JP6744234B2 - マレイミド樹脂組成物、プリプレグ及びその硬化物 - Google Patents

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本発明は電気電子材料用途等に好適なマレイミド樹脂組成物、プリプレグおよびその硬化物に関する。
硬化性樹脂は、接着、注型、コーティング、含浸、積層、成形コンパウンドなどに広く利用されている。しかしながら、近年その用途は多岐にわたっており、使用環境や使用条件よっては、従来から知られる硬化性樹脂では満足できない場合がある。例えば、各種電気機器に用いられるプリント配線板用の積層板においては、電子機器の進歩に伴い、信号伝達速度の向上を目的として、低誘電特性を有する材料が要求されている。
一方、低誘電特性以外にも、近年、鉛フリー半田の使用によるリフロー温度の上昇等の影響から、材料に対してより高い耐熱性が求められている。従来、このような用途には、主に紙を基材とした紙−フェノール樹脂、ガラス布を基材としたガラス布−エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が用いられている。これらの熱硬化性樹脂は特有な架橋構造により高い耐熱性や寸法安定性等の特性を発現するため、電子部品などの高い信頼性が要求される分野において広く使われており、特に銅張積層板や層間絶縁材料においては、近年の高密度化への要求から、微細配線形成のための高い銅箔接着性や、ドリル又は打ち抜きにより穴あけなどの加工をする際の機械強度及び強靭性が必要とされている。エポキシ樹脂は機械強度及び耐熱性が比較的良好であるものの、近年のプリント配線板の高密度実装、高多層化構成にともなう耐熱性向上、基板の薄型化による樹脂の機械強度の向上及びCPUなどの高度な処理能力のある半導体チップは高分子材料で作られる積層板に搭載され、CPU等の素子の高速化が進み、クロック周波数が高くなるにつれ、信号伝搬遅延や伝送損失が問題となり、更に配線板に低誘電率化、低誘電正接化が求められるようになっている。
従来、樹脂の誘電率等の向上を目的としてエポキシ樹脂の代わりにビスマレイミド系樹脂が含浸用樹脂として検討されてきた。例えば、特許文献1ではビスフェノールA型シアネートエステル化合物とビスマレイミド化合物を併用した樹脂であるBTレジンを使用した配線板が耐熱性や耐薬品、電気特性などに優れており、高性能配線板として幅広く使用されている。
特公昭54−30440号公報 特開2009−001783号公報 特開2008−208201号公報
しかしながら熱硬化性樹脂であるビスマレイミド樹脂は、低誘電特性、難燃性、耐熱性に優れる樹脂であるが、一般に、エポキシ樹脂と比較して硬化温度が高く、作業性が低いという課題がある。
これらの問題を解決する手段として、エポキシ樹脂と同等の硬化プロセスで硬化可能で、耐熱性、低吸水特性、電気信頼性を併せもつ樹脂組成物の開発が行われている(特許文献2及び3)。しかしながら、耐熱性、及び誘電特性(比誘電率、誘電正接)などにおいてバランスがとれた硬化物特性を有する樹脂組成物の開発など、さらなる改良が求められている。
本発明者らは前記したような実状に鑑み、鋭意検討した結果、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、
[1]
下記式(1)で表されるポリマレイミド樹脂(A)及び不飽和二重結合基含有化合物(B)を含有するマレイミド樹脂組成物、
Figure 0006744234
(式(1)中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基もしくは芳香族基を表す。nは整数でありその平均値は1<n≦5を表す。)
[2]
不飽和二重結合基含有化合物(B)がエテニルベンゼン、エテニルベンゼン誘導体、ビニル化合物、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、及びビニルエーテル基を有する化合物、マレイミド誘導体、不飽和ポリエステルからなる群から選ばれる1種以上の化合物である前項[1]に記載のマレイミド樹脂組成物、
[3]
さらに触媒を含有する前項[1]又は[2]に記載のマレイミド樹脂組成物、
[4]
難燃剤及びフィラー、金属複合塩、活性炭、層状粘土鉱物、金属酸化物の充填剤等のいずれか一種以上を含有する前項[1]〜[3]のいずれか一項に記載のマレイミド樹脂組成物、
[5]
前項[1]〜[4]のいずれか一項に記載のマレイミド樹脂組成物をシート状の繊維基材に保持し、半硬化状態にあるプリプレグ、
[6]
前項[1]〜[5]のいずれか一項に記載のマレイミド樹脂組成物の硬化物、
に関する。
本発明のマレイミド樹脂組成物は、低温での硬化性に優れ、その硬化物が耐熱性、吸水特性、電気信頼性及び機械強度を有するため電気電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板、ビルドアップ基板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に有用である。
本発明のマレイミド樹脂組成物について、以下に説明する。
本発明のマレイミド樹脂組成物は、下記式(1)で表されるポリマレイミド樹脂(A)及び不飽和二重結合基含有化合物(B)を含有する。
Figure 0006744234
(式(1)中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基もしくは芳香族基を表す。nは整数でありその平均値は1<n≦5を表す。)
本発明のマレイミド樹脂組成物において、用いうる前記式(1)で表されるポリマレイミド樹脂の製造方法は特に限定されず、マレイミド化合物の合成方法として知られる公知の如何なる方法で製造してもよい。
式(1)のポリマレイミド樹脂を製造する場合、その前駆体として下記式(2)の化合物が必要になるが、例えば特許文献A(特開平3−100016号公報)及び特許文献B(特公平8−16151号公報)にはアニリン類とジハロゲノメチル化合物やジアルコキシメチル化合物との反応が記載されているが、これらと同様の方法を採用してアニリン類とビスハロゲノメチルビフェニル類又はビスアルコキシメチルビフェニル類とを反応させることにより式(2)の化合物が得られる。
Figure 0006744234
(式(2)中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基もしくはフェニル基を表す。nは整数であり、1<nの平均値≦5を表す。)
前記式(2)の化合物の製造に使用されるアニリン類としては、アニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、3,4−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、2−プロピルアニリン、3−プロピルアニリン、4−プロピルアニリン、2−イソプロピルアニリン、3−イソプロピルアニリン、4−イソプロピルアニリン、2−エチル−6−メチルアニリン、2−sec−ブチルアニリン、2−tert−ブチルアニリン、4−ブチルアニリン、4−sec−ブチルアニリン、4−tert−ブチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、2−イソプロピル−6−メチルアニリン、4−ペンチルアニリン等の炭素数1〜5のアルキル基を単数又は複数有するアルキル置換アニリン、2−アミノビフェニル、4−アミノビフェニル等のフェニル基を有するフェニルアニリンなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
