JP5225728B2 - 血清または血漿分離用組成物及び血液検査用容器 - Google Patents

血清または血漿分離用組成物及び血液検査用容器 Download PDF

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Description

本発明は、血液から血清または血漿を分離するのに用いられる血清または血漿分離用組成物及びこれを収容した血液検査用容器に関し、特にロジン系樹脂を含む、血清または血漿分離用組成物及び該分離用組成物が収容されている血液検査用容器に関する。
従来、血液中の各成分を分離するために、分離剤を収容した血液検査用容器に血液を採取し、遠心分離する方法が用いられていた。すなわち、血液中の各成分の比重差を利用し、遠心分離により各成分が分離されていた。
血清または血漿を血球成分などから速やかにかつ確実に分離するために、分離剤としては血清または血漿と血球成分との中間の比重を有するものが使用され、比重が1.03〜1.08、より好ましくは1.04〜1.06の範囲に調整されている様々な血清または血漿分離用組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリエステル系重合体を主成分として含む血清または血漿分離用組成物が記載されている。また、特許文献2には、アクリル系重合体を主成分として含む血清または血漿分離用組成物が記載されており、特許文献3には、シクロペンタジエン樹脂を主成分として含む血清または血漿分離用組成物が記載されている。
なかでも、シクロペンタジエン樹脂は、その粘度の温度依存性が大きいため、シクロペンタジエン樹脂を主成分として含む血清または血漿分離用組成物を低温下で使用する場合には、血清または血漿分離用組成物の流動性が悪くなるという問題があった。このような問題を解決するために、特許文献4には、常温で液状のシクロペンタジエン樹脂100重量部に対し、粘度調整剤0.8〜25重量部及び有機ゲル化剤0.03〜0.9重量部を含む血清または血漿分離用組成物が開示されている。
さらに、特許文献5には、比重を細かく設定することができ、比重差を利用した血清または血漿と血球成分との分離性能に優れており、安定性に優れた血清または血漿分離用組成物として、水添シクロペンタジエン樹脂と芳香族エステル化物であるフタル酸エステルとを含む血清または血漿分離用組成物が開示されている。
特開昭61−233368号公報 特開昭53−42283号公報 特開平1−295163号公報 特開平6−3356号公報 特開平9−15238号公報
しかしながら、特許文献1〜5に記載のような血清または血漿分離用組成物では、含まれている成分同士の相溶性が乏しく、含まれている油状成分が分離しがちであった。従って、分離した油状成分が、遠心分離後の血清または血漿中に浮遊することがあった。遠心分離後の血液検査用容器は、血液検査のために自動分析装置などにかけられることが多く、血清または血漿中に油状成分のような不純物が存在すると、自動分析装置のサンプリングノズルが詰まったり、電解質センサーの表面に付着したりし、血液検査に支障をきたすことがあった。
さらに、血清または血漿分離用組成物を設計する場合、その比重を血清または血漿と血球成分との中間にする必要があることから、主成分とする材料は25℃における比重が1.0よりも大きいことが求められる。しかしながら、多くの重合体や樹脂の25℃における比重は1.0よりも小さく、25℃における比重が1.0以上であって、かつ、工業的に利用可能であり、さらに容易に入手可能な材料は非常に限られていた。
本発明の目的は、一般的に容易に入手可能な材料からなり、かつ、比重差による血清または血漿と血球成分との分離性能に優れており、さらに、含有する成分の分離が生じることがなく、分離後の血清または血漿中に油状成分が浮遊し難い血清または血漿分離用組成物、並びに該血清または血漿分離用組成物を収容してなる血液検査用容器を提供することにある。
本発明によれば、ロジン系樹脂と、トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルとを含む血清または血漿分離用組成物が提供され、それによって、上記課題が達成される。
より好ましくは、上記ロジン系樹脂として、軟化点60〜160℃であり、かつ25℃における比重が1.0〜1.1の範囲にあるロジン系樹脂が用いられ、該ロジン系樹脂100重量部に対し、上記トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルが50〜250重量部の割合で含有される。それによって、比重差を利用した分離法により、血清または血漿と血球成分とをより一層速やかにかつ確実に分離することができる。
