JP7352125B2 - 膜分離装置および膜分離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、膜分離装置および膜分離方法に関する。
海水から淡水を生産する造水システムは、高圧ポンプによって浸透圧より高い所定の圧力に昇圧された海水を逆浸透(RO:Reverse Osmosis)モジュールに供給し、RO膜を通過させることで、海水中の塩分等を除去して淡水を取り出すシステムである。残りの海水は、濃縮塩水(ブライン)としてROモジュールから排出される。
図1を参照して、RO法を用いた淡水化処理に必要なエネルギーを低下させること等を目的として、半透膜モジュール1の第1室11に対象液の一部を流し、第2室12に対象液の他の一部を流して、第1室11を加圧することで、第1室11内の対象液に含まれる水を半透膜10を介して第2室12内の対象液に移行させ、第2室12から希釈された対象液(希釈液)を排出する膜分離方法(ブラインコンセントレーション、BC)が検討されている(特許文献1:特開2018-1111号公報参照)。
特開2018-1111号公報
RO法により塩水(NaCl水溶液)から淡水を生産する場合、新品のRO膜の塩(NaCl)除去率は、例えば99.5%以上である。しかし、4~5年程度の使用後には、RO膜の塩除去率は、例えば90~98%程度まで低下する。このように塩除去率が低下したRO膜は、透過水の塩濃度が規定よりも高い値となるために、使用済みのRO膜として廃棄され、新品のRO膜に交換される。
また、4~5年程度の使用後には、RO膜の透水性能保持率は、例えば40%程度まで低下する場合がある。なお、透水性能保持率は、透水性能の初期値に対する所定の運転時間経過後の透水性能の比率である。このように透水性能が低下したRO膜は、所望の淡水生産量を達成することができなくなり、使用済みのRO膜として廃棄され、新品のRO膜に交換される。
ここで、BCでは、RO法のように直接淡水を得ることを目的としておらず、また半透膜の両側の2液の濃度差が小さいため、使用済みの塩除去率が低下したRO膜であってもBC用の半透膜として使用できる可能性がある。また、半透膜の両側に2液を流すBCでは、膜両面での濃度分極の影響が大きいため、RO運転時の透水性能の低下に比較してBC運転時の透水性能に与える影響は極めて小さく、使用済みの透水性能が低下したRO膜であってもBCで使用できる可能性がある。
このように、使用済みのRO膜をBCに再利用することで、BCの設備コスト等を削減することが考えられる。しかし、一般的に用いられているスパイラル型の逆浸透(RO)膜モジュールは、BCに再利用することができない。以下、その理由について説明する。
図5に示されるスパイラル型の逆浸透膜モジュールにおいては、複数の封筒状の平膜15が芯管の外周面の軸方向に固着され、その複数の平膜15が芯管2に巻きつけられて、圧力容器7内に収納されている。芯管2は多数の孔21を有しており、多数の孔21は封筒状の平膜15の内部(スペーサー51によって確保される空間)に連通しており、封筒状の平膜の外部(スペーサー52によって確保される空間)には連通していない。このようなスパイラル型のRO膜モジュールを用いてRO処理を実施する場合、封筒状の平膜の外部に対象液を供給して加圧することで、対象液中の水が平膜を透過して封筒状の平膜の内部に移動し、内部に移動した水(透過水)は多数の孔21を介して芯管2によって回収される。
ここで、半透膜の両側に液を流すBCでは、半透膜の両側に流される2つの液各々について供給口と排出口が必要であるため、少なくとも4つのポートが必要である。このため、図5に示されるように、透過水の排出口が芯管2の一方のみであり、モジュール全体のポート(供給口および排出口)の合計数が3つであるスパイラル型のRO膜モジュールを用いて、BCを実施することはできない。
また、透過水の排出口が芯管2の両方の端部に設けられている(あるいは加工により事後的に設けられた)スパイラル型のRO膜モジュールにおいても、芯管2の一方の端部から他方の端部へ液を流すと、液は圧力損失の大きい封筒状の平膜15の内部には行き渡らず、液の大部分が芯管2の内部のみを通過することになる。このため、強制的に芯管2内の液を平膜15の内部に送り込むための加工等を行わない限り、やはりスパイラル型のRO膜モジュールを用いて、BCを実施することはできない。以上の理由から、スパイラル型のRO膜モジュールは、BCに再利用することができない。
