JPWO2016006212A1 - 積層体 - Google Patents

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Abstract

基材がどのような形状、材質であっても、緻密な有機単分子膜を形成することができる下地膜を提供し、以って十分な撥水性能の表面層を有する積層体を提供することを課題とする。基材上に、第1層、第2層の順に形成された積層体において、第1層が、(a)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物、(b)ポリアミン類、並びに(c)炭素数1〜5のアルコール、25℃におけるpKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸、及びパーフルオロアルキル基若しくはパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコールから選ばれる少なくとも1種を含有する固形分濃度が、0.01〜3.0質量%の薄膜形成用組成物を基材上に塗布して得られる薄膜であり、第2層が、金属系界面活性剤の加水分解縮合物を含む有機単分子膜である。

Description

本発明は、基材上に複数層を設けた積層体に関し、特に、基材上の最表面に自己組織化単分子膜等の緻密な薄膜を設けるための最適な下地膜を有する積層体に関する。
本願は、2014年 7月11日に出願された日本国特許出願第2014−143337号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
グラビア印刷やグラビアオフセット印刷において、印刷品位を左右する重要な要因は、それぞれの界面でのインクの転移性であり、たとえば、グラビアオフセット印刷では版胴/ブランケット間、及びブランケット/被印刷基材間における、インクの受け渡しが良好に行われなければ、高品位の印刷物を得ることができない。そのため界面でのインクの転移性を改善するための方法の一つとして、版胴等の表面に撥水性を付与する試みがなされている。
従来より、金属、セラミック、ガラス、プラスチック、繊維、紙、木材等の表面を撥水撥油化させる方法として、1)下記a)、b)及びc)を、水酸基含有溶液中の(A)と(B)の合計量が0.1重量%〜80重量%となるように混合し、加水分解を行って水酸基含有化合物を生成させた水酸基含有溶液を調製する工程、
a) 有機溶媒中、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(A)と金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)を含有する有機薄膜形成用補助剤、
b)少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(B)、
c)水
2)上記1)の工程で得られた水酸基含有溶液と有機溶媒を混合して有機薄膜形成用溶液を調製する工程、及び
3)上記2)の工程で得られた有機薄膜形成用溶液を基材と接触させる工程
を含む有機薄膜形成方法が知られている(特許文献1を参照)。
WO2008/059840パンフレット
上記特許文献1に記載の方法を用いることで、版胴等に、撥水性を有する自己組織化単分子膜を直接形成することができるが、その性能は必ずしも満足のいくものではなかった。
上記事情に鑑み、本発明は、基材がどのような形状、材質であっても、緻密な自己組織化単分子膜を形成することができる下地膜を提供し、以って十分な撥液性能の表面層を有する積層体を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、エポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物とポリアミン類を含む組成物の希薄溶液を用いて下地層とすることで、基材に直接処理することにより得られる有機単分子膜よりも、さらに性能が優れる有機単分子膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)基材上に、第1層、第2層の順に形成された積層体において、第1層が、
(a)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物、
(b)ポリアミン類、並びに
(c)炭素数1〜5のアルコール、25℃におけるpKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸、及びパーフルオロアルキル基若しくはパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコールから選ばれる少なくとも1種を含有する固形分濃度が、0.01〜3.0質量%の薄膜形成用組成物を基材上に塗布して得られる薄膜であり、
第2層が、金属系界面活性剤の加水分解縮合物を含む有機単分子膜である積層体、
(2)固形分濃度が、0.05〜0.5質量%である(1)の積層体、
(3)基材が、表面が凹部を有する基材である(1)の積層体に関する。
本発明の構成の積層体とすることにより、基材の形状、材質に関係なく基材最表面に緻密な有機単分子膜を形成でき、十分な機能性を付与することができる。
(1)基材
本発明に用いられる基材として、表面に活性水素を有する基材が好ましく、具体的にはアルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル等の金属;セラミックス;ガラス;プラスチック;紙;天然繊維又は合成繊維;皮革;その他親水性の物質等からなる基材が挙げられる。
表面に活性水素を有さない材質からなる基材の場合には、予め基材の表面を、酸素を含むプラズマ雰囲気中で処理したり、コロナ処理して親水性基を導入したりすることができる。親水性基としては、水酸基が好ましいが、カルボキシル基、ホルミル基、イミノ基、アミノ基等の官能基等でも良い。
