値計算部126eと、低域通過フィルタを作用させて出力信号y126fを算出する第2の低域通過フィルタ部126fとを備える。また、標準偏差推定部126は、減算を行う減算器126gと、2乗根計算により出力信号y126hを算出する2乗根計算部126hと、出力信号y126hに基づいて出力信号y126iを算出する変換ゲイン器126iと、調整実行指令値SWatに基づいて標準偏差推定値Sigを出力するセレクタ部126jと、標準偏差推定値Sigを保持する遅延部106fとを備える。
標準偏差推定部126は、調整実行指令値SWatと張力検出値Yfbとが入力され、調整実行指令値SWatがオフである期間において、張力検出値Yfbに基づいて標準偏差推定値Sigを算出し、標準偏差推定値Sigを出力する。
また、標準偏差推定部126は、調整実行指令値SWatがオンである自動調整期間において、前回標準偏差推定値Sigが出力されるように動作する。よって、自動調整期間において標準偏差推定部126から出力される標準偏差推定値Sigは、前回標準偏差推定値Sigになる。
第1の低域通過フィルタ部126cは、出力信号y116bが入力され、出力信号y 16bに対して低域通過フィルタを作用させて、出力信号y116bの高周波数成分を除去した出力信号y126cを算出し、出力信号y126cを出力する。
第1の2乗値計算部126dは、出力信号y126cが入力され、出力信号y126cを2乗して得られる出力信号y126dを算出し、出力信号y126dを出力する。
第2の2乗値計算部126eは、出力信号y116bが入力され、出力信号y116bを2乗して得られる出力信号y126eを算出し、出力信号y126eを出力する。
第2の低域通過フィルタ部126fは、出力信号y126eが入力され、出力信号y 26eに対して低域通過フィルタを作用させて、出力信号y126eの高周波数成分を除去した出力信号y126fを算出し、出力信号y126fを出力する。減算器126gは、出力信号y126dと出力信号y126fとの差を計算して出力信号y126gを算出し、出力信号y126gを出力する。
2乗根計算部126hは、出力信号y126gが入力され、出力信号y126gの2乗根を計算して得られる出力信号y126hを算出し、出力信号y126hを出力する。変換ゲイン器126iは、出力信号y126hが入力され、出力信号y126hに√(π/(π−2))を乗算して出力信号y126iを算出し、出力信号y126iを出力する。なお、√(π/(π−2))は、(π/(π−2))が根号であることを意味する。
セレクタ部126jは、前回標準偏差推定値Sigと出力信号y126iとが入力される。セレクタ部126jは、調整実行指令値SWatに基づいて、調整実行指令値SWatがオンのときには前回標準偏差推定値Sigを選択し、また、調整実行指令値SWatがオフのときには出力信号y126iを選択して、選択した方を標準偏差推定値Sigにして出力する。
つまり、標準偏差推定部126は、調整実行指令値SWatがオフの期間において、張力検出値Yfbの低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号yhの標準偏差の推定値である標準偏差推定値Sigを出力する。
制御装置300は、2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsを適切な値に設定し、調整時加算値Uaddを張力偏差値Yeとヒステリシス幅設定値Hsとに基づいて決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響が低減される。結果として、制御装置300は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生することができ、精度よく制御ゲインを調整することができる。
制御装置300は、算出されたヒステリシス幅演算値Hcをヒステリシス幅設定値Hsに代入する。このとき、ヒステリシス幅演算値Hcは、標準偏差推定値Sigに基づいて算出される。標準偏差推定値Sigは、後述する標準偏差推定部126により、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の良好な推定値となっている。つまり、制御装置300は、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の値を標準偏差推定値Sigに基づいて推定するので、自動調整期間に生じるノイズの信号の分布を推定することができ、高い確率でノイズの信号の振幅を上回る程度の大きさのヒステリシス幅演算値Hcを算出することができる。
制御装置300と制御装置100とは、標準偏差推定部の構成のみが異なる。以下では、標準偏差推定部126により標準偏差推定値Sigを算出する際の動作と効果について説明する。
