JP2002282855A - 造水方法および造水装置 - Google Patents

造水方法および造水装置

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JP2002282855A
JP2002282855A JP2001095160A JP2001095160A JP2002282855A JP 2002282855 A JP2002282855 A JP 2002282855A JP 2001095160 A JP2001095160 A JP 2001095160A JP 2001095160 A JP2001095160 A JP 2001095160A JP 2002282855 A JP2002282855 A JP 2002282855A
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water
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reverse osmosis
pressure
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JP2001095160A
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Takayuki Nakanishi
貴之 中西
Tamotsu Kitade
有 北出
Masahiro Kihara
正浩 木原
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Toray Industries Inc
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    • Y02A20/131Reverse-osmosis

Abstract

(57)【要約】 【課題】海水を膜処理して透過水を得るにあたり、適切
な除去性能を有するNF膜を用いてより高い回収率を達
成できる造水方法および造水装置を提供する。 【解決手段】硫酸イオン除去率が少なくとも90%であ
るナノフィルトレーション膜(NF膜)を用いたNF膜
モジュールに海水を供給し、そのNF膜モジュールを、
回収率が80%以上、カルシウムイオン除去率が35%
以下、濃縮水のカルシウムイオン濃度が965mg/l
以下となるように運転し、得られた透過水を昇圧して逆
浸透膜モジュールで処理して淡水を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高回収率で海水を
淡水化するのに好適な、ナノフィルトレーション(N
F)膜と逆浸透膜とを用いた造水方法および造水装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、海水から工業用水や飲料水などの
淡水を得る技術が発達し、従来から一般的に行われてき
た蒸発法にかわって逆浸透膜を用いた膜分離法が注目を
集めるようになった。この膜分離法は、運転に要するエ
ネルギーも少なくて済み、高品質な淡水を得ることがで
きるため、様々な分野における利用が期待されている。
【0003】さて、この膜分離法を実施するにあたって
は、いかに低コストで造水するかが技術の焦点となるた
め、回収率を高める努力が払われる訳であるが、高回収
率で運転を行うと逆浸透膜の濃縮水側の溶質成分濃度が
高まって、水への溶解度が低いスケール成分が析出し、
膜寿命や透過水品質が低下するなどといった問題を惹起
していた。
【0004】そこで、逆浸透膜へ供給する海水をあらか
じめ膜により前処理して、スケール成分をある程度まで
取り除いておくことで回収率を高める方法が、特開平8
−206460号公報などに開示されてる。
【0005】特開平8−206460号公報や特開昭6
2−102887号公報には、海水をまずナノフィルト
レーション膜で処理することにより、スケール成分(多
価イオン)や中〜高分子量物質の少ない透過水とし、そ
の透過水を逆浸透膜モジュールで処理する態様が説明さ
れているが、具体的にスケール成分の除去性能について
