JP5181434B2 - 微小銅粉及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、球状あるいは粒状の微小銅粉、より詳細には、導電ペースト用、例えば電子回路におけるスルーホール用、ビア埋め用、MLCC外部電極用などのペーストに使用される微小銅粉、及びその製造方法に関する。
近年、OA機器、移動体通信機器等の電子部品実装技術において、配線やビア埋め、スルーホールなどの分野で、耐酸化性や低抵抗値などのために銀が用いられることが多い。しかし、銀を用いた場合、特にマイグレーションの影響などから製品としての不安定面が指摘され、ユーザーサイドで更にオーバーコート等の処理を施すか、完全に銀の使用を拒否するユーザーもある。
上記のマイグレーション防止ないし抑制のひとつの手段として、パラジウムを添加した銀−パラジウムが良く用いられるが、パラジウムが高価であるため、コスト面が需要拡大のネックになっているのも事実である。そこで、高価な銀や銀−パラジウムに代えて、安価で且つマイグレーションの影響をほとんど無視できる銅微粉の需要が高まってきている。
また、最近の電子機器類などの小型化・軽量化に伴い、電子回路のファインピッチ化が進んでおり、配線幅、スルーホール径、ビア径などが微細化される傾向にある。そのため、これらの用途に使用される導電ペースト用の銅粉についても、平均粒径が従来の10μmから5μm以下へと移行しつつある。更に、スクリーン印刷やスルーホール用の導電ペーストに使用される銅粉は、丸みのある形状のものが求められ、高タップ密度で良好な導電性を示すものが望まれている。
一般に、銅粉の製造方法としては、アトマイズ法、電解法、湿式合成法などが採用されている。銅粉の需要は年間5,000トンを遥かに超えると言われているが、ほとんどが上記方法で製造された粉末冶金用の銅粉であり、特に非常に安価な電解銅粉が主に使用されている。ただし、電解銅粉は安価であるが、形状が樹脂状であり、タップ密度が低いという問題があるため、導電ペースト用としては不適当である。
導電ペースト用としては、従来からアトマイズ銅粉が用いられている。しかしながら、アトマイズ銅粉は平均粒径10〜数十μm程度が主であるため、数μmのものを得るには分級が必要となり、生産効率が悪く高級品として販売されている。最近では、高圧水アトマイズ法によって平均粒径5μm以下のものも製造されているが、分級による製品歩留悪化の改善は十分ではなく、経済的に不利である。また、湿式合成法によれば、平均粒径0.2〜5μm程度でよく揃った粒度分布のものが得られやすいが、製造コストが高く、廃液処理等の環境面への配慮が必要である。
一方、特開昭62−199705号公報には、比表面積が0.2m/g以上の樹枝状電解銅粉を、流体エネルギーミルを用いた粒子相互の衝突により解砕、微粉化する微細粒状銅粉の製造方法が開示されている。しかし、具体例として示されている通常のジェットミルのような流体エネルギーミルでは、粒子の衝突により得られるエネルギーが低く、樹枝状に発達した電解銅粉の枝部を折ることによって粒状化するのみであり、粒子内部は密度の低い電解銅粉に近く、高タップ密度の銅粉を得ることはできない。
また、特開平2−182809号公報には、比表面積が0.12m/g以上の樹枝状電解銅粉の表面を油脂で被覆した後、流体エネルギーミルで微粉化する方法が開示されている。しかしながら、この方法も上記特開昭62−199705号公報記載の方法と同様に、通常のジェットミルのような流体エネルギーミルを用いるものであるため、銅粉の高タップ密度化は不可能であり、導電性ペーストにしたときの導電性にも劣るという問題があった。
更に、特開2000−80408号公報には、平均粒径が25〜35μm、嵩密度が0.5〜0.8g/cmの樹枝状電解銅粉の表面を油脂で被覆した後、衝突板方式のジェットミルを用いて微粉化する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、衝突板からの不純物の混入が懸念されるばかりか、得られる銅粉は粒状と枝状の混在したものであり、球形で高タップ密度であることが要求される導電ペースト用銅粉には不適であった。また樹脂を添加して硬化させた後の比抵抗率も1×10−4Ω・cmに留まり、低抵抗化の要求を満足すべきものではなかった。
