JP2018126706A - 膜分離装置および流体分離方法 - Google Patents

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Yuichi Sugawara
祐一 菅原
卓朗 獅山
Takuro Shishiyama
卓朗 獅山
谷口 雅英
Masahide Taniguchi
雅英 谷口
寛生 高畠
Hiroo Takahata
寛生 高畠
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Abstract

【課題】スパイラル型分離膜エレメントを用いる分離膜ユニットにおいて、テレスコープ(ずれ)を抑制し、薬液洗浄頻度を低減できる膜分離装置の提供。
【解決手段】分離膜エレメントが、分離膜を流路部材と共に巻回した膜巻体の外周を外装体で覆い、膜巻体及び外装体の少なくとも片端にテレスコープ防止板を設け、テレスコープ防止板の外周と筒状圧力容器の内周面の間に被処理流体シール部材及び/又はダボを設けた構造であり、シール部材の一部及び/又はダボ及び/又は筒状圧力容器の一部及び/又はテレスコープ防止板の一部が被処理流体を圧力容器と分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路へバイパスする通水路を有し、最も後段の分離膜エレメントのシール部材と筒状圧力容器とテレスコープ防止板が通水路を持たない構造であり、前記筒状圧力容器と前記最後段分離エレメントの間に存在するバイパス流路とは水密に封止されている、膜分離装置。
【選択図】図7

Description

本発明は、被処理流体中に存在している成分を分離除去するためのスパイラル型分離膜エレメントを複数装填した分離膜モジュールを有する分離膜ユニットを備えた膜分離装置とその運転方法に関するものである。
近年、気体分離膜、逆浸透膜、ナノ濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜等、様々な分離膜を用いた流体分離技術は、高精度で省エネルギーの処理プロセスとして注目され、各種流体処理への適用が進められている。たとえば、逆浸透膜を用いた逆浸透分離法では、塩分等の溶質を含んだ溶液を該溶液の浸透圧以上の圧力で逆浸透膜を透過させることで、塩分等の溶質の濃度が低減された液体を得ることが可能であり、例えば海水やかん水の淡水化、超純水の製造、有価物の濃縮回収など幅広く用いられている。
これらの分離膜を効率的に運用するに当たって、最も大きな問題がファウリングと呼ばれる膜表面の汚染である。これは、被処理流体に含有する不純物質が膜の表面や分離膜の流路に堆積もしくは吸着して、分離膜の性能を低下させるものである。これを防止するために、フィルターなどで前処理を行って、不純物質を予め除去しておいたり、不純物質が堆積しにくいように分離膜モジュール流路に乱流を起こしたりするといった工夫がなされており、それでも汚染した場合には、薬液で洗浄するなどして回復させる方法が適用されている。しかし、前処理が不十分であったり、不純物が多量に含まれていたりすると、ファウリング原因物質の分離膜への侵入を防げない場合が多々ある。また、薬液洗浄は運転を停止することによる稼働率低下、薬液コスト、薬液による分離膜の劣化などのデメリットがあり、なるべく実施しないことが好ましい。
分離膜は、平膜、管状膜、中空糸膜など様々な形態を有するが、平膜の場合、スパイラル型分離膜エレメントという形態で用いられることが多い。従来のスパイラル型分離膜エレメントの構造としては、たとえば特許文献1に示すように、供給流体と透過流体の混合が生じないように端部が封止された構造の分離膜、供給側流路材及び透過側流路材の積層体の単数または複数が、有孔の中心管の周囲にスパイラル状に巻回され、その分離膜巻回体の両端にテレスコープ防止板が設置されている。
この分離膜エレメントは、被処理流体が一端面より供給され、供給側流路材に沿って流動しながら成分の一部(例えば、海水淡水化の場合は水)が分離膜を透過することにより分離される。その後、分離膜を透過した成分(透過水)は、透過側流路材に沿って流動して、中心管内へとその側面の孔から流入し、中心管内を流動し、透過流体として取り出される。一方、非透過成分(海水淡水化の場合は塩分)を高濃度に含有する処理水は、分離膜エレメントの他端面より濃縮水として取り出される。このようなスパイラル型分離膜エレメントは、被処理流体の流路が均一に配置され、偏流が生じにくいという利点を持っているが、前処理が不十分だった場合、被処理流体が供給される膜面にファウリング物質が蓄積しやすいという問題点を有している。
とくに、スパイラル型分離膜エレメントは、通常複数の分離膜エレメントを直列して、1つの圧力容器に装填して用いることが多いが、この場合、上述のファウリングは、先頭の分離膜エレメントで顕著に生じる。さらに、海水淡水化の場合は、浸透圧の影響によって、濃度の低い先頭エレメントでは透過流束が大きく、膜面にファウリング物質が運ばれやすいため、ファウリングを促進する。一方、濃縮に伴って浸透圧が上昇した最後方の分離膜エレメントでは、透過流束が小さいため、ファウリングも起こりにくい。
ファウリングが発生すると、流体の流路を閉塞させ流動抵抗が上昇するため、エレメントの流路部材が押し出されることがある。これをテレスコープと呼び、流路部材が押し出される際に膜面を傷つけたり、流路が変形して偏流が発生したりすることにより分離性能低下の原因となる。
そのため、テレスコープを予防するために薬液洗浄や、薬液洗浄に至る前に、被処理原水や透過水を膜の原水側に高流束で流すフラッシング、膜の透過側から逆圧力をかけて透過水を膜の原水側に逆流させて付着ファウリング物質を浮き上がらせて除去する逆圧洗浄といった物理洗浄と呼ばれる手法が適用されていることが多い。