は言及していない。
【0006】装置全体の回収率を高めようとすれば、前
処理工程における回収率を高めなければならないが、前
処理工程においてスケール成分が析出すると回収率を上
げることができず、トータルでの回収率が高められない
といった問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来の問題点を解決し、海水を膜処理して透過水を
得るにあたり、適切な除去性能を有するNF膜を用い
て、より高い回収率を達成できる造水方法および造水装
置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、硫酸イオン除去率が少なくとも90%であ
るナノフィルトレーション膜(NF膜)を用いたNF膜
モジュールに海水を供給し、そのNF膜モジュールを、
回収率が80%以上、カルシウムイオン除去率が35%
以下、濃縮水のカルシウムイオン濃度が965mg/l
以下となるように運転し、得られた透過水を昇圧して逆
浸透膜モジュールで処理して淡水を得る造水方法を特徴
とするものである。
【0009】このとき、回収率が60%以上であるこ
と、NF膜モジュールに、海水を1.5MPa以下の圧
力で供給すること、逆浸透膜モジュールに、NF膜モジ
ュールの透過水を4MPa以上の圧力で供給することが
好ましい。また、FI値が4以下である海水を処理する
ことも好ましい。
【0010】そして、上記のいずれかの造水方法により
得られた水も好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一実施態様に係る造水装
置は、たとえば図1に示すように、供給された海水のF
I値を4以下に処理することのできる可能な濾過装置1
0と、硫酸イオン除去率が90%以上であるナノフィル
トレーション膜(NF膜)を備えたNF膜モジュール3
0と、そのNF膜モジュール30による透過水を脱塩す
る逆浸透膜を備えた逆浸透膜モジュール50とを有し、
NF膜モジュール30および逆浸透膜モジュール50の
前段には、供給水を操作圧力にまで昇圧する昇圧ポンプ
20、高圧ポンプ(昇圧ポンプ)40がそれぞれ配置さ
れている。
【0012】ここで、NF膜モジュール30は、硫酸イオ
ン除去率が少なくとも90%のNF膜を備え、かつ、回
収率が80%以上、カルシウムイオン除去率が35%以
下、さらに、濃縮水カルシウムイオン濃度が965mg
/l以下という条件を満足するものである。
【0013】そして、NF膜の素材として、ポリアミド
系、ポリピペラジンアミド系、ポリエステルアミド系、
あるいは水溶性のビニルポリマーを架橋したものなどを
使用することができ、その膜構造としては、膜の少なく
とも片面に緻密層を持ち、緻密層から膜内部あるいはも
う片面の膜に向けて徐々に大きな孔径の微細孔を有する
もの(非対称膜)や、このような非対称膜の緻密層の上
に別の素材で形成された非常に薄い分離機能層を有する
もの(複合膜)などを使用することができる。しかしな
がら、低圧運転時における高造水量のためには複合膜で
あることが好ましく、中でも、透過水量、耐薬品性等の
点からポリアミド系複合膜が、さらにはピペラジンポリ
アミド系複合膜が好ましい。
【0014】一方、逆浸透膜としては、溶液中の溶媒
(水分子)を選択的に透過させ、溶質(塩)の透過を阻
止できるものであればよい。膜構造としては、例えば膜
の少なくとも片面に緻密層を備え、緻密層から反対面に
向かってその径が徐々に大きくなっている微細孔が形成
された非対称膜や、この非対称膜の緻密層の上に他の材
料からなる厚みの薄い活性層を供えた複合膜を用いるこ
とができる。そして、膜の材料としては、酢酸セルロー
ス系ポリマ、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、
及びビニルポリマ等の高分子材料と用いることができ
る。代表的な逆浸透膜としては、酢酸セルロース系また
はポリアミド系の非対称膜、及び、ポリアミド系または
ポリ尿素系の活性層を有する複合膜を有する複合膜、お
よび芳香族ポリアミド系の活性層を有する複合膜を用い
ることが好ましい。中でも、水質の変化に対して安定し
た性能を発現し、トリハロメタンに代表される環境ホル
