JPWO2016047453A1 - 耐熱性チョコレート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、工程上の条件変動に影響されにくい、耐熱性の著しく優れたチョコレート、及びその製造方法を提供することである。本発明は、以下の(a)〜(d)を含有する、糖骨格が形成されたチョコレートである。(a)油脂 28〜44質量%(b)ショ糖 30〜58質量%(c)乳糖 1〜20質量%(d)粉乳 4〜32質量%

Description

本発明は、耐熱性チョコレート及びその製造方法に関する。
チョコレートを食する文化は、冷涼な気候のヨーロッパにおいて発展した。そして現在、それは世界中のあらゆる国及び地域に広がっている。一般的なチョコレートは、カカオ豆に含まれるココアバターのみを油脂分として含み、その耐熱温度は31℃程度である。よって、暑熱環境下では溶けて品質が損なわれる。従って、赤道付近等の暑い地域においては、耐熱性を備えるチョコレート(以下、「耐熱性チョコレート」という)に対するニーズがある。
チョコレートに耐熱性を付与する方法としては、例として、チョコレートに融点の高い油脂を配合する方法や、チョコレートの固形分を高める(油脂分を減らす)方法、チョコレート生地に少量の水を混ぜて砂糖の骨格を形成する方法が挙げられる。融点の高い油脂の配合は、チョコレートの口どけを著しく悪くする。チョコレートの固形分の増加は、チョコレートの口あたりを損なう。チョコレート内部での砂糖骨格の形成は、口どけや口あたりを損なわずに、チョコレートに耐熱性を付与できる。しかしながら、チョコレート生地への少量の水の混合は、粘度の上昇を引き起こし、生産性が低下する。また、チョコレートの耐熱性にバラツキが出やすい。
上記チョコレート生地の粘度上昇を抑制するために、水の替りにグリセロールやソルビトールを混合する方法(例えば、US6488979)、油中水型乳化物を混合する方法(例えば、US6165540)等が知られている。しかしながら、これらの方法によっても依然として粘度上昇は大きく、耐熱性にバラツキが出やすい。優れた耐熱性のチョコレートを得るには、厳密な工程管理と砂糖骨格を安定化させるための長時間の温度調整(キュアリング)が必要であった。
US6488979 US6165540
本発明の目的は、工程上の条件変動に影響されにくい、耐熱性の著しく優れたチョコレート、及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、チョコレート中の油脂、ショ糖、乳糖及び粉乳が所定の含有量であるチョコレートは、強固な糖骨格を形成し易いことを見出し、本発明を完成させた。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
[1]以下の(a)〜(d)を含有する、糖骨格が形成されたチョコレート。
(a)油脂 28〜44質量%
(b)ショ糖 30〜58質量%
(c)乳糖 1〜20質量%
(d)粉乳 4〜32質量%
[2]20℃でn−ヘキサンに浸漬した状態で24時間以上形状を留める、[1]のチョコレート。
[3]以下の条件で測定した、耐荷重応力が100g以上である、[1]または[2]のチョコレート。
(測定条件)
34℃に調温した厚さ7mmのチョコレートを、レオメーターを使用し、テーブル移動速度20mm/min、定深度3.0mm、プランジャー直径3mmの条件で測定
[4]上記粉乳が、脱脂粉乳及び/又は全脂粉乳である、[1]〜[3]のいずれか1項のチョコレート
[5]以下の(a)〜(d)を含有する融液状態にあるチョコレートに、該チョコレート100質量部に対して0.3〜3.0質量%の水を添加分散させた後、冷却固化する工程を含む、糖骨格が形成されたチョコレートの製造方法。
(a)油脂 28〜44質量%
(b)ショ糖 30〜58質量%
(c)乳糖 1〜20質量%
(d)粉乳 4〜32質量%
[6]上記冷却固化工程後、上記チョコレートを保温する保温工程をさらに含む、[5]の糖骨格が形成されたチョコレートの製造方法
本発明によれば、耐熱性の著しく優れたチョコレートが提供される。また、本発明によれば、耐熱性の著しく優れたチョコレートの製造方法が提供される
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<チョコレート>
本発明において「チョコレート」とは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」(全国チョコレート業公正取引協議会)又は法規上の規定等により限定されるものではなく、食用油脂、糖類を主原料とし、必要によりカカオ成分(カカオマス、ココアパウダー等)、乳製品、香料、乳化剤等を加え、チョコレート製造の工程(混合工程、微粒化工程、精練工程、調温工程、成形工程、冷却工程等)の一部又は全部を経て製造されたものを指す。また、本発明におけるチョコレートは、ミルクチョコレートのほか、ホワイトチョコレート、カラーチョコレート等も含む。