上記血清または血漿分離用組成物の比重は、好ましくは1.02〜1.08とされ、さらに好ましくは1.02〜1.055とされる。それによって、比重差を利用した血清または血漿と血球成分との分離を、より一層速やかにかつ確実に行うことができる。
本発明に係る血液検査用容器は、本発明の血清または血漿分離用組成物を収容してなることを特徴とする。従って、血液検査用容器内に血液を導いた後、遠心分離等により比重差を利用して、血清または血漿と血球成分とを速やかにかつ確実に分離することができる。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明で用いられるロジン系樹脂としては、特に限定されないが、重合ロジン、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル樹脂類、不均化ロジンエステル樹脂類、水添ロジンエステル樹脂類等が挙げられる。このようなロジン系樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製の商品名:パインクリスタルシリーズに挙げられている製品、すなわち、品番が、KR−85(軟化点85℃)、KR−614(軟化点90℃)、KE−100(軟化点100℃)、KE−359(軟化点100℃)のものや、荒川化学工業社製の商品名:スーパーエステルシリーズに挙げられている製品、すなわち、グレードが、A−75(軟化点75℃)、A−100(軟化点100℃)、A−115(軟化点115℃)、A−125(軟化点125℃)のものなどが市販されている。
上記ロジン系樹脂の軟化点は、60〜200℃が好ましく、より好ましくは60〜160℃であり、さらに好ましくは60〜140℃である。
また、上記ロジン系樹脂の25℃における比重は、1.00〜1.15が好ましく、より好ましくは1.04〜1.10である。25℃における比重がこの範囲内にあるロジン系樹脂を用いることで、血清または血漿分離用組成物全体の比重の調整を容易にすることができる。
本発明において用いられるトリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルは、フタル酸エステルと同じく芳香族エステル化物に属するものであり、トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルである限り特に限定されるものでない。
上記トリメリット酸エステルとしては、トリメリット酸のアルキルエステルが好ましく、トリメリット酸アルキルエステルとしては、具体的には、トリメリット酸トリn−オクチル、トリメリット酸トリイソオクチル、トリメリット酸トリイソデシルなどが挙げられる。
上記トリメリット酸のアルキルエステルの市販品としては、例えば、大日本インキ化学社製の、商品名:モノサイザーW−700(トリメリット酸トリイソオクチル、比重(25℃/25℃)0.990、粘度(25℃)220mPa.s)、商品名:モノサイザーW−750(トリメリット酸トリn−オクチル、比重(25℃/25℃)0.984、粘度(25℃)93mPa.s)や、新日本理化社製の、商品名:サンソサイザーTOTM(トリメリット酸トリイソオクチル、比重(20℃/4℃)0.990、粘度(30℃)162mPa.s)、商品名:サンソサイザーTITM(トリメリット酸トリイソデシル、比重(20℃/4℃)0.975、粘度(30℃)287mPa.s)や、ジェイプラス社製の、商品名:TOTM(トリメリット酸トリイソオクチル、比重(20℃/20℃)0.990、粘度(25℃)218mPa.s)、商品名:TOTM NB(トリメリット酸トリイソオクチル、比重(20℃/20℃)0.990、粘度(25℃)218mPa.s)、商品名:711TM(トリメリット酸トリアルキル(炭素鎖7〜11)、比重(20℃/20℃)0.978、粘度(25℃)131mPa.s)などを挙げることができる。
上記ピロメリット酸エステルとしては、ピロメリット酸のアルキルエステルが好ましく、具体的には、例えば、ピロメリット酸テトライソオクチルが挙げられる。
上記ピロメリット酸のアルキルエステルの市販品としては、例えば、大日本インキ化学社製の、商品名:モノサイザーW−7010(ピロメリット酸テトライソオクチル、比重(25℃/25℃)0.992、粘度(25℃)460mPa.s)を挙げることができる。
