JP2020199477A - 水処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】多段の逆浸透膜装置を備えながら、モジュール差圧を下げることが可能であると共に、膜面圧力、処理水流量、濃縮倍率のばらつきを抑えることが可能な水処理システムを提供する。【解決手段】水処理システム1は、複数段の逆浸透膜モジュール10を備え、少なくとも最前段の逆浸透膜モジュール10に第1供給水W2が供給されると共に、最前段の逆浸透膜モジュール10以外の少なくとも一つの逆浸透膜モジュール10に対して、当該逆浸透膜モジュールの前段の逆浸透膜モジュール10から排出される濃縮水に所定量の第1供給水W2が加えられた第2供給水が、供給される。【選択図】図1
Description
本発明は、水処理システムに関する。
従来より、多段の逆浸透膜装置(以下では、「RO膜装置」とも呼称する)を備える水処理システムにおいて、小型・中型の機種では濃縮水を直列で接続するリジェクト配列を採用していた。
例えば、特許文献1は、逆浸透処理を高い回収率で実施可能とするため、被処理水を一次処理する逆浸透膜モジュールが複数配置された第1ユニットと、第1ユニットで分離された濃縮水を後次処理する逆浸透膜モジュールが1個又は複数配置された複数の第2ユニットとを備える逆浸透膜処理装置を開示している。
リジェクト配列を採用した場合に、最前段の逆浸透膜モジュールでは、途中で抜ける処理水流量分も余分に流す必要があるため、過剰な供給水が必要であった。そのため、モジュール差圧が大きくなっていた。また、膜面圧力、処理水流量や濃縮倍率にばらつきがあり、膜負荷が均等ではなかった。
本発明は、多段の逆浸透膜装置を備えながら、モジュール差圧を下げることが可能であると共に、膜面圧力、処理水流量、濃縮倍率のばらつきを抑えることが可能な水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、複数段の逆浸透膜モジュールを備え、少なくとも最前段の前記逆浸透膜モジュールに第1供給水が供給されると共に、最前段の前記逆浸透膜モジュール以外の少なくとも一つの逆浸透膜モジュールに対して、当該逆浸透膜モジュールの前段の前記逆浸透膜モジュールから排出される濃縮水に所定量の第1供給水が加えられた第2供給水が、供給される水処理システムに関する。
また、上記の水処理システムにおいて、最前段の逆浸透膜モジュール以外の全ての前記逆浸透膜モジュールに、第2供給水が供給されることが好ましい。
また、上記の水処理システムにおいて、濃縮水に対して第1供給水を加えるラインには、流量調整ユニットが設置されることが好ましい。
また、上記の水処理システムは、前記逆浸透膜モジュールはブラインシールとベッセルとを備え、前記ブラインシールに穴が設けられ、前記穴を介して逆浸透膜と前記ベッセルとの間に流れる第1供給水の流量が調整されることが好ましい。
本発明によれば、多段の逆浸透膜装置を備えながら、モジュール差圧を下げることが可能であると共に、膜面圧力、処理水流量、濃縮倍率のばらつきを抑えることが可能な水処理システムを提供することが可能となる。
〔1 第1実施形態〕
〔1.1 実施形態の構成〕
図1は、第1実施形態に係る水処理システム1の全体構成図である。
図1に示すように、水処理システム1は、給水ポンプ5と、給水側インバータ6と、第1定流量弁8Aと、第2定流量弁8Bと、第1逆浸透膜モジュール10Aと、第2逆浸透膜モジュール10Bと、第3逆浸透膜モジュール10Cと、第4逆浸透膜モジュール10Dと、第5逆浸透膜モジュール10Eと、第6逆浸透膜モジュール10Fと、制御部30とを備える。
〔1.1 実施形態の構成〕
図1は、第1実施形態に係る水処理システム1の全体構成図である。
図1に示すように、水処理システム1は、給水ポンプ5と、給水側インバータ6と、第1定流量弁8Aと、第2定流量弁8Bと、第1逆浸透膜モジュール10Aと、第2逆浸透膜モジュール10Bと、第3逆浸透膜モジュール10Cと、第4逆浸透膜モジュール10Dと、第5逆浸透膜モジュール10Eと、第6逆浸透膜モジュール10Fと、制御部30とを備える。
また、水処理システム1は、ラインとして、給水ラインL1と、第1供給水ラインL21と、第2供給水ラインL22と、第3供給水ラインL23と、第4供給水ラインL24と、第5供給水ラインL25と、第6供給水ラインL26と、第1濃縮水ラインL31と、第2濃縮水ラインL32と、第3濃縮水ラインL33と、第4濃縮水ラインL34と、第5濃縮水ラインL35と、第1透過水ラインL41と、第2透過水ラインL42と、第3透過水ラインL43と、第4透過水ラインL44と、第5透過水ラインL45と、第6透過水ラインL46と、第7透過水ラインL47と、第8透過水ラインL48と、第9透過水ラインL49と、第10透過水ラインL50と、第11透過水ラインL51と、濃縮排水ラインL6とを備える。