例えば、特許文献1に示すように、定期的に濃縮水出口から透過水を供給し、被処理流体と逆方向にフラッシングする方法や、特許文献2に示すように、被処理流体側を正方向と逆方向に切り替えながら流してフラッシングする方法が提案されている。これによって、分離膜エレメント端部に蓄積したファウリング物質を除去するとともに、正方向の流れの時には、膜面のフラッシング効果が小さくなりやすい後方の分離膜エレメントに蓄積したファウリング物質を除去することが可能となる。さらに、特許文献3に示されるように運転中に被処理流体の流れる方向を逆にすることで、運転停止時間をほとんど生じさせることなく、分離膜面に蓄積したファウリング物質を除去する方法が提案されており、これは、特許文献4に示されるように、ツリー上に構成された複数の分離膜サブユニットにも適用し、それぞれの被処理流体の流れ方向を逆にすることが可能にすることが提案されている。
しかし、これらの方法は、薬液洗浄やフラッシングをするタイミングが適切でない場合、テレスコープが起こるという問題があった。
国際公開第2009/128328号 特開2004−141846号公報 特開2002−210335号公報 特開2004−261724号公報
本発明の目的は、スパイラル型分離膜エレメントを用いる分離膜ユニットにおいて、テレスコープを抑制し、薬液洗浄頻度を低減することを可能とする膜分離装置およびそれを用いた効率的な膜分離処理を実現することにある。
前記課題を解決するために、本発明は次の(1)から(17)の構成からなる。
(1)複数の分離膜エレメントが筒状圧力容器内に充填された少なくとも1つの分離膜モジュールからなる分離膜ユニットを備え、
被処理流体を処理流体および濃縮流体に膜分離する膜分離装置であって、
前記分離膜エレメントが、分離膜を流路部材と共に巻回した膜巻体の外周を外装体で覆い、
前記膜巻体および外装体の少なくとも片端にテレスコープ防止板を設け、
少なくとも1つの前記テレスコープ防止板の外周と前記筒状圧力容器の内周面の間に被処理流体シール部材またはダボの少なくとも一方を設けた構造であると共に、
前記被処理流体シール部材の一部、ダボ、前記筒状圧力容器の一部または前記テレスコープ防止板の一部の少なくともいずれか一つが、被処理流体を前記筒状圧力容器と分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路へバイパスさせる通水路を有し、
前記分離膜エレメントのうち最後段の分離膜エレメントのテレスコープ防止板の外周と前記筒状圧力容器の内周面の間に被処理流体シール部材を設けた構造であり、前記筒状圧力容器と前記最後段の分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路とは水密に封止されていることを特徴とする膜分離装置。
(2)少なくとも1つの分離膜エレメントとその後段の分離膜エレメントの間の被処理流体流路と前記バイパス流路とを連通させる構造を有することを特徴とする(1)に記載の膜分離装置。
(3)複数の膜エレメントに対して前記通水路を備えると共に、上流側の通水路の流動抵抗が下流側の通水路の流動抵抗と比べて同じか小さいことを特徴とする(1)または(2)に記載の膜分離装置。
(4)前記被処理流体シール部材が、UリングシールもしくはVリングシールもしくはスプリットリングシールもしくはダボの一つもしくは複数であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の膜分離装置。
(5)前記シール部材の通水路が穴、スリット、隙間の少なくとも一つから構成されることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の膜分離装置。
(6)被処理流体のバイパス流量もしくは前記通水部分にかかる圧力差が大きくなるほど前記通水部分の流動抵抗が小さくなることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の膜分離装置。
(7)前記通水路を通過する流体の流量が発生させる流体音もしくは電磁誘導によって生じる起電力を測定することによって流量を測定する流量測定機構を備えることを特徴とする(1)〜(6)に記載の膜分離装置。
(8)前記バイパス流路または通水路の少なくとも一方に空力騒音を発生する空力騒音発生手段を備えることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の膜分離装置。
(9)複数ある膜エレメントと膜エレメントの間の1箇所に中間プラグがあり、中間プラグ前後の処理流体をそれぞれ抜き出す処理流体抜き出しラインを備え、それぞれの処理流体の流量または水質の少なくとも一方を測定する装置を備えることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の膜分離装置。
(10)上記中間プラグが最も上流側の分離膜エレメントと次の分離膜エレメントの間に設置されていることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の膜分離装置。
(11)複数の分離膜エレメントが筒状圧力容器内に充填された少なくとも1つの分離膜モジュールからなる分離膜ユニットを用い、
被処理流体を処理流体および濃縮流体に膜分離する流体分離方法であって、
前記分離膜エレメントが、分離膜を流路部材と共に巻回した膜巻体の外周を外装体で覆い、
前記膜巻体および外装体の少なくとも片端にテレスコープ防止板を設け、
少なくとも1つの前記テレスコープ防止板の外周と前記筒状圧力容器の内周面の間に被処理流体シール部材またはダボの少なくとも一方を設け、
