JPWO2015194347A1 - 銅粉、その製造方法、及びそれを含む導電性組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明の銅粉は、銅粒子、又は銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子からなる。一次粒子を画像解析した投影面積円相当径が0.1μm以上4.0μm以下である。〔最大径×最大径×π÷(4×投影面積)〕で定義される一次粒子の画像解による形状係数の値が1.8以上3.5以下である。一次粒子を画像解析した投影面積円相当径/周長円相当径の値が0.40以上0.65以下であることが好適である。20mmΦの面積に0.63kNの実荷重を加えたときの圧粉密度をρ0.63とし、そのときの圧粉比抵抗をR0.63としたとき、ρ0.63の値が3.0g/cm3以上5.0g/cm3以下であり、R0.63の値が9.0×10−1Ωcm以下であることも好適である。

Description

本発明は銅粉に関する。また本発明は銅粉の製造方法、及びそれを含む導電性組成物に関する。
銅粉は、電子デバイスの外部電極とプリント配線基板のプリント配線との間の電気的導通を図るために用いられる。またプリント配線基板の配線層や、多層プリント配線基板に設けられた貫通スルーホール内や非貫通孔であるビア内等を充填する層間接続材用の導電ペーストにも用いられる。その他、EMIシールドや電子デバイス接続に用いられる導電シート、コンデンサーやアルミナ基板といったセラミック焼成電子部品等の配線ペースト等のように、銅粉は様々な用途に用いられ、具体的な用途に応じて例えば適切な形状の銅粉が採用されている。
上述の銅粉は通常、バインダ樹脂や有機溶媒と混合された導電性組成物の形態、例えば導電性ペーストの形態で用いられることが多い。導電性組成物から形成される導体の導電性は、該導電性組成物に含まれる銅粉の割合に依存するところ、同じ割合の銅粉を含有させた場合であっても、銅粒子の形状によって導体の導電性が影響を受ける。例えば球状の銅粒子からなる銅粉の場合、導体の導電性は銅粉の含有割合に大きく影響され、銅粉の含有割合を大きくしないと導電性を高めることが容易でない。これとは対照的に、樹枝状の銅粒子からなる銅粉は、球状の粒子に比べると、導体の導電性に対する銅粉の含有割合の影響が小さい。つまり導体の導電性は、銅粉の含有割合に依存しにくい。この理由は、樹枝状の銅粒子は、球状の銅粒子に比べて粒子どうしの接触点が多くなるからである。しかし、樹枝状の銅粉はタップ密度が低いことに起因して、導電性組成物中に高含有割合で含有させることが容易でない。また樹枝状の銅粉は凝集が強く、分散性の良好な導電性組成物を調製することが容易でなく、また該導電性組成物から形成される導体膜を薄膜化することも容易でない。更に小径のビア内を充填しづらく、微細配線への対応も困難である。
球状や樹枝状の銅粉のほかに、棒状の銅粉も知られている。例えば特許文献1には、樹枝状銅粉を解砕して得られた棒状の銅粉が記載されている。この銅粉は、樹枝状銅粉の解砕によって生じた解砕片が凝集して、あたかも棒状の形状を呈するものである。
US5409520A
特許文献1に記載の棒状の銅粒子は、上述のとおり解砕片が凝集したものなのでタップ密度が高く、一次粒子が粗大であるため、球状の銅粒子と同様に、銅粉の含有割合を大きくしないと導体の導電性を高めることが容易でない。また、平均粒径が10μm前後という比較的大粒径のものなので、導体膜を薄膜化することが容易でなく、小径のビア内を充填することも容易でないほか、微細配線のパターン形成も容易でない。
したがって本発明の課題は銅粉の改良にあり、具体的には導体の導電性が銅粉の含有割合に依存しにくく、また導体膜の薄膜化が容易であり、小径のビア内の充填性が良好であり、微細配線パターン形成も容易な銅粉を提供することにある。
本発明は、銅粒子、又は銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子からなる銅粉であって、
一次粒子を画像解析した投影面積円相当径が0.1μm以上4.0μm以下であり、
〔最大径×最大径×π÷(4×投影面積)〕で定義される一次粒子の画像解による形状係数の値が1.8以上3.5以下である銅粉を提供するものである。
また本発明は、銅粒子、又は銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子からなる銅粉であって、
20mmΦの面積に0.63kNの実荷重を加えたときの圧粉密度をρ0.63とし、そのときの圧粉比抵抗をR0.63としたとき、ρ0.63の値が3.0g/cm以上5.0g/cm以下であり、R0.63の値が9.0×10−1Ωcm以下である銅粉を提供するものである。