モン等の有害物質を好適に除去できる芳香族ポリアミド
系複合膜は特に好ましい。
【0015】上記のようなNF膜や逆浸透膜は、平膜状
の膜を集水管の周囲に巻囲したスパイラル型エレメント
や、プレート型支持板の両面に平膜を張ったものをスペ
ーサーを介して一定の間隔で積層してモジュール化した
プレート・アンド・フレーム型エレメント、さらには、
管状膜を用いたチューブラー型エレメント、中空糸膜を
束ねてケースに収納した中空糸膜エレメントとして構成
され、耐圧容器に単数もしくは複数個を直列に接続して
収容して構成される。エレメントの形態としては、いず
れの形態であってもよいが、操作性や互換性の観点から
はスパイラル型エレメントを使用するのが好ましい。な
お、エレメント本数は、膜性能に応じて任意に設定する
ことができる。スパイラル型エレメントを用いた場合、
1つのモジュールに装填するエレメントの本数は、直列
に6本程度が好ましい。
【0016】そして、これら膜モジュールは、運転圧力
が高くなると造水コストに占める電力費の割合が大きく
なるため、低圧で運転できるものであることが好まし
い。NF膜モジュールとしては、3.5重量%海水が有
する浸透圧約2.5MPaより低い1.5MPa程度で
運転できるものであることが好ましい。この1.5MP
aという値は、河川水等の上水をNF膜モジュールで膜
ろ過する際の標準的な運転圧力であり、上水膜ろ過シス
テムの設備などをそのまま適用できるからである。運転
圧力が1.0MPa以下になると、電力費削減の効果が
大きい点でさらに好ましい。
【0017】また、通常、逆浸透膜モジュールとして
は、モジュール出口の濃縮水濃度に対応する浸透圧に約
2MPa程度を加えた圧力で運転を行うが、本発明にお
いては、NF膜モジュールにより予めイオンが除去され
て浸透圧を低下させるので、逆浸透膜モジュールとして
は4MPa程度以上の操作圧力により淡水を得ることが
できる。
【0018】また、本発明において、濾過装置10とし
ては砂ろ過の他、精密ろ過膜や限外濾過膜を用いること
ができ、ここで、NF膜に供給する水のFI値を4以下
にする。FI値が4以下である海水は、NF膜表面に濁
質を付着させるファウリングがほとんど発生しないので
特に好ましい。なお、FI値とは、対象水中の微細な濁
質濃度を示し、(1−T0/T15)×100/15で表
される(但し、T0:0.45μmの精密濾過膜を用い
て試料水を0.2MPaで加圧濾過したときに最初の5
00mlの試料水の濾過に要した時間、T15:T0の後
さらに同じ条件で15分間濾過した後に500mlの試
料水の濾過に要した時間)。濁質のない場合は0とな
り、最も汚れた水における最大値は6.67となる。
【0019】また、深度200m以深の深海層の海水を
利用したり海底砂層などをフィルターとして利用して取
水した水を利用するのも、ろ過装置10が不要になるの
で好ましい。
【0020】昇圧ポンプ20、高圧ポンプ40として
は、渦巻ポンプやタービンポンプ、プランジャーポンプ
などの種々の形式のポンプを用いることができる。後述
の濃縮水2段法等の多段法を用いる場合は、後段から得
られる濃縮水は高い圧力エネルギーを有しているため、
これを昇圧のためのエネルギーとして回収し利用するこ
とが好ましい。これは、たとえば、回収タービンなどを
用いて実現することができる。さらに、例えば特開平1
−294903号公報に記載されたようなターボチャー
ジャーを用いるのも好ましい。
【0021】上記のように構成された本発明の造水装置
において、取水された海水1は、ろ過装置10を経て昇
圧ポンプ20で操作圧力まで加圧された後、NF膜モジ
ュール30に通水され、透過水31と濃縮水32に分離
される。
【0022】このとき、NF膜モジュールでは、回収率
が80%以上、カルシウムイオン除去率が35%以下、
濃縮水のカルシウムイオン濃度が965mg/l以下と
なるように運転される。
【0023】海水のスケールで最も問題となるのは硫酸
カルシウムである。硫酸カルシウムは主に2水和物(C
aSO4・2H2O)で析出し、析出限界濃度は「膜利用
ハンドブック」(大矢晴彦著)によれば約3,280m
