JPWO2015186615A1 - 光拡散剤及びそれを用いた光拡散性組成物 - Google Patents

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Abstract

シリカエアロゲルからなる、光拡散剤および光拡散剤が透明性を有する媒体中に分散されてなる、高い全光透過率と共に、高いヘイズ値を有し、効率良く光を拡散させることが可能な光拡散性組成物。

Description

本発明は、光拡散剤及び光拡散剤が媒体中に分散されてなる光拡散性組成物に関する。
従来、液晶ディスプレイには全体が均一な明るさを有するように、バックライトからの入射光を拡散透過させる技術が用いられている。また、バックライトの光源の形状が目立ちにくくなるように、光源からの光を拡散させる技術も用いられている。
光拡散を行う際には、光拡散性すなわちヘイズが高いことと、光透過性すなわち全光線透過率が高いことが要求される。一般的に光拡散を行うために用いられる光拡散性組成物としては、媒体中に光拡散剤を含有する光拡散コート剤を基板上に塗布してシート状にした物(以下、光拡散シートという)や、媒体中に光拡散剤を含有する組成物を板状に成形した物(以下、光拡散板という)がある。そのような光拡散シートや光拡散板での光拡散は、いずれも媒体と光拡散剤との屈折率の差による光散乱現象を利用している。
光拡散剤としては、粒径が1〜10μm程度のアクリル樹脂ビーズやシリコーン系のビーズが用いられている(特開2014−52595号公報および特開2013−210494号公報参照)。アクリル樹脂ビーズを用いた場合には、全光線透過率が高い物が得られるが、バインダーとの屈折率の差が小さいため、多量に充填を行う必要があり、またシリコーン系のビーズを用いた場合には、ヘイズが高いものが得られるが、全光線透過率が小さくなる傾向を有している。
そこで、本発明の課題は、効率良く、良好な光拡散性と光透過性とを有する光拡散性組成物を得ることが可能な、光拡散剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、シリカエアロゲルを光拡散剤として、透明性を有する媒体中に分散させた組成物は、高いヘイズ値を有し、その組成物によれば、光源からの光を効率良く拡散することにより、均一な明るさが得られることを究明した。そして、このとき、上記組成物は、高いヘイズ値だけでなく、高い全光線透過率をも有し、優れた光透過性をも有することも究明した。すなわち、シリカエアロゲルを光拡散剤として媒体中に分散させることにより、光源からの光を無駄なく透過し、効率良く拡散させることが可能となり、上記の課題が解決できることを見出し本発明に到達した。
本発明は、シリカエアロゲルからなり、媒体中に分散させて使用されることを特徴とする光拡散剤である。本発明の光拡散剤の好ましい幾つかの態様は下記のとおりである。
前記シリカエアロゲルは球状であることが好ましい。
前記シリカエアロゲルはコールターカウンター法により測定された体積基準累積50%径(D50)値が1〜15μmの範囲にあることが好ましい。
前記シリカエアロゲルは、BET法による比表面積が400〜1000m/gの範囲にあり、BJH法による細孔容積及び細孔半径のピークが各々3〜8ml/gの範囲および10〜50nmの範囲にあることが好ましい。
また、本発明は、前記媒体中の一部または全部に、前記光拡散剤が分散されてなる光拡散性組成物である。本発明の光拡散性組成物の前記媒体の屈折率は、1.45〜1.65であることが好ましい。さらに、前記媒体は、アクリル系樹脂であることが好ましい。
また、本発明は、前記光拡散性組成物が板状に成形されてなる光拡散板であり、さらに媒体が有機溶媒を含んでなる光拡散コート材である。
発明の効果
本発明の光拡散剤を用いた光拡散性組成物は、光拡散性と光透過性に優れているため、液晶ディスプレイに用いる際にはバックライトの出力を小さくすることが可能となり、照明器具に用いる際には、明るさを向上させることが可能となる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明におけるシリカエアロゲルは高い空隙率を有し、分散媒体として気体を伴う固体材料であり、空隙率60%以上のものをいう。上記空隙率は、見掛けの体積中に含まれている気体の量を体積百分率で表した値である。一般に、シリカエアロゲルは粒径4〜8nmの一次粒子が網目状に凝集した二次粒子を形成しており、この二次粒子が微細な細孔構造を有することにより特徴づけられる。