更に本発明は、銅粒子、又は銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子からなる銅粉であって、
100質量部の前記銅粉と10質量部の樹脂とから形成された導電膜の比抵抗をR10とし、100質量部の前記銅粉と15質量部の樹脂とから形成された導電膜の比抵抗をR15としたとき、R10の値が1×10−4Ωcm以下であり、R15/R10の値が10以下である銅粉を提供するものである。
図1は、本発明の銅粉の原料となる銅粉を示す模式図、及び原料の銅粉から本発明の銅粉が製造される過程を示す模式図である。 図2は、実施例1で用いた原料の銅粉の走査型電子顕微鏡像である。 図3は、実施例4で得られた銅粉の走査型電子顕微鏡像である。 図4は、図3に示す顕微鏡像に基づいて作成した粒子の塗りつぶし画像である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の銅粉は、銅粒子からなるか、又は銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子からなるものである。本発明の銅粉はこれらの粒子からなり、場合によっては微量の不可避不純物を含むものである。また、必要に応じ、銅粉以外の粉体等を含有させてもよい。以下、特に断らない限り、便宜上これらの粒子を総称して単に「銅粒子」と言う。
本発明の銅粉を構成する銅粒子は、その一次粒子を画像解析した投影面積円相当径が0.1μm以上4.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上3.5μm以下であることが更に好ましく、0.5μm以上3.0μm以下であることが一層好ましい。このように、本発明における銅粒子は微粒の範疇に属するものである。一次粒子の粒径をこの範囲内に設定することで、本発明の銅粉を用いて形成された導電膜はその厚みを薄くすることができる。これとともに、小径のビア、例えば開口部の最大直径が10μm以上50μm以下といった小径のビア中に本発明の銅粉を首尾よく充填させることができる。更に、高い導電性を得ることが可能である。これとは対照的に、例えば樹枝状の形状を有する銅粒子からなる銅粉は、銅粒子の粒径が大きいことに起因して小径のビアに充填することが非常に困難である。投影面積円相当径とは、Heywood径とも呼ばれるものであり、粒子の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことである。投影面積円相当径は20個以上の粒子を対象として測定し、その相加平均値をもって測定値とする。
本発明の銅粉を構成する銅粒子は、〔最大径×最大径×π÷(4×投影面積)〕で定義される一次粒子の画像解析による形状係数の値が1.8以上3.5以下であることが好ましく、1.9以上3.3以下であることが更に好ましく、2.0以上3.0以下であることが一層好ましい。形状係数は1が最小値である。形状係数が1である場合、その粒子の投影形状は円形であり、この値が1から大きくなるに連れて粒子は次第に細長い形状になる。したがって、本発明の銅粉を構成する銅粒子における形状係数が上述の範囲内であることは、該銅粒子が細長い棒状の形状であることを意味している。前記形状係数の値が上述の範囲であることで、導電性組成物が、それに含まれる銅粉の割合に依存を受けにくい高導電性を保持し得るものとなるとともに、導電性組成物の調製時に銅粒子に破断が生じづらい剛直な棒状粒子とすることができる。形状係数は、任意の20個以上の個々の粒子について最大径及び投影面積を測定し、それらに基づき個々の粒子の形状係数を求め、その相加平均値をもって測定値とする。なお、最大径とは粒子の投影最大径のことであり、具体的には一次粒子の投影像に外接される最小長方形における長辺の長さを言う。前記式に基づき形状係数を算出するときは、最大径の単位と、投影面積の単位とを一致させる必要があることは言うまでもない(例えば最大径の単位がμmである場合には、投影面積の単位はμmである。)。
本発明においては、粒子の形状に関する二以上のパラメータの組み合わせによって、本発明の銅粉を構成する銅粒子の形状を一層正確に表現することが望ましい。この観点から、本発明の銅粉を構成する銅粒子は、形状係数の値が上述の範囲であることに加えて、投影面積円相当径/周長円相当径の値が0.40以上0.65以下であることが好ましく、0.42以上0.63以下であることが更に好ましく、0.45以上0.62以下であることが一層好ましい。投影面積円相当径/周長円相当径の値も、上述の形状係数と同様に、粒子の形状の指標となるものであり、1が最大値である。この値が1である場合、その粒子の投影形状は円形であり、この値が1から小さくなるに連れて粒子は次第に細長い形状になる。したがって、本発明の銅粉を構成する銅粒子における投影面積円相当径/周長円相当径の値が上述の範囲内であることは、該銅粒子が細長い棒状の形状であることを意味している。前記「投影面積円相当径/周長円相当径」の値が所定の範囲であることで、導電性組成物中の銅粉含有割合に依存を受けにくい高い導電性を保持できるとともに、ペースト加工時に粒子の破断の少ない剛直な棒状粒子とすることができる。投影面積円相当径/周長円相当径の値は、任意の20個以上の個々の粒子について投影面積円相当径/周長円相当径の値を測定し、その相加平均値をもって測定値とする。周長円相当径とは、粒子の周長と同じ周長を持つ円の直径のことである。