使用されるビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類としては、4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ブロモメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(フルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス(ヨードメチル)ビフェニル、4,4’−ジメトキシメチルビフェニル、4,4’−ジエトキシメチルビフェニル、4,4’−ジプロポキシメチルビフェニル、4,4’−ジイソプロポキシメチルビフェニル、4,4’−ジイソブトキシメチルビフェニル、4,4’−ジブトキシメチルビフェニル、4,4’−ジ−tert−ブトキシメチルビフェニルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。ビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類の使用量は、使用されるアニリン類1モルに対して通常0.05〜0.8モルであり、好ましくは0.1〜0.6モルである。
反応の際、必要により塩酸、燐酸、硫酸、蟻酸、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸性触媒を使用しても良い。これらは単独でも二種以上併用しても良い。触媒の使用量は、使用されるアニリン類1モルに対して通常0.1〜0.8モルであり、好ましくは0.5〜0.7モルである。前記範囲より多すぎると反応溶液の粘度が高すぎて攪拌が困難になり、少なすぎると反応の進行が遅くなるおそれがある。
反応は必要によりトルエン、キシレンなどの有機溶剤を使用して行っても、無溶剤で行っても良い。例えば、アニリン類と溶剤の混合溶液に酸性触媒を添加した後、触媒が水を含む場合は共沸により水を系内から除く。しかる後に40〜100℃、好ましくは50〜80℃でビスハロゲノメチルビフェニル類またはビスアルコキシメチルビフェニル類を1〜5時間、好ましくは2〜4時間かけて添加し、その後溶剤を系内から除きながら昇温して180〜240℃、好ましくは190〜220℃で5〜30時間、好ましくは10〜20時間反応を行う。反応終了後、アルカリ水溶液で酸性触媒を中和後、油層に非水溶性有機溶剤を加えて廃水が中性になるまで水洗を繰り返し、加熱減圧下で過剰のアニリン類や有機溶剤を留去することにより式(2)の化合物が得られる。前記特許文献B(特公平8−16151号公報)や特許文献2(特開2009−001783号公報)においては言及されていないが、この段階で副生成物であるジフェニルアミンは、触媒量・原料使用比率・温度・時間等により異なるが、通常樹脂中に2〜10重量%含まれる。ジフェニルアミンは、アニリンを留去する条件では除去できない。少なくともアニリンの沸点以上の温度での加熱減圧下での水蒸気や、大量の窒素ガス等の不活性ガスの吹き込みを行うことでジフェニルアミンを除去することができる。
本発明のマレイミド樹脂組成物にジフェニルアミンが含まれていると、例えばエポキシ樹脂との硬化反応に使用する場合、分子鎖の終末端となってしまい、含量が多いと硬化網目が十分に形成されず、機械強度を著しく落としてしまう可能性がある。また、式(2)で表される芳香族アミン樹脂中にジフェニルアミンが含まれると、マレイミド化後もジフェニルアミンがそのまま残存し、反応に寄与せずにそのまま硬化物中に残るため、長期使用中にブリードアウトをし、耐熱分解性が低下する可能性がある。したがって、ジフェニルアミン含量は1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下にすることが求められる。
前記式(2)で表される芳香族アミン樹脂の軟化点は65℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。軟化点が65℃より高いとマレイミド化した樹脂の粘度が高くなって、炭素繊維やガラス繊維へ含浸し難くなる。希釈溶剤を増やして粘度を下げれば、樹脂が十分に付着しない可能性がある。
本発明のマレイミド樹脂組成物において用いられる前記式(1)のポリマレイミド樹脂は式(2)の化合物に無水マレイン酸を溶剤、触媒の存在下に反応させて得られるが、例えば特許文献A(特開平3−100016号公報)や特許文献C(特開昭61−229863号公報)に記載の方法等を採用すればよい。反応で使用する溶剤は反応中に生成する水を系内から除去する必要があるため、非水溶性の溶剤を使用する。例えばトルエン、キシレンなどの芳香族溶剤、シクロヘキサン、n−ヘキサンなどの脂肪族溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンなどのケトン系溶剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、2種以上を併用しても良い。また、前記非水溶性溶剤に加えて非プロトン性極性溶剤を併用することもできる。例えば、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどが挙げられ、2種以上を併用しても良い。非プロトン性極性溶剤を使用する場合は、併用する非水溶性溶剤よりも沸点の高いものを使用することが好ましい。触媒は酸性触媒で特に限定されないが、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシ−p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。例えばマレイン酸をトルエンに溶解し、撹拌下で式(2)の化合物のN−メチルピロリドン溶液を添加し、その後p−トルエンスルホン酸を加えて、還流条件下で生成する水を系内から除去しながら反応を行う。
前記式(1)中Rにおける炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、アミル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、オクチル基、2−エチルへキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
また、式(1)のnの値は整数であり、1<nの平均値≦5を表す。nの値はポリマレイミド樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定により求められた重量平均分子量の値から算出することが出来るが、近似的には原料である式(2)で表されるアミン化合物のGPCの測定結果から算出したnの値とほぼ同等と考えることができる。