本発明の光拡散剤は、シリカエアロゲルからなり、媒体中に分散させることにより、光拡散性を向上することができる。上記媒体は、光拡散部材に用いた際のマトリックスになる透明性部分であり、例えば透明性の有機樹脂等が用いられる。
該シリカエアロゲルを媒体中に分散させて得られる光拡散性組成物(以下、光拡散性組成物という)は、シリカエアロゲルと媒体との屈折率の違いから、光拡散性に優れ、更に驚くべきことに、光透過性にも優れることがわかった。
該光拡散性組成物が優れた光透過性を有する機構の詳細は明らかではないが、シリカエアロゲル特有の均一で微細な細孔構造に起因すると考えられる。即ち、シリカエアロゲルを媒体中に分散させた場合、シリカエアロゲルの二次粒子の細孔内に媒体が浸透するため、光拡散性組成物に入射した光を屈折・散乱する物質は、二次粒子の細孔構造を規定する一次粒子となる。当該シリカエアロゲルの一次粒子径は、前述のとおり4〜8nm程度であり、一般的な可視光の波長(380nm〜750nm程度)と比較すると、数十分の1から数100分の1と小さいため、優れた光透過性が得られると推察される。
本発明の光拡散剤の形状は特に限定されず、不定形でも、球状でもよい。なかでも、球状のシリカエアロゲルを分散させた光拡散性組成物は、より光透過性に優れる傾向があり、光拡散剤として良好に用いることができる。
上記球状のシリカエアロゲルは、0.8以上の円形度を有することが、光透過性を向上させる上で好ましい。円形度は、2000個以上のシリカエアロゲル粒子について、SEMにより観察したSEM像を画像解析して得られる円形度の相加平均値であり、下記式(1)により求めることができる。
C=4πS/L (1)
式(1)において、Cは円形度を表し、Sは、当該シリカエアロゲル粒子が画像中に占める面積(投影面積)を表しそしてLは画像中における当該シリカエアロゲル粒子の外周部の長さ(周囲長)を表す。
本発明の光拡散剤は、コールターカウンター法により測定された体積基準累積50%径(D50)値が、1〜15μmの範囲にあることが好ましく、2〜10μmの範囲にあることがより好ましい。D50値がこの範囲より小さくなると、個々の光拡散剤粒子の光を拡散させる作用が小さくなるため、全体として光拡散の効果が小さくなり、また、この範囲を超えて大きくなると、個々の光拡散剤粒子の光を拡散させる作用は大きくなるものの、質量当たりの粒子数が少なくなるため、充填量に対する光拡散効果は小さくなり、結果として充填量を多くすることが必要となる。
上記D50値は、光拡散剤0.005gをアルコール(例えば、日本アルコール販売株式会社製「ソルミックスA−7」)50gに添加し、超音波洗浄機により、90Wで3分間の条件で分散したものを測定用試料とし、コールターカウンター法により粒度分布を測定して得られる。すなわち、粒度分布から得られた体積基準の累積50%径である。
本発明の光拡散剤は、BET法による比表面積が400〜1000m/gの範囲にあることが好ましく、500〜800m/gの範囲にあることが更に好ましい。比表面積がこの範囲より小さい場合には、光透過性が低下する傾向にある。他方、比表面積がこの範囲を超えて大きな粒子を得ることは困難である。
上記「BET法による比表面積」は、測定対象のサンプルを1kPa以下の真空下において150℃の温度で2時間以上乾燥させ、その後、液体窒素温度における窒素の吸着側のみの吸着等温線を測定し、該吸着等温線をBET法により解析して求めた値であって、その際の解析に用いる圧力範囲は、相対圧0.1〜0.25の範囲である。
本発明の光拡散剤は、BJH法による細孔容積が3〜8ml/gの範囲にあることが好ましく、3.5〜6ml/gの範囲にあることが更に好ましい。細孔容積が上記範囲より小さくなると、空隙率が小さくなるため、質量当りの粒子数が減少し、光拡散剤としての効果が小さくなる傾向にある。また上記範囲を超えて大きな粒子を得ることは難しい。
本発明の光拡散剤は、BJH法による細孔半径のピークが10〜50nmの範囲にあることが好ましく、10〜40nmの範囲にあることが更に好ましい。細孔半径が上記範囲にある場合には、良好な光透過性が得られる傾向にある。
