JP7020512B2 - 膜分離装置および濃縮方法 - Google Patents

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Description

本発明は、膜分離装置および濃縮方法に関する。
逆浸透(RO)法を用いた淡水化処理に必要なエネルギーを低下させること等を目的として、半透膜モジュール1a,1x,1yの第1室11に高圧の対象液を流し、第2室12に低圧の対象液を流して、第1室11内の対象液に含まれる水を半透膜10を介して第2室12内の対象液に移行させることで、第1室11から濃縮された対象液(濃縮液)を排出し、第2室12から希釈された対象液(希釈液)を排出する膜分離方法(ブラインコンセントレーション)が検討されている(図3参照)。
例えば、特許文献1(国際公開第2018/084246号)、特許文献2(特開2019-188330号公報)、特許文献3(特表2018-515340号公報)には、複数の半透膜モジュールが直列的に連結されてなる多段式の膜分離装置をブラインコンセントレーション(BC)に用いることが開示されている。
国際公開第2018/084246号 特開2019-188330号公報 特表2018-515340号公報
このように、複数の半透膜モジュールを含む多段式の膜分離装置を用いて、ブラインコンセントレーション(BC)により、対象液から水を分離して濃縮する場合、分離された水を含む希釈液が複数の半透膜モジュール1a,1x,1yの第2室12を通過するため、希釈液の通液抵抗は半透膜モジュールの数に応じて大きくなる。
ここで、第1室11を流れて濃縮される液は、高圧ポンプ2等により加圧されているため、複数の半透膜モジュールの第1室11を必要な流量で通過することができるが、第2室12を流れて希釈される液の通液抵抗が大きくなると、複数の半透膜モジュールの第2室12を必要な流量で通過させるために第2室12の供給圧力を高める必要が生じる。第2室12の供給圧力を高くすると、第1室11と第2室12の圧力差が小さくなり、対象液の膜分離効率が低下し、対象液を所望の程度に濃縮することができなくなる虞がある。また、第2室12内の流量を上げるためにブースターポンプ3を増設することも考えられるが、対象液の濃縮に必要なエネルギーコストが増加するといった問題がある。
なお、特許文献1の比較形態1および図3並びに比較形態2および図4には、それぞれ膜分離装置を構成する半透膜モジュールの第2室から流出する希釈液を他の半透膜モジュールの第2室には流入させない形態が示されている。この場合は、希釈側の液が1つの半透膜モジュールの第2室を通過するだけであり、複数の第2室を通過する場合に比べて、通液抵抗は小さくなる。しかし、複数の第2室を通過する場合よりも、多くの量の液を第2室に供給する必要があり、所定の濃縮液を得るための全体的な効率の低下が懸念される。
したがって、本発明は、複数の半透膜モジュールを含む多段式の膜分離装置を用いて、ブラインコンセントレーション(BC)により、第1対象液から水を分離して濃縮する際に、分離された水を含む第2対象液(希釈される液)の通液抵抗を低減することで、設備費用、エネルギー消費量等を削減することを目的とする。
[1] 3つ以上の半透膜モジュールを含む多段式の膜分離装置であって、
前記半透膜モジュールは、半透膜と、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室と、を有し、
前記半透膜モジュールの全ての前記第1室が直列的に接続されてなる濃縮流路と、
前記半透膜モジュールの一部である第1モジュール群の前記第2室が直列的に接続されてなる第1希釈流路と、
前記半透膜モジュールの他の一部である第2モジュール群の前記第2室が直列的に接続されてなる第2希釈流路と、を備え、
前記濃縮流路に第1対象液が流され、
前記第1希釈流路と前記第2希釈流路とに第2対象液が流され、
前記第1対象液が前記第2対象液より高い圧力を有することにより、前記半透膜モジュールの各々において、前記第1室内の前記第1対象液に含まれる水が前記半透膜を介して前記第2室内の前記第2対象液に移行し、前記第1室から濃縮液が排出され、前記第2室から希釈液が排出される、
膜分離装置。
[2] 前記第1モジュール群は、前記濃縮流路の下流側から奇数段目の半透膜モジュールからなり、
前記第2モジュール群は、前記濃縮流路の下流側から偶数段目の半透膜モジュールからなる、[1]に記載の膜分離装置。
[3] 前記濃縮流路の下流側から1段目の半透膜モジュールである最終モジュールの第1室から排出される濃縮液の一部を、前記最終モジュールの前記第2室と、前記濃縮流路の下流側から2段目の半透膜モジュールである最終前段モジュールの前記第2室と、に分割して流入させるための流路を備える、[2]に記載の膜分離装置。
[4] 前記濃縮流路の下流側から1段目の半透膜モジュールである最終モジュールの第1室から排出される濃縮液の一部を、前記最終モジュールの前記第2室に流入させるための流路、および、
