JPWO2016031483A1 - タッチセンサフィルムの製造方法、タッチセンサフィルムおよびタッチパネル - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、メッシュパターンの透過率画像データ及び画素配列パターンの透過率画像データの両2次元フーリエスペクトルのピーク周波数及びピーク強度からそれぞれ算出されるモアレの周波数情報及び強度情報に人間の視覚応答特性を作用させて得られたモアレの周波数及び強度に対し、モアレの周波数が視覚応答特性に応じて定まる所定の周波数範囲に入るモアレの強度の和が所定値以下であるメッシュパターンに対して不規則性を付与したタッチセンサフィルムが開示されている。
タッチパネルを薄く形成するためにタッチセンサフィルムの支持体厚みを薄くすると、これに応じて支持体の剛性が低下して支持体の熱収縮率が悪化(熱収縮率の絶対値が増大)する。このため、厚みが薄い支持体を用いる場合には、支持体を高い温度でアニール処理する、いわゆる収縮化処理を施すことにより、支持体を低熱収縮化することが検討されている(特許文献2参照)。低熱収縮化していない支持体でタッチセンサフィルムを形成した場合、温度または湿度による支持体の寸法変形が顕著に起こるため、高精度な寸法設計で作成されたメッシュ電極パターンの寸法が変わりやすい。本発明者らは、収縮化処理を長尺な状態の支持体を複数のパスローラを用いてロール搬送しつつ施す場合には、図12に示すように、支持体31上に機械流れ方向(MD方向;Machine Direction)に延びる複数のスジ状のシワWが形成されてしまうという新たな課題を見出した。この支持体31に生じたスジ状のシワWは、パスローラに接触して冷やされることで固定されて、支持体31にトタン板に似た形状の塑性変形を生じてしまう。
また、1本目のパスローラと2本目のパスローラとの間隔は、30cm以内であることが好ましく、20cm以内であることがより好ましい。
また、アニール処理は、動的ガラス転移温度から10℃を引いた温度以上の温度で行うことが好ましく、動的ガラス転移温度に25℃を加えた温度以下の温度で行うことがより好ましい。
また、支持体の厚さは、50μm未満であることが好ましい。
また、支持体の厚さは、50μm未満であることが好ましい。
この発明に係るタッチセンサフィルムの製造方法は、厚さ80μm未満の長尺の透明な支持体を複数のパスローラを用いてロール搬送し、支持体の動的ガラス転移温度に35℃を加えた温度以下の温度で支持体にアニール処理を施し、アニール処理が施された支持体の表面上に金属細線からなるメッシュパターンを形成するものである。
(支持体の製造方法)
図1に、タッチセンサフィルムの製造方法の一例を示す。
まず、厚さ80μm未満の長尺な透明の支持体1が、所定の間隔を空けて配置された送り出しローラ2と巻き取りローラ3にロール状に巻かれた状態で取り付けられる。この送り出しローラ2と巻き取りローラ3の間には、3つのパスローラ4,5および6が配置されると共に支持体1にアニール処理を施すための加熱器7が配置されており、支持体1は、送り出しローラ2から加熱器7を介して巻き取りローラ3に向かうようにパスローラ4,5および6により搬送される。
なお、支持体1は、80μm未満の厚みにすると下記に示すアニール処理においてスジ状のシワWが発生しやすく、50μm以下の厚みにするとスジ状のシワWがより発生しやすく、38μm以下の厚みにするとスジ状のシワWがさらに発生しやすいものである。
なお、支持体1の厚みの下限値は、表面上に金属細線からなるメッシュパターンを形成することができ、複数のパスローラを用いてロール搬送できれば、特に制限的ではなく、支持体の強度などに応じて適宜設定すればよい。
このように、支持体1にアニール処理を施すことにより支持体1が低熱収縮化され、厚さ80μm未満の支持体1を所定の熱収縮率に抑えることができる。
ところで、一般的には、PET等の支持体1では、静的ガラス転移温度を超えるあたりから熱収縮が起きるようになるが、動的ガラス転移温度より低い温度では、熱収縮の速度が遅く、所定の熱収縮率までに熱収縮を起こさせるためにはアニール時間を伸ばす必要がある。このため、低めの温度でアニールを行う場合、アニール処理速度の低下が顕著となるので、生産効率的には好ましくない。このため、アニール処理を動的ガラス転移温度より10℃低い温度(動的ガラス転移温度−10℃)以上で行うのが好ましい。
すなわち、動的ガラス転移温度を超えるあたりから熱収縮の速度が上がるので、アニール処理温度の範囲は、動的ガラス転移温度−10℃から動的ガラス転移温度+35℃までの温度範囲であることが好ましい。
ここで、アニール処理温度は、支持体1の動的ガラス転移温度に25℃を加えた温度以下に設定することがより好ましく、支持体1の動的ガラス転移温度に15℃を加えた温度以下に設定することがさらに好ましい。
また、アニール処理を施すことにより、MD方向の熱収縮率の絶対値が0.6%以内で且つMD方向に直行する横方向(TD方向;Transverse Direction)の熱収縮率の絶対値が0.2%以内である支持体1を得ることができる。ここで、支持体1の熱収縮率は、後述する熱収縮率の評価方法により算出したものである。
この時、支持体1にアニール処理を施した後、1本目のパスローラ5に至るまでは、支持体1が支持体1の静的ガラス転移温度以上で且つ動的ガラス転移温度未満の温度で搬送され、1本目のパスローラ5から2本目のパスローラ6に至る間に支持体1が静的ガラス転移温度未満に降温されることが好ましい。