前記被処理流体シール部材の一部、ダボ、前記筒状圧力容器の一部または前記テレスコープ防止板の一部の少なくともいずれか一つが被処理流体を前記筒状圧力容器と分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路へ前記被処理流体の一部をバイパスさせ、
前記分離膜エレメントのうち最後段の分離膜エレメントのテレスコープ防止板の外周と前記筒状圧力容器の内周面の間に被処理流体シール部材を設け、前記筒状圧力容器と前記最後段の分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路とを水密に封止して被処理流体を膜分離することを特徴とする流体分離方法。
(12)前記通水路を形成する流路の流動抵抗について、上流側の流路の流動抵抗が下流側の流路の流動抵抗と比べて同じか小さいことを特徴とする(11)に記載の流体分離方法。
(13)前記分離膜エレメントのうち少なくとも先頭の分離膜エレメントの被処理流体の流量に対するバイパス流量が10%以上50%以下であることを特徴とする(11)または(12)に記載の流体分離方法。
(14)上流側の処理流体の流量が予め定められた下限値を下回った場合および/または下流側の処理流体の流量が予め定められた上限値を超えた場合に前記分離膜エレメントの洗浄もしくは交換行うことを特徴とする(11)〜(13)のいずれかに記載の流体分離方法。
(15)被処理流体の浸透圧が20bar以上であることを特徴とする(11)〜(14)のいずれかに記載の流体分離方法。
(16)被処理流体の流量に対するバイパス流量の割合が予め定められた値を超えた場合に、被処理流体の流量を下げる、分離膜エレメントに作用する圧力を下げる、分離膜エレメントの洗浄を行う、分離膜エレメントを交換することを特徴とする(11)〜(15)のいずれかに記載の流体分離方法。
(17)上流側の処理流体の流量が予め設定した上限値を超えないように、上流の処理流体の流量を調節することを特徴とする(11)〜(16)の流体分離方法。
本発明によって、圧力容器と分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路へ被処理流体をバイパスする通水路を持つことにより、分離膜エレメントの圧力損失が上昇した場合において分離膜エレメントを通過する流量を低減し、分離膜エレメントにおける流動抵抗を抑制することが可能となる。その効果として、テレスコープの発生を抑えることを可能とする。
また、バイパス流路の水量や処理流体の水量や水質から分離膜エレメントの薬液洗浄タイミングを判断することが可能となる。
本発明を構成するスパイラル型分離膜エレメントの実施形態の一例を示す部分破断斜視図である。 公知の複数のスパイラル型分離膜エレメントを筒状圧力容器に装填した分離膜モジュールの一例を示す部分破断斜視図である。 本発明に適用可能なUリングシールの一例を示す断面図である。 本発明に適用可能なOリングシールの一例を示す断面図である。 本発明に適用可能なスプリットリングシールの一例を示す平面図および断面図である。 本発明に適用可能なスプリットリングシールを分離膜エレメントへ装着した一例を示す正面図である。 本発明に係るスパイラル型分離膜エレメントを筒状圧力容器に装填した分離膜モジュールの一例を示す断面図である。 本発明に適用可能な通水路を有する被処理流体Uリングシール部材の一例を示す斜視図である。 本発明に適用可能な通水路を有するスプリットリングシールの一例を示す平面図である。 本発明に係る分離膜装置を実現するテレスコープ防止板に設置するダボの一例を示す斜視図である。 本発明に係る分離膜装置の実施形態の一例を示す断面図である。 本発明に係る分離膜装置を実現するテレスコープ防止板の一例を示す斜視図である。 本発明に係る分離膜装置の実施形態の他の一例を示す断面図である。 本発明に適用可能なバイパス流路に空力騒音を発生する手段を備える分離膜装置の実施形態の一例を示す断面図である。 本発明に適用可能な中間プラグを装着した分離膜装置の一例を示す断面図である。 本発明に係る分離膜装置の実施形態の一例を示すフロー図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれら図面に示す実施態様に限定されるものではない。
図1は、本発明を構成するスパイラル型分離膜エレメントの実施形態の一例を示す部分破断斜視図である。
図1において、分離膜エレメント20は、供給流体と透過流体の混合が生じないように端部が封止された構造の分離膜21、供給側流路材23及び透過側流路材22の積層体の単数または複数が、有孔の中心管24の周囲にスパイラル状に巻回され、その分離膜巻回体の外周が外層体で覆われ、この膜巻体及び外装体の少なくとも片端にテレスコープ防止板25が設置されている。テレスコープ防止板25の外周には、少なくとも1つの周回溝251が設けられ、図示しない被処理流体シール部材が配置される。
この分離膜エレメント20は、被処理流体26が一端面より供給され、供給側流路材23に沿って流動しながら成分の一部(例えば、海水淡水化の場合は水)が分離膜21を透過することにより、透過流体と濃縮流体とに分離される。その後、分離膜を透過した成分(透過水)は、透過側流路材22に沿って流動して、中心管24内へとその側面の孔から流入し、中心管24内を流動し、透過流体27として取り出される。一方、非透過成分(海水淡水化の場合は塩分)を高濃度に含有する処理水は、分離膜エレメント20の他端面より濃縮流体28(濃縮水)として排出される。
本発明では、図1に例示したスパイラル型膜エレメントを、図2に示すように、筒状圧力容器46に一つもしくは複数装填して、分離膜モジュール47を構成する。複数の分離膜エレメント39(39a,39b,39c,39d,39e,39f)を、筒状圧力容器46内に装填することにより、分離膜モジュール47を構成する。分離膜エレメント39を構成する少なくとも片端に設けられたテレスコープ防止板の少なくとも1つの外周と筒状圧力容器46の内周面の間に、被処理流体シール部材45(45a1〜45f1,45a2〜45f2)が配置される。