これまでに説明してきたパラメータの算出の基礎となる粒子の投影面積、投影周長、及び投影最大径は、本発明の銅粉の電子顕微鏡像に基づき、個々の粒子を作業者の目視によって塗りつぶした塗りつぶし画像を作成し、この塗りつぶし画像を用いた二値化ソフトウェア解析で決定される。観察視野内で複数の粒子が重なり合っている場合には、その重なり合っている粒子を作業者の目視によって個々の粒子に仮想的に分離して、分離された粒子ごとに輪郭を取り、粒子占有エリアを黒色に塗りつぶした後二値化処理を行った画像を作成するものとする。ソフトウェア解析には、例えば株式会社マウンテックから入手可能なコンピュータソフトウェアである画像解析式粒度分布ソフトウェアMac−VIEWを用いて自動解析することで算出できる。
先に述べたとおり、本発明の銅粉を構成する銅粒子はその形状が略棒状である。本発明の銅粉は、かかる略棒状の形状を有する銅粒子を個数基準で35%以上含んでいることが好ましく、60%以上含んでいることが銅粉含有率に対する導電性能の安定化の観点で好ましい。この割合は、本発明の銅粉を電子顕微鏡観察し、任意の20個以上の粒子を対象として、投影面積円相当径/周長円相当径の値が上述の範囲を満たすものの個数を計測し、総粒子数に占める割合を算出することで求める。ここで、「略棒状」とは、前記の最大径を求めるときに用いる前記の最小長方形における長辺の長さ/短辺の長さの値が、好ましくは3以上20以下、更に好ましくは3以上15以下である形状のことを言う。
略棒状の形状を有する銅粒子からなる本発明の銅粉は、該銅粒子の棒状形状に起因して嵩高なものである。これとは対照的に、球状の形状をした銅粒子からなる銅粉は、密に充填されることから、同質量で比較した場合、本発明の銅粉よりも嵩が低く、導電性能がばらつきやすいものとなる。また、樹枝状の形状をした銅粒子からなる銅粉は、同質量で比較した場合、本発明の銅粉よりも嵩が高くなりすぎてしまい、また粒子間の凝集が強くなってしまう。具体的には、本発明の銅粉は、20mmΦの面積に0.63kNの実荷重を加えたときの圧粉密度をρ0.63としたとき、ρ0.63の値が好ましくは3.0g/cm以上5.0g/cm以下である。この範囲であると、低い濃度でも導電ペーストにしたときに十分な導電性を発現させることができ、かつ、樹脂への分散性も高いものとすることができる。以上の観点より、ρ0.63の値は、更に好ましくは3.1g/cm以上4.7g/cm以下であり、一層好ましくは更に好ましくは3.3g/cm以上4.3g/cm以下である。
また、本発明の銅粉は、銅粒子の棒状形状に起因して、低圧縮状態であっても粉体抵抗が低いものである。これとは対照的に、球状の形状をした銅粒子からなる銅粉は、粒子どうしの接触点の数が少ないことに起因して、低圧縮状態では粉体抵抗を十分に低くすることは容易でなく、高圧縮状態になって初めて低抵抗を示す。具体的には、本発明の銅粉は、20mmΦの面積に0.63kNの実荷重を加えたときの圧粉比抵抗をR0.63としたとき、R0.63の値が好ましくは9.0×10−1Ωcm以下であり、更に好ましくは5.0×10−1Ωcm以下であり、一層好ましくは5.0×10−1Ωcm以下である。
なお、上述の圧粉密度及び圧粉比抵抗の測定条件を、20mmΦ(直径20mmの円形)の面積に0.63kNの実荷重を加えたときとした理由は、例えば本発明の銅粉を導電体組成物として用いた場合に、該組成物の硬化の初期段階のような比較的低い圧縮応力程度でも、銅粒子どうしは互いに接触し導電パスのネットワークを形成する必要があり、その圧縮応力の指標とされる値が本発明の測定条件に相当すると考えられることによるものである。
上述の圧粉密度及び圧粉比抵抗は、次の方法で測定される。圧粉抵抗測定装置の直径20mmのプローブシリンダへ、予め質量を測定した銅粉を5〜7g投入する。油圧ジャッキによって徐々にプローブシリンダに荷重を加えたときの試料厚み及び抵抗率測定器(4探針法)をモニターする。圧粉抵抗値は荷重を加えたときの試料厚み、シリンダ面積、抵抗値により算出される。一方、圧粉密度は、測定質量と試料厚みから算出される。本発明ではシリンダ荷重が0.63kNのときの圧粉密度及び圧粉比抵抗を算出する。具体的な装置名としては、圧粉抵抗測定システム(三菱化学PD−41)と搭載される抵抗測定器(三菱化学MCP−T600)などが挙げられる。