前記濃縮流路の下流側から2段目の半透膜モジュールである最終前段モジュールの前記第1室から排出される濃縮液の一部を、前記最終前段モジュールの前記第2室に流入させるための流路を備える、[2]に記載の膜分離装置。
[5] 前記第1対象液を前記第2対象液よりも高い圧力に加圧するための加圧器具を備える、[1]~[4]のいずれかに記載の膜分離装置。
[6] 前記半透膜は、中空糸膜である、[1]~[5]のいずれかに記載の膜分離装置。
[7] 前記半透膜モジュールの各々において、前記第1室は前記中空糸膜の外側であり、前記第2室は前記中空糸膜の内側である、[6]に記載の膜分離装置。
[8] 前記半透膜モジュールの少なくともいずれかに対して、1つ以上の別の半透膜モジュールが並列的に接続されている、[1]~[7]のいずれかに記載の膜分離装置。
[9] 3つ以上の半透膜モジュールを含む多段式の膜分離装置を用いる濃縮方法であって、
前記半透膜モジュールは、半透膜と、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室と、を有し、
前記膜分離装置は、
前記半透膜モジュールの全ての前記第1室が直列的に接続されてなる濃縮流路と、
前記半透膜モジュールの一部である第1モジュール群の前記第2室が直列的に接続されてなる第1希釈流路と、
前記半透膜モジュールの他の一部である第2モジュール群の前記第2室が直列的に接続されてなる第2希釈流路と、を備え、
前記濃縮流路に第1対象液が流され、
前記第1希釈流路と前記第2希釈流路とに第2対象液が流され、
前記第1対象液が前記第2対象液より高い圧力を有することにより、前記半透膜モジュールの各々において、前記第1室内の前記第1対象液に含まれる水が前記半透膜を介して前記第2室内の前記第2対象液に移行し、前記第1室から濃縮液が排出され、前記第2室から希釈液が排出される、
濃縮方法。
本発明によれば、複数の半透膜モジュールを含む多段式の膜分離装置を用いて、ブラインコンセントレーション(BC)により、第1対象液から水を分離して濃縮する際に、分離された水を含む第2対象液(希釈される液)の通液抵抗を低減することで、設備費用、エネルギー消費量等を削減することができる。
実施形態の膜分離装置の一例を示す模式図である。 図1に示される膜分離装置の変形例を示す模式図である。 従来の膜分離装置の一例を示す模式図である。 従来の膜分離装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表す。
<膜分離装置>
図1を参照して、本実施形態の膜分離装置は、3つ以上の半透膜モジュール1a,1b,1x,1yを含む多段式の膜分離装置である。なお、図1においては、4つの半透膜モジュールが描かれているが、途中の半透膜モジュールは省略されており、膜分離装置はさらに多くに半透膜モジュールを含んでいてもよい。
半透膜モジュール1a,1b,1x,1yの各々は、半透膜10と、半透膜10で仕切られた第1室11および第2室12と、を有する。
本実施形態の膜分離装置は、
半透膜モジュール1a,1b,1x,1yの全ての第1室11が直列的に接続されてなる濃縮流路と、
半透膜モジュール1a,1b,1x,1yの一部(半透膜モジュール1a,1x)である第1モジュール群101の第2室12が直列的に接続されてなる第1希釈流路と、
半透膜モジュール1a,1b,1x,1yの他の一部(半透膜モジュール1b,1y)である第2モジュール群102の第2室12が直列的に接続されてなる第2希釈流路と、を備える。
すなわち、濃縮流路は、第1室11、および、それらを接続する流路からなる。また、第1希釈流路は、第1モジュール群101の第2室12、および、それらを接続する流路からなる。また、第2希釈流路は、第2モジュール群102の第2室12、および、それらを接続する流路からなる。
第1希釈流路と第2希釈流路とは各々独立の流路であるが、第1希釈流路と第2希釈流路とは並列的に接続されていることが好ましい。
なお、本実施形態の膜分離装置は、少なくとも上記の第1希釈流路および第2希釈流路を備えていればよく、第1希釈流路および第2希釈流路とは別に、第2対象液が流れる少なくとも1つの希釈流路を備えていてもよい。すなわち、本実施形態の膜分離装置は、2以上つの独立の希釈流路(第2対象液の流路)を備えていればよい。
濃縮流路には、第1対象液が流される。すなわち、第1対象液は、半透膜モジュール1a,1b,1x,1yの各々の第1室11を半透膜モジュール1yから半透膜モジュール1aの方向に順に流れる。
第1希釈流路と第2希釈流路とには、第2対象液が流される。すなわち、第2対象液は、第1モジュール群101の各々の第2室12を半透膜モジュール1aから半透膜モジュール1xの方向に順に流れ、それと並行して、第2モジュール群102の各々の第2室12を半透膜モジュール1bから半透膜モジュール1yの方向に順に流れる。
第1対象液は、第2対象液より高い圧力を有する。すなわち、全ての半透膜モジュールの各々において、第1室11内の液(第1対象液)は、第2室12内の液(第2対象液)よりも高い圧力を有している。
