JP6834360B2 - 濃縮方法および濃縮装置 - Google Patents

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Description

本発明は、濃縮方法および濃縮装置に関する。
海水等の塩水の淡水化処理の技術として、逆浸透(RO:Reverse Osmosis)法が知られている。RO法は、高圧ポンプによって浸透圧より高い所定の圧力に昇圧された塩水を逆浸透(RO)膜モジュールに供給し、RO膜を通過させることで、海水中の塩分等を除去して淡水を取り出す方法である。
RO法は、従来から知られている蒸発法よりも、エネルギーの消費量が少ないため、近年検討が進められている。このような塩水の淡水化処理においては、淡水が得られる一方で、ブラインと呼ばれる濃縮された塩水が排出される。
これまで、ブラインは主に海洋へ放流されていた。しかし、近年は、海水の塩濃度上昇などによる生態系への影響が懸念され始め、ブラインをそのまま放流できないようにする規制を設けることが検討されている。
そこで、海水等の淡水化処理で発生するブラインを処理して、高濃度の塩水を排出しないようにする方法が検討され始めている。その代表的な手法としては、ブラインコンセントレーション法と呼ばれる方法が知られている。
ブラインコンセントレーション法では、例えば、淡水化処理によって生じたブラインを蒸発法によってさらに濃縮し、最終的にブライン中に含まれる塩分を結晶化塩(固体)として回収することで、塩分濃度が低減されたブラインや淡水を排出する(例えば、特許文献1(米国特許第9085471号明細書)参照)。この手法は、「Zero Liquid Discharge(ZLD)」とも呼ばれており、ブラインから結晶化塩(固形塩)を回収することで、高濃度のブラインが排出されず、また、有価塩を生産できるという利点もある。
米国特許第9085471号明細書
しかし、ブラインコンセントレーション法で用いられる蒸発法はエネルギーの消費量が大きいため、ブライン処理に必要なエネルギーが増加し、処理コストが増加するという問題がある。
このため、本発明者の一人は、ブラインコンセントレーション法におけるブラインの処理に必要なエネルギーを低減し、処理コストを低減することのできる、ブラインの処理方法について検討した。その結果、RO法よりも濃縮率を高めることが可能な膜分離を用いた濃縮方法を見出している。その濃縮方法では、半透膜モジュールの半透膜で仕切られた第1室および第2室の両方に同じブラインを流し、第1室内のブラインを加圧することで第1室内のブラインに含まれる水を第2室内に移行させる膜分離工程を実施する。なお、本願出願人は、このようなブラインの処理方法等について既に特許出願(特願2016−133279)を行っている。
ここで、エネルギー消費量を低減するためには、蒸発法を用いる前に、エネルギー消費量の少ない膜分離法等により、ブラインをできる限り高濃度に濃縮しておくことが望ましい。1段の工程でのブラインの濃縮率には限界があるため、膜分離によってブラインの塩分濃度を十分に高めるためには、膜分離工程で多段の半透膜モジュールを用いることが好ましい。
しかしながら、多段の半透膜モジュールを用いる場合、最終的に最も濃縮されたブライン以外に、段階的に濃度が異なる複数の希釈溶液が生じるため、その処理工程または処理装置が複雑になるという問題があった(図3、図4参照)。
本発明は、上記の課題に鑑み、ブラインなどの対象溶液を膜分離を用いて高濃度に濃縮する際に、最終的に最も濃縮された対象溶液以外に、濃度が異なる複数の希釈溶液が生成することを抑制し、簡便な工程または装置により実施することのできる、濃縮方法および濃縮装置を提供することを目的とする。
[1] 対象溶液を濃縮する濃縮方法であって、
複数の半透膜モジュールが直列的に連結されてなる多段式の膜分離装置を用い、
前記複数の半透膜モジュールの各々は、半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有し、
前記複数の半透膜モジュールは、そのうちの一端の半透膜モジュールである最終モジュールと、前記最終モジュール以外の半透膜モジュールである少なくとも1つの上流モジュールと、からなり、
前記対象溶液が前記上流モジュールの前記第1室を通過し、前記上流モジュールの前記第1室を通過した前記対象溶液の一部が前記最終モジュールの前記第1室を通過し、他の一部が前記最終モジュールの前記第2室を通過し、前記最終モジュールの前記第2室を通過した前記対象溶液が、前記上流モジュールの前記第2室を通過するように、前記対象溶液を流し、かつ、
前記複数の半透膜モジュールの各々において、前記第1室内に流される前記対象溶液を前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力に加圧することによって、
前記第1室内の前記対象溶液に含まれる水を前記半透膜を介して前記第2室内の前記対象溶液に移行させ、前記第1室内の前記対象溶液を濃縮すると共に、前記第2室内の前記対象溶液を希釈する、膜分離工程、を含む、濃縮方法。