また、表面に活性水素を有さない基材の場合、その基材の表面に、予めテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、及びCl−(SiClO)c−SiCl(式中、cは0又は自然数を表す。)から選ばれる少なくとも一つの化合物を接触させた後、脱塩化水素反応させることにより、表面に活性水素を有するシリカ下地層を形成しておくこともできる。
基材の大きさや形は特に制限されないが、グラビア印刷、オフセット印刷用等の版胴等の凹面を有する基材であってもよい。
(2)第1層
本発明の第1層の薄膜は、以下の(a)〜(c)成分を含有する薄膜形成用組成物を基材上に塗布し、室温乾燥及び/又は加熱して得られる薄膜である。
(a)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物
(b)ポリアミン類、並びに
(c)炭素数1〜5のアルコール、25℃におけるpKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸、及びパーフルオロアルキル基若しくはパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコールから選ばれる少なくとも1種
2−1)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物
上記の(a)に示すエポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物は、エポキシ基含有トリアルコキシシランの縮合したポリマー又はオリゴマーである。
本発明の方法に用いられるエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造に用いられる原料となるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物は、加水分解等により変換される官能基部分以外にエポキシ基が含まれているトリアルコキシシランであれば、その構造は特に制限されないが、例えば、下記式(I−1)、又は(I−2)で表される化合物を例示することができる。
R−Si(OR1 ・・・(I−1)
R−Si(OR−O−Si(ORR ・・・(I−2)

式中、Rは、エポキシ基又はグリシドキシ基を有し、それ以外の置換基により置換されていてもよい炭化水素基を表し、R1 は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。
R中、エポキシ基、又はグリシドキシ基は、1個以上含まれていればよく、1〜3個有するのが好ましく、エポキシ基、グリシドキシ基両方を含んでいてもよい。
Rの「エポキシ基又はグリシドキシ基を有する炭化水素基」の「炭化水素基」としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等を例示することができ、炭素数としては、1〜30個の範囲が好ましく、1〜10個の範囲がさらに好ましい。
「アルキル基」としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等を例示することができる。
「シクロアルキル基」としては、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等を例示することができる。
「シクロアルキルアルキル基」は、シクロアルキル基とアルキル基が結合した基であり、炭素数3〜10のシクロアルキル基と炭素数1〜10のアルキル基が結合しているのが好ましい。
「アルケニル基」としては、具体的には、ビニル基、プロパ−1−エン−1−イル基、アリル基、ブタ−1−エン−1−イル基、ブタ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、ブタ−1−エン−2−イル基、ブタ−3−エン−2−イル基、ペンタ−1−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ペンタ−1−エン−2−イル基、ペンタ−4−エン−2−イル基、3−メチル−ブタ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、ヘプタ−1−エン−1−イル基、ヘプタ−6−エン−1−イル基、オクタ−1−エン−1−イル基、オクタ−7−エン−1−イル基、ブタ−1,3−ジエン−1−イル基等を例示することができる。
「シクロアルケニル基」としては、具体的には、1−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、1−シクロヘキセン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基等を例示することができる。
「アルキニル基」としては、具体的には、エチニル基、プロパ−1−イン−1−イル基、プロパ−2−イン−1−イル基、ブタ−1−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−1−イル基、ヘキサ−1−イン−1−イル基、ヘキサ−5−イン−1−イル基、ヘプタ−1−イン−1−イル基、オクタ−1−イン−1−イル基、オクタ−7−イン−1−イル基等を例示することができる。
「アリール基」は、単環又は多環のアリール基を意味し、多環アリール基の場合は、完全不飽和に加え、部分飽和の基も包含する。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等を例示することができる。
「アリールアルキル基」は、アリール基とアルキル基が結合した基であり、炭素数6〜10のアリール基と炭素数1〜10のアルキル基が結合した基であるのが好ましい。
「アリールアルケニル基」は、アリール基とアルケニル基が結合した基であり、炭素数6〜10のアリール基と炭素数2〜10のアルケニル基とが結合した基であるのが好ましい。