給水ラインL1は、給水W1を、第1供給水ラインL21及び第2供給水ラインL22との合流部である接続部J1まで供給するラインである。給水ラインL1の上流側の端部は、給水W1の供給源(不図示)に接続されている。給水ラインL1には、上流側から下流側に向けて順に、給水ポンプ5、接続部J1が設けられている。
なお、給水ラインL1を流通する給水W1には、給水W1の供給源(不図示)から直接供給される給水に限らず、例えば、給水W1を濾過処理装置(除鉄除マンガン装置、活性炭濾過装置等)、硬水軟化装置等の前処理装置により前処理された給水も含まれる。
給水ポンプ5は、給水ラインL1を流通する給水W1を流通し、第1供給水W2として、接続部J1に向けて圧送(吐出)する装置である。給水ポンプ5には、給水側インバータ6から周波数が変換された駆動電力が供給される。給水ポンプ5は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
給水側インバータ6は、給水ポンプ5に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。給水側インバータ6は、制御部30と電気的に接続されている。給水側インバータ6には、制御部30から指令信号が入力される。給水側インバータ6は、制御部30により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を、給水ポンプ5に出力する。
接続部J1において、第1供給水W2は、第1供給水ラインL21を流通する第2供給水W21と、第2供給水ラインL22を流通する第3供給水W22とに分割される。
第1供給水ラインL21は、第2供給水W21を、第1逆浸透膜モジュール10Aまで供給するラインである。第1供給水ラインL21の上流側の端部は、接続部J1に接続されている。第1供給水ラインL21には、第1逆浸透膜モジュール10Aが設けられている。
第1逆浸透膜モジュール10Aは、第2供給水W21を、溶存塩類が除去された第1透過水W41と、溶存塩類が濃縮された第1濃縮水W31とに膜分離処理する設備である。第1逆浸透膜モジュール7は、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。第1逆浸透膜モジュール10Aは、これらRO膜エレメントにより第2供給水W21を膜分離処理し、第1濃縮水W31及び第1透過水W41を製造する。
第1濃縮水ラインL31は、第1逆浸透膜モジュール10Aで分離された第1濃縮水W31を送出するラインである。第1濃縮水ラインL31の上流側の端部は、第1逆浸透膜モジュール10Aの一次側出口ポートに接続されている。また、第1濃縮水ラインL31の下流側の端部は、第2逆浸透膜モジュール10Bの一次側入口ポートに接続されている。
第1透過水ラインL41は、第1逆浸透膜モジュール10Aで分離(製造)された第1透過水W41を送出するラインである。第1透過水ラインL41の上流側の端部は、第1逆浸透膜モジュール10Aの二次側ポートに接続されている。第1透過水ラインL41の下流側の端部は、第10透過水ラインL50及び第11透過水ラインL51との合流部である接続部J2に、接続されている。
第2逆浸透膜モジュール10Bは、第1濃縮水W31を、溶存塩類が除去された第2透過水W42と、溶存塩類が濃縮された第2濃縮水W32とに膜分離処理する設備である。第2逆浸透膜モジュール10Bは、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。第2逆浸透膜モジュール10Bは、これらRO膜エレメントにより第1濃縮水W31を膜分離処理し、第2濃縮水W32及び第2透過水W42を製造する。
第2濃縮水ラインL32は、第2逆浸透膜モジュール10Bで分離された第2濃縮水W32を送出するラインである。第2濃縮水ラインL32の上流側の端部は、第2逆浸透膜モジュール10Bの一次側出口ポートに接続されている。また、第2濃縮水ラインL32の下流側の端部は、接続部J3に接続されている。
第2透過水ラインL42は、第2逆浸透膜モジュール10Bで分離(製造)された第2透過水W42を送出するラインである。第2透過水ラインL42の上流側の端部は、第2逆浸透膜モジュール10Bの二次側ポートに接続されている。第2透過水ラインL42の下流側の端部は、第9透過水ラインL49及び第10透過水ラインL50との合流部である接続部J4に、接続されている。