特開昭62−199705号公報 特開平2−182809号公報 特開2000−80408号公報
本発明は、上記した従来の事情に鑑み、粒径が微細で形状が球形に近く且つ高タップ密度であり、樹脂を添加して熱硬化させたとき低い抵抗値を示し、導電性ペースト用として好適な銅粉を提供すること、並びに、その銅粉を安価且つ簡便に大量生産することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、樹枝状電解銅粉の粉砕・微粉化に関する研究を進めた結果、高圧ジェット気流旋回渦方式のジェットミルを用いて樹枝状電解銅粉を粉砕及び緻密化することによって、平均粒径が微細で且つ粒径分布が狭く、球状あるいは粒状の微小銅粉が得られること、しかも従来の流体エネルギーミルや衝突板方式ジェットミルでは不可能であった高タップ密度化が可能であることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明による微小銅粉の製造方法は、嵩密度0.8〜2.0g/cmの樹枝状電解銅粉を、大気雰囲気中又は不活性雰囲気中において高圧ジェット気流旋回渦方式のジェットミルを用いて粉砕及び緻密化した後、得られた微小銅粉を酸処理し、同時に又はその後微小銅粉の表面を炭素数8〜18の脂肪酸で被覆して、平均粒径1〜6μmの球状あるいは粒状の微小銅粉を得ることを特徴とする
上記本発明の微小銅粉の製造方法においては、前記高圧ジェット気流旋回渦方式のジェットミルによる粉砕圧力が6〜15kg/cmであることを特徴とする。
また、本発明が提供する微小銅粉は、上記本発明方法で得られた平均粒径1〜6μmで球状あるいは粒状の微小銅粉であって、その表面が炭素数8〜18の脂肪酸で被覆され、タップ密度が4.5g/cm以上であることを特徴とするものである。この本発明の微小銅粉は、樹脂を添加して大気雰囲気中において200℃で硬化することにより、1×10−5〜1×10−4Ω・cmの比抵抗値が得られることを特徴とする。
本発明によれば、平均粒径が1〜6μmと微細で、形状が球形に近く、しかもタップ密度が4.5g/cm以上と高タップ密度である微小銅粉を、大量生産可能な方法により製造し、安価に提供することができる。また、本発明の微小銅粉は、上記した特性を有すると共に、硬化後に1×10−5〜1×10−4Ω・cmの比抵抗値を示すことから、導電ペースト用などとして極めて好適なものである。
本発明の製造方法において出発原料として用いる樹枝状電解銅粉は、嵩密度が0.8〜2.0g/cmのものである。嵩密度が0.8g/cm未満の樹枝状電解銅粉を用いた場合、大気雰囲気中での粉砕により銅粉が燃えたり、表面に過度の酸化物が形成されるため好ましくない。また、樹枝状電解銅粉の嵩密度が2.0g/cmを超えると、平均粒径1〜6μmの微小銅粉を得ることが困難である。尚、原料として用いる樹枝状電解銅粉は、その平均粒径が20〜45μmであることが好ましい。
上記樹枝状電解銅粉は、高圧ジェット気流旋回渦方式のジェットミルを用いて粉砕することによって、球状あるいは粒状の微細な銅粉となると同時に緻密化され、サイクロンやバグフィルターによって回収される。この高圧ジェット気流旋回渦方式ジェットミルによる粉砕・緻密化は、大気雰囲気中あるいは不活性雰囲気中で行うことが出来るが、大気雰囲気中で粒径3μm以下の微小銅粉を作製した場合は表面酸化が過度に起こるため、不活性雰囲気中で行うことが好ましい。尚、粒径3μm以上の微小銅粉は、大気雰囲気中で粉砕・緻密化することができるため、低コストでの作製が可能である。
本発明で用いる高圧ジェット気流旋回渦方式のジェットミルは、大気あるいは不活性ガスによる高圧ジェット気流の同心円状旋回渦を形成し、その高圧ジェット気流旋回渦中で樹枝状電解銅粉の粒子同士を相互に衝突させる。その結果、樹枝状電解銅粉の樹枝部分が微細な粒子に分解された後、更なる衝突を繰り返すことにより粒子の角ばった部分が押しつぶされ、球状あるいは表面凹凸が少ない粒状の微小銅粉が得られる。
