JP6720428B1 - 純水製造装置およびその運転方法 - Google Patents

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Abstract

無駄に消費されていたエネルギーを有効に利用して省エネルギーを実現する。純水製造装置1は、被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有する膜ろ過装置2と、被処理水と透過水と濃縮水とのいずれかを処理する水処理装置3と、膜ろ過装置2からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインL3に設けられ、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の流れを利用して発電を行い、発電された電力を水処理装置3に供給する水力発電装置5と、を有している。

Description

本発明は、純水製造装置およびその運転方法に関する。
工業用水、井水、市水などの原水から純水を製造する方法として、逆浸透膜(RO膜)またはナノろ過膜(NF膜)とイオン交換体とを利用した方法が知られている。この方法によれば、原水をRO膜またはNF膜で透過水と濃縮水とに分離した後、透過水をさらにイオン交換体に通水することで、脱イオン水(純水)を製造することができる。すなわち、原水から純水を製造する装置として、RO膜またはNF膜を有する膜ろ過装置と電気式脱イオン水製造装置とを組み合わせた純水製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−104959号公報
このような純水製造装置では、膜ろ過装置のRO膜またはNF膜に浸透圧以上の圧力で原水が供給され、逆浸透の原理を利用して透過水と濃縮水とに分離される。そのため、膜ろ過装置で分離された濃縮水は比較的高圧になる。しかしながら、そのような濃縮水の圧力エネルギーは、濃縮水の一部を膜ろ過装置の上流側に還流するために利用されることがあるものの、他の用途に有効利用されているとはいえず、無駄に消費されているのが現状である。
そこで、本発明の目的は、無駄に消費されていたエネルギーを有効に利用して省エネルギーを実現する純水製造装置およびその運転方法を提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明の純水製造装置は、被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有する膜ろ過装置と、電気式脱イオン水製造装置と、膜ろ過装置からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインに設けられた少なくとも1つの水力発電機と、少なくとも1つの水力発電機をバイパスするように濃縮水ラインに接続されたバイパスラインとを有し、濃縮水ラインを流れる濃縮水の流れを利用して発電を行い、発電された電力を電気式脱イオン水製造装置に供給する水力発電装置と、を有している。
また、本発明の純水製造装置の運転方法は、被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有する膜ろ過装置と、電気式脱イオン水製造装置と、を有する純水製造装置の運転方法であって、膜ろ過装置からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインに少なくとも1つの水力発電機を設置するとともに、少なくとも1つの水力発電機をバイパスするように濃縮水ラインにバイパスラインを接続する工程と、膜ろ過装置からの濃縮水の流れを利用して発電を行い、発電された電力を電気式脱イオン水製造装置に供給する工程と、を含んでいる。
このような純水製造装置およびその運転方法によれば、膜ろ過装置で分離された濃縮水の圧力エネルギーが電力として回収され、膜ろ過装置に付随して設置された水処理装置のために利用される。これにより、システム全体としてエネルギー効率を向上させることができる。