一方、正浸透(FO:Forward Osmosis)用の半透膜は、対象液を加圧することが想定されていないため、膜の一方側に流される対象液を加圧する上記ブラインコンセントレーション(以下、「BC」と略す場合がある)に使用する場合、耐圧性の面で問題が生じる可能性がある。
したがって、本発明は、使用済みの膜モジュールを用いてブラインコンセントレーションを行うことのできる、膜分離装置および膜分離方法を提供することを目的とする。
(1) 第1液から濃縮された前記第1液である濃縮液を得ると共に、第2液から希釈された前記第2液である希釈液を得る、膜分離装置であって、
半透膜と、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室と、を有し、前記第1液を所定の圧力で前記第1室に流し、前記第2液を前記所定の圧力よりも低い圧力で前記第2室に流すことで、前記第1室内の前記第1液に含まれる水を前記半透膜を介して前記第2室内の前記第2液に移行させ、前記第1室から前記濃縮液を排出し、前記第2室から前記希釈液を排出する、半透膜モジュールを備え、
下記式で示される前記第1液と前記第2液の浸透圧差が3MPa以下であり、
前記半透膜モジュールとして、使用済みの中空糸型逆浸透膜モジュールが使用される、膜分離装置。
[浸透圧差]=[第1液の浸透圧]-[第2液の浸透圧]
(2) 前記中空糸型逆浸透膜モジュールは、複数の中空糸膜を含み、前記複数の中空糸膜の各々は両端に開口部を有する、(1)に記載の膜分離装置。
(3) 第1液から濃縮された前記第1液である濃縮液を得ると共に、第2液から希釈された前記第2液である希釈液を得る、膜分離方法であって、
半透膜と、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室と、を有する半透膜モジュールを用いて、前記第1液を所定の圧力で前記第1室に流し、前記第2液を前記所定の圧力よりも低い圧力で前記第2室に流すことで、前記第1室内の前記第1液に含まれる水を前記半透膜を介して前記第2室内の前記第2液に移行させ、前記第1室から前記濃縮液を排出し、前記第2室から前記希釈液を排出する、膜分離工程と、を備え、
下記式で示される前記第1液と前記第2液の浸透圧差が3MPa以下であり、
前記半透膜モジュールとして、使用済みの中空糸型逆浸透膜モジュールが使用される、膜分離方法。
[浸透圧差]=[第1液の浸透圧]-[第2液の浸透圧]
本発明によれば、使用済みの膜モジュールを用いてブラインコンセントレーションを行うことのできる、膜分離装置および膜分離方法を提供することができる。
実施形態1の膜分離装置を示す模式図である。 中空糸型逆浸透膜モジュールを示す模式図である。 中空糸型逆浸透膜モジュールを示す概略断面図である。 使用済みの中空糸型逆浸透膜モジュールと新品のモジュールとの膜透過流量を比較したグラフである。 スパイラル型の逆浸透膜モジュールを示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表すものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更されており、実際の寸法関係を表すものではない。
<膜分離装置>
以下、本発明の膜分離装置の実施形態について説明する。
〔実施形態1〕
本実施形態の膜分離装置では、第1液から濃縮された第1液である濃縮液を得ると共に、第2液から希釈された第2液である希釈液を得ることができる。
図1を参照して、本実施形態の膜分離装置は、半透膜モジュール1を備える。半透膜モジュール1は、半透膜10と、半透膜10で仕切られた第1室11および第2室12と、を有する。
図1では半透膜10を簡略化して平膜のように描いているが、本実施形態で用いられる半透膜は、後述する図2および図3に示されるような中空糸型半透膜である。なお、中空糸型半透膜(中空糸膜)は、スパイラル型半透膜などに比べて、膜モジュールの容積当たりの膜面積を大きくすることができ、膜モジュールの容積当たりの膜透過流量を高めることができる点で有利である。