しかも、上記高圧ジェット気流旋回渦方式のジェットミルでは、従来の流体エネルギーミルや衝突板方式ジェットミルよりも粉砕圧力が高く、具体的には6kg/cmを超え15kg/cm程度までの粉砕圧力が可能であって、気流も均一に制御されている。そのため、高い衝突エネルギーが得られ、樹枝状電解銅粉を容易に粉砕・微粉化すると同時に、内部まで容易に緻密化して、高密度な微小銅粉とすることができる。
このような高圧ジェット気流旋回渦方式のジェットミルとしては、(株)徳寿工作所製のNJ式ナノグラインディングミルを例示することができる。
上記した本発明方法によって得られる微小銅粉は、平均粒径が1〜6μmの球状あるいは粒状であって、表面が非常に平滑で凹凸が少ない。尚、平均粒径が1μm未満の場合は高充填できず、逆に平均粒径が6μmを超え場合には微細なスルーホールなどに使用できない。また、球状あるいは粒状とすることにより、微小銅粉のタップ密度を上げることができ、成膜・硬化後の比抵抗率を低くすることができる。従って、本発明の微小銅粉は、スルーホール用などの導電ペーストのフィラーとして好適であり、スクリーン印刷にも適している。
また、本発明の微小銅粉は、上記した微粉化と緻密化の後に、その粒子表面を油脂により被覆することが好ましい。従来から酸化防止のために粉砕前の原料粉を油脂被覆することは知られているが、流体エネルギーミルや衝突板方式ジェットミルでの粉砕中に油脂が摩擦などで剥ぎ取られ、粒子の表面が酸化することが避けられないため、成膜・硬化したときの低抵抗化が困難であった。
一方、本発明では、高圧ジェット気流旋回渦方式ジェットミルでの粉砕後に、得られた微小銅粉を酸処理し、同時に又はその後、微小銅粉の表面を油脂で被覆する。例えば、粉砕後の微小銅粉を酸の水溶液中に投入して撹拌し、続いて、得られたスラリーに脂肪酸のアルカリ金属塩を添加して撹拌保持した後、ろ過・乾燥する。このとき、微小銅粉を水に投入してスラリーとした後に酸を添加してもよいし、酸の水溶液中に脂肪酸のアルカリ金属塩を添加して、酸処理と油脂被覆を同時に行うこともできる。また、脂肪酸のアルカリ金属塩の添加時に、アスコルビン酸などの還元剤を同時に添加してもよい。
上記酸処理により、微小銅粉の表面酸化膜を取り除くことができる。用いる酸としては、酢酸、ギ酸、硫酸、リン酸、硝酸が好ましい。また、酸の添加量は過剰に入れる必要はなく、粒子表面の酸化膜や汚染層が除去できる程度のものであればよい。次に、この酸処理によって清浄化された微小銅粉の表面に、油脂を被覆することにより、耐酸化性を付与すると同時に、より高タップ密度化を達成でき、導電用ペーストとして成膜・硬化したときの低抵抗化が可能となる。
微小銅粉の表面に被覆される油脂は、炭素数8以上の脂肪酸が好ましい。かかる脂肪酸としては、例えば、オクタン酸(炭素数8)、デカン酸(炭素数10)、ラウリン酸(炭素数12)、ミリスチン酸(炭素数14)、パルミチン酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)、オレイン酸(不飽和、炭素数18)などが挙げられる。炭素数18を超える脂肪酸も使用できるが、高価であるうえ、操作性もよくないため、炭素数18のステアリン酸までが実用的である。
炭素数8以上の脂肪酸は水に対してほとんど溶解しないが、脂肪酸のナトリウム塩やカリウム塩などアルカリ金属塩であれば溶解度があるため、水溶液中で微小銅粉の表面に脂肪酸の被膜を形成することができる。尚、脂肪酸のアルカリ金属塩の添加量は水に対する臨界ミセル濃度付近でよく、未溶解分が発生するほど過剰に添加する必要はない。
上記した表面被覆処理により、微小銅粉の表面に分子1層分の脂肪酸がイオン配位して、過剰な脂肪酸の付着がない綺麗な油脂被膜を形成することができ、その結果、本発明の微小銅粉はタップ密度が更に向上して4.5g/cm以上となる。タップ密度が4.5g/cm以上になると、成膜・硬化したときに粒子間の導電パスが増加することや、膜内の銅粉体積が増加することから、一層の低抵抗化を実現することができる。タップ密度は5.0g/cm以上が更に好ましく、より低抵抗化が可能となるが、本発明の平均粒径では6.0g/cmを超えるものを得ることは実質的に困難である。
