JPWO2015146382A1 - 血液保存容器 - Google Patents
血液保存容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2015146382A1 JPWO2015146382A1 JP2016510126A JP2016510126A JPWO2015146382A1 JP WO2015146382 A1 JPWO2015146382 A1 JP WO2015146382A1 JP 2016510126 A JP2016510126 A JP 2016510126A JP 2016510126 A JP2016510126 A JP 2016510126A JP WO2015146382 A1 JPWO2015146382 A1 JP WO2015146382A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasticizer
- blood
- bag
- mass
- storage container
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61J—CONTAINERS SPECIALLY ADAPTED FOR MEDICAL OR PHARMACEUTICAL PURPOSES; DEVICES OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR BRINGING PHARMACEUTICAL PRODUCTS INTO PARTICULAR PHYSICAL OR ADMINISTERING FORMS; DEVICES FOR ADMINISTERING FOOD OR MEDICINES ORALLY; BABY COMFORTERS; DEVICES FOR RECEIVING SPITTLE
- A61J1/00—Containers specially adapted for medical or pharmaceutical purposes
- A61J1/14—Details; Accessories therefor
- A61J1/1468—Containers characterised by specific material properties
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61L—METHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
- A61L31/00—Materials for other surgical articles, e.g. stents, stent-grafts, shunts, surgical drapes, guide wires, materials for adhesion prevention, occluding devices, surgical gloves, tissue fixation devices
- A61L31/04—Macromolecular materials
- A61L31/048—Macromolecular materials obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M1/00—Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
- A61M1/02—Blood transfusion apparatus
- A61M1/0209—Multiple bag systems for separating or storing blood components
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M1/00—Suction or pumping devices for medical purposes; Devices for carrying-off, for treatment of, or for carrying-over, body-liquids; Drainage systems
- A61M1/02—Blood transfusion apparatus
- A61M1/0209—Multiple bag systems for separating or storing blood components
- A61M1/0218—Multiple bag systems for separating or storing blood components with filters
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/04—Oxygen-containing compounds
- C08K5/10—Esters; Ether-esters
- C08K5/11—Esters; Ether-esters of acyclic polycarboxylic acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/04—Oxygen-containing compounds
- C08K5/10—Esters; Ether-esters
- C08K5/12—Esters; Ether-esters of cyclic polycarboxylic acids