また、パスローラ5の温度が支持体1の静的ガラス転移温度以下であると、区間L1の温度を上記のとおり制御していても支持体1がパスローラ5に接触した時にスジ状のシワWが固定されるため、パスローラ5の温度は、支持体1の静的ガラス転移温度以上で且つ動的ガラス転移温度未満に保つことが好ましい。このように、温度調節されたパスローラ5により、支持体1に生じたスジ状のシワWは順次引き伸ばされて、シワWが除かれた平滑な支持体1を形成することができる。
ここで、パスローラ5とパスローラ6との間隔を20cm以内とすることがより好ましく、これにより支持体1に生じるスジ状のシワWをより抑制することができる。
続いて、巻き取りローラ3により巻き取られた後、または、巻き取りローラ3に向かって搬送される途中において、図2に示すように、支持体1の表面上に複数の金属細線8aが形成されると共に支持体1の裏面上に複数の金属細線8bが形成される。これにより、支持体1の表面上および裏面上には、図3に示すように、金属細線8aおよび8bからなるメッシュパターンが形成される。
このようにして、図4に示すように、支持体1の表面上には、金属細線8aからなる複数の第1のメッシュ電極9が形成され、支持体1の裏面上には、金属細線8bからなる複数の第2のメッシュ電極10が形成される。ここで、第1のメッシュ電極9は、フィルム形成領域A内に、それぞれTD方向に沿って延び且つMD方向に並列配置するように形成され、第2のメッシュ電極10は、フィルム形成領域A内に、それぞれMD方向に沿って延び且つTD方向に並列配置するように形成される。
例えば、第1のメッシュ電極9と第2のメッシュ電極10は、感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層を有する感光材料を支持体1の表面および裏面にそれぞれ塗布し、この支持体1に塗布された感光材料を露光して現像処理を施すことによって形成することができる。また、支持体1の表面および裏面に金属箔を形成し、各金属箔上にレジストをパターン状に印刷または全面塗布し、このレジストを露光して現像することでパターン化すると共にパターン化により形成された開口部の金属をエッチングすることにより第1のメッシュ電極9と第2のメッシュ電極10をそれぞれ形成することもできる。さらに、第1のメッシュ電極9と第2のメッシュ電極10は、電極材料の微粒子を含むペーストを印刷してペーストに金属めっきを施す方法、および電極材料の微粒子を含むインクを用いたインクジェット法を用いる方法などにより形成することもできる。
また、金属細線8aおよび8bは、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、金(Au)、銀(Ag)および銅(Cu)などの材料から構成することができる。また、金属細線8aおよび8bは、曲げ耐性を向上させるために、バインダ成分を含むことが好ましい。バインダ成分としては、例えば、特開2013−149236号公報に記載されているものを用いることができる。
同様に、支持体1の裏面上には、フィルム形成領域A内に、第2のメッシュ電極10の両端に形成された第2のコネクタ部12の一方に対応する第2の外部接続端子15が形成され、一方の第2のコネクタ部12とこれに対応する第2の外部接続端子15とを接続する第2の周辺配線16が形成される。
この発明に係るタッチセンサフィルムは、厚さ80μm未満の透明な支持体と、支持体の表面上に配置され、金属細線からなるメッシュパターンを有するメッシュ電極とを備え、支持体は、MD方向の熱収縮率の絶対値が0.6%以内で且つTD方向の熱収縮率の絶対値が0.2%以内であると共に、表面凹凸形状の10点平均粗さが6.1μm以下である。
図7に、タッチフィルムセンサの一例を示す。このタッチフィルムセンサは、上記のタッチセンサフィルムの製造方法により得られたもので、矩形状の可撓性を有する透明な支持体1を有し、上述したように、支持体1の表面上に第1のメッシュ電極9、第1のコネクタ部11、第1の外部接続端子13および第1の周辺配線14が配置されると共に、支持体1の裏面上に第2のメッシュ電極10、第2のコネクタ部12、第2の外部接続端子15および第2の周辺配線16が配置されている。
このように、支持体1のMD方向の熱収縮率の絶対値を0.6%以内で且つTD方向の熱収縮率の絶対値を0.2%以内とすると共に表面凹凸形状の10点平均粗さ(Rz)を6.1μm以下とすることにより、支持体1に複数のスジ状のシワWが生じることを抑制することができる。これにより、タッチセンサフィルムにおけるメッシュ電極の位置ずれを抑制し、モアレの発生を防ぐことができる。
なお、支持体1は、表面凹凸形状の10点平均粗さ(Rz)が4.5μm以下であることが好ましい。
次に、この発明に係るタッチパネルについて詳細に説明する。
このタッチパネルは、上述したタッチセンサフィルムを有するもので、例えば、図8に示すように、保護層17aおよび17bが形成されたタッチセンサフィルム21と、タッチセンサフィルム21の第1のメッシュ電極9および第2のメッシュ電極10に第1の外部接続端子13および第2の外部接続端子15を介して接続された検出部22とから構成することができ、タッチセンサフィルム21の裏面側に表示装置Lを取り付けて用いられる。
