WO2023026815A1 - 正浸透処理方法および正浸透処理装置 - Google Patents

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Definitions

  • a draw solution (hereinafter sometimes abbreviated as "DS") having a higher osmotic pressure than a feed solution (hereinafter sometimes abbreviated as "FS”) is used.
  • DS draw solution
  • FS feed solution
  • the forward osmosis module when DS and FS are brought into contact via a semipermeable membrane, water moves from FS with low osmotic pressure to DS with high osmotic pressure. Fresh water can be recovered from the DS after passing through the forward osmosis module (that is, the DS in which water has been recovered from the FS) using various methods.
  • the forward osmosis treatment apparatus of the present embodiment includes a forward osmosis module (hollow fiber membrane module) 1 (see FIG. 2), and the outside of the hollow fiber membrane 10 (see FIG. 2) while pressurizing the feed solution (FS).
  • a high-pressure pump 31 for transferring to the first chamber) 11 and a pump 32 for transferring the draw solution (DS) to the inside (second chamber) 12 of the hollow fiber membrane 10 are provided.
  • the high-pressure pump 31 pressurizes the FS to make the pressure of the FS higher than the pressure of the DS.

Abstract

フィード溶液と、該フィード溶液よりも浸透圧が高いドロー溶液と、を半透膜を介して接触させることで、前記フィード溶液中に含まれる水を前記ドロー溶液中に移動させる、正浸透工程を含み、前記正浸透工程において、前記フィード溶液の圧力は前記ドロー溶液の圧力より高く、前記半透膜は中空糸膜であり、前記中空糸膜の内部に前記ドロー溶液を供給し、前記中空糸膜の外部に前記フィード溶液を供給する、正浸透処理方法。

Description

正浸透処理方法および正浸透処理装置
 本発明は、正浸透処理方法および正浸透処理装置に関する。
 海水、河川水または排水などの処理対象液(フィード溶液)から、正浸透現象を利用して真水を回収するための正浸透処理方法が知られている。正浸透(Forward Osmosis:以下、「FO」と略す場合がある)現象とは、低濃度の溶液中の水がより高濃度(高浸透圧)の溶液に向かって半透膜を透過して移動する現象のことである。
 正浸透処理では、フィード溶液(Feed Solution:以下、「FS」と略す場合がある)より高い浸透圧を有するドロー溶液(Draw Solution:以下、「DS」と略す場合がある)を用いられる。正浸透モジュール内において、半透膜を介してDSとFSとを接触させると、浸透圧の低いFSから浸透圧の高いDSへ水が移動する。そして、正浸透モジュールを通過した後のDS(すなわち、FS中から水を回収したDS)から、種々の手法を用いて真水を回収することができる。
 なお、例えば、特許文献1(米国特許公開第2017/0106340号公報)には、FSを約1~20bar(0.1~2Mpa)の圧力に加圧すること等により、正浸透装置の透過水量を増加させる方法(圧力アシスト正浸透:pressure-assisted)が開示されている。
米国特許公開第2017/0106340号公報
 FO等の膜分離における透過水量(水透過速度)Jwは、以下の式より求められ、FSとDSとの間での静水圧差(ΔP)と浸透圧差(Δπ)の両方の影響を受ける。
 
Jw=A×(ΔP-Δπ)
 