本発明のマレイミド樹脂組成物において、さらにエポキシ樹脂を配合することができる。前記式(1)で表されるポリマレイミド樹脂と配合しうるエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールS、チオジフェノール、フルオレンビスフェノール、テルペンジフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジオール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノール類(フェノール、アルキル置換フェノール、ナフトール、アルキル置換ナフトール、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等)とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシアセトフェノン、o−ヒドロキシアセトフェノン、ジシクロペンタジエン、フルフラール、4,4’−ビス(クロルメチル)−1,1’−ビフェニル、4,4’−ビス(メトキシメチル)−1,1’−ビフェニル、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシメチル)ベンゼン等との重縮合物及びこれらの変性物、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類、アルコール類から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等の固形または液状エポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明のマレイミド樹脂組成物は、不飽和二重結合基含有化合物(B)(以下、単に「成分(B)」とも表す。)を含有する。不飽和二重結合基含有化合物(B)はポリマレイミド樹脂(A)と架橋反応を起こし、マレイミド樹脂の硬化剤として作用する。不飽和二重結合基含有化合物(B)の具体例としては、スチレン(エテニルベンゼン)、スチレン(エテニルベンゼン)誘導体(B−1)、ビニル基を有する化合物(B−2)、ビニルエーテル基を有する化合物(B−3)、前記のマレイミド化合物以外のマレイミド誘導体(B−4)、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−5)、不飽和ポリエステル(B−6)等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」とはメタクリロイル基及びアクリロイル基の両者を意味する。
不飽和二重結合基含有化合物(B)の配合量は通常、重量比でポリマレイミド樹脂(A)の0.01〜10倍であり、好ましくは0.05〜5倍であり、特に好ましくは0.1〜2倍の範囲である。不飽和二重結合基含有化合物(B)の配合量がポリマレイミド樹脂(A)の0.01倍以下になると硬化性、誘電特性の向上が十分でない可能性があり、10倍以上になると耐熱性、密着性が低下してしまう可能性がある。
スチレン(エテニルベンゼン)、スチレン(エテニルベンゼン)誘導体(B−1)としては、特に限定されず、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェノキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、m−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−トリメチルシロキシスチレン、o−クロロスチレン等、α-メチルスチレン、o−、m−もしくはp−メチルスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられ、また特許文献D(特開2005−314556号公報)で示すような下記式(3)で表されるポリ(ビニルベンジル)エーテル化合物が挙げられる。
Figure 0006744234
(式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリル基、またはアリール基を、Rはそれぞれ独立して水素原子またはビニルベンジル基をそれぞれ示す。但し、水素原子のビニルベンジル基への置換率は20〜100%である。nは平均値で1〜10を、mは1〜4の数を示す。)
ビニル基を有する化合物(B−2)の具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、グリシジルビニルエーテル、N−メヂロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等のメチロール化合物及びそのメチル、エチル、ブチルエーテル等のN−メチロール基を含有する不飽和ビニルモノマー、アクリルアミド、メタアクリルアミド等の不飽和ビニルアミド類、メタクリル酸等の不飽和ビニル酸、パーサティック酸ビニルエステル等があげられ、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、1,2−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、1,3,5−トリビニルシクロヘキサン、1,2,4,5−テトラビニルシクロヘキサン等を挙げることができる。
ビニルエーテル基を有する化合物(B−3)の具体例としては、他末端がハロゲン原子、水酸基又はアミノ基で置換されていても良いアルキルビニルエーテル(B−3−1)、他末端がハロゲン原子、水酸基又はアミノ基で置換されていても良いシクロアルキルビニルエーテル(B−3−2)、ビニルエーテル基がアルキレン基を結合し、さらに置換基を有していても良いアルキル基、シクロアルキル基及び芳香族基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基と、エーテル結合、ウレタン結合及びエステル結合からなる群から選ばれる少なくとも一つの結合を介して結合している構造を有するモノビニルエーテル、ジビニルエーテル及びポリビニルエーテル等が挙げられる(B−3−3〜B−3−5)。
アルキルビニルエーテル(B−3−1)の具体例としては、メチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル等を挙げることができる。
シクロアルキルビニルエーテル(B−3−2)としては、例えば、シクロヘキシルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルジメタノールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等が挙げられる。
エーテル結合を有する化合物(B−3−3)としては、例えば、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、ジテトラメチレングリコールモノビニルエーテル、ジテトラメチレングリコールジビニルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
ウレタン結合を有する化合物(B−3−4)は、一分子中に少なくとも1個の水酸基を有する(ポリ)アルキレングリコールのモノビニルエーテル(I)と一分子中に少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物(II)のウレタン化反応によって得ることができる。
(ポリ)アルキレングリコールのモノビニルエーテル(I)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールモノビニルエーテル等を挙げることができる。