本発明の銅粉をバインダ樹脂と混合して導電性組成物を調製すると、該導電性組成物から形成される導体の抵抗が、該導電性組成物中の該銅粉の含有割合に大きく依存せず、抵抗値を低く保つことが可能である。つまり導体の導電性は、銅粉の含有割合に依存しにくいことが、本発明者らの検討の結果判明した。この理由は、略棒状の形状を有する銅粒子からなる本発明の銅粉は、該銅粒子の形状に異方性があり、低荷重下でも低抵抗を達成できることに起因しているのではないかと、本発明者は推測している。これとは対照的に、球状の形状をした銅粒子からなる銅粉は、粒子形状が等方的であることに起因して、銅粉を高配合しないと粒子間の接触を十分に確保することができず、導体の抵抗を低下させることができない。具体的には、本発明の銅粉においては、銅粉100質量部と10質量部のバインダ樹脂とから形成された導電膜の比抵抗をR10としたとき、R10の値が1×10−4Ωcm以下であることが好ましく、8×10−4Ωcm以下であることが更に好ましく、5×10−5Ωcm以下であることが一層好ましい。また、100質量部と15質量部のバインダ樹脂とから形成された導電膜の比抵抗をR15としたとき、R15/R10の値が10以下であることが好ましく、7以下であることが更に好ましく、5以下であることが一層好ましい。
本発明の銅粉においては、これを構成する粒子として銅粒子そのものを用いることができるほか、銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子(以下、この粒子のことを「金属被覆銅粒子」とも言う。)を用いることもできる。金属被覆銅粒子に用いられる被覆金属としては、例えば銀、金、白金、スズ、ニッケルなどが挙げられる。これらの被覆金属うち、銅への被膜形成性と導電性が高く、かつ比較的コストが安価な貴金属である銀を用いることが特に好ましい。被覆金属は、銅の芯材の表面全域を隙間なく連続して被覆していてもよく、あるいは銅の芯材の表面が一部露出するように部分的に被覆していてもよい。金属被覆銅粒子に占める被覆金属の割合は、該被覆金属が例えば銀である場合、金属被覆銅粒子の質量に対して1質量%以上30質量%以下とすることが好ましい。
以上のとおり、本発明の銅粉を原料として形成された導体の導電性は、銅粉の含有割合に依存しにくいものである。このことは、本発明の銅粉を含む導電性組成物を塗布することによって導体を製造するときに、塗布むら等が生じた場合であっても導体の抵抗にばらつきが生じにくいという点で有利である。また、プリント配線基板に形成されたビアに導電性組成物を充填する場合、一般にビア中には銅粉よりもバインダ樹脂の方が優先的に充填されやすく、そのことに起因してビア中に充填された導電性組成物の組成が変化しやすいが、本発明の銅粉を用いることで、そのように組成が変化した場合であっても、導電性組成物の抵抗の変化が小さく抑えられる。
上述の比抵抗R10及びR15の測定対象となる導電膜は、次の手順で調製される。バインダ樹脂としては、液状フェノール系熱硬化性樹脂(群栄化学工業製 PL−2243)を用いる。このバインダ樹脂と本発明の銅粉とを、上述の割合で混合し、溶剤としてNMPを5質量部、レベリング剤(信越シリコーン社製KF−352A)を0.1質量部追加する。これらの混合物を、攪拌脱泡機(シンキー社製ARE−500等)を用い、回転数1,000rpmに設定して1分仮混合した後、三本ロールミル(EXAKT社製 M−80E)で投入ロールの回転数を100rpm、ロール間ギャップを10μmの条件下で更に5回混練して導電性組成物を得る。この導電性組成物を、ガラスエポキシ樹脂板アプリケータを用いてガラス板の上に塗工して、30μmの厚みとなるように塗布体をまず形成する。このようにして得られた塗布体を焼成して導電膜を得る。焼成条件は、窒素雰囲気下で、160℃で1時間とする。
導電膜の比抵抗R10及びR15の測定方法は次のとおりである。25℃、湿度60%RHに24時間放置した導電膜の膜厚と、導電膜を四端子法で測定した抵抗値から比抵抗を算出する。抵抗測定装置としては例えば三菱化学アナリテック製ロレスタGP等が挙げられる。
次に、本発明の銅粉の好適な製造方法について説明する。本発明の銅粉は、粒子形状として機械的に破砕されやすい「角部」や「くびれ部」等の破砕起点をもった異形状であるものを原料とすることが好ましく、中でも、ある範囲の長さで一方向に長く延びる粒子を、破砕によって生じ得る部位を有する銅粉、例えば樹枝状の銅粒子からなる銅粉を原料とする点に特徴の一つを有する。更に、樹枝状の銅粒子を特定の条件下に解砕して、目的とする銅粉を得る点についても特徴の一つを有する。