上記トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルの配合割合は、上記ロジン系樹脂100重量部に対し、50〜250重量部が好ましい。トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルの配合割合が50重量部未満では、得られる血清または血漿分離用組成物の粘度が高くなりすぎ、遠心分離により血清または血漿と血球成分とを分離する場合などは、分離に大きな遠心力が必要になることがある。また、トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルの配合割合が250重合部を超えると、得られる血清または血漿分離用組成物の比重を血清または血漿と血球成分との間に調整するために、多量の比重調整剤を添加しなければならず、そのため、得られる血清または血漿分離用組成物の降伏値が経時により大きくなり、隔壁形成能が低下することがある。より好ましくは、上記ロジン系樹脂100重量部に対し、トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルは、70〜150重量部の割合で配合され、それによって、さほど大きな遠心力を必要とせずに、良好に分離のための隔壁を形成することができる。
本発明に係る血清または血漿分離用組成物には、上記ロジン系樹脂及びトリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステル以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の様々な成分を配合してもよい。このような他の成分としては、チクソトロピー性付与剤、比重調整剤、無機微粉末、有機ゲル化剤、ゲル化度調整用の極性有機溶媒などを挙げることができる。
上記有機ゲル化剤としては、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールなどのソルビトール変性物等を挙げることができる。
また、上記無機微粉末としては、結晶性、非晶性を問わず、例えば、シリカ、カオリン、ベントナイト、アルミナ、合成珪酸塩化合物、珪藻土等の微粉末を挙げることができる。
さらに、上記極性有機溶媒としては、例えば、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチルピロリドン(NMP)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを挙げることができる。
本発明に係る血清または血漿分離用組成物は、上記ロジン系樹脂及びトリメリット酸エステルあるいはピロメリット酸エステル並びに必要に応じて添加される他の成分を適宜の混合方法により混合することにより得ることができ、その製造方法は特に限定されるものではない。
本発明に係る血液検査用容器は、従来から血液検査用容器に用いられている容器本体に、本発明の血清または血漿分離用組成物を収容したことを特徴とする。
上記容器本体としては特には限定されず、従来から血液検査用容器に用いられているものが使用される。
上記の容器本体の形状については特に限定されないが、一般的には、一端が開口し、他端が有底で閉じられた管状の容器である。
上記容器本体を構成する材料についても特に限定されず、例えば、ガラスや合成樹脂などからなる容器本体を用いることができる。もっとも、外部から分離された血清または血漿を目視により容易に確認することができるので、透明性を有する材料により容器本体を構成することが望ましい。
上記容器本体は、少なくとも一端が開口しているものであるが、その開口部は栓体で封止されるのが一般的である。
上記栓体としては、容器本体を気密的及び液密的に封止し得るものであれば特には限定されず、従来から血液検査用容器に用いられているものが使用される。例えば、最も一般的な栓体としては、ゴム栓が挙げられる。
図1は、本発明の血液検査用容器の一例を示した断面模式図である。合成樹脂製の容器本体1に、本発明の血清または血漿分離用組成物3を収容した後、ゴム栓2で封止することにより、血液検査用容器とされる。
本発明に係る血清または血漿分離用組成物を用いて、血清または血漿を血液から分離するに際しては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
底部に本発明の血清または血漿分離用組成物が収容された上記血液検査用容器の中に、検体としての血液を導入する。そして、遠心分離装置により遠心分離する。遠心分離により、血液中の固形分である血球成分が下方に沈殿し、上澄みとして血清または血漿が得られる。血清または血漿分離用組成物は、血球成分と血清または血漿との中間に隔壁を形成する。なお、血漿を分離するには、予め血液及び/または血液検査用容器内に、ヘパリンや、エチレンジアミンテトラアセテートのK塩もしくはNa塩等の従来公知の抗凝固剤を添加しておけばよい。また、血清を分離するには、抗凝固剤を用いることなく、あるいは抗凝固剤の代わりにシリカや珪藻土のような無機質粉末、トロンビンのようなセリンプロテアーゼ等の従来公知の凝固促進剤を血液検査用容器内に収容しておき、導入した血液を凝固させた後に、遠心分離を行えばよい。
