JPWO2016043071A1 - 車両用油圧制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、例えば登坂発進やアクセル全開発進等、変速機構のクラッチが発熱するようなシーンでクラッチ冷却を行うためには、機械式オイルポンプに代わって油圧供給を行う電動オイルポンプとは別に、変速機構の冷却/潤滑系へ油圧供給を直接行う第2の電動オイルポンプを設けることが考えられる。
しかしながら、この場合では、油圧供給用と冷却/潤滑用との二つの電動オイルポンプを設けることになり、電動オイルポンプの車載性能が低下したり、コストが増大したりする問題が発生する。
前記機械式オイルポンプは、走行駆動源によって作動されるオイルポンプである。
前記電動オイルポンプは、走行駆動源とは別の電動モータによって作動されるオイルポンプである。
前記ライン圧制御弁は、変速機構用油圧系へ供給するライン圧を調圧する。
前記第1油圧供給油路は、機械式オイルポンプから吐出された作動油を、ライン圧制御弁の入力ポートへ供給する。
前記第2油圧供給油路は、電動オイルポンプから吐出された作動油を、ライン圧制御弁の入力ポートへ供給する。
前記冷却系油路は、電動オイルポンプから吐出された作動油を、変速機構の冷却/潤滑系へ供給する。
前記切替弁は、電動オイルポンプの吐出油路に設けられ、この吐出油路を、第2油圧供給油路と冷却系油路とのいずれか一方に接続する。
そのため、走行駆動源の停止に伴って機械式オイルポンプが停止したことで、変速機構用油圧系への油圧供給要求が発生したときには、切替弁によって電動オイルポンプの吐出油路を第2油圧供給油路に接続する。これにより、電動オイルポンプから吐出された作動油が、ライン圧制御弁によってライン圧に調圧された上で変速機構用油圧系に供給され、変速機構用油圧系の必要油圧を確保することができる。
一方、変速機構の冷却要求が発生したときには、切替弁によって電動オイルポンプの吐出油路を冷却系油路に接続する。これにより、電動オイルポンプから吐出された作動油が変速機構の冷却/潤滑系に直接供給され、この変速機構の冷却/潤滑系を流れる作動油の流量(油量)を増加させ、変速機構の冷却を速やかに行うことができる。
すなわち、この機械式オイルポンプ停止時の変速機構の油圧確保と変速機構の冷却機能を、一つの電動オイルポンプと切替弁によって達成することができる。この結果、機械式オイルポンプ停止時の変速機構の油圧確保と変速機構の冷却機能の両立を図りつつ、車載性の向上やコスト低減を図ることができる。
まず、実施例1の車両用油圧制御装置の構成を、「ハイブリッド車両の全体システム構成」、「油圧制御回路の詳細構成」、「油圧供給→冷却/潤滑切り替え処理構成」、「冷却/潤滑→油圧供給切り替え処理構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたハイブリッド車両(車両の一例)を示す全体システム図である。以下、図1に基づいて、実施例1のハイブリッド車両の全体システム構成を説明する。
この第1クラッチCL1は、油圧アクチュエータにかかる油圧の大きさによって、エンジンEngとモータ/ジェネレータMGとの間を、完全締結/スリップ締結/解放のいずれかの状態に制御する。この第1クラッチCL1は、完全締結状態のとき、モータトルク及びエンジントルクを第2クラッチCL2へと伝達し、解放状態のとき、モータトルクのみを第2クラッチCL2へと伝達する。
なお、第1クラッチCL1の完全締結/スリップ締結/解放の制御は、油圧アクチュエータに対するストローク制御にて行われる。
なお、実施例1の第2クラッチCL2は、遊星ギアによる無段変速機CVTの前後進切替機構に設けられた前進クラッチFCと後退ブレーキRBを流用している。つまり、前進走行時には、前進クラッチFCが第2クラッチCL2とされ、後退走行時には、後退ブレーキRBが第2クラッチCL2とされる。
なお、モータ回転数制御ができる三相交流の永久磁石型同期モータが、サブモータS/Mとして用いられる。