なお、第1対象液は、加圧器具等により昇圧される。加圧器具としては、例えば、第1対象液を加圧しつつ第1室に送り込むことのできる高圧ポンプ2などが挙げられる。なお、加圧器具は、例えば、ポンプとは別に、半透膜モジュールの外部から第1室11内の液を加圧する器具であってもよい。
第1対象液が第2対象液より高い圧力を有することにより、半透膜モジュール1a,1b,1x,1yの各々において、第1室11内の第1対象液に含まれる水が半透膜10を介して第2室内の第2対象液に移行し、第1室から濃縮液が排出され、第2室から希釈液が排出される。
対象液(第1対象液および第2対象液)としては、特に限定されないが、例えば、塩水(ブライン、海水、かん水など)、工業排水などが挙げられる。上記の膜分離装置は、特に、対象液がブラインなどの高濃度(高浸透圧)の溶液である場合に、それをさらに濃縮するために好適に用いることができる。
なお、対象液(第1対象液および第2対象液)に対して、溶液中に含まれる微粒子、微生物、スケール成分等を除去するための前処理を行ってもよい。前処理としては、海水淡水化技術等に用いられる種々公知の前処理を実施することができ、例えば、NF膜、UF膜、MF膜等を用いたろ過、次亜塩素酸ナトリウムの添加、凝集剤添加、活性炭吸着処理、イオン交換樹脂処理などが挙げられる。このような前処理は、対象液を半透膜モジュールに供給する前に実施されることが好ましい。
第1室11(高圧側)に流される第1対象液(濃縮される液)と第2室12(低圧側)に流される第2対象液(希釈される液)との浸透圧差(絶対値)が第1対象液の圧力よりも小さければ、理論上、BCによる膜分離は実施可能である。この場合、第1対象液の浸透圧と第2対象液の浸透圧との差は、第1対象液の圧力の30%以下であることが好ましい。
本実施形態のBC法を用いた膜分離装置(膜分離処理)では、ポンプと反対方向に働く正浸透力が生じ難いため、逆浸透(RO)法よりもポンプの圧力が低くても濃縮が進行する。このため、高価な高圧ポンプを用いる必要がなく、逆浸透処理ほど処理設備の耐圧性を高める必要もないため、設備投資のコストを削減することができる。また、所定倍率の濃縮を行うのに必要な圧力がRO法よりも低下するため、ポンプの電力消費量を低減させ、濃縮のエネルギー効率を高めることができる。
また、RO法による濃縮では、半透膜の一方側で濃縮された対象液の浸透圧(この浸透圧と、RO膜を透過した半透膜の他方側の水の浸透圧との浸透圧差)による正浸透力が、ポンプによる押圧力とは反対方向に生じる。このため、濃縮された対象液の浸透圧がポンプの圧力に達すると、ポンプによる押圧力と、それとは反対方向に働く正浸透力が拮抗し、それ以上は水が半透膜を透過せず、濃縮が進まなくなる。このため、RO膜で濃縮された対象液を再度、RO膜に循環させたとしても、対象液の濃縮率をさらに高めることはできなかった。
これに対して、BC法を用いた膜分離処理(濃縮方法)では、半透膜モジュールの各々において、第1室11と第2室12とに供給される液の濃度差(浸透圧差)がRO法に比べて小さいため、浸透圧差による正浸透力が生じ難い。このため、RO法よりも、濃縮された対象液の最終濃度を高めることができ、原理的には、対象液を飽和濃度まで濃縮できると考えられる。
そして、上述のとおり、本実施形態の膜分離装置においては、第2対象液は、第1希釈流路(第1モジュール群101の第2室12)と第2希釈流路(第2モジュール群102の第2室12)とを含む少なくとも2つの流路を流れる。このため、全体の処理量が同じである場合、本実施形態の膜分離装置では、図3に示されるように複数の半透膜モジュール1a,1x,1yの全ての第2室12が直列的に接続された従来の膜分離装置に比べて、第1希釈流路および第2希釈流路の各々においては、流量が減少し、流路長も減少する。ここで、通液抵抗(圧力損失)は、流速に比例し、流路長に比例するため、本実施形態の膜分離装置では、従来の膜分離装置よりも第2対象液の通液抵抗が低減する。したがって、図4に示される膜分離装置に用いられているようなブースターポンプ3を必要とせずに、第2対象液の通液抵抗を低減することができ、設備費用、エネルギー消費量等を削減することができる。
本実施形態の膜分離装置においては、図1に示されるように、第1モジュール群101は、濃縮流路の下流側(第1対象液の流れの下流側)から奇数段目の半透膜モジュール1a,1xからなり、第2モジュール群102は、濃縮流路の下流側から偶数段目の半透膜モジュール1b,1yからなることが好ましい。
この場合、本実施形態の膜分離装置では、図3に示されるように複数の半透膜モジュール1a,1x,1yの全ての第2室12が直列的に接続された従来の膜分離装置に比べて、第1希釈流路および第2希釈流路の各々において、流量はほぼ半減し、流路長もほぼ半減する。したがって、本実施形態の膜分離装置では、従来の膜分離装置に比べて、第2対象液の通液抵抗が約4分の1に低減される。