第2供給水ラインL22は、第3供給水W22を、第3供給水ラインL23と第4供給水ラインL24との合流部である接続部J5まで供給するラインである。第2供給水ラインL22の上流側の端部は、接続部J1に接続されている。
接続部J5において、第3供給水W22は、第3供給水ラインL23を流通する第4供給水W23と、第4供給水ラインL24を流通する第5供給水W24とに分割される。
第3供給水ラインL23は、第4供給水W23を、第2濃縮水ラインL32と第5供給水ラインL25との合流部である接続部J3まで供給するラインである。第3供給水ラインL23の上流側の端部は、接続部J5に接続されている。第3供給水ラインL23には、上流側から下流側に向けて順に、第1定流量弁8A、接続部J3が設けられている。
第1定流量弁8Aは、第3供給水ラインL23を流通する第4供給水W23の流量を所定の一定流量値に保持するように調節する機器である。第1定流量弁8Aにおいて保持される「一定流量値」とは、一定流量値に幅がある概念であり、第1定流量弁8Aにおける目標流量値のみに限られない。例えば、定流量機構の特性(例えば、材質や構造に起因する温度特性等)を考慮して、定流量弁における目標流量値に対して、±10%程度の調節誤差を有するものを含む。第1定流量弁8Aは、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持するものであり、例えば、水ガバナの名称で呼ばれるものが挙げられる。なお、第1定流量弁8Aは、補助動力や外部操作により動作して、一定流量値を保持するものでもよい。
第3供給水ラインL23を流通する第4供給水W23と、第2濃縮水ラインL32を流通する第2濃縮水W32とは、接続部J3において合流し、第6供給水W25として、第5供給水ラインL25に供給される。
第5供給水ラインL25は、第6供給水W25を、第3逆浸透膜モジュール10Cまで供給するラインである。第5供給水ラインL25の上流側の端部は、接続部J3に接続されている。第5供給水ラインL25には、第3逆浸透膜モジュール10Cが設けられている。
第3逆浸透膜モジュール10Cは、第6供給水W25を、溶存塩類が除去された第3透過水W43と、溶存塩類が濃縮された第3濃縮水W33とに膜分離処理する設備である。第3逆浸透膜モジュール10Cは、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。第3逆浸透膜モジュール10Cは、これらRO膜エレメントにより第6供給水W25を膜分離処理し、第3濃縮水W33及び第3透過水W43を製造する。
第3濃縮水ラインL33は、第3逆浸透膜モジュール10Cで分離された第3濃縮水W33を送出するラインである。第3濃縮水ラインL33の上流側の端部は、第3逆浸透膜モジュール10Cの一次側出口ポートに接続されている。また、第3濃縮水ラインL33の下流側の端部は、第4逆浸透膜モジュール10Dの一次側入口ポートに接続されている。
第3透過水ラインL43は、第3逆浸透膜モジュール10Cで分離(製造)された第3透過水W43を送出するラインである。第3透過水ラインL43の上流側の端部は、第3逆浸透膜モジュール10Cの二次側ポートに接続されている。第3透過水ラインL43の下流側の端部は、第8透過水ラインL48及び第9透過水ラインL49との合流部である接続部J6に、接続されている。
第4逆浸透膜モジュール10Dは、第3濃縮水W33を、溶存塩類が除去された第4透過水W44と、溶存塩類が濃縮された第4濃縮水W34とに膜分離処理する設備である。第4逆浸透膜モジュール10Dは、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。第4逆浸透膜モジュール10Dは、これらRO膜エレメントにより第3濃縮水W33を膜分離処理し、第4濃縮水W34及び第4透過水W44を製造する。
第4濃縮水ラインL34は、第4逆浸透膜モジュール10Dで分離された第4濃縮水W34を送出するラインである。第4濃縮水ラインL34の上流側の端部は、第4逆浸透膜モジュール10Dの一次側出口ポートに接続されている。また、第4濃縮水ラインL34の下流側の端部は、接続部J7に接続されている。
第4透過水ラインL44は、第4逆浸透膜モジュール10Dで分離(製造)された第4透過水W44を送出するラインである。第4透過水ラインL44の上流側の端部は、第4逆浸透膜モジュール10Dの二次側ポートに接続されている。第4透過水ラインL44の下流側の端部は、第7透過水ラインL47及び第8透過水ラインL48との合流部である接続部J8に、接続されている。