図2では、符号39a〜39fがそれぞれ図1に示す分離膜エレメント20を示している。被処理流体は、被処理流体供給口38から供給され、第1の分離膜エレメント39aの端部に供給される。第1の分離膜エレメント39aで処理された濃縮水(濃縮流体)は、第2の分離膜エレメント39bに供給されその後、順次39c,39d,39e,39fに供給、処理された後、最終的に濃縮水排出口40から排出される。それぞれの分離膜エレメント39a〜39fの中心パイプは、それぞれコネクター41で連接されるとともに、端板42a,42bに設けられた透過流体(透過水)取出口43a,43bに接続されており、それぞれの分離膜エレメントで得られた透過流体(透過水)が集められ、系外に取り出される。
なお、図2では、被処理流体供給口38と濃縮水排出口40が、端板に備えられているが、耐圧容器胴部44の端板近傍(すなわち、被処理流体供給口38が端板42aと第1の分離膜エレメント39aの間、濃縮水排出口40が端板42bと最終分離膜エレメント39fの間)に備えられていても差し支えない。圧力容器46と分離膜エレメント39の間(バイパス流路)に被処理流体が通るとエレメントを通過する流量が減るためにエレメントの効率が低下する。それを防止するために一般的にシールすることが多い。具体的には、それぞれの分離膜エレメント39a〜39fのテレスコープ防止板25の外周部には周回溝251を有しており、被処理流体シール部材(以下、単に「シール部材」ということがある。)45a1〜45f2を装填できることが好ましい。テレスコープ防止板25部分にシール部材45a1,45a2〜45f1,45f2が備えられ、それぞれの分離膜エレメントの被処理流体と濃縮水が隔離されている。
なお、図2では、それぞれの分離膜エレメント39a〜39fの両側にシール部材が備えられているが、片側(すなわち、45a1,45b1,45c1〜45f1もしくは45a2,45b2,45c2〜45f2)とすることも可能である。
シール部材としてU−カップリングシールもしくはV−カップリングシールが考案され広く使用されている。このU−カップリングシールは、弾性樹脂を用い、U字状の開いた部分が被処理流体を供給する側(原水側)に向くように分離膜エレメントのテレスコープ防止板にセットされている。このU−カップシールは、原水側から水が供給された時に、その水圧でU字が開き、U−カップシールと圧力容器との隙間を埋める構造になっている。V−カップリングシールも同様である。
図3は、分離膜エレメントが圧力容器内に装填された状態において、U−カップシール33がテレスコープ防止板の外周部30の周回溝251に嵌着され、テレスコープ防止板の外周と圧力容器の内周面との間でシールする状態を示すものであって、U−カップシール装着部分の近傍を拡大して模式的に示す拡大断面図である。
図3において、U−カップシール33は、圧力容器の内壁29との接触面積は比較的小さいが、前述したとおり、被処理流体(原水)上流から下流(図3の矢印Fで示すように左から右への方向)に流れる水に対してはシール機能が発揮される。
一方、従来技術として、O−リングシールを使用する場合もあり、テレスコープ防止板の外周側の周回溝に嵌着されたO−リングシールが、圧力容器の内壁と接触し、O−リングシールがつぶれて変形することで、分離膜エレメントと圧力容器内との隙間を埋めているため、両側からの被処理流体の供給に対して、良好なシール性を発揮することが出来る。図4は、分離膜エレメントが圧力容器内に装填された状態において、O−リングシール32がテレスコープ防止板25の外周部30の周回溝251に嵌着された、テレスコープ防止板の外周と圧力容器の内周面との間でシールする状態を示すものであって、O−リングシール装着部分の近傍を拡大して模式的に示す部分拡大断面図である。
図4において、O−リングシール32は、圧力容器の内壁29と圧接している部分において変形し、圧力容器の内壁29との接触面積が大きくなっている。
図5に示すようなスプリットリング状のシール部材(以下、「スプリットリングシール」という)を用いることも好ましい。スプリットリングシール34は、国際公開第2011/046944号に記載されている。スプリットリングシール34は、環状シールが1箇所以上で切断・分割された如き形状を有するものである。例えば、図5(a)(平面図)に示すようにスプリット部35が1箇所存在するものが好ましいが、環状シールが2箇所で切断・分割された如き半円弧状スプリットリングシールを2つ用いてもよい。スプリットリングシールの横断面形状は、特に限定されるものでは無いが、テレスコープ防止板の外周部30の周回溝251に収まり、移動しない構造であればよく、例えば、図5(b)(図5(a)の矢視b−bでの断面図)に示すように略四角形でもよいし、略多角形でもよい。スプリットリングシール34の大きさは、エレメントの外径や材質等により最適化すればよいが、例えば、シールの径方向幅(即ち、外周直径37と内周直径36との差の半分)が5〜10mm程度、シールの厚み3〜10mm程度を採用することができる。
このようなスプリットリングシール34は、図5(b)に示すように断面形状が矩形であるため、摺動面とシール部材が並行もしくは両方向対称に接触することができ、これによって、分離膜モジュール47の両側(38,40)から被処理流体を供給することが可能となり、しかも、スパイラル型分離膜エレメントを筒状圧力容器内に装填する時も、また、分離膜エレメントを圧力容器から抜き取る時も、容易に分離膜エレメントを圧力容器内で移動させることができるようになる。