〔上記式中、A:透過係数、ΔP:圧力差(FSの静水圧-DSの静水圧)、Δπ:浸透圧差(FSの浸透圧-DSの浸透圧)〕
 したがって、FOにおける透過水量(膜分離効率)を向上させるためには、特許文献1に記載されるようにFSの静水圧を上げること、および、DSの浸透圧を上げることが考えられる。
 また、FOにおける透過水量を増加させるために、半透膜として、FOモジュールの容積当りの膜分離効率を高める利点を有する中空糸膜を用いることが考えられる。尚、中空糸膜は内部からの加圧に対して機械的強度が弱いため、中空糸膜を用いたFOモジュールにおいては、通常、加圧されるFSは中空糸膜の外部に流され、DSが中空糸膜の内部(中空部)に流される。
 しかし、浸透圧が十分に高いDSとしては温度応答性を示す水溶性高分子溶液などが知られており、粘度が高い傾向にある。そして、DSの粘度が高くなると、中空部に所定量のDSを流すために必要なDSの圧力が上昇するため、FSの圧力を上げてもFSとDSとの間の静水圧差(ΔP)が小さくなり、この静水圧差による水透過流速(Jw)の増加効果が抑制されてしまう。一方、低粘度の液体(NaCl溶液など)を用いてDSの浸透圧を上げるのには限界があり、低粘度のDSを用いる場合、FOにおける透過水量を従来よりも増加させることは難しかった。
 本発明は、透過水量(膜分離効率)を従来よりも向上させることのできる、正浸透処理方法および正浸透処理装置を提供することを目的とする。
 [1] フィード溶液と、該フィード溶液よりも浸透圧が高いドロー溶液と、を半透膜を介して接触させることで、前記フィード溶液中に含まれる水を前記ドロー溶液中に移動させる、正浸透工程を含み、
 前記正浸透工程において、前記フィード溶液の圧力は前記ドロー溶液の圧力より高く、
 前記半透膜は中空糸膜であり、
 前記中空糸膜の内部に前記ドロー溶液を供給し、前記中空糸膜の外部に前記フィード溶液を供給する、正浸透処理方法。
 [2] 前記フィード溶液と前記ドロー溶液との静水圧差は、2MPa超である、[1]に記載の正浸透処理方法。
 [3] 前記正浸透工程において、前記フィード溶液を加圧することにより、前記フィード溶液の圧力を前記ドロー溶液の圧力より高くする、[1]または[2]記載の正浸透処理方法。
 [4] 前記ドロー溶液の粘度は3mPa・s以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の正浸透処理方法。
 [5] 前記中空糸膜の内径は200μm以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の正浸透処理方法。
 [6] [1]~[5]のいずれかに記載の正浸透処理方法に用いられる正浸透処理装置であって、
 前記半透膜、ならびに、前記フィード溶液が供給される第1室、および、前記ドロー溶液が供給される第2室を有し、前記第1室と前記第2室とは前記半透膜で仕切られている、正浸透モジュールと、
 前記フィード溶液を加圧することにより、前記フィード溶液の圧力を前記ドロー溶液の圧力より高くするためのポンプと、を備え、
 前記半透膜は中空糸膜である、正浸透処理装置。
 本発明によれば、透過水量(膜分離効率)を従来よりも向上させることのできる、正浸透処理方法および正浸透処理装置を提供することができる。
実施形態の正浸透処理方法および正浸透処理装置を説明するための模式図である。 実施形態の正浸透処理方法および正浸透処理装置に用いられる正浸透モジュール(中空糸膜モジュール)の一例を示す断面模式図である。
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
 <正浸透処理装置>
 まず、本実施形態の正浸透処理方法に好適に用いることのできる加圧型の正浸透処理装置の一例について説明する。
 図1を参照して、本実施形態の正浸透処理装置は、正浸透モジュール(中空糸膜モジュール)1(図2参照)と、フィード溶液(FS)を加圧しつつ中空糸膜10の外部(第1室)11へ移送するための高圧ポンプ31と、ドロー溶液(DS)を中空糸膜10の内部(第2室)12へ移送するためのポンプ32と、を備える。高圧ポンプ31は、FSを加圧することにより、FSの圧力をDSの圧力より高くすることができる。
 〔正浸透モジュール:中空糸膜モジュール〕
 以下、図2を参照して、中空糸膜を用いた正浸透(FO)モジュール(中空糸膜モジュール)の1例について説明する。
 図2において、FOモジュール(中空糸膜モジュール)1は、1つの圧力容器100に、1つの中空糸膜エレメントが装填されたシングルエレメント型中空糸膜モジュールである。
 正浸透モジュール1は、半透膜(中空糸膜)10、ならびに、FSが供給される中空糸膜の外部(第1室)11、および、DSが供給される中空糸膜の内部(中空部:第2室)12を有する。第1室11と第2室12とは中空糸膜10で仕切られている。
 フィード溶液(FS)は中空糸膜10の外部(第1室)11を流れ、ドロー溶液(DS)は中空糸膜10の内部12(中空部:第2室)を流れる(図1参照)。これにより、FS中の淡水をDSへ取出すことで、DSを希釈したり、FSを濃縮したりすることができる。
 中空糸膜エレメントは、中心に配置された複数の孔21aを有する多孔分配管21と、その周囲に配置された複数の中空糸膜10と、多孔分配管21および複数の中空糸膜10をそれらの両端で固定する樹脂壁61とを備える。複数の中空糸膜10の各々はその両端に開口部10a,10bを有している。
 なお、FOモジュール1の形態は、特に限定されず、複数の中空糸膜をストレート配置したモジュールであってもよく、複数の中空糸膜を芯管に巻きつけたクロスワインド型モジュールなどであってもよい。
