JPH10305216A - 逆浸透膜分離装置および高濃度溶液の分離方法 - Google Patents

逆浸透膜分離装置および高濃度溶液の分離方法

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JPH10305216A
JPH10305216A JP11547097A JP11547097A JPH10305216A JP H10305216 A JPH10305216 A JP H10305216A JP 11547097 A JP11547097 A JP 11547097A JP 11547097 A JP11547097 A JP 11547097A JP H10305216 A JPH10305216 A JP H10305216A
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JP
Japan
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reverse osmosis
osmosis membrane
membrane module
solution
salt
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Application number
JP11547097A
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Inventor
Masaaki Ando
雅明 安藤
Masahiko Hirose
雅彦 廣瀬
Ichiro Kawada
一郎 河田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高い回収率でかつ少ないエネルギで高濃
度溶液から淡水を効率的にかつ安定的に得ることが可能
な逆浸透膜分離装置および高濃度溶液の分離方法を提供
する。 【解決手段】 第1段目の逆浸透膜モジュール4が所定
条件下での3.5%食塩水の食塩阻止率が99%以上の
性能を有し、第2の逆浸透膜モジュール7が、所定条件
下での0.05%食塩水の食塩阻止率が99%以上でか
つ透過流束が0.08m3 /m2 /(kgf/cm2
/日以上の性能を有する。第1段目の逆浸透膜モジュー
ル4からの濃縮水5を第2段目の逆浸透膜モジュール7
に供給し、第2段目の逆浸透膜モジュール7からの透過
水9を液送ポンプ3に戻すとともに、第1段目の逆浸透
膜モジュール4からの透過水6を取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、逆浸透膜モジュー
ルを用いて高濃度溶液から高い回収率で低濃度溶液を得
るための逆浸透膜分離装置および高濃度溶液の分離方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の降雨量の低下、生活レベルの向上
および産業の多様化等による水需要の増加に伴って、水
不足の被害が全国的に波及し、水資源の安定供給方法の
確立が急務となってきている。その中でも逆浸透膜によ
る海水の淡水化方法は、省エネルギ、省スペース、低コ
スト等の有利性から最も有望視されている。
【0003】逆浸透膜を用いた海水淡水化処理では、海
水の浸透圧以上の圧力で海水が逆浸透膜に供給される。
供給された海水は、逆浸透膜の透過作用により、透過水
と濃縮水とに分離され、透過水が回収される。
【0004】現在、実用化されている逆浸透膜を用いた
海水淡水化プラントでは、逆浸透膜に5〜6MPa以上
の操作圧力を付与し、供給された海水から回収される透
過水の割合(回収率)が40%程度で運転が行われてい
る。ここで、回収率は 回収率(%)=透過水量/供給水量×100 で与えられる。
【0005】このような運転状態において、海水の塩分
濃度が3.5%の場合には、濃縮された海水(濃縮水)
の塩分濃度が約6%にまで高められ、濃縮水の浸透圧が
約4.5MPaとなる。そこで、逆浸透膜に付加される
操作圧力は濃縮水の浸透圧よりも高くなるように設定さ
れており、上記のように5〜6MPa以上に設定されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】逆浸透膜を用いた海水
淡水化処理における造水コストをさらに低減するために
は、供給される海水量に対する淡水(透過水)の回収率
を上昇させることが望ましい。
【0007】しかしながら、淡水の回収率を上昇させよ
うとすると、逆浸透膜への操作圧力が上昇する。例え
