JPWO2015141693A1 - 半透膜分離装置および半透膜分離装置の運転方法 - Google Patents

半透膜分離装置および半透膜分離装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

海水または塩分濃度1重量%以上の高濃度かん水を原水として、原水もしくはその前処理水を供給水として、加圧供給する昇圧ポンプの下流に半透膜ユニットが配置され、濃縮水と透過水に分離するための半透膜分離装置であって、半透膜ユニットは、一つの筒状圧力容器に半透膜エレメントが複数直列に収納され、片方の端部から供給水が供給され、前段に位置する半透膜エレメントから得られる非透過水を次段に位置する半透膜エレメントに供給する構造のモジュールからなるとともに、前段の半透膜エレメントから得られる透過水と残りの後段から得られる透過水が分割されるように前段から得られる透過水の一部を一方の端部から取り出すための第1の透過水ラインと残り後段の透過水を他方の端部から取り出すための第2の透過水ラインを備え、かつ、第1の透過水ラインがエネルギー回収ユニットに接続され、背圧エネルギーを利用して供給水の一部を圧力交換式エネルギー回収ユニットおよびターボチャージャーの少なくともひとつで昇圧するようになっている。

Description

本発明は、海水や、塩分を含む河川水、地下水、湖水、廃水処理水などの原水を用いて、半透膜ユニットで効率的、かつ、安価に淡水を得るための造水方法に関するものである。更に詳しくは、一つの圧力容器の中に複数の半透膜エレメントを装填し、その中で異なる条件を設定できる構造を持たせた半透膜ユニットを高効率のエネルギー回収ユニットと組み合わせることによって、低コストに淡水を製造する半透膜分離装置およびその運転方法に関するものである。
近年、水資源の枯渇が深刻になりつつあり、これまで利用されてこなかった水資源の活用が検討され、とくに、もっとも身近でそのままでは利用できなかった海水から飲料水を製造する技術、いわゆる“海水淡水化”、さらには、下廃水の再利用が注目されてきている。海水淡水化は、従来、水資源が極端に少なく、かつ、石油による熱資源が非常に豊富である中東地域で蒸発法を中心に実用化されてきているが、熱源が豊富でない中東以外の地域ではエネルギー効率の高い逆浸透法が採用され、最近では、逆浸透法の技術進歩による信頼性の向上やコストダウンが進み、中東を含む多くの地域において、逆浸透法海水淡水化プラントが建設され、世界的な展開を見せつつある。
海水淡水化に適用される逆浸透法は、塩分などの溶質を含んだ水を浸透圧以上の圧力をもって半透膜を透過させることで、脱塩された水を製造するものでできる。この技術は例えば海水、かん水、有害物を含んだ水から飲料水を得ることも可能であるし、また、工業用超純水の製造、排水処理、有価物の回収などにも用いられてきた。半透膜で溶液を分離する場合は、溶液の溶質濃度によって定まる溶液自身の持つ化学ポテンシャル(これを浸透圧で表わすことができる)以上の圧力で溶液を半透膜面に供給する必要がある。たとえば海水を半透膜ユニットで分離する場合は、最低3.0MPa程度以上、実用性を考慮すると少なくとも5.0MPa程度以上の圧力が必要となり、これ以上の圧力に加圧されないと充分な逆浸透分離性能は発現されない。
半透膜による海水淡水化の場合を例にとると、通常の海水淡水化技術では海水から淡水を回収する割合(回収率)は通常40%程度であり、海水供給量に対して40%相当量の真淡水が膜を透過して得られる結果、半透膜ユニットの中で海水濃度が3.5%から6%程度にまで濃縮されることになる。このように海水から回収率40%で淡水を得るという逆浸透分離操作を行うためには、濃縮水の濃度に対応する浸透圧(海水濃縮水濃度6%に対しては約4.5MPa)以上の圧力が必要である。
実際には、半透膜を淡水が透過する際に生じる膜面塩濃度上昇(いわゆる濃度分極現象)するため、さらに高い圧力が必要とされる。この点も考え併せると、淡水の水質がいわゆる飲料水レベルに対応でき、かつ充分な水量を得るためには、実際には、濃縮水濃度に対応する浸透圧よりも約2.0MPa(この圧力を有効圧力と呼ぶ)程度高めの圧力を半透膜に加えることが必要であり、海水淡水化用半透膜ユニットは6.0から6.5MPa程度の圧力をかけて回収率40%という条件になるのが一般的である。海水供給量に対する淡水の回収率は、直接コストに寄与するものであり、高いほど、前処理がコンパクトになるため、設備コストとしては低減方向に行く。回収率を上げると、半透膜に非常に高い圧力をかける必要があるためエネルギーコストが大きくなりやすいという問題点も併せ持っているので注意が必要である。
半透膜エレメントは、通常複数本の半透膜のエレメントを1本の圧力容器(エレメントを装填するための耐圧容器)に直列に装填した状態(これをモジュールと称す)で使用され、実際のプラントではこのモジュールを多数本並列に設置したユニットとして使用される。海水淡水化の収率というのは、プラント全体に供給される全供給海水に対する全透過水量の割合であり、通常の条件では、モジュールが並列に設置されているので、モジュール1本あたりの供給量とモジュール1本から得られる透過水量の割合(モジュール内の各エレメントからの透過水量の合計)と一致する。ここで、モジュール内部の各エレメントから得られる透過水は、例えば1ユニットが1モジュールであって、1モジュールが半透膜エレメント6本から構成される。例えば、1モジュールに198m3/日の海水を供給し、合計78m3 /日の淡水が得られる場合(収率40%)は、実際に起こっている現象をシミュレーションしてみると、1本目のエレメントで18〜19m3 /日、2本目のエレメントで15〜17m3 /日、3本目からも徐々に減っていき、合計して78m3 /日の透過水となる。このように、各エレメントからの透過水収率は小さいがモジュール全体の透過水の総量としては、供給水に対して40%と大きな収率が達成されることになる。
一方、半透膜分離装置の運転条件設定について考慮する必要のある事項としては、ファウリング(膜面汚れ)の防止と濃度分極の防止がある。膜のファウリングは、具体的には1本の半透膜エレメントから得られる透過水量をある値(耐ファウリング許容Flux)以上にしない、また供給側の流量をある範囲内(許容クロスフロー流速)にするということによって防止もしくは低減することができる。耐ファウリング許容Fluxを越えて透過水を採取すると、供給水中の濁質などが膜面に多く運ばれ、また、押しつけられることになる。クロスフロー流速は、膜表面に堆積しつつある濁質などを剪断力によって書き取り押し流す効果を有するため、許容範囲を下回ると、半透膜エレメントの膜面汚れが加速されることになり好ましくない。クロスフロー流速に関しては、大きすぎると、供給水流路の流動圧損が大きくなったり、ウォーターハンマー効果によってエレメントにダメージを与えやすくなるため、通常上限値も定められている。
この耐ファウリング許容Fluxは膜素材やエレメント構造、また原水性状によっても異なるが、通常、高性能の半透膜の場合では、0.7m3 /m2 ・日程度である。より具体的には、この規格の東レ製逆浸透膜8インチエレメント(直径20cm×長さ1m)を用い、前処理した表層海水から淡水を得る場合、エレメントのFluxを最大28L/m2/時(膜面積40m2のエレメント1本あたりの造水量26.9m/日)以下、さらに、クロスフロー流速は3.6m3/時(86m3/日)以上13m3/時(312m3/日)以下と規定されている。これは、すなわち、同位置の圧力容器内部の先頭エレメントへの供給量を312m3/時以下、造水量を26.9m3/日以下、透過によって流量が減少した最後尾の供給水(濃縮水)の流量を86m3/日以上にする必要があるということである。なお、すべての条件を限界付近で使うことは好ましいことではないが、海水淡水化の場合には、先頭エレメントから最後尾に行くにつれて、供給海水が濃縮され、最後尾エレメントの造水量は、先頭エレメントの造水量の数分の一になるため、Fluxは可能な限り高める必要がある。すなわち、先頭エレメントの造水量が26.9m3/日以下という条件の場合、それに近いところで設計される。さもないと、膜面積が多く必要となり、経済的に不利になる。