原料である樹枝状の銅粒子は、例えば電解法によって好適に製造することができる。樹枝状の銅粒子は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置によって測定される体積累積粒径D50が、0.5μm以上7.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以上6.0μm以下であることが更に好ましく、1.2μm以上5.0μm以下であることが一層好ましい。特に、走査型電子顕微鏡(以下「SEM」とも言う。)を用いて銅粒子を観察したとき、一本の主軸部を備えており、該主軸から複数の分枝部が斜めに分岐して、二次元又は三次元的に成長したデンドライト状を呈し、かつ、図1に示す主軸部の長径Lに対する分枝部の本数(分枝部本数/主軸部長径L)が0.5本/μm以上30.0本/μm以下、特に1.0本/μm以上25.0本/μm以下、とりわけ3.0本/μm以上20.0本/μm以下であるものを用いることが好ましい。また、主軸部の長径Lが0.5μm以上7.0μm以下、特に1.0μm以上6.0μm以下、とりわけ1.2μm以上5.0μm以下であるものを用いることも好ましい。
原料として用いる樹枝状の銅粒子を含む銅粉は、これを500倍以上20,000倍以下の倍率で顕微鏡観察したとき、上述の形状を有する樹枝状の銅粒子が全銅粒子のうちの35個数%以上、特に60個数%以上を占めていることが好ましい。
原料として用いる樹枝状の銅粒子を含む銅粉は、例えば電解法によって好適に製造することができる。電解法としては、例えば、銅イオンを含む硫酸酸性の電解液に陽極と陰極を浸漬し、これに直流電流を流して電気分解を行い、陰極表面に粉末状に銅を析出させ、機械的又は電気的方法により掻き落として回収し、水で洗浄し、乾燥し、必要に応じて篩別工程などを経て電解銅粉を製造する方法を例示できる。電気分解においては、電解液に少量の塩素を添加し、所定の表面粗度を備えた電極を用いて、析出後短時間のうちに掻き落とすことが有利である。電解液の塩素濃度は3mg/L以上300mg/L以下、特に5mg/L以上200mg/L以下に調整することが好ましい。電極、特に陰極の表面粗度は、JIS B 0601−2013に規定されるRzが0.001μm以上2.0μm以下、特に0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
以上の樹枝状の銅粒子を含む銅粉を解砕して、目的とする略棒状の銅粒子を含む銅粉を製造する。解砕には、原料の銅粉に過度の熱が加わらない方法を採用することが好ましい。また塑性変形の防止の点から、ビーズやボールなどのメディアを用いないメディアレスの解砕方法を採用することも好ましい。特に好ましい方法は、原料の銅粉を含むスラリーを加圧下に狭流路内を強制通過させ、通過時に生じる乱流によって発生する高せん断力によって、図1に示すとおり、樹枝状の銅粒子における分枝部をその基部において主軸部から折曲・分離することで解砕する方法である。狭流路の直径は概ね100μm以上300μm以下であることが好ましい。スラリーの加圧力は10MPa以上100MPa以下であることが好ましい。このような強制通過は、1回又は複数回行うことができる。複数回の強制通過を行うことで、目的とする形状や粒子径の銅粒子を含む銅粉を得ることができる。また、前記一定の装置条件とした上で、解砕条件として、スラリーが通過する狭流路の容量、スラリー加圧力とスラリーバッチのパス回数の乗算から算出されるスラリーの単位体積あたりの仕事量を200J以上30,000J以下とすることが好ましい。特に低圧力でも低抵抗が発現する微粒の銅粒子形状を保ちつつ、微粒化が過度に進むことによる抵抗上昇を防ぐ観点から、前記の仕事量を400J以上25,000J以下とすることがとりわけ好ましい。このような操作を行うことができる装置としては、例えば吉田機械興業のNanoVater、常光のナノジェットパル等が挙げられる。
以上は、銅粒子が銅そのものからなる場合の製造方法であったところ、銅粒子が金属被覆銅粒子からなる場合には、次の製造方法を採用することができる。すなわち、まず、上述の方法を採用して銅からなる芯材粒子を製造する。次に、得られた芯材粒子の表面に被覆金属を配置する。被覆金属の配置方法としては、被覆金属の種類に応じて適切な方法が採用される。例えば被覆金属が銀のように銅よりも貴な金属である場合には、湿式における置換めっき法を採用することができる。あるいは、湿式における還元めっき法を用いることもできる。
