JPWO2015152007A1 - 芳香族アミン樹脂、マレイミド樹脂、硬化性樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、副生物であるジフェニルアミンの含量が少ない芳香族アミン樹脂、これから誘導されるマレイミド樹脂、これらを使用した硬化性樹脂組成物およびこれを硬化することにより得られる耐熱性、低吸湿性、低誘電特性、難燃性、強靭性に優れた硬化物を提供することを課題とする。本発明の芳香族アミン樹脂は、アニリンとビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体とを反応させて得られる下記式(1)で表される化合物を含む芳香族アミン樹脂であって、副生成物であるジフェニルアミンの含有量が1重量%以下である。【化1】(式中、Xは炭素数6〜18の置換又は無置換の芳香族炭化水素基を表す。nは平均値であり1≦n≦10を表す。)

Description

本発明は、芳香族アミン樹脂およびこれから誘導されるマレイミド樹脂、これらを用いた硬化性樹脂組成物並びにその硬化物に関するものであり、半導体封止材、プリント配線基板、ビルドアップ積層板などの電気・電子部品や、炭素繊維強化プラスティック、ガラス繊維強化プラスティックなどの軽量高強度材料に好適に使用される。
近年、電気・電子部品を搭載する積層板はその利用分野の拡大により、要求特性が広範かつ高度化している。例えば従来、半導体チップは金属製のリードフレームに搭載することが主流であったが、CPUなどの高度な処理能力のある半導体チップは高分子材料で作られる積層板に搭載されることが多くなっている。CPU等の素子の高速化が進みクロック周波数が高くなるにつれ、信号伝搬遅延や伝送損失が問題となり、配線板に低誘電率化、低誘電正接化が求められるようになっている。同時に素子の高速化に伴い、チップの発熱が大きくなっているため耐熱性を高める必要も生じている。また、近年携帯電話などのモバイル電子機器が普及してきており、精密電子機器が屋外環境や人体の極近傍で使用・携帯されるようになってきているため、外的環境(特に耐湿熱)に対する耐性が必要とされる。更に自動車分野においては急速に電子化が進み、エンジン近くに精密電子機器が配置されることもあり耐熱・耐湿性がより高いレベルで要求されるようになっている。一方自動車用途や携帯機器などに用いられる為、難燃性等の安全性もよりいっそう重要となっているが、近年の環境問題意識の向上によりハロゲン系の難燃剤を使用することが忌避されてきており、ハロゲンを使用しないで難燃性を付与する必要が増している。
従来、例えば特許文献1に記載されるビスフェノールA型シアネートエステル化合物とビスマレイミド化合物を併用した樹脂であるBTレジンを使用した配線板が耐熱性や耐薬品、電気特性などに優れており、高性能配線板として幅広く使用されてきたが、上記のように更なる高性能を要求される状況下において改善が必要となっている。
また、近年省エネの必要から飛行機、自動車、列車、船舶等の軽量化が進んでいる。従来は金属材料を用いていたものを、軽量で高強度な炭素繊維複合材料に置き換える検討が乗物分野で特に行われている。例を挙げれば、ボーイング787においては複合材料の比率を上げることで軽量化を行い、燃費効率を大幅にアップしている。自動車分野では一部ではあるが複合材料製のプロペラシャフトを搭載しており、また高級車向けに車体を複合材料で作る動きもある。
従来はエポキシ樹脂のビスフェノールAジグリシジルエーテルやテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンなどと、硬化剤としてジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどを使用した複合材料が用いられてきたが、より軽量化を進めるためには複合材料の適用を広げる必要があり、そのために従来の樹脂では達成できない特性を求められるようになってきている。
日本国特公昭54−30440号公報 日本国特公平8−16151号公報 日本国特許第5030297号公報
本発明の目的は、副生物であるジフェニルアミンの含量が少ない芳香族アミン樹脂、これから誘導されるマレイミド樹脂、これらを使用した硬化性樹脂組成物およびこれを硬化することにより得られる耐熱性、低吸湿性、低誘電特性、難燃性、強靭性に優れた硬化物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は、下記[1]〜[7]を提供するものである。
[1]アニリンとビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体とを反応させて得られる下記式(1)で表される化合物を含む芳香族アミン樹脂であって、副生成物であるジフェニルアミンの含有量が1重量%以下である芳香族アミン樹脂。
Figure 2015152007
(式中、Xは炭素数6〜18の置換又は無置換の芳香族炭化水素基を表す。nは平均値であり1≦n≦10を表す。)
[2]アニリンとビスハロゲノメチルビフェニル誘導体またはビフェニルアルコール誘導体とを反応させて得られる下記式(2)で表される化合物を含む芳香族アミン樹脂であって、副生成物であるジフェニルアミンの含有量が1重量%以下である[1]に記載の芳香族アミン樹脂。
Figure 2015152007
(式中、nは平均値であり1≦n≦10を表す。)
[3]軟化点が65℃以下である[1]または[2]に記載の芳香族アミン樹脂。