以上、本発明によれば、無駄に消費されていたエネルギーを有効に利用して省エネルギーを実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る電気式脱イオン水製造装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る水力発電装置の一構成例を示す概略図である。 本発明の第2の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。 本発明の第4の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。図2は、図1の純水製造装置を構成する電気式脱イオン水製造装置の概略構成図である。なお、図示した純水製造装置および電気式脱イオン水製造装置の構成は、それぞれ単なる一例であり、本発明を制限するものではなく、装置の使用目的や用途、要求性能に応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。
純水製造装置1は、原水(被処理水)を順次処理して純水を製造するものであり、膜ろ過装置2と、膜ろ過装置2の下流側に設けられた電気式脱イオン水製造装置(以下、「EDI装置」ともいう)3とを有している。
膜ろ過装置2は、原水中の不純物を除去して透過水を生成するものであり、原水を、不純物を含む濃縮水と、不純物が除去された透過水とに分離する逆浸透膜(RO膜)またはナノろ過膜(NF膜)を有している。膜ろ過装置2は、膜ろ過装置2に原水を供給する供給ラインL1と、膜ろ過装置2で分離された透過水を流通させる透過水ラインL2と、膜ろ過装置2で分離された濃縮水を流通させる濃縮水ラインL3とに接続されている。濃縮水ラインL3の下流側の部分は、2つのライン、すなわち、濃縮水の一部を外部に排出する排水ラインL4と、その残りを供給ラインL1に還流させる還流水ラインL5とに分岐している。以下では、説明の便宜上、濃縮水ラインのうち分岐していない上流側の部分を単に「濃縮水ライン」と呼び、下流側の部分と区別するが、排水ラインと還流水ラインも、膜ろ過装置からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインの一部であることに留意されたい。還流水ラインL5は、その下流側で、供給ラインL1のうち後述する加圧ポンプ4の上流側に接続されている。なお、還流水ラインL5は、供給ラインL1に直接接続される代わりに、原水を貯留する原水タンク(図示せず)に接続されていてもよい。また、還流水ラインL5は省略されていてもよく、すなわち、膜ろ過装置2で分離された濃縮水の全部が外部に排出されてもよい。
供給ラインL1には、原水タンクに貯留された原水を膜ろ過装置2に供給するための加圧ポンプ4が設けられている。加圧ポンプ4は、インバータ(図示せず)によって回転数が制御されるようになっており、膜ろ過装置2への原水の供給圧力を調整する機能を有していてもよい。排水ラインL4には、排水ラインL4を流れる濃縮水の流量を調整するためのバルブV1が設けられている。還流水ラインL5には、排水ラインL4を流れる濃縮水と還流水ラインL5を流れる濃縮水の圧力バランスを調整するためのバルブV2が設けられている。
EDI装置3は、イオン交換体による被処理水の脱イオン化(脱塩)処理と、イオン交換体の再生処理とを同時に行う装置である。EDI装置3は、透過水ラインL2を介して膜ろ過装置2に接続され、被処理水として膜ろ過装置2で分離された透過水の供給を受けるようになっている。EDI装置3は、EDI装置3からの処理水(脱イオン水)を流通させて処理水タンクまたはユースポイントに供給する処理水ラインL6と、EDI装置3からの濃縮水(以下、「EDI濃縮水」ともいう)を外部に排出する濃縮水排出ラインL7とに接続されている。なお、EDI濃縮水は、その水質によって、一部または全部が供給ラインL1または原水タンクに還流されてもよい。また、図1には示されていないが、EDI装置3からは後述する電極水も排出される。
図2を参照すると、EDI装置3は、陽極11を備えた陽極室E1と、陰極12を備えた陰極室E2と、陽極室E1と陰極室E2との間に位置する脱塩室Dと、脱塩室Dの両側に配置された一対の濃縮室C1,C2とを有している。脱塩室Dは、陽極11側のアニオン交換膜a1と陰極12側のカチオン交換膜c1とで区画されている。一対の濃縮室C1,C2は、アニオン交換膜a1を介して脱塩室Dと隣接する陽極側濃縮室C1と、カチオン交換膜c1を介して脱塩室Dと隣接する陰極側濃縮室C2とを含んでいる。陽極側濃縮室C1は、カチオン交換膜c2を介して陽極室E1と隣接し、陰極側濃縮室C2は、アニオン交換膜a2を介して陰極室E2と隣接している。