そして、本実施形態においては、半透膜モジュールとして、使用済みの中空糸型逆浸透膜モジュールが使用される。これにより、使用済みの膜モジュールを用いてブラインコンセントレーションを行うことができ、設備コストを低減することができる。
半透膜モジュール1においては、第1液を所定の圧力で第1室11に流し、第2液を所定の圧力よりも低い圧力で第2室12に流すことで、第1室11内の第1液に含まれる水を半透膜を介して第2室12内の第2液に移行させ、第1室11から濃縮液が排出され、第2室12から希釈液が排出される。
ここで、下記式で示される第1液と第2液の浸透圧差は、3MPa以下である。
[浸透圧差]=[第1液の浸透圧]-[第2液の浸透圧]
上記式において、「第1液の浸透圧」とは、半透膜モジュール1の第1室11に供給される直前の第1液の浸透圧であり、「第2液の浸透圧」とは、半透膜モジュール1の第2室12に供給される直前の第2液の浸透圧である。
上記浸透圧差が3MPa以下であるとの規定は、浸透圧差が負(マイナス)の値である場合を含むことを意味する。浸透圧差は、好ましくは2.5MPa以下である。
第1室11に流される第1液の「所定の圧力」(第1圧力)は、特に制限されないが、好ましくは3~8MPaであり、より好ましくは5~8MPaである。
なお、上記「浸透圧差」が下記式で示される「第1液と第2液の圧力差」よりも小さければ、理論上、BC(の膜分離工程)は実施可能である。「第1液と第2液の圧力差」に対する「浸透圧差」の比率は、好ましくは50%以下であり、より好ましくは30%以下である。なお、「50%以下」および「30%以下」との規定は、浸透圧差の比率が負(マイナス)の値である場合を含む。
[第1液と第2液の圧力差]=[第1液の圧力]-[第2液の圧力]
このように、ブラインコンセントレーション(BC)においては、RO法のように対象液(高浸透圧液)と淡水との間の高い浸透圧差に逆らって逆浸透を起こさせるための高い圧力が必要なく、比較的低圧の加圧によって、対象液の膜分離を実施することができる(第1液を濃縮し、第2液を希釈することができる)。また、BCを用いることで、RO法よりも高濃度の対象液をさらに濃縮すること等が可能となる。
なお、浸透圧差は0Paであってもよい。また、第1液と第2液は同じ液であってもよく、異なる液であってもよい。
膜分離装置は、圧力低下装置として、例えば、高圧ポンプ31によって所定の圧力に昇圧された対象液を半透膜モジュール1の第1室11と第2室12とに分けて流すことのできる分流弁4などを備えていてもよい(図1)。なお、分流弁4(圧力低下装置)は、第2室12に流される対象液を所定の圧力より低い圧力に減圧する機能を有している。
このような圧力低下装置を用いることで、例えば、第1液と第2液が同じ液(対象液)である場合に、同じ流路から供給される対象液の一部を第1液として所定の圧力で第1室11に供給しつつ、対象液の他の一部を第2液として、圧力低下装置を通過させることによって、所定の圧力より低い圧力で第2室12に流すことができ、該圧力低下装置の上流側の対象液の流路が1本で済むという利点がある。
第1液および第2液は、水を含む液体であれば特に限定されず、溶液および懸濁液のいずれであってもよい。第1液および第2液としては、例えば、海水、河川水、汽水、排水などが挙げられる。排水としては、例えば、工業排水、生活排水、油田またはガス田の排水(随伴水)などが挙げられる。
また、本実施形態の膜分離装置が造水量向上システムに用いられる場合、膜分離装置に供給される第1液および第2液は、逆浸透工程で排出される濃縮原液であってもよい。
なお、第1液および第2液は、液中に含まれる微粒子、微生物等を除去するための前処理が施されたものであってもよい。前処理としては、海水淡水化技術に用いられる種々公知の前処理を実施することができ、例えば、NF膜、UF膜、MF膜等を用いたろ過、次亜塩素酸ナトリウムの添加、凝集剤添加などが挙げられる。
なお、膜分離装置は、図1に示されるように1つの半透膜モジュール1を用いた1段の装置であってもよく、複数の半透膜モジュールを用いた多段の装置であってもよい。