前記「EVモード」は、第1クラッチCL1を解放し、第2クラッチCL2を締結してモータ/ジェネレータMGのみを駆動源に有する電気自動車モードである。
前記「HEVモード」は、第1,第2クラッチCL1,CL2を締結してエンジンEngとモータ/ジェネレータMGを駆動源に有するハイブリッド車モードである。
また、この統合コントローラ10は、機械式オイルポンプO/Pの吐出油量と、電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量と、ライン圧制御弁101と、後述する切替弁106の制御を行う回路制御手段である。すなわち、この統合コントローラ10では、サブモータS/Mを駆動して電動オイルポンプM/O/Pを作動させる際、機械式オイルポンプO/Pの吐出油量(モータ回転数センサ23の検出値から演算)に応じて、電動オイルポンプM/O/Pの回転数制御を行う。また、第2クラッチCL2の温度(クラッチ温度センサ24により検出)や、機械式オイルポンプO/Pの吐出油量に応じて、切替弁106の切替制御を行う。
そして、ライン圧からプライマリプーリPriに供給する油圧と、セカンダリプーリSecに供給する油圧を作り出した際に生じた余剰圧は、第1クラッチCL1や第2クラッチCL2の冷却や潤滑に回される。
そして、ライン圧から第1クラッチCL1に供給される油圧と、第2クラッチCL2に供給される油圧を作り出した際に生じた余剰圧は、第1クラッチCL1や第2クラッチCL2の冷却や潤滑に回される。
図2は、実施例1のハイブリッド車両が有する油圧制御回路を示す油圧回路図である。以下、図2に基づいて、実施例1の油圧制御回路の詳細構成を説明する。
すなわち、実施例1の油圧制御回路100は、図2に示すように、機械式オイルポンプO/Pと、電動オイルポンプM/O/Pと、ライン圧制御弁101と、第1油圧供給油路102と、第2油圧供給油路103と、冷却系油路104と、電動オイルポンプ吐出油路105と、切替弁106と、を有している。
すなわち、このライン圧制御弁101は、入力ポート101aに、第1油圧供給油路102及び第2油圧供給油路103が接続され、出力ポート101bに、変速機構用油圧系Supに繋がるライン圧回路101cが接続されている。そして、このライン圧制御弁101では、統合コントローラ10からの指示値によってスプールを移動させ、第1油圧供給油路102及び/又は第2油圧供給油路103から供給される作動油を図示しないドレン回路に逃がすことで、ライン圧PLを調圧する。
なお、ライン圧回路101cには、圧力調整弁101dが設けられ、ライン圧PLから変速機構用油圧系Supに必要な油圧を差し引いた余剰圧を、変速機構の冷却/潤滑系Lubに逃がすようになっている。
なお、変速機構の冷却/潤滑系Lubにて使用された作動油は、ドレン回路109を介してストレーナ107に回収される。
この電動オイルポンプ吐出油路105には、電動オイルポンプM/O/Pの吐出圧を検出する圧力センサ28と、圧力リーク弁105aが設けられている。そして、圧力センサ28によって監視されている電動オイルポンプM/O/Pの吐出圧が所定の上限圧に達したら、圧力リーク弁105aが開き、電動オイルポンプ吐出油路105内の圧力を逃がすようになっている。
すなわち、この切替弁106は、オン・オフソレノイドによって入力ポート106cの連通先が切り替わる切替バルブであり、切替弁106の入力ポート106cを油圧供給側ポート106aに連通させたとき、電動オイルポンプ吐出油路105が第2油圧供給油路103に接続される。また、切替弁106の入力ポート106cを冷却側ポート106bに連通させたとき、電動オイルポンプ吐出油路105が冷却系油路104に接続される。
図3は、実施例1にて実行される切替弁の油圧供給→冷却/潤滑切り替え処理の流れを示すフローチャートである。以下、図3に基づいて、実施例1の油圧供給→冷却/潤滑切り替え処理構成を説明する。