本発明のチョコレートは、油脂を28〜44質量%含有する。ここで油脂とは、ココアバター等の油脂のみだけではなく、カカオマス、ココアパウダー、全脂粉乳等のチョコレートの原料中に含まれる油脂も全て合計したものである。例えば、一般的に、カカオマスの油脂(ココアバター)含有量は55質量%(含油率0.55)であり、ココアパウダーの油脂(ココアバター)含有量は11質量%(含油率0.11)であり、全脂粉乳の油脂(乳脂)含有量は25質量%(含油率0.25)であるから、チョコレート中の油脂含量は、各原料のチョコレート中の配合量(質量%)に含油率を掛け合わせたものを合計した値となる。本発明のチョコレートは、作業性や風味の点から油脂含有量は30〜40質量%であることが好ましく、31〜39質量%であることがより好ましく、32〜38質量%であること更に好ましい。
チョコレートは連続相が油脂なので、チョコレートの油脂含有量は、粘度に大きな影響を与える。油脂含有量が多いほど粘度は低く、水の添加によって生じる粘度上昇の影響を軽減できる。しかし、糖の比率が低下して糖骨格構造がもろくなり、得られるチョコレートの耐熱性が低下する可能性がある。他方、油脂分を30質量%以下にすると、チョコレートの粘度が高くなり、水添加による粘度上昇の影響も大きくなる。従って、チョコレート製造時のハンドリング性が低下する可能性がある。ただし、このようなハンドリング性の低下は、減粘作用のある乳化剤(レシチン、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル(PGPR)等)をチョコレートに配合して、粘度を適宜調整することで抑制できる。減粘作用のある乳化剤の含有量は、チョコレート中に0.2〜1質量%であることが好ましく、特に、レシチンとPGPRとを併用することが好ましい。レシチンとPGPRとは、質量比4:6〜8:2で併用することが好ましい。
本発明のチョコレートは、テンパータイプであっても、非テンパータイプであってもどちらでもよい。ココアバターを多く配合する場合は、テンパータイプのチョコレートであることが好ましい。テンパータイプの場合、チョコレートに含まれる油脂に、SOS型トリアシルグリセロール(以下、SOSと略すことがある)が含まれることが好ましい。ここで、SOS型トリアシルグリセロールとは、グリセロール骨格の1,3位に飽和脂肪酸(S)が、2位にオレイン酸(O)が結合したトリアシルグリセロールである。飽和脂肪酸(S)は、炭素数16以上の飽和脂肪酸であることが好ましく、炭素数16〜22の飽和脂肪酸であることがより好ましく、炭素数16〜18の飽和脂肪酸であることが更に好ましい。テンパータイプのチョコレートである場合、チョコレート中に含まれる油脂のSOS含量は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることが更に好ましい。
本発明のチョコレートは、糖類の1つとしてショ糖を30〜58質量%含有する。本発明においてチョコレート中のショ糖は、糖骨格を形成する重要な成分の1つである。ショ糖としては、実質的にショ糖の結晶であるグラニュー糖を粉にした粉糖を使用するのが適当である。本発明のチョコレートのショ糖含有量は、32〜54質量%であることが好ましく、34〜50質量%であることがより好ましい。チョコレートのショ糖含有量が上記範囲程度であると、チョコレート中に糖骨格が形成され易いので好ましい。
本発明のチョコレートは、糖類の1つとして乳糖を1〜20質量%含有する。本発明においてチョコレート中の乳糖は、糖骨格を形成する重要な成分の1つである。乳糖は結晶質であることが好ましく、乳糖の結晶として配合されることが好ましい。市販の乳糖であればほとんどが結晶質である。乳糖の結晶は、α−乳糖であってもβ−乳糖であってもよく、α−乳糖は、無水物でも一水和物であってもよい。本発明のチョコレートの乳糖含有量は、2〜18質量%であることが好ましく、3〜16質量%であることがより好ましく、4〜14質量%であることが更に好ましい。チョコレートの乳糖含有量が上記範囲程度であると、チョコレート中に強固な糖骨格が形成され易いので好ましい。なお、乳糖が結晶質であるかどうかは、粉末X線回折法により確認することができる。すなわち、乳糖が結晶質であると、X線回折装置(X線波長:λ=1.5405Å)によって測定される2θが20°付近に複数の大きなピークと、10.5°(β型結晶)や12.5°(α型結晶一水和物)に回折ピークが観測される。乳糖に占める結晶は60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