ば、海水淡水化処理において現在実用化されている膜分
離装置、すなわち1種類の逆浸透膜モジュールを複数本
並列に配列した膜分離装置を回収率60%で運転する場
合を想定する。この場合には、供給される海水の塩分濃
度が3.5%の場合、その濃縮水の塩分濃度は8.8%
となり、この濃縮水の浸透圧は約7MPaにまで上昇す
る。このため、逆浸透膜への操作圧力は8〜9MPa以
上必要となる。
【0008】しかしながら、このような高い操作圧力で
運転を行うと、逆浸透膜への圧力負荷が過大となり、フ
ァウリング(膜面汚れ)が生じやすくなる。また、ファ
ウリング物質の種類によっては膜劣化を引き起こす場合
もある。
【0009】さらに、濃縮水の溶質濃度が高くなるため
に、濃縮水中に含まれる海水成分、例えば炭酸カルシウ
ムや硫酸カルシウム等のスケール成分の濃度が高くなっ
て溶解度以上になり、逆浸透膜の膜面に析出してスケー
ルを発生させる問題が生じる。
【0010】なお、海水から高い回収率で淡水を得るこ
とを目的として、高阻止率の逆浸透膜モジュールを多段
に配置し、前段の濃縮水を昇圧用ブースターポンプを用
いて昇圧し、高圧で濃縮水を処理する方法(特開平8−
108048号公報)や、高阻止率の逆浸透膜モジュー
ルとルーズRO膜モジュールとを多段に配置し、高い回
収率で淡水を得る方法(特開平8−206460号公
報)等が提案されている。
【0011】このように、より少ないエネルギで高濃度
溶液から淡水を高い回収率で効率的に得ることが従来よ
り望まれている。
【0012】本発明の目的は、より高い回収率でかつ少
ないエネルギで高濃度溶液から淡水を効率的にかつ安定
的に得ることが可能な逆浸透膜分離装置および高濃度溶
液の分離方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
に係る逆浸透膜分離装置は、第1の逆浸透膜モジュール
を前段に設け、第2の逆浸透膜モジュールを後段に設け
てなる逆浸透膜分離装置において、第1の逆浸透膜モジ
ュールは、pH6.5の食塩濃度3.5%の水溶液を原
液として温度25℃および操作圧力5.5MPaで1時
間運転した後の食塩阻止率が99%以上の性能を有し、
第2の逆浸透膜モジュールは、pH6.5の食塩濃度
0.05%の水溶液に対する温度25℃での透過流束が
0.08m3 /m2 /(kgf/cm2 )/日以上であ
りかつpH6.5の食塩濃度0.05%の水溶液を原液
として温度25℃および操作圧力0.5MPaで30分
運転した後の食塩阻止率が99%以上の性能を有するも
のである。
【0014】本発明に係る逆浸透膜分離装置において
は、第2の逆浸透膜モジュールに、低い操作圧力に対し
て透過流束の大きい逆浸透膜を用いている。このため、
第1段目の逆浸透膜モジュールのみならず、第2段目の
逆浸透膜モジュールからも高流量の透過液が得られ、こ
れによって逆浸透膜分離装置を高い回収率で運転するこ
とができる。
【0015】また、第1の逆浸透膜モジュールにより得
られた濃縮液を第2の逆浸透膜モジュールに供給する管
路を有してもよい。この管路により、第1の逆浸透膜モ
ジュールより得られた濃縮液はそのまま第2の逆浸透膜
モジュールに供給される。このため、第1の逆浸透膜モ
ジュールからの濃縮液を昇圧して第2の逆浸透膜モジュ
ールに送り出すためのブースターポンプを不要とし、逆
浸透膜分離装置の低コスト化および省エネルギ化を図る
ことができる。
【0016】さらに、第2の逆浸透膜モジュールにより
得られた透過液を、第1の逆浸透膜モジュールの上流側
に戻す管路をさらに有してもよい。
【0017】この場合には、第2の逆浸透膜モジュール
により得られた透過液によって原液が希釈されて第1の
逆浸透膜モジュールに供給される。このため、第1の逆
浸透膜モジュールの濃縮液の浸透圧の上昇が抑制され、
それによって第1の逆浸透膜モジュールの操作圧力を抑
制することができる。それゆえ、低い操作圧力による運
転が可能となり、逆浸透膜分離装置の省エネルギ化に寄
与する。
【0018】さらに、第1の逆浸透膜モジュールにより
得られた透過液と第2の逆浸透膜モジュールにより得ら
れた透過液とを合流して外部へ取り出す管路をさらに有
してもよい。
【0019】この場合、第1および第2の逆浸透膜モジ
ュールはともに高い食塩阻止性能を有している。このた
め、第1の逆浸透膜モジュールからの透過液と第2の逆
浸透膜モジュールからの透過液とを合流させることによ
り透過液の回収率が高まるとともに所定の基準値を越え
るまでに食塩が除去された透過液を得ることができる。
【0020】特に、第2の逆浸透膜モジュールの逆浸透
