JP2010214458A - プロセスラインの張力制御方法および張力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続した金属板を急速加熱処理するプロセスラインにおいて、安定的に張力制御する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】金属板3の通板速度が予め設定した通板速度基準値Vrになるように第1のロール群5の複数の駆動ロール11,12の回転速度を制御する速度制御工程と、プロセスライン1に設置した張力計7で測定した金属板3の張力実績値Fmと、予め設定した張力設定値Frとの偏差に基づき、第2のロール群6の各駆動ロール13,14の回転速度の制御量を算出し、制御量と通板速度基準値Vrとの和である第1のモータ速度指令値を算出して出力する張力制御工程と、急速加熱装置4における加熱のための投入エネルギー実績値Wに基づき伝熱モデル式を用いて加熱による金属板3の板温変化を求めて速度指令補償量ΔSを算出する補償量演算工程とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続した金属板を複数の駆動ロールで駆動して、プロセスライン内を順次通過させるプロセスラインにおける金属板の張力制御に関し、特に、プロセスライン内に設置された金属板の急速加熱装置による鋼板加熱に伴って生じる張力変動を抑制し、安定して張力制御する制御方法および制御装置に関するものである。
鋼板等の連続した金属板(金属ストリップ:以下では単に金属板とも記す)の製造プロセスライン(以下ではプロセスラインと記す)においては、そのプロセスライン内にブライドロール及びピンチロール等の複数の駆動ロールを直列に配設して、適切に張力を付与しながら金属板を通板させることが多い。図2に、プロセスライン内に金属板53の加熱装置54が設置されたときのプロセスライン51、及び、駆動ロール61,62と駆動ロール63,64の間のプロセスライン51(セクション)における金属板53の張力を制御するための張力制御装置52のブロック構成の従来例の概略を示す。図2に示したプロセスライン51において、金属板53は、左から右に駆動ロール61,62,63,64により通板され、これら駆動ロール間に設置された、誘導加熱装置等で構成された加熱装置54により連続的に加熱される。各駆動ロール61,62,63,64は、それぞれ、モータ速度制御器69,70,71,72で制御されるロール駆動モータ65,66,67,68の駆動により回転する。
加熱装置54が設置されているセクションにおける通板中の金属板53の張力は、駆動ロール62,63間に設置した張力計55により検出されて張力実績値Fmとして出力され、張力実績値Fmと、当該セクションを最適に通板させるために予め設定される張力設定値Frとの差分(Fm−Fr)に基づき、張力制御部56により、駆動ロール63,64のそれぞれのロール駆動モータ67,68用のモータ速度制御器(ASR)71,72へ入力する速度指令を補正することで、金属板53の張力が張力設定値Frと等しくなるように制御される。なお、張力制御部56には、一般的にはPI制御やPID制御といったフィードバック制御手法が用いられることが多い。
また、例えば特許文献1には、タンク内の液中に金属ストリップを連続的に浸漬させて通板するプロセスラインにおける張力制御方法が開示され、通板に際しての液中抵抗の変動に対する技術が記載されている。
特開平4−52027号公報
ところで、金属板の加熱装置としては、加熱するための投入電力の大きさを瞬時に変えることにより、通板条件が変動しても金属板の温度を柔軟かつ精密に制御できる急速加熱装置を用いることがある。この急速加熱装置内を通板する金属板1は、急激な温度変化により伸縮し、それによって当該セクション間の金属板長さが変化するため張力変動が発生する。例えば加熱に伴い金属板が長くなると、当該セクション間の板が緩み、金属板の張力が減少するし、逆に金属板の温度が低下すると、当該セクション間の板が縮むことにより張力が増加するといった現象が発生する。
しかしながら、上述した従来の張力制御方法では、張力変動に基づいて張力制御部56の作用によって張力変動を抑制しようとするが、急速加熱装置における急激な温度変化による張力変動は急激なものであるのに対し、従来のフィードバック方式にて構成された張力制御部56の応答速度はそれと比較して遅いため、張力変動を十分に抑制することが出来ないという問題があった。
