JPWO2016047655A1 - (メタ)アクリレート化合物の製造方法、(メタ)アクリレート化合物の精製方法および、(メタ)アクリレート化合物 - Google Patents

(メタ)アクリレート化合物の製造方法、(メタ)アクリレート化合物の精製方法および、(メタ)アクリレート化合物 Download PDF

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Abstract

蒸留時における(メタ)アクリレート化合物の重合を防止し、不純物の含有量が少ない(メタ)アクリレート化合物を生産性よく製造可能な(メタ)アクリレート化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の精製方法、ならびに、不純物の含有量が少ない(メタ)アクリレート化合物を提供する。本発明の(メタ)アクリレート化合物の製造方法および精製方法は、目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、分子量150以上270未満のN−オキシル化合物Aと、分子量270以上のN−オキシル化合物Bとを添加した後、蒸留を行い、目的の(メタ)アクリレート化合物を回収する。本発明の(メタ)アクリレート化合物は、上記方法で得られたものであって、HPLC純度が98%以上、および/または、Na含有量が10ppb以下である。

Description

本発明は、(メタ)アクリレート化合物の製造方法、(メタ)アクリレート化合物の精製方法および、(メタ)アクリレート化合物に関する。
(メタ)アクリレート化合物は、貯蔵時における重合を防止するため、重合禁止剤を添加することが行われている。重合禁止剤としては、N−オキシル化合物などが知られている。
例えば、特許文献1には、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルをアクリル酸に添加して、アクリル酸を安定化する方法が記載されている。
また、(メタ)アクリレート化合物を蒸留によって精製する場合、蒸留時に、(メタ)アクリレート化合物が蒸留釜や蒸留塔で重合してしまうことがある。万一、蒸留釜や蒸留塔で重合してしまった場合、設備を停止して修繕をしなければならないため、著しく生産性を落とす。
例えば、特許文献2には、(メタ)アクリレート化合物に、N−オキシル化合物を添加して、(メタ)アクリレート化合物を蒸留するポップコーン重合防止法が記載されている。N−オキシル化合物として、実施例では、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシルを使用している。
特公昭45−1054号公報 特公昭58−46496号公報
N−オキシル化合物は、(メタ)アクリレート化合物の重合を抑制する化合物であるが、本発明者の検討によれば、(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、N−オキシル化合物を添加して蒸留したところ、蒸留時における(メタ)アクリレート化合物の重合を防止できなかったり、蒸留物に、蒸留時に添加したN−オキシル化合物が大量に混入する等の問題があることが分かった。
また、特許文献2では、(メタ)アクリレート化合物に、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシルまたは2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシルを添加して蒸留を行っているが、この方法では、上記の問題を解決できず、目的の(メタ)アクリレート化合物以外の不純物の含有量が少ない、(メタ)アクリレート化合物を、生産性よく製造することが困難であることがわかった。
よって、本発明は、蒸留時における(メタ)アクリレート化合物の重合を防止し、不純物の含有量が少ない(メタ)アクリレート化合物を生産性よく製造することができる(メタ)アクリレート化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の精製方法、ならびに、不純物の含有量が少ない(メタ)アクリレート化合物を提供することを目的とする。
本発明者が鋭意検討を行った結果、目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、分子量150以上270未満のN−オキシル化合物と、分子量270以上のN−オキシル化合物とを添加した後、蒸留を行うことで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。よって、本発明は以下を提供する。
<1> 目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、分子量150以上270未満のN−オキシル化合物Aと、分子量270以上のN−オキシル化合物Bとを添加した後、蒸留を行い、目的の(メタ)アクリレート化合物を回収する、(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
<2> N−オキシル化合物Aが、下記一般式(I)で表される化合物であり、N−オキシル化合物Bが、下記一般式(II)で表される化合物である、<1>に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法;
Figure 2016047655