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載の芳香族アミン樹脂と、マレイン酸またはマレイン酸無水物とを反応させることにより得られるマレイミド樹脂。
[5]ジフェニルアミンの含有量が1重量%以下である[4]に記載のマレイミド樹脂。
[6][1]〜[3]のいずれか一項に記載の芳香族アミン樹脂および[4]もしくは[5]に記載のマレイミド樹脂の少なくとも一方を含む硬化性樹脂組成物。
[7][6]に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
本発明の芳香族アミン樹脂、マレイミド樹脂を含む硬化性樹脂組成物を硬化することにより、高耐熱性、低吸湿性、低誘電特性、難燃性、強靭性に優れた特性を併せ持つ硬化物を提供することができる。本発明の硬化性樹脂組成物は、電気電子部品の封止や回路基板、炭素繊維複合材などに有用な材料である。
本発明の芳香族アミン樹脂は式(1)または式(2)で表される化合物を含み、製造中に副生されるジフェニルアミンの含有量が1重量%以下に、好ましくは0.5重量%以下に、より好ましくは0.2重量%以下に制御されたものである。
式(1)または式(2)の化合物の製法は特に限定されない。例えば日本国特公平8−16151号公報や日本国特許第5030297号公報にはアニリンとビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体との反応が記載されているが、これらと同様の方法を採用してアニリンとビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体を反応させることにより式(1)または式(2)の化合物が得られる。
使用されるビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体としては、1,4−ビスクロロメチルベンゼン、1,3−ビスクロロメチルベンゼン、1,2−ビスクロロメチルベンゼン、1,4−ビスブロモメチルベンゼン、1,3−ビスブロモメチルベンゼン、1,2−ビスブロモメチルベンゼン、1,4−ジメトキシメチルベンゼン、1,3−ジメトキシメチルベンゼン、1,2−ジメトキシメチルベンゼン、1,4−ジエトキシメチルベンゼン、1,3−ジエトキシメチルベンゼン、1,2−ジエトキシメチルベンゼン、1,4−ジヒドロキシメチルベンゼン、1,3−ジヒドロキシメチルベンゼン、1,2−ジヒドロキシメチルベンゼン、2,6−ジヒドロキシメチルナフタレン、1,5−ジヒドロキシメチルナフタレン、2,6−ジメトキシメチルナフタレン、1,5−ジメトキシメチルナフタレン、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(フルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ヨードメチル)ビフェニル、4,4’−ジメトキシメチルビフェニル、4,4’−ジエトキシメチルビフェニル、4,4’−ジプロポキシメチルビフェニル、4,4’−ジイソプロポキシメチルビフェニル、4,4’−ジイソブトキシメチルビフェニル、4,4’−ジブトキシメチルビフェニル、4,4’−ジ−tert−ブトキシメチルビフェニル、4,4’−ジヒドロキシメチルビフェニルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。ビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体の使用量は、使用されるアニリン1モルに対して通常0.05〜0.8モルであり、好ましくは0.1〜0.6モルである。
反応の際、必要により塩酸、燐酸、硫酸、蟻酸、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸性触媒を使用しても良い。これらは単独でも二種以上併用しても良い。触媒の使用量は、使用されるアニリン1モルに対して通常0.1〜0.8モルであり、好ましくは0.2〜0.7モルである。多すぎると反応溶液の粘度が高すぎて攪拌が困難になる恐れがあり、少なすぎると反応の進行が遅くなる恐れがある。
反応は必要によりトルエン、キシレンなどの有機溶剤を使用して行っても、無溶剤で行っても良い。例えば、アニリンと溶剤の混合溶液に酸性触媒を添加した後、触媒が水を含む場合は共沸により水を系内から除く。しかる後に40〜100℃、好ましくは50〜80℃でビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体を1〜5時間、好ましくは2〜4時間かけて添加し、その後溶剤を系内から除きながら昇温して180〜240℃、好ましくは190〜220℃で5〜30時間、好ましくは5〜20時間反応を行う。反応終了後、アルカリ水溶液で酸性触媒を中和後、油層に非水溶性有機溶剤を加えて廃水が中性になるまで水洗を繰り返す。日本国特公平8−16151号公報や日本国特許第5030297号公報においては言及されていないが、この段階で副生成物であるジフェニルアミンは、触媒量・原料使用比率・温度・時間等により異なるが、通常樹脂中に2〜10重量%含まれる。ジフェニルアミンは、アニリンを留去する条件では除去できない。少なくともアニリンの沸点以上の温度での加熱減圧下での水蒸気や、大量の窒素ガス等の不活性ガスの吹き込みを行うことでジフェニルアミンを除去することができる。