脱塩室Dには、カチオン交換体とアニオン交換体との少なくとも一方が充填され、好ましくは、カチオン交換体とアニオン交換体の両方が充填されている。すなわち、脱塩室Dには、カチオン交換体とアニオン交換体とがいわゆる混床形態または複床形態で充填されていることが好ましい。カチオン交換体としては、カチオン交換樹脂、カチオン交換繊維、モノリス状多孔質カチオン交換体等が挙げられ、最も汎用的なカチオン交換樹脂が好適に用いられる。カチオン交換体の種類としては、弱酸性カチオン交換体、強酸性カチオン交換体等が挙げられる。アニオン交換体としては、アニオン交換樹脂、アニオン交換繊維、モノリス状多孔質アニオン交換体等が挙げられ、最も汎用的なアニオン交換樹脂が好適に用いられる。アニオン交換体の種類としては、弱塩基性アニオン交換体、強塩基性アニオン交換体等が挙げられる。
なお、陽極側濃縮室C1および陰極側濃縮室C2には、EDI装置3の電気抵抗を抑えるために、それぞれイオン交換体が充填されていることが好ましい。また、陽極室E1および陰極室E2にも、EDI装置3の電気抵抗を抑えるために、それぞれイオン交換体などの導電性物質が充填されていることが好ましい。一例として、陽極側濃縮室C1、陰極側濃縮室C2、および陰極室E2には、アニオン交換体が充填され、陽極室E1には、カチオン交換体が充填されている。
膜ろ過装置2からの透過水ラインL2は複数(図示した例では4つ)に分岐して、脱塩室D、陽極側濃縮室C1、陰極側濃縮室C2、および陰極室E2にそれぞれ接続されている。脱塩室Dは、その下流側で処理水ラインL6に接続されている。陽極側濃縮室C1および陰極側濃縮室C2は並列流路を形成し、その下流側で濃縮水排出ラインL7に接続されている。こうして、膜ろ過装置2からの透過水が、被処理水として脱塩室Dに供給され、濃縮室流入水として陽極側濃縮室C1および陰極側濃縮室C2に供給される。また、陰極室E2は陽極室E1と直列流路を形成し、したがって、膜ろ過装置2からの透過水は、電極室流入水として陰極室E2から陽極室E1にも供給され、電極水として外部に排出される。
脱塩室Dには、透過水ラインL2を通じて膜ろ過装置2から透過水(被処理水)が供給され、透過水中のイオン成分は、脱塩室Dを通過する際に除去される。イオン成分が除去された透過水は、処理水(脱イオン水)として、処理水ラインL6を通じて処理水タンクまたはユースポイントに供給される。このとき、脱塩室Dで除去されたイオン成分は、両極11,12間に直流電圧が印加されることで発生する電位差により、脱塩室Dに隣接する濃縮室C1,C2に移動する。具体的には、カチオン成分は、陰極12側に引き寄せられ、カチオン交換膜c1を通過して陰極側濃縮室C2に移動し、アニオン成分は、陽極11側に引き寄せられ、アニオン交換膜a1を通過して陽極側濃縮室C1に移動する。こうして濃縮室C1,C2に移動したイオン成分は、濃縮室流入水に取り込まれ、濃縮水排出ラインL7を介して外部に排出される。一方で、脱塩室Dでは、水解離反応(水が水素イオンと水酸化物イオンとに解離する反応)が連続的に進行している。水素イオンは、カチオン交換体に吸着したカチオン成分と交換され、水酸化物イオンは、アニオン交換体に吸着したアニオン成分と交換される。こうして、脱塩室Dに充填されたカチオン交換体およびアニオン交換体がそれぞれ再生される。
なお、冒頭でも述べたように、EDI装置3の図示した構成は、あくまで一例である。装置の使用目的や用途、要求性能に応じて、各室の構成(数、配置など)や流路構成を変更したり、バルブや計測器などを追加したりするなどの変更が適宜可能である。例えば、EDI装置は、2つ以上の脱塩室を備えていてもよい。この場合、脱塩室と濃縮室とは、カチオン交換膜またはアニオン交換膜を介して交互に設けられ、陽極に最も近い濃縮室が陽極室と隣接し、陰極に最も近い濃縮室が陰極室と隣接することになる。一方で、電極室(陽極室または陰極室)に隣接する濃縮室が省略され、電極室と脱塩室を隣接させることで、電極室が濃縮室を兼ねていてもよい。このような電極室が濃縮室を兼ねる構成は、脱塩室の数にかかわらず適用可能である。また、脱塩室は、中間イオン交換膜(例えば、アニオン交換膜またはカチオン交換膜の単一膜やバイポーラ膜など)によって直流電流の通電方向に2つの小脱塩室に分割されていてもよい。この場合、2つの小脱塩室は、直列流路を形成し、陽極側の小脱塩室には少なくともアニオン交換体が充填され、陰極側の小脱塩室には少なくともカチオン交換体が充填される。濃縮室への通水方向は脱塩室への通水方向と反対であってもよく、一対の濃縮室は直列流路を形成していてもよい。さらに、濃縮室流入水は、処理水の一部であってもよく、脱塩室が2つの小脱塩室に区画されている場合には、被処理水を一方の小脱塩室に通水して得られた中間処理水の一部であってもよい。また、電極室流入水は陽極室に先に流入するようになっていてもよく、電極室は並列流路を形成していてもよい。さらに、電極室流入水は、処理水の一部であってもよく、脱塩室が2つの小脱塩室に区画されている場合には、被処理水を一方の小脱塩室に通水して得られた中間処理水の一部であってもよい。