スプリットリングシール部材の特性としては、分離膜エレメントのどちらから被処理流体を供給しても十分なシール性を発現することができる。このような特性を有するシール部材の形状としては、前述のスプリットリング状、もしくはシール接触面がとがった、すなわち、断面がたとえば三角形になっているデルタリング状や断面がOではなく凸レンズ状、また、接触面が凹凸を保った波板状が適用可能である。
スプリットリングシールにおけるスプリット部の形状は、特に限定されるものではないが、一例として、図5に示すように、シール長手方向に直角に切断した場合(図6(a))、シール長手方向に対し斜めに切断した場合(図6(b))、シール長手方向に対し階段状に切断した場合(図6(c))が挙げられる。
シール部材を、テレスコープ防止板の外周に装着するにあたって、1もしくは複数のシール部材を装着してもよい。スプリットリングシール部材を構成する素材は、非弾性体、弾性体のいずれでもよく、非弾性材を用いることが好ましい。U・Vカップリングシール、Oリングは装着するに当たり、拡張する必要があるため、弾性材を用いることが好ましい。非弾性材は、有機材料としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレンを始めとする、様々な硬質プラスチック、無機材料としても、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、チタンやそれらの合金を使うこともできれば、セラミック、黒鉛、石綿も用いることができるし、また、FRPなどのように有機無機複合体や以上の素材の複層品を用いることも可能である。
弾性材としては、特に制約はなく、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなど、一般に多用されるシール材を用いることができる。
なお、これらの素材は、分離膜モジュール47の対象となる被処理流体に耐久性があることが好ましい。たとえば、海水を対象にする場合は、鉄合金を用いると腐食しやすく、また、有機溶媒を含む場合は、耐久性が不十分な樹脂を使うと劣化しやすいので注意を要する。
従って、本発明の適用にあたっては、被処理流体シール部材(図2の45a1〜45f1、45a2〜45f2)については、すべて、上記シール部材を使用することによって本発明の目的を達成することが出来る。
全ての被処理流体が分離膜エレメントを通過することで分離性能は向上するが、分離膜エレメントの供給側流路材23が詰まった場合、分離膜エレメントの流動抵抗が上昇し、分離膜21、供給側流路材23及び透過側流路材22が押し出される現象(テレスコープ)が発生することがある。テレスコープ防止板を設けることでテレスコープを軽減することが可能であるが、完全に防止することは難しい。テレスコープにより分離膜表面が傷ついたり、供給側流路が不均一になったりするため水質が悪化する。そのため、本発明では、図7のように被処理流体がバイパス流路60に流入するように被処理流体シール部材の一部に通水路61a、61b、筒状圧力容器の一部に通水路62a、62b、前記テレスコープ防止板の一部に通水路63a、63bの少なくともいずれか一つを設けている。それにより、処理流体を適度に分離膜エレメントに流入させつつ分離膜エレメントの流動抵抗が上昇した場合に処理流体をバイパス流路60に逃がし、分離膜エレメントにかかる圧力を低減することが可能となる。
図8にV,U,O−カップリングシール部材の通水路の例を示す。図9にスプリットリングシール部材の通水路の例を示す。シール部材に限らずテレスコープ防止板や筒状圧力容器の通水路に関して形状に特に限定は無く、円形や楕円形、多角形の穴やスリット、隙間など任意の形状を適用できる。図10のような差し込み式および/またはねじ込み式のダボをテレスコープ防止板に設置することで突起を設けることも効果的である。ダボの大きさや個数によりバイパス流路に流す流量をコントロールすることが可能である。
また、通水路のサイズや数については、特に限定されないが、分離膜エレメントは供給口に近いほど供給側流路材23が詰まりやすいため、被処理流体供給口38から濃縮水排出口40に向かってサイズを小さくしたり、数を減らしたりすることで流動抵抗を増やすことでより効果的に膜分離をすることが可能となる。ただし、最も濃縮水排出口40に近い膜分離エレメントのシール部材は通水路を持つと被処理流体の一部が膜分離処理されず、効率が低下するため通水路は持たず、記筒状圧力容器と分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路とは水密に封止されており、最も濃縮水排出口40に近い膜分離エレメントのバイパス流路から膜分離エレメントを通過せず濃縮水排出口40に被処理流体が流れることを防止する。
前述の通り通水路の形状に特に限定は無いが、分離膜エレメントの流動抵抗が高いほど処理流体がバイパス流路60に流れるように通水路の流動抵抗が低下するとより望ましい。そのためにはシール部材やテレスコープ防止板、テレスコープ防止板の流路部分がゴムなどの弾性を持つ材質であり、通水路が星型多角形やスリットであること、またはシール部材の一部を薄くすることにより圧力に応じて通水路が生じるようすることにより実現することができる。
図11に通水路を持ったシール部材を装着したスパイラル型分離膜エレメントを筒状圧力容器に装填した分離膜モジュールの一例を示す。図11のようにスパイラル型分離膜エレメントのテレスコープ防止板同士が接触している場合、バイパス流路からエレメントへ流入する被処理流体量が限られる。そのため、分離膜エレメントとその後段の分離膜エレメントの間の被処理流体流路とバイパス流路とを連通させる構造を有することが望ましい。