硬化性樹脂組成物にジフェニルアミンが含まれていると、例えばエポキシ樹脂との硬化反応に使用する場合、分子鎖の終末端となってしまい、含量が多いと硬化網目が十分に形成されず、機械強度を著しく落としてしまう。また、芳香族アミン樹脂中にジフェニルアミンが含まれると、マレイミド化後もジフェニルアミンがそのまま残存し、反応に寄与せずにそのまま硬化物中に残るため、長期使用中にブリードアウトをし、耐熱分解性が低下する。したがって、ジフェニルアミン含量は1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下にすることが求められる。
本発明の芳香族アミン樹脂の軟化点は65℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。軟化点が65℃より高いとマレイミド化した樹脂の粘度が高くなって、炭素繊維やガラス繊維へ含浸し難くなる。希釈溶剤を増やして粘度を下げれば、樹脂が十分に付着しない可能性がある。
本発明のマレイミド樹脂は式(1)または式(2)の化合物を含む芳香族アミン樹脂にマレイン酸またはマレイン酸無水物を溶剤、触媒の存在下に反応させて得られるが、例えば日本国特開平3−100016号公報や日本国特開昭61−229863号公報に記載の方法等を採用すればよい。その場合、反応中に生成する水を系内から除去する必要があるため、反応で使用する溶剤は非水溶性の溶剤を使用する。例えばトルエン、キシレンなどの芳香族溶剤、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの脂肪族溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、2種以上を併用しても良い。また、前記非水溶性溶剤に加えて非プロトン性極性溶剤を併用することもできる。例えば、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどが挙げられ、2種以上を併用しても良い。非プロトン性極性溶剤を使用する場合は、併用する非水溶性溶剤よりも沸点の高いものを使用することが好ましい。触媒は特に限定されないが、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシ−p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸等の酸性触媒が挙げられる。
例えばマレイン酸をトルエンに溶解し、撹拌下で式(1)または式(2)の化合物を含む芳香族アミン樹脂のN−メチルピロリドン溶液を添加し、その後p−トルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で生成する水を系内から除去しながら反応を行う。
本発明の硬化性樹脂組成物の必須成分の一つである芳香族アミン樹脂と架橋反応可能な化合物としては、エポキシ基、マレイミド基、アルデヒド基、ケトン基、酸無水物基、イソシアネート基、カルボニル基などの芳香族アミン樹脂と架橋反応し得る官能基(或いは構造)を有する化合物であれば特に限定されない。
本発明の硬化性樹脂組成物の必須成分の一つであるマレイミド樹脂と架橋反応可能な化合物としては、アミノ基、シアネート基、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アリル基、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、共役ジエン基などのマレイミド樹脂と架橋反応し得る官能基(或いは構造)を有する化合物であれば特に限定されない。
アミン化合物とマレイミド化合物は架橋反応するので、本発明の芳香族アミン樹脂とマレイミド樹脂を併用しても良い。マレイミド樹脂は自己重合も可能なので単独使用も可能である。また、本発明の芳香族アミン樹脂以外のアミン化合物または本発明のマレイミド樹脂以外のマレイミド化合物を併用してもかまわない。
本発明の硬化性樹脂組成物中の本発明の芳香族アミン樹脂またはマレイミド樹脂の含有量は、通常10重量%以上であり、好ましくは15重量%以上であり、より好ましくは20重量%以上である。
本発明の硬化性樹脂組成物に配合し得るアミン化合物としては従来公知のアミン化合物を使用することができる。アミン化合物の具体例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン、N−アミノエチルピペラジン、アニリン・ホルマリン樹脂などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。アミン化合物の配合量は、重量比で本発明の芳香族アミン樹脂の好ましくは5倍以下、より好ましくは2倍以下の範囲である。
本発明の硬化性樹脂組成物に配合し得るマレイミド化合物としては従来公知のマレイミド化合物を使用することができる。マレイミド化合物の具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2’−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。マレイミド化合物の配合量は、重量比で本発明のマレイミド樹脂の好ましくは5倍以下、より好ましくは2倍以下の範囲である。