ところで、上述した純水製造装置1では、供給ラインL1を流れる原水は、供給ラインL1に設けられた加圧ポンプ4と濃縮水ラインL3に設けられたバルブなどの圧力調整手段(図示せず)とにより、浸透圧以上の圧力に加圧されて膜ろ過装置2に供給される。そして、膜ろ過装置2に供給された原水は、逆浸透の原理を利用して透過水と濃縮水とに分離される。そのため、膜ろ過装置2で分離されて濃縮水ラインL3を流通する濃縮水は比較的高圧になる。しかしながら、そのような濃縮水の圧力エネルギーは、還流水ラインL5を通じて濃縮水を膜ろ過装置2の上流側に還流させる場合に利用されるものの、他の用途に有効利用されているとはいえず、無駄に消費されているのが現状である。
そこで、本実施形態の純水製造装置1は、膜ろ過装置2で分離された濃縮水の圧力エネルギーを電力として回収するための水力発電装置5を有している。水力発電装置5は、膜ろ過装置2からの濃縮水を流通させる濃縮水ラインL3に設けられ、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水を利用して発電を行い、発電された電力をEDI装置3に供給するものである。このような水力発電装置5により、膜ろ過装置2で分離された濃縮水の圧力エネルギーをEDI装置3のために利用することができ、システム全体としてエネルギー効率を向上させることができる。
水力発電装置5は、EDI装置3の直流電源装置の代替として用いられてもよく、あるいは、そのような直流電源装置の電源として追加的に用いられてもよい。水力発電装置5では、膜ろ過装置2の運転に連動して、発電とEDI装置3への通電とが行われる。そのため、EDI装置3の直流電源装置に対して代替的または追加的に水力発電装置5を用いることは、膜ろ過装置2からEDI装置3への通水に合わせて通電を行うような電源制御を行う必要がない点でも有利である。なお、水力発電装置5の発電量の変動が大きい場合、水力発電装置5からEDI装置3への通電は、充電装置や安定化電源装置を介して行われてもよい。
水力発電装置5の設置位置は、濃縮水の流れを利用して発電を行うことができる位置であれば、濃縮水ラインL3上に限定されず、例えば、排水ラインL4上や還流水ラインL5上であってもよい。ただし、より多くのエネルギーを回収するためには、水力発電装置5の設置位置は、濃縮水の圧力が最も高く、流量が最も大きい位置であることが好ましい。すなわち、本実施形態のように濃縮水ラインL3の下流側に排水ラインL4と還流水ラインL5が接続されている場合、水力発電装置5は、濃縮水ラインL3に設けられていることが好ましい。
濃縮水の圧力エネルギー(位置エネルギーや運動エネルギー)を電気エネルギーに変換できるものであれば、水力発電装置5の構成に特に制限はなく、濃縮水の流量範囲や要求される発電量に応じて適切な公知の水力発電機を用いることができる。その中でも、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水の流れを受けて回転する羽根車を有するものが好ましく、特に、羽根車の回転数から濃縮水の流量を検出するように構成されたものが好ましい。このような水力発電機を用いることで、濃縮水ラインL3に流量計を設置することが不要になる。なお、この場合、羽根車の回転数は、EDI装置3の運転電流(両極11,12間に流れる直流電流)または運転電圧(両極11,12間に印加される直流電圧)の測定値から逆算することができる。また、水力発電機の種類にも特に制限はなく、直流発電機の他、交流発電機も用いることができる。ただし、交流発電機は、EDI装置3の直流電源装置の電源として用いる場合、直流電源装置に直接接続することもできるが、直流電源装置の代替として用いる場合、交流/直流変換装置を介してEDI装置3に接続する必要がある点に留意されたい。
水力発電装置5を構成する水力発電機の数は1つに限定されず、複数の水力発電機が濃縮水ラインL3に直列に配置されていてもよい。その場合、それらの電気的な接続は直列であっても並列であってもよく、あるいは直列と並列を組み合わせたものであってもよい。複数の水力発電機を用いる場合、できるだけ多くのエネルギーを回収するためには、それぞれの水力発電機は圧力損失が小さいことが好ましく、それにより、できるだけ多くの水力発電機を配置することが可能になる。一方、複数の水力発電機を用いることは、必要に応じて発電量(EDI装置3への供給電力量)の調整が可能になる点でも有利である。以下、図3を参照して、このような水力発電装置5の構成例について説明する。図3は、本実施形態の水力発電装置の一構成例を示す概略図である。