[2] 前記上流モジュールは、前記最終モジュールより処理容量が大きい、[1]に記載の濃縮方法。
[3] 前記上流モジュールは複数であり、
前記対象溶液が、前記上流モジュールの各々の前記第1室を順次通過し、前記上流モジュールの前記第1室を通過した前記対象溶液の一部が前記最終モジュールの前記第1室を通過し、他の一部が前記最終モジュールの前記第2室を通過し、前記最終モジュールの前記第2室を通過した前記対象溶液が、前記第1室とは逆の順序で前記上流モジュールの各々の前記第2室を順次通過するように、前記対象溶液を流す、[1]または[2]に記載の濃縮方法。
[4] 前記上流モジュールは、最初に前記対象溶液が流される前記第1室側である上流側ほど処理容量が大きい、[3]に記載の濃縮方法。
[5] 前記上流モジュールの各々は、並列的に接続された複数のモジュールユニットから構成され、
前記モジュールユニットは、それぞれに、半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有し、
前記上流モジュールの各々を構成する前記複数のモジュールユニットの数が、前記上流側ほど多い、[4]に記載の濃縮方法。
[6] 前記複数の半透膜モジュールの少なくとも1つにおいて、前記半透膜が中空糸膜であり、前記第1室は前記中空糸膜の外側であり、前記第2室は前記中空糸膜の内側である、[1]〜[5]のいずれかに記載の濃縮方法。
[7] 前記上流モジュールの前記第1室から流出する最終的に希釈された前記対象溶液に対して、逆浸透法を用いた淡水化処理を行い、淡水を排出するとともに、濃縮された前記対象溶液を前記上流モジュールの前記第1室に供給する、[1]〜[6]のいずれかに記載の濃縮方法。
[8] 対象溶液を濃縮するための濃縮装置であって、
複数の半透膜モジュールが直列的に連結されてなる多段式の膜分離装置を備え、
前記複数の半透膜モジュールの各々は、半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有し、
前記複数の半透膜モジュールは、そのうちの一端の半透膜モジュールである最終モジュールと、前記最終モジュール以外の半透膜モジュールである少なくとも1つの上流モジュールと、からなり、
前記膜分離装置は、
前記上流モジュールの前記第1室と、前記最終モジュールの前記第1室および前記第2室と、を接続する分岐流路、および、
前記最終モジュールの前記第2室と、前記上流モジュールの前記第2室と、を接続する戻り流路とを含み、
前記複数の半透膜モジュールの各々において、前記第1室内に流される前記対象溶液を前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力に加圧する加圧器具をさらに備える、濃縮装置。
[9] 前記上流モジュールは、前記最終モジュールより処理容量が大きい、[8]に記載の濃縮装置。
[10] 前記上流モジュールは複数であり、
前記上流モジュールは直列的に連結され、
直列的に連結された前記上流モジュールの一端に前記最終モジュールが連結され、
前記分岐流路は、前記最終モジュールに連結される前記上流モジュールの前記第1室と、前記最終モジュールの前記第1室および前記第2室と、を接続し、
前記戻り流路は、前記最終モジュールの前記第2室と、前記最終モジュールに連結される前記上流モジュールの前記第2室と、を接続し、
さらに、複数の前記上流モジュールの各々の前記第1室を直列的に接続する第1流路と、
複数の前記上流モジュールの各々の前記第2室を直列的に接続する第2流路と、を備える、[8]または[9]に記載の濃縮装置。
[11] 前記上流モジュールは、最初に前記対象溶液が流される前記第1室側である上流側ほど処理容量が大きい、[10]に記載の濃縮装置。
[12] 前記上流モジュールの各々は、並列的に接続された複数のモジュールユニットから構成され、
前記モジュールユニットは、それぞれに、半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有し、
前記上流モジュールの各々を構成する前記複数のモジュールユニットの数が、前記上流側ほど多い、[11]に記載の濃縮装置。
[13] 前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力で前記対象溶液を前記第1室内に送ることのできる高圧ポンプを有する、[8]〜[12]のいずれかに記載の濃縮装置。
[14] [1]に記載の濃縮方法に用いられる、[8]〜[13]のいずれかに記載の濃縮装置。
本発明によれば、ブラインなどの対象溶液を膜分離を用いて高濃度に濃縮する際に、最終的に最も濃縮された対象溶液以外に、濃度が異なる複数の希釈溶液が生成することを抑制し、簡便な工程または装置により実施することのできる、濃縮方法および濃縮装置を提供することができる。
本発明の実施形態1で用いられる濃縮装置を示す模式図である。 本発明の実施形態2で用いられる濃縮装置を示す模式図である。 比較形態1で用いられる濃縮装置を示す模式図である。 比較形態2で用いられる濃縮装置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表す。