ここで、実施の形態1及び実施の形態2と同様に、ある正規分布の時系列信号xを例にとる。時系列信号xの平均値をμ、標準偏差をσとする。また、時系列信号xの絶対値をとった信号を信号axとし、信号axの平均値をμaxとし、標準偏差をσaxとする。時系列信号xの平均値μが0である場合には、次の式(13)が成り立つ。
Figure 2016056305
したがって、信号axの標準偏差σaxに、√(π/(π−2))を乗算して得られる値は、時系列信号xの標準偏差となる。なお、√(π/(π−2))は、(π/(π−2))が根号であることを意味する。
信号axから時間間隔dtで標本を抽出し、i番目の標本をaxs(i)とし、axs(n)を終端の時間における信号axの標本であるとする。信号axに対して、dtよりも大きなτを時定数とする一次遅れの低域通過フィルタを作用させて得られる信号のi番目の標本をaxlpf(i)とする。信号axの標準偏差σaxは、次の式(14)で計算される。
Figure 2016056305
ただし、T=N×dtである。
また、標本axs(n)を2乗した値に対して、dtよりも大きなτを時定数とする一次遅れの低域周波数フィルタを作用させた結果をax2lpf(n)とするとax2lpf(n)は、次の式(15)で計算される。
Figure 2016056305
ここで、式(12)及び式(15)で計算されるaxlpf(n)とax2lpf(n)とを用いて、式(16−1)においてBで表されるものを式(16−2)で定義する。
Figure 2016056305
Figure 2016056305
式(14)と式(16−2)とを比較すると、標本の数Nが大きく、かつ低域通過フィルタの時定数τが標本の時間間隔dtよりも大きい場合に、Bとσaxは、一致又は予め定められた範囲内に収まるため、Bは、σaxのよい推定値となることがわかる。
絶対値演算部116b、第1の低域通過フィルタ部126c、第1の2乗値計算部126d、第2の2乗値計算部126e、第2の低域通過フィルタ部126f、減算器126g、2乗根計算部126h及び変換ゲイン器126iは、上述した例と同様の計算を行っている。つまり、出力信号y126hは、出力信号y116bの標準偏差のよい推定値となっている。また、出力信号y126iは、低周波数成分除去信号yhの標準偏差のよい推定値となっている。
よって、制御装置300は、適切な大きさのヒステリシスを設定することができ、自動調整期間に調整時加算値を適切に決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響によるハンチングを抑制できる。結果として、制御装置300は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生し、制御ゲインの値を精度よく計算することができる。
実施の形態4.
本発明に係る制御装置の実施の形態4について説明する。図8は、実施の形態4に係る制御装置400及び制御対象装置10の構成図、図9は、標準偏差推定部136の構成図である。標準偏差推定部136は、上述した制御装置100の標準偏差推定部106に変更を加えたものである。なお、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
制御装置400は、操作量Ucを算出する制御演算部101と、調整実行指令値SWatを生成する調整実行指令生成部102と、調整時加算値Uaddを算出する2値出力部103と、ゲイン候補値を算出する制御ゲイン演算部104とを備える。また、制御装置400は、制御演算部101で用いるゲインの値を変更する制御ゲイン調整部105と、標準偏差推定値Sigを算出する標準偏差推定部136と、ヒステリシス幅演算値Hcを算出するヒステリシス幅演算部107と、減算を行う減算器108と、加算を行う加算器109とを備える。
制御装置400は、外部から張力指令値Yrが入力され、制御対象装置10から張力検出値Yfbが入力され、制御対象装置10に張力軸速度加算値Vaddを出力する。
標準偏差推定部136は、低周波数成分除去信号yhを算出する高域通過フィルタ部106aと、低周波数成分除去信号yhを保持するデータ保持部136bと、標準偏差を算出する標準偏差演算部136cと、調整実行指令値SWatに基づいて標準偏差推定値Sigを出力するセレクタ部136dと、標準偏差推定値Sigを保持する遅延部106fとを備える。
標準偏差推定部136は、調整実行指令値SWatと張力検出値Yfbとが入力され、調整実行指令値SWatがオフである期間には、張力検出値Yfbに基づいて標準偏差推定値Sigを算出し、標準偏差推定値Sigを出力する。