前記「BJH法による細孔容積」は、測定対象のサンプルを、1kPa以下の真空下において、150℃の温度で2時間以上乾燥させ、その後液体窒素温度における窒素の吸着剤のみの吸着等温線を取得し、BJH法(Barrett,E.P.;Joyner,L.G.;Halenda,P.P.,J.Am.Chem.Soc.73,373(1951))により解析して得られる細孔半径1nm以上100nm以下の細孔に由来する細孔容積である。また、「上記BJH法による細孔半径のピーク」は、上記細孔容積と同様に吸着等温線をBJH法により解析して得られたものであり、細孔半径の対数による累積細孔容積の微分を縦軸にとり細孔半径を横軸にとってプロットした細孔分布曲線(体積分布曲線)において最大のピークをとる細孔半径である。
本発明の光拡散剤は、表面が疎水化処理されていても、されていなくてもよいが、表面が疎水化処理されていることが好ましい。光拡散剤を充填する媒体は通常疎水性であるため、表面が疎水化処理されている光拡散剤は媒体との馴染みが良く、媒体中への分散性が良好となる。ここで、疎水化処理を行うための疎水化剤としては、例えばクロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
本発明のシリカエアロゲルの製造方法としては、例えば、特開平10−236817号公報等に開示されている超臨界乾燥法や、特開2013−203804号公報等に開示されている常圧乾燥法等が挙げられる。常圧乾燥法のなかでも、特許第4960534号明細書に開示されている方法によれば、球状のシリカエアロゲルを製造することができる。これら方法により得られたシリカエアロゲルを、そのまま用いてもよいし、公知の手段により、上記好ましい大きさに粉砕して用いてもよい。
本発明の光拡散性組成物は、前述のシリカエアロゲルからなる光拡散剤を媒体中に分散させてなる。
上記媒体は透明性を有するものであり、例えば液体媒体、固体媒体である。液体媒体としては有機液体例えばトルエン、キシレン等の炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン、酢酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステルあるいはエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が好ましく、固体媒体としては有機樹脂、例えば熱可塑性樹脂や硬化性樹脂が好ましい。ここで、媒体の透明性とは、光拡散性組成物を、光拡散性が求められる用途に適用した際の、マトリックス部の値であり、有機樹脂の場合は、JIS−K7361−1にて、10mmの厚みで測定された場合の全光線透過率が、70%以上であることが好ましく、更には80%以上であることがより好ましい。
具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、アクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂が、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル系樹脂等の硬化性樹脂が挙げられる。
なかでも、アクリル系樹脂は、光透過性に優れ、光源の光を効率的に利用できるため好適に用いられる。アクリル系樹脂としては、具体的に、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体等が挙げられる。メタクリル酸エステルの重合体は透明性に優れる点で特に好適に用いられる。本発明の光拡散性組成物において、これら媒体のうち、1種類だけを用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよく、また、共重合体として用いても良い。
本発明の光拡散性組成物において、拡散剤の充填量(含有量)は、前記媒体100質量部に対して0.1〜100質量部であることが好ましく、1〜70質量部であることが更に好ましい。
本発明の光拡散性組成物において、媒体の屈折率(20℃)は好ましくは、1.40〜1.65の範囲であり、より好ましくは1.45〜1.60の範囲であり、さらに好ましくは、1.48〜1.55の範囲である。シリカエアロゲルの屈折率(20℃)は表面処理に用いられた処理剤等に因って変わるため一概には言えないが、前記したような好適な表面処理剤で表面処理した場合の屈折率は1.40〜1.50であるのが一般的である。表面を処理されていないシリカの屈折率は、1.45である。一般に、光拡散性組成物において、媒体と光拡散剤の屈折率の差が大きくなるほど、ヘイズが上昇し、全光線透過率が低下する傾向がある。媒体の屈折率が上記範囲である場合、その屈折率の差から、光拡散性と光透過性をより効果的に発揮することができる。
