JP5699271B2 - 脱塩方法と装置 - Google Patents

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Description

本発明は、脱塩方法と装置、特に、処理水をRO膜により脱塩する脱塩方法と装置に関するものである。
特許文献1に開示されているように、膜分離技術で、RO膜(逆浸透膜:Reverse Osmosis Membrane)は、他の分離膜(MF膜(精密濾過膜:Micro Filtration)、UF膜(限外濾過膜:Ultra Filtration)、NF膜(ナノ濾過膜:Nano Filtration))に比し孔径が極小で、開示するように海水または低濃度の塩水の脱塩処理に有効なことが知られている。
このような脱塩処理に用いるRO膜は、一般に、膜と支持体などが一体に組み立てられた膜エレメントとしてメーカーが提供している。この膜エレメントは、水処理のために原水を通す耐圧容器であるベッセルに適数収めて原水の膜分離に供し、濾過水と濃縮水とに分離できるようにしている。通常、各ベッセルは複数の膜エレメントを収納し直列接続することで、ベッセル単位での総膜面積を必要に応じて増大できるようにされる。
また、膜エレメントは東レ株式会社製として、図3(a)(b)(下記非特許文献1から)に示すように、UF膜を支持体としてRO膜に組み合わせた2枚の平膜を重ね、その3辺をシールし、残りの一辺を開いた袋状に形成した平膜の間に、透過液の通路となる透過水スペーサを挟み込み、その袋状開口部に取り付けられた濾液集水管軸を中心にして、袋状平膜の両側にある網目状の原液スペーサとともにのり巻状に巻いた「スパイラル型膜エレメント」が提供されている。これは、1つの膜エレメントの容積に対する総膜面積率毎のグレードで提供されている。
また、RO膜は孔径が極小で通水抵抗が高いことで知られ、収率を上げるために、ベッセルを上流側から下流側に多段に直列接続することが行われている。特に、各段のベッセルを複数並列接したバンクを直列に複数段接続し、上流段から下流段に向け、各バンク中のベッセルの数を減少させる、いわばツリー配置方式の処理水系が主流になっている。
このため、この処理水系に原水を上流側から圧送し押込むだけでは、上流段バンクのベッセルへの通水押込圧は高いが、下流段バンクのベッセルへの通水押込圧が低くなるという、直列接続上の問題が解消されない。
そこで、特許文献1は、ベッセルを多段に直列接続して配置し、ベッセル間の濃縮液流路に昇圧ポンプを配置して、上流段のベッセルでの通水押込圧に対して下流段のベッセルの通水押込圧力が低下するのを補償する技術を開示している。
これに類似して、特許文献2は、最上流段のNF膜ベッセルを含めベッセルを多段に直列接続して配置し、ベッセル間の濃縮液流路に昇圧ポンプを配置して、上流側のベッセルでの通水押込圧に対して下流段のベッセルの通水押込圧が低下するのを補償する技術を開示している。
一方、特許文献3は、複数のRO分離装置が多段に設けられ、最終段のRO膜分離装置のRO膜を、操作圧力が0.2MPa以上で0.5MPa以下の超低圧RO膜分離装置とする技術を開示しており、このような超低圧RO膜分離装置に用いるRO膜として、日東電工(株)製「ES−40」を用いることができるとしている。また、超低圧RO膜分離
装置の透過水はブースターポンプで昇圧した後、脱イオン装置に導入することができる旨開示している。
なお、非特許文献2は、超低圧RO膜ESシリーズの進化と題して、NTR‐759HRの2倍の透過水量を生み出し、さらに高い塩阻止率を維持しているとしている。
また、これを可能にした膜構造に関し、ES10RO膜の、支持体UF膜上に形成するヒダ状構造をなすスキン層について、NTR‐759HRのスキン層高さが0.2μmであるのに対し、ES10RO膜のスキン層高さが0.4μmと2倍に増大している点を図とともに比較しており、ES20RO膜はさらに発達したヒダ状構造を有しているとしている。
また、非特許文献2は、ES40RO膜のヒダ状構造については特に言及していないが、図5において、ES10RO膜とともに超純水用途グループに属し、NaCl阻止率が互いに99.5%であるが、透過水量は50m3/m2/日と、ES10RO膜の透過水量が30m3/m2/日に止まっているのに対し格段に高くなっていることを示している。
特開平8−108048号公報 特開2003−117553号公報 特許第3912067号公報
東レ株式会社著、 ROMEMBRAの構造とシステム例第77頁 日東電工技報85号(42巻)2004年 第26頁
しかし、上記特許文献1、2が開示するように、上流段に対し下流段のベッセルの通水押込圧が低くなることにつき、上流段のベッセルと下流段のベッセルとの間に昇圧ポンプを設けたり、特許文献3が開示するように最下流のベッセルからの透過水を昇圧するブースターポンプを設置するのでは、設備コスト、ランニングコスト共に高くつく。
しかも、上流段と下流段との操作圧の違いにより、上流段でのRO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量は、下流段階での単位面積当たりの透過水量よりも多くなるため、上流段のRO膜エレメントによりファウリング(汚れ:fouling)が生じやすくなる。
その結果、上流段のRO膜エレメントが下流段のRO膜エレメントよりも早期に性能低下を起こし、RO膜エレメントの交換等のメンテナンス頻度が高くなり、ランニングコストに影響する。
しかも、メンテナンス中はベッセルによる処理水系全体が休止状態になるので、頻繁なメンテナンスは処理能力の低下につながる。これを、特許文献2に開示のように、NF膜ベッセルの最上流への設置が必須になるのでは、これによっても設備コストが増大し、NF膜ベッセル自体のメンテナンスが加わるのでランニングコストにも影響する。