一分子中に少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物(II)としては、例えば、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、等の芳香族イソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族、脂環族のイソシアネート類等が挙げられる。
また、これらイソシアネート類の一種類以上の二量体、又は、三量体等のポリイソシアネートも使用可能であり、更に上記イソシアネート類のうち一分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものと各種アルコール類とのウレタン化反応によって得られるアダクト体も使用することができる。
このアダクト体で使用する各種アルコール類としては、一分子中に少なくとも1個の水酸基を持つものを使用することができる。そのようなアルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAポリエトキシレートジオール、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
エステル結合を有する化合物(B−3−5)は、一分子中に少なくとも1個の水酸基を有するアルキレングリコールのモノビニルエーテル(III)と一分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物(IV)のエステル化反応によって得ることができる。
一分子中に少なくとも1個の水酸基を有するアルキレングリコールのモノビニルエーテル(III)としては、前記のウレタン結合を有する化合物の(I)成分として前述したようなものが挙げられる。
一分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物(IV)としては、公知のカルボン酸及びその酸無水物を用いることができる。このような化合物としては、例えば、マレイン酸、コハク酸、テトラヒドロフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、ダイマー酸、アジピン酸、セバチン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、又はこれらの酸無水物等を挙げることができる。
前記のマレイミド化合物以外のマレイミド誘導体(B−4)としては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等の単官能性マレイミド類;N,N’−メチレンビスマレイミド、N,N’−トリメチレンビスマレイミド、N,N’−ドデカメチレンビスマレイミド、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、1,4−ジマレイミドシクロヘキサン、イソホロンビスウレタンビス(N−エチルマレイミド)、N,N’−P−フェニレンビスマレイミド等のビスマレイミド類等を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−5)の具体例としては、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−5−1)、ウレタン(メタ)アクリレート(B−5−2)、エポキシ(メタ)アクリレート(B−5−3)、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−5−4)、アルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(B−5−5)、芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−5−6)、脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−5−7)等を挙げることができる。
更に、具体的には、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート(B−5−1)としては、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド変性フタル酸(メタ)アクリレート、無水コハク酸の2−ヒドロエチル(メタ)アクリレートの反応物であるハーフェステル如き単官能(ポリ)エステル(メタ)アクリレート類;ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに1モル以上のε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物を付加して得たトリオールのモノ、ジ又はトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン又はジペンタエリスリトール1モルに1モル以上のε−カプロラクトンの環状ラクトン化合物を付加したポリ(メタ)アクリレート等の多価アルアルコールの(ポリ)エステルポリ(メタ)アクリレート;
(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、トリメチロールプロパン等のポリオール成分とマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の多塩基酸又はその無水物との反応物であるポリエステルポリ(メタ)アクリレート;前記ポリオール成分と多塩基酸とε−カプロラクトン又はδ−バレロラクトンからなる環状ラクトン変性ポリエステルポリオールの(メタ)アクリレート等の(ポリ)エステルポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート(B−5−2)の具体例としては、例えば、ポリオールと有機イソシアネートと水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
ポリオールとしては、例えば、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリンの多価アルコール類のエチレンオキサイド変性物、プロピレンオキサイド変性物、ブチレンオキサイド変性物、ε−カプロラクトン変性物等;ポリブタジエングリコール、水添ポリブタジエングリコール等の炭化水素ポリオール類;アジピン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸と、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のポリオールとのエステル化物である脂肪族ポリエステルポリオール類;テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸とネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のポリオールとのエステル化物である芳香族ポリエステルポリオール類;ポリカーボネートポリオール類;アクリルポリオール類等を挙げることができる。
有機イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環構造のジイソシアネート類;ジイソシアネート類の1種類以上のビュレット体又は、上記ジイソシアネート類を3量化したイソシアヌレート体等のポリイソシアネート等を挙げることができる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