しかし、Fluxとクロスフローすべてを制限近くで運転すると、供給水濃度、温度などの条件や膜性能変化、供給水流路閉塞などが生じた場合、ファウリング危険領域に陥る危険性があるため、クロスフロー流量については、上限下限流量を適用して設計することは好ましくない。すなわち、回収率50%以上のような場合には、通常、圧力容器を1本ないし複数並列にした1段構成ではなく、非特許文献1に示されるように、複数並列にした1段目の濃縮水を集めて、1段目よりも圧力容器の数を少なくした2段目の圧力容器に供給することで、クロスフロー流量の変動を抑える方法をとることが好ましい。具体的には、1段目と2段目を合わせた全体の回収率を60%としたい場合は、例えば、ユニット構成として、1段目のモジュール数を2本、回収率を40%、2段目のモジュール数を1本、回収率を33%とし、1段目に400m3/日の海水を供給すれば、1段目の圧力容器には200m3/日(上限312m3/日)を供給、濃縮水120m3/日(下限86m3/日)排出し、2本の濃縮水を合わせて、240m3/日(上限312m3/日)にして、2段目に送り、2段目濃縮水が160m3/日(下限86m3/日)となるようにすれば、クロスフロー流量について余裕を持たせることができる。
しかし、回収率を上げることは、濃縮水の濃度が上昇につながるため、1回で供給水の圧力を上げる場合は、はじめに非常に高い圧力をかけなければならない。すなわち、膜面積が同じで、半透膜エレメント6本を直列にしたモジュールに、198m3/日を供給し、40%回収するために6.0MPaを要する場合、先頭エレメントの造水量は、18〜19m3/日となるが、回収率60%にしようとすると、8.0MPa必要となり、先頭エレメントの造水量は、28m3/日以上となり、上限値を超えてしまう。この結果、エレメントに濃度分極およびファウリングという現象が生じてエレメントの目つまりや寿命低下が生じ、長期にわたる半透膜装置の安定運転を行うことが非常にむずかしくなる。
回収率60%の海水淡水化では、モジュールの入口から出口にかけては、物質収支的に海水濃度は3.5%から8.8%にまで、浸透圧は2.6MPaから7.0MPaにまで変化し、淡水を透過させるのに必要な有効圧力(操作圧力と浸透圧の差)は5.4MPaから1.0MPaまでと大きく変化している。すなわち、モジュール内部の1番目と最後段エレメントとの透過水量の比率はこの有効圧比率の54:10と同程度となる。すなわち、一本目のエレメントの透過水量が激増し、耐ファウリング許容値を越え、ファウリングが非常に生じ易くなるという問題があった。とくに逆浸透膜は水温が高いほど透水性が大きくなり、結果、先頭エレメントの造水量が大きくなるため、高温における先頭エレメントの造水量問題は顕著、かつ、非常に深刻である。
なお、上記内容は、簡単のためにスパイラル型半透膜エレメントを例にとり説明しているが、中空糸膜型モジュールの場合でも内部では同様の現象と同様の問題が生ずる。
これを解決するための方法、すなわち、先頭の半透膜エレメントの透過水量を抑える方法として、図1に例示するように、半透膜モジュールを二段にしてユニットを構成し、浸透圧の小さな一段目の半透膜エレメントにかかる操作圧力を小さくし、後段で昇圧して浸透圧の高い二段目の透過水量を確保する、いわゆる濃縮水昇圧二段法(非特許文献2、特許文献1)を適用することが出来る。
図1では、原水1が原水槽2を介して、原水供給ポンプ3によって前処理ユニット4で処理した後、中間水槽5に貯留された前処理水が、保安フィルター6を通った後、昇圧ポンプ7で第1の半透膜ユニット8aに送られ、第1の透過水ライン11から透過水が得られる。第1の半透膜ユニット8aの第1の濃縮水14aは、昇圧ポンプもしくはターボチャージャー19(図1には、ターボチャージャー19を表示)によって昇圧され、第2の半透膜ユニット8bにて第2の透過水ライン12から透過水を得ることが出来る。第2の濃縮水14bは、残っている圧力エネルギーをターボチャージャー19で回収された後に、濃縮排水ライン14から排出される。
さらに、昇圧二段法と同様の効果を実現する方法としては、昇圧ポンプやターボチャージャーを第1の半透膜ユニット8aと第2の半透膜ユニット8bの間に備えずに、第1の半透膜ユニット8aの透過側にバルブやエネルギー回収ユニット10aを用いて背圧をかけることによって、同様の効果を得る特許文献2に示すような方法が挙げられる。さらに、2つの半透膜ユニットを直列することなしに、例えば、特許文献3で提案され、図3に例示されるように、1つの半透膜ユニット8の内部で透過側を前段と後段に分割し、前段の透過水ライン11aをバルブ18で背圧をかけ、半透膜ユニット8の前段と後段で操作圧力を変えることによって、同様の効果を得ることが出来る。ここに適用される半透膜ユニット8を構成する半透膜モジュールの一例の断面図を図11に示す。さらに、図4に例示されるように、同様の方法でバルブ18の代わりにエネルギー回収ユニット10aを適用する方法が、特許文献4で提案されている。
日本国特開平08−108048号公報 日本国特許04187316号公報 日本国特開2001−137672号公報 日本国特開2010−179264号公報
酒井清孝監、膜分離プロセスの理論と設計、第1章5.4、P18(1993) 山村弘之、他、「省エネ低コスト型逆浸透膜法海水淡水化技術の開発」膜、23(5)、p245−250(1998)
本発明は、高濃度溶液から高い回収率で、少ないエネルギーで、より安価に、高効率に低濃度溶液をより安定に得ることができる装置および分離方法を提供する。特に、中東などの高濃度海水において回収率を高くすることが困難で、かつ、先頭と最後のフラックスも大きく変化するような場合においても、少ないエネルギーで淡水を効率的に、かつファウリングを抑制し、安定的に得るための半透膜分離装置およびその運転方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は次の構成をとる。
(1)海水または塩分濃度1重量%以上の高濃度かん水を原水として、原水もしくはその前処理水を供給水として、加圧供給する昇圧ポンプの下流に半透膜ユニットが配置され、濃縮水と透過水に分離するための半透膜分離装置であって、前記半透膜ユニットは、一つの筒状圧力容器に半透膜エレメントが複数直列に収納され、片方の端部から供給水が供給され、前段に位置する半透膜エレメントから得られる非透過水を次段に位置する半透膜エレメントに供給する構造のモジュールからなるとともに、前段の半透膜エレメントから得られる透過水と残りの後段から得られる透過水が分割されるように前段から得られる透過水の一部を一方の端部から取り出すための第1の透過水ラインと前記残り後段の透過水を他方の端部から取り出すための第2の透過水ラインを備え、かつ、前記第1の透過水ラインがエネルギー回収ユニットに接続され、背圧エネルギーを利用して供給水の一部を圧力交換式エネルギー回収ユニットおよびターボチャージャーの少なくともひとつで昇圧するようになっている半透膜分離装置。
(2)第1の透過水にかける背圧から取り出される背圧エネルギーを利用して前記圧力交換式エネルギー回収ユニットによって供給水のうち少なくとも一部を第1の透過水と実質的に等量昇圧し、その後前記昇圧ポンプで必要圧力まで昇圧するとともに背圧エネルギーを利用しない残りの供給水をもう1台の昇圧ポンプで必要圧力まで昇圧してから混合し、前記半透膜ユニットに供給するようになっている(1)に記載の半透膜分離装置。
(3)第1の透過水の背圧エネルギーを利用しない供給水のうち、濃縮水量と実質的に等量の昇圧を、濃縮水の圧力エネルギーによって行う(1)または(2)に記載の半透膜分離装置。
(4)第1の透過水にかける背圧から取り出される背圧エネルギーを利用して前記ターボチャージャーによって供給水の一部を昇圧し、その前か後で必要圧力まで前記昇圧ポンプで昇圧するとともに、背圧エネルギーを利用しない残りの供給水を他の昇圧手段によって行う(1)に記載の半透膜分離装置。
(5)第1の透過水の背圧エネルギーを利用しない供給水の少なくとも一部の昇圧を濃縮水の圧力エネルギーによって行う(4)に記載の半透膜分離装置。
(6)背圧エネルギーを利用しない供給水の少なくとも一部の昇圧を前記ターボチャージャーによって行うとともに、必要に応じて残りの供給水を他の昇圧手段で行う(3)または(5)に記載の半透膜分離装置。
(7)背圧エネルギーを利用しない供給水少なくとも一部の昇圧を前記圧力交換式エネルギー回収ユニットと昇圧ポンプによって行うとともに、必要に応じて残りの供給水を他の昇圧手段で行う(3)または(5)に記載の半透膜分離装置。
(8)原水濃度が4重量%以上の海水または、高濃度かん水であって、前記半透膜ユニットへの供給水量に対する透過水の回収率が30%以上50%以下である(1)〜(7)のいずれか1つに記載の半透膜分離装置。