上述した「炭化水素基」は、エポキシ基及びグリシドキシ基以外の置換基により置換されていてもよく、そのような置換基としては、具体的には、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、(メタ)アクリロキシ基等を例示することができる。
ここで、ハロゲン原子としては、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示することができる。
アルコキシ基としては、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等を例示することができる。
アルキル基、アルケニル基としては、上記Rにおけるアルキル基、アルケニル基と同じ具体例を例示することができる。
1 の「置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基」の「炭素数1〜10のアルキル基」としては、上記Rにおける炭素数1〜10のアルキル基と同じものを例示することができる。
「置換されていてもよい」の置換基としては、具体的には、ハロゲン原子、アルコキシ基、(メタ)アクリロキシ基等を例示することができる。ハロゲン原子、アルコキシ基としては、具体的には、上記Rにおけるエポキシ基及びグリシドキシ基以外の置換基として例示されたハロゲン原子、アルコキシ基と同じ具体例を例示することができる。
原料であるエポキシ基含有トリアルコキシシラン又はその加水分解縮合物としては、具体的には、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、又はグリシドキシアルケニルアルコキシシランが好ましい。これらは、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
具体的には、メチル−トリグリシジロキシシラン、メチルトリス(3−メチル−3−オキセタンメトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシ−n−プロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシ−n−プロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを挙げることができる。
2−1−2)エポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法
本発明のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物は、従来公知の方法等により製造することができる。
具体的には、原料となるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物と、水、並びにポリアミン類、必要に応じて酸、有機溶媒を混合、撹拌する方法を例示することができるが、その混合順序、及び撹拌速度は特に限定されず、任意の順序、または任意の速度を設定できる。混合時及び撹拌時の温度は、特に限定されず、室温から、用いる溶媒の沸点の範囲で行うのが好ましく、室温で行うのがさらに好ましい。室温とは、この場合、混合撹拌を行う場所での外気温度になるが、15〜35℃の範囲の温度が好ましい。
エポキシ基含有トリアルコキシシランと、水、並びにポリアミン類すべてが共存している状態で、室温で2時間から3時間撹拌するのが好ましい。加水分解後、必要ならば、有機溶媒や水で希釈する。
また、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物に水、必要に応じてシラノール縮合触媒を添加し、5〜100℃、好ましくは20〜60℃において、1分〜10日、好ましくは30分〜24時間反応させる方法等を例示することができる。
用いる水の量は、用いるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物がある程度加水分解縮合できるだけの量以上であれば、特に制限されず、具体的には、用いるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物1モルに対して、0.5モル以上が好ましく、1.0モル以上、2.0モル以上、5.0モル以上、又は10モル以上がさらに好ましい。
シラノール縮合触媒としては、エポキシ基含有トリアルコキシシランのアルコキシ基を加水分解し、シラノールを縮合してシロキサン結合とするものであれば特に制限されず、公知の化合物を例示することができる。シラノール縮合触媒は1種単独、又は2種以上の組合せで使用することができる。本発明の組成物においては、エポキシ基含有トリアルコキシシランの硬化剤または硬化促進剤としてポリアミン類を用いることから、シラノール縮合触媒としても、ポリアミン類を用いるのが好ましい。
用いるシラノール縮合触媒の量は、特に制限はされないが、原料であるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物中の全て未縮合として換算したトリアルコキシシリル基の量に対して、モル比(シラノール縮合触媒/当該シリル基)で、0.001〜1.0の範囲が好ましく、0.01〜1.0、又は0.1〜0.5の範囲がさらに好ましい。
本発明において用いるエポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物は、動的光散乱法で測定したz−平均粒子径が、5〜50nmの範囲が好ましく、5〜30nmがさらに好ましい。50nmより大きい場合には、可使時間が短く保存安定性に問題が生じる場合があり、さらに塗工後に塗り斑が生じる場合がある。また、5nmより小さい場合には、得られる薄膜の硬度が不十分となる場合がある。
エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物の製造において、前記したエポキシ基含有トリアルコキシシランに、適宜、テトラアルコキシシラン類、エポキシ基含有トリアルコキシシラン以外のトリアルコキシシラン類、又はジアルコキシシラン類を添加することができる。また、これらの部分加水分解縮合物も同様に使用することができる。