このような本発明の光拡散性組成物は、光源より発せられる光を、効率よく、一面に亘る均一な明るさの光とすることができるため、照明や、バックライト等に好適に用いることができる。
上記光拡散性組成物は、媒体として透明性の有機樹脂を用いて、板状に成形することにより光拡散板とすることができる。光拡散板として用いる態様においては、光拡散剤の充填量(含有量)は前記した範囲の中でも、透明性の有機樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることが更に好ましい。
光拡散板では、本発明の光拡散剤が透明性の有機樹脂に分散していればよく、分散を阻害しない限りにおいて、目的に応じて、可塑剤、硬化剤、顔料、染料、重合安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤および難燃剤等の添加剤を充填することができる。
透明性の有機樹脂が熱可塑性樹脂である場合、本発明の光拡散剤を該樹脂に混練し、板状に成形することにより、光拡散板を得ることができる。また、透明性の有機樹脂が硬化性樹脂である場合、本発明の光拡散剤を硬化剤と供に該樹脂に分散させ、板状とした後、熱硬化させる場合には、熱をかけて、光硬化させる場合には、光をあてて光拡散板を得ることができる。
次に、上記光拡散性組成物において、媒体として、前述した透明性の有機樹脂とそれを希釈するための有機溶媒とを用いて光拡散コート材とすることができる。上記有機溶媒としては、例えば比較的沸点が低く揮発性の、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール等が好ましく使用できる。希釈倍率は、例えば2〜3倍とすることが好ましい。
光拡散コート材として用いる態様においては、光拡散剤の添加量は、前記した範囲の中でも、透明性の有機樹脂100質量部に対して、10〜100質量部であることが好ましく、30〜70質量部であることが更に好ましい。
前記光拡散板同様、光拡散剤が媒体に分散するのを阻害しない限り、目的に応じて、可塑剤、硬化剤、顔料、染料、重合安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤および難燃剤等の添加剤を充填することができる。
該光拡散コート材は、透明性のあるシート、ガラスまたは、プラスチック等に塗布することにより、基材の光拡散性を向上することができる。媒体として、熱可塑性樹脂を用いた場合は、加熱等により、有機溶媒を揮発させて乾燥すればよく、硬化性樹脂を用いた場合は、加熱等により、有機溶媒を揮発させた後、前述の光拡散板の場合と同様に、熱や光を用いて硬化させればよい。
かくして得られた光拡散板や、光拡散コート材が塗布されたシートやガラス、プラスチックは、光源からの光を効率よく透過するとともに、より均一に拡散することができるため、照明カバーや大型広告・看板、液晶ディスプレイ等に好適に使用することができる。
以下、本発明を具体的に説明するため、実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。また、以下において、物性評価は以下の通り行った。
BET比表面積、BJH法による細孔容積、BJH法による細孔分布の測定は、日本ベル株式会社製BELSORP−maxにより行った。
粒度分布:
日本アルコール販売株式会社製のソルミックスA−7(標準組成:エタノール85.5%、プロピルアルコール9.6%、メタノール4.9%、水0.2%)に測定用試料を添加し、日本エマソン株式会社製の超音波洗浄機B1510J−MTで3分間分散した。得られた分散液についてベックマン・コールター株式会社製、マルチサイザーIIIを用い、アパーチャーチューブ50μmにより測定を行った。なお、上記分散時間に関して、分散時間が1、3、5分でそれぞれのD50の値が0.1μm以上変化しないことを確認した。
光拡散性、光透過性の評価:
媒体中に光拡散剤を分散させ、日本電色工業株式会社製のNDH2000により、光路長10mmのセルを用いて、JIS−K7361−1に準拠した方法により、ヘイズと全光線透過率を測定した。ゼロ点合わせは、セルに対象となる媒体のみを充填した状態で行った。
実施例1
光拡散剤として、常圧乾燥法により得られた、疎水性であり、不定形の、下記の物性を有するシリカエアロゲル粒子を用い、添加量を変化させながら、光透過性、光拡散性を評価した。媒体には、アクリル系樹脂に屈折率が近いものとしてトルエン(屈折率1.50)を用いた。評価結果を表1に示す。