式中、Zは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基または炭素数2〜4のアシルオキシ基を表し、
Rは、置換基を表し、
nは、0〜5の整数を表し、nが2以上の場合は、複数のRは同一であってもよく、異なってもよい。
<3> N−オキシル化合物Aの添加量が、混合物の質量に対して10〜300ppmであり、
N−オキシル化合物Bの添加量が、混合物の質量に対して300ppm以上である、<1>または<2>に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
<4> 蒸留を、0.1〜1.0kPa、80〜180℃の条件で行う、<1>〜<3>のいずれかに記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
<5> 混合物として、分液抽出で精製処理したものを用いる、<1>〜<4>のいずれかに記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
<6> 目的の(メタ)アクリレート化合物は、一分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物である、<1>〜<5>のいずれかに記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
<7> 目的の(メタ)アクリレート化合物は、下式(M1)で表される化合物である、<1>〜<6>のいずれかに記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法;
L−(X) ・・・(M1)
式中、Lは、X同士を連結する鎖を構成する炭素原子の数が3〜10であるm価の連結基を表し、Xは、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、mは2以上の整数を表す。
<8> 式(M1)において、Lは、ヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基、または、ヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基と−O−との組み合わせからなる基である、<7>に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
<9> 目的の(メタ)アクリレート化合物が、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール−1,3−ジ(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートから選択される1種である、<1>〜<8>のいずれかに記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
<10> 目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、分子量150以上270未満のN−オキシル化合物Aと、分子量270以上のN−オキシル化合物Bとを添加した後、蒸留を行い、目的の(メタ)アクリレート化合物を回収する、(メタ)アクリレート化合物の精製方法。
<11> N−オキシル化合物Aが、下記一般式(I)で表される化合物であり、
N−オキシル化合物Bが、下記一般式(II)で表される化合物である、<10>に記載の(メタ)アクリレート化合物の精製方法;
Figure 2016047655
式中、Zは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基または炭素数2〜4のアシルオキシ基を表し、
Rは、置換基を表し、
nは、0〜5の整数を表し、nが2以上の場合は、複数のRは同一であってもよく、異なってもよい。
<12> <1>〜<9>のいずれかに記載の製造方法で得られた(メタ)アクリレート化合物、または、<10>もしくは<11>に記載の精製方法で得られた(メタ)アクリレート化合物であって、高速液体クロマトグラフィーによるピーク面積比から求めた純度(HPLC純度)が98%以上である、(メタ)アクリレート化合物。
<13> Na含有量が10ppb以下である、<12>に記載の(メタ)アクリレート化合物。
<14> <1>〜<9>のいずれかに記載の製造方法で得られた(メタ)アクリレート化合物、または<10>もしくは<11>に記載の精製方法で得られた(メタ)アクリレート化合物であって、Na含有量が10ppb以下である、(メタ)アクリレート化合物。
本発明によれば、蒸留時における(メタ)アクリレート化合物の重合を防止し、不純物の含有量が少ない(メタ)アクリレート化合物を生産性よく製造することができる(メタ)アクリレート化合物の製造方法および(メタ)アクリレート化合物の精製方法、ならびに、不純物の含有量が少ない(メタ)アクリレート化合物を提供することが可能となった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを表し、「(メタ)アクリル」は、アクリルおよびメタクリルを表し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルおよびメタクリロイルを表し、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシおよびメタクリロイルオキシを表す。
本明細書中の基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さない基と共に置換基を有する基をも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明の(メタ)アクリレート化合物の製造方法および精製方法(以下、本発明の方法という)は、それぞれ、目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、分子量150以上270未満のN−オキシル化合物Aと、分子量270以上のN−オキシル化合物Bとを添加した後、蒸留を行い、目的の(メタ)アクリレート化合物を回収することを含む。
本発明の方法によれば、上記N−オキシル化合物Aと上記N−オキシル化合物Bとを併用して蒸留を行うことで、蒸留時における(メタ)アクリレート化合物の重合を防止しつつ、不純物の含有量が少ない(メタ)アクリレート化合物を生産性よく製造することができる。
このような効果が得られるメカニズムとしては、次によるものであると推測される。
上記N−オキシル化合物Aは、分子量が小さいため、蒸留時に揮発しやすい。このため、N−オキシル化合物Aを添加することで、ガス中での(メタ)アクリレート化合物の重合を効率よく抑制できると考えられる。
上記N−オキシル化合物Bは、分子量が大きいため、蒸留時に揮発しにくい。このため、N−オキシル化合物Bを添加することで、液中での(メタ)アクリレート化合物の重合を効率よく抑制できると考えられる。更には、気化した(メタ)アクリレート化合物と共に流出し難く、蒸留物中に混入しにくい。
そして、上記N−オキシル化合物Aと上記N−オキシル化合物Bとを併用することにより、蒸留釜内と、蒸留塔内などでの(メタ)アクリレート化合物の重合を抑制でき、不純物の含有量が少ない(メタ)アクリレート化合物を生産性よく製造することができる。
なお、上記N−オキシル化合物Aを単独で使用した場合、気化した(メタ)アクリレート化合物と共に流出しやすいため、液中での重合禁止効果は、蒸留が進むにつれて低下する傾向にある。このため、蒸留が進むにつれて、蒸留釜内で(メタ)アクリレート化合物が重合してゲル化しやすくなる。N−オキシル化合物Aを単独で蒸留を安定して行うためには、N−オキシル化合物Aを大量に添加する必要があるが、その結果、蒸留物へのN−オキシル化合物の流出量も増えてしまい、目的の(メタ)アクリレート化合物の純度が低下する傾向にある。また、上記N−オキシル化合物Bを単独で使用した場合、ガス中での(メタ)アクリレート化合物を十分に抑制できず、蒸留塔や配管内で(メタ)アクリレート化合物が重合しやすい。
以下、本発明の方法について詳細に説明する。
本発明の方法は、目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、分子量150以上270未満のN−オキシル化合物Aと、分子量270以上のN−オキシル化合物Bとを添加する。
目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物としては、市販の(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリレート化合物の合成後の反応液などが挙げられる。なお、市販の(メタ)アクリレート化合物や、合成後の反応液には、目的の(メタ)アクリレート化合物の他に、触媒、未反応のアクリル酸、副生成物などが不純物として混入している。
例えば、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)は、ネオペンチルグリコールとアクリル酸を、酸触媒存在下で加熱して脱水縮合することで製造することができる。このようにして製造された市販のネペンチルグリコールジアクリレートは、不純物として、式(1)〜(3)の化合物を含有する。これらの不純物が生成するメカニズムとしては、下記式のようなメカニズムが考えられる。すなわち、ネオペンチルグリコールとアクリル酸が脱水縮合して式(1)の化合物が生成した後、式(1)の化合物とアクリル酸が脱水縮合してNPGDAが生成する。生成したNPGDAの共役二重結合に対して、アクリル酸がマイケル付加して式(2)の化合物が副生し、さらに、式(2)の化合物のエステル結合のカルボニル基に対して、ネオペンチルグリコールが脱水縮合して式(3)の化合物が副生すると考えられる。
Figure 2016047655
本発明では、目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物として、分液抽出を行ったものを用いることが好ましい。分液抽出を行うことで、酸触媒や、未反応のアクリル酸などを除去でき、より不純物の少ない(メタ)アクリレート化合物を得ることができる。
分液抽出は、目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物を有機溶媒に溶解させたのち、水を混合して、水層と有機層とに分離し、有機層を回収して行うことができる。有機層に含まれる有機溶媒を除去してから蒸留を行ってもよいし、有機溶媒を含んだものをそのまま、蒸留してもよい。