このようにして得られた本発明の銅粉は、好適にはバインダ樹脂や有機溶媒と混合されて調製された導電性組成物の形態で用いられる。導電性組成物としては、例えば導電性ペースト、導電性インク、導電性接着剤、EMIシールドが具体例として挙げられる。これらの導電性組成物は、樹脂の硬化によって銅粒子が圧着されて導通が確保される樹脂硬化型のものであってもよく、あるいは焼成によって有機成分が揮発して銅粒子が焼結して導通が確保される焼成型であってもよい。いずれの型の導電性組成物であっても、該導電性組成物に占める銅粉の割合は、30質量%以上98質量%以下であることが好ましく、35質量%以上95質量%以下であることが更に好ましく、40質量%以上90質量%以下であることが一層好ましい。導電性組成物に含まれるほかの成分としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を始めとする各種熱硬化性樹脂等のバインダ樹脂、硬化剤、硬化触媒、有機溶媒、ガラスフリット等が挙げられる。これらの成分は、導電性組成物の具体的な用途に応じて適切な割合で配合される。
本発明の銅粉は、これを構成する銅粒子が略棒状であることから、粒子どうしの接触点が多く、球状粒子と比較した場合、導電性組成物中での含有割合が低くても、導体の抵抗を低くすることができる。また、略棒状の粒子は、これを含む導電性組成物の塗布時に塗りむらが生じても、銅粉とバインダ樹脂との比率が変化しづらく、導体の抵抗にむらが生じにくい。銅粉とバインダ樹脂との比率が変化しづらいことは、樹枝状の銅粒子についても言ることであるが、樹枝状の銅粒子はその粒径を小さくすることが容易でないので、樹枝状の銅粒子を含む導電性組成物を小径のビア内に充填することは困難である。これに対して略棒状でかつ微粒である銅粒子からなる本発明の銅粉を含む導電性組成物を用いれば、これを小径のビア内に首尾よく充填することができる。これらの有利な点を活かし、本発明の銅粉を含む導電性組成物は、例えば電子デバイスの外部電極とプリント配線基板のプリント配線との間の電気的導通を図るために好適に用いられる。また、またプリント配線基板のプリント配線を、印刷法によって形成するために好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
(1)樹枝状の銅粒子の製造
2.5m×1.1m×1.5mの大きさ(約4m3)の電解槽内に、それぞれ大きさ(1.0m×1.0m)9枚のTi製陰極板(表面粗度Rz=1.0μm)と不溶性陽極板とを電極間距離5cmとなるように吊設した。電解槽内に、電解液としての硫酸銅溶液を300L/分で循環させて、この電解液に陽極と陰極を浸漬し、これに直流電流を流して電気分解を行い、陰極表面に粉末状の銅を析出させた。循環させる電解液の液温は40℃とし、Cu濃度は15g/Lとし、硫酸(H2SO4)濃度は200g/Lとし、塩素濃度は200mg/Lとした。電流密度を100A/mに調整して30分間電解を実施した。
陰極表面に析出した銅を、スクレーパを用いて30秒に1回の頻度で掻き落として回収し、その後、洗浄し、銅粉1kg相当の含水銅粉ケーキを得た。このケーキを水3Lに分散させてスラリーとし、その後、純水で洗浄して不純物を取り除き、電解銅粉を得た。この電解銅粉を「原料銅粉A」と言う。原料銅粉AをSEM観察したところ、主軸の長径Lが0.5〜7.0μmであり、枝本数/主軸長径Lが0.5〜30.0本/μmであるデンドライト状を呈する銅粒子が、全銅粒子のうちの80個数%以上を占めていることが確認された。得られた樹枝状の銅粒子のSEM像を図2に示す。
(2)棒状の銅粒子の製造
前記(1)で得られた樹枝状の銅粒子を解砕することで、目的とする棒状の銅粒子を製造した。解砕には吉田機械興業の高速せん断粉砕機であるNanomizer NM2−2000ARを用いた。まず樹枝状の銅粒子の固形分が30質量%となるように、これを変性アルコールと混合してスラリーとなし、このスラリーを前記の粉砕機に投入し、解砕を行った。粉砕機の運転条件は、スラリー温度20℃以下、加圧力20MPa、パス回数100とした(スラリー単位体積あたり仕事量10,000J相当)。このようにして、目的とする棒状の銅粒子を含む銅粉を得た。この銅粉をSEM観察したところ、一次粒子を画像解析した投影面積円相当径が0.1μm以上4.0μm以下であり、投影面積円相当径/周長円相当径の値が0.40以上0.65以下である銅粒子が、全銅粒子のうちの35個数%以上を占めていることが確認された。
〔実施例2〕
実施例1において、原料の銅粉の銅粉を製造する条件として、Cu濃度を20g/L、電流密度を200A/mにした。これら以外は、原料銅粉Aと同様として、樹枝状の銅粒子の銅粉を得た。この銅粉を「原料銅粉B」と言う。これ以外は実施例1と同様にして、目的とする棒状の銅粒子を含む銅粉を得た。
〔実施例3〕
実施例1において、原料の銅粉の銅粉を製造する条件として、不溶性陽極板(DSE(ペルメレック電極社製))を用い、Cu濃度を1g/L、硫酸(H2SO4)濃度を100g/L、電流密度を100A/m、循環液量を5L/分に調整して20分間電解を実施する条件を採用した。これら以外は、原料銅粉Aと同様として、樹枝状の銅粒子の銅粉を得た。この銅粉を「原料銅粉C」と言う。この原料銅粉Cの解砕条件は、加圧力50MPa、パス回数5とした(スラリー単位体積あたり仕事量1500J相当)。これら以外は実施例1と同様にした。このようにして、目的とする棒状の銅粒子を含む銅粉を得た。