本発明の硬化性樹脂組成物には、シアネートエステル化合物を配合することもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物に配合し得るシアネートエステル化合物としては従来公知のシアネートエステル化合物を使用することができる。シアネートエステル化合物の具体例としては、フェノール類と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類とケトン類との重縮合物及びビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物などをハロゲン化シアンと反応させることにより得られるシアネートエステル化合物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
上記フェノール類としては、フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
上記各種アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等が挙げられる。
上記各種ジエン化合物としては、ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。
上記ケトン類としてはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等が挙げられる。
また、日本国特開2005−264154号公報に合成方法が記載されているシアネートエステル化合物は、低吸湿性、難燃性、誘電特性に優れているためシアネートエステル化合物として特に好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、エポキシ樹脂を配合することもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物に配合し得るエポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂のいずれも使用することができる。エポキシ樹脂の具体例としては、フェノール類と各種アルデヒドとの重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物との重合物、フェノール類とケトン類との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物及びアルコール類等をグリシジル化したグリシジルエーテル系エポキシ樹脂、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキシドや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシラートなどを代表とする脂環式エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(TGDDM)やトリグリシジル−p−アミノフェノールなどを代表とするグリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
また、フェノール類と前記のビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体とを縮合反応させることにより得られるフェノールアラルキル樹脂を原料とし、エピクロルヒドリンと脱塩酸反応させることにより得られるエポキシ樹脂は、低吸湿性、難燃性、誘電特性に優れているためエポキシ樹脂として特に好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、フェノール樹脂を配合することもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物に配合し得るフェノール樹脂としては、従来公知のフェノール樹脂のいずれも使用することができる。フェノール樹脂の具体例としてはビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビスフェノールAD等)、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、芳香族置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、アルキル置換ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)と各種アルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アルキルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アルキル置換ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、グルタルアルデヒド、フタルアルデヒド、クロトンアルデヒド、シンナムアルデヒド等)との重縮合物、フェノール類と各種ジエン化合物(ジシクロペンタジエン、テルペン類、ビニルシクロヘキセン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロインデン、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジイソプロペニルビフェニル、ブタジエン、イソプレン等)との重合物、フェノール類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジメタノール類(ベンゼンジメタノール、α,α,α’,α’−ベンゼンジメタノール、ビフェニルジメタノール、α,α,α’,α’−ビフェニルジメタノール等)との重縮合物、フェノール類と芳香族ジクロロメチル類(α,α’−ジクロロキシレン、ビスクロロメチルビフェニル等)との重縮合物、ビスフェノール類と各種アルデヒドの重縮合物、及びこれらの変性物が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