本発明において、目的の(メタ)アクリレート化合物としては、一分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物であってもよく、一分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物であってもよいが、多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。多官能(メタ)アクリレート化合物は、一般的に蒸留時に重合してゲル化しやすいが、本発明の方法によれば、多官能(メタ)アクリレート化合物に対しても、蒸留時における(メタ)アクリレート化合物の重合を防止することができる。
多官能(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜6個有することが好ましく、2〜4個有することが更に好ましく、2個が更により好ましい。
多官能(メタ)アクリレート化合物は、下式(M1)で表される化合物であることが好ましいい。
L−(X) ・・・(M1)
式中、Lは、X同士を連結する鎖を構成する炭素原子の数が3〜10であるm価の連結基を表し、Xは、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、mは2以上の整数を表す。
mは2以上の整数を表し、2〜6が好ましく、2〜4がより好ましく、2が更により好ましい。
Lは、X同士を連結する鎖を構成する炭素原子の数が3〜10であるm価の連結基を表す。Lは、X同士を連結する鎖を構成する炭素原子の数が3〜8であることが好ましい。
X同士を連結する鎖を構成する炭素原子の数とは、分枝や環状により複数の鎖がある場合は最短の鎖を構成する原子の数をいう。ネオペンチルグリコールジアクリレートを例に挙げて説明すると、以下に示すように、2つのアクリロイルオキシ基を連結する鎖は、3つの炭素原子である。
Figure 2016047655
Lが表すm価の連結基としては、置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい炭化水素基と、−O−、−CO−、−COO−および−NRL1−から選ばれる1種以上とを組み合わせてなる基が挙げられる。
炭化水素基は、脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖または分岐の脂肪族炭化水素基が更に好ましい。
2価の炭化水素基としては、アルキレン基、アリーレン基、アリーレン基とアルキレン基との組み合わせかなる基が挙げられ、アルキレン基が好ましい。
アルキレン基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜10が更に好ましい。アルキレン基は、直鎖、分岐、環状が挙げられ、直鎖または分岐が好ましい。
アリーレン基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜12がより好ましい。
3価以上の炭化水素基は、2価の炭化水素基から水素原子を1個以上除いた基が挙げられる。
L1としては、水素原子またはアルキル基が挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖または分岐が好ましく、直鎖が特に好ましい。
炭化水素基が有してもよい置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、フッ素原子、塩素原子などが挙げられ、ヒドロキシ基がより好ましい。
Lが表すm価の連結基は、置換基を有してもよい炭化水素基、または、置換基を有してもよい炭化水素基と、−O−、−CO−およびから選ばれる1種以上とを組み合わせてなる基が好ましく、置換基を有してもよい炭化水素基、または、置換基を有してもよい炭化水素基と−O−とを組み合わせてなる基が更に好ましく、ヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基、または、ヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基と−O−との組み合わせからなる基が一層好ましい。
単官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えば、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、2−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(2―メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、例えば、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール−1,3−ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、特に、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートおよび2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートから選ばれる1種が好ましい。
本発明で用いるN−オキシル化合物Aは、分子量150以上270未満であり、分子量150以上250未満が好ましく、分子量150以上220未満が一層好ましい。
N−オキシル化合物Aは、下式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016047655
式中、Zは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基または炭素数2〜4のアシルオキシ基を表す。