エポキシ(メタ)アクリレート(B−5−3)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、2,2’,6,6’−テトラメチルジフェニルジグリシジルエーテル、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂;(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族多価アルコールの(ポリ)グリシジルエーテル;脂肪族多価アルコールのアルキレンオキサイド変性物の(ポリ)グリシジルエーテル;エポキシ化ポリブタジエン等の脂肪族エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂類と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる。
(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート(B−5−4)としては、例えば、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の単官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとアルキレンオキサイド(例、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)付加物のポリ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等の多官能(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
アルキル(メタ)アクリレート又はアルキレン(メタ)アクリレート(B−5−5)としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類;トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAポリエトキシレートジ(メタ)アクリレート等の臭素原子を持つ(メタ)アクリレート;
芳香環を有する(メタ)アクリレート(B−5−6)としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート類;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
脂環構造を有する(メタ)アクリレート(B−5−7)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する単官能(メタ)アクリレート類;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の水添ビスフェノール類のジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の環状構造を有する多官能(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
前記した(メタ)アクリロイル基を有する化合物(B−5)の他に、例えば、(メタ)アクリル酸ポリマーとグリシジル(メタ)アクリレートとの反応物又はグリシジル(メタ)アクリレートポリマーと(メタ)アクリル酸との反応物等のポリ(メタ)アクリル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル(メタ)アクリレート;ポリシロキサン骨格を有する(メタ)アクリレート;ポリブタジエン(メタ)アクリレート;メラミン(メタ)アクリレート;アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類等も使用可能である。(メタ)アクリロイル化合物の中でも、一分子中に1〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
不飽和ポリエステル(B−6)としては、例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート等のマレイン酸エステル類;ジメチルフマレート、ジエチルフマレート等のフマル酸エステル類;マレイン酸、フマル酸等の多価アルコールとのエステル化反応物が挙げられる。
特に好ましい不飽和二重結合基含有化合物(B)としては、極性が低く低誘電特性が期待できるため、スチレン、スチレン誘導体(B−1)、N−ビニル基を有する化合物(B−2)及びビニルエーテル基を有する化合物(B−3)等を挙げることができる。
本発明のマレイミド樹脂組成物は、前述した不飽和二重結合基含有化合物(B)の他に、さらに触媒(硬化促進剤とも表す。)(C)を使用することができる。触媒の具体例としては、酸性触媒、塩基性重合触媒及びラジカル重合触媒が挙げられる。塩基性重合触媒及びラジカル重合触媒はより低温での硬化が期待できるため好ましい。酸性重合触媒の具体的には、SbF 、BF 、AsF 、PF 、CFSO 、B(C) などのアニオン成分とヨウ素、硫黄、窒素、リンなどの原子を含む芳香族カチオン成分とからなる化合物である。塩基性重合触媒の具体例としてはピリジン、ジメチルアミノピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−ウンデシルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−エチル,4−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6(2’−メチルイミダゾール(1’))エチル−s−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−3,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ヒドロキシメチル−5−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−3,5−ジシアノエトキシメチルイミダゾールの各種等の複素環式化合物類、及び、それら複素環式化合物類とジシアンジアミド等のアミド類、1,8−ジアザ−ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7等のジアザ化合物及びそれらのテトラフェニルボレート、フェノールノボラック等の塩類、前記多価カルボン酸類、又はホスフィン酸類との塩類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルセチルアンモニウムヒドロキシド、トリオクチルメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラメチルアンモニウムアセテート、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等のアンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、トリ(トルイル)ホスフィン、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン類やホスホニウム化合物、2,4,6−トリスアミノメチルフェノール等のフェノール類、アミンアダクト、カルボン酸金属塩(2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ミスチリン酸などの亜鉛塩、スズ塩、ジルコニウム塩)やリン酸エステル金属(オクチルリン酸、ステアリルリン酸等の亜鉛塩)、アルコキシ金属塩(トリブチルアルミニウム、テトラプロピルジルコニウム等)、アセチルアセトン塩(アセチルアセトンジルコニウムキレート、アセチルアセトンチタンキレート等)等の金属化合物等、が挙げられる。