g/lと報告されている。このデータから、析出限界の
カルシウムイオン濃度は約965mg/l、硫酸イオン
濃度は2,315mg/lが得られる。一方、海水中
(日本近海、塩濃度が3.5重量%として)にはカルシ
ウムイオンが約400mg/l、硫酸イオンが約2,3
00mg/l含まれているため、NF膜を用いた膜分離
法では、被処理水側(濃縮水側)のカルシウム濃度が析
出限界濃度を越えなければスケール析出は起こらない。
【0024】そのため、NF膜モジュールの回収率を8
0%以上にしつつも、スケール析出を防ぐべく、濃縮水
側のカルシウムイオン濃度が硫酸カルシウムの析出限界
値である965mg/lを越えない範囲にする必要があ
る。図4に、原海水中のカルシウムイオン濃度を400
mg/lとし、カルシウムイオン除去率(図中、除去
率)を変化させたときの、NF膜モジュールの透過水回
収率と濃縮水側のカルシウムイオン濃度との関係を示す
が、この図中斜線部で示す範囲、すなわち、NF膜モジ
ュール回収率が80%以上で、かつ、濃縮水カルシウム
イオン濃度が硫酸カルシウムの析出限界値である965
mg/lを越えない範囲で運転する必要があり、これを
満足するためには、カルシウムイオン除去率は35%以
下にする必要がある。なお、ここでいう除去率とは、供
給海水中の該イオン濃度に対する透過水中の該イオン濃
度の割合を重量パーセントで示したものである。また、
図4は、カルシウムイオン除去率が35%、30%、2
0%、10%、5%の場合のみプロットしているが、こ
れら以外の値の場合にも同様にプロットして回収率の上
限値をみつけることができる。
【0025】このように、本発明においては、NF膜モ
ジュールのカルシウムイオン除去率を低く保つことによ
り、NF膜モジュール濃縮水側のカルシウムイオン濃度
を容易に上昇させず、そしてスケールを発生させずに8
0%以上の高い回収率を達成することができる。
【0026】NF膜モジュールの透過水31は、その
後、高圧ポンプ40によって昇圧され逆浸透膜モジュー
ル50に供給されて、透過水51と濃縮水52に分離さ
れる。ここで、透過水51は、例えば所定の飲料水基準
(例えば、蒸発残留物500mg/l以下、塩素イオン
濃度200mg/l以下)を満たすようになる。
【0027】ここで、装置全体の回収率を上げるために
は、NF膜モジュールの回収率を80%以上にし、か
つ、膜モジュールと逆浸透膜モジュールとを合わせた造
水装置全体としての回収率を60%以上とするのが好ま
しい。この場合、逆浸透膜部分の回収率は少なくとも7
5%以上とする必要があるが、NF膜部分でスケール成
分や塩濃度が除去されているため容易に達成できる。こ
のようにすることで、特開平8−108048号公報に
開示されている回収率60%を達成できる技術をも上回
ることができる。
【0028】そして、本発明において運転圧力が高くな
ると造水コストに占める電力費の割合が大きくなるた
め、低圧で運転するのが好ましい。NF膜モジュール
は、3.5重量%海水が有する浸透圧約2.5MPaよ
り低い1.5MPa程度で運転することが好ましい。こ
の1.5MPaという値は、河川水等の上水をNF膜モ
ジュールで膜ろ過する際の標準的な運転圧力であり、上
水膜ろ過システムの設備などをそのまま適用できるから
である。運転圧力が1.0MPa以下になると、電力費
削減の効果が大きい点でさらに好ましい。また、逆浸透
膜モジュールは、通常、モジュール出口の濃縮水濃度に
対応する浸透圧に約2.0MPa程度を加えた圧力で運
転を行う。NF膜モジュールの透過水はイオンが除去さ
れているため浸透圧を低下させる効果が期待できるの
で、たとえば4.0MPa程度の低圧でNF膜モジュー
ルの透過水を逆浸透膜モジュールに供給しても淡水を得
ることができる。
【0029】また、本発明においては、図1に示す逆浸
透膜モジュール50の部分を複数個設けて多段にするこ
とで回収率をさらに高めることができる。図2、図3
に、NF膜モジュールの処理水を多段に設けた逆浸透膜
モジュール50,70、90に通水して淡水を得る装置
のフローを示す。
【0030】図2では、図1における逆浸透膜モジュー
ル50を、逆浸透膜モジュール50、70というように