第4供給水ラインL24は、第5供給水W24を、第4濃縮水ラインL34と第6供給水ラインL26との合流部である接続部J7まで供給するラインである。第4供給水ラインL24の上流側の端部は、接続部J5に接続されている。第4供給水ラインL24には、上流側から下流側に向けて順に、第2定流量弁8B、接続部J7が設けられている。
第2定流量弁8Bは、第4供給水ラインL24を流通する第5供給水W24の流量を所定の一定流量値に保持するように調節する機器である。第1定流量弁8Aと同様、第2定流量弁8Bにおいて保持される「一定流量値」とは、一定流量値に幅がある概念であり、第2定流量弁8Bにおける目標流量値のみに限られない。例えば、定流量機構の特性(例えば、材質や構造に起因する温度特性等)を考慮して、定流量弁における目標流量値に対して、±10%程度の調節誤差を有するものを含む。第2定流量弁8Bは、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持するものであり、例えば、水ガバナの名称で呼ばれるものが挙げられる。なお、第2定流量弁8Bは、補助動力や外部操作により動作して、一定流量値を保持するものでもよい。
第4供給水ラインL24を流通する第5供給水W24と、第4濃縮水ラインL34を流通する第4濃縮水W34とは、接続部J7において合流し、第7供給水W26として、第6供給水ラインL26に供給される。
第6供給水ラインL26は、第7供給水W26を、第5逆浸透膜モジュール10Eまで供給するラインである。第6供給水ラインL26の上流側の端部は、接続部J7に接続されている。第6供給水ラインL26には、第5逆浸透膜モジュール10Eが設けられている。
第5逆浸透膜モジュール10Eは、第7供給水W26を、溶存塩類が除去された第5透過水W45と、溶存塩類が濃縮された第5濃縮水W35とに膜分離処理する設備である。第5逆浸透膜モジュール10Eは、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。第5逆浸透膜モジュール10Eは、これらRO膜エレメントにより第7供給水W26を膜分離処理し、第5濃縮水W35及び第5透過水W45を製造する。
第5濃縮水ラインL35は、第5逆浸透膜モジュール10Eで分離された第5濃縮水W35を送出するラインである。第5濃縮水ラインL35の上流側の端部は、第5逆浸透膜モジュール10Eの一次側出口ポートに接続されている。また、第5濃縮水ラインL35の下流側の端部は、第6逆浸透膜モジュール10Fの一次側入口ポートに接続されている。
第5透過水ラインL45は、第5逆浸透膜モジュール10Eで分離(製造)された第5透過水W45を送出するラインである。第5透過水ラインL45の上流側の端部は、第5逆浸透膜モジュール10Eの二次側ポートに接続されている。第5透過水ラインL45の下流側の端部は、第6透過水ラインL46及び第7透過水ラインL47との合流部である接続部J9に、接続されている。
第6逆浸透膜モジュール10Fは、第5濃縮水W35を、溶存塩類が除去された第6透過水W46と、溶存塩類が濃縮された濃縮排水W6とに膜分離処理する設備である。第6逆浸透膜モジュール10Fは、単一又は複数のRO膜エレメント(不図示)を備える。第6逆浸透膜モジュール10Fは、これらRO膜エレメントにより第5濃縮水W35を膜分離処理し、濃縮排水W6及び第6透過水W46を製造する。
濃縮排水ラインL6は、第6逆浸透膜モジュール10Fで分離された濃縮排水W6を装置外(系外)に排出するラインである。濃縮排水ラインL6の上流側の端部は、第6逆浸透膜モジュール10Fの一次側出口ポートに接続されている。
第6透過水ラインL46は、第6逆浸透膜モジュール10Fで分離(製造)された第6透過水W46を送出するラインである。第6透過水ラインL46の上流側の端部は、第6逆浸透膜モジュール10Fの二次側ポートに接続されている。第6透過水ラインL46の下流側の端部は、第5透過水ラインL45及び第7透過水ラインL47との合流部である接続部J9に、接続されている。
第5透過水ラインL45を流通する第5透過水W45と、第6透過水ラインL46を流通する第6透過水W46とは、接続部J9において合流し、第7透過水W47として、第7透過水ラインL47に供給される。
第4透過水ラインL44を流通する第4透過水W44と、第7透過水ラインL47を流通する第7透過水W47とは、接続部J8において合流し、第8透過水W48として、第8透過水ラインL48に供給される。