(9)前段の半透膜エレメントの透水性能が後段の半透膜エレメントの透水性能よりも大きい(1)〜(8)のいずれか1つに記載の半透膜分離装置。
(10)前段の半透膜エレメントの阻止性能が後段の半透膜エレメントの阻止性能よりも小さい(1)〜(9)のいずれか1つに記載の半透膜分離装置。
(11)前段の半透膜エレメントのうち最上流から1ないし複数の半透膜エレメントが前段の他の半透膜エレメントよりも透水性が小さい(9)に記載の半透膜分離装置。
(12)後段の半透膜エレメントのうち最下流から1ないし複数の半透膜エレメントが後段の他の半透膜エレメントよりも阻止性能が大きい(10)に記載の半透膜分離装置。
(13)前記半透膜ユニットへの供給水の供給方向を逆向きに出来る流路構造となっている(1)〜(12)のいずれか1つに記載の半透膜分離装置。
(14)半透膜エレメントが、シート上の半透膜が巻回されてなる膜巻体が外装体で覆われ、膜巻体および外装体の少なくとも片端に、テレスコープ防止板が設けられ、少なくとも、1つのテレスコープ防止板の外周に原水シール部材が設けられてなるスパイラル型膜エレメントであり、前記原水シール部材が、半透膜エレメントを筒状圧力容器内で実質的に両方向に移動可能せしめる構造である(13)に記載の半透膜分離装置。
(15)(13)または(14)に記載の半透膜分離装置を運転する半透膜分離装置の運転方法において、水温と原水濃度の少なくとも一方の値が、予め定められた値を超えた場合に、前記半透膜ユニットの供給水の供給方向を逆向きにする半透膜分離装置の運転方法。
(16)海水または塩分濃度1重量%以上の高濃度かん水を原水として、原水もしくはその前処理水を供給水として、加圧供給する昇圧ポンプの下流に少なくとも二つの半透膜モジュールの供給水側が直列に接続配置され、前段の半透膜モジュールから得られる非透過水を次段に位置する半透膜モジュールに供給する構造のユニットによって、濃縮水と透過水に分離するための半透膜分離装置であって、前記半透膜モジュールのうち、少なくとも最後尾の半透膜モジュールを除く少なくとも一つの半透膜モジュールから得られる透過水の出口がエネルギー回収ユニットに接続され、背圧エネルギーを利用して供給水の一部を圧力交換式エネルギー回収ユニットおよびターボチャージャーの少なくともひとつで昇圧するようになっている半透膜分離装置。
本発明によって、海水淡水化、特に中東のような高濃度の海水において、逆浸透膜のファウリングを防止しつつ、安定的に淡水を得ることが可能となる。
中間昇圧がある二段法を適用した従来の半透膜分離装置のフロー図の例である。 1段目の透過側に背圧をかけた中間昇圧がない二段法を適用した従来の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水にバルブで背圧をかけた構成とした従来の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水にエネルギー回収ユニットを備えた従来の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用してターボチャージャーで供給水の一部を予備昇圧するとともに、昇圧ポンプで残りの供給水を昇圧した後、合流後に再度昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用してターボチャージャーで供給水の一部を昇圧するとともに、昇圧ポンプで残りの供給水を昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用してターボチャージャーで昇圧ポンプで予備昇圧された供給水の一部を再度昇圧するとともに、残りの供給水を他の昇圧ポンプで再度昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の他の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、他の昇圧ポンプで残りの供給水を昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットにつづいて供給水の他の一部を昇圧し、残りの供給水を昇圧ポンプで昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用してターボチャージャーにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットにつづいて昇圧ポンプで供給水の他の一部を昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明を構成するスパイラル型半透膜エレメントの実施形態の一例を示す部分破断斜視図である。 本発明に係る複数のスパイラル型半透膜エレメントを筒状圧力容器に装填した分離膜モジュールの一例を示す断面図である。 本発明に係る、半透膜モジュールの供給水と透過水の流れ方向を逆転可能なフロー図の一例である。 本発明に係る、三方弁を用いて半透膜モジュールの供給水と透過水の流れ方向を逆転可能なフロー図の一例である。 テレスコープ防止板にO−リングシールが装着された分離膜エレメントが圧力容器内に装填された状態において、O−リングシール装着部分近傍を拡大して模式的に示す部分拡大断面図である。 テレスコープ防止板にU−カップシールが装着された分離膜エレメントが圧力容器内に装填された状態において、U−カップシール装着部分近傍を拡大して模式的に示す部分拡大断面図である。 スプリットリング状のシール部材の一例を模式的に示す平面図(図17(a))、(a)のb−bでの断面図(図17(b))である。 スプリットリング状のシール部材のスプリット部が斜めになっている一例を模式的に示す平面図(図18(a))、(a)のb−bでの断面図(図18(b))である。 スプリットリング状のシール部材のスプリット部が段階的になっている一例を模式的に示す平面図(図19(a))、(a)のb−bでの断面図(図19(b))である。 (a)、(b)、(c)はスプリットリング状のシール部材のスプリット部の形状を示す例である。 本発明に係る、モジュール2段構成とし、前段の透過水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットで供給水の一部を昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、モジュール2段構成とし、前段の透過水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットで供給水の他の一部を昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用してターボチャージャーに続いて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、他の昇圧ポンプで残りの供給水を昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用して昇圧ポンプに続いてターボチャージャーで供給水の一部を昇圧するとともに、他の昇圧ポンプで残りの供給水を昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水の圧力エネルギーを利用した他の昇圧ポンプで残りの供給水を昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用してターボチャージャーにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水の圧力エネルギーを利用した他の昇圧ポンプで残りの供給水を昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用してターボチャージャーにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水の圧力エネルギーを利用した他の昇圧ポンプで残りの供給水の一部を昇圧し、残り全ての供給水を他の昇圧ポンプで昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水の圧力エネルギーを利用した他の昇圧ポンプで残りの供給水の一部を昇圧し、残り全ての供給水を他の昇圧ポンプで昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用してターボチャージャーにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水の圧力エネルギーを利用してターボチャージャーにつづいて他の昇圧ポンプで残りの供給水の一部を昇圧し、残りの供給水を他の昇圧ポンプで昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水の圧力エネルギーを利用してターボチャージャーにつづいて他の昇圧ポンプで残りの供給水の一部を昇圧し、残りの供給水を他の昇圧ポンプで昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。 本発明に係る、圧力容器の中で複数の半透膜エレメントの透過水を前後に分割し、前段の透過水圧力エネルギーを利用してターボチャージャーにつづいて昇圧ポンプで供給水の一部を昇圧するとともに、濃縮水の圧力エネルギーを利用して圧力交換式エネルギー回収ユニットにつづいて他の昇圧ポンプで残りの供給水の一部を昇圧し、残り全ての供給水を他の昇圧ポンプで昇圧する構成の半透膜分離装置のフロー図の一例である。