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Vascular Medicine (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Anesthesiology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Hematology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- Surgery (AREA)
- Epidemiology (AREA)
- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
Abstract
血液保存容器は、ポリ塩化ビニル100質量部に対して、第1可塑剤と第2可塑剤とを組み合わせた複合可塑剤30〜70質量部を配合した樹脂組成物からなる容器本体部を備え、前記第1可塑剤が、ジ−イソノニル−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートであり、前記第2可塑剤がクエン酸エステルであって、前記複合可塑剤における前記1可塑剤と前記第2可塑剤との配合比が、15/85〜93/7であることを特徴とする。
Description
本発明は、血液、特に赤血球濃厚液の保存に用いられる血液保存容器に関する。
血液保存容器を構成する材料の代表的なものとして、DEHP(フタル酸ジエチルヘキシル)等の可塑剤を含有したPVC(ポリ塩化ビニル)がある。PVCは廃棄処理時のダイオキシンの発生等が問題視されているにもかかわらず、現在でも、血液、特に赤血球保存容器用材料の主流を占めている。その最大の理由は、赤血球濃厚液の保存において、PVC中に含まれるDEHPが赤血球濃厚液中に浸出することによって、赤血球の形態変化や溶血現象を抑制する作用があるためである。しかしながら、近年、欧州でスタートしたREACH(化学物質における登録・評価・認可・制限の制度)において、DEHPは、その量によって内分泌攪乱(生殖毒性)等が発生する危惧があるため、高懸念物質の1つとして挙げられている。このことから、血液保存容器を構成する材料として、可塑剤としてDEHPを含有しないPVC組成物の開発が望まれている。
血液保存容器を構成するPVC組成物として種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、クエン酸エステルが配合されたPVC組成物が記載され、そのPVC組成物で構成された貯蔵用バッグは、全血および血小板の保存性において優れていることが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたPVC組成物では、血液、特に赤血球の保存において、赤血球の溶血抑制作用が十分満足すべき段階に達していないのが実状であり、赤血球の保存性に乏しいものであった。
本発明は、前記状況に鑑みてなされたもので、その課題は、可塑剤としてDEHPを含有しないPVC組成物で構成され、血液、特に赤血球の保存性に優れた血液保存容器を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明に係る血液保存容器は、ポリ塩化ビニル100質量部に対して、第1可塑剤と第2可塑剤とを組み合わせた複合可塑剤30〜70質量部を配合した樹脂組成物からなる容器本体部を備え、前記第1可塑剤が、ジ−イソノニル−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(DiNCH)であり、前記第2可塑剤がクエン酸エステルであって、前記複合可塑剤における前記1可塑剤と前記第2可塑剤との配合比が、15/85〜93/7であることを特徴とする。また、本発明の血液保存容器は、前記クエン酸エステルが、ブチリルクエン酸トリヘキシル(BTHC)であることが好ましい。
前記構成によれば、容器本体部を、ポリ塩化ビニルに、DiNCHとクエン酸エステルとを所定配合比で組み合わせた複合可塑剤を所定量配合した樹脂組成物で構成することによって、容器本体部の内部に収容される血液、特に血球の保存性が向上する。特に、赤血球濃厚液を保存した際に、赤血球の溶血現象が抑制される。また、容器本体部を、複合可塑剤を所定量配合した樹脂組成物で構成することによって、容器本体部の耐圧性についても維持される。
本発明によれば、可塑剤としてDEHPを含有しないPVC組成物で構成され、血液、特に血球、血球の中でも赤血球の保存性に優れ、容器の耐圧性においても優れた血液保存容器を提供できる。
本発明に係る血液保存容器の実施形態について、説明する。
本発明の血液保存容器は、ポリ塩化ビニルに対して、第1可塑剤と第2可塑剤とを所定配合比で組み合わせた複合可塑剤を所定量配合した樹脂組成物からなる容器本体部を備え、第1可塑剤がジ−イソノニル−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(DiNCH)であって、第2可塑剤がクエン酸エステルである。また、クエン酸エステルは、ブチリルクエン酸トリヘキシル(BTHC)、アセチルクエン酸トリヘキシル(ATHC)等であって、BTHCが好ましい。