[実施形態1]
<濃縮装置>
図1は、実施形態1で用いられる濃縮装置を示す模式図である。本実施形態の濃縮装置は、対象溶液を濃縮するための濃縮装置であって、図1に示されるように、複数の半透膜モジュール11,12,13が直列的に連結されてなる多段式の膜分離装置を備える。
複数の半透膜モジュール11,12,13の各々は、半透膜110,120,130、並びに、半透膜110,120,130で仕切られた第1室111,121,131、および、第2室112,122,132を有する。
直列的に連結された複数の半透膜モジュール11,12,13は、そのうちの一端の半透膜モジュール13(最終モジュール)と、最終モジュール以外の2つの半透膜モジュール11,12(上流モジュール)と、からなる。
本実施形態において、上流モジュールは複数の半透膜モジュール11,12である。上流モジュール(半透膜モジュール11,12)は直列的に連結され、直列的に連結された上流モジュールの一端(半透膜モジュール12)に最終モジュール(半透膜モジュール13)が連結されている。ただし、このような形態に限定されず、上流モジュールは、1つの半透膜モジュールであってもよい。
上記の膜分離装置は、上記の半透膜モジュールを直列的に連結する流路として、上流側(対象溶液の供給側)から順に、供給流路30、第1流路31、第2流路32、分岐流路33、戻り流路34、および、排出流路35を含む。
第1流路31は、複数の上流モジュール(半透膜モジュール11,12)の各々の第1室111,121を直列的に接続する。また、第2流路32は、複数の上流モジュール(半透膜モジュール11,12)の各々の第2室112,122を直列的に接続する。
第1流路31は、対象溶液が上流モジュール(半透膜モジュール11,12)の各々の第1室111,121を順次通過するための流路である。また、第2流路32は、対象溶液が、第1室とは逆の順序で、上流モジュール(半透膜モジュール11,12)の各々の第2室112,122を順次通過するための流路である。
分岐流路33は、半透膜モジュール12(最終モジュールに連結される上流モジュール)の第1室121と、半透膜モジュール13(最終モジュール)の第1室131および第2室132と、を接続する。戻り流路34は、半透膜モジュール13の第2室132と、半透膜モジュール12の第2室122と、を接続する。
すなわち、分岐流路33および戻り流路34は、上流モジュールの第1室121を通過した対象溶液の一部が最終モジュールの第1室131を通過し、他の一部が最終モジュールの第2室132を通過し、最終モジュールの第2室132を通過した対象溶液が、上流モジュールの第2室122に戻されるように、対象溶液を流すための流路である。
上記の濃縮装置は、複数の半透膜モジュール11,12,13の各々において、第1室111,121,131内に流される対象溶液を第2室112,122,132内に流される対象溶液よりも高い圧力に加圧する加圧器具をさらに備える。
供給流路30にはポンプ41が設けられ、戻り流路34にはポンプ42が設けられている。ポンプ41は、第2室112,112内に流される対象溶液よりも高い圧力(ポンプ42よりも高い圧力)で、対象溶液を第1室111,121内に送ることのできる高圧ポンプ(加圧器具)である。
また、第1室131内を流れる対象溶液を半透膜モジュール13の外部から加圧するための加圧器具が設けられている。また、対象溶液を第2室132内へ供給する供給経路には、その圧力を低下させる機構が備えられていてもよい。この機構としては、自動調節バルブのように、その前後で圧力差を生じさせる、つまりその前の圧力を高く保ち、その後の圧力を低下させる装置や、エネルギー回収装置のように圧力を有する供給液体から回収したエネルギーをポンプ41の駆動エネルギー補助に変換する機構を持つ装置が挙げられる。
なお、半透膜モジュールにおいて、半透膜としては、例えば、逆浸透膜(RO膜:Reverse Osmosis Membrane)、正浸透膜(FO膜:Forward Osmosis Membrane)、ナノろ過膜(NF膜:Nanofiltration Membrane)、限外ろ過膜(UF膜:Ultrafiltration Membrane)と呼ばれる半透膜が挙げられる。半透膜は、好ましくは逆浸透膜または正浸透膜、ナノろ過膜である。なお、半透膜として逆浸透膜または正浸透膜、ナノろ過膜を用いる場合、第1室内の対象溶液の圧力は、好ましくは0.5〜10.0MPaである。
通常、RO膜およびFO膜の孔径は約2nm以下であり、UF膜の孔径は約2〜100nmである。NF膜は、RO膜のうちイオンや塩類の阻止率が比較的低いものであり、通常、NF膜の孔径は約1〜2nmである。半透膜としてRO膜またはFO膜、NF膜を用いる場合、RO膜またはFO膜、NF膜の塩除去率は好ましくは90%以上である。
半透膜を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。半透膜は、セルロース系樹脂およびポリスルホン系樹脂の少なくともいずれかを含む材料から構成されることが好ましい。
セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロース系樹脂である。酢酸セルロース系樹脂は、殺菌剤である塩素に対する耐性があり、微生物の増殖を抑制できる特徴を有している。酢酸セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロースであり、耐久性の点から、より好ましくは三酢酸セルロースである。
ポリスルホン系樹脂は、好ましくはポリエーテルスルホン系樹脂である。ポリエーテルスルホン系樹脂は、好ましくはスルホン化ポリエーテルスルホンである。
半透膜の形状としては、特に限定されないが、例えば、平膜、スパイラル膜または中空糸膜が挙げられる。なお、図1等では、半透膜として平膜を簡略化して描いているが、このような形状に限定されるものではなく、中空糸膜であることが好ましい。中空糸膜(中空糸型半透膜)は、スパイラル型半透膜などに比べて、膜厚が小さく、さらにモジュール当たりの膜面積を大きくすることができ、浸透効率を高めることができる点で有利である。
具体的な中空糸膜の一例としては、全体がセルロース系樹脂から構成されている単層構造の膜が挙げられる。ただし、ここでいう単層構造とは、層全体が均一な膜である必要はなく、例えば、厚み方向に不均一な膜であってもよい。具体的には、外周表面に緻密層を有し、この緻密層が実質的に中空糸膜の孔径を規定する分離活性層となっており、内周表面側は緻密層よりも密度が低いような膜であってもよい。
具体的な中空糸膜の別の例としては、支持層(例えば、ポリフェニレンオキサイドからなる層)の外周表面にポリフェニレン系樹脂(例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン)からなる緻密層を有する2層構造の膜が挙げられる。また、他の例として、支持層(例えば、ポリスルホンまたはポリエーテルスルホンからなる層)の外周表面にポリアミド系樹脂からなる緻密層を有する2層構造の膜が挙げられる。
<濃縮方法>
本実施形態の濃縮方法は、対象溶液を濃縮する濃縮方法であって、膜分離工程を含む。以下、本実施形態の濃縮方法の詳細について、図1を参照して説明する。
本実施形態の濃縮方法では、図1に示されるような、複数の半透膜モジュール11,12,13が直列的に連結されてなる多段式の膜分離装置を用いて、膜分離工程を実施することにより、対象溶液を濃縮する。
対象溶液としては、特に限定されないが、例えば、塩水(ブライン、海水、かん水など)、工業排水などが挙げられる。特に、対象溶液がブラインなどの高濃度(高浸透圧)の溶液である場合に、それをさらに濃縮するために、本発明の濃縮方法を好適に用いることができる。
なお、対象溶液に対して、溶液中に含まれる微粒子、微生物、スケール成分等を除去するための前処理を行ってもよい。前処理としては、海水淡水化技術等に用いられる種々公知の前処理を実施することができ、例えば、NF膜、UF膜、MF膜等を用いたろ過、次亜塩素酸ナトリウムの添加、凝集剤添加、活性炭吸着処理、イオン交換樹脂処理などが挙げられる。このような前処理は、対象溶液を上流モジュール(半透膜モジュール11)に供給する前に実施されることが好ましい。
膜分離工程では、対象溶液が、上流モジュール(半透膜モジュール11,12)の各々の第1室111,121を順次通過し、その後、上流モジュールの第1室を通過した対象溶液の一部が最終モジュール(半透膜モジュール13)の第1室131を通過し、他の一部が最終モジュールの第2室132を通過し、最終モジュールの第2室132を通過した対象溶液が、第1室111,121とは逆の順序で、上流モジュールの各々の第2室122,112を順次通過するように、対象溶液を流す。
このとき、複数の半透膜モジュールの各々において、第1室内に流される対象溶液を第2室内に流される対象溶液よりも高い圧力に加圧する。これにより、複数の半透膜モジュールの各々において、第1室内の対象溶液に含まれる水が半透膜を介して第2室内の対象溶液に移行し、第1室内の対象溶液が濃縮されると共に、第2室内の対象溶液が希釈される。
なお、第1室内に流される対象溶液を第2室内に流される対象溶液よりも高い圧力に加圧する方法としては、特に限定されないが、例えば、ポンプ41として上述の高圧ポンプを用いる方法、第1室内を流れる対象溶液を半透膜モジュールの外部から加圧する方法などが挙げられる。
本実施形態では、ポンプ41として高圧ポンプを用いて、上流モジュール(半透膜モジュール11,12)の第1室111,121内に流される対象溶液を第2室112,122内に流される対象溶液よりも高い圧力に加圧している。また、最終モジュール(半透膜モジュール13)の第1室131内を流れる対象溶液に対して、半透膜モジュール13の外部から加圧することにより、第1室131内の対象溶液の圧力を第2室132内の圧力より高めている。
半透膜が中空糸膜である場合、第1室は中空糸膜の外側であり、第2室は中空糸膜の内側であることが好ましい。中空糸膜の外側の溶液が加圧されることが好ましい。中空糸膜の内側(中空部)を流れる溶液を加圧しても、圧力損失が大きくなり加圧が十分に行われ難い場合があるほか、中空糸膜自体の構造が、外圧に対して構造を保持しやすく、高い内圧を付与すると膜が破裂することがあるからである。しかしながら、圧力損失が小さい、つまり大きな内径を持ち、内圧に対する耐圧が大きい中空糸膜を使用する場合は、第1室11を中空糸膜の内側としても、なんら問題はない。