なお、図1に示される膜分離装置において、高圧ポンプ31の上流側には、図示しない前処理装置を備えていてもよい。前処理装置は、ポンプ30で取水した原液(対象液)を砂濾過やUF膜(Ultrafiltration:限外ろ過膜)、MF膜(Microfiltration:精密ろ過膜)、カートリッジフィルターなどによって処理する装置である。前処理装置により、原液から濁質を除去し、半透膜モジュール1等を含む膜分離装置に適合する水質の原液を得ることができる。必要により、pHの調整手段や塩素添加装置などを付け加えることも可能である。
(中空糸型逆浸透膜モジュール)
以下、本実施形態において半透膜モジュールとして用いられる使用済みの中空糸型逆浸透(RO)膜モジュールの一例について説明する。
図2および図3を参照して、中空糸型逆浸透膜モジュール(半透膜モジュール)1は、中心に配置された複数の孔21を有する芯管(多孔分配管)2と、その周囲に配置された複数の中空糸膜10と、芯管2および複数の中空糸膜10をそれらの両端で固定する2つの樹脂壁61とを備える。なお、複数の中空糸膜10はその両端に開口部を有している。これらの部材を含む中空糸膜エレメントは、2つの保持部材62にO-リング62aが介在した液密状態で保持され、圧力容器7内に収容されている。
また、中空糸型RO膜モジュール1は、4つのポート(第1液供給口100a、第1液排出口100b、第2液供給口101aおよび第2液排出口101b)を有している。第1液供給口100aは、芯管2の内部に連通し、さらに芯管2の孔21を介して中空糸膜10の外側100に連通している。第1液排出口100bは、中空糸膜10の外側100に連通している。第2液供給口101aおよび第2液排出口101bは、中空糸膜10の開口部(第1開口部10aおよび第2開口部10b)を介して複数の中空糸膜10の内部に連通している。
第1液は、第1液供給口100aを介して、芯管2内に供給され、孔21を介して中空糸膜10の外側100に流される。中空糸膜10の外側100を通過した第1液は、第1液排出口100bから取り出される。
第2液は、第2液供給口101aを介して、中空糸膜10の第1開口部10aより中空糸膜10の内部(中空部)に供給される。中空糸膜10の内部を流れて通過した第2液は、中空糸膜10の第2開口部10bを介して、第2液排出口101bから取り出される。
なお、本実施形態では、第1液を中空糸膜10の外側100に流すと共に第2液を中空糸膜10の中空部内に流す場合について説明した。中空糸膜の内側(中空部)を流れる流体(第1液)を加圧する場合、圧力損失が大きく、第1液を十分に加圧することが難しいため、通常は、上記のように第1液を中空糸膜10の外側100に流すことが好ましい。
ただし、第1液中に含まれる水は、中空糸膜10を透過して第2液中に移動すればよい。すなわち、第1液を中空糸膜10の外側100に流すと共に第2液を中空糸膜10の中空部内に流してもよく、または、第2液を中空糸膜の外側100に流すと共に第1液を中空糸膜10の中空部内に流してもよい。言い換えれば、中空糸型RO膜モジュール1において、半透膜10の内部が第1室であり半透膜10の外部が第2室であってもよく、半透膜10の外部が第1室であり半透膜10の内部が第2室であってもよい。
芯管2は、複数の孔21を有する管状体であれば特に限定されない。孔21は、放射状に各方向に設けられていることが好ましい。また、芯管2は、中空糸型RO膜モジュール1の略中心部に配置されていることが好ましい。
中空糸型RO膜モジュール1の圧力容器7の内部の断面積に対して、芯管の断面積の割合は、特に限定されないが、好ましくは4~20%である。芯管2の径は大きすぎると、中空糸型RO膜モジュール1内で中空糸膜10が占める領域が減少し、半透膜の面積が減少するため、容積あたりの透水量が低下することがある。また、芯管2の径が小さすぎると、芯管2内に供給される流体が芯管内を流動する際の圧力損失が大きくなり、中空糸膜10の内部と外側100にかかる有効圧力差が小さくなり、処理効率が低下することがある。また、強度が低下して、流体が中空糸膜10内を流れる際に受ける中空糸膜10の張力により芯管2が破損する場合がある。
図3において、第1液供給口100a、第1液排出口100b、第2液供給口101aおよび第2液排出口101bは、壁部材13,14に設けられているが、このような形態に限定されず適宜変更することができる。例えば、第1液供給口100a、第1液排出口100b、第2液供給口101aおよび第2液排出口101bの少なくともいずれかが、圧力容器7の外周部に設けられていてもよい。