本発明の血液保存容器は、ポリ塩化ビニルに対して、第1可塑剤と第2可塑剤とを所定配合比で組み合わせた複合可塑剤を所定量配合した樹脂組成物からなる容器本体部を備え、第1可塑剤がジ−イソノニル−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(DiNCH)であって、第2可塑剤がクエン酸エステルである。また、クエン酸エステルは、ブチリルクエン酸トリヘキシル(BTHC)、アセチルクエン酸トリヘキシル(ATHC)等であって、BTHCが好ましい。
樹脂組成物は、ポリ塩化ビニル100質量部に対して、複合可塑剤を30〜70質量部配合する。ポリ塩化ビニルに配合される複合可塑剤が30質量部未満であると、樹脂組成物が硬く、容器本体部の成形が困難となる。また、配合される複合可塑剤が70質量部を超えると、容器本体部の内部に収容する血液、具体的には、赤血球の保存性は良好であるが、容器本体部の耐圧性が低下する。なお、ポリ塩化ビニル100質量部に対する複合可塑剤の配合量は40〜60質量部がより好ましい。
複合可塑剤における第1可塑剤と第2可塑剤との配合比は、15/85〜93/7である。すなわち、複合可塑剤における第1可塑剤であるDiNCHの配合量が15〜93質量%、残部となる第2可塑剤であるクエン酸エステルの配合量が7〜85質量%である。なお、配合比は、29/71〜71/29の範囲がより好ましい。
DiNCHの配合量が15質量%未満、すなわち、残部となるクエン酸エステルの配合量が85質量%を超えると、容器本体部の耐圧性は維持されるが、容器本体部の内部に収容する血液、具体的には、赤血球の溶血率が大きくなり、赤血球の保存性が低下する。
また、DiNCHの配合量が93質量%を超える、すなわち、残部となるクエン酸エステルの配合量が7質量%未満であると、容器本体部の耐圧性は維持されるが、容器本体部に収容する血液、具体的には、赤血球の溶血率が大きくなり、赤血球の保存性が低下する。
また、DiNCHの配合量が93質量%を超える、すなわち、残部となるクエン酸エステルの配合量が7質量%未満であると、容器本体部の耐圧性は維持されるが、容器本体部に収容する血液、具体的には、赤血球の溶血率が大きくなり、赤血球の保存性が低下する。
樹脂組成物は、前記したポリ塩化ビニル、DiNCHおよびクエン酸エステルに加えて、エポキシ化大豆油、亜鉛石鹸、カルシウム石鹸等の熱安定剤を配合することが好ましい。熱安定剤の配合量は、例えば、ポリ塩化ビニル100質量部に対して、エポキシ化大豆油が4〜16質量部、亜鉛石鹸が0.01〜1質量部、カルシウム石鹸が0.01〜1質量部であることが好ましい。
血液保存容器は、その形状については特に限定されないが、図1に示すようなバッグ形状が好ましい。また、血液保存容器105、すなわち、容器本体部105Aの容量は100〜600mLが好ましい。また、血液保存容器105は、容器本体部105Aの内部に連通し、容器本体部105Aの内部に収容した血液成分(赤血球濃厚液等)の排出等に用いられる排出口108、他の容器(バッグ)等と接続するためのチューブ101c、101d等を備えてもよい。そして、排出口108、チューブ101c、101dは、従来の血液保存容器で使用されているものを使用し、ポリ塩化ビニル等からなる。
血液保存容器105は、以下に示すような従来公知の方法で作製される。
まず、前記した樹脂組成物をTダイあるいはサーキュラーダイを介して押出し、得られたフラット状のシート、チューブ状のシート、パリソンなどについてサーモフォーシング、ブロー、延伸、裁断、融着等の手法を適宜活用して、バッグ形状の容器本体部105Aを作製し、血液保存容器105とする。好ましくは、フラット状の2枚のシートの融着によって、バッグ形状の容器本体部105Aを作製し、血液保存容器105とする。容器本体部105Aの厚さ、すなわち、シートの厚さは0.05〜1.0mmであることが好ましく、0.08〜0.8mmであることがさらに好ましい。また、必要に応じて、容器本体部105Aの作製時または作製後に、容器本体部105Aに排出口108、チューブ101c、101dを接合する。
まず、前記した樹脂組成物をTダイあるいはサーキュラーダイを介して押出し、得られたフラット状のシート、チューブ状のシート、パリソンなどについてサーモフォーシング、ブロー、延伸、裁断、融着等の手法を適宜活用して、バッグ形状の容器本体部105Aを作製し、血液保存容器105とする。好ましくは、フラット状の2枚のシートの融着によって、バッグ形状の容器本体部105Aを作製し、血液保存容器105とする。容器本体部105Aの厚さ、すなわち、シートの厚さは0.05〜1.0mmであることが好ましく、0.08〜0.8mmであることがさらに好ましい。また、必要に応じて、容器本体部105Aの作製時または作製後に、容器本体部105Aに排出口108、チューブ101c、101dを接合する。
血液保存容器105は、赤血球(赤血球濃厚液)を保存する際に、容器本体部105Aの内部に赤血球保存液が充填されることが好ましい。また、必要に応じて、赤血球保存液に溶血防止剤、界面活性剤等を添加してもよい。なお、以下では、赤血球濃厚液に、赤血球保存液、溶血防止剤、添加剤等が添加されたものを赤血球製剤と称する。
赤血球保存液は、赤血球濃厚液の長期保存のために用いられている従来公知の保存液が用いられる。赤血球保存液としては、ACD液、CPD液、MAP液、SAGM液、OPTISOL(登録商標)(AS−5)、ADSOL(AS−1)、Nutricel(AS−3)、PAGG−S、SAGP−maltose等が挙げられる。なお、赤血球保存液の添加量は、赤血球濃厚液100mLあたり40〜60mL、すなわち、採血量100mLあたり20〜30mLが好ましい。