本発明は、上記のような問題に鑑み、多段に直列接続されたRO膜のベッセルによる処理水系において、ファウリングを招く度合いが上流側から下流側に低くなる傾向に応じて
、上流側のベッセルからRO膜エレメントが早期に性能低下していくのを回避できる脱塩装置を提供する。
そして、その目的とするところは、全てのRO膜エレメントにほぼ均等に性能を発揮させ、全てのRO膜エレメントを少しでも長く使えるようにすることである。
上記の課題を解決するために、本発明の脱塩方法は、1つ以上のRO膜エレメントを収納した複数のベッセルと、このベッセルを並列に収納したバンクと、このバンクを上流から下流に向け多段に直接直列接続し、透過水は自然排出する脱塩処理水系にて、その上流側から原水を圧送して押込み、上流段のバンクに通して透過水と濃縮水に分離し、この濃縮水を下流段のバンクに通して透過水と濃縮水とに分離する脱塩方法において、上流段のバンク内のRO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量と下流段のバンク内のRO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量が略同一となるように、各ベッセルに収納するRO膜エレメントの種類を選択可能とし、上流段のベッセルに収納するRO膜エレメントは低圧のもの、下流段のベッセルに収納されるRO膜エレメントの操作圧力を超低圧または/かつ超超低圧のものを用い、前記脱塩処理水系の最上流のベッセルの上流にて、脱炭酸処理を行い、各段での、各ベッセル内にて直列接続されたRO膜エレメント同士の関係において、下流のRO膜エレメントの操作圧力が、その直前の上流のRO膜エレメントの操作圧力よりも0.01〜0.02MPa低いものを用いて、各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水量は、全てのベッセル中のRO膜エレメントの単位面積・単位時間あたりの透過水量の平均値の±10%に収まることを特徴としている。これにより、各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水は、その平均値の±10%に収まり、各RO膜エレメントにつき、直列のバンクの位置に関わらず、寿命の均等化がほぼ図れる。また、各段での、各ベッセル内にて直列接続されたRO膜エレメント同士においても、上流のRO膜エレメントへの通水押込圧よりも下流のRO膜エレメントへの通水押込圧が低くなっていく傾向がある。そこで、RO膜エレメントの操作圧力も上流のRO膜エレメントの操作圧力よりも下流のRO膜エレメントの操作圧力が低くなっていくようにすることで、RO膜エレメントの単位面積当たりの、上流のRO膜エレメントでの透過水量と下流のRO膜エレメントでの透過水量との差を軽減し、または解消することができる。また、RO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量が上流のベッセルと下流側のベッセルで均一化し、メンテナンス頻度が軽減され処理能力が低下するのを防止することができ、また、溶解ガスはRO膜を透過するので透過水中に残留し、特に炭酸ガスは透過後に再度イオン化して水中へのイオン供給源になる問題があるところ、脱炭酸処理により炭酸を除去することができる。
このような構成の脱塩方法は、上記に加え、さらに、下流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力を、上流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力よりも低くするとともに、前記ベッセルに収納する前記RO膜エレメントは、使用時の操作圧力が1MPa未満となるものを用いることができる。
上記の脱塩方法は、さらに、ベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力を0.4MPa以上としたものとすることができる。
このような構成の脱塩方法は、上記に加え、さらに、RO膜エレメントの操作圧力を上流段ベッセルから下流段ベッセルまで段階的に設定するのに、最下流には操作圧力が最低0.4MPa以上の超超低圧域のRO膜エレメントを配置し、最上流には操作圧力が低圧域のRO膜エレメントを配置し、中間域には操作圧力が超低圧のRO膜エレメントを配置する構成を実現できる。
上記の脱塩方法は、さらに、上流段のベッセルに収納されるRO膜エレメントを低圧とし、下流段のベッセルに収納されるRO膜エレメントの操作圧力を超低圧または/かつ超超低圧とすることができる。
このような構成の脱塩方法は、上記に加え、さらに、上流段ベッセルから下流段階ベッセルへ、各段単位でのRO膜エレメント単位面積当たりの通水面積を上げられるので、直列接続された各段のベッセルの並列接続数が、上流側から下流側に少なくなる脱塩処理水系として、上流段のベッセルへの通水押込圧よりも下流段のベッセルへの通水押込圧が低くなっていく構成を実現できる。
上記脱塩方法は、さらに、前記脱塩処理水系の最上流段のベッセルの上流に、プレフィルタを設けることができる。
このような構成の脱塩方法は、上記に加え、さらに、孔径が極小なRO膜エレメントを用いるベッセル群の上流に、それよりも大きな孔径のプレフィルタが位置するので、最上流のベッセルのRO膜エレメントに先立ち、RO膜エレメントによる脱塩対象よりも大きな粒子の含有物を予め分離して、RO膜エレメントでの分離、濃縮負荷になるのを回避することができる。
上記の脱塩方法は、さらに、プレフィルタとしてMF膜またはUF膜を採用することができる。