なお、表示装置Lは、カラー画像およびモノクロ画像などを表示するためのもので、例えば、液晶ディスプレイなどから構成される。この表示装置Lにタッチセンサフィルム21は張られた状態で取り付けられるため、タッチセンサフィルム21の支持体1に複数のスジ状のシワWが生じていると、第1のメッシュ電極9および第2のメッシュ電極10に位置ずれが生じる。本発明のタッチセンサフィルム21では、支持体1の表面凹凸形状の10点平均粗さ(Rz)が6.1μm以下となるように形成されており、支持体1に生じる複数のスジ状のシワWが抑制されている。このため、第1のメッシュ電極9および第2のメッシュ電極10の位置ずれが抑制され、タッチパネルにおけるモアレの発生を防ぐことができる。
<支持体のアニール処理>
支持体には、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなり且つ動的ガラス転移温度が115℃である75μmの厚みの長尺なシート(コスモシャインA4300、東洋紡株式会社製)を用いた。支持体は、図1に示すように、送り出しローラ2、乾燥炉前のパスローラ4、乾燥炉(加熱器)7、乾燥炉後の第1のパスローラ5、乾燥炉後の第2のパスローラ6とを順次配置した搬送装置により搬送しつつアニール処理を施した。
より詳細には、支持体を速度60m/minで搬送しつつ、150℃に設定された全長16mのアニール処理室Nを有する乾燥炉7において支持体に10秒〜30秒のアニール処理を施した。この時、パスローラ4とパスローラ5の間の区間において、支持体は40N/mのテンションで搬送した。続いて、支持体は、パスローラ5および6により、室温に保たれた区間L1およびL2を搬送された。この時、パスローラ5に支持体が到達する直前(すなわち区間L1)に支持体の温度を測定して、その温度が支持体の静的ガラス転移温度の75℃を下回っていることを確認した。なお、パスローラ5および6は、温度制御されることなく、区間L1の距離が1mで且つ区間L2の距離が50cmとなるように設置されている。
このようにして、支持体にアニール処理を施した後、その両面をコロナ放電処理により表面親水化処理した。なお、図1は、支持体にアニール処理を施すにあたって必要最小限の機能部位を図示したものであり、実際には塗工機能などの他の機能を有する機能部位および他のパスローラなどを組み込むことができる。また、後述する実施例2〜28において、パスローラ4からパスローラ5の間で支持体にかかるテンションと、搬送速度については、アニール処理後の支持体面状が最もよい条件に適時調整を行った。
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液および3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記の4液および5液を8分間にわたって加え、さらに、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
水 750ml
ゼラチン 9g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 8ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 10ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
上記乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAgを添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整して、感光性層形成用組成物を得た。
アニール処理を施した支持体の両面に、下塗層として厚み0.1μmのゼラチン層、さらに下塗層上に光学濃度が約1.0で現像液のアルカリにより脱色する染料を含むアンチハレーション層を設けた。上記アンチハレーション層の上に、上記感光性層形成用組成物を塗布し、さらに厚み0.15μmのゼラチン層を設け、両面に感光性層が形成された支持体を得た。両面に感光性層が形成された支持体をフィルムAとする。形成された感光性層は、銀量6.0g/m2、ゼラチン量1.0g/m2であった。
上記フィルムAの両面に、上述の図4の電極パターンに対応するフォトマスクを介し、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光を行った。露光後、下記の現像液で現像し、さらに定着液(商品名:CN16X用N3X−R、富士フィルム社製)を用いて現像処理を行った。さらに、純水でリンスし、乾燥することで、両面にAg細線からなる電極パターンとゼラチン層とが形成された支持体を得た。ゼラチン層はAg細線間に形成されていた。得られたフィルムをフィルムBとする。
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
上記フィルムBに対して、120℃の過熱蒸気槽に130秒間静置して、加熱処理を行った。加熱処理後のフィルムをフィルムCとする。
フィルムCに対して、タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼAL−15FG)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%、液温:40℃)に120秒浸漬した。フィルムCを水溶液から取り出し、温水(液温:50℃)に120秒間浸漬し、洗浄した。ゼラチン分解処理後のフィルムをフィルムDとする。このフィルムDがタッチセンサフィルムである。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を130℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