アルコキシ基の炭素数は、1〜6であり、1〜4が好ましい。
アルコキシカルボニル基の炭素数は、2〜4であり、2〜3がより好ましい。
アシルオキシ基の炭素数は、2〜4であり、2〜3がより好ましい。
Zは、水素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基またはアセトキシ基が好ましい。
式(I)で表される化合物の具体例としては、以下が挙げられる。
Figure 2016047655
本発明において、N−オキシル化合物Aの添加量は、目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物の質量に対して10〜300ppmであることが好ましい。上限は、例えば、250ppm以下が好ましく、200ppm以下が一層好ましい。下限は、例えば、25ppm以上が好ましく、50ppm以上が一層好ましい。この範囲であれば、蒸留物中へのN−オキシル化合物Aの流入量を抑えつつ、ガス中での(メタ)アクリレート化合物の重合を効率よく防止できる。
本発明で用いるN−オキシル化合物Bは、分子量270以上であり、分子量270以上500未満が好ましく、分子量270以上450未満が一層好ましい。
また、N−オキシル化合物Bの分子量と、N−オキシル化合物Aの分子量の差は、20以上が好ましく、50以上がより好ましい。
N−オキシル化合物Bは、下式(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 2016047655
式中、Rは、置換基を表し、nは、0〜5の整数を表し、nが2以上の場合は、複数のRは同一であってもよく、異なってもよい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、−NRで表される基が挙げられる。
アルキル基は、直鎖、分岐、環状が挙げられ、直鎖または分岐が好ましい。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5が一層好ましい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐、環状が挙げられ、直鎖または分岐が好ましい。アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5が一層好ましい。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基としては、Rで説明した範囲と同様であり、好ましい範囲も同様である。
nは、0〜5の整数を表し、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましく、0〜1が一層好ましい。
式(II)で表される化合物の具体例としては、以下が挙げられる。
Figure 2016047655
本発明において、N−オキシル化合物Bの添加量は、目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物の質量に対して300ppm以上が好ましく、500ppm以上がより好ましく、800ppm以上が一層好ましい。上限は、特に制限はないが、コストの観点から、例えば、5000ppm以下が好ましく、3000ppm以下が一層好ましい。この範囲であれば、液中での(メタ)アクリレート化合物の重合を効率よく防止できる。
次に、上記目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、上記N−オキシル化合物Aと、上記N−オキシル化合物Bとを添加した組成物を、蒸留して目的の(メタ)アクリレート化合物を回収する。
蒸留は、減圧下、常圧下いずれの条件においても実施可能であるが、減圧下で行うことが好ましい。
蒸留条件は、目的の(メタ)アクリレート化合物により異なるが、0.1〜10kPa、80〜220℃の条件で行うことが好ましい。圧力は、0.1〜5kPaがより好ましく、0.1〜1kPaが一層好ましい。温度は、80〜200℃がより好ましく、80〜180℃が一層好ましい。
本発明の方法によれば、蒸留時における(メタ)アクリレート化合物の重合を防止し、かつ、蒸留前に添加した各種N−オキシル化合物等の蒸留物中への混入を低減できる。このため、不純物の含有量が少ない(メタ)アクリレート化合物を生産性よく得ることができる。
本発明に方法によって得られた(メタ)アクリレート化合物は、低粘度であり、例えば、インプリント用光硬化性組成物に用いた際の充填性に優れる。また、蒸留前に添加した各種N−オキシル化合物等の混入が少ないので、インプリント用光硬化性組成物に用いた際の硬化感度に優れる。さらに、Naなどの金属含量が少ないため、半導体リソグラフィー用のインプリント用光硬化性組成物に好適に用いることができる。
また、不純物が少ないことから、歯科用セメントや医療用骨セメント等の医療用材料に好適に用いることができる。
本発明の方法によって得られた(メタ)アクリレート化合物は、純度(HPLC純度)が98%以上であることが好ましい。目的の(メタ)アクリレート化合物以外の成分が含まれていると、粘度が増加する傾向にある。なお、目的の(メタ)アクリレート化合物の純度(HPLC純度)は、後述する実施例に記載の条件で測定した、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるピーク面積比から求めた値である。