このような構成の脱塩方法は、上記に加え、さらに、プレフィルタがMF膜であると、0.01〜0.2MPaでの極超低圧の操作圧力にて、つまり、脱塩処理水系への通水押込圧力をさほど低下させずに、50nm〜1μmのウイルス、菌を予め除去し、プレフィルタがUF膜であると、数nm〜50nmの高分子、タンパク質、ウイルスの一部を予め除去するので、これら分離物が、孔径が極小なRO膜エレメントでの分離、濃縮負荷となるのを回避することができる。
また、このような構成の脱塩方法は、脱塩処理水系に上流側から原水を圧送する際の上流段のベッセルへの通水押込圧よりも下流段のベッセルへの通水押込圧が低くなっていく傾向と、上流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力よりも下流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力が低くなっていく傾向とが一致するので、RO膜エレメントの単位面積当たりの、上流段のベッセルでの透過水量と下流段のベッセルでの透過水量との差を軽減し、または解消することができる。
これを達成する本発明の脱塩装置としては、複数のRO膜エレメントを収納した1つ以上のベッセルと、このベッセルを並列に収納したバンクと、このバンクを上流から下流に向け多段に直接直列接続し、上流段のベッセルから出た濃縮水を下流段のベッセルに通し、透過水は自然排出して透過水と濃縮水とに分離させる脱塩処理水系と、この脱塩処理水系にその上流側から原水を圧送し押込むポンプとを備え、上流段のバンク内のRO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量と下流段のバンク内のRO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量が略同一となるように、各ベッセルに収納するRO膜エレメントの種類を選択可能とし、上流段のベッセルに収納されるRO膜エレメントを低圧とし、下流段のベッセルに収納されるRO膜エレメントの操作圧力を超低圧または/かつ超超低圧とし、前記脱塩処理水系の最上流のベッセルの上流に、脱炭酸処理を行う脱炭酸手段を設け、各段での、各ベッセル内にて直列接続されたRO膜エレメント同士の関係において、下流のRO膜エレメントの操作圧力を、その直前の上流のRO膜エレメントの操作圧力よりも0.01〜0.02MPa低くして、各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水量は、全てのベッセル中のRO膜エレメントの単位面積・単位時間あたりの透過水量の平均値の±10%に収まることを特徴として、上記の方法を達成する。これにより、各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水は、その平均値の±10%に収まり、各RO膜エレメントにつき、直列のバンクの位置に関わらず、寿命の均等化がほぼ図れる。また、各段での、各ベッセル内にて直列接続されたRO膜エレメント同士においても、上流のRO膜エレメントへの通水押込圧よりも下流のRO膜エレメントへの通水押込圧が低くなっていく傾向がある。そこで、RO膜エレメントの操作圧力も上流のRO膜エレメントの操作圧力よりも下流のRO膜エレメントの操作圧力が低くなっていくようにすることで、RO膜エレメントの単位面積当たりの、上流のRO膜エレメントでの透過水量と下流のRO膜エレメントでの透過水量との差を軽減し、または解消することができる。また、RO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量が上流のベッセルと下流のベッセルで均一化し、メンテナンス頻度が軽減され処理能力が低下するのを防止することができ、また、溶解ガスはRO膜を透過するので透過水中に残留し、特に炭酸ガスは透過後に再度イオン化して水中へのイオン供給源になる問題があるところ、脱炭酸処理により炭酸を除去することができる。
このような構成の脱塩装置は、上記に加え、さらに、上流段ベッセルから下流段階ベッセルへ、各段単位でのRO膜エレメント単位面積当たりの通水面積を上げられるので、直列接続された各段のベッセルの並列接続数が、上流側から下流側に少なくなる脱塩処理水系として、上流段のベッセルへの通水押込圧よりも下流段のベッセルへの通水押込圧が低くなっていく構成を実現できる。
また、上記の脱塩装置は、さらに、下流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力を、上流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力よりも低くするとともに、前記ベッセルに収納する前記RO膜エレメントは、使用時の操作圧力が1MPa未満となるものを用いる構成を実現できる。
上記の脱塩装置は、さらに、ベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力を0.4MPa以上としたものとすることができる。
このような構成の脱塩装置は、上記に加え、さらに、上流段ベッセルから下流段ベッセルまでRO膜エレメントの操作圧力を設定するのに、最下流には操作圧力が最低0.4MPa以上の超超低圧域のRO膜エレメントを配置し、最上流には操作圧力が低圧域のRO膜エレメントを配置し、中間域には操作圧力が超低圧または超超低圧のRO膜エレメントを配置する構成を実現できる。
上記脱塩装置は、さらに、前記脱塩処理水系の最上流段のベッセルの上流に、プレフィルタを設けることができる。
このような構成の脱塩装置は、上記に加え、さらに、孔径が極小なRO膜エレメントを用いるベッセル群の上流に、それよりも大きな孔径のプレフィルタが位置して、最上流のベッセルのRO膜エレメントに先立ち、RO膜エレメントによる脱塩対象よりも大きな粒子の含有物を予め分離して、RO膜エレメントでの分離、濃縮負荷になるのを回避することができる。