2−2)ポリアミン類
本発明に用いられるポリアミン類は、1以上の水素原子が結合しているアミノ基またはイミノ基を1分子中に2以上有する化合物であれば、特に制限されず、具体的には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、メチルアミノプロピルアミン、エチルアミノプロピルアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−メチルアミノエチル)エーテル、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−キシレンジアミン等を例示することができ、これらは、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。中でも、ポリアルキレンポリアミン類が好ましく、具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン等を例示することができる。
用いられるポリアミン類の使用量は、特に制限されないが、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物中のエポキシ基1モルに対して1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)モル以上用いるのが好ましく、1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)の1.2倍〜10倍モルの範囲、1.5倍〜5倍モル、または1.8倍〜2.5倍モルの範囲が好ましい。1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)モルより少ない場合には、硬化が不十分で、高い硬度の膜が得られない場合があり、1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)の10倍モルよりも大きい場合、ポリアミン類が残存して十分な硬度の膜が得られない場合がある。
2−3)他の硬化剤または硬化促進剤
必要に応じて、ポリアミン類以外の硬化剤または硬化促進剤を添加することができる。
具体的には、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類;脂肪族アミン類;脂環式や複素環式アミン類;芳香族アミン類;その他のアミン系化合物;イミダゾリン系化合物;ポリアミド系化合物;活性カルボニル化合物;フェノール系化合物、アルコール系化合物、チオール系化合物、エーテル系化合物、又はチオエーテル系化合物;尿素系化合物、チオ尿素系化合物、又はルイス酸系化合物;アルキルホスフィン等の第1ホスフィン、ジアルキルホスフィン及びジフェニルホスフィン等の第2ホスフィン、トリアルキルホスフィン等の第3ホスフィン等のリン系化合物;酸無水物系化合物;オニウム塩系化合物等を例示することができる。
2−4)炭素数1〜5のアルコール
本発明の組成物に用いられるアルコール類は、炭素数が1〜5のものであれば特に制限されず、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、イソブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、s−ペンタノール、t−ペンタノール、ネオペンチルアルコール等例示することができ、長期の保存安定性を考慮した場合に、n−ペンタノールが好ましい。
炭素数1〜5のアルコールの使用量は、後述する有機溶媒と同じ範囲で用いることができ、具体的には、組成物全体に対して3質量%以上が好ましくは、さらに4質量%以上であるのが好ましい。
2−5)有機酸
本発明の組成物に用いられる有機酸は、25℃におけるpKaが、2.0〜6.0の範囲、好ましくは、3.0〜5.0の範囲の有機酸であれば、特に制限されず、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、クロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、3−クロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−ヒドロキシ酪酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、4−フェニル酪酸、フェノキシ酢酸、シアノ酢酸、シュウ酸、マロン酸、2,2−ジメチルマロン酸、アジピン酸、コハク酸、ピメリン酸、フタル酸、グルタル酸、オキザロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸、酒石酸、o−アニス酸、m−アニス酸、p−アニス酸、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−フルオロ安息香酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イロフタル酸、trans−ケイ皮酸、2−フランカルボン酸、グリオキシル酸、グルコール酸、クロトン酸、乳酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、ピルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、レブリン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、ニコチン酸等を例示することができ、中でも、脂肪族モノカルボン酸、又は安息香酸若しくは置換安息香酸を好ましく例示することができる。