ここで、「冷却閾値」は、第2クラッチCL2が破損や不具合を生じない上限温度である。第2クラッチCL2の温度がこの冷却閾値を上回れば、第2クラッチCL2に破損等が生じる可能性があるため、変速機構の冷却/潤滑系Lubに流れる作動油の流量を増加させる「冷却要求」が発生する。また、第2クラッチCL2の温度は、クラッチ温度センサ24により検出する。
ここで、第2クラッチCL2をスリップ締結させるには、変速機用調圧弁112aにより第2クラッチCL2(前進クラッチFC又は後退ブレーキRB)に供給されている油圧を低下させる。また、「機械式オイルポンプO/Pの吐出油量を上昇させる」とは、モータ/ジェネレータMGの回転数を、アクセル開度と車速から演算される要求駆動力に応じて決まる回転数以上に上昇させて、機械式オイルポンプO/Pの回転数を上げることである。つまり、このステップS3では、機械式オイルポンプO/Pから吐出される作動油の流量を、要求駆動力に応じて決まる上昇速度以上の速さで上昇させる。なお、第2クラッチCL2がスリップ締結していることで、モータ/ジェネレータMGの回転数を要求駆動力に応じて決まる回転数以上に上げても、左右駆動輪LT,RTに影響は出ない。
ここで、「切替可能油量」とは、ライン圧PLを担保しつつ、無駄な油量による電力消費悪化を防止できる油量である。
ここで、電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量を低下させるには、サブモータS/Mの回転数を低下させて、電動オイルポンプM/O/Pの回転数を下げる。このとき、要求駆動力に応じて決まる低下速度以上の速さであって、機械式オイルポンプO/Pの吐出油量と、電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量の合計油量が、ライン圧PLを確保するために必要な油量を下回らない速度で電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量を低下する。
ここで、「第1閾値」は、ライン圧制御弁101で調圧可能な「調圧可能油量」である。つまり、この「第1閾値」によって、切替弁106を油圧供給側から冷却側へ切り替えた直後のライン圧制御弁101に供給される作動油の油量変化速度が決まり、切替弁106を切り替えたことに伴って生じる変速機構用油圧系Supに供給される油圧(ライン圧PL)のアンダーシュート量(油圧低下量)が決まる。
つまり、図4Bに示すように、ライン圧制御弁101に供給される作動油の油量変化速度(供給油量変化速度)が所定値αを超えると、目標ライン圧と実ライン圧との差に乖離が発生する。しかも、この乖離量は供給油量変化速度が増すほど大きくなる。そして、ライン圧制御弁101に供給される作動油の油量が急減する場合には、実ライン圧が目標ライン圧に対して急減してアンダーシュート量が大きくなり、プーリベルトVが滑って無段変速機CVTに破損が生じることが考えられる。
ここで、電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量を上昇させるには、サブモータS/Mの回転数を上昇させ、電動オイルポンプM/O/Pの回転数を上げる。
図5は、実施例1にて実行される切替弁の冷却/潤滑→油圧供給切り替え処理の流れを示すフローチャートである。以下、図5に基づいて、実施例1の冷却/潤滑→油圧供給切り替え処理構成を説明する。
ここで、油圧供給要求の有無は、機械式オイルポンプO/P吐出される作動油の流量が、この機械式オイルポンプ吐出油量だけでは変速機構用油圧系Supでの必要油量を確保できないと判断される油量(=油圧供給要求油量)に達しているか否かに基づいて判断する。機械式オイルポンプO/Pの吐出油量>油圧供給要求油量であれば、油圧供給要求は発生せず、「油圧供給要求なし」になる。機械式オイルポンプO/Pの吐出油量≦油圧供給要求油量であれば、油圧供給要求が発生して「油圧供給要求あり」になる。