以下、本発明の望ましい実施の形態を、図面を用いて説明する。ただし、本発明の範囲がこれらに限られるものではない。
本発明の造水方法に係る水処理装置を適用可能な半透膜装置の例を図6に示す。図6に示す半透膜分離装置は、原水1が、原水槽2に一旦貯留された後、原水供給ポンプ3で前処理ユニット4に送液され、前処理される。前処理水は、中間水槽5、前処理水供給ポンプ17、保安フィルター6を経て、一部が昇圧ポンプ7で昇圧され、残りがターボチャージャー19で昇圧された後、半透膜モジュールからなる半透膜ユニット8で透過水と濃縮水に分離させる。さらに、透過水は、封止部9によって前段の透過水と後段の透過水に分離され、前段の透過水は、前段の第1の透過水ライン11と透過水のエネルギー回収ユニット10aを通って、透過水槽13に送られる。透過水後段の透過水は、後段の第2の透過水ライン12を通って透過水槽13に送られる。濃縮水は、必要に応じてエネルギー回収ユニット10bで圧力エネルギーを回収された後、濃縮排水ライン14から排出される。さらに、図23、図24に示すように、ターボチャージャー19による昇圧不十分である場合を考慮して、分岐した昇圧ラインにおける昇圧ポンプ7aと別に、ターボチャージャー19の前もしくは後ろに、昇圧ポンプ7bを設けることも好ましい。また、図5、7に例示するように、前処理水の分岐前後の共通ラインに昇圧ポンプ7bを追加し、昇圧を補助することも好ましいし、前処理水供給ポンプ17の昇圧を大きくすることも可能である。ただし、前処理水供給ポンプ17の昇圧を大きくする場合は、保安フィルター6の耐圧性をあげる必要がある場合があるので注意が必要である。ここで、ターボチャージャー19の代わりに、エネルギー回収効率が非常に高いとして、近年適用が積極的に推進されている圧力交換式エネルギー回収ユニット15を用いることも好ましい。圧力交換式エネルギー回収ユニット15を適用する場合は、その特性上、第1の透過水ユニットの透過水流量と圧力交換式エネルギー回収ユニット15で昇圧できる供給水流量を実質的に同じにしなければならないため、ターボチャージャーの場合と水量や昇圧のバランスを適宜適正に設計する必要がある。図23のターボチャージャー19を圧力交換式エネルギー回収ユニット15に置き換えた図を、図8に示すが、図5、図7、図24も同様に置換できる。これらは、設計や昇圧ポンプやエネルギー回収ユニットの耐圧仕様などに応じて適宜選択、適用することができる。尚、エネルギー回収ユニット10、10a、10bは、包括的な装置名称であり、圧力交換式エネルギー回収ユニット、ターボチャージャー、ペルトン水車、逆転ポンプなどを含み得るが特に限定はされない。
本発明を適用する原水、用途は、特に限定されるものではなく、河川水や地下水の除濁、脱塩、また、海水やかん水の淡水化など、いろんな目的に適用可能であるが、半透膜ユニットの中での濃度変化が大きく、先頭エレメントのフラックスが大きいためにファウリングリスクが高い、また、エネルギー消費が特に大きな問題となり、さらに、エネルギー回収のために高価なエネルギー回収ユニットが必要となる海水淡水化に適している。具体的には、塩分濃度が1重量%以上の高濃度かん水もしくは海水を原水とすると、本発明に適している。特に、3重量%以上の海水淡水化の場合、分離膜ユニットに供給される被処理水の圧力が40bar以上、すなわち、濃縮水の圧力も35bar以上あることが好ましい。高圧の限界については、特に制限はないが、運転圧力が80barを超えると、半透膜エレメントや圧力容器などに特殊な仕様が必要となること、また高圧での運転は、エネルギーコストが高くなるため、80bar以下、より好ましくは、70bar以下に設計すること、この条件で運転可能な半透膜および回収率などの運転条件設定をすることが好ましい。
一方、被処理水濃度が1重量%未満のかん水の淡水化の場合も効果は小さいものの本発明の考え方を適用することは可能である。
本発明を適用可能な前処理ユニット4としては、cm〜mm単位のスクリーン、サブミリ〜マイクロメートルレベルの高精度の固液分離が可能な砂ろ過、繊維フィルター、不織布フィルター、砂ろ過、さらに精度が高い、精密ろ過膜、限外ろ過膜などを原水水質に応じて用いることができるし、沈降分離、浮上分離など、種々の前処理プロセスを挙げることが出来る。またその適用に、凝集剤、吸着剤、殺菌剤、pH調整などの薬剤併用も差し支えない。原水中に有機物が非常に多い場合は、生物処理やラグーンなどで有機物をあらかじめ分解しておくことも好ましい実施態様である。
昇圧ポンプ7は、半透膜ユニット8において、被処理水から処理水を分離することができるだけの圧力を付加できるものであれば特に限定されず、市販のポンプを用いることができる。例えば、プランジャー式、渦巻き式、マグネット式など必要とする出力、特性に応じ適宜選択し、用いることができる。
本発明を適用する半透膜モジュールは、一つの筒状圧力容器に半透膜エレメントが複数直列に収納され、片方の端部から供給水が供給され、前段に位置する半透膜エレメントから得られる非透過水を次段に位置する半透膜エレメントに供給する構造になっている。本発明に適用される半透膜エレメントは特に限定されるものではないが、図11に部分破断面斜視図として例示されるような、膜面を流れる流量が均一であるスパイラル型分離膜エレメントが好適である。
この分離膜エレメントは、被処理流体(被処理水)27が一端面より供給され、供給側流路部材24に沿って流動しながら成分の一部(例えば、海水淡水化の場合は水)が分離膜22を透過することにより、透過流体と濃縮流体とに分離される。その後、分離膜を透過した成分(透過水)は、透過側流路部材23に沿って流動して、中心管25内へとその側面の孔から流入し、中心管25内を流動し、透過流体(透過水)28として取り出される。一方、非透過成分(海水淡水化の場合は塩分)を高濃度に含有する処理水は、分離膜エレメントの他端面より濃縮流体29(濃縮水)として排出される。
本発明を適用可能なスパイラル型膜エレメントに用いられる分離膜22は平膜状の分離膜である。供給側流路部材24には、ネット状材料、メッシュ状材料、溝付シート、波形シート等が使用できる。透過側流路部材23には、ネット状材料、メッシュ状材料、溝付シート、波形シート等が使用できる。いずれも、分離膜と独立したネットやシートでも構わないし、接着や融着するなどして一体化したものでも差し支えない。
テレスコープ防止板26は、分離膜巻回体が通過する流体の圧力により筒状に変形すること(テレスコープ現象)を防止するために設置された、空隙を有する板状物であり、外周側にはシール材を装填するための周回溝を有していることが好ましい。テレスコープ防止板26は変形防止の機能を有すれば、その材質は特に制約はない。ただし、用途に応じて、耐薬品性や耐熱性など必要になる場合は、要求仕様に応じて適宜選択することが可能である。一般には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、耐熱性樹脂などの樹脂材が好適である。また、このテレスコープ防止板26は、原水の流れをなるべく妨げずに強度を維持する目的から、外周環状部と内周環状部と放射状スポーク部とを有するスポーク型構造であることが好ましい。