本発明のチョコレートは、粉乳を4〜32質量%含有する。本発明に使用する粉乳としては、乳由来の粉末であれば特に制限はなく、例として、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、クリームパウダー、バターミルクパウダーが挙げられる。粉乳は1種または2種以上を選択して使用できるが、特に、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダーが含まれることが好ましく、全脂粉乳、脱脂粉乳が含まれることがより好ましい。本発明のチョコレートに使用される粉乳は、また、上記例示の粉乳のように、スプレードライヤー等の噴霧乾燥により、製造されたものが好ましい。本発明のチョコレートの粉乳含有量は、8〜28質量%であることが好ましく、12〜24質量%であることがより好ましい。チョコレートの粉乳含有量が上記範囲程度であると、チョコレートの風味と保形性が良好であり、好ましい。
本発明のチョコレートは、本発明の特徴を損なわない限り、上記成分(油脂、ショ糖、乳糖及び粉乳)のほかに、通常チョコレートに使用されるカカオマス、ココアパウダー、糖類、乳製品(乳固形類等)、乳化剤、香料、色素等のほか、澱粉類、ガム類、熱凝固性タンパク、いちご粉末や抹茶粉末等の各種粉末類等の、各種食材や各種改質材が含まれていてもよい。
本発明のチョコレートは、強固な糖骨格を形成しているため、耐熱性に著しく優れている。本発明のチョコレートは、例えば、20℃でn−ヘキサンに浸漬しても、好ましくは24時間以上その形状を留める。それは、チョコレートが強固な糖骨格を有し、油脂がその骨格中に閉じ込められていることを示唆する。本発明のチョコレートは、優れた耐熱性(強固な糖骨格)の指標として、より好ましくは20℃でn−ヘキサンに浸漬しても72時間以上その形状を留める。更に好ましくは、120時間以上その形状を留める。なお、ここで形状を留めるとは、n−ヘキサン中で崩れずに半分以上の形が残っている状態をいう。
本発明のチョコレートは、また、レオメーターによる耐荷重応力が100g以上である、強固な糖骨格を形成していることが好ましい。ここで耐荷重応力は、レオメーターを用いて測定する。試料としては、厚さ7mmに成形したチョコレートを、34℃に調温して使用する。レオメーター(例えば、株式会社サン科学製、商品名:CR−500DX)の耐荷重応力は、テーブル移動速度20mm/min、定深度3.0mm、プランジャー直径3mmの条件で測定される。レオメーターによる耐荷重応力は、数値が大きいほど、糖によるネットワーク形成がより強固になされている。本発明のチョコレートは、レオメーターによる耐荷重応力が、150g以上であることがより好ましく、200g以上であることが更に好ましい。レオメーターによる耐荷重応力の上限値は特に規定されないが、より良好な口どけを維持するために、600g以下であることが好ましく、400g以下であることがより好ましい。
<チョコレートの製造方法>
本発明のチョコレートは、常法に従い、油脂、ショ糖、乳糖及び粉乳等の原材料の混合、ロールリファイニング等による微粒化、必要に応じてコンチング処理等を行い製造することができる。コンチング処理を行う場合、コンチング処理における加熱は、チョコレートの風味を損なわないように、40〜60℃で行うことが好ましい。なお、本発明の製造方法において、工程と処理とは、同じ意味として使用している。
本発明のチョコレートの製造方法においては、融液状態にあるチョコレートに、水を添加分散させる工程(水添加工程)を有する。ここで融液状態とは、チョコレート中の油脂が融解された状態を指す。チョコレートが融液状態であるかどうかは、テンパータイプのチョコレートの場合、冷却固化した後の、チョコレートの型抜けを確認することで判断できる。冷却固化されたチョコレートが成形型から型抜けしない場合(具体的には、成形型からのチョコレート生地の離型率が70%未満である場合)、チョコレートが融液状態であると判断する。
[水添加工程]
本発明のチョコレートの製造方法においては、水添加工程における融液状態にあるチョコレートの温度は、ノーテンパータイプのチョコレートの場合、30〜70℃であることが好ましく、35〜60℃であることがより好ましく、35〜50℃であることが更に好ましい。また、テンパータイプのチョコレートの場合は、水添加工程後、後述のシーディング処理する場合は、ノーテンパータイプと同様で良いが、後述のテンパリング処理もしくはシーディング処理の後、水添加工程を採る場合は、24〜42℃であることが好ましく、28〜40℃であることがより好ましく、30〜38℃であることが更に好ましい。
水添加工程において添加される水の量は、通常の含水型耐熱性チョコレートにおいて使用される量でよく、特に限定はされないが、融液状態のチョコレートに対して、0.1〜5.0質量%であってもよい。水の添加量が融液状態のチョコレートに対して0.1質量%以上であると、糖骨格が十分に形成され、耐熱性に優れたチョコレートが得られる。水の添加量が融液状態のチョコレートに対して5.0質量%以下であると、微生物汚染のリスクを抑制できる。水の添加量は、融液状態のチョコレート生地に対して、0.3〜3.0質量%であってもよく、0.5〜2.5質量%であってもよく、0.5〜1.5質量%であってもよい。