2段にするとともに、それら2段の逆浸透膜モジュール
50、70の間に、前段の逆浸透膜モジュール50によ
る濃縮水62を昇圧して後段の逆浸透膜モジュール70
に供給するターボチャージャー60を設けている。NF
膜モジュール30の透過水を前段の逆浸透膜モジュール
50で処理し、その濃縮水62をターボチャージャー6
0にて昇圧し、後段の逆浸透膜モジュール70に通水し
て透過水71と濃縮水72とに分離する(濃縮水2段
法)。ターボチャージャー60で昇圧を行うためのエネ
ルギーは、逆浸透膜モジュール70による濃縮水72の
圧力エネルギーを使用する。
【0031】また、図3では、図1の逆浸透膜モジュー
ル50の部分を、並列配置した2つの逆浸透膜モジュー
ル50と、それら2つの逆浸透膜モジュールの後段に配
置した逆浸透膜モジュール90の計3個から構成してい
る。この装置においては、NF膜モジュール30の透過
水を2つの逆浸透膜モジュール50に分配して処理し、
これら逆浸透膜モジュール50の透過水51を集水して
ポンプ80で所定の操作圧力まで昇圧して後段の逆浸透
膜モジュール50eに供給し、所定の水質を満足する透
過水91と濃縮水92とに分離する。
【0032】
【実施例】<実施例1>NF膜および逆浸透膜を用い
て、2段の逆浸透膜モジュールを直列に配置した図2に
示す造水装置を構成した。
【0033】NF膜モジュールは、膜面積が7m3の膜
エレメントを作製し、このエレメントを圧力容器に6本
入れて、構成した。膜性能は、温度25℃、濃度500
mg/lの硫酸ナトリウム水溶液を0.35MPaで供
給したとき、硫酸イオン除去率が99%で、膜透過流束
が1.15m3/m2/dであった。また、逆浸透膜モジ
ュールも、同様に膜面積が7m3のエレメントを作製
し、このエレメントを圧力容器に6本入れて、構成し
た。膜性能は、前段が、温度25℃、濃度3.5重量%
の海水を圧力5.5MPaで供給したとき、塩排除率が
99.80%で、膜透過流束が0.75m3/m2/d
で、後段が、温度25℃、濃度5.8重量%の海水を圧
力8.8MPaで供給したとき、塩排除率が99.75
%、膜透過流束が0.7m3/m2/dであった。
【0034】この造水装置に、濃度3.5重量%の海水
を濾過装置でFI値=2.2とした後に通水し、表1に
示すような運転条件、すなわちNF膜モジュールにおけ
る運転圧力を0.8MPaにして回収率が88%となる
ようにして運転したところ、カルシウムイオン除去率が
16%のNF膜モジュール透過水が得られた。その後、
この透過水を高圧ポンプで6.0MPaに昇圧して逆浸
透膜モジュールに供給したところ、逆浸透膜モジュール
での回収率が75%、透過水質が88.5mg/l、ま
た造水装置全体としての回収率が66%であった。
【0035】このような運転を1000時間連続して行
った結果、1000時間経過した後も透過水質は90m
g/lとほぼ初期性能を維持し、回収率、運転圧力も運
転開始時と同等であった。
【0036】<実施例2>温度25℃、濃度500mg
/lの硫酸ナトリウム水溶液を0.35MPaで供給し
たときの硫酸イオン除去率が97.5%、膜透過流束が
1.23m3/m2/dであるNF膜を用いた以外は実施
例1と同様の造水装置を構成した。
【0037】この造水装置に、濃度3.5重量%の海水
を濾過装置でFI値=2.2とした後に通水し、表1に
示すような運転条件、すなわちNF膜モジュールにおけ
る運転圧力が1.0MPa、回収率が90%となるよう
にして運転したところ、カルシウムイオン除去率が1
2.5%のNF膜モジュール透過水が得られた。その
後、この透過水を高圧ポンプで5.6MPaに昇圧して
逆浸透膜モジュールに供給したところ、逆浸透膜モジュ
ールでの回収率が70%、透過水質が97.0mg/
l、また造水装置全体として回収率が63%であった。
【0038】このような運転を1000時間連続して行
った結果、1000時間経過した後も透過水質は100
mg/lとほぼ初期性能を維持し、回収率や運転圧力も
運転開始時と同等であった。
【0039】<比較例>温度25℃、濃度500mg/
lの硫酸ナトリウム水溶液を0.35MPaで供給した
ときの硫酸イオン除去率が97.5%、膜透過流束が0.
