JP2018065114A - 濃縮方法および濃縮装置 - Google Patents

濃縮方法および濃縮装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018065114A
JP2018065114A JP2016206832A JP2016206832A JP2018065114A JP 2018065114 A JP2018065114 A JP 2018065114A JP 2016206832 A JP2016206832 A JP 2016206832A JP 2016206832 A JP2016206832 A JP 2016206832A JP 2018065114 A JP2018065114 A JP 2018065114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
target solution
solution
membrane
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016206832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6977247B2 (ja
Inventor
櫻井 秀彦
Hidehiko Sakurai
秀彦 櫻井
昌平 合田
Shohei Aida
昌平 合田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2016206832A priority Critical patent/JP6977247B2/ja
Publication of JP2018065114A publication Critical patent/JP2018065114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6977247B2 publication Critical patent/JP6977247B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】ブラインなどの対象溶液をRO法等の従来の膜分離法よりも高濃度に濃縮することが可能な、膜分離を用いた濃縮方法および濃縮装置を提供すること。【解決手段】対象溶液が貯留されたタンクから半透膜モジュールの第1室および第2室の各々に対象溶液を流し、第1室内に流される対象溶液を第2室内に流される対象溶液よりも高い圧力に加圧することで、第1室内の対象溶液に含まれる水を半透膜を介して第2室内の対象溶液に移行させ、第1室内の対象溶液を濃縮すると共に、第2室内の対象溶液を希釈する、膜分離工程と、膜分離工程によって濃縮された対象溶液を第1室からタンクに戻す、濃縮溶液循環工程と、膜分離工程によって希釈された対象溶液を第2室から排出する、希釈溶液排出工程と、を含み、膜分離工程、濃縮溶液循環工程、および、希釈溶液排出工程を繰り返すことにより、タンク内の対象溶液を濃縮する濃縮方法。【選択図】図1

Description

本発明は、濃縮方法および濃縮装置に関する。
海水等の塩水の淡水化処理の技術として、逆浸透(RO:Reverse Osmosis)法が知られている。RO法は、高圧ポンプによって浸透圧より高い所定の圧力に昇圧された塩水を逆浸透(RO)膜モジュールに供給し、RO膜を通過させることで、海水中の塩分等を除去して淡水を取り出す方法である。
RO法は、従来から知られている蒸発法よりも、エネルギーの消費量が少ないため、近年検討が進められている。このような塩水の淡水化処理においては、淡水が得られる一方で、ブラインと呼ばれる濃縮された塩水が排出される。
これまで、ブラインは主に海洋へ放流されていた。しかし、近年は、海水の塩濃度上昇などによる生態系への影響が懸念され始め、ブラインをそのまま放流できないようにする規制を設けることが検討されている。
そこで、海水等の淡水化処理で発生するブラインを処理して、高濃度の塩水を排出しないようにする方法が検討され始めている。その代表的な手法としては、ブラインコンセントレーション法と呼ばれる方法が知られている。
ブラインコンセントレーション法では、例えば、淡水化処理によって生じたブラインを蒸発法によってさらに濃縮し、最終的にブライン中に含まれる塩分を結晶化塩(固体)として回収することで、塩分濃度が低減されたブラインや淡水を排出する(例えば、特許文献1(米国特許第9085471号明細書)参照)。この手法は、「Zero Liquid Discharge(ZLD)」とも呼ばれており、ブラインから結晶化塩(固形塩)を回収することで、高濃度のブラインが排出されず、また、有価塩を生産できるという利点もある。