上記の脱塩装置は、さらに、プレフィルタとしてMF膜またはUF膜を採用することができる。
このような構成の脱塩装置は、上記に加え、さらに、プレフィルタがMF膜であると、0.01〜0.2MPaでの極超超低圧の操作圧力にて、つまり、脱塩処理水系への通水押込圧力をさほど低下させずに、50nm〜1μmのウイルス、菌を予め除去し、プレフィルタがUF膜であると、数nm〜50nmの高分子、タンパク質、ウイルスの一部を予め除去するので、これら分離物が、孔径が極小なRO膜エレメントでの分離、濃縮負荷となるのを回避することができる。
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面によって明らかになる。本発明の各特徴は、それ自体単独で、あるいは可能な限り種々の組み合わせで複合して採用することができる。
本発明の脱塩方法と装置によれば、各段での、各ベッセル内にて直列接続されたRO膜エレメント同士の関係において、下流のRO膜エレメントの操作圧力を、上流のRO膜エレメントの操作圧力よりも低くして、各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水量は、その平均値の±10%に収まることで、各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水は、全てのベッセル中のRO膜エレメントの単位面積・単位時間あたりの透過水量の平均値の±10%に収まり、各RO膜エレメントにつき、直列のバンクの位置に関わらず、寿命の均等化がほぼ図れる。また、各ベッセル内でも上流のRO膜エレメントへの通水押込圧よりも下流のRO膜エレメントへの通水押込圧が低くなっていくが、それらRO膜エレメントの操作圧力を上流よりも下流で低くすることで、RO膜エレメントの単位面積・単位時間当たりの透過水量が、上流で高く下流で低くなる差を軽減または解消するので、各段のベッセル内での上流RO膜エレメントが早期に劣化して装置全体の休止を伴うメンテナンス頻度が高まり処理能力が低下するのを、防止することができる。また、1つ以上のRO膜エレメントを収納した複数のベッセルが多段に直列接続された脱塩処理水系にて脱塩するのに、原水を1つの加圧ポンプで圧送し押込む簡単な装置にすると、上流段のベッセルへの通水押込圧よりも下流段のベッセルへの通水押込圧が低くなっていく傾向があるのを、その傾向に合わせて上流段ベッセルのRO膜エレメントの操作圧力よりも下流段ベッセルのRO膜エレメントの操作圧力が低くなるようにRO膜エレメントを配置するので、RO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量が上流段のベッセルと下流段のベッセルで均一化し、メンテナンス頻度が軽減され処理能力が低下するのを防止することができ、また、前記脱塩処理水系の最上流のベッセルの上流にて、脱炭酸処理を行うことで、溶解ガスはRO膜を透過するので透過水中に残留し、特に炭酸ガスは透過後に再度イオン化して水中へのイオン供給源になる問題があるところ、脱炭酸処理により炭酸を除去することができる。
請求項2と7の脱塩方法と装置によれば、上記に加え、さらに、RO膜エレメントの操作圧力を、1MPa未満での通水抵抗上問題ない最大操作圧力を含んだ低圧域、提供される最低操作圧力域を含んだ超超低圧、それらの中間域の超低圧とする、幅広い範囲で選択して、ベッセルへの通水押込圧が上流段よりも下流段で低くなっていく傾向性にきめ細かく対応し、各段のベッセル間でのRO膜エレメントの劣化を均等化しやすい利点がある。
請求項3と8の脱塩方法と装置は、上記に加え、さらに、RO膜エレメントの操作圧力を、0.4MPa以上でのRO膜エレメントの大型化上問題ない最小操作圧力を含んだ超超低圧域、通水抵抗上問題ない最大操作圧力域を含んだ低圧、それらの中間域の超低圧とする、幅広い範囲で選択して、ベッセルへの通水押込圧が上流段よりも下流段で低くなっていく傾向性にきめ細かく対応し、各段のベッセル間でのRO膜エレメントの劣化を均等化しやすい利点がある。
上記の脱塩方法と装置は、上記に加え、さらに、上流段ベッセルから下流段ベッセルへ、ベッセル単位での通水面積を上げられるので、直列接続された各段のベッセルの並列接続数が、上流側から下流側に少なくすることとの組み合わせで、上流段のベッセルへの通水押込圧よりも下流段のベッセルへの通水押込圧が低くなっていく傾向性に、低圧と超低圧の2種の操作圧力の選択だけで有効に対応できるし、低圧、超低圧、超超低圧の3種の操作圧力を選択すれば、さらにきめ細かく対応して各段のベッセル間でのRO膜エレメントのファウリングを均等化しやすい利点がある。
請求項4、5、9、10の脱塩方法と装置は、上記に加え、さらに、RO膜エレメントを用いるベッセル群の上流のプレフィルタにより、RO膜エレメントでの脱塩対象よりも大きな粒子の含有物を予め分離して、RO膜エレメントと分離負荷を分担し合い、双方の劣化のバランスを図りながらRO膜エレメントの寿命を長大化し、全体の処理能力をさらに高められる。
本発明に係る実施の形態のRO膜エレメントにより膜分離する脱塩方法を採用した脱塩装置の具体例を模式的示すフロー図である。 同装置のRO膜エレメントをツリー方式での接続構造例を示す概略図である。 同装置に用いたスパイラル型のRO膜エレメント例を示す斜視図、縦断面図である。
以下、本発明に係る脱塩方法と装置の実施の形態について、図1、図2を参照しながら幾つかの実施例とともに説明し、本発明の理解に供する。以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載を限定するものではない。