なお、中空糸膜を構成する膜が、上述したような厚み方向に不均一な膜である場合、中空糸膜の外側表面に緻密層を有していることが好ましい。緻密層は、実質的に中空糸膜の孔径を規定する分離活性層となるため、中空糸膜の外側の溶液が加圧される場合は、中空糸膜の外側表面に緻密層を有している方が、中空糸膜の外側から内側への分子の移動を正確に制御することができるからである。
上述したように、本実施形態の濃縮方法によれば、対象溶液から、最終モジュール(半透膜モジュール13)の第1室131から流出する最終的に高濃度に濃縮された対象溶液と、排出流路35から流出する最終的に希釈された対象溶液のみが得られる。したがって、本実施形態においては、ブラインなどの対象溶液を膜分離を用いて高濃度に濃縮する際に、濃度が異なる複数の希釈溶液が生成することが抑制される。これにより、本実施形態の濃縮方法は、簡便な工程または装置により実施することが可能である。
なお、対象溶液が塩水である場合、最終モジュール(半透膜モジュール13)の第1室131から排出される濃縮塩水は、ブラインコンセントレーション法により、例えば、蒸発法によってさらに濃縮される。これにより、塩分を結晶化塩(固体)として回収すると共に、淡水を海洋、河川等に排出したり、工業用水として利用したりすることができる。
従来のRO法による濃縮では、半透膜の一方側で濃縮された対象溶液の浸透圧(この浸透圧と、RO膜を透過した半透膜の他方側の水の浸透圧との浸透圧差)による正浸透力が、ポンプによる押圧力とは反対方向に生じる。このため、濃縮された対象溶液の浸透圧がポンプの圧力に達すると、ポンプによる押圧力と、それとは反対方向に働く正浸透力が拮抗し、それ以上は水が半透膜を透過せず、濃縮が進まなくなる。このため、RO膜で濃縮された対象溶液を再度、RO膜に循環させたとしても、対象溶液の濃縮率をさらに高めることはできなかった。なお、RO法における加圧の圧力は、例えば、1〜10MPa程度である。
これに対して、本実施形態の濃縮方法では、上流モジュール(半透膜モジュール11,12)の各々において、第1室111,121と第2室112,122とに供給される溶液の濃度(浸透圧)差がRO法に比べて小さく、最終モジュール(半透膜モジュール13)の第1室131と第2室132とに供給される溶液の浸透圧が等しいため、浸透圧差による正浸透力が生じ難い。このため、RO法よりも、濃縮された対象溶液の最終濃度を高めることができ、原理的には、対象溶液を飽和濃度まで濃縮できると考えられる。
したがって、その濃縮溶液に対して実施される蒸発法等の濃縮処理に必要なエネルギーが低減され、ブラインコンセントレーション等の対象溶液の濃縮処理のエネルギー効率を向上させることができる。
なお、上流モジュールの各々において、第1室と第2室とに供給される溶液の浸透圧差(絶対値)が第1室を加圧する圧力(第2室との圧力差)よりも小さいことが好ましい。浸透圧差が加圧する圧力よりも小さければ、本実施形態における膜分離工程は実施可能であると考えられる。
なお、最終モジュールにおいては、第1室と第2室とに供給される溶液の浸透圧は基本的に等しいが、例えば、第1室と第2室との温度差等により、第1室内の対象溶液の浸透圧と第2室12内の対象溶液の浸透圧とが若干異なる可能性もあるが、本実施形態における膜分離工程を実施する上で問題とはならない。
また、本実施形態の濃縮方法では、ポンプと反対方向に働く正浸透力が生じ難いため、ポンプの圧力が低くても濃縮が進行する。このため、高価な高圧ポンプを用いる必要が無く、処理設備の耐圧性を高める必要もなく、設備投資のコストを削減することができる。また、所定倍率の濃縮を行うのに必要な圧力をRO法よりも低下させることができるため、ポンプの電力消費量を低減させ、濃縮のエネルギー効率を高めることができる。
そして、本実施形態では、最終モジュール(半透膜モジュール13)の第1室131から流出する最終的に高濃度に濃縮された対象溶液と、排出流路35から流出する最終的に希釈された対象溶液のみが得られる。したがって、本実施形態の濃縮方法は、後述する比較形態1などに比べて、希釈された対象溶液の処理が簡便な工程または装置により実施可能である。
なお、本実施形態においては、半透膜モジュール11の排出流路35から排出される最終的に希釈された対象溶液は、元の対象溶液より低濃度になっており、例えば、対象溶液がブラインである場合は、排出流路35から排出される希釈された対象溶液をそのまま海洋に放出することができる。
また、上流モジュール(半透膜モジュール11)の第2室112から流出する最終的に希釈された対象溶液(排出流路35から排出される希釈された対象溶液)に対して、逆浸透(RO)法を用いた淡水化処理を行い、淡水を排出するとともに、濃縮された対象溶液を上流モジュール(半透膜モジュール11)の第1室111に供給してもよい。これにより、例えば、対象溶液が環境等に著しい影響を与える物質を含む場合、系外にこれらの物質を排出しないという利点がある。