米国特許第9085471号明細書
しかし、蒸発法はエネルギーの消費量が大きいため、エネルギー消費量を低減するためには、蒸発法を用いる前に、エネルギー消費量の少ない膜分離法等により、ブラインをできる限り高濃度に濃縮することが望ましい。ただし、RO法では、濃縮された溶液の水(ろ過水)に対する浸透圧が、高圧ポンプの圧力を超えることはないため、RO法による溶液の濃縮率はポンプの能力に応じた限界があった。
本発明は、上記の課題に鑑み、ブラインなどの対象溶液をRO法等の従来の膜分離法よりも高濃度に濃縮することが可能な、膜分離を用いた濃縮方法および濃縮装置を提供することを目的とする。
[1] 対象溶液を濃縮する濃縮方法であって、
半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有する半透膜モジュールに対して、前記対象溶液が貯留されたタンクから前記第1室および前記第2室の各々に前記対象溶液を流し、前記第1室内に流される前記対象溶液を前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力に加圧することで、前記第1室内の前記対象溶液に含まれる水を前記半透膜を介して前記第2室内の前記対象溶液に移行させ、前記第1室内の前記対象溶液を濃縮すると共に、前記第2室内の前記対象溶液を希釈する、膜分離工程と、
前記膜分離工程によって濃縮された前記対象溶液を前記第1室から前記タンクに戻す、濃縮溶液循環工程と、
前記膜分離工程によって希釈された前記対象溶液を前記第2室から排出する、希釈溶液排出工程と、を含み、
前記膜分離工程、前記濃縮溶液循環工程、および、前記希釈溶液排出工程を繰り返すことにより、前記タンク内の前記対象溶液を濃縮することを特徴とする、濃縮方法。
[2] 前記タンク内の前記対象溶液の濃度が規定値以上になったときに、前記濃縮方法の実施を停止し、前記タンクから濃縮された前記対象溶液を排出する、[1]に記載の濃縮方法。
[3] 前記対象溶液を前記タンクから3MPa以上の圧力で前記第1室へ送る、[1]または[2]に記載の濃縮方法。
[4] 前記対象溶液を前記タンクから1MPa以下の圧力で前記第2室へ送る、[1]〜[3]のいずれかに記載の濃縮方法。
[5] 前記半透膜が中空糸膜であり、前記第1室は前記中空糸膜の外側であり、前記第2室は前記中空糸膜の内側である、[1]〜[4]のいずれかに記載の濃縮方法。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の濃縮方法に用いられる濃縮装置であって、
前記対象溶液を貯留するタンクと、
半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有する半透膜モジュールと、
前記タンクから前記第1室に前記対象溶液を流すための第1流路と、
前記タンクから前記第2室に前記対象溶液を流すための第2流路と、
前記第1室から濃縮された前記対象溶液を前記タンクに戻すための第3流路と、
を備える、濃縮装置。
[7] 前記第1流路は、前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力で前記対象溶液を前記第1室内に送ることのできる高圧ポンプを有する、[6]に記載の濃縮装置。
本発明によれば、ブラインなどの対象溶液をRO法等の従来の膜分離法よりも高濃度に濃縮することが可能な、膜分離を用いた濃縮方法および濃縮装置を提供することができる。
本発明の実施形態1で用いられる濃縮装置を示す模式図である。 本発明の実施形態2で用いられる濃縮装置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表す。
[実施形態1]
図1は、実施形態1で用いられる濃縮装置を示す模式図である。図1に示されるように、本実施形態の濃縮装置は、対象溶液を貯留するタンク51と、半透膜モジュール1と、第1流路31と、第2流路32と、第3流路33と、を備える。
半透膜モジュール1は、半透膜10、並びに、半透膜10で仕切られた第1室11および第2室12を有する。第1流路31は、タンク51から第1室11に対象溶液を流すための流路である。第2流路32は、タンク51から第2室12に対象溶液を流すための流路である。第3流路33は、第1室11から濃縮された対象溶液をタンクに戻すための流路である。