用いる酸の量は、特に制限されないが、用いられるポリアミン類1モルに対して、0.3〜1.2モルの範囲が好ましく、0.5〜1.0モル、又は0.6〜0.9モルの範囲がさらに好ましい。
0.3モルより少ない場合には、組成物の保存安定性が低下する場合があり、1.2モルよりも大きい場合には、十分な硬度の塗膜を形成できない場合がある。
2−6)パーフルオロアルキル基若しくはパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類
上記の(c)に示すパーフルオロアルキル基若しくはパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類(パーフルオロ化アルコール類)としては、具体的には、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−1−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2−トリフルオロメチル−2−プロパノール、2−メチル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、ノナフルオロ−t−ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール等を例示することができる。
用いるパーフルオロ化アルコール類の量は、特に制限されないが、組成物全体の3質量%以上が好ましく、4質量%以上がさらに好ましい。
2−7)有機溶媒
本発明の薄膜形成用組成物は、組成物中の固形分濃度を調整するために、有機溶媒を用いることができる。そのような溶媒として、溶液の均一性、安定性等を保持できる溶媒であれば、特に限定されないが、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、アミド類等を例示することができ、炭素数1〜5のアルコールが好ましい。これらは1種単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
その他の溶媒とし、水を用いるのが好ましく、その場合、用いる有機溶媒は、水に溶解する有機溶媒が好ましい。また、水と有機溶媒の比率は、おのおの必要な量を用いた上で、均一な溶液になる量比が好ましい。炭素数1〜3のアルコール等の水に比較的良く溶解する有機溶媒を用いた場合には、水と有機溶媒の質量比(水/有機溶媒)は、5/95〜95/5の範囲が好ましく、10/90〜50/50、20/80〜40/60、又は25/75〜35/65の範囲がさらに好ましい。
また、炭素数4以上のアルコール等の水に比較的溶解しにくい有機溶媒を用いた場合に、有機溶媒に対する水の溶解度が低いために、用いる水の量は、トリアルコキシシランの加水分解に必要な量以上、組成物が均一になる範囲の量を用いることが好ましい。
2−8)組成物中の固形分濃度
本発明の組成物中の固形分濃度は、特に制限されないが、薄膜の外観、塗工性、硬化性、薄膜の性質、組成物の保存安定性等を考慮して、0.01〜3.0質量%の範囲が好ましく、0.05〜2.0質量%、0.05〜1.0質量%、又は0.1〜0.5質量%の範囲がさらに好ましい。
用いる有機溶媒、及び水の量は、上記固形分濃度に調整できる範囲で併用するパーフルオロ化アルコール類の量も考慮して適宜定めることができる。
2−9)その他の配合成分
本発明の組成物には、その用途に応じて、他の成分を添加することができ、具体的には、コロイド状シリカやコロイド状アルミナ等の無機微粒子、各種界面活性剤、染料、顔料、分散材、撥水材、増粘材、香料、抗菌性成分等を例示することができる。
2−10)組成物の製造
本発明の組成物の製造方法は、特に制限されないが、具体的には、以下の方法等を例示することができる。
i)エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物、シラノール縮合触媒、水と必要に応じて有機溶媒室温で混合、撹拌し、次いで、ポリアミン類、必要に応じて有機酸又はパーフルオロ化アルコール類を加え、有機溶媒と必要に応じて水で希釈する。
ii)エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物、水、有機溶媒、ポリアミン類を室温で混合、撹拌し、さらに必要に応じて有機酸又はパーフルオロ化アルコール類を添加し、さらに有機溶媒と必要に応じて水で希釈する。
iii)エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物、水、溶媒としてのアルコール、ポリアミン類、必要に応じて有機酸又はパーフルオロ化アルコール類を室温で混合、撹拌し、さらに有機溶媒と必要に応じて水で希釈する。
iv)エポキシ基含有トリアルコキシシラン、水、溶媒としてのアルコール、ポリアミン類、必要に応じて有機酸又はパーフルオロ化アルコール類を室温で混合、撹拌する。
撹拌温度は、特に制限されないが、室温〜用いる溶媒の沸点温度の範囲が好ましく、室温で行うのが、さらに好ましい。この場合、室温とは、撹拌を行っている場所の外気温になるが、15〜35℃の範囲が好ましい。
2−11)第1層形成基材の作製
本発明の上記薄膜形成用組成物は、対象物である基材の表面に刷毛、スプレー、ディッピング、スピンコート、バーコート、グラビア印刷等の公知のあらゆる塗装手段により塗膜を形成することができる。乾燥は、室温乾燥及び/又は加熱により行うことができる。具体的には20℃〜250℃、好ましくは20℃〜150℃で、10秒〜24時間、好ましくは30秒〜10時間程度行う。
得られる薄膜は、特に制限されないが、10nmを超え、5μm以下であることが好ましい。
(3)第2層:金属系界面活性剤の加水分解縮合物を含む有機単分子膜
本発明においては、上記薄膜の外側に、さらに金属系界面活性剤の加水分解縮合物を含む有機単分子膜を形成させる。
以下に、金属系界面活性剤の加水分解縮合物を含む有機単分子膜の形成方法について説明する。