図3に示す水力発電装置5は、濃縮水ラインL3に直列に配置された2つの水力発電機51,52と、2つの水力発電機51,52のうち第2の水力発電機52をバイパスするように濃縮水ラインL3に接続されたバイパスラインL31とを有している。2つの水力発電機51,52は、電気的に並列に接続され、EDI装置3の直流電源としてEDI装置3に接続されている。バイパスラインL31にはバルブV3が設けられ、濃縮水ラインL3にもバルブV4,V5が設けられている。バルブV4は、濃縮水ラインL3とバイパスラインL31との上流側接続部の下流側に設けられ、バルブV5は、濃縮水ラインL3とバイパスラインL31との下流側接続部の上流側に設けられている。バイパスラインL31のバルブV3を開放し、濃縮水ラインL3のバルブV4,V5を閉鎖することで、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水を第1の水力発電機51のみに流通させることができる。これにより、第1の水力発電機51のみで発電が行われるため、EDI装置3への供給電流を低くすることができる。また、バイパスラインL31のバルブV3を閉鎖し、濃縮水ラインL3のバルブV4,V5を開放することで、濃縮水ラインL3を流れる濃縮水を第1の水力発電機51と第2の水力発電機52の両方に流通させることができる。これにより、第1の水力発電機51と第2の水力発電機52の両方で発電が行われるため、EDI装置3への供給電流を高くすることができる。
また、図3に示す水力発電装置5は、EDI装置3の運転電流に基づいて、上述した2つの発電モードの切り替えを実行する制御部(図示せず)を有している。一般に、EDI装置3では、EDI装置3へ通電される電気量に応じてイオン除去が行われるが、被処理水の水温やイオン組成の変化により、EDI装置3の電気抵抗が変動することがある。そして、EDI装置3の電気抵抗が高くなると、除去すべきイオンを濃縮室へと移動するために必要な電流をEDI装置3に供給するためにより多くの電力が必要になる。そこで、図3に示す水力発電装置5では、EDI装置3の電気抵抗の変動に応じて上述した発電モードの切り替えが行われ、水力発電装置5からEDI装置3への供給電流が調整される。その結果、EDI装置3で必要とされる電流での運転を維持することが可能になる。例えば、EDI装置3の電気抵抗が低い状態では、第1の水力発電機51のみで発電が行われるようにバイパスラインL31に濃縮水が通水されるが、EDI装置3の電気抵抗が上昇して運転電流が低くなると、バイパスラインL31への通水が停止される。その結果、第1の水力発電機51と第2の水力発電機52の両方で発電が行われることで、EDI装置3への供給電流が増加し、EDI装置3の定電流運転を維持することが可能になる。
上述した発電モードの切り替えは、膜ろ過装置2に供給される原水またはEDI装置3で製造された脱イオン水の水質に基づいて行われてもよい。すなわち、原水の水質が悪化したり、EDI装置3の処理水質が低下したりする場合には、EDI装置3の運転電流を増加させて処理性能を向上させるために、バイパスラインL31への通水を停止して第1の水力発電機51と第2の水力発電機52の両方で発電が行われてもよい。
図3では、水力発電装置5を構成する水力発電機の数が2つの場合が例示されているが、水力発電機の数は3つ以上であってもよい。水力発電機の数が3つ以上の場合、バイパスラインは、2つ以上の水力発電機をバイパスするように濃縮水ラインL3に接続されていてもよい。あるいは、2つ以上のバイパスラインが濃縮水ラインL3に接続されていてもよく、その場合、各バイパスラインは、それぞれ異なる数の水力発電機をバイパスするようになっていてもよい。なお、水力発電装置5が複数の水力発電機で構成されている場合、それらは同じ構成であっても異なる構成であってもよく、濃縮水の流量範囲や要求される発電量に応じて、様々な構成の水力発電機を適切に組み合わせて使用することができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。以下、第1の実施形態と同様の構成については、図面に同じ符号を付してその説明を省略し、第1の実施形態と異なる構成のみ説明する。