 中空糸膜エレメントは、複数の中空糸膜10の内部12および中空糸膜モジュールの外部に連通するDS供給口111aおよび排出口111bを有し、中空糸膜10の流入側開口部10aはDS供給口111aに接続され、流出側開口部10bはDS排出口111bに連通している。
 多孔分配管21は、複数の孔を有する管状体であれば特に限定されない。多孔分配管21により、例えば、FS供給口110aから中空糸膜モジュール内に供給されたFSを中空糸膜の外部11へ分配することができる。孔は、多孔分配管の中心軸を基点として放射状に各方向に設けられていることが好ましい。また、多孔分配管は、中空糸膜エレメントの略中心部に位置させることが好ましい。
 DSは、DS供給口111aを介して、流入側開口部10aから中空糸膜10の内部12に流入し、流出側開口部10bから流出し、DS排出口111bを介して外部に流出する。
 FSは、FS供給口110aを介して多孔分配管21の内部に流入し、孔21aから流出して、中空糸膜10の外部11に供給される。中空糸膜10の外部11を通過したFSは、FS排出口110bを介して外部に流出する。
 (半透膜:中空糸膜)
 本実施形態において、半透膜は、中空糸状の膜(中空糸膜)である。なお、中空糸膜(中空糸型半透膜)は、平膜、スパイラル膜などに比べて、モジュール当たりの膜面積を大きくすることができ、正浸透の効率(FOモジュールの容積当りの膜分離効率)を高めることができる点で有利である。
 中空糸膜10としては、特に限定されず、正浸透に用いることのできる種々公知の半透膜を使用できる。
 中空糸型半透膜の内径は、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは10~150μmであり、さらに好ましくは20~100μmである。このように内径が比較的小さい場合、中空糸膜の中空部の圧力損失が特に大きくなるため、本発明は特に有用である。また、中空糸型半透膜の内径がこのような範囲である場合、特にFOモジュール(中空糸膜モジュール)の容積辺りの膜分離効率を高めることができる。なお、中空糸膜の内径は、例えば、以下のようにして測定することができる。まず、中空糸膜をスライドグラスの中央に開けられた直径3mmの穴に中空糸膜が抜け落ちない程度に適当本数通し、スライドグラスの上下面に沿ってカミソリにより中空糸膜をカットし、中空糸膜断面サンプルを得る。次に、投影機Nikon PROFILE PROJECTOR V-12を用いて、得られた中空糸膜断面サンプルにおいて1個の中空糸膜につき直交する2方向の短径および長径を測定し、短径および長径の算術平均値を中空糸膜1個の内径とする。中空糸膜断面サンプルにおける5つ中空糸膜の断面について同様に測定を行い、平均値を中空糸膜の内径とする。
 なお、中空糸型半透膜の外径は、好ましくは20~480μmであり、より好ましくは22~400μmである。また、中空糸型半透膜の中空率〔(内径/外径)×100(%)〕は、好ましくは10~30%であり、より好ましくは15~25%である。なお、中空率は、中空糸型半透膜の横断面における中空部の面積の割合である。
 半透膜を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。半透膜は、セルロース系樹脂およびポリスルホン系樹脂の少なくともいずれかを含む材料から構成されることが好ましい。
 セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロース系樹脂である。酢酸セルロース系樹脂は、殺菌剤である塩素に対する耐性があり、微生物の増殖を抑制できる。酢酸セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロースであり、耐久性の点から、より好ましくは三酢酸セルロースである。
 ポリスルホン系樹脂は、好ましくはポリエーテルスルホン系樹脂である。ポリエーテルスルホン系樹脂は、好ましくはスルホン化ポリエーテルスルホンである。
 <正浸透処理方法>
 本実施形態の正浸透処理方法は、フィード溶液(FS:処理対象液)から半透膜(中空糸膜)を用いた正浸透により水を分離および回収する方法である。
 本実施形態において、フィード溶液としては、水を含む溶液であれば特に限定されないが、例えば、海水、河川水、汽水、排水などが挙げられる。排水としては、例えば、工業排水、生活排水、油田またはガス田の排水などが挙げられる。なお、フィード溶液中には、溶解していない成分が含まれていてもよい。
 ドロー溶液は、フィード溶液より高い浸透圧を有し、比較的粘度が低い液体であれば特に限定されない。ドロー溶液としては、例えば、無機塩溶液、糖溶液、または、水に対する溶解度が高い気体(アンモニアや二酸化炭素など)、もしくは、有機物、磁性体微粒子などを含む液体が挙げられる。なお、ドロー溶液中には、溶解していない成分が含まれていてもよい。
 ドロー溶液(DS)とフィード溶液(FS)との間の浸透圧差(Δπ)([DSの浸透圧]-[FSの浸透圧])は、好ましくは2MPa以上8MPa以下であり、より好ましくは3MPa以上7MPa以下である。
 ドロー溶液の粘度は、好ましくは3mPa・s以下であり、より好ましくは2mPa・s以下であり、さらに好ましくは1.5mPa・s以下である。なお、液の粘度は、回転法によって測定できる。回転法による粘度の測定は、例えば、ブルックフィールド回転粘度計(例えば、東京計器製、B型粘度計)を用いた実施できる。
 本実施形態の正浸透処理方法は、少なくとも以下の正浸透工程を含んでいる。
 〔正浸透工程〕
 本工程では、正浸透モジュール1の中空糸膜10の外部(第1室)11にフィード溶液(FS)を供給し、正浸透モジュール1の中空糸膜10の内部(第2室)12内にドロー溶液(DS)を供給することで、FSと、FSよりも浸透圧が高いDSと、を半透膜(中空糸膜)10を介して接触させる。この状態で、正浸透現象により、FS中に含まれる水が、中空糸膜10を通過してDS中に移動する。