本発明の血清または血漿分離用組成物は、ロジン系樹脂と、トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルとから構成されるが、ロジン系樹脂とトリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルとは相溶性に優れているため、本発明に係る血清または血漿分離用組成物は、長期間保存された場合であっても、構成成分の分離が生じ難く、安定性に優れている。
従って、長期間保存された本発明の血清または血漿分離用組成物を用いて、血清または血漿を分離した場合であっても、分離後の血清または血漿に油状成分が浮遊し難い。従って、本発明の血清または血漿分離用組成物を用いることにより、血液から清浄な血清または血漿を確実に分離することができる。
従来、分離後の血清または血漿に上記のような油状成分が浮遊すると、血液検査のために自動分析装置などにかける場合などに、血清または血漿を採取するサンプリングノズルが油状成分により詰まったり、電解質センサーの表面が油状成分により汚染されることがあった。これに対して、本発明によれば、上記のように油状成分の血清または血漿への混入を確実に抑制することができるので、自動分析装置などにかけた場合であっても、サンプリングノズルが詰まったり、電解質センサーの表面が汚染されたりし難い。
また、本発明の血清または血漿分離用組成物で用いているロジン系樹脂及びトリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルは、一般に市販されているものであり、使用するグレードや量の選択を比較的自由に行うことができ、従って、比重の調整を容易に行うことができる。
本発明の血液検査用容器は、上記本発明の血清または血漿分離用組成物を収容しているため、長期間保存された場合であっても、血清または血漿分離用組成物の構成成分の分離が生じ難く、安定性に優れている。また、血清または血漿分離用組成物から油状成分が出てくることも無いので、該血液検査用容器に血液を採取し、遠心分離し、血清または血漿を得るに際し、血清または血漿への油状成分の混入を確実に抑制することができる。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げることにより本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例において用いた材料は以下の通りである。
ロジン系樹脂(1):荒川化学工業社製、商品名:KE−100、軟化点100℃、比重(25℃/4℃)1.085
ロジン系樹脂(2):荒川化学工業社製、商品名:KE−359、軟化点100℃、比重(25℃/4℃)1.0580
ロジン系樹脂(3):荒川化学工業社製、商品名:A−75、軟化点75℃、比重(25℃/4℃)1.080
ロジン系樹脂(4):荒川化学工業社製、商品名:A−100、軟化点100℃、比重(25℃/4℃)1.090
ロジン系樹脂(5):荒川化学工業社製、商品名:A−115、軟化点115℃、比重(25℃/4℃)1.090
ロジン系樹脂(6):荒川化学工業社製、商品名:A−125、軟化点125℃、比重(25℃/4℃)1.105
シクロペンタジエン系オリゴマー(1):トーネックス社製、商品名:E5690、軟化点90℃、比重(25℃/4℃)1.060
シクロペンタジエン系オリゴマー(2):トーネックス社製、商品名:E5380、軟化点85℃、比重(25℃/4℃)1.070
トリメリット酸エステル:ジェイプラス社製、商品名:TOTM NB(トリメリット酸トリイソオクチル)、比重(25℃/25℃)0.990、粘度(25℃)218mPa.s
有機ゲル化剤:ジベンジリデンソルビトール(DBS)、新日本理化社製、商品名:ゲルオールD
極性有機溶媒:N−メチルピロリドン(NMP)、試薬グレード
微粉末シリカ:比表面積200m/gの非晶性微粉末シリカ、日本アエロジル社製、商品名:200V
(実施例1〜8:トリメリット酸エステルへのロジン系樹脂などの溶解性の確認)
加熱攪拌により140℃とされたトリメリット酸エステルに、ロジン系樹脂(1)〜(6)またはシクロペンタジエン系オリゴマー(1)〜(2)を、目視で溶解したことが確認できる程度に溶解させ、しかる後、約25℃の室温下で各溶液を保存した。ロジン系樹脂またはシクロペンタジエン系オリゴマーの溶解性について、上記溶液を調整した翌日、一週間後及び三週間後にそれぞれ目視により観察し、評価した。配合成分の種類と、ロジン系樹脂またはシクロペンタジエン系オリゴマーを100重量部としたときの各成分の配合割合(単位は重量部)、並びに溶解のし易さ及び経時での相溶性評価結果を下記の表1に示す。