膜は架橋全芳香族ポリアミドからなるスキン層と多孔質
支持体との複合膜であることが好ましい。さらに、架橋
全芳香族ポリアミドからなるスキン層の表面は、平均表
面粗さが55nm以上の凹凸を有することが好ましい。
なお、平均表面粗さは「発明の実施の形態」の欄におい
て定義された式によって求めたものである。
【0021】この場合、第2の逆浸透膜モジュールの逆
浸透膜の表面を粗面化して表面積を増大させることによ
り透過流束が高められる。これにより、第2の逆浸透膜
モジュールからの透過液量が増大し、逆浸透膜分離装置
の回収率を高めることができる。
【0022】本発明に係る高濃度溶液の分離方法は、p
H6.5の食塩濃度3.5%の水溶液を原液として温度
25℃および操作圧力5.5MPaで1時間運転した後
の食塩阻止率が99%以上の性能を有する第1の逆浸透
膜モジュールに高濃度の被処理液を供給して分離処理
し、その濃縮液を、pH6.5の食塩濃度0.05%の
水溶液に対する温度25℃での透過流束が0.08m3
/m2 /(kgf/cm 2 )/日以上でありかつpH
6.5の食塩濃度0.05%の水溶液を原液として温度
25℃および操作圧力0.5MPaで30分運転した後
の食塩阻止率が99%以上の性能を有する第2の逆浸透
膜モジュールに供給して分離処理するものである。
【0023】本発明に係る高濃度溶液の分離方法におい
ては、第2の逆浸透膜モジュールに、低い操作圧力に対
して透過流束の大きい逆浸透膜を用いている。このた
め、第1段目の逆浸透膜モジュールのみならず、第2段
目の逆浸透膜モジュールからも高流量の透過液が得ら
れ、これによって透過液の回収率が高められる。
【0024】特に、第2の逆浸透膜モジュールにより分
離された透過液を第1の逆浸透膜モジュールの上流側に
戻してもよい。
【0025】この場合には、第2の逆浸透膜モジュール
により分離された透過液によって被処理液が希釈されて
第1の逆浸透膜モジュールに供給される。このため、第
1の逆浸透膜モジュールの濃縮液の浸透圧の上昇が抑制
され、それによって第1の逆浸透膜モジュールの操作圧
力を抑制することができる。それゆえ、低い操作圧力に
よって透過液の回収率を高めることができる。
【0026】さらに、第1の逆浸透膜モジュールにより
分離された透過液と第2の逆浸透膜モジュールにより分
離された透過液とを合流して取り出してもよい。
【0027】この場合、第1および第2の逆浸透膜モジ
ュールはともに高い食塩阻止性能を有している。したが
って、第1の逆浸透膜モジュールからの透過液と第2の
逆浸透膜モジュールからの透過液とを合流させることに
より透過液の回収率が高まるとともに所定の基準値を越
えるまでに食塩が除去された透過液を得ることができ
る。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る逆浸透膜分
離装置の第1の例を示す構成図である。逆浸透膜分離装
置は、前処理ユニット2、液送ポンプ3、第1段目の逆
浸透膜モジュール4、第2段目の逆浸透膜モジュール7
およびスケール防止剤添加部10を備え、各部間が配管
系により接続されている。
【0029】図1に示す逆浸透膜分離装置において、第
1段目および第2段目の逆浸透膜モジュール4,7に
は、スパイラル型、中空糸型、チューブラー型、プレー
ト&フレーム型等の形式の膜モジュールを用いることが
できる。
【0030】また、これらの逆浸透膜モジュールの膜材
質としては、アセチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリアミド等を使用することが可能であり、特にト
リハロメタンやトリブロモメタン等の有機物の阻止性能
が高いポリアミドを使用することが好ましい。さらに、
逆浸透膜の膜構造としては、スキン層と多孔質支持体と
からなる複合膜が使用される。
【0031】特に、第1段目の逆浸透膜モジュール4に
は、高圧力下での海水淡水化処理を行うために、トリハ
ロメタンやトリブロモメタン等の有機物の阻止性能が高
いポリアミド、特に、芳香族ポリアミド複合膜を使用す
ることが好ましい。さらに、第1の逆浸透膜モジュール
4は、pH6.5の3.5%食塩水溶液(食塩濃度が
3.5%の水溶液)を原液とし、温度25℃、操作圧力
5.5MPaで1時間運転した後での食塩阻止率が99
%以上の性能を有することが好ましい。
【0032】ここで、逆浸透膜の食塩阻止率は次式で与
えられる。 食塩阻止率(%)=(1−Cp/Cf)×100
【0033】ただし、Cpは供給液の溶質(食塩)の濃