本発明においては特にホスホニウム塩やアンモニウム塩、金属化合物類が硬化時の着色やその変化の面において好ましい。また4級塩を使用する場合、ハロゲンとの塩はその硬化物にハロゲンを残すことになり、電気信頼性および環境問題の視点から好ましくない。
ラジカル重合触媒としてはベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエートなど有機過酸化物が挙げられる。
触媒又硬化促進剤は1種類以上を併用しても構わない。
触媒又は硬化促進剤(C)は少なすぎると硬化不良の原因になり、多すぎると樹脂組成物の硬化物性に悪影響を及ぼす恐れがある。そのため触媒(C)の配合量は、ポリマレイミド樹脂(A)と不飽和二重結合基含有化合物(B)成分の合計100重量部に対して0.01〜20重量%添加することが好ましい。
更に本発明のマレイミド樹脂組成物には、必要に応じて公知の添加剤を配合することが出来る。用いうる添加剤の具体例としては、エポキシ樹脂用硬化剤、ポリブタジエン及びこの変性物、アクリロニトリル共重合体の変性物、ポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイミド、フッ素樹脂、マレイミド系化合物、シアネートエステル系化合物、シリコーンゲル、シリコーンオイル、並びにシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、石英粉、アルミニウム粉末、グラファイト、タルク、クレー、酸化鉄、酸化チタン、窒化アルミニウム、アスベスト、マイカ、ガラス粉末等の無機充填材、シランカップリング剤のような充填材の表面処理剤、離型剤、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の着色剤が挙げられる。これら添加剤の配合量は、硬化性樹脂組成物100重量部に対して好ましくは1,000重量部以下、より好ましくは700重量部以下の範囲である。
本発明のマレイミド樹脂組成物の調製方法は特に限定されないが、各成分を均一に混合するだけでも、あるいはプレポリマー化してもよい。例えば本発明で用いられるポリマレイミド樹脂(A)と不飽和二重結合基含有化合物(B)を触媒の存在下または不存在下、溶剤の存在下または不存在下において加熱することによりプレポリマー化する。同様に、本発明で用いられるポリマレイミド樹脂(A)と不飽和二重結合基含有化合物(B)の他、エポキシ樹脂、必要により、アミン化合物、マレイミド系化合物、シアネートエステル化合物、フェノール樹脂、酸無水物化合物などの硬化剤及びその他添加剤を追加してプレポリマー化してもよい。各成分の混合またはプレポリマー化は溶剤の不存在下では例えば押出機、ニーダ、ロールなどを用い、溶剤の存在下では攪拌装置つきの反応釜などを使用する。
均一に混合する手法としては50〜100℃の範囲内の温度でニーダ、ロール、プラネタリーミキサー等の装置を用いて練りこむように混合し、均一な樹脂組成物とする。
得られた樹脂組成物は粉砕後、タブレットマシーン等の成型機で円柱のタブレット状に成型、もしくは顆粒状の紛体、もしくは粉状の成型体とする、もしくはこれら組成物を表面支持体の上で溶融し0.05mm〜10mmの厚みのシート状に成型し、マレイミド樹脂組成物成型体とすることもできる。得られた成型体は0〜20℃でべたつきのない成型体となり、−25〜0℃で1週間以上保管しても流動性、硬化性をほとんど低下させない。
得られた成型体についてトランスファー成型機、コンプレッション成型機にて硬化物に成型することができる。
本発明のマレイミド樹脂組成物に有機溶剤を添加してワニス状の組成物(以下、単にワニスという)とすることができる。本発明のマレイミド樹脂組成物を必要に応じてトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の溶剤に溶解させ、マレイミド樹脂組成物ワニスとし、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させて加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形することにより、本発明のマレイミド樹脂組成物の硬化物とすることができる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜70重量%を占める量を用いる。また液状組成物であれば、そのまま例えば、RTM方式でカーボン繊維を含有するマレイミド樹脂硬化物を得ることもできる。
また、本発明のマレイミド樹脂組成物をフィルム型組成物の改質剤としても使用できる。具体的にはB−ステージにおけるフレキ性等を向上させる場合に用いることができる。このようなフィルム型の樹脂組成物は、本発明のマレイミド樹脂組成物を前記マレイミド樹脂組成物ワニスとして剥離フィルム上に塗布し、加熱下で溶剤を除去した後、Bステージ化を行うことによりシート状の接着剤として得られる。このシート状接着剤は多層基板などにおける層間絶縁層として使用することが出来る。
本発明のマレイミド樹脂組成物を加熱溶融し、低粘度化してガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維などの強化繊維に含浸させることにより本発明のプリプレグを得ることができる。
また、前記ワニスを、強化繊維に含浸させて加熱乾燥させることにより本発明のプリプレグを得ることもできる。
上記のプリプレグを所望の形に裁断、必要により銅箔などと積層後、積層物にプレス成形法やオートクレーブ成形法、シートワインディング成形法などで圧力をかけながら積層板用エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させることにより積層板を得ることができる。
更に、表面に銅箔を重ねてできた積層板に回路を形成し、その上にプリプレグや銅箔等を重ねて上記の操作を繰り返して多層の回路基板を得ることができる。
本発明の硬化物は成型材料、接着剤、複合材料、塗料など各種用途に使用できる。特に本発明のマレイミド樹脂組成物の硬化物は優れた難燃性を示すため、IC封止材料、積層材料、電気絶縁材料等などの電気・電子分野に有用である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。尚、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に実施例で用いた各種分析方法について記載する。
エポキシ当量: JIS K 7236 (ISO 3001) に準拠
・ICI溶融粘度: JIS K 7117−2 (ISO 3219) に準拠
・軟化点: JIS K 7234 に準拠
・全塩素: JIS K 7243−3 (ISO 21672−3) に準拠
・鉄分: ICP発光分光分析
・GPC:
解析条件
カラム(Shodex KF−603、KF−602x2、KF−601x2)
連結溶離液はテトラヒドロフラン
流速は0.5ml/min.