本発明の方法によって得られた(メタ)アクリレート化合物は、Na含有量が10ppb以下であることが好ましく、5ppb以下であることがより好ましい。Na含有量は、ICP−MS(誘導結合プラズマ)法で測定した値である。測定装置としては、アジレント・テクノロジー製7500csを用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
(実施例1−1)
ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物である共栄社化学(株)製「ライトアクリレートNP−A」100gに、4−ヒドロキシ−2,2−6,6−テトラメチルピペリジンN−オキシル,フリーラジカル(4−HO−TEMPO、和光純薬工業製)を10mg(100ppm)、4−ベンゾイルオキシ−2,2−6,6−テトラメチルピペリジンN−オキシル,フリーラジカル(4−BzO−TEMPO、和光純薬工業製)を100mg(1000ppm)添加して、0.67kPaで減圧蒸留を行い、精製ネオペンチルグリコールジアクリレートを得た。溜点108℃、収量77g、収率77%であった。
精製ネオペンチルグリコールジアクリレートは、HPLC純度98.6%、4−HO−TEMPO含有量53ppm、4−BzO−TEMPO含有量は定量下限以下(10ppm以下)、Na含有量1ppb以下の透明な液体であった。また、25℃において粘度4.6mPa・sであった。
蒸留塔を確認したところ、固体がガラス壁に付着していなかった。
(実施例1−2)
共栄社化学(株)製「ライトアクリレートNP−A」100gに、ヘプタンを100mL、および4−HO−TEMPOを10mg(100ppm)加え、純水100mLで分液抽出を行った。有機層に、4−HO−TEMPOを10mg(100ppm)、4−BzO−TEMPOを100mg(1000ppm)添加して、減圧濃縮した後、0.67kPaで減圧蒸留を行い、精製ネオペンチルグリコールジアクリレートを得た。溜点109℃、収量74g、収率74%であった。
精製ネオペンチルグリコールジアクリレートは、HPLC純度99.2%、4−HO−TEMPO含有量59ppm、4−BzO−TEMPO含有量は定量下限以下(10ppm以下)、Na含有量1ppb以下の透明な液体であった。また、25℃において粘度4.5mPa・sであった。
蒸留塔を確認したところ、固体がガラス壁に付着していなかった。
(比較例1−1)
共栄社化学(株)製「ライトアクリレートNP−A」は、HPLC純度93.5%であった。また、Na含有量2500ppbで、25℃において粘度5.5mPa・sであった。
(比較例1−2)
共栄社化学(株)製「ライトアクリレートNP−A」100gに、4−HO−TEMPOを10mg(100ppm)添加して、0.67kPaで減圧蒸留を行ったところ、途中でフラスコ内に白濁を生じたため、減圧蒸留を中止した。
(比較例1−3)
共栄社化学(株)製「ライトアクリレートNP−A」100gに、4−HO−TEMPOを500mg(5000ppm)添加して、0.67kPaで減圧蒸留を行ったところ、4−HO−TEMPOが共沸し、溜分が橙色を呈したため、減圧蒸留を中止した。溜分中の4−HO−TEMPOは、3100ppmであった。
(比較例1−4)
共栄社化学(株)製「ライトアクリレートNP−A」100gに、4−BzO−TEMPOを100mg(1000ppm)添加して、0.67kPaで減圧蒸留を行って、精製ネオペンチルグリコールジアクリレートを得た。溜点108℃、収量73g、収率73%であった。
精製ネオペンチルグリコールジアクリレートは、HPLC純度98.3%、Na含有量1ppb以下、4−BzO−TEMPO含有量が定量下限10ppm以下で、わずかに白濁していた。また、25℃において粘度4.7mPa・sであった。
蒸留塔を確認したところ、固体がガラス壁にわずかに付着していた。
(実施例2−1)
未精製の1,4−ブタンジオールジアクリレート(東京化成工業(株))100gに、2,2−6,6−テトラメチルピペリジンN−オキシル,フリーラジカル(TEMPO、和光純薬工業製)を10mg(100ppm)、4−BzO−TEMPOを100mg(1000ppm)添加して、0.67kPaで減圧蒸留を行って、精製1,4−ブタンジオールジアクリレートを得た。溜点110〜112℃、収量89g、収率89%であった。
精製1,4−ブタンジオールジアクリレートは、HPLC純度98.3%、TEMPO含有量93ppm、4−BzO−TEMPO含有量は定量下限以下(10ppm以下)、Na含有量1ppb以下の透明な液体であった。また、25℃において粘度4.1mPa・sであった。
蒸留塔を確認したところ、固体がガラス壁に付着していなかった。
(比較例2−1)
未精製の1,4−ブタンジオールジアクリレート(東京化成工業(株))は、HPLC純度97.4%であった。また、25℃において粘度5.3mPa・sであった。
(実施例3−1)
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート混合物である、新中村化学工業(株)「NKエステルA−HD−N」100gに、4−HO−TEMPOを10mg(100ppm)、4−BzO−TEMPOを100mg(1000ppm)添加して、0.40kPaで減圧蒸留を行って、精製1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを得た。溜点124〜126℃、収量86g、収率86%であった。