また、第1モジュール群101が奇数段目の半透膜モジュール1a,1xからなり、第2モジュール群102が偶数段目の半透膜モジュール1b,1yからなることにより、第1希釈流路または第2希釈流路において徐々に希釈される第2対象液と、濃縮流路において徐々に濃縮される第1対象液との間で、各々の半透膜モジュールにおける濃度(浸透圧)差が低減され、一部の半透膜モジュールで濃度差が増大して膜分離効率が低下することが抑制される。
例えば、第1モジュール群が濃縮流路の下流側の半分の半透膜モジュールであり、第2モジュール群が濃縮流路の上流側の半分の半透膜モジュールであるような場合、第1モジュール群においては、第2対象液の流量が分割に伴い少量となることから、第1対象液から半透膜を介して流入する透過水により第2対象液の濃度は著しく低下する。このため第1対象液の濃度が第2対象液よりも高くなり、両者の濃度差が大きくなると、濃縮とは逆方向の浸透圧により、所望の濃縮度が得られなくなる可能性がある。一方、第2モジュール群においては、第1モジュール群で所望の濃縮度が得られない場合、第2対象液が透過水により希釈された場合に濃度が不足し、やはり所望の濃縮度が得られない可能性あると考えられる。このように、膜分離装置全体として効率的な膜分離処理を行うことができなくなる可能性がある。
これに対して、第1モジュール群が奇数段目の半透膜モジュールからなり、第2モジュール群が偶数段目の半透膜モジュールからなることにより、膜分離装置全体として効率的な膜分離処理を行うことができる。
膜分離装置は、濃縮流路の下流側から1段目の半透膜モジュール(最終モジュール)1aの第1室11から排出される濃縮液の一部を、最終モジュール1aの第2室12と、濃縮流路の下流側から2段目の半透膜モジュール(最終前段モジュール)1bの第2室12と、に分割して流入させるための流路を備えることが好ましい(図1参照)。
図1に示される膜分離装置においては、このような流路により、最終モジュール1aの第1室11から排出される濃縮液の一部は、第2対象液として、第1モジュール群101の半透膜モジュール1a,1xの各々の第2室12を順に流れ、それと並行して、第2モジュール群102の半透膜モジュール1b,1yの各々の第2室12を順に流れる。
なお、図1に示される膜分離装置では、高圧の第1対象液(濃縮液)の流路の分岐部が1つでよい。このため、高圧用の流量計41は1箇所に設ければよい。一方、後述する図2に示される膜分離装置(変形例)では、流量制御のために高圧用の流量計41を2箇所に設ける必要があるが、高い耐圧性(例えば、3MPa程度)が求められる流量計は比較的高価である。したがって、図1に示される膜分離装置の方が、設備費用を削減することができる。
また、図1においては、半透膜モジュール1xの第2室12の出口側に流量計42aが設けられ、半透膜モジュール1yの第2室12の出口側に流量計42bが設けられている。これにより、第1希釈流路(第1モジュール群)と第2希釈流路(第2モジュール群)との間の流量比を調節および管理することができる。これらの流量計では、特に高い耐圧性は必要ない(例えば、0.3MPa程度)。
図2は、図1に示される膜分離装置の変形例を示す模式図である。図2に示される膜分離装置は、濃縮流路の下流側から1段目の半透膜モジュール(最終モジュール)1aの第1室11から排出される濃縮液の一部を、最終モジュール1aの第2室12に流入させるための流路、および、濃縮流路の下流側から2段目の半透膜モジュール(最終前段モジュール)1bの第1室11から排出される濃縮液の一部を、最終前段モジュール1bの第2室に流入させるための流路を備えている。
図2に示される膜分離装置においては、このような流路により、最終モジュール1aの第1室11から排出される濃縮液の一部は、第2対象液として、第1モジュール群101の半透膜モジュール1a,1xの各々の第2室12を順に流れる。また、最終前段モジュール1bの第1室11から排出される濃縮液の一部は、第2対象液として、第2モジュール群102のうち半透膜モジュール1b,1yの各々の第2室12を順に流れる。
この場合、図1に示される膜分離装置に比べて、最終モジュール1aの第1室11から排出される濃縮液を第2対象液として最終前段モジュール1bの第2室12に供給するための流路に相当する流路が省略されるため、配管の量を低減することができ、配管が複雑になることが抑制されるため、配管等の設備費用を削減することができる。
なお、図1および図2に示される半透膜モジュールの各々においては、対象液は第1室11と第2室12とで逆方向に流されている。ただし、このような対向流方式に限定されず、対象液が第1室11と第2室12とで同方向に流される並行流方式であってもよい。
また、特許文献1(国際公開第2018/084246号)の図2および特許文献2(特開2019-188330号公報)の図4に示される多段式の膜分離装置のように、直列的に連結された複数の半透膜モジュール1a,1b,1x,1yの各々に対して、さらに1つ以上の別の半透膜モジュールが並列的に接続されていてもよい。