第3透過水ラインL43を流通する第3透過水W43と、第8透過水ラインL48を流通する第8透過水W48とは、接続部J6において合流し、第9透過水W49として、第9透過水ラインL49に供給される。
第2透過水ラインL42を流通する第2透過水W42と、第9透過水ラインL49を流通する第9透過水W49とは、接続部J4において合流し、第10透過水W50として、第10透過水ラインL50に供給される。
第1透過水ラインL41を流通する第1透過水W41と、第10透過水ラインL50を流通する第10透過水W50とは、接続部J2において合流し、第11透過水W51として、第11透過水ラインL51に供給される。
第11透過水ラインL51は、第11透過水W51を送出するラインである。第11透過水ラインL51の上流側の端部は、接続部J2に接続されている。第11透過水ラインL51の下流側の端部は、需要箇所の装置等に接続されている。
制御部30は、CPU、ROM、RAM、CMOSメモリ等を有し、これらはバスを介して相互に通信可能に構成される、当業者にとって公知のものである。
CPUは水処理システム1を全体的に制御するプロセッサである。該CPUは、ROMに格納された各種プログラムを、バスを介して読み出し、該各種プログラムに従って水処理システム1全体を制御するように構成される。より詳細には、CPUは、給水ポンプ5を、第1供給水W2の流量値が一定となるような回転速度で駆動させることが可能である。
RAMには一時的な計算データや表示データ等の各種データが格納される。CMOSメモリは図示しないバッテリでバックアップされ、水処理システム1の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。
なお、図1に示す水処理システム1の構成はあくまで一例であって、これには限定されない。例えば、水処理システム1は、逆浸透膜モジュール10の個数は6個に限定されず、任意の複数個の逆浸透膜モジュール10を備えることが可能である。
また、図1に示す水処理システム1において、各供給水、各濃縮水、及び各透過水の流量を定量とする上で、第1逆浸透膜モジュール10A〜第6逆浸透膜モジュール10Fに備わるブラインシールに適当な大きさの穴を設けることにより、各透過水の流量を定量としてもよい。
図2Aは、ブラインシールを含む逆浸透膜モジュールの断面を示す。RO膜100に対し、供給水の供給元方向にベッセルヘッドキャップ101が隣接し、ROベッセル(ハウジング)102が、RO膜100とベッセルヘッドキャップ101とを収容する。更に、RO膜がROベッセル102と接する表面上であって、RO膜100とベッセルヘッドキャップ101との境界近傍に円環状の溝103が設けられ、溝103内にゴム製のブラインシール104が収容される。図2Bは、ブラインシール104が収容された溝103の拡大図である。
図2Cは、ブラインシール104の全体図である。また、図2Dは、図2C中に示される枠内の部分を拡大した詳細図である。また、図2Eは、ブラインシール104の断面図である。図2Cに示すように、ブラインシール104は円環状であり、図2Dにも示されるように、ブラインシール104には等間隔に、供給水を通すための穴105が複数設けられる。また、図2Eに示すように、ブラインシール104の断面は、一部が切り欠き状となった六角形状となっている。
図2Fは、ブラインシール104を経由する供給水の流路を示す。図2Fの破線矢印に示すように、ベッセルヘッドキャップ101を通った供給水は、RO膜100とベッセルヘッドキャップ101との境界面を通り、RO膜100と、ベッセルヘッドキャップ101と、ROベッセル102との接点に達した後、RO膜100とROベッセル102との境界面を通ってから、ブラインシール104の穴105を経由し、再度RO膜100とROベッセル102との境界面を通って、次のベッセルに導入される。
ゴム製のブラインシール104に穴105を開けている形状のため、供給水の圧力が高いと穴105の大きさは小さくなり、供給水の圧力が低いと穴105の大きさは大きくなる。これにより、供給水に関し、ある程度の定流量性が保たれる。
これにより、供給ラインを別途設ける必要なく、前段の逆浸透膜モジュール10から排出される濃縮水に加えられる供給水の量を一定にすることが可能となる。