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態のEDI装置(第1のEDI装置)3に加えて、その下流側にもう1つのEDI装置(第2のEDI装置)6が設けられている点で第1の実施形態と異なっている。第2のEDI装置6は、第1のEDI装置3と基本的に同じ構成を有している。すなわち、図示はしないが、第2のEDI装置6は、第1のEDI装置3の脱塩室Dと同様の脱塩室と、第1のEDI装置3の一対の濃縮室C1,C2と同様の一対の濃縮室とを有している。第2のEDI装置6は、第1のEDI装置3の一対の濃縮室C1,C2から流出する水、すなわち第1のEDI装置3からのEDI濃縮水を処理し、処理した水を供給ラインL1に返送するようになっている。したがって、第2のEDI装置6の脱塩室は、その上流側で、第1のEDI装置3の濃縮水排出ラインL7に接続され、その下流側で、上記処理した水を供給ラインL1に還流させる処理水返送ラインL8に接続されている。なお、第2のEDI装置6の処理水質によっては、処理水返送ラインL8は、供給ラインL1にではなく透過水ラインL2に接続されていてもよい。また、第2のEDI装置6は、第2のEDI装置6からのEDI濃縮水を外部に排出する濃縮水排出ラインL9にも接続されている。
第2のEDI装置6は、純水を製造するために用いられる第1のEDI装置3に比べて、それほどの処理性能が要求されないため、電源制御にもそれほどの精度が要求されない。したがって、本実施形態のように2つのEDI装置3,6を備えた純水製造装置1では、より安定した電源制御が求められる第1のEDI装置3には通常の直流電源装置が用いられることが好ましく、水力発電装置5は、第2のEDI装置6の直流電源装置として用いられることが好ましい。ただし、水力発電装置5の発電量によっては、水力発電装置5から充電装置や安定化電源装置を介して第1のEDI装置3にも電力の供給が行われてもよい。特に、水力発電装置5が複数の水力発電機から構成されている場合(図3参照)、2つのEDI装置3,6に対してそれぞれの別の水力発電機から電力が供給されてもよい。
なお、2つのEDI装置3,6の接続形態は、図4に示す形態に限定されず、例えば、図示はしないが、2つのEDI装置3,6が直列に接続されて膜ろ過装置2から供給される透過水を順次処理するようになっていてもよい。すなわち、第2のEDI装置6が、第1のEDI装置3の脱塩室Dから流出する水(第1のEDI装置3で製造された脱イオン水)を処理し、その処理水を処理水タンクまたはユースポイントに供給するようになっていてもよい。この場合、水力発電装置5からの電力供給は、2つのEDI装置3,6のどちらに行われてもよく、その両方に行われてもよい。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。以下、上述した実施形態と同様の構成については、図面に同じ符号を付してその説明を省略し、上述した実施形態と異なる構成のみ説明する。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、第1の実施形態の膜ろ過装置(第1の膜ろ過装置)2に加えて、その下流側にさらに別の膜ろ過装置(第2の膜ろ過装置)7が設けられている点で第1の実施形態と異なっている。第2の膜ろ過装置7は、第1の膜ろ過装置2と同様にRO膜またはNF膜を有し、透過水ライン(第1の透過水ライン)L2を介して第1の膜ろ過装置2に接続されている。すなわち、第2の膜ろ過装置7は、第1の膜ろ過装置2の下流側で第1の膜ろ過装置2に直列に接続され、被処理水として第1の膜ろ過装置2で分離された透過水の供給を受けるようになっている。また、第2の膜ろ過装置7は、第2の膜ろ過装置7で分離された透過水を流通させる第2の透過水ラインL10に接続され、第2の透過水ラインL10は、EDI装置3に接続されている。これにより、本実施形態では、第1の実施形態と比べて、より良好な水質の透過水を生成してEDI装置3に供給することができる。
第2の膜ろ過装置7は、第2の膜ろ過装置7で分離された濃縮水を流通させる第2の濃縮水ラインL11に接続されている。第2の膜ろ過装置7は、第1の膜ろ過装置2からの透過水をさらに透過水と濃縮水に分離するため、水質の観点からは、第2の膜ろ過装置7からの濃縮水を必ずしも外部に排出する必要はない。そのため、第2の濃縮水ラインL11は、節水の観点から、第2の膜ろ過装置7で分離された濃縮水の全てを供給ラインL1に還流させるために、加圧ポンプ4の上流側で供給ラインL1に接続されている。あるいは、第2の濃縮水ラインL11は、供給ラインL1に直接接続される代わりに、供給ラインL1に設けられた原水タンク(図示せず)に接続されていてもよい。なお、第2の濃縮水ラインL11には、第2の膜ろ過装置7のRO膜またはNF膜を洗浄する場合などに第2の膜ろ過装置7からの濃縮水の一部または全部を外部に排出する排水ラインが接続されていてもよい。