なお、特許文献1の図2および特許文献2の図4に示されるように、濃縮側(第1室)の流れの上流側(希釈側(第2室)の流れの下流側)ほど並列的に接続された半透膜モジュールの数が多いことが好ましい。この場合、第2室の下流側は、流路の断面積が増加し、通液抵抗が低減されると考えられる。第2室には第1室から半透膜を介して水が移行するため、第2室の流れの下流側ほど、通液量が増え、通液抵抗が大きくなる傾向がある。このため、第2室の下流側で通液抵抗を低減することは、膜分離装置の全体において第2室の通液抵抗を低減する上で有効である。
ただし、この場合は、並列的に接続された半透膜モジュールの数を増すことによって流路の断面積を増やし、通液抵抗を下げている。このため、本発明のように第1希釈流路と第2希釈流路とに分けて第2対象液を流す場合と同様の通液抵抗の低減効果を得るためには、膜分離装置当りの第2室側の通液量が等しい場合、本発明の4倍の数の半透膜モジュールが必要となる。したがって、通液抵抗の低減の目的のためだけに、並列的に接続された半透膜モジュールの数を増加することは経済的に得策とは言えず、本発明のように第1希釈流路と第2希釈流路とに分けて第2対象液を流すことが得策である。
なお、図1および図2に示されるような多段式の膜分離装置では、第1室11を流れる第1対象液は半透膜モジュール1yから最終モジュール1aにかけて順次濃縮され、濃縮が進むにつれて第1対象液の流量は減少する。各半透膜モジュール当りの流量が減少すると濃縮効率が低下してしまう。このような第1室11の流れの下流側での第1対象液の流量減少を抑制するためにも、第1室11の流れの上流側ほど並列的に接続された半透膜モジュールの数が多いこと、言い換えれば、第1室11の流れの下流側ほど並列的に接続された半透膜モジュールの数が少ないことが好ましい。
最終モジュール1aの第1室11内から排出された対象液を最終モジュール1aの第2室12に供給するための流路には、液の圧力を低下させる機構(図示せず)が設けられていることが好ましい。このような機構としては、自動調節バルブのように、上流側の圧力を高く保ち下流側の圧力を低下させる装置や、エネルギー回収装置のように圧力を有する供給液体から回収したエネルギーを高圧ポンプ2等の駆動エネルギー補助に変換する機構を有する装置が挙げられる。
なお、半透膜モジュールにおいて、半透膜としては、例えば、逆浸透膜(RO膜:Reverse Osmosis Membrane)、正浸透膜(FO膜:Forward Osmosis Membrane)、ナノろ過膜(NF膜:Nanofiltration Membrane)、限外ろ過膜(UF膜:Ultrafiltration Membrane)と呼ばれる半透膜が挙げられる。半透膜は、好ましくは逆浸透膜または正浸透膜、ナノろ過膜である。なお、半透膜として逆浸透膜または正浸透膜、ナノろ過膜を用いる場合、第1室内の液(第1対象液)の圧力は、好ましくは0.5~10.0MPaである。
通常、RO膜およびFO膜の孔径は約2nm以下であり、UF膜の孔径は約2~100nmである。NF膜は、RO膜のうちイオンや塩類の阻止率が比較的低いものであり、通常、NF膜の孔径は約1~2nmである。半透膜としてRO膜またはFO膜、NF膜を用いる場合、RO膜またはFO膜、NF膜の塩除去率は好ましくは90%以上である。
半透膜を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。半透膜は、セルロース系樹脂およびポリスルホン系樹脂の少なくともいずれかを含む材料から構成されることが好ましい。
セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロース系樹脂である。酢酸セルロース系樹脂は、殺菌剤である塩素に対する耐性があり、微生物の増殖を抑制できる特徴を有している。酢酸セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロースであり、耐久性の点から、より好ましくは三酢酸セルロースである。
ポリスルホン系樹脂は、好ましくはポリエーテルスルホン系樹脂である。ポリエーテルスルホン系樹脂は、好ましくはスルホン化ポリエーテルスルホンである。
なお、図面においては、半透膜モジュールの半透膜10は、簡略化のために平膜のように描かれているが、半透膜の形状は特に限定されない。半透膜10は、例えば、スパイラル膜(スパイラル型半透膜)などの平膜であってもよく、中空糸膜(中空糸型半透膜)であってもよいが、好ましくは中空糸膜である。中空糸膜は、平膜に比べて、膜厚が小さく、さらにモジュール当たりの膜面積を大きくすることができ、浸透効率を高めることができる点で有利である。
複数の半透膜モジュールの各々において、第1室11は中空糸膜の外側であり、第2室12は中空糸膜の内側(中空部)であることが好ましい。中空糸膜の内側を流れる溶液を加圧しても、圧力損失が大きくなり加圧が十分に行われ難い場合があり、また、一般的に中空糸膜は外圧に対してその構造を保持しやすいが、内圧が高くなると中空糸膜が破裂する可能性があるからである。