度であり、Cfは透過水の溶質の濃度である。
【0034】また、第2段目の逆浸透膜モジュール7に
は、膜表面を粗面化し、その表面積の増大により透過流
束を高めた逆浸透膜が用いられる。すなわち、架橋全芳
香族ポリアミドからなるスキン層とこれを支持する微多
孔質支持体、例えばポリスルホンからなる微多孔質支持
体との複合膜が用いられる。複合逆浸透膜のスキン層の
表面は、以下に定義される平均表面粗さRaが55nm
以上の凹凸に形成される。また、スキン層の厚みは、
0.08〜1.5μm以下であり、微多孔質支持体の厚
みは50〜250μmである。
【0035】ここで、上記の架橋全芳香族ポリアミドか
らなるスキン層の平均表面粗さRaは次式で定義され、
原子間力顕微鏡、摩擦力顕微鏡、トンネル顕微鏡、走査
電子顕微鏡、透過電子顕微鏡により測定される。
【0036】
【数1】
【0037】上式中、a,bは測定対象表面に規定され
る指定面(長方形)の2辺の長さ、Sは指定面の面積、
f(x,y)は指定面内での表面高さ、ZOは次式で与
えられる指定面の高さの平均値である。
【0038】
【数2】
【0039】第2段目の逆浸透膜モジュール7は、透過
流束がpH6.5の0.05%食塩水溶液を原液とし、
温度25℃の条件下で0.08m3 /m2 /(kgf/
cm 2 )/日以上であり、かつpH6.5の0.05%
食塩水溶液を原液とし、温度25℃、操作圧力0.5M
Paで30分運転した後での食塩阻止率が99%以上の
性能を有することが好ましい。
【0040】図1に示す逆浸透膜分離装置を用いて高濃
度溶液(海水)を処理する場合、海水1は前処理槽2で
前処理される。前処理槽2は、第1段目の逆浸透膜モジ
ュール4の逆浸透膜の膜面を懸濁物質や有機物の付着、
汚染から保護するために設けられており、懸濁物質や有
機物を除去するための手段、例えば砂濾過、精密濾過、
塩素や凝集剤の添加、炭酸カルシウムの沈殿防止のため
のpH調整剤や還元剤の添加等の処理手段が設置され
る。
【0041】前処理された海水は、液送ポンプ3により
所定の圧力で第1段目の逆浸透膜モジュール4に供給さ
れる。第1段目の逆浸透膜モジュール4では海水中の食
塩の通過が阻止され、海水が、塩分が濃縮された濃縮水
5と所定の除去率で食塩が除去された透過水6とに分離
される。濃縮水5は第1段目の逆浸透膜モジュール4と
第2段目の逆浸透膜モジュール7とを連結する管路によ
って第2段目の逆浸透膜モジュール7に供給される。濃
縮水5にはスケール成分が含まれる。このため、スケー
ル防止剤添加部10によって濃縮水5中にスケール防止
剤が添加される。
【0042】第2段目の逆浸透膜モジュール7では、供
給された濃縮水5がさらに濃縮水8と透過水9とに分離
される。濃縮水8はそのまま系外へ排出され、透過水9
は第2段目の逆浸透膜モジュール7から伸びる合流管路
によって液送ポンプ3の上流側へ戻され、前処理された
海水と混合されて再び第1段目の逆浸透膜モジュール4
へ供給される。
【0043】上記の逆浸透膜分離装置では、第2段目の
逆浸透膜モジュール7に透過流束が極めて高い逆浸透膜
が用いられている。このため、第2段目の逆浸透膜モジ
ュール7においては0.5〜1MPaという超低圧の操
作圧力をによって透過水を分離することができる。した
がって、第1段目の逆浸透膜モジュール4からの濃縮水
5を第2段目の逆浸透膜モジュール7に供給して分離処
理を行う場合、第1段目と第2段目の逆浸透膜モジュー
ル4,7の間にブースターポンプを配置して濃縮水5を
昇圧して供給する必要がない。
【0044】すなわち、第2段目の逆浸透膜モジュール
7の操作圧力は第1段目の逆浸透膜モジュール4におい
て濃縮水5に付加される圧力と第2段目の逆浸透膜モジ
ュール7内における濃縮水の浸透圧との差により生じ
る。この操作圧力は0.5〜1MPa程度の低圧となる
が、上述のように、第2段目の逆浸透膜モジュール7に
は低い操作圧力下で高い透過水量が得られる逆浸透膜が
用いられている。これにより、昇圧用のブースターポン
プが不要となり、逆浸透膜分離装置の構成が簡略化され
るとともに、運転時の省エネルギ化を図ることができ
る。
【0045】また、第2段目の逆浸透膜モジュール7か
らの透過水9は液送ポンプ3の上流側に戻され、海水1
とともに再び第1段目の逆浸透膜モジュール4に供給さ
れる。このため、海水1が透過水9によって希釈され、
第1段目の逆浸透膜モジュール4の濃縮水5の浸透圧の
上昇が抑制される。この結果、第1段目の逆浸透膜モジ
ュール4の操作圧力を抑制することが可能となり、逆浸
透膜分離装置の運転時の省エネルギ化を図ることができ