半透膜モジュール(中空糸型RO膜モジュール)の形態としては、特に限定されないが、図2および図3に示されるような中空糸膜をストレートに配置した軸流型モジュールや、中空糸膜を芯管に巻きつけたクロスワインド型モジュールなどが挙げられる。
半透膜10は中空糸膜であり、RO膜である。中空糸膜(RO膜)の孔径は、2nm以下であることが好ましい。本実施形態において用いられる中空糸型RO膜モジュールは使用済みのものであるため、中空糸膜(RO膜)の塩除去率は、例えば、90%以上であればよい。また、中空糸膜(RO膜)の透水性能は、例えば、新品のRO膜の40%程度以上であればよい。
中空糸膜を構成する材料としては、特に限定されないが、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂およびポリアミド系樹脂の少なくともいずれかを含む材料であることが好ましく、セルロース系樹脂およびポリスルホン系樹脂の少なくともいずれかを含む材料であることがより好ましい。
セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロース系樹脂である。酢酸セルロース系樹脂は、殺菌剤である塩素に対する耐性があり、微生物の増殖を抑制できる特徴を有している。酢酸セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロースであり、耐久性の点から、より好ましくは三酢酸セルロースである。
ポリスルホン系樹脂は、好ましくはポリエーテルスルホン系樹脂である。ポリエーテルスルホン系樹脂は、好ましくはスルホン化ポリエーテルスルホンである。
具体的な中空糸膜の一例としては、全体がセルロース系樹脂から構成されている単層構造の膜が挙げられる。ただし、ここでいう単層構造とは、層全体が均一な膜である必要はなく、例えば、特開2004-81913号公報に開示されるように、外周表面近傍に緻密層を有し、この緻密層が実質的に中空糸膜の孔径を規定する分離活性層となっていることが好ましい。
具体的な中空糸膜の別の例としては、支持層(例えば、ポリフェニレンオキサイドからなる層)の外周表面にポリフェニレン系樹脂(例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン)からなる緻密層を有する2層構造の膜が挙げられる。また、他の例として、支持層(例えば、ポリスルホンまたはポリエーテルスルホンからなる層)の外周表面にポリアミド系樹脂からなる緻密層を有する2層構造の膜が挙げられる。
中空糸膜の内径は、好ましくは10~700μmであり、より好ましくは50~300μmである。
中空糸膜(膜全体)の厚みは、好ましくは40~200μmであり、より好ましくは50~170μmである。なお、膜厚は(外径-内径)/2で算出できる。また、中空糸膜の中空率〔(内径/外径)×100(%)〕は、好ましくは10~50%であり、より好ましくは12~30%である。なお、中空率は、中空糸膜の横断面における中空部の面積の割合である。
中空糸膜の長さは、特に限定されないが、好ましくは15~400cm、より好ましくは20~350cmである。
図4は、使用済みの中空糸型逆浸透膜モジュールと新品のBC用半透膜モジュールとの膜透過流量を比較したグラフである。膜透過流量はBCにおける性能であり、第1液への加圧の圧力は6.5MPaで一定とした。なお、RO中古膜の内径は新品BC膜の内径より小さかったため、第2液への加圧の圧力は、RO中古膜で3.5MPaとし、新品BC膜で0.5MPaとした。
図4に示されるように、新品のBC用半透膜モジュールの中空糸膜(新品BC膜)は、運転開始から暫くの間は膜透過流量が経時的に低下する。これは、BCにおける加圧により中空糸膜の圧密化が経時的に進行するためであると考えられる。一方、使用済みの中空糸型RO膜モジュールの中空糸膜(RO中古膜)は、既に圧密化されているため、運転開始時であっても経時的な膜透過流量の低下は起こらない。