溶血防止剤は、抗酸化作用および赤血球膜の脂質との親和作用等によって赤血球膜の破壊を防止するためのもので、具体的には、ビタミンE(トコフェロール等の酢酸エステル化合物も含む)、または、7−テトラデセン、8−オクタデセン、9−エイコセンおよびスクアレン等の不飽和鎖式炭化水素化合物が好ましい。溶血防止剤の添加量は、赤血球製剤中の濃度として25〜100ppmであることが好ましい。
界面活性剤は、赤血球保存液への溶血防止剤の均一な分散と、溶血防止剤による赤血球膜の被覆を助長する作用を有すると共に、単独でも赤血球膜の破壊を抑制することが可能なものである。具体的には、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エマルゲン(登録商標)430)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(Tween(登録商標)80)等が好ましい。界面活性剤の添加量は、赤血球製剤中の濃度として100〜300ppmであることが好ましい。
次に、本発明に係る血液保存容器が用いられる血液バッグシステムについて説明する。図1に示すように、血液保存容器は、血液バッグシステム100の血液保存バッグ105に相当する。
血液バッグシステム100は、先端に採血針102を有する採血チューブ101aを介して、供血者(ドナー)から採血した血液が充填される採血バッグ103と、採血バッグ103からチューブ101bを介して移送された血液(全血)から所定の血液成分(白血球および血小板)を分離する血液処理フィルター110と、チューブ101cを介して血液処理フィルター110を通過することによって所定の血液成分が除去された血液を回収する血液保存バッグ105と、その血液保存バッグ105内で遠心分離された上層の血液成分(血漿)がチューブ101d、101eおよび分岐管104を介して移送される血液保存バッグ106と、赤血球保存液等が充填された薬液充填バッグ107と、を備えており、赤血球保存液等は、薬液充填バッグ107からチューブ101f、101dおよび分岐管104を介して血液保存バッグ105に移送され、血液保存バッグ105内で遠心分離された下層の血液成分(赤血球濃厚液)に添加される。
また、採血バッグ103、血液保存バッグ105、106および薬液充填バッグ107の上部側には、排出口108が形成されている。また、採血バッグ103、血液保存バッグ105、106および薬液充填バッグ107には、その充填される血液成分を示すためのラベル109が貼り付けられている。また、チューブ101b〜101fには、図示しない流路封止部材が必要に応じて設置されている。流路封止部材とは、チューブ内の流路を遮断(封止)した状態で設置され、破断により流路を開通させる部材である。さらに、採血バッグ103内には、通常、抗凝固剤が充填されている。また、抗凝固剤としては、ACD液、CPD液等を用いてもよい。
なお、血液保存バッグ105は、前記樹脂組成物から構成された容器が用いられる。採血バッグ103、血液保存バッグ106および薬液充填バッグ107は、従来公知の容器が用いられ、例えば、100〜600mL程度の容量を有するポリ塩化ビニル等で構成された容器が用いられる。また、採血針102も従来公知の金属製の針が用いられ、チューブ101a〜101f、分岐管104も従来公知のポリ塩化ビニル等の樹脂チューブが用いられる。さらに、血液処理フィルター110も従来公知の血液処理フィルターが用いられる。そして、血液バッグシステム100は、赤血球濃厚液が収容される血液保存バッグ105が前記樹脂組成物から構成されていれば、バッグ103、105、106、107および血液処理フィルター110の配置は、図1に示す配置に限定されず、他の配置であってもよい。
ポリ塩化ビニル100質量部に対して、DiNCHとBTHCとからなる複合可塑剤を表1に示す配合量で配合すると共に、エポキシ化大豆油8質量部、亜鉛石鹸0.048質量部およびカルシウム石鹸0.064質量部を配合した樹脂組成物を作製した。なお、DiNCHとBTHCとの配合比は、表1に示すとおりとする。
前記樹脂組成物をTダイで押出し、厚さ0.4mmの樹脂シートを作製した。作製した2枚の樹脂シートを融着して、内容量80mLと内容量450mLの評価用バッグを作製した。作製した評価用バッグを用いて、以下の手順で赤血球保存性および耐圧性について評価を行った。なお、赤血球保存性は、溶血率によって評価を行った。その結果を表1に示す。
(赤血球保存性)
赤血球保存液(SAGM液)15mLと赤血球濃厚液60mLとを混和して赤血球製剤とし、この赤血球製剤を内容量80mLの評価用バッグの内部に充填し、4℃を保ちながら6週間保存した。
保存終了後の赤血球製剤から検体を採取し、採取された検体中のヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値を、自動血球分析装置(XE−5000、sysmex製)により測定した。また、保存終了後の赤血球製剤を用いて、以下のLCV法で血漿中遊離ヘモグロビン濃度を算出した。
赤血球保存液(SAGM液)15mLと赤血球濃厚液60mLとを混和して赤血球製剤とし、この赤血球製剤を内容量80mLの評価用バッグの内部に充填し、4℃を保ちながら6週間保存した。
保存終了後の赤血球製剤から検体を採取し、採取された検体中のヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値を、自動血球分析装置(XE−5000、sysmex製)により測定した。また、保存終了後の赤血球製剤を用いて、以下のLCV法で血漿中遊離ヘモグロビン濃度を算出した。
(LCV法)