以上のような従来技術の問題点に鑑みて、本発明は、連続した金属板を、複数の駆動ロールに順次通過させるプロセスラインの金属板の張力制御に関し、プロセスライン内に設置された急速加熱装置による金属板の加熱に伴って生じる張力変動を抑制し、安定的に張力制御する技術を提供することを目的とする。
本発明のプロセスラインの張力制御方法は、連続した金属板に張力を付与しながら前記金属板を通板させ、それぞれ複数の駆動ロールからなる第1ロール群と第2ロール群の2組のロール群、および、該2組のロール群の間に配設され前記金属板を加熱する急速加熱装置を有するプロセスラインにおいて、前記金属板の張力を制御する方法であって、前記金属板の通板速度が予め設定した通板速度基準値になるように前記第1のロール群の複数の駆動ロールの回転速度を制御する速度制御工程と、前記プロセスラインに設置した張力計で測定した前記金属板の張力実績値と、予め設定した張力設定値との偏差に基づき、前記第2のロール群の各駆動ロールの回転速度の制御量を算出し、該制御量と前記通板速度基準値との和である第1のモータ速度指令値を算出して出力する張力制御工程と、前記急速加熱装置における加熱のための投入エネルギー実績値を時々刻々入力して、該投入エネルギー実績値に基づき伝熱モデル式を用いて該加熱による金属板の板温変化を求めて金属板の伸縮量を算出し、該伸縮量を基に金属板の張力を所定の値に保つための速度指令補償量を算出する補償量演算工程と、前記第1のモータ速度指令値と前記速度指令補償量とを加えて第2のモータ速度指令値を算出して、前記第2のロール群の各駆動ロールを制御する第2の速度制御工程に出力する補償量加算工程と、を具備することを特徴とする。
また、前記補償量演算工程では、前記急速加熱装置において単位時間あたりに投入された投入エネルギー実績値を基にして伝熱モデル式を用いて単位時間あたりの金属板の温度変化量を算出し、予め設定した前記金属板の温度変化と金属板長変化量との相関に基づき、前記単位時間あたりの前記金属板の伸縮量及び速度指令補償量を求めることを特徴とする。
本発明のプロセスラインの張力制御装置は、連続した金属板に張力を付与しながら前記金属板を通板させ、それぞれ複数の駆動ロールからなる第1ロール群と第2ロール群の2組のロール群、および、該2組のロール群の間に配設され前記金属板を加熱する急速加熱装置を有するプロセスラインにおいて、前記金属板の張力を制御する制御装置であって、前記金属板の通板速度が予め設定した通板速度基準値になるように前記第1のロール群の複数の駆動ロールの回転速度を制御する第1の速度制御部と、前記プロセスラインに設置した張力計で測定した前記金属板の張力実績値と、予め設定した張力設定値との偏差に基づき、前記第2のロール群の各駆動ロールの回転速度の制御量を算出し、該制御量と前記通板速度基準値との和である第1のモータ速度指令値を算出して出力する張力制御部と、前記急速加熱装置における加熱のための投入エネルギー実績値を時々刻々入力して、該投入エネルギー実績値に基づき伝熱モデル式を用いて該加熱による金属板の板温変化を求めて金属板の伸縮量を算出し、該伸縮量を基に金属板の張力を所定の値に保つための速度指令補償量を算出する急速加熱張力変動補償部と、前記第1のモータ速度指令値と前記速度指令補償量とを加えて第2のモータ速度指令値を算出して、前記第2のロール群の各駆動ロールを制御する第2の速度制御部に出力する補償量加算器と、を具備することを特徴とする。
また、前記急速加熱張力変動補償部は、前記急速加熱装置において単位時間あたりに投入された投入エネルギー実績値を基にして伝熱モデル式を用いて単位時間あたりの金属板の温度変化量を算出する板温変化量推定部と、予め設定した前記金属板の温度変化と金属板長変化量との相関に基づき、前記単位時間あたりの前記金属板の伸縮量及び速度指令補償量を求める板伸縮量推定部と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、プロセスライン内に設置された急速加熱装置による単位時間あたりの加熱電力の変化に応じてフィードフォワード的に速度補正換算を行い、板伸縮によるロール間板長さ変化を遅延無く駆動ロール速度で追従させることができるため、加熱装置による金属板温度変化に伴って生じる張力変動を抑制し、安定的に張力制御を継続させることができる。
本発明を実施するための、急速加熱装置が設置されたセクションにおけるプロセスラインの張力制御装置及び関連設備の例を示すブロック図である。 従来手法における、加熱装置が設置されたセクションのプロセスラインの金属板の張力制御システム及び関連設備の例を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態においては、金属板が鋼板の場合を例として説明するが、アルミ、銅等の他の金属板に対しても同様の加熱処理するプロセスラインに適用できることは明らかである。