〔実施例4〕
原料の銅粉として、原料銅粉Cを用いた。解砕条件は加圧力20MPa、パス回数100とした(スラリー単位体積あたり仕事量10000J相当)。これら以外は実施例1と同様にして、目的とする棒状の銅粒子を含む銅粉を得た。得られた銅粉のSEM像を図3に示す。
〔実施例5〕
原料の銅粉として、原料銅粉Aを用いた。解砕条件は、加圧力20MPaでまず100パス処理した後、加圧力50MPaで50パス処理(スラリー単位体積あたり仕事量23000J相当)する条件を採用した。これら以外は実施例1と同様にして、目的とする棒状の銅粒子を含む銅粉を得た。
〔実施例6〕
原料の銅粉として、原料銅粉Cを用いた。解砕条件は、加圧力20MPa、パス回数25とした(スラリー単位体積あたり仕事量2500J相当)。これら以外は実施例1と同様にして、目的とする棒状の銅粒子を含む銅粉を得た。
〔実施例7〕
実施例6で得られた銅粉に銀の置換めっきを行い、棒状の銅粒子の表面を銀で被覆してなる銅粉を得た。
〔比較例1〕
湿式球状銅粒子(三井金属鉱業株式会社製D50 値1.0μm)を比較例1として用いた。
〔比較例2〕
湿式プレート状銅粒子(三井金属鉱業株式会社製D50値5.2μm)を比較例2として用いた。
〔比較例3〕
実施例3で用いた原料銅粉Cをそのまま比較例3として用いた。
〔比較例4〕
本出願人の先の出願に係る特許文献1(特開平6−158103号公報)の実施例1を追試し、得られた銅粉を比較例4として用いた。
〔評価1〕
実施例及び比較例で得られた銅粉について、投影面積円相当径を画像解析によって測定した。測定装置として画像解析式粒度分布ソフトウェアMac−VIEWを用いた。測定は20個以上の粒子を対象とし、個々の粒子について投影面積円相当径を測定し、その相加平均値を算出した。
また、実施例及び比較例で得られた銅粉について、投影面積円相当径/周長円相当径の値を、上述の装置を用いた画像解析によって測定した。測定は20個以上の粒子を対象とし、個々の粒子について投影面積円相当径及び周長円相当径を測定し、それらの値から個々の粒子について投影面積円相当径/周長円相当径の値を算出し、更に当該値の相加平均値を算出した。
更に、実施例及び比較例で得られた銅粉について、形状係数を、上述の装置を用いた画像解析によって測定した。測定は20個以上の個の粒子を対象とし、個々の粒子について投影最大径及び投影面積を測定し、それらの値から個々の粒子について形状係数を算出し、その相加平均値を算出した。
以上の結果を以下の表1に示す。以上の各測定に際しては銅粉のSEM像に基づき、目視で粒子を塗りつぶし、塗りつぶした画像を対象として画像解析を行った。一例として、図3に対応する塗りつぶし画像を図4に示す。図3と図4との対比から明らかなとおり、図3において粒子が2個以上重なって観察される場合には、図4においてはそれらの粒子を分離して塗りつぶしている。
〔評価2〕
実施例及び比較例で得られた銅粉について、上述の方法で圧粉密度ρ0.63、圧粉比抵抗R0.63、並びに導電膜の比抵抗R10及びR15を測定した。これらの結果を以下の表1に示す。
〔評価3〕
実施例及び比較例で得られた銅粉について、上述の比抵抗R10の測定に用いられた導体膜の表面性状を評価した。また、上述の比抵抗の測定に用いられた導電性組成物のビア(直径50μm)への充填性を評価した。これらの結果を以下の表1に示す。
〔導電膜の表面性状〕
東京精密社製表面粗さ形状測定器サーフコム480Bを用いて、導体膜の算術平均粗さ(Ra)を測定した。その値が1μm以下のものを表面性状良好とし(A)とし、1μm以上のものを不良(B)とした。
〔導電性組成物のビアへの充填性〕
ガラスクロス絶縁層の両面に銅箔が張り合わされた積層板上に絶縁層(厚さ50μm)/極薄銅箔層(厚さ2μm)/キャリア銅箔層(厚さ18μm)を積層して基板を得た。この基板における表面銅箔に向けてCOレーザーを照射し、キャリア銅箔層から絶縁層にかけて有底ビアを形成した。有底ビアの開口部最大直径は60μであった。このようにして、有底ビア付プリント配線板を得た。スクリーン印刷機を用いて、比抵抗R10の測定に用いられた導電性組成物を、この有底ビアに充填した。次いで、キャリア付銅箔を剥がし、窒素雰囲気下に160℃で1時間にわたり硬化させることで有底ビア内部に導電体が充填されたプリント配線板を得た。このプリント配線板の有底ビア部の断面を研磨し、得られた断面を走査型電子顕微鏡(倍率1,000倍)で観察した。10個の有底ビアを観察し、有底ビア内部に発生した5μm以上のボイド発生率(空隙率)が10%以下の場合を良好とし(A)とし、10%未満の場合を不良(B)とした。