また、水の添加後の融液状態のチョコレートは、水の含有量が、0.8〜3.5質量%であることが好ましく、0.9〜2.5質量%であることがより好ましく、1〜1.6質量%であることが更に好ましい。最終状態のチョコレートの水の含有量も同様である。
水添加工程において添加される水は、水のみであってもよいが、水と共に水以外の成分を含む組成物(以下、このような組成物を「含水材」という)であってもよい。水添加工程において添加する水は、添加量が同じであっても、水と共に添加する成分によって、融液状態のチョコレートの粘度上昇速度が変化し得る。具体的には、水のみ、又は、水分含有量の高い含水材(果汁、牛乳等)を添加すると、チョコレートの粘度は急激に上昇しやすい。他方、糖液やタンパク液等の含水材を添加すると、比較的緩やかに粘度が上昇する傾向にある。急激に粘度が上昇すると、水を、融液状態のチョコレート中に十分に分散できない可能性があるため、水添加工程における水は、含水材、特に糖液やタンパク液であることが好ましい。
糖液としては、果糖、ブドウ糖、蔗糖、麦芽糖、オリゴ糖等の糖と水とを含む、還元水飴や果糖ブドウ糖液糖、ソルビトール液等の溶液が挙げられる。タンパク液としては、卵白メレンゲ、濃縮乳、生クリーム等のタンパク質と、水とを含む溶液が挙げられる。糖液やタンパク液に含まれる水分の含有量は、溶液全体に対して10〜90質量%であってもよく、10〜50質量%であってもよい。水添加工程において、水を含水材の形態で添加する場合は、その添加量は、融液状態のチョコレートに対する水の量が上記の範囲となるように添加すればよい。
水添加工程において使用する水や含水材の温度は、特に限定されないが、水や含水材を添加しようとする融液状態のチョコレートの温度と同程度であることが、融液状態のチョコレートの温度を一定に保ち、水や含水材を均一に分散させやすい点で好ましい。水を融液状態のチョコレートに添加した後は、撹拌等により水をチョコレート中に均一に分散させてもよい。
[冷却固化工程]
水添加工程を経た融液状態のチョコレートは、冷却固化してもよく、この工程により、融液状態から固形のチョコレートを効率的に製造できる。
冷却固化の方法は特に限定されないが、モールド成形や食品への被覆といったチョコレート製品の特性に応じて、例えば、冷却トンネル(クーリングトンネル)等での冷風吹付、冷却プレートとの接触等により冷却固化することができる(例えば、「製菓用油脂ハンドブック」(蜂屋巖訳、2010年発行、株式会社幸書房)を参照)。
冷却固化の条件は、融液状態のチョコレートが固化する限り特に限定されないが、0〜20℃(好ましくは0〜10℃)で5〜90分間(好ましくは10〜60分間)行ってもよい。
[保温工程]
本発明のチョコレートの製造方法においては、上記冷却固化後のチョコレートを、さらに「保温処理」する「保温工程」を採ることが好ましい。保温処理は、冷却固化後のチョコレートを、好ましくは24〜36℃、より好ましくは26℃〜34℃、更に好ましくは28〜32℃において、好ましくは1〜240時間、より好ましくは6〜144時間、更に好ましくは12〜96時間保温する処理である。保温処理により、チョコレート中の糖骨格の形成をより強固なものとすることができる。また、保温処理する冷却固化後のチョコレートは、冷却固化後、保温処理前に、好ましくは16〜24℃、より好ましくは18〜22℃において、好ましくは6〜240時間、より好ましくは12〜192時間プレエージング処理されたものであってもよい。
本発明の耐熱性チョコレートは、上記冷却固化工程もしくは保温工程の後、エージング処理をしてもよい。エージング処理は、好ましくは16〜24℃、より好ましくは18〜22℃において、好ましくは6〜240時間、より好ましくは12〜192時間静置する処理である。
本発明のチョコレートは、耐熱性を有するチョコレートではあるが、いわゆる焼成チョコレートとは異なるので、60℃以上(好ましくは、50℃以上)の加熱処理を必要としない。
本発明のチョコレートの製造方法において、本発明のチョコレートがテンパータイプのチョコレートである場合、上記水添加工程の前後のどちらかで、テンパリング処理もしくはシーディング処理を行ってもよい。
上記テンパリング処理は、融液状態にあるチョコレートに安定結晶の結晶核を生じさせる操作である。具体的には、例えば、40〜50℃で融解しているチョコレートを、品温を27〜28℃程度まで下げた後に、再度29〜31℃程度まで加温する操作として知られる。テンパリング処理は、水添加工程の前に行うことが好ましい。
上記シーディング処理は、テンパリング処理の替りに、安定結晶の結晶核として機能するシーディング剤を使用して、融液状態にあるチョコレート中に安定結晶の結晶核を生じさせる処理であり、テンパリング処理と同様に、チョコレート中の油脂をV型の安定結晶として固化させるために行う処理である。