第1流路31にはポンプ41が設けられ、第2流路32にはポンプ42が設けられている。ポンプ41は、第2室12内に流される対象溶液よりも高い圧力(ポンプ42よりも高い圧力)で対象溶液を第1室11内に送ることのできる高圧ポンプである。
なお、半透膜モジュール1において、半透膜10としては、例えば、逆浸透膜(RO膜:Reverse Osmosis Membrane)、正浸透膜(FO膜:Forward Osmosis Membrane)、ナノろ過膜(NF膜:Nanofiltration Membrane)、限外ろ過膜(UF膜:Ultrafiltration Membrane)と呼ばれる半透膜が挙げられる。半透膜は、好ましくは逆浸透膜または正浸透膜、ナノろ過膜である。なお、半透膜として逆浸透膜または正浸透膜、ナノろ過膜を用いる場合、第1室11内の対象溶液の圧力は、好ましくは0.5〜10.0MPaである。
通常、RO膜およびFO膜の孔径は約2nm以下であり、UF膜の孔径は約2〜100nmである。NF膜は、RO膜のうちイオンや塩類の阻止率が比較的低いものであり、通常、NF膜の孔径は約1〜2nmである。半透膜としてRO膜またはFO膜、NF膜を用いる場合、RO膜またはFO膜、NF膜の塩除去率は好ましくは90%以上である。
半透膜を構成する材料としては、特に限定されないが、例えば、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。半透膜は、セルロース系樹脂およびポリスルホン系樹脂の少なくともいずれかを含む材料から構成されることが好ましい。
セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロース系樹脂である。酢酸セルロース系樹脂は、殺菌剤である塩素に対する耐性があり、微生物の増殖を抑制できる特徴を有している。酢酸セルロース系樹脂は、好ましくは酢酸セルロースであり、耐久性の点から、より好ましくは三酢酸セルロースである。
ポリスルホン系樹脂は、好ましくはポリエーテルスルホン系樹脂である。ポリエーテルスルホン系樹脂は、好ましくはスルホン化ポリエーテルスルホンである。
半透膜10の形状としては、特に限定されないが、例えば、平膜、スパイラル膜または中空糸膜が挙げられる。なお、図1では、半透膜10として平膜を簡略化して描いているが、このような形状に限定されるものではなく、中空糸膜であることが好ましい。中空糸膜(中空糸型半透膜)は、スパイラル型半透膜などに比べて、膜厚が小さく、さらにモジュール当たりの膜面積を大きくすることができ、浸透効率を高めることができる点で有利である。
具体的な中空糸膜の一例としては、全体がセルロース系樹脂から構成されている単層構造の膜が挙げられる。ただし、ここでいう単層構造とは、層全体が均一な膜である必要はなく、例えば、厚み方向に不均一な膜であってもよい。具体的には、外周表面に緻密層を有し、この緻密層が実質的に中空糸膜の孔径を規定する分離活性層となっており、内周表面側は緻密層よりも密度が低いような膜であってもよい。
具体的な中空糸膜の別の例としては、支持層(例えば、ポリフェニレンオキサイドからなる層)の外周表面にポリフェニレン系樹脂(例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン)からなる緻密層を有する2層構造の膜が挙げられる。また、他の例として、支持層(例えば、ポリスルホンまたはポリエーテルスルホンからなる層)の外周表面にポリアミド系樹脂からなる緻密層を有する2層構造の膜が挙げられる。
本実施形態の濃縮方法は、膜分離工程と、濃縮溶液循環工程と、希釈溶液排出工程と、を含み、これらを繰り返すことにより、対象溶液を高濃度に濃縮することができる。以下、本実施形態の濃縮方法の詳細について、図1を参照して説明する。
(膜分離工程)
まず、半透膜モジュール1において、膜分離工程により、対象溶液を濃縮する。
対象溶液としては、特に限定されないが、例えば、塩水(ブライン、海水、かん水など)、工業排水などが挙げられる。特に、対象溶液がブラインなどの高濃度(高浸透圧)の溶液である場合に、それをさらに濃縮するために、本発明の濃縮方法を好適に用いることができる。
なお、対象溶液に対して、溶液中に含まれる微粒子、微生物、スケール成分等を除去するための前処理を行ってもよい。前処理としては、海水淡水化技術等に用いられる種々公知の前処理を実施することができ、例えば、NF膜、UF膜、MF膜等を用いたろ過、次亜塩素酸ナトリウムの添加、凝集剤添加、活性炭吸着処理、イオン交換樹脂処理などが挙げられる。このような前処理は、対象溶液をタンクに貯留する(供給する)前に実施されることが好ましい。