[実施形態2]
図2は、本発明の実施形態2で用いられる濃縮装置を示す模式図である。本実施形態で用いられる濃縮装置は、上流モジュール(半透膜モジュール11,12,13)の各々が、並列的に接続された複数のモジュールユニット11a,12a,13aから構成され、上流側ほど上流モジュールの各々を構成する複数のモジュールユニットの数が多い点で、実施形態1で用いられる濃縮装置とは異なる。
なお、図2では、半透膜モジュールの段数(直列方向の数)も、図1に示す実施形態1より1段多くなっている。また、モジュールユニット11a,12a,13a,14aは、それぞれに、半透膜、並びに、半透膜で仕切られた第1室および第2室を有している。
実施形態1において、第1室111,121,131を流れる対象溶液は順次濃縮されるため、濃縮が進むにつれて流量が減少する。このように、多段の半透膜モジュールを用いた濃縮装置では、濃縮が進むにつれて流量が減少する。流量が減少すると半透膜モジュールによる濃縮効率が低下するため、濃縮が進むにつれて(下流側ほど)、半透膜モジュールの処理容量を低減することで、流量を維持することが望ましい。
したがって、上流モジュール(半透膜モジュール11,12)は、最終モジュール(半透膜モジュール13)より処理容量が大きいことが好ましい。
また、上流モジュールが複数の半透膜モジュールである場合は、上流側(最初に対象溶液が流される第1室側)ほど処理容量が大きいことが好ましい。処理容量は、半透膜モジュール全体において単位時間当たりに半透膜を透過する水の量(透水量)の最大可能量であり、主に半透膜の種類と面積に依拠する。
具体的にこれを実施するためには、実施形態1において、半透膜モジュール11,12,13として、処理容量が順に小さくなる3種類の半透膜モジュールを用いてもよい。ただし、実用的には、複数の種類の半透膜モジュールを製造する半透膜モジュールの製造コストが増加するため、同じ1種類の半透膜モジュールを用いることが好ましい。
したがって、本実施形態のように、上流モジュールの各々を、並列的に接続された複数のモジュールユニットで構成し、上流モジュールの各々を構成する複数のモジュールユニットの数が、上流側ほど多いようにすることが好ましい。
本実施形態においては、非効率な半透膜モジュール(モジュールユニット)を減らし、必要な半透膜モジュールの処理容量(並列接続されたモジュールユニットの本数)を低減することができる。これにより、濃縮処理の効率を高めるとともに、モジュール数を必要最小限にして、装置コストを下げることができる。
[比較形態1]
図3は、比較形態1で用いられる濃縮装置を示す模式図である。なお、本比較形態は、上述の本願出願人が既に出願した特願2016−133279のブライン処理方法と同様の濃縮方法である。
図3に示されるように、本比較形態では、半透膜モジュール11,12において、第1室111,121および第2室112,122の両方に処理溶液の供給側(上流側)から処理溶液が供給される。このため、半透膜モジュール11,12の第2室112,122の各々から、希釈された対象溶液である希釈液AおよびBが流出する。また、最終段の半透膜モジュール13の第2室132で希釈された対象溶液である希釈液Cは、第2室132から流出し、半透膜モジュール12には戻されない。
このように、本比較形態においては、3種類の希釈液A〜Cが得られ、それらの濃度はいずれも異なっている。
各段で生じる希釈溶液(希釈液A〜C)を1つの流路に集約して取り扱うことも考えられるが、別途配管等が必要になる。また、全ての希釈溶液を単に混合すると、その混合溶液の濃度が高くなり、例えば、対象溶液がブラインである場合、希釈溶液を海に放出することができなくなる場合もある。また、RO処理により処理可能な濃度を超えると、RO処理により淡水を取り出して、廃棄または工業用水等に利用するなどすることができなくなる。
このため、濃度の低い希釈液Aは、海洋に放出する等の処理を行い、一方で、濃度の高い希釈液BおよびCは、別途の半透膜モジュールを用いるか、あるいは、適当な段の半透膜モジュールに供給することにより、より濃度の高い溶液と、系外に排出可能な濃度の低い溶液と、に分離する必要がある。このように、本比較形態においては、処理工程または処理装置が複雑になってしまう。
これに対して、上記の実施形態1では、対象溶液から、最終モジュール(半透膜モジュール13)の第1室131から流出する最終的に高濃度に濃縮された対象溶液と、排出流路35から流出する最終的に希釈された対象溶液のみが得られる(図1)。したがって、実施形態1の濃縮方法によって生じる希釈された対象溶液は、簡便な工程または装置により処理することが可能である。
また、比較形態1では、上流モジュールにおいて、各段の半透膜モジュールに対して、第1室内を第2室内より高圧にするための加圧器具が必要になる。
これに対して、上記の実施形態1では、ポンプ41に高圧ポンプを用いれば、上流モジュール(半透膜モジュール11,12)の全てにおいて、第1室内を第2室内より高圧にすることができる。したがって、上記の実施形態1は、圧力制御が容易であるという点でも、簡便な工程または装置により実施することが可能である。