本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、シーディングの効果をより効率良く得るために、チョコレート中に含まれる油脂に、SOSの一部乃至全部として、1,3−ジステアロイル−2−オレオイルグリセロール(StOSt)が含まれることが好ましい。本発明のシーディング前の融液状態のチョコレート中に含まれる油脂のStOSt含量は、24〜70質量%であることが好ましく、26〜70質量%であることがより好ましく、27〜60質量%であることが更に好ましく、30〜55質量%であることが更により好ましい。StOSt含量が上記範囲にあると、チョコレートの口どけを損なうことなく、シーディングの効果をより効率よく得られるので好ましい。チョコレート中のStOSt含量が上記範囲にあると、冷却固化後に得られるチョコレートに十分な耐熱性が付与される(つまり、チョコレートを手に取ったときにベタベタした触感が抑制される)だけではなく、得られるチョコレートの口どけ及びブルーム耐性が良好となり得る。
本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、また、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤が添加される。ここで、Xは炭素数が16〜22である飽和脂肪酸を示し、Oはオレイン酸を示し、XOXはグリセロールの2位にオレイン酸が結合し、1,3位にXが結合したトリアシルグリセロールを示す。XOXは1,3−ジベヘニル−2−オレオイルグリセロール(BOB)やStOStであることが好ましく、StOStであることがより好ましい。なお、XOXの結晶がβ型であるかどうかは、粉末X線回折により確認することができる。
上記シーディング剤は、β型XOX結晶からなるものでもよく、β型XOX結晶のほか、その他の油脂(ヒマワリ油、パームオレイン等)や、固形分(糖類、粉乳等)等を含むものであってもよい。シーディング剤中のβ型XOX結晶は、シーディングの効果が得られやすいという観点から、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。シーディング剤中のβ型XOX結晶量の上限は、特に制限がなく、100質量%以下であることが好ましい。ハンドリング適性やチョコレート生地中の分散性を上げるという観点では、50質量%以下であることが好ましい。
本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、また、融液状態のチョコレートに添加するβ型XOX結晶の量は、チョコレート中の油脂に対して0.1〜15質量%であることが好ましく、0.2〜8質量%であることがより好ましく、0.3〜3質量%あることが更に好ましい。β型XOX結晶の添加量が上記範囲であると、融液状態のチョコレートの温度が高温(例えば、32〜40℃)であっても、さらに、このような高温下でチョコレートを保持しても、安定したシーディングの効果を期待できる。β型XOX結晶を融液状態にあるチョコレートに添加した後は、撹拌等によりβ型XOX結晶をチョコレート生地中に均一に分散させてもよい。なお、シーディング剤の油脂中のXOX含量を、油脂中のβ型XOX結晶含量として取り扱う。
本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、また、融液状態にあるチョコレートの温度は32〜40℃であることが好ましい。チョコレート生地の生地温度を32〜40℃に保持することにより、チョコレートの粘度の増加を抑制できる。融液状態にあるチョコレートの温度は34〜39℃であることが好ましく、35〜39℃であることがより好ましく、37〜39℃であることが最も好ましい。シーディング処理におけるチョコレートの温度が高い場合、β型XOX結晶を少なくとも含むシーディング剤の添加量を増やすことで効率的にシーディング処理を行うことができる。
本発明のチョコレートの製造方法において、シーディング処理を行う場合は、また、シーディング処理及び水添加工程を含むが、その順序はいずれが先であってもよい。また、シーディング剤添加及び水添加工程を同時に行ってもよい(つまり、シーディング剤及び水を融液状態のチョコレートに同時に添加してもよい)。
本発明における製造方法から得られたチョコレートは、上記の各工程を経て、型抜きされたチョコレートをそのまま食することができる。また、本発明におけるチョコレートは、製菓製パン製品(例えば、パン、ケーキ、洋菓子、焼き菓子、ドーナツ、シュー菓子等)に、コーティング、フィリング、又は、チップとして生地へ混ぜ込む等して使用することができ、多彩なチョコレート複合食品(チョコレートを原料の一部に含む食品)を得ることができる。
以下に、実施例を提示することにより、本発明をさらに具体的に説明する。
[チョコレートの原材料]
チョコレートの主原材料として、以下のものを使用した。
・ココアバター(大東カカオ株式会社製、商品名:TCココアバター)
・StOSt油脂(StOSt含量67.3質量%、日清オイリオグループ株式会社社内製)
・HPKS(パーム核ステアリン極度硬化油、マレーシアISF社製)
・カカオマス(大東カカオ株式会社製、商品名:カカオマスQM−P)
・ココアパウダー(大東カカオ株式会社製、商品名:ココアパウダーJA)