る。
【0046】次に、本発明に係る逆浸透膜分離装置の第
2の例について図2を参照して説明する。図2に示す逆
浸透膜分離装置は、図1に示す逆浸透膜装置に対し、第
2段目の逆浸透膜モジュール7の透過水9を第1段目の
逆浸透膜モジュール4の透過水6に合流させて取り出し
管路を通して導出している点が異なる。また、第1段目
および第2段目の逆浸透膜モジュール4,7の各逆浸透
膜は図1に示す逆浸透膜分離装置と同様に構成されてい
る。
【0047】第1段目の逆浸透膜モジュール4の濃縮水
5は第2段目の逆浸透膜モジュール7に供給される。第
2段目の逆浸透膜モジュール7では、逆浸透膜の透過水
量が高められているため、濃縮水5は低い操作圧力で分
離される。
【0048】さらに、この第2段目の逆浸透膜モジュー
ル7の逆浸透膜は、pH6.5、0.05%食塩水溶液
を原液として温度25℃、操作圧力0.5MPaで30
分運転した後での食塩阻止率が99%以上と高い食塩阻
止率を有する。したがって、海水1よりも濃縮された濃
縮水5を分離して得られた透過水9中の食塩濃度は低い
値に保たれる。それゆえ、第1段目の逆浸透膜モジュー
ル4から得られた透過水6に第2段目の逆浸透膜モジュ
ール7から得られた透過水9を合流したとしても、食塩
濃度の低い透過水を得ることができる。例えば、飲料水
基準以下の水質(食塩濃度)の透過水を得ることができ
る。
【0049】さらに、図1および図2に示す逆浸透膜分
離装置では、特に第2段目の逆浸透膜モジュールに透過
流束の高い逆浸透膜を用いたことにより、透過水の回収
率40%以上、さらには50〜60%の高い回収率での
運転が可能となる。
【0050】
【実施例】
[実施例1]図1に示す逆浸透膜分離装置を用いて海水
の淡水化処理を行った。逆浸透膜分離装置の諸条件は下
表の通りである。
【0051】
【表1】
【0052】前処理を行った海水を7.0MPaに昇圧
し、第1段目の逆浸透膜モジュールに供給し、得られた
濃縮水をそのまま第2段目の逆浸透膜モジュールに供給
した。第2段目の逆浸透膜モジュールにより得られた透
過水は第1段目の逆浸透膜モジュールに供給する海水に
合流させた。また、第2段目の逆浸透膜モジュールによ
り得られた濃縮水はそのまま排出した。
【0053】この結果、第1段目の逆浸透膜モジュール
から得られた透過水の食塩濃度は200ppmであっ
た。また、その透過水の透過水量は135m3 /日で、
供給海水量に対する透過水の回収率は60%であった。
また、2000時間経過後も透過水量の低下は見られな
かった。
【0054】[実施例2]図2に示す逆浸透膜分離装置
を用いて海水の淡水化処理を行った。逆浸透膜分離装置
の諸条件は実施例1と同一である。
【0055】この逆浸透膜分離装置に対し、前処理を行
った海水を7.0MPaに昇圧し、第1段目の逆浸透膜
モジュールに供給した。第1段目の逆浸透膜モジュール
により得られた濃縮水はそのまま第2段目の逆浸透膜モ
ジュールに供給した。第1段目および第2段目の逆浸透
膜モジュールから得られた濃縮水はそのまま排出した。
また、第1段目および第2段目の逆浸透膜モジュールか
ら得られた透過水を取り出した。第1段目および第2段
目の逆浸透膜モジュールから得られた透過水の食塩濃度
は268ppmであり、透過水量は126m3 /日であ
った。また、供給海水量に対する透過水の回収率は56
%であり、2000時間経過後も透過水量の低下は見ら
れなかった。
【0056】[比較例]比較のために、pH6.5の
3.5%食塩水溶液を原液として温度25℃、操作圧力
5.5MPaで1時間運転した後での食塩阻止率99%
以上の日東電工株式会社製NTR−70SWC−S8の
逆浸透膜モジュールを使用し、前処理を行った海水を
8.8MPaに昇圧して供給し、透過水の回収率を60
%の条件で分離処理を行った。得られた透過水の食塩濃
度は330ppmであった。また、透過水量は135m
3 /日であり、2000時間経過後の透過水量は初期状
態に比べ10%低下した。
【0057】このように、本発明に係る逆浸透膜分離装
置および高濃度溶液の分離方法を用いると、低い操作圧
力でほぼ60%と高い回収率での分離処理が可能とな
る。しかも、長時間運転した後も回収率の低下は生じな
い。これにより、運転時の省エネルギ化が可能で、かつ
低コストで透過水を長時間安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による逆浸透膜分離装置の第1の例を示
す構成図である。
【図2】本発明による逆浸透膜分離装置の第2の例を示
す構成図である。