[比較形態2]
図4は、比較形態2で用いられる濃縮装置を示す模式図である。本比較形態で用いられる濃縮装置は、上流モジュール(半透膜モジュール11,12,13)の各々が、並列的に接続された複数のモジュールユニット11a,12a,13aから構成され、上流側ほど上流モジュールの各々を構成する複数のモジュールユニットの数が多い点で、比較形態2で用いられる濃縮装置とは異なる。
なお、図4では、半透膜モジュールの段数(直列方向の数)も、図3に示す比較形態1より1段多くなっている。また、モジュールユニット11a,12a,13a,14aは、それぞれに、半透膜、並びに、半透膜で仕切られた第1室および第2室を有している。
本比較形態でも、比較形態1と同様に、半透膜モジュール11,12,13において、第1室111,121,131および第2室112,122,132の両方に処理溶液の供給側(上流側)から処理溶液が供給される。このため、半透膜モジュール11,12,13の第2室112,122,132の各々から、希釈された対象溶液である希釈液A、BおよびCが流出する。また、最終段の半透膜モジュール14の第2室142で希釈された対象溶液である希釈液Cは、第2室132から流出し、半透膜モジュール13には戻されない。
このように、本比較形態においては、4種類の希釈液A〜Dが得られ、それらの濃度はいずれも異なっている。また、本比較形態でも、上流モジュールにおいて、各段の半透膜モジュールに対して、第1室内を第2室内より高圧にするための加圧器具が必要になる。
これに対して、上述のとおり、実施形態1の濃縮方法は、簡便な工程または装置により実施することが可能である。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11,12,13,14 半透膜モジュール、11a,12a,13a,14a モジュールユニット、110,120,130,140 半透膜、111,121,131,141 第1室、112,122,132,142 第2室、30 供給流路、31 第1流路、32 第2流路、33 分岐流路、34 戻り流路、35 排出流路、41,42,43 ポンプ。

Claims (13)

  1. 対象溶液を濃縮する濃縮方法であって、
    複数の半透膜モジュールが直列的に連結されてなる多段式の膜分離装置を用い、
    前記複数の半透膜モジュールの各々は、半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有し、
    前記複数の半透膜モジュールは、そのうちの一端の半透膜モジュールである最終モジュールと、前記最終モジュール以外の半透膜モジュールである少なくとも1つの上流モジュールと、からなり、
    前記上流モジュールは直列的に連結された複数の半透膜モジュールを備えるものであり、
    前記対象溶液が、前記上流モジュールにおける最上段の半透膜モジュールの第1室に供給されて、前記上流モジュールの各々の半透膜モジュールの前記第1室を順次通過し、前記上流モジュールにおける最下段の半透膜モジュールの前記第1室から排出された前記対象溶液の一部が前記最終モジュールの第1室を通過し、前記上流モジュールにおける前記最下段の半透膜モジュールの前記第1室から排出された前記対象溶液のうち、前記最終モジュールの前記第1室に供給されなかった対象溶液が、前記最終モジュールの前記第2室を通過し、前記最終モジュールの前記第2室を通過して前記第2室から排出された前記対象溶液が、前記上流モジュールにおける前記最下段の半透膜モジュールの第2室に供給され、前記第2室に供給された対象溶液は、前記最上段の半透膜モジュールの第1室に供給された対象溶液が前記上流モジュールの各々の半透膜モジュールの前記第1室を順次通過する順序とは逆の順序で、前記上流モジュールの各々の半透膜モジュールの第2室を順次通過するように、前記対象溶液を流し、
    かつ、
    前記複数の半透膜モジュールの各々において、前記第1室内に流される前記対象溶液を前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力に加圧することによって、
    前記第1室内の前記対象溶液に含まれる水を前記半透膜を介して前記第2室内の前記対象溶液に移行させ、前記第1室内の前記対象溶液を濃縮すると共に、前記第2室内の前記対象溶液を希釈する、膜分離工程、を含む、濃縮方法。
  2. 前記上流モジュールは、前記最終モジュールより処理容量が大きい、請求項1に記載の濃縮方法。
  3. 前記上流モジュールは、最初に前記対象溶液が流される前記第1室側である上流側ほど処理容量が大きい、請求項2に記載の濃縮方法。
  4. 前記上流モジュールの各々は、並列的に接続された複数のモジュールユニットから構成され、
    前記モジュールユニットは、それぞれに、半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有し、
    前記上流モジュールの各々を構成する前記複数のモジュールユニットの数が、前記上流側ほど多い、請求項3に記載の濃縮方法。