ここで、「第2閾値」は、ライン圧制御弁101で調圧可能な「調圧可能油量」である。つまり、この「第2閾値」によって、切替弁106を冷却側から油圧供給側へ切り替えた直後のライン圧制御弁101に供給される作動油の油量変化速度が決まり、切替弁106を切り替えたことに伴って生じる変速機構用油圧系Supに供給される油圧(ライン圧PL)のオーバーシュート量(油圧上昇量)が決まる。
ここで、電動オイルポンプM/O/Pの停止は、サブモータS/Mの回転数が停止したと判断できる所定値以下になったことで判断する。
図6Aは、切替弁が油圧供給側に切り替えられているときの切替弁の動作と、作動油の流れを示す説明図であり、図6Bは、切替弁が冷却側に切り替えられているときの切替弁の動作と、作動油の流れを示す説明図である。以下、図6A及び図6Bに基づいて、実施例1の電動オイルポンプ流路切り替え作用を説明する。
これにより、機械式オイルポンプO/Pから供給される油圧が、変速機構用油圧系Supにおいて必要な油圧に足りないときには、電動オイルポンプM/O/Pから変速機構用油圧系Supへと作動油を供給することができる。このため、ライン圧PLの低下を防止して、変速機構用油圧系Supでの必要油圧を確保することができる。
これにより、第2クラッチCL2が温度上昇し、速やかなクラッチ冷却が必要なときには、電動オイルポンプM/O/Pから変速機構の冷却/潤滑系Lubへと作動油を直接供給することができる。このため、変速機構の冷却/潤滑系Lubの冷却を速やかに行うことができる。
図7Aは、実施例1の制御装置において、切替弁を油圧供給側から冷却側に切り替える際のアクセル開度・車速・CL2温度(第2クラッチ温度)・冷却フラグ・油圧供給フラグの各特性を示すタイムチャートである。図7Bは、実施例1の制御装置において、切替弁を油圧供給側から冷却側に切り替える際の機械式オイルポンプ回転数・変速機構用油圧系供給油量・電動オイルポンプ吐出油量・機械式オイルポンプ吐出油量・切替弁状態の各特性を示すタイムチャートである。以下、図7A,図7Bに基づき、実施例1の油圧供給→冷却/潤滑切り替え作用を説明する。
これに対し、電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量は、機械式オイルポンプO/Pの吐出油量が増加するにしたがって低下させ、機械式オイルポンプO/Pの吐出油量と、電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量の合計油量である変速機構用油圧系Supへの供給油量が、油圧供給必要油量を維持するように制御する。
そのため、機械式オイルポンプO/Pの吐出油量は急上昇する。これに対し、電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量は、機械式オイルポンプ吐出油量が、要求駆動力に応じて決まる上昇速度で上昇していることを前提とした速度で低下させる。そのため、変速機構用油圧系Supへの供給油量は、油圧供給必要油量よりも増加する。
なお、この時刻t3時点において、機械式オイルポンプO/Pの回転数が油圧供給必要回転数に達したことで、電動オイルポンプM/O/Pから変速機構用油圧系Supへ油圧供給は不要として、油圧供給停止許可が発生して油圧供給フラグがOFFになる。しかしながら、時刻t1時点において、第2クラッチ温度が冷却閾値を上回ったことで冷却要求が発生したため、この時刻t1時点で、すでに油圧供給フラグのON/OFF状態、つまり油圧供給要求や油圧供給停止許可の有無に拘らず、切替弁106を冷却側に切り替える指令が出力されている。すなわち、変速機構用油圧計Supへの油圧供給よりも、変速機構の冷却/潤滑系Lubへの油圧供給の方が優先される。
これにより、電動オイルポンプM/O/Pから吐出された作動油は、冷却系油路104を介して変速機構の冷却/潤滑系Lubに直接供給され、この変速機構の冷却/潤滑系Lubに流れる潤滑油量を増加させ、第2クラッチCL2の冷却が速やかに行うことができる。