【符号の説明】
1 海水 2 前処理ユニット 3 液送ポンプ 4 第1段目の逆浸透膜モジュール 5,8 濃縮水 6,9 透過水 7 第2段目の逆浸透膜モジュール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 69/12 B01D 69/12 71/56 71/56 C02F 1/44 C02F 1/44 G

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の逆浸透膜モジュールを前段に設
    け、第2の逆浸透膜モジュールを後段に設けてなる逆浸
    透膜分離装置において、 前記第1の逆浸透膜モジュールは、pH6.5の食塩濃
    度3.5%の水溶液を原液として温度25℃および操作
    圧力5.5MPaで1時間運転した後の食塩阻止率が9
    9%以上の性能を有し、 前記第2の逆浸透膜モジュールは、pH6.5の食塩濃
    度0.05%の水溶液に対する温度25℃での透過流束
    が0.08m3 /m2 /(kgf/cm2 )/日以上で
    ありかつpH6.5の食塩濃度0.05%の水溶液を原
    液として温度25℃および操作圧力0.5MPaで30
    分運転した後の食塩阻止率が99%以上の性能を有する
    ことを特徴とする逆浸透膜分離装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の逆浸透膜モジュールにより得
    られた濃縮液を前記第2の逆浸透膜モジュールに供給す
    る管路を有することを特徴とする請求項1記載の逆浸透
    膜分離装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の逆浸透膜モジュールにより得
    られた透過液を、前記第1の逆浸透膜モジュールの上流
    側に戻す管路をさらに有することを特徴とする請求項1
    または2記載の逆浸透膜分離装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の逆浸透膜モジュールにより得
    られた透過液と前記第2の逆浸透膜モジュールにより得
    られた透過液とを合流して外部へ取り出す管路をさらに
    有することを特徴とする請求項1または2記載の逆浸透
    膜分離装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の逆浸透膜モジュールの逆浸透
    膜が架橋全芳香族ポリアミドからなるスキン層と多孔質
    支持体との複合膜であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の逆浸透膜分離装置。
  6. 【請求項6】 前記架橋全芳香族ポリアミドからなるス
    キン層の表面は、平均表面粗さが55nm以上の凹凸を
    有することを特徴とする請求項5記載の逆浸透膜分離装
    置。
  7. 【請求項7】 pH6.5の食塩濃度3.5%の水溶液
    を原液として温度25℃および操作圧力5.5MPaで
    1時間運転した後の食塩阻止率が99%以上の性能を有
    する第1の逆浸透膜モジュールに高濃度の被処理液を供
    給して分離処理し、その濃縮液を、pH6.5の食塩濃
    度0.05%の水溶液に対する温度25℃での透過流束
    が0.08m3 /m2 (kgf/cm2 )/日以上であ
    りかつpH6.5の食塩濃度0.05%の水溶液を原液
    として温度25℃および操作圧力0.5MPaで30分
    運転した後の食塩阻止率が99%以上の性能を有する第
    2の逆浸透膜モジュールに供給して分離処理することを
    特徴とする高濃度溶液の分離方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の逆浸透膜モジュールにより分
    離された透過液を、前記第1の逆浸透膜モジュールの上
    流側に戻すことを特徴とする請求項7記載の高濃度溶液
    の分離方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の逆浸透膜モジュールにより分
    離された透過液と前記第2の逆浸透膜モジュールにより
    分離された透過液とを合流して取り出すことを特徴とす
    る請求項7記載の高濃度溶液の分離方法。
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