(1)Leuco Crystal Violet(SIGMA−ALDRICH製)20mgを酢酸20mLに溶解させた後、アセトン75mL、RO水25mLを加えて攪拌混合し、これを発色試薬として使用する。
(2)30質量%の過酸化水素水1mLにRO水30mLを加えて混合し、これを発色基質液として使用する。
(3)保存終了の赤血球製剤を遠心して上澄を採取し、これを血漿中遊離ヘモグロビン量の測定試料とする。また、ヘモグロビン標準液(ヘモコン−N、アルフレッサファーマ製)をRO水で希釈して、2〜300mg/dLの濃度の検量線作製用ヘモグロビン標準液(検量線サンプル)も同時に調製する。
(4)試験管に発色試薬6mL、測定試料および検量線サンプル25μLを加えてよく攪拌する。
(5)さらに、発色基質液1mLを加えて攪拌後、37℃の水流式恒温槽中で20分間インキュベートする。
(6)インキュベート終了後、分光光度計(V−650、日本分光製)を用いて590nmの吸光度を測定し、同時に測定した検量線サンプルの値から血漿中遊離ヘモグロビン濃度を算出した。
(1)Leuco Crystal Violet(SIGMA−ALDRICH製)20mgを酢酸20mLに溶解させた後、アセトン75mL、RO水25mLを加えて攪拌混合し、これを発色試薬として使用する。
(2)30質量%の過酸化水素水1mLにRO水30mLを加えて混合し、これを発色基質液として使用する。
(3)保存終了の赤血球製剤を遠心して上澄を採取し、これを血漿中遊離ヘモグロビン量の測定試料とする。また、ヘモグロビン標準液(ヘモコン−N、アルフレッサファーマ製)をRO水で希釈して、2〜300mg/dLの濃度の検量線作製用ヘモグロビン標準液(検量線サンプル)も同時に調製する。
(4)試験管に発色試薬6mL、測定試料および検量線サンプル25μLを加えてよく攪拌する。
(5)さらに、発色基質液1mLを加えて攪拌後、37℃の水流式恒温槽中で20分間インキュベートする。
(6)インキュベート終了後、分光光度計(V−650、日本分光製)を用いて590nmの吸光度を測定し、同時に測定した検量線サンプルの値から血漿中遊離ヘモグロビン濃度を算出した。
前記で測定、算出した検体中ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値および血漿中遊離ヘモグロビン濃度を用いて、下式(1)で溶血率(%)を算出した。なお、算出された溶血率(%)は、値が小さいほど、赤血球の溶血が抑制され、赤血球の保存性が優れているといえる。
(耐圧性)
作製した内容量450mLの評価用バッグを用いて、ISO3826に準じた以下の(1)〜(3)の漏れ実験を行った。
作製した内容量450mLの評価用バッグを用いて、ISO3826に準じた以下の(1)〜(3)の漏れ実験を行った。
(1)評価用バッグに450mLの水を注入し、37℃、10分間、5000Gの条件下で遠心分離を実施し、漏れがないことを確認する。その後、23±5℃の条件下で、評価用バッグの内部圧が大気圧を50kPa超えるまで2枚のプレートで圧搾し、その状態で10分間保持し、漏れがないことを確認する。
(2)評価用バッグに450mLの水を注入し、4℃、10分間、5000Gの条件下で遠心分離を実施し、漏れがないことを確認する。その後、23±5℃の条件下で、評価用バッグの内部圧が大気圧を50kPa超えるまで2枚のプレートで圧搾し、その状態で10分間保持し、漏れがないことを確認する。
(3)評価用バッグに225mLの水を注入し、ゆっくり凍結し−80℃で24時間保管し、さらに37±2℃の水中に60分間浸し、室温に戻した際、漏れがないことを確認する。
前記(1)〜(3)のすべてにおいて漏れがないときに耐圧性が良好(○)、(1)〜(3)のいずれかで漏れがあるときに耐圧性が不良(×)とした。
表1に示すように、本発明の要件を満たす実施例(No.3〜6、8、9)は、本発明の要件を満足しない比較例(No.1、2、7、10)に比べて、赤血球保存性および耐圧性が優れていた。
比較例(No.1)は、BTHCのみからなる可塑剤を使用したため、赤血球保存性が劣っていた。比較例(No.2)は、複合可塑剤におけるDiNCHとBTHCとの配合比が本発明で規定する範囲を満足しないため、赤血球保存性が劣っていた。比較例(No.7)は、複合可塑剤の配合量が上限値を超えるため、耐圧性が劣っていた。比較例(No.10)は、DiNCHのみからなる可塑剤を使用したため、赤血球保存性が劣っていた。
100 血液バッグシステム
103 採血バッグ
105 血液保存バッグ(血液保存容器)
105A 容器本体部
106 血液保存バッグ
107 薬液充填バッグ
110 血液処理フィルター
103 採血バッグ
105 血液保存バッグ(血液保存容器)
105A 容器本体部
106 血液保存バッグ
107 薬液充填バッグ
110 血液処理フィルター
前記課題を解決するために、本発明に係る血液保存容器は、ポリ塩化ビニル100質量部に対して、第1可塑剤と第2可塑剤とを組み合わせた複合可塑剤30〜70質量部を配合した樹脂組成物からなる容器本体部を備え、前記第1可塑剤が、ジ−イソノニル−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレート(DiNCH)であり、前記第2可塑剤がクエン酸エステルであって、前記複合可塑剤における前記第1可塑剤と前記第2可塑剤との配合比が、15/85〜93/7であることを特徴とする。また、本発明の血液保存容器は、前記クエン酸エステルが、ブチリルクエン酸トリヘキシル(BTHC)であることが好ましい。
Claims (2)