膜分離工程では、対象溶液が貯留されたタンクから第1室11および第2室12の各々に対象溶液を流す。すなわち、半透膜モジュール1の第1室11に、ポンプ41により第1流路31を介して対象溶液の一部を流入させると共に、第2室12に、ポンプ42により第2流路32を介して対象溶液の他の一部を流入させる。なお、第1室11および第2室12の各々に流し込まれる対象溶液は、基本的に同じ組成である。
ここで、ポンプ41によって、第1室11内に流される対象溶液を第2室12内に流される対象溶液よりも高い圧力に加圧することで、第1室11内の対象溶液に含まれる水を半透膜10を介して第2室12内の対象溶液に移行させ、第1室11内の対象溶液を濃縮すると共に、第2室12内の対象溶液を希釈する。
なお、本実施形態において、「第1室11内に流される対象溶液を第2室12内に流される対象溶液よりも高い圧力に加圧する」方法としては、これに限定されず、例えば、1つのポンプで第1室11と第2室12の両方に溶液を流し、半透膜モジュール1の外部から第1室11を加圧するようにしてもよい。このように、第1室11内を流れている対象溶液が、第2室12内に流れている対象溶液よりも高い圧力となっていれば、第1室11内の対象溶液に含まれる水を半透膜10を介して第2室12内の対象溶液に移行させ、第1室11内の対象溶液を濃縮することは可能であり、本実施形態の濃縮方法は実施可能である。
対象溶液をタンクから3MPa以上の圧力で第1室11へ送ることが好ましい。3MPa未満である場合、膜間圧力差が小さいため、得られる透過流束(Permiation Flux)が低く、その結果、処理量が少なくなるとか、処理時間が長くなることがある。また、前記対象溶液を前記タンクから1MPa以下の圧力で第2室12へ送ることが好ましい。1MPa超である場合、送液に必要なエネルギーが多くなるとか、第1室との膜間圧力差が小さいため、得られる透過流束が低く、その結果、処理量が少なくなるとか、処理時間が長くなることがある。
半透膜10が中空糸膜である場合、第1室11は中空糸膜の外側であり、第2室12は中空糸膜の内側であることが好ましい。中空糸膜の外側の溶液が加圧されることが好ましい。中空糸膜の内側(中空部)を流れる溶液を加圧しても、圧力損失が大きくなり加圧が十分に行われ難い場合があるほか、中空糸膜自体の構造が、外圧に対して構造を保持しやすく、高い内圧を付与すると膜が破裂することがあるからである。しかしながら、圧力損失が小さい、つまり大きな内径を持ち、内圧に対する耐圧が大きい中空糸膜を使用する場合は、第1室11を中空糸膜の内側としても、なんら問題はない。
なお、中空糸膜を構成する膜が、上述したような厚み方向に不均一な膜である場合、中空糸膜の外側表面に緻密層を有していることが好ましい。緻密層は、実質的に中空糸膜の孔径を規定する分離活性層となるため、中空糸膜の外側の溶液が加圧される場合は、中空糸膜の外側表面に緻密層を有している方が、中空糸膜の外側から内側への分子の移動を正確に制御することができるからである。
また、膜分離工程は、図1に示されるように1つの半透膜モジュール1を用いた1段の工程であってもよいが、複数の半透膜モジュール1を用いた多段の工程であってもよい。
(濃縮溶液循環工程および希釈溶液排出工程)
次に、濃縮溶液循環工程として、膜分離工程によって濃縮された対象溶液を第1室11からタンクに戻す。これと共に、希釈溶液排出工程として、膜分離工程によって希釈された対象溶液を流路34を介して第2室12から排出する。
なお、対象溶液が塩水である場合、第2室12から排出された希釈後の対象溶液(希釈塩水)は、例えば、規定濃度以下の塩水であれば、海洋等に放出してもよい。また、後述する実施形態2のように、対象溶液にさらなる処理を施してもよい。
そして、上記の膜分離工程、濃縮溶液循環工程、および、希釈溶液排出工程を繰り返す。これにより、タンク内の対象溶液をさらに高濃度に濃縮することができる。
なお、例えば、タンク内の対象溶液の濃度をモニタリングしておき、タンク内の対象溶液の濃度が規定値以上になったときに、濃縮方法の実施(ポンプ41,42)を停止し、バルブ37aを開いて排出流路37を介して、タンク51から濃縮された対象溶液を排出する。
濃度の規定値は、飽和濃度以下の濃度であり、例えば、装置に応じて、濃縮の進行が遅くなり濃縮効率が低くなる濃度に設定することができる。この場合、濃縮効率が低い状態で上記工程が繰り返されることを抑制し、全体的な濃縮効率を高めることができる。