精製1,6−ヘキサンジオールジアクリレートは、HPLC純度98.3%、4−HO−TEMPO含有量84ppm、4−BzO−TEMPO含有量は定量下限以下(10ppm以下)、Na含有量1ppb以下の透明な液体であった。また、25℃において粘度5.4mPa・sであった。
蒸留塔を確認したところ、固体がガラス壁に付着していなかった。
(比較例3−1)
新中村化学工業(株)「NKエステルA−HD−N」は、HPLC純度92.9%であった。また、25℃において粘度5.9mPa・sであった。
(実施例4−1)
未精製のジエチレングリコールジアクリレート(Sigma−Aldrich)100gに、4−HO−TEMPOを10mg(100ppm)、4−BzO−TEMPOを100mg(1000ppm)添加して、0.44kPaで減圧蒸留を行って、精製ジエチレングリコールジアクリレートを得た。溜点117〜120℃、収量69g、収率69%であった。
精製ジエチレングリコールジアクリレートは、HPLC純度99.3%、4−HO−TEMPO含有量78ppm、4−BzO−TEMPO含有量は定量下限以下(10ppm以下)、Na含有量1ppb以下の透明な液体であった。また、25℃において粘度6.7mPa・sであった。
蒸留塔を確認したところ、固体がガラス壁に付着していなかった。
(比較例4−1)
未精製のジエチレングリコールジアクリレート(Sigma−Aldrich)は、HPLC純度82.3%であった。また、25℃において粘度8.9mPa・sであった。
(実施例5−1)
ジプロピレングリコールジアクリレート混合物である、新中村化学工業(株)「NKエステルAPG−100」100gに、4−HO−TEMPOを10mg(100ppm)、4−BzO−TEMPOを100mg(1000ppm)添加して、0.31kPaで減圧蒸留を行って、精製ジプロピレングリコールジアクリレートを得た。溜点108〜112℃、収量77g、収率77%であった。
精製ジプロピレングリコールジアクリレートは、4−HO−TEMPO含有量81ppm、4−BzO−TEMPO含有量は定量下限以下(10ppm以下)、Na含有量1ppb以下の透明な液体であった。また、25℃において粘度6.8mPa・sであった。
蒸留塔を確認したところ、固体がガラス壁に付着していなかった。
(比較例5−1)
新中村化学工業(株)「NKエステルAPG−100」は、25℃において粘度8.4mPa・sであった。
(実施例6−1)
未精製の2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(Sigma−Aldrich)100gに、4−HO−TEMPOを10mg(100ppm)、4−BzO−TEMPOを100mg(1000ppm)添加して、0.36kPaで減圧蒸留を行って、精製2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートを得た。溜点128〜133℃、収量65g、収率65%であった。
精製2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートは、HPLC純度98.1%(異性体混合物)、4−HO−TEMPO含有量92ppm、4−BzO−TEMPO含有量は定量下限以下(10ppm以下)、Na含有量1ppb以下の透明な液体であった。また、25℃において粘度36.2mPa・sであった。
蒸留塔を確認したところ、固体がガラス壁に付着していなかった。
(比較例6−2)
未精製の2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(Sigma−Aldrich)は、HPLC純度88.8%(異性体混合物)であった。また、25℃において粘度44.8mPa・sであった。
<(メタ)アクリレート化合物のHPLC純度測定>
試料中における目的の(メタ)アクリレート化合物を、以下の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析した。目的の(メタ)アクリレート化合物のHPLC純度は、最も大きいピーク面積値の、全ピークの面積値の合計に対する割合(面積%)として算出した。
HPLC装置:ウォーターズ社製2695
検出器:ウォーターズ社製2996 フォトダイオードアレイ
検出波長:210nm
カラム:島津GLC製Shim−pack CLC−ODS(15mm×4.6mm)
カラム温度:35℃
移動相:アセトニトリル/水(50/50)
流速:1mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
注入量:10μl
測定時間:40分
<粘度測定>
E型粘度計(東機産業製RE85L)を用い、25±0.2℃において、回転数50rpmにて粘度を測定した。
<Na含有量の測定>
アジレント・テクノロジー製7500csを用い、ICP−MS(誘導結合プラズマ)法で測定した。
<N−オキシル化合物の含有量の測定>
試料中におけるN−オキシル化合物の含有量を、以下の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析した。N−オキシル化合物の含有量は、標品により作成した検量線に基づき算出した。
HPLC装置:ウォーターズ社製2695
検出器:ウォーターズ社製2996 フォトダイオードアレイ
検出波長:240nm
カラム:島津GLC製Shim−pack CLC−ODS(15mm×4.6mm)
カラム温度:35℃
移動相:アセトニトリル/水(50/50)