また、標準偏差推定部136は、調整実行指令値SWatがオンである自動調整期間において、前回標準偏差推定値Sigが出力されるように動作する。よって、自動調整期間において標準偏差推定部136から出力される標準偏差推定値Sigは、前回標準偏差推定値Sigになる。
データ保持部136bは、低周波数成分除去信号yhが入力され、低周波数成分除去信号yhの値を時間と関連付けたデータにより保持し、保持したデータのうち、最新のm個のデータを出力信号y136bにして出力する。mは、1以上の整数である。
標準偏差演算部136cは、出力信号y136bが入力され、出力信号y136bの標準偏差を算出し、算出した出力信号y136cを出力する。ここで、出力信号y136bは、時間に関連付けられたm個の低周波数成分除去信号yhであり、予め定められた期間の低周波数成分除去信号yhであるので、以下では、出力信号y136bの標準偏差を予め定められた期間の標準偏差と称する。
セレクタ部136dは、前回標準偏差推定値Sigと出力信号y136cとが入力され、調整実行指令値SWatに基づいて、調整実行指令値SWatがオンのときには前回標準偏差推定値Sigを選択し、また、調整実行指令値SWatがオフのときには出力信号y136cを選択して、選択した方を標準偏差推定値Sigにして出力する。
つまり、標準偏差推定部136は、調整実行指令値SWatがオフの期間において、張力検出値Yfbの低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号yhの標準偏差の推定値である標準偏差推定値Sigを出力する。
また、制御装置400は、2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsを適切な値に設定し、調整時加算値Uaddを張力偏差値Yeとヒステリシス幅設定値Hsとに基づいて決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響が低減される。結果として、制御装置400は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生することができ、精度よく制御ゲインを調整することができる。
制御装置400は、算出されたヒステリシス幅演算値Hcをヒステリシス幅設定値Hsに代入する。このとき、ヒステリシス幅演算値Hcは、標準偏差推定値Sigに基づいて算出される。標準偏差推定値Sigは、後述する標準偏差推定部136により、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の良好な推定値となっている。つまり、制御装置400は、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の値を標準偏差推定値Sigに基づいて推定するので、自動調整期間に生じるノイズの信号の分布を推定することができ、高い確率でノイズの信号の振幅を上回る程度の大きさのヒステリシス幅演算値Hcを算出することができる。
制御装置400と制御装置100とは、標準偏差推定部の構成のみが異なる。以下では、標準偏差推定部136により標準偏差推定値Sigを算出する際の動作と効果について説明をする。
ここで、実施の形態1、2及び3と同様に、ある正規分布の時系列信号xを例にとる。時系列信号xの標準偏差をσとする。式(2)により、標本xsの数を無限大に増加させた場合に標準偏差σが計算される。ここで、ある数Mを用いてμxM及びσxMを式(17)及び式(18)により定義する。Mは、1以上の整数である。
Figure 2016056305
Figure 2016056305
式(2)と式(18)とを比較すると、Mが大きな数であるとすると、M個の標本xsにより計算されるσxMと標準偏差σとは、一致又は予め定められた範囲内に収まるため、σxMは、標準偏差σのよい推定値となっているといえる。ここで、σxMは、予め定められた期間の時系列信号xの標準偏差であるため、前述の規定期間標準偏差である。
データ保持部136bで保持されている低周波数除去信号yhのデータの数mが大きい値に設定されている場合には、標準偏差演算部136cは、上述した例と同様の計算を行っていることになる。つまり、出力信号y136cは、低周波数成分除去信号yhの標準偏差のよい推定値となっているといえる。
よって、制御装置400は、適切な大きさのヒステリシスを設定することができ、自動調整期間に調整時加算値を適切に決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響によるハンチングを抑制できる。結果として、制御装置400は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生し、制御ゲインの値を精度よく計算することができる。
実施の形態5.