このとき、切替弁106の切り替え前に、予め電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量を第1閾値まで低下させているので、切替弁106の切り替えに伴ってライン圧制御弁101に供給される作動油が低下しても、このときの油量変化速度を所定値α以下に抑制することができる。そのため、ライン圧制御弁101におけるオリフィス101hのフィードバック遅れが発生せず、ライン圧制御弁101での適正な調圧を可能にすることができる。これにより、無段変速機CVTの破損につながるライン圧PLのアンダーシュートを防止することができる。
つまり、切替弁106によって、電動オイルポンプ吐出油路105の接続先を冷却系油路104に切り替える切替制御を行うときには、上記合計油量によって油圧供給必要油量を確保すると共に、電動オイルポンプ吐出油量を第1閾値以下になるまで低下させる。
すなわち、実施例1では、合計油量によって油圧供給必要油量を確保しつつ、電動オイルポンプ吐出油量を低下させるため、モータ/ジェネレータMGの回転数を要求駆動力に応じて決まる回転数以上に上昇させる必要がある。しかしこのとき、第2クラッチCL2をスリップ締結することで、左右駆動輪LT,RTへの影響は発生せず、ドライバーにショックや違和感を感じさせることはない。
これにより、変速機構用油圧系Supへの油圧供給よりも、変速機構の冷却/潤滑系Lubへ油圧供給の方を優先することができ、第2クラッチCL2が高温になって破損することを防止できる。
図8Aは、実施例1の制御装置において、切替弁を冷却側から油圧供給側に切り替える際のアクセル開度・車速・CL2温度(第2クラッチ温度)・冷却フラグ・油圧供給フラグの各特性を示すタイムチャートである。図8Bは、実施例1の制御装置において、切替弁を冷却側から油圧供給側に切り替える際の機械式オイルポンプ回転数・変速機構用油圧系供給油量・電動オイルポンプ吐出油量・機械式オイルポンプ吐出油量・切替弁状態の各特性を示すタイムチャートである。以下、図8A,図8Bに基づき、実施例1の冷却/潤滑→油圧供給切り替え作用を説明する。
このような場合では、冷却フラグはONになり、油圧供給フラグがOFFになる。このため、電動オイルポンプM/O/Pが作動されると共に、切替弁106により電動オイルポンプ吐出油路105が冷却系油路104に接続されて、電動オイルポンプM/O/Pから変速機構の冷却/潤滑系Lubへ直接油圧供給が行われる。なお、このときの電動オイルポンプ吐出油量は、冷却に必要な油量に応じて制御される。一方、変速機構用油圧系Supへの油圧供給は、機械式オイルポンプO/Pの吐出油量のみによって賄われる。
この時刻t12時点では、電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量が第2閾値を上回っているので、電動オイルポンプ吐出油量の低下を継続しつつ、変速機構の冷却/潤滑系Lubへの油圧供給が継続される。
これにより、電動オイルポンプM/O/Pから吐出された作動油は、第2油圧供給油路103を流れてライン圧制御弁101に供給され、このライン圧制御弁101を介して変速機構用油圧系Supに供給される油量が増加し、ライン圧PLを確保することができる。
このとき、切替弁106の切り替え前に、予め電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量を第2閾値まで低下させているので、切替弁106の切り替えに伴ってライン圧制御弁101に供給されている作動油が増加しても、このときの油量変化速度を所定値α以下に抑制することができる。そのため、ライン圧制御弁101におけるオリフィス101hのフィードバック遅れが発生せず、ライン圧制御弁101での適正な調圧を可能にすることができる。これにより、無段変速機CVTのレシオが変動してショックを発生するライン圧PLのオーバーシュートを防止することができる。
つまり、切替弁106によって、電動オイルポンプ吐出油路105の接続先を第2油圧供給油路103に切り替える切替制御を行うときは、電動オイルポンプ吐出油量を第2閾値以下になるまで低下させる。