中心管25は、管の側面に複数の孔を有するものであり、中心管25の材質は、樹脂、金属など何れでもよいが、コスト、耐久性を鑑みて、ノリル樹脂、ABS樹脂等のプラスチックが通常使用されることが一般的である。分離膜22の端部を封止するための手段としては、接着法が好適に用いられる。接着剤としては、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ホットメルト接着剤等、公知の何れの接着剤も使用することができる。また、スパイラル型分離膜エレメントは、分離膜巻回体の外周部が外装材により拘束されて拡径しない構造になっていることも好ましい。外装材は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどからなるシートや、硬化性樹脂を塗ったガラス繊維などからなるもので、分離膜巻回体の外周表面に、かかるシートや繊維を巻回して分離膜エレメントが拡径しないように拘束する。
本発明では、図11に例示したスパイラル型膜エレメントを、図12に示すように、筒状圧力容器に一つもしくは複数装填して、半透膜モジュール(分離膜モジュール)37を構成する。図12では、複数の半透膜エレメント(分離膜エレメント)32(32a,32b,32c,32d,32e,32f)を、筒状圧力容器39内に装填することにより、半透膜モジュール37を構成する。半透膜エレメント32を構成する少なくとも片端に設けられたテレスコープ防止板の少なくとも1つの外周と筒状圧力容器39の内周面の間に、被処理水シール部材38(38a1,3a2,38b1〜38e2,38f1,38f2)が配置される。被処理水は、被処理流体(被処理水)供給口31から供給することもできるが、逆の濃縮流体(濃縮水)排出口33から供給することも可能である。ただし、逆から流す場合は、シール部材38の配置方法も必要に応じて逆にする必要がある。被処理水が被処理流体供給口31(被処理水の流れ方向を逆向きにするときは濃縮流体排出口33)から供給される場合は、第1の半透膜エレメント(第1の分離膜エレメント)32aの端部に供給される。第1の分離膜エレメントで処理された濃縮水(濃縮流体)は、第1の半透膜エレメント(第2の分離膜エレメント)32bに供給されその後、順次32c,32d,32e,32fに供給、処理された後、最終的に濃縮流体排出口33(被処理水の流れ方向を逆向きにするときは被処理流体供給口31)から排出される。それぞれの半透膜エレメント32a〜32fの中心パイプは、それぞれコネクター34で連接されるとともに、一箇所が封止部9によって、分割され、端板35a,35bに設けられた透過流体(透過水)取出口36a,36bに接続されており、それぞれの分離膜エレメントで得られた透過流体(透過水)が第1の透過水ライン11と第2の透過水ライン12に分割されて系外に取り出される。
なお、図12では、それぞれの分離膜エレメント39a〜39fの両側にU−カップシール(シール部材)45が備えられているが、片側のみ(すなわち、38a1,38b1,38c1〜38f1もしくは38a2,38b2,38c2〜38f2)とすることも可能である。両方備えた方がシール性は向上するが、装填、取り出し時に困難度が増すこと、また、隣接するシール部材間(例えば、38a1と38a2の間)にデッドスペースを生じやすくなるため、例えば、ジュースの濃縮など濃縮水が汚染されると問題となる場合は、好ましくない。
本発明においては、図6に示すように、第1の透過水ライン11がターボチャージャー19や圧力交換式エネルギー回収ユニット15に接続され、透過水に背圧をかけることによって、さらに、ターボチャージャー19や圧力交換式エネルギー回収ユニット15が供給水の昇圧に直接利用されることによって、背圧エネルギーを供給水の昇圧に効率的に活用することを可能せしめることができる。
さらに、図26および図25に例示するように、半透膜ユニット8の濃縮水が有する圧力エネルギーをエネルギー回収ユニット10で回収し、昇圧ポンプ7aの動力として活用すると、淡水化の所要エネルギーを低減することができるため非常に好ましい。とくに、また、図26におけるターボチャージャー19の特性によっては、また、図25に示すようにターボチャージャー19の代わりに圧力交換式エネルギー回収ユニット15を用いる場合において、流量バランスや昇圧効率を最適化するにあたっては、図27図28に例示するように前処理水を3つに分岐し、それぞれを透過水の背圧利用エネルギーによる昇圧、濃縮水の圧力エネルギーによる昇圧、昇圧ポンプによる昇圧を行うことも好ましい。とくに、図28のように、背圧エネルギーを圧力交換式エネルギー回収ユニットによって回収利用する場合、分岐流量は透過水ライン11の流量と基本的に同じでなければならない。
さらに、濃縮水のエネルギー回収ユニット10の特性を最適に維持するためには、その流量も設計範囲内に維持することが好ましく、その場合、残りの供給水を昇圧ポンプ7cで昇圧すると非常に効率的である。この場合、昇圧ポンプ7cは運転条件によってフレキシブルに性能効率を維持できるようにインバーターを装備しておくことも好ましい。このような使い方としては、図29に例示するように、透過水の圧力エネルギーと濃縮水の圧力エネルギーをともにターボチャージャー19a、19bで回収する場合、また、図30に提示するように、透過水の圧力エネルギーを圧力交換式エネルギー回収ユニット15、濃縮水の圧力エネルギーをターボチャージャー19で回収する場合、さらに、図10に示すように、濃縮水と実質的に等量の供給水の昇圧を、濃縮水の圧力エネルギーを圧力交換式エネルギー回収ユニットによって行い、残りの供給水全ての昇圧をターボチャージャー19と必要に応じて昇圧ポンプ7bによって行うことも非常に好ましい構成である。図10に示す半透膜分離装置は、原水1が、原水槽2に一旦貯留された後、原水供給ポンプ3で前処理ユニット4に送液され、前処理される。前処理水は、中間水槽5、保安フィルター6を経た前処理水のうち、濃縮水と実質的に等量を圧力交換式エネルギー回収ユニット15bに送り、濃縮水の圧力エネルギーを回収し、昇圧ポンプ7aで半透膜ユニット8に必要な圧力を獲得する。残りの前処理水は、ターボチャージャー19によって昇圧された後、圧力が不十分な場合は、昇圧ポンプ7bで昇圧し、圧力交換式エネルギー回収ユニット15で昇圧された供給水と混合された後、半透膜ユニット8に供給される。なお、圧力交換式エネルギー回収ユニット15と昇圧ポンプ7a、また、ターボチャージャー19と昇圧ポンプ7bの順序は逆でも本発明の達成は可能であるが、後段の耐圧要求が高くなるため、コストに応じて適宜選択することができる。半透膜ユニット8では、供給水を透過水と濃縮水に分離させる。透過水は、封止部9によって前段の透過水と後段の透過水に分離され、前段の透過水は、前段の第1の透過水ライン11と透過水のターボチャージャー19を通って、透過水槽13に送られる。透過水後段の透過水は、後段の第2の透過水ライン12を通って透過水槽13に送られる。濃縮水は、圧力交換式エネルギー回収ユニット15bで圧力エネルギーを回収された後、濃縮排水ライン14から排出される。
また、図9に例示するように、透過水の圧力エネルギーと濃縮水の圧力エネルギーをともに圧力交換式エネルギー回収ユニット15a、15bによって、供給水の昇圧に適用することも非常に好ましい。ただし、この場合、実質的には、昇圧ポンプ7cで昇圧しなければならない流量は、濃縮水と第1の透過水流量を供給水から差し引いた流量(すなわち、第2の透過水流量とほぼ同じ)となるため、透過水ライン12を流れる流量と実質的に同じ流量を昇圧ポンプ7aで分岐昇圧しなければならないことになる。
もちろん、透過水の圧力エネルギーや濃縮水の圧力エネルギーの回収にターボチャージャーを併用する場合も、必須ではないが、図31に例示するように前処理水を3つに分岐し、昇圧ポンプ7cの流量を調節することで最適なエネルギー回収を実現することが可能であるため、非常に好ましい実施態様である。なお、いずれのエネルギー回収ユニットの場合も単独で昇圧に必要なエネルギーが得られない場合は、補助の昇圧ポンプを直列することも差し支えない。
本発明を適用する原水、用途は、特に限定されるものではなく、河川水や地下水の除濁、脱塩、また、海水やかん水の淡水化など、いろんな目的に適用可能であるが、半透膜ユニットの中での濃度変化が大きく、先頭エレメントのフラックスが大きいためにファウリングリスクが高い、また、エネルギー消費が特に大きな問題となり、さらに、エネルギー回収のために高価なエネルギー回収ユニットが必要となる海水淡水化に適している。具体的には、塩分濃度が1重量%以上の高濃度かん水もしくは海水を原水とすると、本発明に適している。