・砂糖(株式会社徳倉製、商品名:POWDER SUGAR)
・乳糖(LIPRINO FOODS製、商品名:Lactose)
・全脂粉乳(よつ葉乳業株式会社、商品名:全脂粉乳)
・脱脂粉乳(森永乳業株式会社、商品名:脱脂粉乳)
・レシチン(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:レシチンDX)
・PGPR(ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、太陽化学株式会社製)
[含水材]
含水材として、以下のものを使用した。
・液糖(水分25質量%、昭和産業株式会社製果糖ブドウ糖液糖)
また、各チョコレートの水の含有量は、常圧乾燥法により測定された。
[シーディング剤]
シーディング剤として、以下のものを使用した。
・シーディング剤A(β型StOSt結晶含量33質量%、日清オイリオグループ株式会社社内製)
[ヘキサン浸漬テスト]
チョコレートのヘキサン浸漬テストは以下のように行った。
長間隔16mm、短間隔8mmで60°と120°で交差する菱形のステンレスネット上にチョコレートを載せ、20℃でn−ヘキサン中に浸漬し、48時間後のチョコレートの形状を観察した。形状に応じて以下のように評価した。チョコレートの形状が保持されているほど、糖によるネットワーク(骨格)形成がより強固になされている。

◎:元の形状が完全に残っている
○:崩れてはいるが半分以上形状が残っている
△:残渣が残っている
×:完全に落下している
[耐荷重応力の測定]
チョコレートの耐荷重応力を以下のように測定した。
測定試料としては、34℃に調温された厚さ7mmのチョコレートを使用した。耐荷重応力(単位:g)は、レオメーターCR−500DX(株式会社サン科学製)を使用し、テーブル移動速度20mm/min、定深度3.0mm、プランジャー直径3mmの条件で測定した。耐荷重応力は、数値が大きいほど、糖によるネットワーク(骨格)形成がより強固になされている。
[チョコレートの製造及び評価−1]
(比較例1)
表1の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が37℃の融液状態にあるチョコレートA(油脂含量33.0質量%)を調製した。該チョコレートA中の油脂に対してシーディング剤Aを1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートA中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートAを、20℃で24時間静置(エージング)し、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表2に示した。
(比較例2)
表1の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が37℃の融液状態にあるチョコレートA(油脂含量33.0質量%)を調製した。該チョコレートAに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートA1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き37℃において、シーディング剤AをチョコレートA中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートA中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートAを、20℃で24時間静置(エージング)し、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表2に示した。
(比較例3)
表1の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が34℃の融液状態にあるチョコレートB(油脂含量33.0質量%)を調製した。該チョコレートBに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートB1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き34℃において、シーディング剤AをチョコレートB中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートB中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートBを、20℃で24時間静置(エージング)し、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表2に示した。
(実施例1)