また、例えば、複数の溶質を含む溶液を処理するような場合は、飽和濃度が最も低い溶質の濃度をモニタリングしておき、その溶質の飽和濃度を濃度の規定値としてもよい。例えば、炭酸カルシウムや硫酸カルシウム、シリカ、アルミニウムなど、天然の海水や河川水、地下水などに含まれる易スケール形成成分は、浸透圧に対する寄与は小さいものの、飽和濃度が小さく、スケールを形成しやすい。第1室11内にスケールが形成されると、流路を塞いでしまい、それ以上の濃縮処理ができなくなる場合がある。このため、このようなスケール形成成分の飽和濃度を濃度の規定値としてもよい。なお、スケール形成成分が多量に含まれる処理水の場合は、前処理にNF膜やイオン交換樹脂を用い、事前にこれらの成分を除去するか、濃度を下げることが好ましい。
なお、対象溶液が塩水である場合、タンク51から排出される濃縮塩水は、ブラインコンセントレーション法により、例えば、蒸発法によってさらに濃縮される。これにより、塩分を結晶化塩(固体)として回収すると共に、淡水を海洋、河川等に排出したり、工業用水として利用したりすることができる。
従来のRO法による濃縮では、半透膜の一方側で濃縮された対象溶液の浸透圧(この浸透圧と、RO膜を透過した半透膜の他方側の水の浸透圧との浸透圧差)による正浸透力が、ポンプによる押圧力とは反対方向に生じる。このため、濃縮された対象溶液の浸透圧がポンプの圧力に達すると、ポンプによる押圧力と、それとは反対方向に働く正浸透力が拮抗し、それ以上は水が半透膜を透過せず、濃縮が進まなくなる。このため、RO膜で濃縮された対象溶液を再度、RO膜に循環させたとしても、対象溶液の濃縮率をさらに高めることはできなかった。なお、RO法における加圧の圧力は、例えば、1〜10MPa程度である。
これに対して、本実施形態の濃縮方法では、半透膜モジュール1の第1室11と第2室12に供給される溶液の濃度(浸透圧)が等しいため、浸透圧差による正浸透力があまり生じない。このため、ポンプの圧力とは関係なく、対象溶液の濃縮率を高めることができ、原理的には、対象溶液を飽和濃度まで濃縮することができると考えられる。
また、本実施形態の濃縮方法では、供給液の正浸透力が生じないため、ポンプの圧力が低くても濃縮が進行する。このため、高価な高圧ポンプを用いる必要が無く、処理設備の耐圧性を高める必要もなく、設備投資のコストを削減することができる。また、所定倍率の濃縮を行うのに必要な圧力をRO法よりも低下させることができるため、ポンプの電力消費量を低減させ、濃縮のエネルギー効率を高めることができる。
ただし、例えば、第1流路31と第2流路32の温度差等により、第1室11に流入する対象溶液の浸透圧と、第2室12に流入する対象溶液の浸透圧とが若干異なる可能性もある。このような場合でも、その浸透圧差(絶対値)が第1室11を加圧する圧力よりも小さければ、本実施形態における膜分離工程は実施可能である。
[実施形態2]
図2は、本発明の実施形態2で用いられる濃縮装置を示す模式図である。本実施形態で用いられる濃縮装置は、半透膜モジュール1で希釈された対象溶液を貯留するタンク52、逆浸透(RO)膜モジュール2等をさらに備える点で、実施形態1で用いられる濃縮装置とは異なる。
図2を参照して、本実施形態では、実施形態1の濃縮方法によって流路34から排出される希釈後の対象溶液をタンク52に貯留する。そして、タンク52に貯留された対象溶液に対して、さらに以下の淡水化処理工程を実施する。
(淡水化処理工程)
本工程は、逆浸透(RO)法を用いて、希釈後の対象溶液から淡水を得る工程である。
具体的には、ポンプ43により昇圧された希釈後の対象溶液(希釈塩水など)を、流路35を介して、RO膜モジュール2の第1室21に供給する。これにより、圧力によって第1室21内の対象溶液中に含まれる水がRO膜20を介して第2室22へ移行し、第2室22から淡水が排出される。この淡水は、海洋、河川等に排出してもよく、工業用水として利用してもよい。
これに伴い、第1室21内の対象溶液は濃縮され、半透膜モジュール1による希釈後の対象溶液より高濃度の溶液となって、第1室21から排出され、流路36を介してタンク52に戻される。
ただし、タンク52内の対象溶液は、タンク51内の対象溶液の濃縮の進行に伴って濃度が上昇する。上述した理由から、タンク52内の対象溶液の濃度が上昇し、その浸透圧がポンプ43の圧力に達すると、RO膜モジュール2によって淡水を回収することはできなくなる。このため、タンク52の対象溶液の濃度がそのような状態に達する前に、淡水化処理工程の実施を停止することが好ましい。一方、そのような状態に達した後は、タンク52内の対象溶液を貯蔵し、タンク51内の対象溶液を系外に排出した後に、タンク52内の対象溶液をタンク51へ移すことが好ましい。