- ポリ塩化ビニル100質量部に対して、第1可塑剤と第2可塑剤とを組み合わせた複合可塑剤30〜70質量部を配合した樹脂組成物からなる容器本体部を備え、
前記第1可塑剤が、ジ−イソノニル−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシレートであり、前記第2可塑剤がクエン酸エステルであって、
前記複合可塑剤における前記1可塑剤と前記第2可塑剤との配合比が、15/85〜93/7であることを特徴とする血液保存容器。 - 前記クエン酸エステルが、ブチリルクエン酸トリヘキシルであることを特徴とする請求項1に記載の血液保存容器。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014064121 | 2014-03-26 | ||
JP2014064121 | 2014-03-26 | ||
PCT/JP2015/054445 WO2015146382A1 (ja) | 2014-03-26 | 2015-02-18 | 血液保存容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2015146382A1 true JPWO2015146382A1 (ja) | 2017-04-13 |
Family
ID=54194918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016510126A Pending JPWO2015146382A1 (ja) | 2014-03-26 | 2015-02-18 | 血液保存容器 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20170181929A1 (ja) |
EP (1) | EP3124006A4 (ja) |
JP (1) | JPWO2015146382A1 (ja) |
CN (1) | CN106102688A (ja) |
WO (1) | WO2015146382A1 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9993389B2 (en) * | 2011-09-19 | 2018-06-12 | Fenwal, Inc. | Red blood cell products and the storage of red blood cells in containers free of phthalate plasticizer |
KR102260895B1 (ko) * | 2018-06-12 | 2021-06-07 | 주식회사 엘지화학 | 가소제 조성물 및 이를 포함하는 수지 조성물 |
EP4285721A1 (en) * | 2022-06-02 | 2023-12-06 | Fenwal, Inc. | System for the extended storage of red blood cells |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013043711A1 (en) * | 2011-09-19 | 2013-03-28 | Fenwal, Inc. | Red blood cell products and the storage of red blood cells in containers free of phthalate plasticizer |
JP2014223182A (ja) * | 2013-05-16 | 2014-12-04 | 川澄化学工業株式会社 | 血液バッグ |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4789700A (en) * | 1984-06-11 | 1988-12-06 | Morflex Chemical Company, Inc. | Citrate esters and method |
US5533992A (en) * | 1990-12-31 | 1996-07-09 | Patel; Indrajit | Material for medical grade products and products made therefrom |
CN100335553C (zh) * | 2004-05-12 | 2007-09-05 | 威海威高创新有限公司 | 输血器具用软聚氯乙烯塑料 |
CN101511933B (zh) * | 2006-09-11 | 2012-03-21 | 株式会社钟化 | 医疗用途的树脂组合物、树脂颗粒、和医疗用途的部件 |
US20100113664A1 (en) * | 2008-06-11 | 2010-05-06 | Ferro Corporation | Asymmetric Cyclic Diester Compounds |
CN101899188A (zh) * | 2010-08-31 | 2010-12-01 | 威海洁瑞医用制品有限公司 | 一种医用pvc粒料 |
US10398625B2 (en) * | 2013-03-13 | 2019-09-03 | Fenwal, Inc. | Medical containers with terephthalate plasticizer for storing red blood cell products |
-
2015