表1の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が37℃の融液状態にあるチョコレートC(油脂含量33.0質量%)を調製した。該チョコレートCに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートC1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き37℃において、シーディング剤AをチョコレートC中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートB中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートCを、20℃で24時間静置(エージング)し、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表2に示した。
Figure 2016047453
Figure 2016047453
[チョコレートの製造及び評価−2]
(比較例4)
表3の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が37℃の融液状態にあるチョコレートD(油脂含量37.0質量%)を調製した。該チョコレートDに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートD1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き37℃において、シーディング剤AをチョコレートD中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートD中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートDを、20℃で48時間静置(プレエージング)した後、28℃で96時間静置(保温工程)した。さらに、20℃で168時間静置(エージング)したものを、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表4に示した。
(実施例2)
表3の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が37℃の融液状態にあるチョコレートE(油脂含量37.0質量%)を調製した。該チョコレートEに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートE1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き37℃において、シーディング剤AをチョコレートE中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートE中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートEを、20℃で48時間静置(プレエージング)した後、28℃で96時間静置(保温工程)した。さらに、20℃で168時間静置(エージング)したものを、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表4に示した。
Figure 2016047453
Figure 2016047453
[チョコレートの製造及び評価−3]
(比較例5)
表5の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が37℃の融液状態にあるチョコレートF(油脂含量35.0質量%)を調製した。該チョコレートFに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートF1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き37℃において、シーディング剤AをチョコレートF中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートF中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートFを、20℃で24時間静置(プレエージング)した後、28℃で96時間静置(保温工程)した。さらに、20℃で168時間静置(エージング)したものを、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表6に示した。
(実施例3)