なお、タンク51内の対象溶液の濃度が規定値に達し、濃縮方法の実施(ポンプ41,42,43)を停止する際に、タンク52内の対象溶液をタンク51に移送して、再度、本実施形態の濃縮方法を実施するようにしてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 半透膜モジュール、10 半透膜、11 第1室、12 第2室、2 逆浸透膜モジュール、20 逆浸透膜、21 第1室、22 第2室、31 第1流路、32 第2流路、33 第3流路、34,35,36 流路、37 排出流路、37a バルブ、41,42,43 ポンプ、51,52 タンク。

Claims (7)

  1. 対象溶液を濃縮する濃縮方法であって、
    半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有する半透膜モジュールに対して、前記対象溶液が貯留されたタンクから前記第1室および前記第2室の各々に前記対象溶液を流し、前記第1室内に流される前記対象溶液を前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力に加圧することで、前記第1室内の前記対象溶液に含まれる水を前記半透膜を介して前記第2室内の前記対象溶液に移行させ、前記第1室内の前記対象溶液を濃縮すると共に、前記第2室内の前記対象溶液を希釈する、膜分離工程と、
    前記膜分離工程によって濃縮された前記対象溶液を前記第1室から前記タンクに戻す、濃縮溶液循環工程と、
    前記膜分離工程によって希釈された前記対象溶液を前記第2室から排出する、希釈溶液排出工程と、を含み、
    前記膜分離工程、前記濃縮溶液循環工程、および、前記希釈溶液排出工程を繰り返すことにより、前記タンク内の前記対象溶液を濃縮することを特徴とする、濃縮方法。
  2. 前記タンク内の前記対象溶液の濃度が規定値以上になったときに、前記濃縮方法の実施を停止し、前記タンクから濃縮された前記対象溶液を排出する、請求項1に記載の濃縮方法。
  3. 前記対象溶液を前記タンクから3MPa以上の圧力で前記第1室へ送る、請求項1または2に記載の濃縮方法。
  4. 前記対象溶液を前記タンクから1MPa以下の圧力で前記第2室へ送る、請求項1〜3のいずれか1項に記載の濃縮方法。
  5. 前記半透膜が中空糸膜であり、前記第1室は前記中空糸膜の外側であり、前記第2室は前記中空糸膜の内側である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の濃縮方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の濃縮方法に用いられる濃縮装置であって、
    前記対象溶液を貯留するタンクと、
    半透膜、並びに、前記半透膜で仕切られた第1室および第2室を有する半透膜モジュールと、
    前記タンクから前記第1室に前記対象溶液を流すための第1流路と、
    前記タンクから前記第2室に前記対象溶液を流すための第2流路と、
    前記第1室から濃縮された前記対象溶液を前記タンクに戻すための第3流路と、
    を備える、濃縮装置。
  7. 前記第1流路は、前記第2室内に流される前記対象溶液よりも高い圧力で前記対象溶液を前記第1室内に送ることのできる高圧ポンプを有する、請求項6に記載の濃縮装置。
JP2016206832A 2016-10-21 2016-10-21 濃縮方法および濃縮装置 Active JP6977247B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016206832A JP6977247B2 (ja) 2016-10-21 2016-10-21 濃縮方法および濃縮装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016206832A JP6977247B2 (ja) 2016-10-21 2016-10-21 濃縮方法および濃縮装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018065114A true JP2018065114A (ja) 2018-04-26
JP6977247B2 JP6977247B2 (ja) 2021-12-08

Family

ID=62085349