本発明に係る制御装置の実施の形態5について説明する。図10は、実施の形態5に係る制御装置500及び制御対象装置10の構成図、図11は、標準偏差推定部146の構成図である。標準偏差推定部146は、上述した制御装置100の標準偏差推定部106に変更を加えたものである。なお、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
制御装置500は、操作量Ucを算出する制御演算部101と、調整実行指令値SWatを生成する調整実行指令生成部102と、調整時加算値Uaddを算出する2値出力部103と、ゲイン候補値を算出する制御ゲイン演算部104とを備える。また、制御装置500は、制御演算部101で用いるゲインの値を変更する制御ゲイン調整部105と、標準偏差推定値Sigを算出する標準偏差推定部146と、ヒステリシス幅演算値Hcを算出するヒステリシス幅演算部107と、減算を行う減算器108と、加算を行う加算器109とを備える。制御装置500は、外部から張力指令値Yrが入力され、制御対象装置10から張力検出値Yfbが入力され、制御対象装置10に張力軸速度加算値Vaddを出力する。
標準偏差推定部146は、低周波数成分除去信号yhを算出する高域通過フィルタ部146aと、2乗値計算により出力信号y106bを算出する2乗値計算部106bと、低域通過フィルタを作用させて出力信号y106cを算出する低域通過フィルタ部106cとを備える。また、標準偏差推定部146は、2乗根計算により出力信号y106dを算出する2乗根計算部106dと、調整実行指令値SWatに基づいて標準偏差推定値Sigを出力するセレクタ部106eと、標準偏差推定値Sigを保持する遅延部106fとを備える。
標準偏差推定部146は、調整実行指令値SWatと張力偏差値Yeとが入力され、調整実行指令値SWatがオフである期間には、張力偏差値Yeに基づいて標準偏差推定値Sigを算出し、標準偏差推定値Sigを出力する。
また、標準偏差推定部146は、調整実行指令値SWatがオンである自動調整期間において、前回標準偏差推定値Sigが出力されるように動作する。よって、自動調整期間において標準偏差推定部146から出力される標準偏差推定値Sigは、前回標準偏差推定値Sigになる。
高域通過フィルタ部146aは、張力偏差値Yeが入力され、張力検出値Yeに対して高域通過フィルタを作用させて、張力偏差値Yeの低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号yhを算出し、低周波数成分除去信号yhを出力する。
つまり、標準偏差推定部146は、調整実行指令値SWatがオフの期間において、張力偏差値Yeの低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号yhの標準偏差の推定値である標準偏差推定値Sigを出力する。
また、制御装置500は、2値出力部103のヒステリシス幅設定値Hsを適切な値に設定し、調整時加算値Uaddを張力偏差値Yeとヒステリシス幅設定値Hsとに基づいて決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響が低減される。結果として、制御装置500は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生することができ、精度よく制御ゲインを調整することができる。
制御装置500は、算出されたヒステリシス幅演算値Hcをヒステリシス幅設定値Hsに代入する。このとき、ヒステリシス幅演算値Hcは、標準偏差推定値Sigに基づいて算出される。標準偏差推定値Sigは、後述する標準偏差推定部146により、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の良好な推定値となっている。つまり、制御装置500は、張力検出値Yfbに含まれるノイズの信号の標準偏差の値を標準偏差推定値Sigに基づいて推定するので、自動調整期間に生じるノイズの信号の分布を推定することができ、高い確率でノイズの信号の振幅を上回る程度の大きさのヒステリシス幅演算値Hcを算出することができる。
制御装置500と上述した制御装置100とは、標準偏差推定部の構成のみが異なる。以下では、標準偏差推定部146により標準偏差推定値Sigを計算する際の動作と効果について説明する。
標準偏差推定部146に入力される張力偏差値Yeは、張力検出値Yfbから一定値である張力指令値Yrを減算したものであり、低周波数成分だけが張力検出値Yfbと異なるものである。よって、張力偏差値Yeの低周波数成分を除去した信号は、張力検出値Yfbから低周波数成分を除去した信号と一致又は予め定められた範囲内に収まるものである。
したがって、標準偏差推定部146は、低周波数成分除去信号yhを算出する高域通過フィルタ部146a以外は、制御装置100の標準偏差推定部106と同様なので、標準偏差推定部106と同様の効果が得られる。
よって、制御装置500は、適切な大きさのヒステリシスを設定することができ、自動調整期間に調整時加算値を適切に決定するので、張力検出値Yfbに含まれるノイズの影響によるハンチングを抑制できる。結果として、制御装置500は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生し、制御ゲインの値を精度よく計算することができる。
実施の形態6.