上記のように、水処理システム1において、給水ポンプ5から第1逆浸透膜モジュール10Aに第2供給水W21を供給する第1供給水ラインL21から分岐して、第1逆浸透膜モジュール10Aよりも後段の第3逆浸透膜モジュール10Cに対し、第4供給水W23を供給すると共に、第5逆浸透膜モジュール10Eに対し、第5供給水W24を供給する。これにより、前段の逆浸透膜モジュールにおいて濃縮水の流量を減らせるため、モジュール差圧を小さくできる。更に、水処理システム1におけるモジュール差圧の上限値(例えば0.3MPa)、すなわち逆浸透膜モジュール内のスペーサが水圧で押し出されてしまう上限値に達するまでの余裕が大きくなる。
また、水処理システム1において、各供給水、各濃縮水、及び各透過水の水量は、例えば、W1=W2=11m3/h、W21=7m3/h、W22=4m3/h、W23=2m3/h、W24=2m3/h、W25=7m3/h、W26=7m3/h、W31=6m3/h、W32=5m3/h、W33=6m3/h、W34=5m3/h、W35=6m3/h、W41=W42=W43=W44=W45=W46=1m3/h、W47=2m3/h、W48=3m3/h、W49=4m3/h、W50=5m3/h、W51=6m3/h、W6=5m3/hである。この場合、モジュール差圧は0.057MPaとなり、第1逆浸透膜モジュール10よりも後段の逆浸透膜モジュールに供給水を供給しない場合に比較して、モジュール差圧が32%減少する。
更に、第1逆浸透膜モジュール10Aよりも後段の第3逆浸透膜モジュール10Cに対し、第4供給水W23を供給すると共に、第5逆浸透膜モジュール10Eに対し、第5供給水W24を供給することにより、より多本数の逆浸透膜モジュールに対して、リジェクト配列を適用することが可能となる。
また、逆浸透膜が詰まってくると、省エネ効果が例えば10%程度大きくなる。
〔1.2 実施形態の効果〕
本実施形態に係る水処理システム1は、複数段の逆浸透膜モジュール10を備え、少なくとも最前段の前記逆浸透膜モジュール10に第1供給水が供給されると共に、最前段の逆浸透膜モジュール10以外の少なくとも一つの逆浸透膜モジュール10に対して、逆浸透膜モジュール10の前段の逆浸透膜モジュール10から排出される濃縮水に所定量の第1供給水W2が加えられた供給水が、供給される。
これにより、多段の逆浸透膜モジュールを備えながら、モジュール差圧を下げることにより、使用年数を延ばすことが可能となると共に、膜面圧力、処理水流量、濃縮倍率のばらつきを抑えることにより、膜負荷を平均化することが可能となる。
本実施形態に係る水処理システム1は、複数段の逆浸透膜モジュール10を備え、少なくとも最前段の前記逆浸透膜モジュール10に第1供給水が供給されると共に、最前段の逆浸透膜モジュール10以外の少なくとも一つの逆浸透膜モジュール10に対して、逆浸透膜モジュール10の前段の逆浸透膜モジュール10から排出される濃縮水に所定量の第1供給水W2が加えられた供給水が、供給される。
これにより、多段の逆浸透膜モジュールを備えながら、モジュール差圧を下げることにより、使用年数を延ばすことが可能となると共に、膜面圧力、処理水流量、濃縮倍率のばらつきを抑えることにより、膜負荷を平均化することが可能となる。
また、濃縮水に対して第1供給水W2を加えるラインには、流量調整ユニットとしての定流量弁8が設置される。
これにより、濃縮水に対して第1供給水W2を加えるラインに、例えば定流量弁などの流量調整ユニットを設置することにより、供給水に加える原水の量を一定にすることが可能となる。
これにより、濃縮水に対して第1供給水W2を加えるラインに、例えば定流量弁などの流量調整ユニットを設置することにより、供給水に加える原水の量を一定にすることが可能となる。
また、逆浸透膜モジュール10はブラインシールとベッセルとを備え、ブラインシールに穴が設けられ、当該穴を介して逆浸透膜とベッセルとの間に流れる第1供給水W2の流量が調整されてもよい。
これにより、供給ラインを別途設ける必要なく、第2供給水に加える第1供給水の量を一定にすることが可能となる。
これにより、供給ラインを別途設ける必要なく、第2供給水に加える第1供給水の量を一定にすることが可能となる。
〔2 第2実施形態〕
〔2.1 実施形態の構成〕
図3は、第2実施形態に係る水処理システム1Aの全体構成図である。なお、以下では説明の簡略化のため、基本的には、水処理システム1Aが水処理システム1と異なる構成要素について説明する。
〔2.1 実施形態の構成〕
図3は、第2実施形態に係る水処理システム1Aの全体構成図である。なお、以下では説明の簡略化のため、基本的には、水処理システム1Aが水処理システム1と異なる構成要素について説明する。