また、フェノール類と前記のビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体とを縮合反応させることにより得られるフェノールアラルキル樹脂は、低吸湿性、難燃性、誘電特性に優れているためフェノール樹脂として特に好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、酸無水物基を有する化合物を配合することもできる。
本発明の硬化性樹脂組成物に配合し得る酸無水物基を有する化合物としては、従来公知のいずれも使用することができる。酸無水物基を有する化合物の具体例としては1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
酸無水物基を有する化合物は単独又は2種以上混合して用いることができる。また、酸無水物基とアミンが反応した結果、アミック酸となるが、さらに200℃〜300℃で加熱すると脱水反応によりイミド構造となり、耐熱性に非常に優れた材料となる。
本発明の硬化性樹脂組成物には必要に応じて硬化用の触媒(硬化促進剤)を配合することができる。例えば2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン等のアミン類、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンなどのホスフィン類、オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛、ジブチルスズジマレエート、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オレイン酸スズ等の有機金属塩、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化スズなどの金属塩化物、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸、三フッ化ホウ素などのルイス酸、炭酸ナトリウムや塩化リチウム等の塩類などが挙げられる。硬化用の触媒の配合量は、硬化性樹脂組成物の合計100重量部に対して好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下の範囲である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、有機溶剤を添加してワニス状の組成物(以下、単にワニスという)とすることができる。用いられる溶剤としては、例えばγ−ブチロラクトン類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤、テトラメチレンスルフォン等のスルフォン類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤が挙げられる。溶剤は、得られたワニス中の溶剤を除く固形分濃度が通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量%となる範囲で使用する。
更に本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、エポキシ樹脂用硬化剤、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエステル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、石英粉、アルミニウム粉末、グラファイト、タルク、クレー、酸化鉄、酸化チタン、窒化アルミニウム、アスベスト、マイカ、ガラス粉末等の無機充填材、シランカップリング剤等の充填材の表面処理剤、離型剤、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤が挙げられる。これら添加剤の配合量は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して好ましくは1,000重量部以下、より好ましくは700重量部以下の範囲である。
本発明の硬化性樹脂組成物の調製方法は特に限定されないが、各成分を均一に混合するだけでも、あるいはプレポリマー化してもよい。例えばマレイミド樹脂とシアネートエステル化合物を触媒の存在下または不存在下、溶剤の存在下または不存在下において加熱することによりプレポリマー化する。同様に、本発明の芳香族アミン樹脂および/または本発明のマレイミド樹脂と、必要によりエポキシ樹脂、アミン化合物、マレイミド系化合物、シアネートエステル化合物、フェノール樹脂、酸無水物化合物及びその他添加剤を追加してプレポリマー化してもよい。各成分の混合またはプレポリマー化は溶剤の不存在下では例えば押出機、ニーダ、ロールなどを用い、溶剤の存在下では攪拌装置つきの反応釜などを使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を加熱溶融し、低粘度化してガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維などの強化繊維に含浸させることによりプリプレグを得ることができる。