金属系界面活性剤の加水分解縮合物を含む有機単分子膜は、WO03/076064、WO2004/091810、WO2006/009292、WO2009/104424、WO2008/059840パンフレット等に記載されているように、「少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤」、「該金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物」及び水を含む有機溶媒溶液(有機単分子膜形成溶液)に、前記第1層形成基材を接触させることにより形成することができる。有機単分子膜形成溶液としては、日本曹達(株)製SAMLAY(登録商標)等を例示することができる。
「少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤」としては、少なくとも1以上の加水分解可能な官能基と疎水性基とを同一分子内に有するものであれば、特に制限されないが、基材表面上の活性水素と反応して結合を形成することができる加水分解性基を有するものが好ましい。
少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤としては、具体的には、下記式(II)で示される金属系界面活性剤が挙げられる。
11 1111 t−s (II)
式中、R11は、置換されていてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、又は置換されていてもよく連結基を含む炭素数1〜30の炭化水素基を表し、M11は、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、X11は、水酸基又は加水分解性基を表し、tはMの原子価を表す。sは、1から(t−1)のいずれかの正整数を表し、sが2以上の場合、R11は、互いに同一でも相異なっていてもよい。
(t−s)が1の場合、X11は加水分解性基である。(t−s)が2以上の場合、X11は同一であっても、相異なっていてもよいが、X11のうち、少なくとも1個は加水分解性基である。
前記「炭素数1〜30の炭化水素基」の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へキシル基、イソへキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基等の炭素数1〜30のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等の炭素数2〜30のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
前記「置換されていてもよい炭素数1〜30の炭化水素基」の置換基としては、フルオロ基、クロロ基等のハロゲノ基;カルボキシル基;カルバモイル基;イミド基;アルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;水酸基等が挙げられる。これらの置換基の数は0〜3であることが好ましい。
前記「連結基を含む炭素数1〜30の炭化水素基」の炭化水素基としては、具体的には、前記「炭素数1〜30の炭化水素基」の炭化水素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。前記連結基は、炭化水素基の炭素−炭素結合間、又は炭化水素基の炭素と金属原子M11との間に存在するのが好ましい。連結基の具体例としては、イミノ基、オキソ基、スルファニル基、スルホニル基、又はカルボニル基等が挙げられる。
これらの中でも、R11としては、撥液性、耐久性の観点から、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフッ素化アルキル基、又は連結基を含む炭素数1〜30のフッ素化アルキル基が好ましい。R11の具体例としては、WO2008/059840パンフレットに記載の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフッ素化アルキル基、又は連結基を含む炭素数1〜30のフッ素化アルキル基等が挙げられる。
11は、原料の入手容易性、反応性等の観点からケイ素原子が好ましい。
11は、水酸基又は加水分解性基を表し、加水分解性基としては、水と反応して分解する基であれば特に制限されない。
加水分解性基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲノ基、イソシアネート基等が挙げられる。炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシルオキシ基が好ましい。
tは、金属原子Mの原子価を表す。sは、1から(t−1)のいずれかの正の整数を表す。sが2以上のとき、R11は同一であっても相異なっていてもよい。
また、(t−s)が1の場合、X11は加水分解性基である。(t−s)が2以上のとき、X11は同一であっても相異なっていてもよいが、X11のうち少なくとも1個は加水分解性基である。
式(II)で表される化合物の具体例としては、WO2008/059840パンフレットに記載の金属原子がケイ素原子である化合物が挙げられる。これらの化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
「金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物」としては、金属系界面活性剤の金属部分又は加水分解性基部分と配位結合や水素結合等を介して相互作用をすることにより、加水分解性基又は水酸基を活性化させ、縮合を促進させる作用を有する化合物であれば、特に制限されない。
本発明においては、前記化合物としては、金属水酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒、酸触媒等が挙げられる。