本実施の形態の脱塩方法につき、図1、図2に示す脱塩装置100を参照して説明する。
本実施の形態の脱塩方法は、図2に示すように1つ以上のRO膜エレメント1を収納した複数のベッセル2を、上流から下流に向けバンク10〜30などと多段に直列接続した脱塩処理水系3に、その上流側から原水4を圧送して押込み、他に対して上流段のベッセル21、22から出た各濃縮水41、42を、それらに対応する下流段のベッセル22、23に通してそれぞれの段であるバンク10、20、30の透過水41a、42a、43aと濃縮水41、42、43とに分離して脱塩処理するのに際し、他に対し下流段のベッセル22、23に収納したRO膜エレメント12、13の操作圧力OP2、OP3を、それらに対応する上流段のベッセル21、22に収納したRO膜エレメント11、12の操作圧力OP1、OP2よりも低くする。
具体的には、OP1=OP2>OP3、またはOP1>OP2=OP3として、より好ましくはOP1>OP2>OP3として、脱塩処理するようにしている。
さらに詳しくは、原水4は、最上流段のバンク10での各ベッセル21、21、21、21、21、21に分岐供給し、これら各ベッセル21から個別に出た分離後の濃縮水41、41、41、41、41、41は合流させた後、それらの下流段となるバンク20の各ベッセル22、22、22に分岐供給する。これら各ベッセル22から個別に出た分離後の濃縮水42、42、42は合流させた後、それらの下流段となるバンク30のベッセル23、23に供給し、上流側から下流側の各段におけるバンク10、20、30でのベッセル2単位のRO膜エレメント1により透過水41a、42a、43aと、濃縮水41、42、43と、に分離して脱塩処理する。
ここで、図1は、図2に示す各バンク10、20、30につきRO膜エレメント1の並列接続した収容状態を省略し、並列数の違いをバンク10、20、30のサイズの違いとして図示している。ここで、膜エレメント1は長方形中の斜線で表し、符号「A」で示す部分は、膜エレメント1の単位面積(1m2)を表す。
このような脱塩処理水系3では、上流側から原水4を圧送する際に、他に対し上流段のベッセル21、22への通水押込圧P1、P2よりもそれらに対応した下流段のベッセル22、23への通水押込圧P2、P3が低くなっていく。
つまりP1>P2>P3となる傾向と、上流段のベッセル21、22に収納したRO膜エレメント11、12の操作圧力OP1、OP2よりもそれらに対応する下流段のベッセル22、23に収納したRO膜エレメント12、13の操作圧力OP2、OP3が低くなっていく傾向とを一致させることができる。
これにより、RO膜エレメント11、12、13の図1に示す単位面積A、および単位時間当たりの、上流段のベッセル21、22での単位面積A当たりの透過水量Q1、Q2とそれらに対応する下流段のベッセル22、23での単位面積A当たりの透過水量Q2、Q3との差を小さくし、また解消することができる。
したがって、1つ以上のRO膜エレメント1を収納した複数のベッセル21、22、23が多段に直列接続された脱塩処理水系3にて脱塩するのに、図1、図2に示す脱塩装置100のように原水4を1つのポンプ11で圧送し押込む簡単な装置にすると、他に対し上流段のベッセル21、22への通水押込圧P1、P2よりもそれらに対応する下流段のベッセル22、23への通水押込圧P2、P3が低くなる。
つまりP1>P2>P3となる傾向があるのを、上流段ベッセル21、22のRO膜エレメント11、12の操作圧力OP1、OP2よりもそれらに対応する下流段ベッセル22、23のRO膜エレメント12、13の操作圧力OP2、OP3が低くなっていく傾向とを合わせることにより、RO膜エレメント11、12、13の単位面積A当たりの透過水量Q1、Q2、Q3が他に対して上流段のベッセル21、22で高くそれらに対応する下流段のベッセル22、23で低くなる差、つまりQ1>Q2>Q3となる相互の差を軽減または解消する。
したがって、上流段ベッセル21、22でのRO膜エレメント11、12がそれらに対応する下流段のベッセル22、23でのRO膜エレメント12、13に対して早期にファウリングを生じるようなことがない。従って、上流段のベッセルのRO膜エレメントほど早期に寿命に達して、脱塩装置100全体の休止を伴うメンテナンス頻度が高まり処理能力が低下するのを、防止することができる。
ここに本実施の形態の脱塩装置100は、図1、図2に示すように、1つ以上のRO膜エレメント1を収納した複数のベッセル2を、上流から下流に向け多段に直列接続し、他に対し上流段のベッセル21、22から出た濃縮水41、42をそれらに対応する下流段のベッセル22、23に通して透過水41a、42a、43aと濃縮水41、42、43とに分離させる脱塩処理水系3と、この脱塩処理水系3にその上流側から原水4を圧送し押込むポンプ11とを備え、上流段のバンク10、20内のRO膜エレメント11、12の単位面積・単位時間当たりの透過水量と下流段のバンク20、30内のRO膜エレメント12、13の単位面積当たりの透過水量が略同一となるように、各ベッセル21、22、23に収納するRO膜エレメント11、12、13の種類を選択可能としている。具体的には、他に対し下流段のベッセル21、22に収納したRO膜エレメント11、12の操作圧力OP1、OP2を、それらに対応する上流段のベッセル22、23に収納したRO膜エレメント12、13の操作圧力よりも低く設定したものとなっている。ここで、「略同一」とは、各RO膜エレメントの透過水量が、全てのRO膜エレメントの透過水量の平均値に対して±15%の範囲に含まれている場合をいう。