図12に分離膜エレメントとその後段の分離膜エレメントの間の被処理流体流路とバイパス流路とを連通させる連通流路64a〜64nを持つテレスコープ防止板の一例を示す。これは、テレスコープ防止板が分離膜エレメントの両端に設けられ、隣接するテレスコープ防止板同士が接触している場合、バイパス流路から分離膜エレメントへ被処理流体が流入するための流路となる。テレスコープ防止板の強度に問題なければ流路の形状、サイズや数は特に限られることは無い。円形や多角形、スリットなどの形状を取ることができる。図12ではバイパス流路から分離膜エレメントへ流入している状況が描かれているが、分離膜エレメントの流動抵抗が大きい場合、分離膜エレメントからバイパス流路へ流出することもありえる。
図13に分離膜エレメントとその後段の分離膜エレメントの間に間隙を持たすことで被処理流体流路とバイパス流路とを連通させる流路を設けた分離膜モジュールの一例を示す。
バイパス通水路を有するそれぞれの分離膜エレメントにおいて、被処理流体の流量に対するバイパス流量が10%以上50%以下、より好ましくは20%以上40%以下であることが望ましい。10%以上50%以下の場合、被処理流体のバイパス流路へ流出するため分離膜エレメントの流動抵抗が十分低減される。20%以上40%以下の場合、さらに効果的である。流量の測定方法は特に制限されることはなく、例えば下記の空力騒音の大きさや電磁流量計、流体の流量が発生させる流体音などで測定することが可能である。
分離膜エレメントの供給側流路材23が閉塞物で詰まった場合、薬液で洗浄し閉塞物を除去することができる。しかし、薬液で洗浄する場合は造水を一時停止しなくてはならず、装置の稼働率が低下するためなるべく低頻度で薬洗することが望ましい。分離膜エレメントの閉塞の程度はバイパス流路60および/または通水路61〜63の流量を流体音もしくは電磁誘導によって生じる起電力を測定することで測定することが可能である。また、図14のようにバイパス流路60に笛などの空力騒音を発生する手段を備えることにより測定が容易となる。空力騒音を発生する手段は通水路61〜63に設置することも可能である。空力騒音を発生する手段としては、流体の流れにより音を発生するものならば何でもよく、笛などが挙げられる。
被処理流体の流量に対するバイパス流量の割合が予め定められた値を超えた場合に、被処理流体の流量を下げる、分離膜エレメントに作用する圧力を下げる、分離膜エレメントの洗浄を行う、分離膜エレメントを交換することにより安定な処理流体の供給が可能となる。
図15のように分離膜エレメントと分離膜エレメントの間に中間プラグ70を設置し、中間プラグより前の分離膜エレメントと後の分離膜エレメントの処理流体を別々に取り出し、流量および/または電気伝導率を測定することで分離膜エレメントの閉塞の程度を解析し、薬液洗浄のタイミングを設定することも可能である。中間プラグより上流側の分離膜エレメントが詰まった場合、中間プラグより前の分離膜エレメントの処理流体の流量が低下し電気伝導度が上昇する。処理流量や電気伝導率の測定は、中間プラグ前または後の処理流体と中間プラグ前後の処理流体を混合した後の処理流体を測定することから中間プラグ後ろまたは前の処理流体の流量や電気伝導率を計算することも可能である。
分離膜エレメントの供給側流路材23が処理流体中の固形物で詰まる場合、最も上流の分離膜エレメントの閉塞が顕著となる。そのため、中間プラグ70は最も上流の分離膜エレメントと2番目に上流の分離膜エレメントの間に設置することにより最も上流の分離膜エレメントの閉塞度合を確認することが可能となる。
中間プラグ70の上流側の処理流体流量が予め定められた下限値を下回った場合および/または下流側の処理流体の流量が予め定められた上限値を超えた場合に分離膜エレメントの洗浄もしくは交換行うことにより安定な処理流体の供給が可能となる。
また、中間プラグ70の上流側の処理流体流量が予め設定した上限値を超えないように、上流の処理流体の流量を調節することにより分離膜エレメントの閉塞を抑制することが可能となる。
図16は、本発明を適用した水処理用の膜分離装置の実施形態の一例を示すフロー図である。
図16において、被処理流体供給ユニットが、原水タンク2、原水供給ポンプ3、必要に応じて前処理ユニット4、前処理水槽5、昇圧ポンプ6から構成される。原水1は原水タンク2に供給された後、原水供給ポンプ3で取水され、必要に応じて、前処理ユニット4で処理した後、前処理水槽5に貯留される。前処理された水は、昇圧ポンプ6によって分離膜ユニット8に供給される。分離膜ユニット8は、少なくとも1つの分離膜サブユニットを有する。また分離膜サブユニットは、図2で例示した複数の分離膜エレメント39を筒状圧力容器内46に装填した、分離膜モジュール47の単数もしくは複数から構成される。また分離膜ユニット8は、前処理水の供給に用いることができる供給流体ライン(以下、「供給水側ライン」ということがある。)Fおよび透過流体ライン(以下、「透過水ライン」ということがある。)P1、P2を有する。図16では筒状圧力容器の上流側から透過流体を抜き出すラインを上流透過流体ラインP1、下流側から抜き出すラインを下流透過流体ラインP2と2本の透過流体ラインを有しているが、側透過流体ラインは1本であっても構わない。
圧力計14により供給圧の上昇、バイパス流量計12によりバイパス流量の増加、流量計13aにより上流側透過流体量の減少、流量計13bにより下流側透過流体量の増加、電気伝導率計11aにより上流側透過流体の電気伝導率の上昇が見られることにより、膜分離エレメントが閉塞したことを検知することが可能である。その場合、前述の通り膜分離膜エレメント薬液洗浄、被処理流体の流量低減、分離膜エレメントの交換、分離膜エレメントに作用する圧力の低減等を実施することを昇圧ポンプ6やバルブ7a、7b、7c、7dにより調整することが可能である。