カラム温度は40℃
検出:RI(示差屈折検出器)
・HPLC:
解析条件
カラム :Inertsil ODS−2(ジーエルサイエンス)
検出器 :UV274nm
温度 :40℃溶離液 :アセトニトリル/水
流量 :1.0ml/min
注入量 :5μl (濃度: 約10mg/6ml)
グラジエントプログラム
アセトニトリル/水
スタート 30/70 グラジエント → 28分後 100/0 そのまま保持
・硬化完了に判断:得られた硬化物をMDSC測定による発熱ピークの有無の測定。
(合成例1)
温度計、冷却管、ディーンスターク共沸蒸留トラップ、撹拌機を取り付けたフラスコにアニリン372部とトルエン200部を仕込み、室温で35%塩酸146部を1時間で滴下した。滴下終了後加熱して共沸してくる水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行った。次いで4,4’−ビス(クロロメチル)ビフェニル125部を60〜70℃に保ちながら1時間かけて添加し、更に同温度で2時間反応を行った。反応終了後、昇温をしながらトルエンを留去して系内を195〜200℃とし、この温度で15時間反応をした。その後冷却しながら30%水酸化ナトリウム水溶液330部を系内が激しく還流しないようにゆっくりと滴下し、80℃以下で昇温時に留去したトルエンを系内に戻し、70℃〜80℃で静置した。分離した下層の水層を除去し、反応液の水洗を洗浄液が中性になるまで繰り返した。次いでロータリーエバポレーターで油層から加熱減圧下(200℃、0.6KPa)において過剰のアニリンとトルエンを留去することにより芳香族アミン樹脂(a1)173部を得た。芳香族アミン樹脂(a1)中のジフェニルアミンは2.0%であった。
得られた樹脂を、再びロータリーエバポレーターで加熱減圧下(200℃、4KPa)において水蒸気吹き込みの代わりに水を少量づつ滴下した。その結果、芳香族アミン樹脂(A1)166部を得た。得られた芳香族アミン樹脂(A1)の軟化点は56℃、溶融粘度は0.035Pa・s、ジフェニルアミンは0.1%以下であった。
(合成例2)
温度計、冷却管、ディーンスターク共沸蒸留トラップ、撹拌機を取り付けたフラスコに無水マレイン酸147部とトルエン300部を仕込み、加熱して共沸してくる水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行った。次に、合成例1で得られた芳香族アミン樹脂(A1)195部をN−メチル−2−ピロリドン195部に溶解した樹脂溶液を、系内を80〜85℃に保ちながら1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で2時間反応を行い、p−トルエンスルホン酸3部を加えて、還流条件で共沸してくる縮合水とトルエンを冷却・分液した後、有機層であるトルエンだけを系内に戻して脱水を行いながら20時間反応を行った。反応終了後、トルエンを120部追加し、水洗を繰り返してp−トルエンスルホン酸及び過剰の無水マレイン酸を除去し、加熱して共沸により水を系内から除いた。次いで反応溶液を濃縮して、マレイミド樹脂(M1)を70%含有する樹脂溶液を得た。
(合成例3)
[ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシアクリレートの合成]
ビスフェノールA型エポキシ樹脂282.5g(製品名:RE−310S、日本化薬株式会社製)をトルエン266.8gに溶解し、これに重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8gを加え、60℃まで昇温した。その後、エポキシ基の100%当量のアクリル酸117.5gを加え更に80℃まで昇温し、これに反応触媒であるトリメチルアンモニウムクロライド0.6gを添加して、98℃で約30時間攪拌し、反応液を得た。この反応液を水洗し、トルエンを留去することにより、目的とするビスフェノールA型のエポキシアクリレート(B3)395gを得た。
(合成例4]
[ビスフェノールFエポキシ樹脂のエポキシアクリレートの合成]
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(RE−304S、エポキシ当量160g/eq、日本化薬株式会社製)68.9gをトルエン66.7gに溶解し、これに重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン1500ppmを加え、60℃まで昇温した。その後、アクリル酸31.1gを加え更に80℃まで昇温し、これに反応触媒であるトリメチルアンモニウムクロライド1500ppmを添加して、98℃で約30時間攪拌した。得られた反応液を水洗し、トルエンを留去することにより、ビスフェノールFエポキシのエポキシアクリレート(B4)を得た。
(実施例1)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を72重量部、成分(B)としてスチレン(B1:和光純薬製 試薬)29重量部、触媒としてトリフェニルホスフィン(TPP 純正化学製 試薬)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た。
(実施例2)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を72重量部、成分(B)としてスチレン(B1:和光純薬性 試薬)29重量部、触媒としてジクミルミルパーオキサイド(DCP 化薬アクゾ製)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た。
(実施例3)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を78重量部、成分(B)としてジペンタエリスリトール(B2:和光純薬性 試薬)23重量部、触媒としてDCP (化薬アクゾ製)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た。
(実施例4)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を64重量部、成分(B)として合成例3で得られたアクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B3)35重量部、触媒としてTPP(純正化学製 試薬)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た
(実施例5)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を64重量部、成分(B)として合成例3で得られたアクリル化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(B3)35重量部、触媒としてDCP (化薬アクゾ製)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た
(実施例6)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を67重量部、成分(B)として合成例4で得られたビスフェノールFエポキシのエポキシアクリレート(B4)32重量部、触媒としてDCP (化薬アクゾ製)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た。