図1に、鋼板(鋼板ストリップ)3を連続的に通板するための駆動ロール11,12及び13,14を有するプロセスライン1内に、鋼板3を急速に加熱する急速加熱装置4を設置したセクションの概略、及び、本実施の形態であるプロセスラインの張力制御装置2のブロック図の一例を示す。
図1において、急速加熱装置4が設置されているセクションを通過する鋼板3は、第1〜第4の駆動ロール11〜14によって移送され、これら駆動ロール11〜14は、それぞれに設置された第1〜第4のロール駆動モータ15〜18によって回転駆動される。また、これらロール駆動モータ15〜18は、それぞれ第1〜第4のモータ速度制御器(ASR)19〜22によって任意の回転速度になるように速度制御される。急速加熱装置4の入側の第1および第2の駆動ロール11,12で第1のロール群5を構成し、第1のロール群5を制御するモータ速度制御器19,20が、本発明における第1の速度制御部である。また、急速加熱装置4の出側の第3および第4の駆動ロール13,14で第2のロール群6を構成し、第2のロール群6を制御するモータ速度制御器21,22が、本発明における第2の速度制御部である。
さらに、当該セクションを通過する鋼板3の張力実績値は、従来の手法同様に、当該セクションに配設された、張力を検出する張力計7にて測定される。張力計7で測定された張力実績値Fmが、当該セクションを最適に通板させるために予め設定された張力設定値Frと等しくなるように、張力実績値Fmと張力設定値Frの偏差(Fm−Fr)を基にして、P制御器又はPI制御器等により構成される張力制御部8で制御量を算出する。そして、その制御量を、予め設定された通板速度基準値Vrに加算して、第2のロール群6の駆動ロール13,14それぞれを制御する第3、第4のモータ速度制御器21,22へ入力する第1のモータ速度指令値を算出し、ロール駆動モータ17,18の回転速度が制御される。また、第1のロール群5の駆動ロール11,12は、当該セクションの速度基準ロールとして、通板速度基準値Vrを常に保つ様に、それぞれ第1のモータ速度制御器19および第2のモータ速度制御器20にて速度制御される。
図1に示したように、本実施形態の張力制御装置2では、張力制御部8に加えて、急速加熱張力変動補償部9を有する。急速加熱張力変動補償部9は、急速加熱装置4からの投入電力変化によって生じる鋼板3の張力変動を抑制するための補償量を出力するフィードフォワード補償器である。すなわち、急速加熱張力変動補償部9は、板温変化量推定器31および板伸縮量推定器32で構成される。板温変化量推定器31は、急速加熱装置4において鋼板3を加熱するために投入された単位時間当たりの電力実績値Wが入力され、電力実績値Wを基にして鋼板3の板温の変化量ΔTを算出する。板伸縮量推定器32は、算出された単位時間当たりの板温変化量ΔTから通板中の鋼板3の単位時間あたりの板伸縮量を算出して、第3および第4の駆動ロール13,14の速度指令補正量ΔSとして算出する。速度指令補正量ΔSと、上記の通板速度基準値Vrと張力制御部8から出力された制御量との和である第1のモータ速度指令値とを、補償量加算器33で加えて、第2のモータ速度指令値として出力する。なお、急速加熱装置4の加熱が電力によらない別の手段であるときは、その手段による単位時間当たりのエネルギー投入実績値Wを用いるとよい。
上記の単位時間当たりの電力実績値W、またはそれに相当する投入エネルギー実績値は、時間的に連続して、または所定の周期で時々刻々、急速加熱装置4から急速加熱張力変動補償部9に入力され、当該電力実績値Wの急激な変動を検知して、以下の処理で鋼板3の長さの変化による張力変化を推定する。
以下、急速加熱張力変動補償部9の内部構成要素である、板温度変化量推定器31、板収縮量推定器32の機能及び処理フローについて説明する。
板温変化量推定器31では、急速加熱装置4による鋼板3の加熱に関する加熱・伝熱モデルに基づく算出式(1)により、単位時間当たりの板温変化量ΔTを計算する。
ΔT=f(W,b,t,e,V) (1)
ここで、ΔTは単位時間あたりの板温変化量(板温変分)、Wは単位時間あたりに鋼板3に投入された電力またはエネルギー量、b、t、Vは、それぞれ加熱される通板中の鋼板3の板幅、板厚、および通板速度である。またeは効率で、通常通板材のサイズによって予め設定される値である。
なお、式(1)による板温変化量ΔTの算出は、時々刻々入力される上記の電力実績値Wの変化量を用いても良い。