このように、第2室が中空糸膜の内側である場合、中空糸膜の内部は容積(断面積)が小さいため、第2室を流れる第2対象液(希釈される液)の通液抵抗が特に高くなりやすい。したがって、特に第2室が中空糸膜の内側である場合において、上記のように第2対象液を第1希釈流路(第1モジュール群101)と第第2希釈流路(第2モジュール群102)とに分けて流すことで、第2対象液の通液抵抗を低減することが有効である。
具体的な中空糸膜の一例としては、全体がセルロース系樹脂から構成されている単層構造の膜が挙げられる。ただし、ここでいう単層構造とは、層全体が均一な膜である必要はなく、例えば、厚み方向に不均一な膜であってもよい。具体的には、外周表面に緻密層を有し、この緻密層が実質的に中空糸膜の孔径を規定する分離活性層となっており、内周表面側は緻密層よりも密度が低いような膜であってもよい。緻密層は、実質的に中空糸膜の孔径を規定する分離活性層となるため、中空糸膜の外側の溶液が加圧される場合は、中空糸膜の外側表面に緻密層を有している方が、中空糸膜の外側から内側への分子の移動を正確に制御することができる。
具体的な中空糸膜の別の例としては、支持層(例えば、ポリフェニレンオキサイドからなる層)の外周表面にポリフェニレン系樹脂(例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン)からなる緻密層を有する2層構造の膜が挙げられる。また、他の例として、支持層(例えば、ポリスルホンまたはポリエーテルスルホンからなる層)の外周表面にポリアミド系樹脂からなる緻密層を有する2層構造の膜が挙げられる。
<濃縮方法>
本実施形態は、上記の膜分離装置を用いる濃縮方法にも関する。
本実施形態の濃縮方法は、3つ以上の半透膜モジュールを含む多段式の膜分離装置を用いる。
半透膜モジュールは、半透膜と、半透膜で仕切られた第1室および第2室と、を有する。
膜分離装置は、半透膜モジュールの全ての第1室が直列的に接続されてなる濃縮流路と、半透膜モジュールの一部である第1モジュール群の第2室が直列的に接続されてなる第1希釈流路と、半透膜モジュールの他の一部である第2モジュール群の第2室が直列的に接続されてなる第2希釈流路と、を備える。
そして、濃縮流路に第1対象液が流され、第1希釈流路と第2希釈流路とに第2対象液が流される。
第1対象液が第2対象液より高い圧力を有することにより、半透膜モジュールの各々において、第1室内の第1対象液に含まれる水が半透膜を介して第2室内の第2対象液に移行し、第1室から濃縮液が排出され、第2室から希釈液が排出される。
このようにして、第1対象液が濃縮される。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の膜分離装置は、基本的に図1に示されるような膜分離装置であり、10個の半透膜モジュールが連結されている。
なお、半透膜は、三酢酸セルロース製中空糸膜であり、半透膜モジュールは、東洋紡株式会社製の中空糸膜モジュール(型番:FB5255S3SI)であり、円筒形状を有し、全長は904mmであり、中空糸膜が収容された容器の軸方向の中間部(軸方向端部付近の外径が大きい部分以外の部分)の外径は157mmである。以下の実施例および比較例においても同様の半透膜モジュールを用いた。
この膜分離装置において、濃縮流路の最も上流側の半透膜モジュール1yの第1室11に、塩化ナトリウム66g/Lが溶解した40℃の水溶液を第1対象液として、圧力6.5MPa、流量2.1L/minで供給した。
濃縮流路の最も下流側(上流側から10段目)の半透膜モジュール(最終モジュール)1aの第1室11から排出される濃縮液(濃縮された第1対象液)の一部を流量0.40L/minで分岐流路(流量計41が設けられた流路)に流し、その一部の濃縮液(0.40L/min)をさらに分岐流路によって0.20mL/minずつに2分割し、一方を最終モジュール1aの第2室12に供給して第1希釈流路(第1モジュール群101)を通過させ、残りの一方を最終前段モジュール1b(濃縮流路の上流側から9段目の半透膜モジュール)の第2室12に供給して第2希釈流路(第2モジュール群102)を通過させた。
このとき、半透膜モジュール1yの第1室11に供給される前の第1対象液の総塩分量(供給流量と供給塩分濃度の積)に対して、最終モジュール1a(第10段目)および最終前段モジュール1b(第9段目)の第2室12に供給された塩分量の合計の比率は、64質量%であった。
その結果、実施例1において、第1モジュール群101の各々の第2室12を最終モジュール1aから半透膜モジュール1xの方向に順番に通過するための通液抵抗は、0.59MPaであった。なお、通液抵抗は、第1希釈流路(最終モジュール1aの第2室12)の入口に設けたブルドン管式圧力計によって測定した(以下、同様)。
また、第2モジュール群102の各々の第2室12を最終前段モジュール1bから半透膜モジュール1yの方向に順番に通過するための通液抵抗は、0.71MPaであった。