本発明の微小銅粉は、上記した高いタップ密度に加えて、清浄な表面が脂肪酸で被覆されていて硬化中の粒子表面の酸化が低減されるため、樹脂を添加して大気雰囲気中において200℃で硬化させたとき、1×10−5〜1×10−4Ω・cmの低い比抵抗値を示し、導電ペースト用銅粉として好適なものである。使用する樹脂としては、熱硬化性を持った樹脂であれば特に限定されないが、フェノール樹脂、アクリル樹脂などの硬化時に収縮する樹脂が好ましい。
尚、ここで用いる硬化温度では、微小銅粉同士の焼結が進まず、熱硬化性樹脂の収縮によるコンタクトのみで低抵抗化するため、比抵抗値の下限はバルクの比抵抗値に比べて高い1×10−5Ω・cm程度である。しかしながら、この大気雰囲気中200℃での硬化により1×10−5〜1×10−4Ω・cmの低抵抗化が実現できれば、ポリイミド基板などに使用可能となる。更に160℃以下の硬化温度で同程度の低い比抵抗値が得られれば、ガラスエポキシ基板にも使用することができる。
[実施例1]
樹枝状電解銅粉(ネクセルジャパン製、電解銅粉Cu−300)を、高圧ジェット気流旋回渦方式ジェットミルである(株)徳寿工作所製のNJ式ナノグラインディングミル(NJ−30)を用いて、空気流量200リットル/分、粉砕圧力10kg/cm、約400g/時間で8パス実施して、粉砕・微粉化した。上記樹枝状電解銅粉の平均粒径は30.5μm、嵩密度は1.6g/cm、BET法比表面積は0.23m/gであった。この出発原料である樹枝状電解銅粉の走査型電子顕微鏡写真を図1に示す。
上記微粉化により得られた銅粉は粒状であり、平均粒径は5.67μm、嵩密度は3.11g/cm、BET法比表面積は0.25m/gであった。尚、平均粒径は、日機装(株)製のMICROTRAC HRA9320X−100を用いて求めた。また、嵩密度は粉体の体積と粒子の質量の比から求めた。上記微粉化により得られた微小銅粉の走査型電子顕微鏡写真を図2に示す。
次に、上記微粉化により得られた微小銅粉に対し、表面被覆処理を行った。即ち、純水200ml中にギ酸(和光純薬工業(株)製、和光1級)25mlを溶解した溶液に、微小銅粉100gを分散させた後、純水50mlにステアリン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、試薬)0.2gを溶解した溶液を添加し、撹拌しながら1時間保持した。その後、濾過して微小銅粉を回収し、60℃で真空加熱乾燥した。得られた微小銅粉(ステアリン酸で表面被覆)のタップ密度を測定したところ、5.3g/cmであった。
このようにして得られた微小銅粉85重量部に、フェノール樹脂(群栄化学(株)製、PL−2211)15重量部、ブチルセロソルブ(関東化学(株)製、鹿特級)10重量部を混合し、小型ニーダー(日本精機製作所製、ノンバブリングニーダーNBK−1)を用い、1200rpm、3分間の混錬を3回繰り返すことでペースト化した。得られた導電ペーストを金属スキージでガラス上に印刷し、大気雰囲気中にて150℃、200℃でそれぞれ30分間硬化させた。
上記導電ペーストの硬化により得られた被膜の比抵抗値は、それぞれ1.6×10−4Ω・cm(硬化温度150℃)、4.3×10−5Ω・cm(硬化温度200℃)であった。尚、被膜の比抵抗値は、低抵抗率計(三菱化学(株)製、Loresta−GP MCP−T600)を用いて四端子法によりシート抵抗値を測定し、表面粗さ形状測定器(東京精密(株)製、SURFCOM130A)により被膜の膜厚を測定して、上記シート抵抗値を膜厚で除することによって求めた。
[比較例1]
平均粒径40.0μm、嵩密度2.2g/cm、BET法比表面積0.17m/gの樹枝状電解銅粉(三井金属鉱業(株)製、電解銅粉MD−1)を、高圧ジェット気流旋回渦方式ジェットミルである(株)徳寿工作所製のNJ式ナノグラインディングミル(NJ−30)を用いて、上記実施例1と同様にして、粉砕圧力10kg/cm、約400g/時間で3パス実施して、で粉砕・微粉化した。
得られた銅微粉は粒状であり、平均粒径は14.89μmであった。この比較例1では、出発原料として嵩密度が2.0g/cmを超える樹枝状電解銅粉を用いているため、平均粒径1〜6μmの微小銅粉は作製できなかった。
[比較例2]
平均粒径40.0μm、嵩密度2.2g/cm、BET法比表面積0.17m/gの樹枝状電解銅粉(三井金属鉱業(株)製、電解銅粉MD−1)を、通常のジェットミル((株)栗本鐵工所社製、KJ−50)を用いて、粉砕圧力6kg/cm、約2000g/時間で粉砕・微粉化した。