特に、3重量%以上の海水淡水化の場合、分離膜ユニットに供給される被処理水の圧力が40bar以上、すなわち、濃縮水の圧力も35bar以上あることが好ましい。高圧の限界については、特に制限はないが、運転圧力が80barを超えると、半透膜エレメントや圧力容器などに特殊な仕様が必要となること、また高圧での運転は、エネルギーコストが高くなるため、80bar以下、より好ましくは、70bar以下に設計すること、この条件で運転可能な半透膜および回収率などの運転条件設定をすることが好ましい。
一方、被処理水濃度が1重量%未満のかん水の淡水化の場合も効果は小さいものの本発明の考え方を適用することは可能である。
原水濃度が4重量%以上6重量%未満の海水または、高濃度かん水の場合、半透膜ユニットの供給水量に対する透過水の回収率を30%以上50%以下に設定することが経済的に好ましいが、この条件においては、半透膜ユニットへの供給水流量と濃縮水流量が比較的大きくならないため、本発明のように半透膜モジュールの前段と後段の並列本数が同じになっても半透膜エレメントの流量に関する上下限の範囲内で設計可能となり、非常に好ましい適用条件である。
このような条件は、中東、とくに、アラビア湾の4.5〜5.5重量%の海水に適用すると好ましい。
本発明に適用する半透膜エレメントは、同じエレメントを装填することも可能であるが、前段の半透膜エレメントの透水性能が後段の半透膜エレメントの透水性能よりも大きいと、1段目が低圧で運転できるため、背圧によるエネルギー回収が大きくなり、好ましい。
また、前段の半透膜エレメントの阻止性能が後段の半透膜エレメントの阻止性能よりも小さいと、全体的な水質を向上させることができるため、これも好ましい。
本発明に適用する半透膜ユニット8において、被処理水シール部材(シール部材)としては、半透膜モジュール37の被処理水供給口を符号31と33で入れ替わるようにする場合は、被処理水の流れ方向を逆向きにさせるのに差し支えない構造になっていることが求められる。
一般には、被処理水の供給が一方向であるため、シール部材としてU−カップリングシールもしくはV−カップリングシールが考案され広く使用されている。このU−カップリングシールは、弾性樹脂を用い、U字状の開いた部分が被処理水を供給する側(原水側)に向くように分離膜エレメントのテレスコープ防止板にセットされている。このU−カップシールは、原水側から水が供給された時に、その水圧でU字が開き、U−カップシールと圧力容器との隙間を埋める構造になっている。V−カップリングシールも同様である。図16は、分離膜エレメントが圧力容器内に装填された状態において、U−カップシール45がテレスコープ防止板42の外周部43の周回溝に嵌着され、テレスコープ防止板の外周と圧力容器の内周面との間でシールする状態を示すものであって、U−カップシール装着部分の近傍を拡大して模式的に示す拡大断面図である。
図16において、U−カップシール45は、圧力容器の内壁41との接触面積は比較的小さいが、前述したとおり、被処理水(原水)上流から下流(図16ではに左から右への方向)に流れる水に対してはシール機能が発揮される。また、圧力容器内で分離膜エレメントを移動させる場合は、図16の左から右に摺動させれば、比較的小さな抵抗で移動させることが可能である。しかしながら、分離膜エレメントを右から左に移動させるのは難しい。すなわち、被処理水を両側から供給できるようにしなければならない場合は、U−カップシールやV−カップシールは適していない。
一方、従来技術として、O−リングシールを使用する場合もあり、テレスコープ防止板の外周側の周回溝に嵌着されたO−リングシールが、圧力容器の内壁と接触し、O−リングシールがつぶれて変形することで、分離膜エレメントと圧力容器内との隙間を埋めているため、両側からの被処理水の供給に対して、良好なシール性を発揮することができる。ただし、図15は、分離膜エレメントが圧力容器内に装填された状態において、O−リングシール(シール部材)44がテレスコープ防止板42の外周部43の周回溝に嵌着された、テレスコープ防止板の外周と圧力容器の内周面との間でシールする状態を示すものであって、O−リングシール装着部分の近傍を拡大して模式的に示す部分拡大断面図である。図15において、O−リングシール44は、圧力容器の内壁41と圧接している部分において変形し、圧力容器の内壁41との接触面積が大きくなっている。さらに、O−リングシール44は弾性樹脂で構成されているので圧力容器の内壁41との摺動摩擦が大きいため、圧力容器内の分離膜エレメントの移動が容易でないという欠点を有している。
O−リングシールとU−カップシールの欠点を解決する方法として、例えば、図17(a)および(b)に示すようなスプリットリング状のシール部材(以下、「スプリットリングシール」という)を用いることが好ましい。スプリットリングシール(シール部材)46は、国際公開第2011/046944号に記載されている。スプリットリングシール46は、環状シールが1箇所以上で切断・分割された如き形状を有するものである。例えば、図17(a)のスプリットリングシールの平面図に示すようにスプリット部47が1箇所存在するものが好ましいが、環状シールが2箇所で切断・分割された如き半円弧状スプリットリングシールを2つ用いてもよい。
また、スプリット部のカットの仕方についても特に制約はなく、図18や図19のように斜めや段差をもったような形状などを手寄与することができる。図18や図19のような形状の場合、スプリット面が互いに密着しやすいため、シール性を発揮しやすく好ましい態様である。スプリットリングシールの横断面形状は、特に限定されるものでは無いが、テレスコープ防止板の外周部43の周回溝に収まり、移動しない構造であればよく、例えば、図17(b)の断面図に示すように略四角形でもよいし、略多角形でもよい。また、スプリットリングシールの外周部の長さ(外周長)は、そのスプリットリングシール46のスプリット部47を繋げて環状にした時の外周直径49が、圧力容器の内壁の直径サイズよりも少し大きくなるように設計し、実際に分離膜エレメントのテレスコープ防止板に装着して圧力容器内に装填された時には、そのスプリット部の隙間が縮まり、スプリットリングシールが圧力容器の内壁と密接する構造となるようにする。
また、スプリットリングシールの内周部長さ(内周長)は、そのスプリットリングシール46のスプリット部47を繋げて環状にした時の内周直径48が、テレスコープ防止板の外周部43の周回溝に、隙間無く収まる大きさであれば良い。スプリットリングシール46の大きさは、エレメントの外径や材質等により最適化すればよいが、例えば、シールの径方向幅(即ち、外周直径49と内周直径48との差の半分)が5〜10mm程度、シールの厚み3〜10mm程度を採用することができる。このようなスプリットリングシール46は、図17(b)に示すように断面形状が矩形であるため、摺動面とシール部材が並行もしくは両方向対称に接触することができ、これによって、半透膜モジュール37の両側(被処理流体供給口31,濃縮流体排出口33)から被処理水を供給することが可能となり、しかも、スパイラル型分離膜エレメントを筒状圧力容器内に装填する時も、また、分離膜エレメントを圧力容器から抜き取る時も、容易に分離膜エレメントを圧力容器内で移動させることができるようになるため、両側からの装填や抜き取りができる構造は非常に好ましいものである。
本発明に適用可能なシール部材の特性としては、分離膜エレメントのどちらから被処理水を供給しても十分なシール性を発現することができる。このような特性を有するシール部材の形状としては、前述のスプリットリング状、もしくはシール接触面がとがった、すなわち、断面がたとえば三角形になっているデルタリング状や断面がOではなく凸レンズ状、また、接触面が凹凸を保った波板状が適用可能である。さらに、摺動性の問題はあるもののO−リング状も適用することは可能ではある。O−リングやデルタリングなどの場合、弾性材製シール部材を用いるとシール性が高くなるため好ましいが、摺動性が損なわれやすいため、注意が必要である。摺動性を重視するため、弾性材製シール材で一般に考慮する潰し代(弾性材を用いたO−リングなどで密着性を上げるため、使用時に圧縮変形させる割合)を小さくすることが重要である。具体的には、通常8〜30%とされている潰し代を、10%以下、より好ましくは5%以下にすることによって、圧力容器内での良好な摺動性を保つことが可能となるが、高い精度が必要となることに加え、素材の経時的な劣化による寸法変化を生じやすいため、適用に当たっては、注意が必要である。