- 2015-02-18 CN CN201580013209.4A patent/CN106102688A/zh active Pending
- 2015-02-18 US US15/301,436 patent/US20170181929A1/en not_active Abandoned
- 2015-02-18 EP EP15769544.6A patent/EP3124006A4/en not_active Withdrawn
- 2015-02-18 WO PCT/JP2015/054445 patent/WO2015146382A1/ja active Application Filing
- 2015-02-18 JP JP2016510126A patent/JPWO2015146382A1/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013043711A1 (en) * | 2011-09-19 | 2013-03-28 | Fenwal, Inc. | Red blood cell products and the storage of red blood cells in containers free of phthalate plasticizer |
JP2014223182A (ja) * | 2013-05-16 | 2014-12-04 | 川澄化学工業株式会社 | 血液バッグ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20170181929A1 (en) | 2017-06-29 |
EP3124006A1 (en) | 2017-02-01 |
CN106102688A (zh) | 2016-11-09 |
EP3124006A4 (en) | 2017-11-15 |
WO2015146382A1 (ja) | 2015-10-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102554521B1 (ko) | 적혈구 제품, 혈장 및 혈소판의 보관을 위한 비-dehp 가소제를 갖는 의료용 컨테이너 및 시스템 구성요소 | |
US11000551B2 (en) | Red blood cell products and the storage of red blood cells in containers free of phthalate plasticizer | |
US4670013A (en) | Container for blood and blood components | |
WO2015146382A1 (ja) | 血液保存容器 | |
EP0537863B1 (en) | Use of a triglyceride compound as a hemolysis depressant | |
WO2011105257A1 (ja) | 赤血球濃厚液用添加剤および医療用容器 | |
JP6901194B1 (ja) | 血液採取容器及び血漿の分離方法 | |
EP3744775A1 (en) | Blood storage containers made of polyvinyl chloride and mixed plasticizers | |
JP6298597B2 (ja) | 溶血抑制剤および血液バッグ | |
US5248531A (en) | Hemolysis depressant and plasticizer | |
CN103257021A (zh) | 一种高渗透剂及其制备方法 | |
US20230091391A1 (en) | Medium and Methods For The Storage of Red Blood Cells | |
TWI708807B (zh) | 醫療用袋 | |
CA1285094C (en) | Pvc containers for blood and blood components | |
JP4270285B2 (ja) | 血液成分収納容器と該血液成分収納容器を連結した血液成分収納具 | |
US20160205923A1 (en) | Activated platelet preservation composition, method for preserving activated platelet and preserved activated platelet using the same | |
JP5225728B2 (ja) | 血清または血漿分離用組成物及び血液検査用容器 | |
WO2013015419A1 (ja) | 遠心分離器用血液容器 | |
JP2024500767A (ja) | 保存された赤血球の溶血を抑制するための使い捨て流体回路および容器 | |
JPH09215727A (ja) | 医療用容器 | |
JPH0999038A (ja) | 血液成分保存容器および容器連結体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20171212 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180703 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20180831 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20190108 |