第1実施形態に係る水処理システム1においては、給水ポンプ5から第1逆浸透膜モジュール10Aに第2供給水W21を供給する第1供給水ラインL21から分岐して、第1逆浸透膜モジュール10Aよりも後段の第3逆浸透膜モジュール10Cに対し、第4供給水W23を供給すると共に、第5逆浸透膜モジュール10Eに対し、第5供給水W24を供給していた。すなわち、第1供給水ラインL21から分岐する供給水は、一つ飛びに、第3逆浸透膜モジュール10C及び第5逆浸透膜モジュール10Eに対して供給されていた。
一方で、第2実施形態に係る水処理システム1Aにおいて、第1供給水ラインL21から分岐する供給水は、第1逆浸透膜モジュール10Aを除く全ての逆浸透膜モジュール10に供給される。
一方で、第2実施形態に係る水処理システム1Aにおいて、第1供給水ラインL21から分岐する供給水は、第1逆浸透膜モジュール10Aを除く全ての逆浸透膜モジュール10に供給される。
具体的には、図3において、第2供給水ラインL22と第1濃縮水ラインL31との間に、第7供給水ラインL27が備わり、第7供給水ラインL27は、上流から順に、接続部J10、第3定流量弁8C、及び接続部J11を備える。
接続部J10において、第7供給水ラインL27は、第2供給水ラインL22から分岐し、接続部J10から第7供給水ラインL27に対して、第8供給水W27が供給される。
第3定流量弁8Cは、第7供給水ラインL27を流通する第8供給水W27の流量を所定の一定流量値に保持するように調節する機器である。第1定流量弁8Aと同様、第3定流量弁8Cにおいて保持される「一定流量値」とは、一定流量値に幅がある概念であり、第3定流量弁8Cにおける目標流量値のみに限られない。例えば、定流量機構の特性(例えば、材質や構造に起因する温度特性等)を考慮して、定流量弁における目標流量値に対して、±10%程度の調節誤差を有するものを含む。第3定流量弁8Cは、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持するものであり、例えば、水ガバナの名称で呼ばれるものが挙げられる。なお、第3定流量弁8Cは、補助動力や外部操作により動作して、一定流量値を保持するものでもよい。
第7供給水ラインL27を流通する第8供給水W27と、第1濃縮水ラインL31を流通する第1濃縮水W31とは、接続部J11において合流し、第9供給水W36として、第2逆浸透膜モジュール10Bに供給される。
また、図3において、第4供給水ラインL24と第3濃縮水ラインL33との間に、第8供給水ラインL28が備わり、第8供給水ラインL28は、上流から順に、接続部J12、第4定流量弁8D、及び接続部J13を備える。
接続部J12において、第8供給水ラインL28は、第2供給水ラインL22から分岐し、接続部J12から第8供給水ラインL28に対して、第10供給水W28が供給される。
第4定流量弁8Dは、第8供給水ラインL28を流通する第10供給水W28の流量を所定の一定流量値に保持するように調節する機器である。第1定流量弁8Aと同様、第4定流量弁8Dにおいて保持される「一定流量値」とは、一定流量値に幅がある概念であり、第4定流量弁8Dにおける目標流量値のみに限られない。例えば、定流量機構の特性(例えば、材質や構造に起因する温度特性等)を考慮して、定流量弁における目標流量値に対して、±10%程度の調節誤差を有するものを含む。第4定流量弁8Dは、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持するものであり、例えば、水ガバナの名称で呼ばれるものが挙げられる。なお、第4定流量弁8Dは、補助動力や外部操作により動作して、一定流量値を保持するものでもよい。
第8供給水ラインL28を流通する第10供給水W28と、第3濃縮水ラインL33を流通する第3濃縮水W33とは、接続部J13において合流し、第11供給水W37として、第4逆浸透膜モジュール10Dに供給される。
また、図3において、第4供給水ラインL24と第5濃縮水ラインL35との間に、第9供給水ラインL29が備わり、第9供給水ラインL29は、上流から順に、接続部J14、第5定流量弁8E、及び接続部J15を備える。
接続部J14において、第8供給水ラインL28は、第4供給水ラインL24から分岐し、接続部J14から第8供給水ラインL28に対して、第12供給水W29が供給される。
第5定流量弁8Eは、第9供給水ラインL29を流通する第12供給水W29の流量を所定の一定流量値に保持するように調節する機器である。第1定流量弁8Aと同様、第5定流量弁8Eにおいて保持される「一定流量値」とは、一定流量値に幅がある概念であり、第5定流量弁8Eにおける目標流量値のみに限られない。例えば、定流量機構の特性(例えば、材質や構造に起因する温度特性等)を考慮して、定流量弁における目標流量値に対して、±10%程度の調節誤差を有するものを含む。第5定流量弁8Eは、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持するものであり、例えば、水ガバナの名称で呼ばれるものが挙げられる。なお、第5定流量弁8Eは、補助動力や外部操作により動作して、一定流量値を保持するものでもよい。