また、当該算出式は急速加熱装置の種類・構成により異なるが、公知の加熱方法の炉を用いるときは、その炉に関する公知の伝熱モデル式を用いることができる。さらにまた、厳密には板温変化量ΔTは、加熱時の炉または鋼板の温度Tにより変化することがあるが、当該温度の変動が大きくないときにはその影響を無視しても大きな誤差とはならないので、本実施の形態では無視する。
板伸縮量推定器32では、上記板温変化量ΔTを用いて式(2)より単位時間当たりの板伸縮量ΔL(板長さ変分)を求め、板伸縮量ΔLに応じて駆動ロール13,14にて補正すべき速度指令補正量ΔSを式(3)より計算する。
ΔL=α×ΔT (2)
ΔS=ΔL×1/(t+s) (3)
ここで、αは鋼板の温度変化によって変化する板長さの換算係数で、予めオフライン試験等により通板鋼種毎に測定して求めておき設定する値である。また、式(3)におけるsはラプラス演算子であり、tは式(2)にて求められた単位時間当たりの鋼板の伸縮量ΔLに作用させるローパスフィルタの時定数である。なお、式(3)におけるローパスフィルタ処理は、各種信号に含まれるノイズの除去や、急速加熱装置そのもののON/OFFといった、不連続的な動作時における急激な変化を緩和することを目的に実施するものであるため、通常0.1(sec)程度としておけば良い。
なお、上記で板伸縮量ΔLは、厳密にはそのときの板温Tにより変化することがあるが、板温Tの変動が大きくないときにはその影響を無視してもよい。もし影響が顕著なときには、予め板伸縮量ΔLへの温度変化の影響を実験的に求めておき、温度測定装置で温度Tを測定して真の板伸縮量ΔLを求めてもよい。ただし、実際の製造プロセスで多数の品種の鋼板を処理するときには、式(2)を用いるのが簡易的で便利であるとともに、十分な制御性能が得られることが多い。
また、式(2)により単位時間当たりの鋼板の伸縮量ΔLを算出する処理を具体的に示したが、投入電力またはエネルギー量を基に、リアルタイムに鋼板の長さの変化率または変化長を算出することが可能な他の算出式を用いてもよい。
以上のようにして、急速加熱装置4の鋼板3への投入電力に応じて第3の駆動ロール13および第4の駆動ロール14にて補正すべき速度指令補正量ΔSを算出して出力する急速加熱張力変動補償部9を具備するプロセスライン1の張力制御装置2により、急速加熱装置4の加熱による鋼板3の熱変化に伴い発生する鋼板3の伸縮量をモデル式を用いて推定し、その鋼板3の伸縮量の推定値に基づき速度指令補正量ΔSを算出し、遅延無く駆動ロール13,14の速度を修正することによって吸収することができるため、急速加熱装置4による鋼板温度変化に伴って生じる張力変動に対して素早く対応することができる。したがって、従来の、鋼板の過熱による板伸縮に伴って発生する張力変動を検出したことにより受動的に駆動ロール13,14の速度を補正する方法と比較して、張力変動量を抑制し、安定的に通板操業を継続させることができる。
なお、本実施形態では、算出された速度指令補正量ΔSを、急速加熱装置4の出側の駆動ロール13,14に対して加算したが、プロセスライン1の全体制御系の兼ね合いから、急速加熱装置4の出側のロールが速度基準ロールである場合は、当該補正量を加熱装置4の入側の駆動ロール11,12に加算しても良いことは明らかである。
以上では、本発明の実施形態として、張力制御装置2を構成する各部・各機器の機能及び処理フローを詳細に説明した。本発明は、張力制御装置とともに、その張力制御装置を用いた上記の処理フローからなる工程で構成されるプロセスラインの張力制御方法も提供する。
また、上記のプロセスラインの張力制御装置は、張力計7や各モータ速度制御器19〜22等のハードウェアとのI/O部、キーボードやマウス、及び記憶装置を具備するパーソナルコンピュータまたはPLC(Programmable Logic Computer)を用いて構成することができる。そして、上記の各部、機器で行う演算等の処理を実行するためのコンピュータソフトウェアを作成して、これらパーソナルコンピュータまたはPLCにロードして実行させることにより実現することが可能となる。
本発明は、加熱装置を有するプロセスラインで処理される各種金属板の張力制御に適用できる。
1,51 プロセスライン
2,52 張力制御装置
3 鋼板
4 急速加熱装置
5 第1ロール群
6 第2ロール群
7,55 張力計
8,56 張力制御部(ATR)
9 急速加熱張力変動補償部
11,61 第1の駆動ロール(加熱装置入側)
12,62 第2の駆動ロール(加熱装置入側)