(実施例7)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を67重量部、成分(B)として合成例4で得られたビスフェノールFエポキシのエポキシアクリレート(B4)35重量部、触媒としてTPP(化薬アクゾ製)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た。
(実施例8)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を67重量部、成分(B)としてスチレン(B1:和光純薬製 試薬)15重量部、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン(B5:東京化成工業株式会社、試薬)12重量部、触媒としてDCP (化薬アクゾ製)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た。
(実施例9)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を67重量部、成分(B)としてスチレン(B1:和光純薬製 試薬)15重量部、ジエチレングリコールジビニルエーテル(B6:東京化成工業株式会社、試薬)12重量部、触媒としてDCP (化薬アクゾ製)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た。
(実施例10)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を67重量部、成分(B)としてスチレン(B1:和光純薬製 試薬)15重量部、成分(B)としてジエチレングリコールジビニルエーテル(B6:東京化成工業株式会社、試薬)12重量部、触媒としてTPP(化薬アクゾ製)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、本発明のマレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、本発明の硬化物を得た。
(比較例1)
エポキシ樹脂1(EP1:日本化薬製 NC−3000 エポキシ当量277g/eq. 軟化点57.5℃)を72部、フェノールノボラック(P−2 明和化成製 H−1、水酸基当量106g/eq.)27重量部、触媒としてTPP(C1 純正化学 試薬)1重量部を配合しミキシングロールで混ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をタブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、硬化条件180℃×2時間で硬化させた。
(比較例2)
エポキシ樹脂2(EP2:日本化薬製 EPPN−502H エポキシ当量169g/eq. 軟化点67.5℃ という。)を61部、フェノールノボラック(P−2 明和化成製 H−1、水酸基当量106g/eq.)38重量部、触媒としてTPP(C1 純正化学 試薬)1重量部を配合しミキシングロールで混ミキシングロールを用いて均一に混合・混練し、エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物をタブレット化後、トランスファー成形で樹脂成形体を調製し、硬化条件180℃×2時間で硬化させた。
(比較例3)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を96重量部、触媒としてトリフェニルホスフィン(TPP 純正化学 試薬)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、硬化条件180℃×2時間で硬化させ、比較用の硬化物を得た。
(比較例4)
合成例2で得られたマレイミド樹脂(M1)を96重量部、触媒としてジクミルパーオキサイド(DCP 化薬アクゾ製)1重量部を配合し100℃の条件で均一に攪拌し、マレイミド樹脂組成物を得た。このマレイミド樹脂組成物を硬化条件180℃×2時間で硬化させ、比較用の硬化物を得た。
このようにして得られた硬化物の硬化が終了しているかを測定するために、以下の条件で測定し、発熱の有無を確認した。結果を表1に示す。
・解析条件
解析モード:MDSC測定
測定器:Q2000 TA−instruments社製、
昇温速度:3℃/min
(表1)
Figure 0006744234
表1より、本発明のマレイミド樹脂組成物は、180℃で硬化可能な樹脂組成であることが確認できる。
なお、180℃で硬化可能な樹脂組成、すなわち180℃で硬化した樹脂組成とは硬化性樹脂組成物中の硬化性樹脂成分が有する官能基の反応が実質的に完結した状態を意味し、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置により硬化時の反応による発熱量を測定することにより評価することができる。具体的には、この発熱量がほとんど検出されない状態を指すものである。
(実施例11、12及び比較例5、6)
実施例1と実施例2で得られた本発明の硬化物及び比較例2と3で得られた比較用の硬化物について、下記の条件で硬化物性を測定した。結果を表2に示す。
・解析条件
動的粘弾性測定器:TA−instruments製、Q−800
測定温度範囲:30℃〜280℃
温速度:2℃/min
試験片サイズ:5mm×50mmに切り出した物を使用した(厚みは約800μm)。
・誘電率及び誘電正接:(空洞共振機 Agilent Technologies社製)K6991に準拠して1GHzにおいて測定
・吸水率:100℃×24h 浸漬させた硬化物の重量増加%
(表2)
Figure 0006744234
表2より、本発明のマレイミド樹脂組成物の硬化物は、一般的なエポキシ樹脂と比較して、優れた耐熱性、誘電正接と一般的な高耐熱エポキシ樹脂と比較して低吸水特性を有する材料であることが分かった。
以上の表1、表2の結果から本発明のマレイミド樹脂組成物は一般的なエポキシ樹脂と比較して同等の硬化性(低温硬化性)を示すことが分かった。更に得られた硬化物は、一般的なエポキシ樹脂と比較して、優れた耐熱性、誘電正接と低吸水特性を有する材料であることが分かった。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表されるポリマレイミド樹脂(A)及び不飽和二重結合基含有化合物(B)を含有するマレイミド樹脂組成物であって、前記不飽和二重結合基含有化合物(B)はスチレン、スチレン誘導体、ビニル基を有する化合物、ビニルエーテル基を有する化合物、(メタ)アクリロイル基を有する化合物からなる群から選択される1種以上であるマレイミド樹脂組成物
    Figure 0006744234
    (式(1)中、複数存在するRはそれぞれ独立して存在し、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基もしくは芳香族基を表す。nは整数でありその平均値は1<n≦5を表す。)
  2. さらに触媒を含有する請求項に記載のマレイミド樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のマレイミド樹脂組成物をシート状の繊維基材に保持し、半硬化状態にあるプリプレグ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のマレイミド樹脂組成物の硬化物。
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