また、上流段ベッセル21、22から下流段階ベッセル22、23へ、各段単位でのRO膜エレメント1の単位面積当たりの通水面積を上げられるので、直列接続された各段のベッセル21、22、23の並列接続数が、上流側から下流側に少なくなる脱塩処理水系3として、上流段のベッセルへ21、22の通水押込圧よりも下流段のベッセル22、23への通水押込圧が低くなっていく構成を実現できる。なお、各段のバンク10、20、30への通水押込圧P、P、P、およびバンク30からの濃縮水の排出圧をモニタするために、図2に示す各対応部に圧力計Pを設けてある。
さらには、各ベッセル2はそれぞれRO膜エレメント1を4段に直列接続して収納したものとしている。しかし、これに限定されることはなく、ベッセル2の直列接続する段数、つまりバンク数、各バンクでのRO膜エレメント1の並列接続数と、この並列接続数の上流段から下流段への減少変化、各ベッセル2に収容するRO膜エレメント1の直列接続数、のそれぞれを自由に設定することができる。
ここで、ベッセル2に収納したRO膜エレメント1の操作圧力を1MPa未満としたものとすることができる。これにより、RO膜エレメント1の操作圧力を上流段ベッセル21から下流段ベッセル23まで段階的に設定するのに、1MPa未満での通水抵抗を徒に大きくしない最大操作圧力を含んで低圧域とし、提供される最低操作圧力域を含んで超超低圧とし、それらの中間域を超低圧とした、幅広い範囲で選択して、他に対し上流段のベッセル21、22への通水押込圧P1、P2よりもそれらに対応する下流段のベッセル22、23への通水押込圧が低くなる。つまりP1>P2>P3となる傾向性に対応しやすく、きめ細かな対応にて、各段のベッセル21、22、23間でのRO膜エレメント11、12、13のファウリングによる寿命を均等化しやすい利点がある。
また、ベッセル2に収納したRO膜エレメント1の操作圧力を0.4MPa以上としたものとすることができる。これにより、上流段ベッセルから下流段ベッセルまでRO膜エレメント1の操作圧力を設定するのに、0.4MPa以上でのRO膜エレメント1が徒に大型化しない最小操作圧力を含んで超超低圧域とし、徒に通水抵抗が大きくならない最大操作圧力域を含んで低圧とし、それらの中間域を超低圧とした、幅広い範囲で選択して、他に対し上流段のベッセル21、22への通水押込圧P1、P2よりもそれらに対応する下流段のベッセル22、23への通水押込圧P2、P3が低くなる。つまりP>P>Pとなる傾向性に対応でき、きめ細かな対応にて各段のベッセル21、22、23間でのRO膜エレメント11、12、13のファウリングによる寿命を均等化しやすい利点がある。
したがって、これらにより、RO膜エレメント11、12、13の同時メンテナンスの機会を増やして、メンテナンスの総回数を大幅に減らし、メンテナンスが早すぎる無駄や、遅すぎたる水処理能力の低下を軽減する合理化が図れる。
これらの利点を活かすのに、他に対し上流段のベッセル21、22に収納されるRO膜エレメント11、12の上流段または双方の操作圧力OP1、OP2を低圧とし、それらに対応する下流段のベッセル22、23に収納されるRO膜エレメント12、13の下流段または双方の操作圧力OP2、OP3を超低圧または/かつ超超低圧とすることができる。
これにより、上流段ベッセル21から下流段階ベッセル23へ、各段単位でのRO膜エレメント11、12、13単位の通水面積TAを順次段階的に上げられるので、直列接続された各段のバンク1〜3それぞれにおけるベッセル21、22、23の並列接続数が、上流側から下流側に少なくなる脱塩処理水系3として、他に対し上流段のベッセル21、22への通水押込圧P1、P2よりもそれらに対応する下流段のベッセル22、23への通水押込圧P2、P3が低くなる。つまりP>P>Pとなる傾向性に対応しやすく、さらにきめ細かな対応にて各段のベッセル21、22、23間でのRO膜エレメント11、12、13のファウリングによる寿命をより一層均等化しやすい。
さらに、脱塩装置100は、図1に仮想線で示すように、脱塩処理水系3の最上流段のベッセル21の上流に、プレフィルタ12を設けることができる。
このようにすると、孔径が極小なRO膜エレメント1を用いるベッセル2群の上流に、それよりも大きな孔径のプレフィルタ12が位置して、最上流のベッセ21のRO膜エレメント11に先立ち、RO膜エレメント1による脱塩対象よりも大きな粒子の含有物を予め分離して、RO膜エレメント1での分離、濃縮負荷になるのを回避することができる。
結果、プレフィルタ12は、RO膜エレメント1と分離負荷を分担し合うことになり、双方の劣化のバランスを図りながらRO膜エレメント1の寿命を長大化し、全体の処理能力をさらに高められる。プレフィルタ12は単一設けられればよいので、寿命が各RO膜エレメント1に比し短くても、メンテナンスが簡単に行えるので、プレフィルタ12の寿命はRO膜エレメント1の寿命の整数分の1程度となるようにして好適である。
このようなプレフィルタ12としては、MF膜またはUF膜を採用することができる。プレフィルタ12がMF膜であると、0.01〜0.2MPaでの極超超低圧の操作圧力OP0にて、つまり、脱塩処理水系3への通水押込圧P1をさほど低下させずに、50nm〜1μmのウイルス、菌以上の含有物を予め除去することができる。また、プレフィルタ12がUF膜であると、数nm〜50nmの高分子、タンパク質、ウイルスの一部以上の含有物を予め除去することができる。従って、これら分離物が、孔径が極小なRO膜エレメント1での分離、濃縮負荷となるのを回避し、RO膜エレメント1の分離負荷を大きく軽減し、寿命の長大化が図れる。
また、脱塩装置100は、脱塩処理水系3の最上流で、殺菌剤21または/かつ還元剤22の添加を行うことができる。