本発明を適用可能なスパイラル型膜エレメントに用いられる分離膜21は平膜状の分離膜であって、逆浸透膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、ガス分離膜、脱ガス膜などが使用できる。供給側流路材23には、ネット状材料、メッシュ状材料、溝付シート、波形シート等が使用できる。透過側流路材22には、ネット状材料、メッシュ状材料、溝付シート、波形シート等が使用できる。いずれも、分離膜と独立したネットやシートでも構わないし、接着や融着するなどして一体化したものでも差し支えない。
テレスコープ防止板25は、分離膜巻回体が通過する流体の圧力により筒状に変形すること(テレスコープ現象)を防止するために設置された、空隙を有する板状物であり、外周側にはシール材を装填するための周回溝251を有していることが好ましい。テレスコープ防止板25は変形防止の機能を有すれば、その材質は特に制約はない。ただし、用途に応じて、耐薬品性や耐熱性など必要になる場合は、要求仕様に応じて適宜選択することが可能である。一般には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、耐熱性樹脂などの樹脂材が好適である。また、このテレスコープ防止板25は、原水の流れをなるべく妨げずに強度を維持する目的から、外周環状部と内周環状部と放射状スポーク部とを有するスポーク型構造であることが好ましい。
中心管24は、管の側面に複数の孔を有するものであり、中心管24の材質は、樹脂、金属など何れでもよいが、コスト、耐久性を鑑みて、ノリル樹脂、ABS樹脂等のプラスチックが通常使用されることが一般的である。
分離膜21の端部を封止するための手段としては、接着法が好適に用いられる。接着剤としては、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、ホットメルト接着剤等、公知の何れの接着剤も使用することができる。
また、スパイラル型分離膜エレメントは、分離膜巻回体の外周部が外装材により拘束されて拡径しない構造になっていることも好ましい。外装材は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどからなるシートや、硬化性樹脂を塗ったガラス繊維などからなるもので、分離膜巻回体の外周表面に、かかるシートや繊維を巻回して分離膜エレメントが拡径しないように拘束する。
本発明を適用可能な被処理流体は特に、制限されるものではなく、河川水、海水、下水処理水、雨水、工業用水、工業廃水など、いろいろな被処理流体を挙げることができるが、被処理流体に様々な有機物や無機物が含まれている流体に好適である。被処理流体の浸透圧が、テレスコープが発生することがある20bar以上である場合に特に好適である。
本発明は、被処理流体をバイパス流路へバイパスさせることでテレスコープやファウリングを効果的に防止することが可能となる。
1:原水
2:原水タンク
3:原水供給ポンプ
4:前処理ユニット
5:前処理水槽
6:昇圧ポンプ
7a〜7c:バルブ
8:分離膜ユニット
10:生産水タンク
11a,11b:電気伝導率計
12:バイパス流量計
13a,13b:流量計
14:圧力計
20:分離膜エレメント
21:分離膜
22:透過側流路材
23:供給側流路材
24:中心管
25:テレスコープ防止板
251:周回溝
26,26a:被処理流体(原水)
27,27a:透過流体(透過水)
28:濃縮流体(濃縮水)
29:筒状圧力容器の内壁
30:テレスコープ防止板の外周部
31:テレスコープ防止板の外周面
32:O−リングシール
33:U−カップシール
34:スプリットリング状のシール部材
35:スプリットリング状のシール部材のスプリット部
36:スプリットリング状のシール部材の内径
37:スプリットリング状のシール部材の外径
38:被処理流体(原水)供給口
39a,39b,39c,39d,39e,39f:分離膜エレメント
40:濃縮流体(濃縮水)取出口
41:コネクター
42a,42b:端板
43a,43b:透過流体(透過水)取出口
44:耐圧容器胴部
45a1,45b1,45c1,45d1,45e1,45f1:シール部材
45a2,45b2,45c2,45d2,45e2,45f2:シール部材
46:筒状圧力容器
47:分離膜モジュール
48:垂直にカットされたスプリット部
49,50:垂直にカットされたスプリット部の近傍のシール部材
51:テレスコープ防止板の円周溝の両側部分
52:斜めにカットされたスプリット部
53,54:斜めにカットされたスプリット部の近傍のシール部材
55:階段状にカットされたスプリット部
56,57:階段状にカットされたスプリット部の近傍のシール部材
60:バイパス流路
61a〜61z:シール部材通水路
62a,62b:筒状圧力容器通水路
63a,63b:テレスコープ防止板通水路
64a〜64n:連通流路
65:空力騒音発生手段
66:差込式ダボ
67:ねじ込み式ダボ
70:中間プラグ
F:供給流体ライン
Ff:供給流体
P1,P2:透過流体ライン
B:濃縮流体ライン

Claims (17)

  1. 複数の分離膜エレメントが筒状圧力容器内に充填された少なくとも1つの分離膜モジュールからなる分離膜ユニットを備え、
    被処理流体を処理流体および濃縮流体に膜分離する膜分離装置であって、
    前記分離膜エレメントが、分離膜を流路部材と共に巻回した膜巻体の外周を外装体で覆い、
    前記膜巻体および外装体の少なくとも片端にテレスコープ防止板を設け、
    少なくとも1つの前記テレスコープ防止板の外周と前記筒状圧力容器の内周面の間に被処理流体シール部材またはダボの少なくとも一方を設けた構造であると共に、
    前記被処理流体シール部材の一部、ダボ、前記筒状圧力容器の一部または前記テレスコープ防止板の一部の少なくともいずれか一つが、被処理流体を前記筒状圧力容器と分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路へバイパスさせる通水路を有し、