50μmの厚みの支持体を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例4と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を130℃とした以外は、実施例4と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
38μmの厚みの支持体を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例7と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を130℃とした以外は、実施例7と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
25μmの厚みの支持体を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例10と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を130℃とした以外は、実施例10と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体として用いたポリエチレンテレフタレート(PET)からなり且つ動的ガラス転移温度が115℃である75μmの厚みの長尺なシート(コスモシャインA4300、東洋紡株式会社製)の示差走査熱量測定(DSC)と動的粘弾性測定(DMA)を下記に示す方法で行ったところ、静的ガラス転移温度が75℃で動的ガラス転移温度が115℃であった。そこで、支持体のアニール処理工程において、乾燥炉7を通過した後、1本目のパスローラ5に至るまでは支持体を静的ガラス転移温度(75℃)以上で且つ動的ガラス転移温度(115℃)未満の温度で搬送し、1本目のパスローラ5から2本目のパスローラ6に至る間に支持体の温度を静的ガラス転移温度(75℃)未満に降温させた以外は、実施例1と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。上記の条件によるアニール処理を実施するに当たり、区間L1、区間L2に温調環境を整え、上記の温度履歴とる制御を実施した。
50μmの厚みの支持体を用いた以外は、実施例13と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
38μmの厚みの支持体を用いた以外は、実施例13と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
25μmの厚みの支持体を用いた以外は、実施例13と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例13と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例14と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例15と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例16と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、搬送装置のパスローラ5とパスローラ6との間隔を20cmとした以外は、実施例13と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作成した。
50μmの厚みの支持体を用いた以外は、実施例21と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
38μmの厚みの支持体を用いた以外は、実施例21と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
25μmの厚みの支持体を用いた以外は、実施例21と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例21と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例22と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例23と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を140℃とした以外は、実施例24と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を170℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を160℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を170℃とした以外は、実施例4と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を160℃とした以外は、実施例4と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を170℃とした以外は、実施例7と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を160℃とした以外は、実施例7と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を170℃とした以外は、実施例10と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