表5の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が37℃の融液状態にあるチョコレートG(油脂含量35.0質量%)を調製した。該チョコレートGに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートG1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き37℃において、シーディング剤AをチョコレートG中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートG中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートGを、20℃で24時間静置(プレエージング)した後、28℃で96時間静置(保温工程)した。さらに、20℃で168時間静置(エージング)したものを、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表6に示した。
Figure 2016047453
Figure 2016047453
[チョコレートの製造及び評価−4]
(比較例6)
表7の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が40℃の融液状態にあるチョコレートH(油脂含量33.0質量%)を調製した。該チョコレートHに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートH1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートHを、20℃で24時間静置(プレエージング)した後、28℃で24時間静置(保温工程)したものを、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表8に示した。
(実施例4)
表7の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が40℃の融液状態にあるチョコレートI(油脂含量33.0質量%)を調製した。該チョコレートIに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートG1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートIを、20℃で24時間静置(プレエージング)した後、28℃で24時間静置(保温工程)したものを、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表8に示した。
Figure 2016047453
Figure 2016047453
[チョコレートの製造及び評価−5]
(実施例5)
表9の配合に従って、原材料を混合した後、常法に従って、ロールリファイニング、コンチングを行い、温度が37℃の融液状態にあるチョコレートJ(油脂含量33.0質量%)を調製した。該チョコレートJに対して液糖(水分25質量%)を4質量%(水として対チョコレートJ1.0質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、引き続き37℃において、シーディング剤AをチョコレートJ中の油脂に対して1.0質量%(β型StOSt結晶としてチョコレートJ中の油脂に対して0.33質量%)添加し、撹拌分散させた。その後、ポリカーボネート型に充填し、8℃で冷却固化した。型抜きした厚さ7mmのチョコレートを、20℃で24時間静置(エージング)した後、28℃で192時間静置(保温工程)した。さらに、20℃で168時間静置(エージング)したものを、ヘキサン浸漬テストと耐荷重応力の測定に供した。結果を表10に示した。
Figure 2016047453
Figure 2016047453

Claims (6)

  1. 以下の(a)〜(d)を含有する、糖骨格が形成されたチョコレート。
    (a)油脂 28〜44質量%
    (b)ショ糖 30〜58質量%
    (c)乳糖 1〜20質量%
    (d)粉乳 4〜32質量%
  2. 20℃でn−ヘキサンに浸漬した状態で24時間以上形状を留める、請求項1に記載のチョコレート。
  3. 以下の条件で測定した、耐荷重応力が100g以上である、請求項1または2に記載のチョコレート。
    (測定条件)
    34℃に調温した厚さ7mmのチョコレートを、レオメーターを使用し、テーブル移動速度20mm/min、定深度3.0mm、プランジャー直径3mmの条件で測定
  4. 前記粉乳が、脱脂粉乳及び/又は全脂粉乳である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のチョコレート
  5. 以下の(a)〜(d)を含有する融液状態にあるチョコレートに、該チョコレート100質量部に対して0.3〜3.0質量%の水を添加分散させた後、冷却固化する工程を含む、糖骨格が形成されたチョコレートの製造方法。
    (a)油脂 28〜44質量%
    (b)ショ糖 30〜58質量%
    (c)乳糖 1〜20質量%
    (d)粉乳 4〜32質量%
  6. 前記冷却固化工程後、前記チョコレートを保温する保温工程をさらに含む、請求項5に記載の糖骨格が形成されたチョコレートの製造方法
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