また、前記ワニスを、強化繊維に含浸させて加熱乾燥させることによりプリプレグを得ることもできる。
上記のプリプレグを所望の形に裁断、必要により銅箔などと積層後、積層物にプレス成形法やオートクレーブ成形法、シートワインディング成形法などで圧力をかけながら硬化性樹脂組成物を加熱硬化させることにより電気電子用積層板(プリント配線板)や、炭素繊維強化材を得ることができる。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。軟化点及び溶融粘度は下記の方法で測定した。
・軟化点:JIS K−7234に準じた方法で測定
・溶融粘度:コーンプレート法での150℃における粘度
・ジフェニルアミン含量:ガスクロマトグラフィーで測定
実施例1
温度計、冷却管、ディーンスターク共沸蒸留トラップ、撹拌機を取り付けたフラスコにアニリン372部とトルエン200部を仕込み、室温で35%塩酸146部を1時間で滴下した。滴下終了後加熱して共沸してくる水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行った。次いで4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル125部を60〜70℃に保ちながら1時間かけて添加し、更に同温度で2時間反応を行った。反応終了後、昇温をしながらトルエンを留去して系内を195〜200℃とし、この温度で15時間反応をした。その後冷却しながら30%水酸化ナトリウム水溶液330部を系内が激しく還流しないようにゆっくりと滴下し、80℃以下で昇温時に留去したトルエンを系内に戻し、70℃〜80℃で静置した。分離した下層の水層を除去し、反応液の水洗を洗浄液が中性になるまで繰り返した。次いでロータリーエバポレーターで油層から加熱減圧下(200℃、0.6KPa)において過剰のアニリンとトルエンを留去することにより芳香族アミン樹脂(a1)173部を得た。芳香族アミン樹脂(a1)中のジフェニルアミンは2.0%であった。
得られた樹脂を、再びロータリーエバポレーターで加熱減圧下(200℃、4KPa)において水蒸気吹き込みの代わりに水を少量づつ滴下した。その結果、芳香族アミン樹脂(A1)166部を得た。得られた芳香族アミン樹脂(A1)の軟化点は56℃、溶融粘度は0.035Pa・s、ジフェニルアミンは0.1%以下であった。
実施例2
実施例1においてアニリン372部を457部に変えた以外は同様の操作を行ったところ芳香族アミン樹脂(a2)181部を得た。芳香族アミン樹脂(a2)中のジフェニルアミンは3.0%であった。得られた樹脂を、再びロータリーエバポレーターで加熱減圧下(200℃、4KPa)において水蒸気吹き込みの代わりに水を少量づつ滴下した。その結果、芳香族アミン樹脂(A2)166部を得た。得られた芳香族アミン樹脂(A2)の軟化点は53℃、溶融粘度は0.025Pa・s、ジフェニルアミンは0.1%以下であった。
実施例3
実施例1においてアニリン372部を186部に変えた以外は同様の操作を行ったところ芳香族アミン樹脂(A3)181部を得た。得られた芳香族アミン樹脂(A3)の軟化点は64℃、溶融粘度は0.1Pa・s、ジフェニルアミンは0.16%であった。
実施例4
温度計、冷却管、ディーンスターク共沸蒸留トラップ、撹拌機を取り付けたフラスコに無水マレイン酸147部とトルエン300部を仕込み、加熱して共沸してくる水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行った。次に、実施例1で得られた芳香族アミン樹脂(A1)195部をN−メチル−2−ピロリドン195部に溶解した樹脂溶液を、系内を80〜85℃に保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で2時間反応を行い、p−トルエンスルホン酸3部を加えて、還流条件で共沸してくる縮合水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行いながら20時間反応を行った。反応終了後、トルエンを120部追加し、水洗を繰り返してp−トルエンスルホン酸及び過剰の無水マレイン酸を除去し、加熱して共沸により水を系内から除いた。次いで反応溶液を濃縮して、マレイミド樹脂(M1)を70%含有する樹脂溶液を得た。マレイミド樹脂(M1)中のジフェニルアミン含量は0.1%以下であった。
比較例1
実施例4において芳香族アミン樹脂(A1)を芳香族アミン樹脂(a1)に変えた以外は同様の操作を行ったところ、マレイミド樹脂(m1)の70%樹脂溶液を得た。マレイミド樹脂(m1)中のジフェニルアミン含量は1.4%であった。
実施例5〜6、比較例2〜3
実施例1で得られた芳香族アミン樹脂(A1)および(a1)を使用し、各種のエポキシ樹脂を表1の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールで混練、タブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間硬化させた。また、組成物が室温で液状であるものは各成分を金属容器中で加熱溶融混合してそのまま金型に流し込み、160℃で2時間、更に180℃で8時間硬化させた。このようにして得られた硬化物の物性を以下の項目について測定した結果を表1に示す。
・ガラス転移温度:動的粘弾性試験機により測定し、tanδが最大値のときの温度。