これにより、変速機構用油圧系Supへの油圧供給よりも、変速機構の冷却/潤滑系Lubへ油圧供給の方を確実に優先することができ、第2クラッチCL2が高温になって破損することを防止できる。
これにより、不要なサブモータS/Mの駆動が抑制され、電力消費の悪化を防止することができる。
実施例1の車両用油圧制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記走行駆動源(モータ/ジェネレータMG)とは別の電動モータ(サブモータS/M)によって作動される電動オイルポンプM/O/Pと、
変速機構用油圧系Supへ供給するライン圧PLを調圧するライン圧制御弁101と、
前記機械式オイルポンプO/Pから吐出された作動油を、前記ライン圧制御弁101の入力ポート101aへ供給する第1油圧供給油路102と、
前記電動オイルポンプM/O/Pから吐出された作動油を、前記ライン圧制御弁101の入力ポート101aへ供給する第2油圧供給油路103と、
前記電動オイルポンプM/O/Pから吐出された作動油を、変速機構の冷却/潤滑系Lubへ供給する冷却系油路104と、
前記電動オイルポンプM/O/Pの吐出油路(電動オイルポンプ吐出油路105)に設けられ、該吐出油路(電動オイルポンプ吐出油路105)を、前記第2油圧供給油路103と前記冷却系油路104とのいずれか一方に接続する切替弁106と、
を備える構成とした。
これにより、機械式オイルポンプ停止時の変速機構への油圧供給と変速機構の冷却機能の両立を図りつつ、車載性の向上やコスト低減を図ることができる。
前記回路制御手段(統合コントローラ10)は、前記切替弁106によって、前記吐出油路(電動オイルポンプ吐出油路105)の接続先を前記第2油圧供給油路103から前記冷却系油路104に切り替えるとき、前記機械式オイルポンプO/Pの吐出油量と前記電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量との合計油量により、前記変速機構用油圧系Supでの必要油量(=油圧供給必要油量)を確保すると共に、前記電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量を前記ライン圧制御弁101で調圧可能な調圧可能油量(第1閾値)以下に低下する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、油圧供給→冷却/潤滑切り替え時に、無段変速機CVTの破損につながるライン圧 PLのアンダーシュートを防止することができる。
前記回路制御手段(統合コントローラ10)は、前記吐出油路(電動オイルポンプ吐出油路105)の接続先を切り替える際、前記合計油量により前記変速機構用油圧系Supでの必要油量を確保している間、前記摩擦締結要素(第2クラッチCL2)をスリップ締結する構成とした。
これにより、(2)の効果に加え、機械式オイルポンプO/Pの吐出油量と電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量との合計油量によって油圧供給必要油量を確保しつつ、電動オイルポンプ吐出油量を低下させるときに、ドライバーにショックや違和感を感じさせることを防止できる。
前記回路制御手段(統合コントローラ10)は、前記切替弁106によって、前記吐出油路(電動オイルポンプ吐出油路105)の接続先を前記冷却系油路104から前記第2油圧供給油路103に切り替えるとき、前記電動オイルポンプM/O/Pの吐出油量を、前記ライン圧制御弁101で調圧可能な調圧可能油量(第2閾値)以下に低下する構成とした。
これにより、(1)から(3)のいずれかの効果に加え、冷却/潤滑→油圧供給切り替え時に、無段変速機CVTのレシオが変動してしまうライン圧PLのオーバーシュートを防止することができる。
前記回路制御手段(統合コントローラ10)は、前記電動オイルポンプM/O/Pから前記変速機構の冷却/潤滑系Lubに油圧供給をさせる冷却要求が生じた場合、前記切替弁106によって前記吐出油路(電動オイルポンプ吐出油路105)を前記冷却系油路104に接続する構成とした。