Figure 0005225728
表1から明らかなように、ロジン系樹脂は、140℃においてトリメリット酸エステルへの高い溶解性を示した。
シクロペンタジエン系オリゴマーは、140℃におけるトリメリット酸エステルへの溶解性は高いものの、溶液調整後、経時により、薄い白濁が生じた。これは、わずかに相分離が生じていることによるものと考えられる。
上記の通り、ロジン系樹脂はトリメリット酸エステルに対し、高い溶解性を示し、しかも経時による透明性の低下も生じていなかった。即ち、これらのロジン系樹脂は、トリメリット酸エステルとの相溶性が高いことが確認された。また、上記結果から、上記ロジン系樹脂を用いた血清または血漿分離用組成物では、構成成分の分離が生じ難く、油状物質の浮遊が生じ難いことがわかる。
(実施例9〜16:血清または血漿分離用組成物の作製)
130〜140℃に加熱攪拌したトリメリット酸エステルに、ロジン系樹脂(1)〜(6)あるいはシクロペンタジエン系オリゴマー(1)〜(2)、有機ゲル化剤及びゲル化度調整剤を添加し、目視で溶解したことが確認できる程度に溶解させた後、得られた溶液を放置することにより約25℃の室温まで冷却した。室温まで冷却された溶液に、微粉末シリカをプラネタリミキサーで攪拌分散させ、ゲル状の血清または血漿分離用組成物を得た。
配合成分の種類と、ロジン系樹脂またはシクロペンタジエン系オリゴマーを100重量部としたときの各成分の配合割合(単位は重量部)を下記の表2に示す。
Figure 0005225728
(評価)
各実施例で得られた血清または血漿分離用組成物を用い、それぞれ20本の血液検査用容器を以下の要領で作製した。
7mL容量のポリエチレンテレフタレート製試験管20本の底部に、各実施例で得られた血清または血漿分離用組成物を約1.5gずつ収容した後、試験管内壁面に、微粉末シリカ(平均粒径約3μm、結晶性)2重量%、カルビノール変性シリコンオイル2重量%及びポリビニルピロリドン2重量%を含有する水懸濁液からなる血液凝固促進剤を、約20mg/本の割合で噴霧し、乾燥して血液検査用容器を作製した。
上記のようにして作製した血液検査用容器20本のうち、10本を約25℃の室温で2週間保存し、残り10本を60℃で2週間加熱下で保存した。その後、全ての血液検査用容器に、羊のクエン酸添加保存血液を各3mLずつ採取し、室温保存の血液検査用容器及び60℃加熱下で保存された血液検査用容器各5本を、1300G×15℃×5分間条件で遠心分離し、残りの室温下で保存された血液検査用容器及び60℃の温度で保存された血液検査用容器各5本を、1300G×20℃×5分間の条件で遠心分離した。遠心分離後の各血液検査用容器において、形成された血清または血漿分離用組成物からなる隔壁による血漿と血球との分離状態、溶血の有無、油状浮遊物の有無を目視により観察した。結果を下記の表3に示す。
Figure 0005225728
表3から明らかなように、室温で保存された場合及び60℃で保存された場合のいずれの保存条件においても、実施例9〜16の全てにおいて、溶血は生じず、油状物質の浮遊も認められなかった。なお、実施例14〜16では、隔壁が薄く、結晶側への血球残りが認められた。これは、血清または血漿分離用組成物の比重が大きかったため、血清または血漿分離用組成物が血球上に移動し難くなったことによると考えられる。
以上から、本発明の血清または血漿分離用組成物は、新規な構成であるが、血清または血漿分離用組成物として分離性能に優れており、分離した血清または血漿への油状成分の混入なども生じることがなく、安定性にも優れたものであることがわかる。
本発明の血液検査用容器の一例の縦断面図である。
符号の説明
1…容器本体
2…栓体
3…血清または血漿分離用組成物

Claims (4)

  1. ロジン系樹脂と、トリメリット酸エステルあるいはピロメリット酸エステルとを含むことを特徴とする、血清または血漿分離用組成物。
  2. 軟化点が60〜160℃の範囲にあり、かつ25℃における比重が1.0〜1.1の範囲にあるロジン系樹脂100重量部に対し、トリメリット酸エステルまたはピロメリット酸エステルが50〜250重量部含有されていることを特徴とする、血清または血漿分離用組成物。
  3. 組成物の比重が1.02〜1.055である、請求項1または2に記載の血清または血漿分離用組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の血清または血漿分離用組成物を収容してなる血液検査用容器。
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