支持体のアニール処理において、乾燥炉の温度を160℃とした以外は、実施例10と同様の方法により、タッチセンサフィルムを作製した。
(表面凹凸形状の測定)
タッチセンサフィルムを20cm角に裁断して、平滑な測定台の上にシワが生じないように平置きした。この時、タッチセンサフィルムは、縁部などを固定せずに測定台の上に平置きする。続いて、タッチセンサフィルムの中央を中心とした10cm角の範囲を走査型レーザー変位計(三谷商事株式会社製、NAZCA−3D)で高さ測定することにより、タッチセンサフィルムの表面凹凸形状を定量化する。ここで、走査型レーザー変位計の測定条件は、互いに直交するX軸とY軸の2方向に走査方向を設定し、レーザー光の直径が0.07mmで且つ測定ピッチを1mmとした。また、タッチセンサフィルムに生じたMD方向に延びる複数のスジ状のシワに沿う方向にX軸方向を設定すると共に複数のスジ状のシワに直交する方向にY軸を設定した。
Rz=|Hyp1+Hyp2+Hyp3+Hyp4+Hyp5|/5+|Hyv1+Hyv2+Hyv3+Hyv4+Hyv5|/5 ・・・(3)
ここで、図11のシワWの高さHy(Y)を所定の基準範囲について平均したシワWの高さの平均値Vを算出し、この基準範囲に含まれるシワの高さHy(Y)のうち、最も高い値から5番目に高い値をHyp1〜Hyp5で示し、最も低い値から5番目に低い値をHyv1〜Hyv5で示している。
この結果を下記第1表および第2表に示す。
タッチセンサフィルムを150℃のドライオーブン内に平置き状態で30分間の加熱処理を行い、ドライオーブンから取り出して室温に1分間放置した後、23℃の温度で55%の湿度に調節された環境で1時間載置することによりタッチセンサフィルムを調湿した後、加熱処理前後の寸法比較により熱収縮率を測定した。具体的には、支持体の機械流れ方向(MD方向)および横方向(TD方向)に対して、それぞれの熱収縮率を測定した。ここで、タッチセンサフィルムの熱収縮率は低いほど剛性が高いことを示し、実用上MD方向の熱収縮率の絶対値が0.6%以下、TD方向の熱収縮率の絶対値が0.2%以下であることが求められる。なお、寸法測定は、ピンゲージ法により行った。
この結果を下記第1表および第2表に示す。
液晶ディスプレイ(LCD)上に光学用透明接着剤(OCA)を介して評価対象であるタッチセンサフィルムを貼合してタッチパネルを作製し、周辺の光環境を暗くすると共にLCDを白色表示した状態でディスプレイをさまざまな角度から観察することでモアレの視認性を評価する。LCDの画素パターンに対し最適にパターン設計したメッシュパターンからなるタッチセンサフィルムを貼合した場合、ほとんどモアレが視認できない場合の評価点数を5点、極わずかに視認される場合を4点、視認しやすい場合を3点、容易に視認できる場合を2点、即時に視認できる場合を1点とし、10人の観察者の評価結果を平均した点数を、それぞれのタッチセンサフィルムのモアレ視認性の評価点数とした。すなわち、評価点数が4点以上であれば、実用上モアレが問題にならないと評価される。
この結果を下記第1表および第2表に示す。
Claims (11)
- 厚さ80μm未満の長尺の透明な支持体を複数のパスローラを用いてロール搬送し、
前記支持体の動的ガラス転移温度に35℃を加えた温度以下の温度で前記支持体にアニール処理を施し、
前記アニール処理が施された前記支持体の表面上に金属細線からなるメッシュパターンを形成することを特徴とするタッチセンサフィルムの製造方法。 - 前記支持体に前記アニール処理を施した後、1本目のパスローラに至るまでは、前記支持体が前記支持体の静的ガラス転移温度以上で且つ動的ガラス転移温度未満の温度で搬送され、
前記1本目のパスローラから2本目のパスローラに至る間に前記支持体を静的ガラス転移温度未満に降温する請求項1に記載のタッチセンサフィルムの製造方法。 - 前記1本目のパスローラと前記2本目のパスローラとの間隔は、30cm以内である請求項2に記載のタッチセンサフィルムの製造方法。
- 前記1本目のパスローラと前記2本目のパスローラとの間隔は、20cm以内である請求項3に記載のタッチセンサフィルムの製造方法。
- 前記アニール処理は、前記動的ガラス転移温度から10℃を引いた温度以上の温度で行う請求項1〜4のいずれか1項に記載のタッチセンサフィルムの製造方法。
- 前記アニール処理は、前記動的ガラス転移温度に25℃を加えた温度以下の温度で行う請求項1〜5のいずれか1項に記載のタッチセンサフィルムの製造方法。
- 前記支持体の厚さは、50μm未満である請求項1〜6のいずれか1項に記載のタッチセンサフィルムの製造方法。
- 厚さ80μm未満の透明な支持体と、
前記支持体の表面上に配置され、金属細線からなるメッシュパターンを有するメッシュ電極と、を備え、
前記メッシュ電極を設けた支持体が、機械流れ方向の熱収縮率の絶対値が0.6%以内で且つ前記機械流れ方向に直交する横方向の熱収縮率の絶対値が0.2%以内であると共に、表面凹凸形状の10点平均粗さが6.1μm以下であることを特徴とするタッチセンサフィルム。 - 表面凹凸形状の10点平均粗さが4.5μm以下である請求項8に記載のタッチセンサフィルム。
- 前記支持体の厚さは、50μm未満である請求項8または9に記載のタッチセンサフィルム。
- 請求項8〜10のいずれか1項に記載のタッチセンサフィルムを有することを特徴とするタッチパネル。
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