図12は、実施の形態6に係る制御装置600及び制御対象装置30の構成図である。なお、制御装置600の構成要素のうち、実施の形態1に係る制御装置100と同様の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図12に示すように、制御対象装置30は、液体35を蓄える水槽31と、液体35の温度を検出する温度検出器32、液体35を加熱する加熱器33、電流を供給する電流供給器34とを備え、液体35の温度を調整する液体加熱装置である。
制御対象装置30は、制御装置600から電流指令値Irが入力され、温度検出値Tfbを出力する。
温度検出器32は、液体35の温度を検出し、検出した値である温度検出値Tfbを出力する。温度検出値Tfbは、制御量であり、後述するように指令値に近づくように制御される値である。
加熱器33には、電流供給器34から電流が供給される。加熱器33は、供給される電流の大きさに基づいて熱を発生する。加熱器33に発生した熱は、液体35に伝わり、液体35を加熱する。
電流供給器34は、電流指令値Irに基づいて、電流指令値Irに一致する量の電流を加熱器33に供給する。
液体35は、水、油、薬液などの液体である。液体35は、加熱器33より熱を伝えられることで、温度が上昇する。つまり、電流指令値Irの値が変更されると、液体35の温度が変化する。
また、制御対象装置30は、温度検出器32により液体35の温度を測定し、温度検出値Tfbを出力する。つまり、制御対象装置30は、温度検出値Tfbの値を用いて電流指令値Irを算出する制御装置600と組み合わされることで、フィードバック制御を行う構成になっている。
制御装置600は、操作量Ucを算出する制御演算部601と、調整の実行の可否を示す指令値である調整実行指令値SWatを生成する調整実行指令生成部102と、調整時に操作量Ucに加算される値である調整時加算値Uaddを算出する2値出力部603と、ゲイン候補値を算出する制御ゲイン演算部604とを備える。また、制御装置600は、制御演算部601で用いるゲインの値を変更する制御ゲイン調整部105と、標準偏差推定値Sigを算出する標準偏差推定部606と、ヒステリシス幅演算値Hcを算出するヒステリシス幅演算部107と、減算を行う減算器608と、加算を行う加算器609とを備える。制御装置600は、外部から温度指令値Trが入力され、制御対象装置30から温度検出値Tfbが入力され、制御対象装置30に電流指令値Irを出力する。
制御演算部601、2値出力部603、制御ゲイン演算部604は、入力信号のうちの一方が温度偏差値Teである点を除いて、実施の形態1の制御演算部101、2値出力部103、制御ゲイン演算部104と同様の機能を持つので、詳細な動作の説明を省略する。また、標準偏差推定部606は、入力信号のうちの一方が温度偏差値Teである点と、入力信号のうちの他方が温度検出値Tfbである点を除いて、実施の形態1の標準偏差推定部106と同様の機能を持つので、詳細な動作の説明を省略する。
減算器608は、温度指令値Trと、温度検出値Tfbとが入力され、温度指令値Trと温度検出値Tfbとの差分から温度偏差値Teを算出し、温度偏差値Teを出力する。
加算器609は、操作量Ucと調整時加算値Uaddとが入力され、操作量Ucと調整時加算値Uaddとを加算して電流指令値Irを算出し、電流指令値Irを出力する。
制御対象装置30は、調整実行指令SWatがオフである場合には、制御演算部601で計算される操作量Ucによって温度検出値Tfbが温度指令値Trに近づくようにフィードバック制御される。また、調整実行指令SWatがオンであり、ヒステリシス幅設定値Hsが適切に設定される場合には、電流指令値Irと温度偏差値Teとは、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクル振動を発生する。
実施の形態6に係る制御装置600は、実施の形態1に係る制御装置100と同様の構成であるので、制御装置100が奏する効果と同様の効果を奏する。
よって、制御装置600は、適切な大きさのヒステリシスを設定することができ、調整時加算値Uaddを適切に決定するので、温度検出値Tfbに含まれるノイズの影響によるハンチングを抑制できる。結果として、制御装置600は、一定又は一定とみなされる周期のリミットサイクルを発生し、制御ゲインの値を精度よく計算することができる。