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例で得られた銅粉を含む導電性組成物から形成された導体膜は抵抗が低く、しかも抵抗が銅粉の配合量に影響を受けにくく、更に表面が平滑であることが判る。また、該導電性組成物は小径のビアへの充填性が良好であることが判る。
これに対して、比較例1の球状銅粒子からなる銅粉を用いると、導体膜の抵抗が実施例よりも高くなってしまい、また抵抗が銅粉の配合量に影響を受けやすいことが判る。比較例2のフレーク状銅粒子からなる銅粉についても比較例1と同様の傾向が観察される。樹枝状銅粉を解砕せずにそのまま用いた比較例3の銅粉を用いたのでは、分散性が極めて低いことに起因して、導電性組成物を調製できなかった。比較例4の銅粉は粒径が大きいことに起因して小径のビアへの充填性に欠けるものであった。
本発明によれば、導体の導電性が銅粉の含有割合に依存しにくい銅粉が提供される。また本発明によれば、導体膜の薄膜化が容易であり、小径のビア内の充填性が良好な銅粉が提供される。
本発明は、銅粒子、又は銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子からなり、一次粒子の投影像に外接される最小長方形における長辺の長さ/短辺の長さの値が3以上20以下である棒状の形状を有する粒子を個数基準で35%以上含む銅粉であって、
一次粒子を画像解析した投影面積円相当径が0.1μm以上4.0μm以下であり、
〔最大径×最大径×π÷(4×投影面積)〕で定義される一次粒子の画像解析による形状係数の値が1.8以上3.5以下である銅粉を提供するものである。

Claims (9)

  1. 銅粒子、又は銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子からなる銅粉であって、
    一次粒子を画像解析した投影面積円相当径が0.1μm以上4.0μm以下であり、
    〔最大径×最大径×π÷(4×投影面積)〕で定義される一次粒子の画像解析による形状係数の値が1.8以上3.5以下である銅粉。
  2. 一次粒子を画像解析した投影面積円相当径/周長円相当径の値が0.40以上0.65以下である請求項1に記載の銅粉。
  3. 20mmΦの面積に0.63kNの実荷重を加えたときの圧粉密度をρ0.63とし、そのときの圧粉比抵抗をR0.63としたとき、ρ0.63の値が3.0g/cm以上5.0g/cm以下であり、R0.63の値が9.0×10−1Ωcm以下である請求項1又は2に記載の銅粉。
  4. 100質量部の前記銅粉と10質量部の樹脂とから形成された導電膜の比抵抗をR10とし、100質量部の前記銅粉と15質量部の樹脂とから形成された導電膜の比抵抗をR15としたとき、R10の値が1×10−4Ωcm以下であり、R15/R10の値が10以下である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の銅粉。
  5. 銅粒子、又は銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子からなる銅粉であって、
    20mmΦの面積に0.63kNの実荷重を加えたときの圧粉密度をρ0.63とし、そのときの圧粉比抵抗をR0.63としたとき、ρ0.63の値が3.0g/cm以上5.0g/cm以下であり、R0.63の値が9.0×10−1Ωcm以下である銅粉。
  6. 銅粒子、又は銅芯材の表面に銅以外の金属が被覆されてなる粒子からなる銅粉であって、
    100質量部の前記銅粉と10質量部の樹脂とから形成された導電膜の比抵抗をR10とし、100質量部の前記銅粉と15質量部の樹脂とから形成された導電膜の比抵抗をR15としたとき、R10の値が1×10−4Ωcm以下であり、R15/R10の値が10以下である銅粉。
  7. 銅を芯材とする前記粒子が、銅粒子の表面に銀が被覆されてなる粒子である請求項1ないし6のいずれか一項に記載の銅粉。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の銅粉の製造方法であって、
    樹枝状の銅粒子を含む銅粉のスラリーを、加圧下に狭流路内を強制通過させ、通過時に生じる乱流によって発生するせん断力によって、樹枝状の銅粒子における分枝部を折曲・分離する工程を有する銅粉の製造方法。
  9. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載の銅粉を含む導電性組成物。
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