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016206832A Active JP6977247B2 (ja) 2016-10-21 2016-10-21 濃縮方法および濃縮装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6977247B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020027056A1 (ja) * 2018-08-03 2020-02-06 東洋紡株式会社 膜分離装置、造水システム、膜分離方法および造水方法
WO2020085426A1 (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 東洋紡株式会社 膜分離装置および膜分離方法
WO2020175374A1 (ja) 2019-02-28 2020-09-03 東洋紡株式会社 中空糸膜および中空糸膜の製造方法
WO2020175375A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 東洋紡株式会社 中空糸膜、中空糸膜の製造方法、中空糸膜モジュール、膜分離装置および膜分離方法
KR20210023605A (ko) * 2019-08-23 2021-03-04 한국기계연구원 삼투압 평형 공정과 역삼투 공정을 이용한 담수화 장치
JP2021041374A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 東洋紡株式会社 濃縮システム
JP2021041359A (ja) * 2019-09-12 2021-03-18 東洋紡株式会社 濃縮システム
WO2021049621A1 (ja) * 2019-09-11 2021-03-18 東洋紡株式会社 濃縮システム
JP2021045736A (ja) * 2019-09-11 2021-03-25 東洋紡株式会社 濃縮システム
WO2021157245A1 (ja) * 2020-02-04 2021-08-12 東洋紡株式会社 濃縮システム
JPWO2020158456A1 (ja) * 2019-01-30 2021-12-02 東洋紡株式会社 濃縮システムおよび濃縮方法
WO2022044363A1 (ja) * 2020-08-31 2022-03-03 オルガノ株式会社 濃縮方法、濃縮装置、水処理方法、および水処理装置
WO2022181541A1 (ja) * 2021-02-24 2022-09-01 東洋紡株式会社 濃縮装置
CN115432876A (zh) * 2021-06-04 2022-12-06 奥加诺株式会社 水处理方法和水处理装置
WO2023026815A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 東洋紡株式会社 正浸透処理方法および正浸透処理装置

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020027056A1 (ja) * 2018-08-03 2020-02-06 東洋紡株式会社 膜分離装置、造水システム、膜分離方法および造水方法
WO2020085426A1 (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 東洋紡株式会社 膜分離装置および膜分離方法
JP2020065993A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 東洋紡株式会社 膜分離装置および膜分離方法
JP7352125B2 (ja) 2018-10-26 2023-09-28 東洋紡エムシー株式会社 膜分離装置および膜分離方法
JPWO2020158456A1 (ja) * 2019-01-30 2021-12-02 東洋紡株式会社 濃縮システムおよび濃縮方法
WO2020175374A1 (ja) 2019-02-28 2020-09-03 東洋紡株式会社 中空糸膜および中空糸膜の製造方法
WO2020175375A1 (ja) * 2019-02-28 2020-09-03 東洋紡株式会社 中空糸膜、中空糸膜の製造方法、中空糸膜モジュール、膜分離装置および膜分離方法
JPWO2020175375A1 (ja) * 2019-02-28 2021-09-13 東洋紡株式会社 中空糸膜、中空糸膜の製造方法、中空糸膜モジュール、膜分離装置および膜分離方法
KR102280325B1 (ko) 2019-08-23 2021-07-21 한국기계연구원 삼투압 평형 공정과 역삼투 공정을 이용한 담수화 장치
KR20210023605A (ko) * 2019-08-23 2021-03-04 한국기계연구원 삼투압 평형 공정과 역삼투 공정을 이용한 담수화 장치