10,30 制御対象装置、11 ロール間搬送機構、12 搬送材、13 張力軸モータ、14 張力軸ロール、15 速度軸モータ、16 速度軸ロール、20 張力検出器、21 張力軸速度制御器、22 速度軸速度制御器、23,109,609 加算器、31 水槽、32 温度検出器、33 加熱器、34 電流供給器、35 液体、100,200,300,400,500,600 制御装置、101,601 制御演算部、102 調整実行指令生成部、103,603 2値出力部、104,604 制御ゲイン演算部、105 制御ゲイン調整部、106,116,126,136,146,606 標準偏差推定部、106a,146a 高域通過フィルタ部、106b 2乗値計算部、106c,116c 低域通過フィルタ部、106d,126h 2乗根計算部、106e,116e,126j,136d セレクタ部、106f 遅延部、107 ヒステリシス幅演算部、108,126g,608 減算器、116b 絶対値計算部、116d,126i 変換ゲイン器、126d 第1の2乗値計算部、126e 第2の2乗値計算部、126c 第1の低域通過フィルタ部、126f 第2の低域通過フィルタ部、136b データ保持部、136c 標準偏差演算部。

Claims (7)

  1. 外部から入力される指令値と制御対象装置から入力される制御量とに基づいて制御偏差を算出する減算器と、
    前記制御偏差と制御ゲインとに基づいて操作量を生成し、前記操作量を出力する制御演算部と、
    オン又はオフを示す調整実行指令値を生成し、前記調整実行指令値を出力する調整実行指令生成部と、
    前記調整実行指令生成部から出力されている前記調整実行指令値がオンである期間において、前記制御偏差とヒステリシス幅設定値とに基づいて調整時加算値を生成し、前記調整時加算値を出力する2値出力部と、
    前記調整実行指令生成部から出力されている前記調整実行指令値がオフである期間において、前記制御量又は前記制御偏差の低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号を算出し、前記低周波数成分除去信号の標準偏差の推定値である標準偏差推定値を算出する標準偏差推定部と、
    前記標準偏差推定値に基づいてヒステリシス幅演算値を算出し、前記2値出力部のヒステリシス幅設定値を前記ヒステリシス幅演算値に変更するヒステリシス幅演算部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 前記標準偏差推定部は、予め定められた期間における前記低周波数成分除去信号の値を抽出して保持し、前記抽出して保持した値の標準偏差を算出し、算出した予め定められた期間の標準偏差を前記標準偏差推定値にする
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記標準偏差推定部は、前記低周波数成分除去信号を2乗して得られる信号を算出し、前記算出された信号に低域通過フィルタを作用させて高周波数成分を除去した信号を算出し、算出された信号の2乗根を計算することにより、前記標準偏差推定値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記ヒステリシス幅演算部は、前記標準偏差推定値に対して予め定められた係数を乗じることにより前記ヒステリシス幅演算値を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記標準偏差推定部は、前記制御量又は前記制御偏差に対して高域通過フィルタを作用させることにより前記低周波数成分除去信号を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  6. 前記調整実行指令生成部から出力されている前記調整実行指令値がオンである期間において、前記制御偏差に基づいて前記制御ゲインの候補値である制御ゲイン候補値を算出する制御ゲイン演算部と、
    前記制御演算部により前記操作量の算出に使用される前記制御ゲインを、前記制御ゲイン演算部により算出された前記制御ゲイン候補値に変更する制御ゲイン調整部を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  7. 外部から入力される指令値と制御対象装置から入力される制御量とを減算することにより制御偏差を算出する減算工程と、
    前記制御偏差と制御ゲインとに基づいて操作量を生成し、前記操作量を出力する制御演算工程と、
    オン又はオフを示す調整実行指令値を生成し、前記調整実行指令値を出力する調整実行指令生成工程と、
    前記調整実行指令生成工程から出力されている前記調整実行指令値がオンである期間において、前記制御偏差とヒステリシス幅設定値とに基づいて調整時加算値を生成し、前記調整時加算値を出力する2値出力工程と、
    前記調整実行指令生成工程から出力されている前記調整実行指令値がオフである期間において、前記制御量又は前記制御偏差の低周波数成分を除去した低周波数成分除去信号を算出し、前記低周波数成分除去信号の標準偏差の推定値である標準偏差推定値を算出する標準偏差推定工程と、
    前記標準偏差推定値に基づいてヒステリシス幅演算値を算出し、前記2値出力工程のヒステリシス幅設定値を前記ヒステリシス幅演算値に変更するヒステリシス幅演算工程と、を備えることを特徴とする制御方法。
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