スプリットリングシールにおけるスプリット部の形状は、特に限定されるものではないが、一例として、図20に示すように、シール長手方向に直角に切断したシール部材(カット部分の左側が垂直カット部分の近傍のシール部材51、右側が同じく垂直カット部分の近傍のシール部材52)、および、垂直にカットされたスプリット部50を有するスプリットリングシールとする場合(図20(a))、シール長手方向に対し斜めに切断したシール部材(カット部分の左側が斜めカット部分の近傍のシール部材55、右側が同じく斜めカット部分の近傍のシール部材56)、および、斜めにカットされたスプリット部54を有するスプリットリングシールとする場合(図20(b))、シール長手方向に対し階段状に切断したシール部材(カット部分の左側が階段状カット部分の近傍のシール部材58、右側が同じく階段状カット部分の近傍のシール部材59)、および、階段状にカットされたスプリット部57を有するスプリットリングシールとする場合(図20(c))が挙げられる。なお、テレスコープ防止板の円周溝の両側部分53がシール部材の上下に位置する。特に、シール長手方向に対し斜めに切断した場合(図20(b))、シール長手方向に対し階段状に切断した場合(図20(c))のスプリットリングシールを用いた時には、実際に被処理水が圧力容器内を流れる際の圧力でもってスプリットリング端部同士が押し付けられ、スプリットリング端部の隙間がほとんど無い状態となる。この結果、スプリット端部同士の接合部分でもシール効果はほぼ保たれ、被処理水が分離膜エレメントの外側をバイパスする量はかなり少なく、効率的な水処理を行うことができる。
スプリットリングシールを、分離膜エレメントのテレスコープ防止板の外周部に装着した後、そのスプリット部どうしは単に接触するように配置することでもよいし、スプリット部どうしを接合しても良い。その際の接合の方法としては、熱融着接合や接着剤を用いる強固な接合でも良いし、スプリットリングシールのスプリット部の一片と他方とが凹凸嵌合により組み合わさった接合でもよい。スプリット端部同士を凹凸嵌合させて接合することで、取り扱い時の衝撃でスプリットリングシールの脱落を阻止することができる。スプリットリングシールを、テレスコープ防止板の外周に装着するにあたって、1もしくは複数のシール部材を装着してもよい。複数個のシール部材を装着する場合は、スプリット部の位置を相互に異なる位置にすることが好ましく、これにより原水が分離膜エレメントの外側を通り抜ける量をより少なくすることができる。
スプリットリングを構成する素材は、非弾性体、弾性体のいずれでもよく、非弾性材を用いることが好ましい。有機材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレンを始めとする、様々な硬質プラスチック、無機材料としても、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、チタンやそれらの合金を使うこともできれば、セラミック、黒鉛、石綿も用いることができるし、また、FRPなどのように有機無機複合体や以上の素材の複層品を用いることも可能である。弾性材としては、特に制約はなく、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなど、一般に多用されるシール材を用いることができる。なお、これらの素材は、半透膜モジュール37の対象となる被処理水に耐久性があることが好ましい。たとえば、海水を対象にする場合は、鉄合金を用いると腐食しやすく、また、有機溶媒を含む場合は、耐久性が不十分な樹脂を使うと劣化しやすいので注意を要する。従って、本発明の適用にあたっては、被処理水シール部材(図12の38a1〜38f1、38a2〜38f2)については、すべて、図15〜図20に示すシール部材を適用することができる。
このようなスプリットリングシールなどの前後に稼動可能なシール部材を用いることによって、前段の半透膜エレメントのうち最上流から1ないし複数の半透膜エレメントを前段の他の半透膜エレメントと、また、後段の半透膜エレメントのうち最下流から1ないし複数の半透膜エレメントが後段の他の半透膜エレメントと異なるようにすることが可能である。これによって、高フラックスであるためにファウリングしやすい先頭近傍のエレメントやクロスフローが小さいためにファウリング、また高濃縮のためにスケールが発生しやすい最下流エレメントの交換を容易にすることができる。さらに、前段の先頭近傍のエレメントの透水性能を他より小さくしたり、後段の最下流近傍のエレメントの阻止性能を他より大きくすることによって、よりバランスの優れた構成にすることができる。
また、本発明を適用するにおいて、半透膜ユニットへの供給水の供給方向を逆向きに出来る構造とすることも好ましい実施態様である。
具体的な例として、図13のようなバルブ構成をとることも可能である。すなわち、半透膜ユニット8に対し、前処理水の供給を第1の供給水側ラインFa(もしくは第2の供給水側ラインFb)から行い、濃縮水の排出を第2の供給水側ラインFb(もしくは第1の供給水側ラインFa)から行う。このために、例えば、図6における第1の透過水ライン11を第1の透過水側ラインPa、第2の透過水ライン12を第2の透過水側ラインPbに接続する。供給水側ラインFaとFbはバルブ20a〜20dを有し、透過水側ラインPaとPbは、バルブ20e〜20hを有する。
ここで、バルブ20a、20c、20f、20hを閉じ、他を開けば、第1の供給水側ラインFaがF1に連通、第2の供給水側ラインFbがF2に連通、第1の透過水側ラインPaがP1に連通、第2の透過水側ラインPbがP2に連通し、半透膜ユニット8におけるF1から供給水を入れ、濃縮水をF2から取り出し、P1から前段の透過水を、P2から後段の透過水を得ることができる。逆に、バルブ20a、20c、20f、20hを開け、他を閉じれば、F2から供給、F1からの濃縮水を排水、P2から前段の透過水を、P1から後段の透過水を得ることができる。逆流を実施することによって、エレメントの負荷を均一化し、ファウリングを低減することが可能となる。
なお、図13では、バルブ20a〜20hの8つのバルブを用いて切り替えているが、図14に例示するように三方弁21a〜21dからなる機構を用いて、F1、F2の一方を供給水側ラインFa、他方を濃縮水側ラインFbに、P1、P2の一方を第1の透過水側ラインPa、他方を第2の透過水側ラインPbに切り替えることが可能である。
図13、図14に例示するような半透膜モジュールへの供給水の方向を逆にできる構成にする場合は、スプリットリング状のシール部材を使用することが非常に好ましい。
さらに、通常、従来の1段の淡水化装置の運転において、原水温度や原水濃度が変動するが、高温や高濃度の場合は、低温や低濃度の場合に比べて、先頭エレメントから最後尾エレメントのフラックスの変動が大きくなる。このため、高温や高濃度のときに、前方(本発明における前段)のエレメント性能を後方(本発明における後段)のエレメント性能よりも低透水性、低温や低濃度のときの逆にすると、原水温度や原水濃度の変動に対しても常に適切な運転状態を維持することが可能となる。すなわち、原水温度と原水濃度の少なくとも一方の値が、予め定められた値を超えた場合に、半透膜モジュールの供給水の供給方向を逆向きにすると、ファウリングを防止し、非常に安定した運転を実現することができる。
ところで、上述した実施形態の様に1つの半透膜モジュールで半透膜ユニットを構成することができる。ただし、本発明の趣旨からして、半透膜ユニットとして、二つの半透膜モジュールの供給水側が直列に接続配置され、前段の半透膜モジュールから得られる非透過水を次段に位置する半透膜モジュールに供給する構造になっていても同様の効果を得ることができる。この場合、モジュール内のエレメント交換は容易になるため、特に前段と後段でエレメントが異なる場合は、交換は容易になるが、モジュール数が増えることによってコストアップにつながる可能性があるので、注意が必要である。以下、本発明の他の実施の形態を、図21、図22を用いて説明する。ただし、本発明の範囲がこれらに限られるものではない。