水力発電装置5は、第1の膜ろ過装置2に接続された第1の濃縮水ラインL3に設けられているが、水力発電装置5の設置位置はこれに限定されず、例えば、第2の濃縮水ラインL11上であってもよい。ただし、本実施形態では、1つの加圧ポンプ4で2つの膜ろ過装置2,7に原水を供給する必要があるため、第1の膜ろ過装置2への被処理水(原水)の供給圧力は、第2の膜ろ過装置7への被処理水(第1の膜ろ過装置2からの透過水)の供給圧力よりも大きくなる。それに応じて、第1の膜ろ過装置2からの濃縮水の圧力は、第2の膜ろ過装置7からの濃縮水の圧力よりも大きくなる。このため、水力発電装置5は、高い発電量が期待できる点で、第1の膜ろ過装置2に接続された第1の濃縮水ラインL3に設けられていることが好ましい。
本実施形態では、2つの膜ろ過装置2,7が直列に接続され、第1の膜ろ過装置2からの透過水が第2の膜ろ過装置7に供給されるようになっているが、2つの膜ろ過装置2,7の接続形態はこのような形態に限定されるものではない。例えば、2つの膜ろ過装置(RO膜またはNF膜)2,7の一次側(原水および濃縮水が流通する側)が直列に接続され、二次側(透過水が流通する側)が並列に接続されていてもよい。すなわち、第1の膜ろ過装置2からの濃縮水が第2の膜ろ過装置7に供給され、第1の膜ろ過装置2からの透過水と第2の膜ろ過装置7からの透過水がEDI装置3に供給されるようになっていてもよい。このような場合にも、水力発電装置5は、より高圧の濃縮水が流通する第1の濃縮水ラインL3に設けられていることが好ましい。
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態に係る純水製造装置の概略構成図である。以下、上述した実施形態と同様の構成については、図面に同じ符号を付してその説明を省略し、上述した実施形態と異なる構成のみ説明する。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、薬液注入装置8と脱気装置9が追加して設けられ、水力発電装置5が薬液注入装置8と脱気装置9のそれぞれの電源として機能する点で第1の実施形態と異なっている。換言すると、本実施形態は、水力発電装置5で発電された電力が薬液注入装置8と脱気装置9にそれぞれ供給される点で第1の実施形態と異なっている。ただし、水力発電装置5の発電量によっては、発電された電力は、薬液注入装置8と脱気装置9の一方のみに供給されてもよく、あるいは、薬液注入装置8と脱気装置9に加えて、EDI装置3にも供給されてもよい。
薬液注入装置8は、膜ろ過装置2の上流側に設けられ、原水にスケール防止剤やスライムコントロール剤などの薬液を添加するものである。薬液注入装置8は、薬液を貯留する薬液タンク21と、薬液供給ラインL12を介して供給ラインL1に接続され、薬液タンク21に貯留された薬液を供給ラインL1に注入する薬注ポンプ22とを有している。水力発電装置5で発電された電力は薬注ポンプ22に供給され、したがって、薬液注入装置8では、膜ろ過装置2の運転に連動して原水への薬液の添加が行われる。なお、薬液の添加位置は、膜ろ過装置2の上流側であれば図示した位置に限定されず、例えば、供給ラインL1と還流水ラインL5との接続部の下流側であってもよい。また、添加される薬液の種類も、上述したスケール防止剤やスライムコントロール剤の他、pH調整剤や還元剤であってもよい。
脱気装置9は、膜ろ過装置2の下流側の透過水ラインL2に設けられ、膜ろ過装置2からの透過水に溶存する二酸化炭素や酸素などの気体を除去するものである。脱気装置9の構成に特に制限はなく、除去すべき気体の種類に応じて適切な公知の脱気装置を用いることができる。そのような脱気装置としては、例えば、膜脱気装置、脱炭酸塔などが挙げられる。膜脱気装置は、脱気膜の一次側に被処理水を通水しながら、真空ポンプにより脱気膜の二次側を減圧することで、被処理水中の溶存酸素を脱気膜の一次側から二次側に透過させて除去する装置である。また、脱炭酸塔は、内部に充填された充填材に上方から被処理水を散水しながら、ブロワにより下方から空気を導入し、被処理水と空気とを充填材の表面で気液接触させることで、被処理水中の溶存二酸化炭素を空気中に放散させて除去する装置である。水力発電装置5で発電された電力は、脱気装置9が膜脱気装置である場合、真空ポンプに供給され、脱気装置9が脱炭酸塔である場合、ブロワに供給される。したがって、脱気装置9では、膜ろ過装置2の運転に連動して脱気処理が行われる。なお、脱気装置9の設置位置は図示した位置に限定されず、例えば、膜ろ過装置2の上流側であってもよい。