90m3/m2/dであるNF膜を用いた以外は実施例1
と同様の造水装置を構成した。
【0040】この造水装置に、濃度3.5重量%の海水
を濾過装置でFI値=2.2とした後に通水し、表1に
示すような運転条件、すなわちNF膜モジュールにおけ
る運転圧力が1.7MPa、回収率が80%となるよう
に運転したところ、カルシウムイオン除去率が50%の
NF膜モジュール透過水が得られた。そして、この透過
水を高圧ポンプで6.8MPaに昇圧して逆浸透膜モジ
ュールに供給したところ、逆浸透膜モジュールでの回収
率は70%、透過水質は125mg/l、また造水装置
全体としての回収率は56%であった。
【0041】このような運転を1000時間連続して行
おうとしたが、運転開始直後からNF膜モジュールの濃
縮水側にCaSO4スケール析出が確認されたため、N
F膜モジュールユニットの回収率を65%に下げて運転
を継続した。そして、1000時間経過した後の造水装
置全体の回収率は45.5%にまで低下し、透過水質も
160mg/lにまで悪化した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明は、硫酸イオン除去率が少なくと
も90%であるナノフィルトレーション膜(NF膜)を
用いたNF膜モジュールに海水を供給し、そのNF膜モ
ジュールを、回収率が80%以上、カルシウムイオン除
去率が35%以下、濃縮水のカルシウムイオン濃度が9
65mg/l以下となるように運転し、得られた透過水
を昇圧して逆浸透膜モジュールで処理して淡水を得るの
で、NF膜モジュール濃縮水側のカルシウムイオン濃度
を容易に上昇させず、スケール発生を防ぐことができ、
長期間に亘って高回収率で安定した造水を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す造水装置のフロー図
である。
【図2】本発明の他の実施態様を示す造水装置のフロー
図である。
【図3】本発明のさらに別の実施態様を示す造水装置の
フロー図である。
【図4】NF膜モジュールの透過水回収率と濃縮水側の
カルシウムイオン濃度との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 :海水 10:濾過装置 20:昇圧ポンプ 30:NF膜モジュール 31:NF膜透過水 32:NF膜濃縮水 40:高圧ポンプ 50:逆浸透膜(RO膜)モジュールユニット 50a〜e:逆浸透膜(RO膜)モジュールユニット 51:逆浸透膜透過水 52:逆浸透膜濃縮水 60:ターボチャージャー 71:透過水 72:濃縮水 80:ポンプ 90:逆浸透膜モジュール 91:透過水 92:濃縮水
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 GA07 HA01 HA21 HA41 HA61 KA12 KA52 KA55 KA68 KE07Q KE07R KE12Q KE12R MA01 MA02 MA03 MA04 MB02 MC54X MC57X PA01 PB03 PB27 PB28 PC11 PC80

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸イオン除去率が少なくとも90%であ
    るナノフィルトレーション膜(NF膜)を用いたNF膜
    モジュールに海水を供給し、そのNF膜モジュールを、
    回収率が80%以上、カルシウムイオン除去率が35%
    以下、濃縮水のカルシウムイオン濃度が965mg/l
    以下となるように運転し、得られた透過水を昇圧して逆
    浸透膜モジュールで処理して淡水を得ることを特徴とす
    る造水方法。
  2. 【請求項2】回収率が60%以上である、請求項1に記
    載の造水方法。
  3. 【請求項3】NF膜モジュールに、海水を1.5MPa
    以下の圧力で供給する、請求項1または2に記載の造水
    方法。
  4. 【請求項4】逆浸透膜モジュールに、NF膜モジュール
    の透過水を4MPa以上の圧力で供給する、請求項1〜
    3のいずれかに記載の造水方法。
  5. 【請求項5】FI値が4以下である海水を処理する、請
    求項1〜4のいずれかに記載の造水方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の造水方法
    により得られた水。
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