図21に例示する半透膜分離装置は、原水1が、原水槽2に一旦貯留された後、原水供給ポンプ3で前処理ユニット4に送液され、前処理される。前処理水は、中間水槽5、保安フィルター6を経て、昇圧ポンプ7で昇圧された後、第1(前段)の半透膜ユニット8aで透過水と濃縮水に分離させる。第1の濃縮水14aは、昇圧されることなく、第2(後段)の半透膜ユニット8bに供給され、さらに透過水と濃縮水に分離させる。前段の透過水は、前段の第1の透過水ライン11と透過水の圧力交換式エネルギー回収ユニット15を通って、透過水槽13に送られる。透過水後段の透過水は、後段の第2の透過水ライン12を通って透過水槽13に送られる。後段の第2の濃縮水14bは、必要に応じてエネルギー回収ユニット10bで圧力エネルギーを回収された後、濃縮排水ライン14から排出される。図21に示したように昇圧ポンプ7bを追加し、昇圧を補助することも好ましい。図22には、濃縮水の圧力エネルギーを圧力交換式エネルギー回収ユニット15bで供給水の一部の昇圧に利用する回収するフローを示している。このシステムによって、圧力エネルギーは非常に高い効率で回収できるため特に好ましい実施態様である。図22に示したように昇圧ポンプ7a、7bを追加し、昇圧を補助することも好ましい。
本出願は、2014年3月18日出願の日本特許出願、特願2014−054549に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1:原水
2:原水槽
3:原水供給ポンプ
4:前処理ユニット
5:中間水槽
6:保安フィルター
7、7a、7b、7c:昇圧ポンプ
8、8a、8b:半透膜ユニット
9:封止部
10、10a、10b:エネルギー回収ユニット
11:第1の透過水ライン
12:第2の透過水ライン
13:透過水槽
14:濃縮排水ライン
14a:第1の濃縮水
14b:第2の濃縮水
15、15a、15b:圧力交換式エネルギー回収ユニット
17:前処理水供給ポンプ
18:バルブ
19、19a、19b:ターボチャージャー(エネルギー回収用ターボチャージャー)
20:流路切替バルブ
21a、21b、21c、21d:三方弁
22:分離膜
23:透過側流路部材
24:供給側流路部材
25:中心管
26:テレスコープ防止板
27:被処理流体(被処理水)
28:透過流体(透過水)
29:濃縮流体(濃縮水)
31:被処理流体(被処理水)供給口
32:半透膜エレメント(分離膜エレメント)
33:濃縮流体(濃縮水)排出口
34:コネクター
35:端板
36:透過流体(透過水)出口
37:半透膜モジュール(分離膜モジュール)
38:シール部材
39:筒状圧力容器
41:筒状圧力容器の内壁
42:テレスコープ防止板
43:テレスコープ防止板の外周部
44:O−リングシール(シール部材)
45:U−カップシール(シール部材)
46:スプリットリングシール(シール部材)
47:スプリット部
48: 内周直径
49: 外周直径
50:垂直にカットされたスプリット部
51,52:垂直カット部分の近傍のシール部材
53:テレスコープ防止板の円周溝の両側部分
54:斜めにカットされたスプリット部
55,56:斜めカット部分の近傍のシール部材
57:階段状にカットされたスプリット部
58,59:階段状カット部分の近傍のシール部材

Claims (16)

  1. 海水または塩分濃度1重量%以上の高濃度かん水を原水として、原水もしくはその前処理水を供給水として、加圧供給する昇圧ポンプの下流に半透膜ユニットが配置され、濃縮水と透過水に分離するための半透膜分離装置であって、
    前記半透膜ユニットは、
    一つの筒状圧力容器に半透膜エレメントが複数直列に収納され、片方の端部から供給水が供給され、前段に位置する半透膜エレメントから得られる非透過水を次段に位置する半透膜エレメントに供給する構造のモジュールからなるとともに、
    前段の半透膜エレメントから得られる透過水と残りの後段から得られる透過水が分割されるように前段から得られる透過水の一部を一方の端部から取り出すための第1の透過水ラインと前記残り後段の透過水を他方の端部から取り出すための第2の透過水ラインを備え、かつ、
    前記第1の透過水ラインがエネルギー回収ユニットに接続され、背圧エネルギーを利用して供給水の一部を圧力交換式エネルギー回収ユニットおよびターボチャージャーの少なくともひとつで昇圧するようになっている半透膜分離装置。
  2. 第1の透過水にかける背圧から取り出される背圧エネルギーを利用して前記圧力交換式エネルギー回収ユニットによって供給水のうち少なくとも一部を第1の透過水と実質的に等量昇圧し、その後前記昇圧ポンプで必要圧力まで昇圧するとともに背圧エネルギーを利用しない残りの供給水をもう1台の昇圧ポンプで必要圧力まで昇圧してから混合し、前記半透膜ユニットに供給するようになっている請求項1に記載の半透膜分離装置。
  3. 第1の透過水の背圧エネルギーを利用しない供給水のうち、濃縮水量と実質的に等量の昇圧を、濃縮水の圧力エネルギーによって行う請求項1または2に記載の半透膜分離装置。
  4. 第1の透過水にかける背圧から取り出される背圧エネルギーを利用して前記ターボチャージャーによって供給水の一部を昇圧し、
    その前か後で必要圧力まで前記昇圧ポンプで昇圧するとともに、背圧エネルギーを利用しない残りの供給水を他の昇圧手段によって行う請求項1に記載の半透膜分離装置。
  5. 第1の透過水の背圧エネルギーを利用しない供給水の少なくとも一部の昇圧を濃縮水の圧力エネルギーによって行う請求項4に記載の半透膜分離装置。
  6. 背圧エネルギーを利用しない供給水の少なくとも一部の昇圧を前記ターボチャージャーによって行うとともに、必要に応じて残りの供給水を他の昇圧手段で行う請求項3または5に記載の半透膜分離装置。
  7. 背圧エネルギーを利用しない供給水少なくとも一部の昇圧を前記圧力交換式エネルギー回収ユニットと昇圧ポンプによって行うとともに、必要に応じて残りの供給水を他の昇圧手段で行う請求項3または5に記載の半透膜分離装置。
  8. 原水濃度が4重量%以上の海水または、高濃度かん水であって、前記半透膜ユニットへの供給水量に対する透過水の回収率が30%以上50%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の半透膜分離装置。
  9. 前段の半透膜エレメントの透水性能が後段の半透膜エレメントの透水性能よりも大きい請求項1〜8のいずれか1項に記載の半透膜分離装置。
  10. 前段の半透膜エレメントの阻止性能が後段の半透膜エレメントの阻止性能よりも小さい請求項1〜9のいずれか1項に記載の半透膜分離装置。
  11. 前段の半透膜エレメントのうち最上流から1ないし複数の半透膜エレメントが前段の他の半透膜エレメントよりも透水性が小さい請求項9に記載の半透膜分離装置。
  12. 後段の半透膜エレメントのうち最下流から1ないし複数の半透膜エレメントが後段の他の半透膜エレメントよりも阻止性能が大きい請求項10に記載の半透膜分離装置。
  13. 前記半透膜ユニットへの供給水の供給方向を逆向きに出来る流路構造となっている請求項1〜12のいずれか1項に記載の半透膜分離装置。
  14. 半透膜エレメントが、シート上の半透膜が巻回されてなる膜巻体が外装体で覆われ、膜巻体および外装体の少なくとも片端に、テレスコープ防止板が設けられ、少なくとも、1つのテレスコープ防止板の外周に原水シール部材が設けられてなるスパイラル型膜エレメントであり、前記原水シール部材が、半透膜エレメントを筒状圧力容器内で実質的に両方向に移動可能せしめる構造である請求項13に記載の半透膜分離装置。
  15. 請求項13または14に記載の半透膜分離装置を運転する半透膜分離装置の運転方法において、水温と原水濃度の少なくとも一方の値が、予め定められた値を超えた場合に、前記半透膜ユニットの供給水の供給方向を逆向きにする半透膜分離装置の運転方法。
  16. 海水または塩分濃度1重量%以上の高濃度かん水を原水として、原水もしくはその前処理水を供給水として、加圧供給する昇圧ポンプの下流に少なくとも二つの半透膜モジュールの供給水側が直列に接続配置され、前段の半透膜モジュールから得られる非透過水を次段に位置する半透膜モジュールに供給する構造のユニットによって、濃縮水と透過水に分離するための半透膜分離装置であって、前記半透膜モジュールのうち、少なくとも最後尾の半透膜モジュールを除く少なくとも一つの半透膜モジュールから得られる透過水の出口がエネルギー回収ユニットに接続され、背圧エネルギーを利用して供給水の一部を圧力交換式エネルギー回収ユニットおよびターボチャージャーの少なくともひとつで昇圧するようになっている半透膜分離装置。
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