これにより、添加する殺菌剤21の酸化作用または還元剤22の酸化還元作用により原水4中の一般菌類や細菌を殺菌し、繁殖やプレフィルタ12がある場合はこれを含む膜分離エレメント1に付着するのを防止することができる。
また、殺菌剤21による殺菌処理後に、還元剤22を添加すると、先に添加して殺菌に供した後の殺菌剤21を中和し、殺菌剤21がベッセル2側に侵入して分離膜を酸化させるのを防止することができ、分離膜の寿命の長大化が図れる。
ここに、殺菌剤21は、塩素系酸化剤、過酸化水素類、過酢酸類、クロラミン類、オゾンなどを用いることができる。
中でも、費用や殺菌力、取扱の容易さなどから塩素系酸化剤が使用されることが多い。
また、還元剤22としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどが用いられるが、亜硫酸水素ナトリウムが最も一般的である。
上記処理のためには、脱塩装置100は、殺菌剤または/かつ還元剤供給手段25を設ければよい。
また、脱塩処理水系3の最上流のベッセル2の上流にて、脱炭酸処理または/かつpH調整を行うことができる。
これにより、溶解ガスはRO膜を透過するので透過水中に残留し、特に炭酸ガスは透過後に再度イオン化して水中へのイオン供給源になる問題があるところ、脱炭酸塔での脱炭酸処理によりpH調整剤を使用、消費せずに、または、pH調整剤を添加してpH調整することにより脱炭酸塔設備なしに、炭酸を除去することができる。
しかし、両手法を併用して炭酸処理精度を上げることもできる。これらのために、脱塩装置100は、脱塩処理水系3の最上流のベッセル2の上流にて、仮想線で示すように、脱炭酸手段23または/かつpH調整手段24を設ければよい。
最後に、各段での、各ベッセル21、22、23内にて直列接続されたRO膜エレメント11同士、12同士、13同士のそれぞれにおいても、上流のRO膜エレメントへの通水押込圧よりも下流のRO膜エレメントへの通水押込圧が低くなっていく傾向があるところ、上流のRO膜エレメントの操作圧力よりも下流のRO膜エレメントの操作圧力が低くなっていく傾向とを一致させることで、RO膜エレメント11同士、12同士、13同士それぞれでの単位面積・単位時間当たりの、上流のRO膜エレメントでの透過水量と下流のRO膜エレメントでの透過水量との差を軽減し、または解消することができる。
従って、各段のベッセル21、22、23内にて直列接続されたRO膜エレメント11同士、12同士、13同士、のそれぞれにおいても、上流側のRO膜エレメントほど早期に寿命に達して、脱塩装置100全体の休止を伴うメンテナンス頻度が高まり処理能力が低下するのを、防止することができる。
参考例
下記の主な処理条件、
・直列接続初段ステージS1:並列接続ベッセルNo.1〜5、各ベッセル収納のRO膜エレメント(低圧(1.6〜0.6Mpa):CPA3−LD:米国ハイドロノーティクス社製)4段直列接続
・直列接続中段ステージS2:並列接続ベッセルNo.1〜3、各ベッセル収納のRO膜エレメント(超低圧(0.9〜0.4Mpa):ESPA2−LD:米国ハイドロノーティクス社製)4段直列接続
・直列接続後段ステージS3:並列接続ベッセルNo.1〜2、各ベッセル収納のRO
膜エレメント(超低圧(0.9〜0.4Mpa):ESPA2−LD:米国ハイドロノーティクス社製)4段直列接続
・ポンプ流量:48.0m3/hr
・透過水量:36.0m3/hr
・推奨ポンプ圧:0.99MPa
・原水押込み圧:0.79MPa
・原水電気伝導率:170μS/cm
・回収率:75%
・原水温度:20.0℃
・原水pH:6.8
・FI=3
にて、脱塩処理したところ、バンク10での各ベッセルNo.1〜6、バンク20での各ベッセルNo.1〜3、バンク30での各ベッセルNo.1〜2、に対応する各RO膜エレメントでの操作圧力と、濾過水の単位面積、単位時間当たりの透過水量とにつき、下記表1のような処理結果が得られた。
この表1から、各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水量のばらつきは、その平均値の±10%付近にあり、各RO膜エレメントの透過水量は略同一の許容範囲にあることが分かる。
これによって、各RO膜エレメントについては、直列のバンクの位置に関わらず、寿命の均等化がほぼ図れることが認められる。
下記の主な処理条件、
・直列接続初段ステージS1:並列接続ベッセルNo.1〜5、各ベッセル収納のRO膜エレメント(低圧(1.6〜0.6Mpa):CPA3−LD:米国ハイドロノーティクス社製)4段直列接続
・直列接続中段ステージS2:並列接続ベッセルNo.1〜3、各ベッセル収納のRO膜エレメント(低圧(1.6〜0.6Mpa):CPA3−LD:米国ハイドロノーティクス社製)4段直列接続
・直列接続後段ステージS3:並列接続ベッセルNo.1〜2、各ベッセル収納のRO膜エレメント(超低圧(0.9〜0.4Mpa):ESPA2−LD:日東工業製)4段直列接続
・ポンプ流量:48.0m3/hr
・透過水量:36.0m3/hr
・推奨ポンプ圧:1.02MPa
・原水押込み圧:0.82MPa
・原水電気伝導率:170μS/cm
・回収率:75%
・原水温度:20.0℃
・原水pH:6.8
・FI=3
にて、脱塩処理したところ、バンク10での各ベッセルNo.1〜6、バンク20での各ベッセルNo.1〜3、バンク30での各ベッセルNo.1〜2、に対応する各RO膜エレメントでの操作圧力と、濾過水の単位面積、単位時間当たりの透過水量とにつき、下記表2のような処理結果が得られた。
この表2から、各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水は、その平均値の±10%に収まり、各RO膜エレメントの透過水量は略同一の許容範囲にあることが分かる。