これにより、(1)から(4)のいずれかの効果に加え、変速機構用油圧系Supへの油圧供給よりも、変速機構の冷却/潤滑系Lubへ油圧供給の方を優先させることができ、熱による変速機構の不具合の発生を防止することができる。
これにより、(5)の効果に加え、変速機構用油圧系Supへの油圧供給よりも、変速機構の冷却/潤滑系Lubへ油圧供給の方を確実に優先させることができ、熱による変速機構の不具合の発生を防止することができる。
また、変速機構としては、無段変速機CVTに限らず、有段の自動変速機を含むものであってもよい。
Claims (6)
- 走行駆動源によって作動される機械式オイルポンプと、
前記走行駆動源とは別の電動モータによって作動される電動オイルポンプと、
変速機構用油圧系へ供給するライン圧を調圧するライン圧制御弁と、
前記機械式オイルポンプから吐出された作動油を、前記ライン圧制御弁の入力ポートへ供給する第1油圧供給油路と、
前記電動オイルポンプから吐出された作動油を、前記ライン圧制御弁の入力ポートへ供給する第2油圧供給油路と、
前記電動オイルポンプから吐出された作動油を、変速機構の冷却/潤滑系へ供給する冷却系油路と、
前記電動オイルポンプの吐出油路に設けられ、該吐出油路を、前記第2油圧供給油路と前記冷却系油路とのいずれか一方に接続する切替弁と、
を備えたことを特徴とする車両用油圧制御装置。 - 請求項1に記載された車両用油圧制御装置において、
前記機械式オイルポンプの吐出油量と、前記電動オイルポンプの吐出油量と、前記切替弁と、を制御する回路制御手段を備え、
前記回路制御手段は、前記切替弁によって、前記吐出油路の接続先を前記第2油圧供給油路から前記冷却系油路に切り替えるとき、前記機械式オイルポンプの吐出油量と前記電動オイルポンプの吐出油量との合計油量により、前記変速機構用油圧系での必要油量を確保すると共に、前記電動オイルポンプの吐出油量を、前記ライン圧制御弁で調圧可能な調圧可能油量以下に低下する
ことを特徴とする車両用油圧制御装置。 - 請求項2に記載された車両用油圧制御装置において、
前記走行駆動源と駆動輪との間に、スリップ締結可能な摩擦締結要素を配置し、
前記回路制御手段は、前記吐出油路の接続先を切り替える際、前記合計油量により前記変速機構用油圧系での必要油量を確保している間、前記摩擦締結要素をスリップ締結する
ことを特徴とする車両用油圧制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載された車両用油圧制御装置において、
前記機械式オイルポンプの吐出油量と、前記電動オイルポンプの吐出油量と、前記切替弁と、を制御する回路制御手段を備え、
前記回路制御手段は、前記切替弁によって、前記吐出油路の接続先を前記冷却系油路から前記第2油圧供給油路に切り替えるとき、前記電動オイルポンプの吐出油量を、前記ライン圧制御弁で調圧可能な調圧可能油量以下に低下する
ことを特徴とする車両用油圧制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載された車両用油圧制御装置において、
前記機械式オイルポンプの吐出油量と、前記電動オイルポンプの吐出油量と、前記切替弁と、を制御する回路制御手段を備え、
前記回路制御手段は、前記電動オイルポンプから前記変速機構の冷却/潤滑系に油圧供給をさせる冷却要求が生じた場合、前記切替弁によって前記吐出油路を前記冷却系油路に接続する
ことを特徴とする車両用油圧制御装置。 - 請求項5に記載された車両用油圧制御装置において、
前記回路制御手段は、前記電動オイルポンプから前記変速機構用油圧系へ油圧供給をさせる油圧供給要求が生じ、且つ、前記冷却要求が発生していない場合、前記切替弁によって前記吐出回路を前記第2油圧供給油路に接続する
ことを特徴とする車両用油圧制御装置。
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