このように、使用済みの中空糸型RO膜モジュールは、経時的な透水性能の低下が起こらないという利点がある。経時的な透水性能の低下が起きる場合、BCの処理能力を所定の値に保つためには、第1液への加圧の圧力を増加する等の調整(制御)が必要になってしまう。特にBCは、前段および/または後段に他の膜分離処理が組み合わせられたシステムとして利用される場合があり、上記のような圧力調整は非常に複雑かつ困難であるため、BCにおいて膜モジュールの経時的な透水性能の低下が起こらないことは、重要な利点である。
<膜分離方法>
本発明は、第1液から濃縮された第1液である濃縮液を得ると共に、第2液から希釈された第2液である希釈液を得る、膜分離方法にも関する。
本実施形態の膜分離方法は、少なくとも膜分離工程を備える。
膜分離工程では、半透膜10と、半透膜10で仕切られた第1室11および第2室12と、を有する半透膜モジュール1が用いられる。半透膜モジュール1に対して、第1液を所定の圧力で第1室11に流し、第2液を所定の圧力よりも低い圧力で第2室12に流すことで、第1室11内の第1液に含まれる水を半透膜を介して第2室12内の第2液に移行させ、第1室11から濃縮液を排出し、第2室12から希釈液を排出する。
ここで、下記式で示される第1液と第2液の浸透圧差が3MPa以下(負の値である場合を含む)である。
[浸透圧差]=[第1液の浸透圧]-[第2液の浸透圧]
そして、本実施形態の膜分離方法においては、半透膜モジュールとして、上述したような使用済みの中空糸型逆浸透膜モジュールが使用される。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 中空糸型逆浸透膜モジュール(半透膜モジュール)、10 中空糸膜(半透膜)、10a 第1開口部、10b 第2開口部、11 第1室、12 第2室、13,14 壁部材、100 中空糸膜の外側、100a 第1液供給口、100b 第1液排出口、101a 第2液供給口、101b 第2液排出口、2 芯管、21 孔、30 ポンプ、31 高圧ポンプ、4 分流弁、51,52 スペーサー、62 保持部材、62a O-リング、61 樹脂壁、7 圧力容器。

Claims (3)

  1. 第1液から濃縮された前記第1液である濃縮液を得ると共に、第2液から希釈された前記第2液である希釈液を得る、膜分離装置であって、
    半透膜と、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室と、を有し、前記第1液を所定の圧力で前記第1室に流し、前記第2液を前記所定の圧力よりも低い圧力で前記第2室に流すことで、前記第1室内の前記第1液に含まれる水を前記半透膜を介して前記第2室内の前記第2液に移行させ、前記第1室から前記濃縮液を排出し、前記第2室から前記希釈液を排出する、半透膜モジュールを備え、
    前記第1液はブラインであり、前記第2液は前記第1液と同一の液体であり
    前記半透膜モジュールとして、逆浸透法により塩水から淡水を生産する用途において使用済みの中空糸型逆浸透膜モジュールが使用される、膜分離装置
  2. 前記中空糸型逆浸透膜モジュールは、複数の中空糸膜を含み、前記複数の中空糸膜の各々は両端に開口部を有する、請求項1に記載の膜分離装置。
  3. 第1液から濃縮された前記第1液である濃縮液を得ると共に、第2液から希釈された前記第2液である希釈液を得る、膜分離方法であって、
    半透膜と、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室と、を有する半透膜モジュールを用いて、前記第1液を所定の圧力で前記第1室に流し、前記第2液を前記所定の圧力よりも低い圧力で前記第2室に流すことで、前記第1室内の前記第1液に含まれる水を前記半透膜を介して前記第2室内の前記第2液に移行させ、前記第1室から前記濃縮液を排出し、前記第2室から前記希釈液を排出する、膜分離工程と、を備え、
    前記第1液はブラインであり、前記第2液は前記第1液と同一の液体であり
    前記半透膜モジュールとして、逆浸透法により塩水から淡水を生産する用途において使用済みの中空糸型逆浸透膜モジュールが使用される、膜分離方法
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