第9供給水ラインL29を流通する第12供給水W29と、第5濃縮水ラインL35を流通する第5濃縮水W35とは、接続部J15において合流し、第13供給水W38として、第6逆浸透膜モジュール10Fに供給される。
なお、図1に示す水処理システム1の構成はあくまで一例であって、これには限定されない。例えば、水処理システム1は、逆浸透膜モジュール10の個数は6個に限定されず、任意の複数個の逆浸透膜モジュール10を備えることが可能である。
また、水処理システム1において、各供給水、各濃縮水、及び各透過水の水量は、例えば、W1=W2=11m3/h、W21=6m3/h、W22=5m3/h、W23=W24=1m3/h、W25=W26=6m3/h、W27=W28=W29=1m3/h、W31=W32=W33=W34=W35=5m3/h、W36=W37=W38=6m3/h、W41=W42=W43=W44=W45=W46=1m3/h、W47=2m3/h、W48=3m3/h、W49=4m3/h、W50=5m3/h、W51=6m3/h、W6=5m3/hである。この場合、モジュール差圧は0.050MPaとなり、第1逆浸透膜モジュール10Aよりも後段の逆浸透膜モジュールに供給水を供給しない場合に比較して、モジュール差圧が40%減少する。
〔2.2 実施形態の効果〕
本実施形態に係る水処理システム1Aにおいては、最前段の逆浸透膜モジュール10A以外の全ての前記逆浸透膜モジュール10に対して、当該逆浸透膜モジュールの前段の前記逆浸透膜モジュールから排出される濃縮水に所定量の第1供給水W2が加えられた供給水が、供給される。
先頭の逆浸透膜モジュール装置以外の全ての逆浸透膜モジュール装置に第1供給水が供給されることにより、モジュール差圧をさらに下げることが可能となる。
本実施形態に係る水処理システム1Aにおいては、最前段の逆浸透膜モジュール10A以外の全ての前記逆浸透膜モジュール10に対して、当該逆浸透膜モジュールの前段の前記逆浸透膜モジュールから排出される濃縮水に所定量の第1供給水W2が加えられた供給水が、供給される。
先頭の逆浸透膜モジュール装置以外の全ての逆浸透膜モジュール装置に第1供給水が供給されることにより、モジュール差圧をさらに下げることが可能となる。
1、1A 水処理システム
5 給水ポンプ
6 給水側インバータ
8A、8B、8C、8D、8E 定流量弁
10A、10B、10C、10D、10E、10F 逆浸透膜モジュール
30 制御部
L1 給水ライン
L2、L21、L22、L23、L24、L25、L26、L27、L28、L29 供給水ライン
5 給水ポンプ
6 給水側インバータ
8A、8B、8C、8D、8E 定流量弁
10A、10B、10C、10D、10E、10F 逆浸透膜モジュール
30 制御部
L1 給水ライン
L2、L21、L22、L23、L24、L25、L26、L27、L28、L29 供給水ライン
Claims (4)
- 複数段の逆浸透膜モジュールを備え、
少なくとも最前段の前記逆浸透膜モジュールに第1供給水が供給されると共に、
最前段の前記逆浸透膜モジュール以外の少なくとも一つの逆浸透膜モジュールに対して、当該逆浸透膜モジュールの前段の前記逆浸透膜モジュールから排出される濃縮水に所定量の第1供給水が加えられた第2供給水が、供給される水処理システム。 - 最前段の逆浸透膜モジュール以外の全ての前記逆浸透膜モジュールに、第2供給水が供給される、請求項1に記載の水処理システム。
- 濃縮水に対して第1供給水を加えるラインには、流量調整ユニットが設置される、請求項1又は2に記載の水処理システム。
- 前記逆浸透膜モジュールはブラインシールとベッセルとを備え、
前記ブラインシールに穴が設けられ、前記穴を介して逆浸透膜と前記ベッセルとの間に流れる第1供給水の流量が調整される、請求項1又は2に記載の水処理システム。
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-
2019
- 2019-06-12 JP JP2019109774A patent/JP2020199477A/ja active Pending
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