流速:1mL/分
サンプル濃度:10mg/mL
注入量:10μl
測定時間:40分

Claims (14)

  1. 目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、分子量150以上270未満のN−オキシル化合物Aと、分子量270以上のN−オキシル化合物Bとを添加した後、蒸留を行い、前記目的の(メタ)アクリレート化合物を回収する、(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  2. 前記N−オキシル化合物Aが、下記一般式(I)で表される化合物であり、
    前記N−オキシル化合物Bが、下記一般式(II)で表される化合物である、請求項1に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法;
    Figure 2016047655
    式中、Zは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基または炭素数2〜4のアシルオキシ基を表し、
    Rは、置換基を表し、
    nは、0〜5の整数を表し、nが2以上の場合は、複数のRは同一であってもよく、異なってもよい。
  3. 前記N−オキシル化合物Aの添加量が、前記混合物の質量に対して10〜300ppmであり、
    前記N−オキシル化合物Bの添加量が、前記混合物の質量に対して300ppm以上である、請求項1または2に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  4. 前記蒸留を、0.1〜1.0kPa、80〜180℃の条件で行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  5. 前記混合物として、分液抽出で精製処理したものを用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  6. 前記目的の(メタ)アクリレート化合物は、一分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  7. 前記目的の(メタ)アクリレート化合物は、下式(M1)で表される化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法;
    L−(X) ・・・(M1)
    式中、Lは、X同士を連結する鎖を構成する炭素原子の数が3〜10であるm価の連結基を表し、Xは、(メタ)アクリロイルオキシ基を表し、mは2以上の整数を表す。
  8. 前記式(M1)において、Lは、ヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基、または、ヒドロキシ基を有してもよい炭化水素基と−O−との組み合わせからなる基である、請求項7に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  9. 前記目的の(メタ)アクリレート化合物が、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール−1,3−ジ(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートから選択される1種である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレート化合物の製造方法。
  10. 目的の(メタ)アクリレート化合物を含む混合物に、分子量150以上270未満のN−オキシル化合物Aと、分子量270以上のN−オキシル化合物Bとを添加した後、蒸留を行い、前記目的の(メタ)アクリレート化合物を回収する、(メタ)アクリレート化合物の精製方法。
  11. 前記N−オキシル化合物Aが、下記一般式(I)で表される化合物であり、
    前記N−オキシル化合物Bが、下記一般式(II)で表される化合物である、請求項10に記載の(メタ)アクリレート化合物の精製方法;
    Figure 2016047655
    式中、Zは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜4のアルコキシカルボニル基または炭素数2〜4のアシルオキシ基を表し、
    Rは、置換基を表し、
    nは、0〜5の整数を表し、nが2以上の場合は、複数のRは同一であってもよく、異なってもよい。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法で得られた(メタ)アクリレート化合物、または、請求項10もしくは11に記載の精製方法で得られた(メタ)アクリレート化合物であって、高速液体クロマトグラフィーによるピーク面積比から求めた純度が98%以上である、(メタ)アクリレート化合物。
  13. Na含有量が10ppb以下である、請求項12に記載の(メタ)アクリレート化合物。
  14. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法で得られた(メタ)アクリレート化合物、または、請求項10もしくは11に記載の精製方法で得られた(メタ)アクリレート化合物であって、Na含有量が10ppb以下である、(メタ)アクリレート化合物。
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