 本工程において、FSの圧力(静水圧)はDSの圧力(静水圧)より高い。なお、「静水圧」には、浸透圧は含まれない。
 フィード溶液(FS)とドロー溶液(DS)との静水圧差は、好ましくは2MPa超であり、より好ましくは3MPa以上であり、さらに好ましくは5MPa以上である。
 このように、FSの静水圧をDSよりも十分高くすることで、低粘度のDS(NaCl溶液など)を用いる場合でも、FOにおける透過水量をより確実に増加させることができる。
 なお、一般的な中空糸膜は設計上、中空部が負圧の状態での使用が想定されていないため、DSが負圧にならないように注意する必要がある。
 FSとDSとの静水圧差の調整は、例えば、FSまたはDSをFOモジュールに供給するためのポンプの圧力を調整することにより実施できる。また、例えば、FSの加圧は、FSが供給される中空糸膜の外部(第1室)11(圧力容器100)に外側から圧力を加えることによっても実施し得る。
 FSの加圧は、FSとDSとの静水圧差を維持するために、連続的に行われることが好ましい。
 なお、正浸透処理において、正浸透の補助的な程度の圧力(例えば、2MPa以下)でFSを加圧することにより透過水量を増加させる方法(PAFO)は知られているが、その程度の圧力では透過水量を十分に増加させる効果は得難かった。
 〔正浸透処理後の処理〕
 正浸透モジュール1の第2室(中空部)12を通過することにより、正浸透現象によってFS中の水を回収したDSに対し、DS中の水を分離および回収する方法としては、例えば、逆浸透処理、蒸留などが挙げられる。
 逆浸透(RO)処理では、FOモジュール1から排出された希釈DSは、昇圧ポンプによって、希釈DSが有する浸透圧より高い圧力に昇圧されて、ROモジュールに供給される。ROモジュールに供給された希釈DSは、RO膜を透過することで希釈DSから淡水を得ることができる。なお、RO膜を透過しなかった残りの希釈DSは濃縮され、濃縮された希釈DSは、DSとして再利用することができる。
 また、DS中に含まれるドロー物質が無機塩や低融点物質等の場合は、晶析処理によって、DS中の水を分離および回収してもよい。ドロー物質が水に対する溶解度が高い気体の場合は、ガス放散によって、DS中の水を分離および回収してもよい。ドロー物質が磁性体微粒子の場合は、磁気分離によって、DS中の水を分離および回収してもよい。ドロー物質が糖溶液の場合は、限外ろ過やナノろ過によって、DS中の水を分離および回収してもよい。
 (実施例1、比較例1~3)
 図2に示されるような中空糸膜モジュールを用いて、表1に示される実施例1および比較例1~3の各条件で膜分離処理を行った場合について、透過水量の試算を行った。なお、透過水量は、中空糸膜エレメント1本を圧力容器に装填してなる東洋紡(株)製の中空糸膜モジュールFB10155S3SI(直径:10インチ、有効長:1310mm)について、中空糸膜の中空部内にDSを流すと共に、芯管を介して複数の中空糸膜の外側にFSを流すことを前提とした。
 図2を参照して、中空糸膜10の上流側の開口部に連通する供給口111aから、規定量のDSを供給し、中空糸膜12の下流側の開口部に連通する排出口111bからDSを排出させる。一方、多孔分配管21に連通する供給口110aから、FSを供給し、芯管21の複数の孔21aを通して中空糸膜10の外側11を通過させた後、中空糸膜21の外側11に連通する容器100の側面に配置された排出口110bから排出させる。以上の膜分離処理を前提として、中空糸膜層(中空糸膜モジュール内の中空糸膜が配置される領域)を厚み方向(軸方向)および径方向にそれぞれ10分割(計100分割)して、透過水量のシミュレーションを実施した。
 FSは、200g/LのNaCl水溶液に相当する浸透圧を有し、表1に示される粘度を有する液とした。
 DSは、実施例1および比較例1,2については、250g/LのNaCl水溶液(粘度:約1mPa・s)とした。一方、比較例3については、DSはFSと同じ液とした。
 FSおよびDSの温度は全て25℃とした。
 中空糸膜の内径は90μmとした。
 なお、表1に示す流量および圧力は入口側(FSの場合は第1室の入口側。DSの場合は第2室の入口側)における値である。
 透過水量の試算結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示されるように、本発明に係る加圧型の正浸透処理方法(実施例1)では、従来の正浸透処理方法(比較例1)に対して、透過水量を有意に増加させることが可能である。
 一方、従来の圧力アシスト正浸透処理方法(比較例2)では、従来の正浸透処理方法(比較例1)に対して、透過水量を十分に増加させることはできない。
 比較例3は、DSとFSが同じ液(同じ浸透圧)であり、正浸透処理ではなく、DSとFSの静水圧差によって、FSからDSへ半透膜を介して水を透過させる膜分離処理である。この膜分離処理では、浸透圧差がないため、透過水量の向上のためにはDSとFSの静水圧差を大きくする必要があるが、中空糸膜の内部(第2室)側に供給されるDSの粘度が高い場合、第2室の圧力がDSの粘性によって高くなるため、圧力差が十分に生じず、比較例1によりも透過水量が少なくなった。
 1 正浸透モジュール(中空糸膜モジュール)、10 半透膜(中空糸膜)、10a 流入側開口部、10b 流出側開口部、11 中空糸膜の外部(第1室)、12 中空糸膜の内部(第2室)、100 圧力容器、110a FS供給口、110b FS排出口、111a DS供給口、111b DS排出口、21 多孔分配管、21a 孔、31 (高圧)ポンプ、32 ポンプ。