また、最終モジュール1aの第1室11から排出された濃縮液の塩分濃度は226g/Lであった。なお、塩分の濃度は屈折率計により測定した(以下、同様)。
(実施例2)
実施例2の膜分離装置は、基本的に図2に示されるような膜分離装置であり、10個の半透膜モジュールが連結されている。
この膜分離装置において、実施例1と同様に、濃縮流路の最も上流側の半透膜モジュール1yの第1室11に、塩化ナトリウム66g/Lが溶解した40℃の水溶液を第1対象液として、圧力6.5MPa、流量2.1L/minで供給した。
最終前段モジュール1b(第9段目)の第1室11から排出される濃縮液の一部を、第1対象液の総塩分量の32質量%に相当する0.23L/minの流量で、分岐流路(流量計41bが設けられた流路)を介して最終前段モジュール1bの第2室12に供給し、第2希釈流路(第2モジュール群102)を通過させた。
また、最終モジュール1a(第10段目)の第1室11から排出される濃縮液の一部を、第1対象液の総塩分量の32質量%に相当する0.20L/minの流量で、分岐流路(流量計41aが設けられた流路)を介して最終モジュール1aの第2室12に供給し、第1希釈流路(第1モジュール群101)を通過させた。
このとき、最終モジュール1a(第10段目)および最終前段モジュール1b(第9段目)の第2室12に供給された塩分量の合計の比率は、実施例1と同様に、第1対象液の総塩分量に対して64質量%であった。
その結果、第1モジュール群101の各々の第2室12を最終モジュール1aから半透膜モジュール1xの方向に順番に通過するための通液抵抗は、0.59MPaであった。
また、第2モジュール群102の各々の第2室12を最終前段モジュール1bから半透膜モジュール1yの方向に順番に通過するための通液抵抗は、0.71MPaであった。
また、最終モジュール1aの第1室11から排出された濃縮液の塩分濃度は226g/Lであった。
(比較例1)
比較例1の膜分離装置は、基本的に図3に示されるような膜分離装置であり、10個の半透膜モジュールが連結されている。
この膜分離装置において、実施例1と同様に、濃縮流路の最も上流側の半透膜モジュール1yの第1室11に、塩化ナトリウム66g/Lが溶解した40℃の水溶液を第1対象液として、圧力6.5MPa、流量2.1L/minで供給した。
最終モジュール1a(第10段目)の第1室11から排出される濃縮液の一部(流量0.47L/min)を最終モジュール1aの第2室12に供給し、半透膜モジュール1a,1x,1yの各々の第2室12を順に通過させた。なお、流量0.47L/minは、実施例1と同様に第1対象液の総塩分量の64質量%が第2室を流れるように調整された流量である。
その結果、第2対象液を半透膜モジュール1a,1x,1yの各々の第2室12に順に通過させる際の通液抵抗は、2.45MPaであった。
また、最終モジュール1aの第1室11から排出された濃縮液の塩分濃度は191g/Lであり、実施例1および実施例2に比べて低くなった。これは、実施例1および実施例2に比べて、比較例1では第2室12の平均的な圧力が高くなったため、半透膜10を介して第1室11から第2室12に水を移行させるための圧力差が小さくなり、第1対象液の濃縮率が低下したためであると考えられる。
(比較例2)
比較例2の膜分離装置は、基本的に図4に示されるような膜分離装置であり、10個の半透膜モジュールが連結されている。なお、比較例2では、濃縮流路の上流側から3段目の半透膜モジュールの第2室と、4段目の半透膜モジュールの第2室との間にブースターポンプ3が設けられている。
この膜分離装置において、実施例1と同様に、濃縮流路の最も上流側の半透膜モジュール1yの第1室11に、塩化ナトリウム66g/Lが溶解した40℃の水溶液を第1対象液として、圧力6.5MPa、流量2.1L/minで供給した。
最終モジュール1a(第10段目)の第1室11から排出される濃縮液の一部(流量0.40L/min)を最終モジュール1aの第2室12に供給し、半透膜モジュール1a,1x,1yの各々の第2室12を順に通過させた。なお、流量0.40L/minは、実施例1と同様に第1対象液の総塩分量の64質量%が第2室を流れるように調整された流量である。
また、ブースターポンプ3を運転することで、濃縮流路の上流側から4段目の半透膜モジュールの第2室12の出口の圧力を大気圧まで低減するとともに、3段目の半透膜モジュールの第2室12から1段目の半透膜モジュール1yの第2室12までの送液を行った。
その結果、最終モジュール1aから、濃縮流路の上流側から4段目の半透膜モジュールまでの第2室12の各々に順に第2対象液を流す際の通液抵抗は、1.23MPaであった。また、濃縮流路の上流側から3段目の半透膜モジュールから、濃縮流路の上流側から1段目の半透膜モジュール1yまでの第2室12の各々に順に第2対象液を流す際の通液抵抗は、1.22MPaであった。
また、最終モジュール1aの第1室11から排出された濃縮液の塩分濃度は222g/Lであった。