13,63 第3の駆動ロール(加熱装置出側)
14,64 第4の駆動ロール(加熱装置出側)
15,65 第1のロール駆動モータ
16,66 第2のロール駆動モータ
17,67 第3のロール駆動モータ
18,68 第4のロール駆動モータ
19,69 第1のモータ速度制御器(加熱装置入側、ASR)
20,70 第2のモータ速度制御器(加熱装置入側、ASR)
21,71 第3のモータ速度制御器(加熱装置出側、ASR)
22,72 第4のモータ速度制御器(加熱装置出側、ASR)
31 板温変化量推定器
32 板伸縮量推定器
33 補償量加算器
53 金属板
54 加熱装置

Claims (4)

  1. 連続した金属板に張力を付与しながら前記金属板を通板させ、それぞれ複数の駆動ロールからなる第1ロール群と第2ロール群の2組のロール群、および、該2組のロール群の間に配設され前記金属板を加熱する急速加熱装置を有するプロセスラインにおいて、前記金属板の張力を制御する方法であって、
    前記金属板の通板速度が予め設定した通板速度基準値になるように前記第1のロール群の複数の駆動ロールの回転速度を制御する第1の速度制御工程と、
    前記プロセスラインに設置した張力計で測定した前記金属板の張力実績値と、予め設定した張力設定値との偏差に基づき、前記第2のロール群の各駆動ロールの回転速度の制御量を算出し、該制御量と前記通板速度基準値との和である第1のモータ速度指令値を算出して出力する張力制御工程と、
    前記急速加熱装置における加熱のための投入エネルギー実績値を時々刻々入力して、該投入エネルギー実績値に基づき伝熱モデル式を用いて該加熱による金属板の板温変化を求めて金属板の伸縮量を算出し、該伸縮量を基に金属板の張力を所定の値に保つための速度指令補償量を算出する補償量演算工程と、
    前記第1のモータ速度指令値と前記速度指令補償量とを加えて第2のモータ速度指令値を算出して、前記第2のロール群の各駆動ロールを制御する第2の速度制御工程に出力する補償量加算工程と、
    を具備することを特徴とするプロセスラインの張力制御方法。
  2. 前記補償量演算工程では、前記急速加熱装置において単位時間あたりに投入された投入エネルギー実績値を基にして伝熱モデル式を用いて単位時間あたりの金属板の温度変化量を算出し、予め設定した前記金属板の温度変化と金属板長変化量との相関に基づき、前記単位時間あたりの前記金属板の伸縮量及び速度指令補償量を求めることを特徴とする請求項1に記載のプロセスラインの張力制御方法。
  3. 連続した金属板に張力を付与しながら前記金属板を通板させ、それぞれ複数の駆動ロールからなる第1ロール群と第2ロール群の2組のロール群、および、該2組のロール群の間に配設され前記金属板を加熱する急速加熱装置を有するプロセスラインにおいて、前記金属板の張力を制御する制御装置であって、
    前記金属板の通板速度が予め設定した通板速度基準値になるように前記第1のロール群の複数の駆動ロールの回転速度を制御する第1の速度制御部と、
    前記プロセスラインに設置した張力計で測定した前記金属板の張力実績値と、予め設定した張力設定値との偏差に基づき、前記第2のロール群の各駆動ロールの回転速度の制御量を算出し、該制御量と前記通板速度基準値との和である第1のモータ速度指令値を算出して出力する張力制御部と、
    前記急速加熱装置における加熱のための投入エネルギー実績値を時々刻々入力して、該投入エネルギー実績値に基づき伝熱モデル式を用いて該加熱による金属板の板温変化を求めて金属板の伸縮量を算出し、該伸縮量を基に金属板の張力を所定の値に保つための速度指令補償量を算出する急速加熱張力変動補償部と、
    前記第1のモータ速度指令値と前記速度指令補償量とを加えて第2のモータ速度指令値を算出して、前記第2のロール群の各駆動ロールを制御する第2の速度制御部に出力する補償量加算器と、
    を具備することを特徴とするプロセスラインの張力制御装置。
  4. 前記急速加熱張力変動補償部は、
    前記急速加熱装置において単位時間あたりに投入された投入エネルギー実績値を基にして伝熱モデル式を用いて単位時間あたりの金属板の温度変化量を算出する板温変化量推定部と、
    予め設定した前記金属板の温度変化と金属板長変化量との相関に基づき、前記単位時間あたりの前記金属板の伸縮量及び速度指令補償量を求める板伸縮量推定部と、
    を具備することを特徴とする請求項3に記載のプロセスラインの張力制御装置。
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