金属水酸化物としては、特に限定されないが、テトラヒドロキシチタン(IV)、ジルコニウム(IV)テトラヒドロキシド、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
金属アルコキシド類としては、ケイ素アルコキシド、チタンアルコキシド、テトラキストリアルキルシロキシチタン、ジルコニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド、ゲルマニウムアルコキシド、インジウムアルコキシド、スズアルコキシド、タンタルアルコキシド、タングステンアルコキシド、亜鉛アルコキシド、鉛アルコキシド等が挙げられる。
金属アルコキシド類の部分加水分解生成物は、金属アルコキシド類を完全に加水分解する前に得られるものであって、オリゴマーの状態で存在する。金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の製造方法は、WO2008/059840パンフレットに記載されている。
シラノール縮合触媒としては、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート等が挙げられる。
酸触媒としては、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の鉱酸;酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸;等が挙げられる。
第1層の薄膜上に金属系界面活性剤の加水分解縮合物を含む有機単分子膜を形成するには、上記有機単分子膜形成溶液を、ディップ法、スピンコート法、スプレー法、ローラコート法、メイヤーバー法、スクリーン印刷、刷毛塗り法等の方法、好ましくはディップ法により、第1層の薄膜に接触させることにより行うことができる。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明の技術範囲はこれらの実施例に限定されない。
実施例1
1.薄膜形成用組成物の調製
イソプロパノール277.23gに安息香酸4.95gを溶解させて得た溶液に、ジエチレントリアミン4.95gと水693.07gを加え混合した。さらこの溶液に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン19.80gを加え室温で2時間反応させることで固形分の質量濃度換算で3%の組成物[A−1]を調製した。
組成物[A−1]5.0gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル12.86gと水32.14gを混合した溶媒で希釈し、固形分の質量換算濃度0.3%の薄膜形成用組成物[X−1]を得た。
2.第1層形成基材の作製
予めアセトンで超音波洗浄した電解めっきニッケル基材(25mm×25mm)の表面を、10分間のUVオゾン洗浄(約12000mJ/cm)により処理した。このニッケル基材を薄膜形成用組成物[X−1]でディップコートした後、100℃で10分間加熱乾燥することで第1層形成基材[Y−1]を作製した。
3.積層体の作製
[Y−1]を10分間のUVオゾン洗浄(約12000mJ/cm)により表面処理し、有機単分子膜形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達社製)に10分間浸漬し、その後、その表面を炭化水素系洗浄剤(NSクリーン100、JX日鉱日石エネルギー製)中で超音波洗浄することで、積層体[Z−1]を得た。
4.撥液性の評価
得られた[Z−1]の静的接触角を接触角測定器(Drop Master 700、協和界面科学製)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
実施例2
組成物[A−1]5.0gを、メチルエチルケトン31.50gとメタノール13.50gを混合した溶媒で希釈することで得た固形分の質量換算濃度0.3%の薄膜形成用組成物[X−2]を使用すること以外は実施例1と同様に、積層体[Z−2]を得た。
得られた[Z−2]の静的接触角を接触角測定器(Drop Master 700、協和界面科学製)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
実施例3
組成物[A−1]5.0gを、ジメトキシエタン30.0gとメタノール15.0gを混合した溶媒で希釈することで得た固形分の質量換算濃度0.3%の薄膜形成用組成物[X−3]を使用すること以外は実施例1と同様に、積層体[Z−3]を得た。
得られた[Z−3]の静的接触角を接触角測定器(Drop Master 700、協和界面科学製)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2016006212

Claims (3)

  1. 基材上に、第1層、第2層の順に形成された積層体において、第1層が、
    (a)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物、
    (b)ポリアミン類、並びに
    (c)炭素数1〜5のアルコール、25℃におけるpKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸、及びパーフルオロアルキル基若しくはパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコールから選ばれる少なくとも1種を含有する固形分濃度が、0.01〜3.0質量%の薄膜形成用組成物を基材上に塗布して得られる薄膜であり、
    第2層が、金属系界面活性剤の加水分解縮合物を含む有機単分子膜である積層体。
  2. 固形分濃度が、0.05〜0.5質量%である請求項1に記載の積層体。
  3. 基材が、表面が凹部を有する基材である請求項1に記載の積層体。
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