    前記分離膜エレメントのうち最後段の分離膜エレメントのテレスコープ防止板の外周と前記筒状圧力容器の内周面の間に被処理流体シール部材を設けた構造であり、前記筒状圧力容器と前記最後段の分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路とは水密に封止されていることを特徴とする膜分離装置。
  2. 少なくとも1つの分離膜エレメントとその後段の分離膜エレメントの間の被処理流体流路と前記バイパス流路とを連通させる構造を有することを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置。
  3. 複数の膜エレメントに対して前記通水路を備えると共に、上流側の通水路の流動抵抗が下流側の通水路の流動抵抗と比べて同じか小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の膜分離装置。
  4. 前記被処理流体シール部材が、UリングシールもしくはVリングシールもしくはスプリットリングシールもしくはダボの一つもしくは複数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜分離装置。
  5. 前記シール部材の通水路が穴、スリット、隙間の少なくとも一つから構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜分離装置。
  6. 被処理流体のバイパス流量もしくは前記通水部分にかかる圧力差が大きくなるほど前記通水部分の流動抵抗が小さくなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の膜分離装置。
  7. 前記通水路を通過する流体の流量が発生させる流体音もしくは電磁誘導によって生じる起電力を測定することによって流量を測定する流量測定機構を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の膜分離装置。
  8. 前記バイパス流路または通水路の少なくとも一方に空力騒音を発生する空力騒音発生手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の膜分離装置。
  9. 複数ある膜エレメントと膜エレメントの間の1箇所に中間プラグがあり、中間プラグ前後の処理流体をそれぞれ抜き出す処理流体抜き出しラインを備え、それぞれの処理流体の流量または水質の少なくとも一方を測定する装置を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の膜分離装置。
  10. 上記中間プラグが最も上流側の分離膜エレメントと次の分離膜エレメントの間に設置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の膜分離装置。
  11. 複数の分離膜エレメントが筒状圧力容器内に充填された少なくとも1つの分離膜モジュールからなる分離膜ユニットを用い、
    被処理流体を処理流体および濃縮流体に膜分離する流体分離方法であって、
    前記分離膜エレメントが、分離膜を流路部材と共に巻回した膜巻体の外周を外装体で覆い、
    前記膜巻体および外装体の少なくとも片端にテレスコープ防止板を設け、
    少なくとも1つの前記テレスコープ防止板の外周と前記筒状圧力容器の内周面の間に被処理流体シール部材またはダボの少なくとも一方を設け、
    前記被処理流体シール部材の一部、ダボ、前記筒状圧力容器の一部または前記テレスコープ防止板の一部の少なくともいずれか一つが被処理流体を前記筒状圧力容器と分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路へ前記被処理流体の一部をバイパスさせ、
    前記分離膜エレメントのうち最後段の分離膜エレメントのテレスコープ防止板の外周と前記筒状圧力容器の内周面の間に被処理流体シール部材を設け、前記筒状圧力容器と前記最後段の分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路とを水密に封止して被処理流体を膜分離することを特徴とする流体分離方法。
  12. 前記通水路を形成する流路の流動抵抗について、上流側の流路の流動抵抗が下流側の流路の流動抵抗と比べて同じか小さいことを特徴とする請求項11に記載の流体分離方法。
  13. 前記分離膜エレメントのうち少なくとも先頭の分離膜エレメントの被処理流体の流量に対するバイパス流量が10%以上50%以下であることを特徴とする請求項11または12に記載の流体分離方法。
  14. 上流側の処理流体の流量が予め定められた下限値を下回った場合および/または下流側の処理流体の流量が予め定められた上限値を超えた場合に前記分離膜エレメントの洗浄もしくは交換行うことを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の流体分離方法。
  15. 被処理流体の浸透圧が20bar以上であることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の流体分離方法。
  16. 被処理流体の流量に対するバイパス流量の割合が予め定められた値を超えた場合に、被処理流体の流量を下げる、分離膜エレメントに作用する圧力を下げる、分離膜エレメントの洗浄を行う、分離膜エレメントを交換することを特徴とする請求項11〜15のいずれかに記載の流体分離方法。
  17. 上流側の処理流体の流量が予め設定した上限値を超えないように、上流の処理流体の流量を調節することを特徴とする請求項11〜16のいずれかに記載の流体分離方法。
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