D50:2.7μm、比表面積:576m/g、細孔容量:4.2ml/g
細孔半径のピーク:30nm。
実施例2
光拡散剤として、常圧乾燥法により得られた、疎水性であり、球状の、下記の物性を有するシリカエアロゲル粒子を用い、添加量を変化させながら、光透過性、光拡散性を評価した。媒体には、アクリル系樹脂に屈折率が近いものとしてトルエン(屈折率1.50)を用いた。評価結果を表1に示す。
D50:2.7μm、比表面積:637m/g、細孔容量:3.8ml/g
細孔半径のピーク:20nm、平均円形度:0.93。
実施例3
光拡散剤として、常圧乾燥法により得られた、疎水性であり、不定形の、下記の物性を有するシリカエアロゲル粒子物を用い、添加量を変化させながら、光透過性、光拡散性を評価した。媒体には、アクリル系樹脂に屈折率が近いものとしてトルエン(屈折率1.50)を用いた。評価結果を表1に示す。
D50:3.7μm、比表面積:576m/g、細孔容量:4.2ml/g
細孔半径のピーク:30nm。
実施例4
光拡散剤として、常圧乾燥法により得られた、疎水性であり、不定形の、下記の物性を有するシリカエアロゲル粒子を用い、添加量を変化させながら、光透過性、光拡散性を評価した。媒体には、アクリル系樹脂に屈折率が近いものとしてトルエン(屈折率1.50)を用いた。評価結果を表1に示す。
D50:8.7μm、比表面積:576m/g、細孔容量:4.2ml/g
細孔半径のピーク:30nm。
比較例1
光拡散剤としてD50が3μmのA社製アクリル樹脂ビーズを用いた他は、実施例1と同様の方法で、光透過性、光拡散性を評価した。評価結果を表1に示す。
比較例2
光拡散剤としてD50が3μmのB社製シリコーン系ビーズを用いた他は、実施例1と同様の方法で、光透過性、光拡散性を評価した。評価結果を表1に示す。
実施例5
光拡散剤として、実施例1の不定形のシリカエアロゲル粒子を用い、媒体としてスチレンダイマー(2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、屈折率:1.57)を用い、添加量を変化させながら、光透過性、光拡散性を評価した。評価結果を表2に示す。
実施例6
実施例2の球状のシリカエアロゲル粒子を用いた他は、実施例5と同様な方法で、光透過性、光拡散性を評価した。評価結果を表2に示す。
以上の実施例、比較例から明らかなように、拡散剤としてアクリル樹脂のビーズを用いた場合は、光拡散性(ヘイズ)が小さく、シリコーン系のビーズを用いた場合は、光透過性(全光線透過率)が低かった。シリカエアロゲルを用いた場合には、良好な光拡散性と光透過性を両立することができた。
Figure 2015186615
Figure 2015186615

Claims (9)

  1. シリカエアロゲルからなりそして透明性を有する媒体中に分散させて使用されることを特徴とする光拡散剤。
  2. 前記シリカエアロゲルが球状である請求項1記載の光拡散剤。
  3. 前記シリカエアロゲルのコールターカウンター法により測定された体積基準累積50%径(D50)値が1〜15μmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光拡散剤。
  4. 前記シリカエアロゲルの、BET法による比表面積が400〜1000m/gであり、BJH法による細孔容積および細孔半径のピークが各々3〜8ml/gおよび10〜50nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光拡散剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光拡散剤が、媒体中に分散されてなることを特徴とする光拡散性組成物。
  6. 前記媒体の屈折率が1.40〜1.65である請求項5に記載の光拡散性組成物。
  7. 前記媒体がアクリル系樹脂である請求項5または6に記載の光拡散性組成物。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の光拡散性組成物が板状に成形されてなる光拡散板。
  9. 前記媒体が有機溶媒を含んでなる、請求項5〜7のいずれか1項に記載の光拡散性組成物からなる光拡散コート材。
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