得られた銅微粉は粒状であり、平均粒径が3.58μm、嵩密度が2.55g/cm、BET法比表面積が0.61m/gであった。この銅微粉に上記実施例1と同様にしてステアリン酸を被覆したところ、タップ密度は4.4g/cmであった。
更に、得られた銅微粉を、上記実施例1と同様にして、ペースト化し、その導電ペーストを用いて被膜を形成した。得られた被膜の比抵抗値を上記実施例1と同様に測定したところ、それぞれ4.6×10Ω・cm(硬化温度150℃)、1.0×10Ω・cm(硬化温度200℃)であった。この比較例2では、通常のジェットミルを用いて粉砕したことによって、得られた銅微粉の粒度分布が広く且つ粒径1μm以下の微粒が酸化されたため、硬化後の比抵抗値が極めて高くなっている。
[実施例2]
平均粒径20.3μm、嵩密度0.8g/cm、BET法比表面積0.40m/gの樹枝状電解銅粉(福田金属箔粉工業(株)製、電解粉FCC−115)を、高圧ジェット気流旋回渦方式ジェットミルである(株)徳寿工作所製のNJ式ナノグラインディングミル(NJ−100)を用い、上記実施例1と同様にして、粉砕圧力10kg/cm、約2000g/時間で8パス実施して、粉砕・微粉化した。
上記微粉化により得られた銅粉は粒状であり、平均粒径が3.67μm、嵩密度が2.27g/cm、BET法比表面積が0.74m/gであった。また、この微小銅粉を、上記実施例1と同様にしてステアリン酸を被覆したところ、表面被覆後のタップ密度は5.0g/cmであった。更に、この微小銅粉を、上記実施例1と同様にペースト化し、その導電ペーストを用いて形成した被膜の比抵抗値を上記実施例1と同様に測定したところ、それぞれ7.5×10−5Ω・cm(硬化温度150℃)、4.3×10−5Ω・cm(硬化温度200℃)であった。
[実施例3]
粉砕圧力を6kg/cm、12kg/cmと変化させた以外は、上記実施例1と同様にして、樹枝状電解銅粉を粉砕・微粉化した。上記粉砕圧力6kg/cmで得られた微小銅粉は、平均粒径が2.64μmであり、上記実施例1と同様にしてステアリン酸を被覆した後の微小銅粉のタップ密度は4.7g/cmであった。
また、上記粉砕圧力12g/cmで得られた微小銅粉は、平均粒径が2.39μmであった。この微小銅粉の粒度分布を図3に示す。図3から、非常に良好な粒度分布を示していることが分る。また、表面被覆後の微小銅粉のタップ密度は4.5g/cmであった。
実施例1で出発原料として用いた樹枝状電解銅粉の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた本発明の微小銅粉の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られた本発明の微小銅粉の粒度分布を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 嵩密度0.8〜2.0g/cmの樹枝状電解銅粉を、大気雰囲気中又は不活性雰囲気中において高圧ジェット気流旋回渦方式のジェットミルを用いて粉砕及び緻密化した後、得られた微小銅粉を酸処理し、同時に又はその後微小銅粉の表面を炭素数8〜18の脂肪酸で被覆して、平均粒径1〜6μmの球状あるいは粒状の微小銅粉を得ることを特徴とする微小銅粉の製造方法。
  2. 前記高圧ジェット気流旋回渦方式のジェットミルによる粉砕圧力が6〜15kg/cmであることを特徴とする、請求項1に記載の微小銅粉の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法で得られた平均粒径1〜6μmで球状あるいは粒状の微小銅粉であって、その表面が炭素数8〜18の脂肪酸で被覆され、タップ密度が4.5g/cm以上であることを特徴とする微小銅粉。
  4. 樹脂を添加して大気雰囲気中において200℃で硬化することにより、1×10−5〜1×10−4Ω・cmの比抵抗値が得られることを特徴とする、請求項3に記載の微小銅粉。
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