これによって、各RO膜エレメントにつき、直列のバンクの位置に関わらず、寿命の均等化がほぼ図れることが認められる。
なお、本実施例ではバンク数を3、ベッセル数を6、3、2、RO膜エレメント数を4に設定したが、使用条件に合わせて適宜設定できる。
本発明は、脱塩水処理系にて、多段に直列接続されたRO膜のベッセルでの透過水量の
均等化を得て、通常、ファウリングを招く度合いが上流側から下流側に低くなる傾向を回避し、上流側のベッセルからRO膜エレメントが早期に劣化していくのを防止することができる。
1、11、12、13 RO膜エレメント
2、21、22、23 ベッセル
3 脱塩処理水系
4 原水
1、42、43 濃縮水
10、20、30 バンク
11 ポンプ
12 プレフィルタ
21 殺菌剤
22 還元剤
23 脱炭酸手段
24 pH調整手段

Claims (10)

  1. 複数のRO膜エレメントを収納した1つ以上のベッセルと、このベッセルを並列に収納したバンクと、このバンクを上流から下流に向け多段に直接直列接続し、透過水は自然排出する脱塩処理水系にて、その上流側から原水を圧送して押込み、上流段のバンクに通して透過水と濃縮水に分離し、この濃縮水を下流段のバンクに通して透過水と濃縮水とに分離する脱塩方法において、
    上流段のバンク内のRO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量と下流段のバンク内のRO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量が略同一となるように、各ベッセルに収納するRO膜エレメントの種類を選択可能とし、
    上流段のベッセルに収納するRO膜エレメントは低圧のもの、
    下流段のベッセルに収納されるRO膜エレメントの操作圧力を超低圧または/かつ超超低圧のものを用い、
    前記脱塩処理水系の最上流のベッセルの上流にて、脱炭酸処理を行い、
    各段での、各ベッセル内にて直列接続されたRO膜エレメント同士の関係において、下流のRO膜エレメントの操作圧力が、その直前の上流のRO膜エレメントの操作圧力よりも0.01〜0.02MPa低いものを用いて、各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水量は、全てのベッセル中のRO膜エレメントの単位面積・単位時間あたりの透過水量の平均値の±10%に収まる
    ことを特徴とする脱塩方法。
  2. 下流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力を、上流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力よりも低くするとともに、前記ベッセルに収納する前記RO膜エレメントは、使用時の操作圧力が1MPa未満となるものを用いてなる請求項1に記載の脱塩方法。
  3. 前記ベッセルに収納する前記RO膜エレメントは、使用時の操作圧力が0.4MPa以上となるものを用いる請求項2に記載の脱塩方法。
  4. 前記脱塩処理水系の最上流段のベッセルの上流でプレフィルタによる膜処理を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱塩方法。
  5. 前記プレフィルタは、MF膜またはUF膜を用いる請求項4に記載の脱塩方法。
  6. 複数のRO膜エレメントを収納した1つ以上のベッセルと、
    このベッセルを並列に収納したバンクと、
    このバンクを上流から下流に向け多段に直接直列接続し、上流段のベッセルから出た濃縮水を下流段のベッセルに通し、透過水は自然排出して透過水と濃縮水とに分離させる脱塩処理水系と、
    この脱塩処理水系にその上流側から原水を圧送し押込むポンプとを備え、
    上流段のバンク内のRO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量と下流段のバンク内のRO膜エレメントの単位面積当たりの透過水量が略同一となるように、各ベッセルに収納するRO膜エレメントの種類を選択可能とし、
    上流段のベッセルに収納されるRO膜エレメントを低圧とし、下流段のベッセルに収納されるRO膜エレメントの操作圧力を超低圧または/かつ超超低圧とし、
    前記脱塩処理水系の最上流のベッセルの上流に、脱炭酸処理を行う脱炭酸手段を設け、
    各段での、各ベッセル内にて直列接続されたRO膜エレメント同士の関係において、下流のRO膜エレメントの操作圧力を、その直前の上流のRO膜エレメントの操作圧力よりも0.01〜0.02MPa低くして、
    各RO膜エレメントにつき単位面積・単位時間あたりの透過水量は、全てのベッセル中のRO膜エレメントの単位面積・単位時間あたりの透過水量の平均値の±10%に収まることを特徴とする脱塩装置。
  7. 下流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力を、上流段のベッセルに収納したRO膜エレメントの操作圧力よりも低くするとともに、前記ベッセルに収納する前記RO膜エレメントは、使用時の操作圧力が1MPa未満となるものを用いてなる請求項6に記載の脱塩装置。
  8. 前記ベッセルに収納したRO膜エレメントは、使用時の操作圧力が0.4MPa以上となるものを用いる請求項7に記載の脱塩装置。
  9. 前記脱塩処理水系の最上流段のベッセルの上流に、プレフィルタを設けた請求項6〜8のいずれか1項に記載の脱塩装置。
  10. 前記プレフィルタは、MF膜またはUF膜である請求項9に記載の脱塩装置。
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