  5. 前記複数の半透膜モジュールの少なくとも1つにおいて、前記半透膜が中空糸膜であり、前記第1室は前記中空糸膜の外側であり、前記第2室は前記中空糸膜の内側である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の濃縮方法。
  6. 前記上流モジュールの前記第室から流出する最終的に希釈された前記対象溶液に対して、逆浸透法を用いた淡水化処理を行い、淡水を排出するとともに、濃縮された前記対象溶液を前記上流モジュールの前記第1室に供給する、請求項1〜のいずれか1項に記載の濃縮方法。
  7. 対象溶液を濃縮するための濃縮装置であって、
    複数の半透膜モジュールが直列的に連結されてなる多段式の膜分離装置を備え、
    前記複数の半透膜モジュールの各々は、半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有し、
    前記複数の半透膜モジュールは、そのうちの一端の半透膜モジュールである最終モジュールと、前記最終モジュール以外の半透膜モジュールである少なくとも1つの上流モジュールと、からなり、
    前記膜分離装置は、
    前記上流モジュールの前記第1室と、前記最終モジュールの前記第1室および前記第2室と、を接続し、前記上流モジュールの前記第1室から排出された前記対象溶液を分流して、前記最終モジュールの前記第1室および前記第2室の両方に供給する、分岐流路、および、
    前記最終モジュールの前記第2室と、前記上流モジュールの前記第2室と、を接続し、前記最終モジュールの前記第2室から排出された前記対象溶液を、前記上流モジュールの前記第2室に供給する、戻り流路とを含み、
    前記複数の半透膜モジュールの各々において、前記第1室内に流される前記対象溶液を前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力に加圧する加圧器具をさらに備え、
    前記上流モジュールは直列的に連結された複数の半透膜モジュールを備えるものであり、
    前記対象溶液が、前記上流モジュールにおける最上段の半透膜モジュールの第1室に供給されて、前記上流モジュールの各々の半透膜モジュールの前記第1室を順次通過し、前記上流モジュールにおける最下段の半透膜モジュールの前記第1室から排出された前記対象溶液の一部が前記最終モジュールの第1室を通過し、前記上流モジュールにおける前記最下段の半透膜モジュールの前記第1室から排出された前記対象溶液のうち、前記最終モジュールの前記第1室に供給されなかった対象溶液が、前記最終モジュールの前記第2室を通過し、前記最終モジュールの前記第2室を通過して前記第2室から排出された前記対象溶液が、前記上流モジュールにおける前記最下段の半透膜モジュールの第2室に供給され、前記第2室に供給された対象溶液は、前記最上段の半透膜モジュールの第1室に供給された対象溶液が前記上流モジュールの各々の半透膜モジュールの前記第1室を順次通過する順序とは逆の順序で、前記上流モジュールの各々の半透膜モジュールの第2室を順次通過するように、前記対象溶液が流される、濃縮装置。
  8. 前記上流モジュールは、前記最終モジュールより処理容量が大きい、請求項に記載の濃縮装置。
  9. 前記上流モジュールは直列的に連結され、
    直列的に連結された前記上流モジュールの一端に前記最終モジュールが連結され、
    前記分岐流路は、前記最終モジュールに連結される前記上流モジュールの前記第1室と、前記最終モジュールの前記第1室および前記第2室と、を接続し、
    前記戻り流路は、前記最終モジュールの前記第2室と、前記最終モジュールに連結される前記上流モジュールの前記第2室と、を接続し、
    さらに、複数の前記上流モジュールの各々の前記第1室を直列的に接続する第1流路と、
    複数の前記上流モジュールの各々の前記第2室を直列的に接続する第2流路と、を備える、請求項7または8に記載の濃縮装置。
  10. 前記上流モジュールは、最初に前記対象溶液が流される前記第1室側である上流側ほど処理容量が大きい、請求項9に記載の濃縮装置。
  11. 前記上流モジュールの各々は、並列的に接続された複数のモジュールユニットから構成され、
    前記モジュールユニットは、それぞれに、半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有し、
    前記上流モジュールの各々を構成する前記複数のモジュールユニットの数が、前記上流側ほど多い、請求項10に記載の濃縮装置。
  12. 前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力で前記対象溶液を前記第1室内に送ることのできる高圧ポンプを有する、請求項7〜11のいずれか1項に記載の濃縮装置。
  13. 請求項1に記載の濃縮方法に用いられる、請求項7〜12のいずれか1項に記載の濃縮装置。
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