比較例2において、ブースターポンプ3を運転することで、膜分離装置全体の第2室12の平均的な圧力は、比較例1に比べて低下したが、実施例1および実施例2における第2室12の平均的な圧力までには下がらなかった。このため、得られた濃縮液の塩分濃度は、実施例1および実施例2よりも若干少なくなったと考えられる。
なお、実施例1および実施例2と比較すると、比較例2の膜分離装置では、別途ポンプが必要となり、制御も複雑になるため、設備費用やエネルギー消費量の観点からは望ましくない。
1x,1y 半透膜モジュール、1a 半透膜モジュール(最終モジュール)、1b 半透膜モジュール(最終前段モジュール)、10 半透膜、11 第1室、12 第2室、101 第1モジュール群、102 第2モジュール群、2 高圧ポンプ、3 ブースターポンプ、41,41a,41b,42a,42b 流量計。

Claims (9)

  1. 3つ以上の半透膜モジュールを含む多段式の膜分離装置であって、
    前記半透膜モジュールは、半透膜と、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室と、を有し、
    前記半透膜モジュールの全ての前記第1室が直列的に接続されてなる濃縮流路と、
    前記半透膜モジュールの一部である第1モジュール群の前記第2室が直列的に接続されてなる第1希釈流路と、
    前記半透膜モジュールの他の一部である第2モジュール群の前記第2室が直列的に接続されてなる第2希釈流路と、を備え、
    前記濃縮流路に第1対象液が流され、
    前記第1希釈流路と前記第2希釈流路とに第2対象液が流され、
    前記第1対象液が前記第2対象液より高い圧力を有することにより、前記半透膜モジュールの各々において、前記第1室内の前記第1対象液に含まれる水が前記半透膜を介して前記第2室内の前記第2対象液に移行し、前記第1室から濃縮液が排出され、前記第2室から希釈液が排出される、
    膜分離装置。
  2. 前記第1モジュール群は、前記濃縮流路の下流側から奇数段目の半透膜モジュールからなり、
    前記第2モジュール群は、前記濃縮流路の下流側から偶数段目の半透膜モジュールからなる、
    請求項1に記載の膜分離装置。
  3. 前記濃縮流路の下流側から1段目の半透膜モジュールである最終モジュールの第1室から排出される濃縮液の一部を、前記最終モジュールの前記第2室と、前記濃縮流路の下流側から2段目の半透膜モジュールである最終前段モジュールの前記第2室と、に分割して流入させるための流路を備える、
    請求項2に記載の膜分離装置。
  4. 前記濃縮流路の下流側から1段目の半透膜モジュールである最終モジュールの第1室から排出される濃縮液の一部を、前記最終モジュールの前記第2室に流入させるための流路、および、
    前記濃縮流路の下流側から2段目の半透膜モジュールである最終前段モジュールの前記第1室から排出される濃縮液の一部を、前記最終前段モジュールの前記第2室に流入させるための流路を備える、
    請求項2に記載の膜分離装置。
  5. 前記第1対象液を前記第2対象液よりも高い圧力に加圧するための加圧器具を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の膜分離装置。
  6. 前記半透膜は、中空糸膜である、請求項1~5のいずれか1項に記載の膜分離装置。
  7. 前記半透膜モジュールの各々において、前記第1室は前記中空糸膜の外側であり、前記第2室は前記中空糸膜の内側である、請求項6に記載の膜分離装置。
  8. 前記半透膜モジュールの少なくともいずれかに対して、1つ以上の別の半透膜モジュールが並列的に接続されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の膜分離装置。
  9. 3つ以上の半透膜モジュールを含む多段式の膜分離装置を用いる濃縮方法であって、
    前記半透膜モジュールは、半透膜と、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室と、を有し、
    前記膜分離装置は、
    前記半透膜モジュールの全ての前記第1室が直列的に接続されてなる濃縮流路と、
    前記半透膜モジュールの一部である第1モジュール群の前記第2室が直列的に接続されてなる第1希釈流路と、
    前記半透膜モジュールの他の一部である第2モジュール群の前記第2室が直列的に接続されてなる第2希釈流路と、を備え、
    前記濃縮流路に第1対象液が流され、
    前記第1希釈流路と前記第2希釈流路とに第2対象液が流され、
    前記第1対象液が前記第2対象液より高い圧力を有することにより、前記半透膜モジュールの各々において、前記第1室内の前記第1対象液に含まれる水が前記半透膜を介して前記第2室内の前記第2対象液に移行し、前記第1室から濃縮液が排出され、前記第2室から希釈液が排出される、
    濃縮方法。
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