Claims (6)

  1.  フィード溶液と、該フィード溶液よりも浸透圧が高いドロー溶液と、を半透膜を介して接触させることで、前記フィード溶液中に含まれる水を前記ドロー溶液中に移動させる、正浸透工程を含み、
     前記正浸透工程において、前記フィード溶液の圧力は前記ドロー溶液の圧力より高く、
     前記半透膜は中空糸膜であり、
     前記中空糸膜の内部に前記ドロー溶液を供給し、前記中空糸膜の外部に前記フィード溶液を供給する、正浸透処理方法。
  2.  前記フィード溶液と前記ドロー溶液との静水圧差は、2MPa超である、請求項1に記載の正浸透処理方法。
  3.  前記正浸透工程において、前記フィード溶液を加圧することにより、前記フィード溶液の圧力を前記ドロー溶液の圧力より高くする、請求項1または2に記載の正浸透処理方法。
  4.  前記ドロー溶液の粘度は3mPa・s以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の正浸透処理方法。
  5.  前記中空糸膜の内径は200μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の正浸透処理方法。
  6.  請求項1~5のいずれか1項に記載の正浸透処理方法に用いられる正浸透処理装置であって、
     前記半透膜、ならびに、前記フィード溶液が供給される第1室、および、前記ドロー溶液が供給される第2室を有し、前記第1室と前記第2室とは前記半透膜で仕切られている、正浸透モジュールと、
     前記フィード溶液を加圧することにより、前記フィード溶液の圧力を前記ドロー溶液の圧力より高くするためのポンプと、を備え、
     前記半透膜は中空糸膜である、正浸透処理装置。
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