WO2021049621A1 (ja) * 2019-09-11 2021-03-18 東洋紡株式会社 濃縮システム
JP2021045736A (ja) * 2019-09-11 2021-03-25 東洋紡株式会社 濃縮システム
JP2021041359A (ja) * 2019-09-12 2021-03-18 東洋紡株式会社 濃縮システム
JP7427890B2 (ja) 2019-09-12 2024-02-06 東洋紡エムシー株式会社 濃縮システム
JP2021041374A (ja) * 2019-09-13 2021-03-18 東洋紡株式会社 濃縮システム
WO2021157245A1 (ja) * 2020-02-04 2021-08-12 東洋紡株式会社 濃縮システム
JP2021122769A (ja) * 2020-02-04 2021-08-30 東洋紡株式会社 濃縮システム
WO2022044363A1 (ja) * 2020-08-31 2022-03-03 オルガノ株式会社 濃縮方法、濃縮装置、水処理方法、および水処理装置
WO2022181541A1 (ja) * 2021-02-24 2022-09-01 東洋紡株式会社 濃縮装置
CN115432876A (zh) * 2021-06-04 2022-12-06 奥加诺株式会社 水处理方法和水处理装置
CN115432876B (zh) * 2021-06-04 2024-04-09 奥加诺株式会社 水处理方法和水处理装置
WO2023026815A1 (ja) * 2021-08-27 2023-03-02 東洋紡株式会社 正浸透処理方法および正浸透処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6977247B2 (ja) 2021-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6977247B2 (ja) 濃縮方法および濃縮装置
JP6834360B2 (ja) 濃縮方法および濃縮装置
JP5549589B2 (ja) 造水システム
JP2018001110A (ja) ブラインの処理方法、塩水の淡水化処理方法、ブラインの処理システム、および、塩水の淡水化処理システム
JP6269241B2 (ja) 正浸透処理システム
JP2018001111A (ja) 塩水の淡水化処理方法、および、塩水の淡水化処理システム
US20140048483A1 (en) Method for cleaning membrane module
WO2020179594A1 (ja) Zero Liquid Dischargeシステム
WO2012098969A1 (ja) 膜モジュールの洗浄方法、造水方法および造水装置
JP7102706B2 (ja) 海水淡水化方法および海水淡水化システム
JP7133429B2 (ja) 水処理システム及び水処理方法
JP2018507105A (ja) 高濃度に塩分を含んだフィードの浄化
WO2015100087A1 (en) Pressurized forward osmosis process and system
JPWO2014115769A1 (ja) 淡水製造装置の運転方法
JP6862935B2 (ja) 濃縮システムおよび濃縮方法
JP2008080255A (ja) 純水製造装置
WO2021157245A1 (ja) 濃縮システム
WO2021125002A1 (ja) 濃縮システム
CN212832953U (zh) 浓缩系统
JP7352125B2 (ja) 膜分離装置および膜分離方法
WO2020022218A1 (ja) 正浸透処理方法および正浸透処理装置
WO2021241620A1 (ja) 中空糸膜の交換方法
JP2017074532A (ja) 水処理装置および水処理方法
WO2021049621A1 (ja) 濃縮システム
JP7427890B2 (ja) 濃縮システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211012

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211025

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6977247

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350