・吸湿率:121℃/100%で24時間後の重量増加率。試験片は直径50mm×厚み4mmの円盤。
・アイゾッド衝撃試験値:JIS K7110に準拠して行った。
Figure 2015152007
注)
(E1):NC−3000(日本化薬製 エポキシ当量270g/eq)
(E2):jER−828(JER製 エポキシ当量185)
(A1)、(a1):実施例1で合成した芳香族アミン樹脂
実施例7、比較例4
2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン50部を実施例4で得られたマレイミド樹脂(M1)、および比較例1で得られたマレイミド樹脂(m1)溶液643部に溶解し、130℃で10時間予備反応させてプレポリマーを得た。これに前述のエポキシ樹脂(E2)150部、オクチル酸亜鉛2部を加えて均一に混合した。このようにして得られた溶液をガラス板上に薄く塗布し、170℃で2時間、250℃で1時間硬化させた。得られた硬化物を粉砕し、粒径を42メッシオン、60メッシュパスに揃え、各々5部を採取して50部のイオン交換水に分散させ、121℃で20時間プレッシャークッカーテストを行った。その後粉末を取り除き、抽出水の電気伝導度を測定した結果を表2に示す。
Figure 2015152007
実施例8、比較例5
実施例1で得られた芳香族アミン樹脂(A1)および(a1)を使用し、表3の割合(重量部)で配合し、ミキシングロールで混練、タブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、160℃で2時間、更に180℃で8時間硬化させた。このようにして得られた硬化物の物性を以下の項目について測定した結果を表3に示す。
・難燃性試験
難燃性の判定:UL94に準拠。サンプルサイズは幅12.5mm×長さ150mmとし、厚さは0.8mmで試験を行った。
残炎時間:0.8mmの試験片のトータル残炎時間
Figure 2015152007
注)
フィラー:溶融シリカ(龍森工業社製 MSR−2212)
硬化促進剤:サリチル酸(東京化成製)
表1から、ジフェニルアミン含量が少ない実施例の方が、比較例に比べてガラス転移温度およびアイゾッド衝撃試験値が高く、架橋網目が強固であることが推察される。また表2から、ジフェニルアミン含量の少ない芳香族アミン樹脂から誘導されたマレイミド樹脂の硬化物である実施例の方が、比較例に比べて抽出水の電気伝導度が低く、電気・電子部品等に使用した場合、様々な使用環境でも不良が起こり難いと考えられる。表3から、ジフェニルアミン含量の少ない芳香族アミン樹脂を用いた実施例の方が、比較例に比べて難燃性が良好で耐熱分解性に優れ、電気・電子部品等に使用した場合、安全性が高いと考えられる。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明したが、本発明の精神と範囲を離れることなく様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2014年4月2日付で出願された日本国特許出願(特願2014−076160)に基づいており、その全体が引用により援用される。また、ここに引用されるすべての参照は全体として取り込まれる。
本発明の芳香族アミン樹脂、マレイミド樹脂を含む硬化性樹脂組成物は、硬化することにより得られるその硬化物が、耐熱性、低吸湿性、低誘電特性、難燃性、強靭性に優れるので、半導体封止材、プリント配線基板、ビルドアップ積層板などの電気・電子部品や、炭素繊維強化プラスティック、ガラス繊維強化プラスティックなどの軽量高強度材料への使用に有用である。

Claims (7)

  1. アニリンとビスハロゲノメチルアラルキル誘導体またはアラルキルアルコール誘導体とを反応させて得られる下記式(1)で表される化合物を含む芳香族アミン樹脂であって、
    副生成物であるジフェニルアミンの含有量が1重量%以下である芳香族アミン樹脂。
    Figure 2015152007
    (式中、Xは炭素数6〜18の置換又は無置換の芳香族炭化水素基を表す。nは平均値であり1≦n≦10を表す。)
  2. アニリンとビスハロゲノメチルビフェニル誘導体またはビフェニルアルコール誘導体とを反応させて得られる下記式(2)で表される化合物を含む芳香族アミン樹脂であって、
    副生成物であるジフェニルアミンの含有量が1重量%以下である請求項1に記載の芳香族アミン樹脂。
    Figure 2015152007
    (式中、nは平均値であり1≦n≦10を表す。)
  3. 軟化点が65℃以下である請求項1または2に記載の芳香族アミン樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の芳香族アミン樹脂と、マレイン酸またはマレイン酸無水物とを反応させることにより得られるマレイミド樹脂。
  5. ジフェニルアミンの含有量が1重量%以下である請求項4に記載のマレイミド樹脂。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の芳香族アミン樹脂および請求項4もしくは5に記載のマレイミド樹脂の少なくとも一方を含む硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項6に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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