本実施形態のような薬液注入装置や脱気装置の設置は、第1の実施形態に対してだけでなく、第2の実施形態や第3の実施形態にも可能であることは言うまでもない。この場合も、薬液注入装置や脱気装置の設置位置は特に限定されず、添加される薬液の種類や除去すべき気体の種類に応じて適切な位置に薬液注入装置や脱気装置を設置することができる。例えば、第3の実施形態の場合、図5に示すように2つの膜ろ過装置2,7が直列に接続されている構成では、薬液注入装置は、第1の膜ろ過装置2からの透過水に薬液を添加する位置に設置されていてもよい。一方、第3の実施形態の変形例として上述したように、2つの膜ろ過装置2,7の一次側が直列に接続され、二次側が並列に接続されている構成では、薬液注入装置は、第1の膜ろ過装置2からの濃縮水に薬液を添加する位置に設置されていてもよい。
(実施例)
次に、具体的な実施例を挙げて、本発明の効果について説明する。
一実施例として、図1に示す構成の純水製造装置を用いて、500時間の運転を行い、膜ろ過装置と電気式脱イオン水製造装置のそれぞれにおいて被処理水の水質(被処理水導電率)と処理水の水質(処理水導電率)を測定した。そして、以下の式(1)により、膜ろ過装置での脱塩率と、電気式脱イオン水製造装置での脱塩率と、システム全体での脱塩率をそれぞれ算出した。
脱塩率(%)=
(1−(処理水導電率/被処理水導電率))×100 (1)
ここで、膜ろ過装置での脱塩率は、原水の導電率(被処理水導電率)と膜ろ過装置からの透過水の導電率(処理水導電率)とから算出した。電気式脱イオン水製造装置での脱塩率は、膜ろ過装置からの透過水の導電率(被処理水導電率)と電気式脱イオン水製造装置からの脱イオン水の導電率(処理水導電率)とから算出した。システム全体での脱塩率は、原水の導電率(被処理水導電率)と電気式脱イオン水製造装置からの脱イオン水の導電率(処理水導電率)とから算出した。
膜ろ過装置としてRO膜を用い、電気式脱イオン水製造装置として、図2に示す構成を有するもの、具体的には、脱塩室を4室備え、脱塩室、濃縮室、および電極室の各室の寸法が10cm×10cm×1cmのものを用いた。電気式脱イオン水製造装置の各脱塩室には、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を混床形態で充填し、各濃縮室には、アニオン交換樹脂を充填した。被処理水(原水)として、導電率が200μS/cm程度の水を用い、膜ろ過装置に供給される原水の流量を330L/hとした。電気式脱イオン水製造装置の処理流量(処理室に流入させる被処理水の流量)、濃縮室流入水の流量、および電極室流入水の流量を、それぞれ40L/h、25L/h、および15L/hとした。このとき、膜ろ過装置から濃縮水ラインに流通する濃縮水の流量および圧力は、それぞれ250L/hおよび0.53MPaであった。
水力発電装置として、7つの水力発電機(品番「DB−2689」、Foshan Shunde Zhongjiang Energy Saving Electronics社製)を空間的には直列に接続し、電気的には並列に接続したものを用いた。そして、水力発電装置で発電された電力を直流電源装置の代替として電気式脱イオン水製造装置に供給した。このときの電気式脱イオン水製造装置の運転電流は0.1A、運転電圧(供給電圧)は6Vであった。また、水力発電装置全体の圧力損失は0.13MPaであった。
原水の導電率、膜ろ過装置からの透過水の導電率、および電気式脱イオン水製造装置からの脱イオン水の導電率を測定したところ、それぞれ198μS/cm、4.72μS/cm、および0.15μS/cmであった。そして、これらの導電率から、上記式(1)により、膜ろ過装置での脱塩率、電気式脱イオン水製造装置での脱塩率、およびシステム全体での脱塩率を算出したところ、それぞれ97.6%、96.8%、および99.9%であった。したがって、通常用いられる直流電源装置を用いなくても、所望の水質が得られることが確認された。
また、他の実施例として、脱塩室の数が1つである点を除いて、上述した実施例と同様の電気式脱イオン水製造装置を用い、各濃縮室にアニオン交換樹脂が充填されているか否かに応じて、電気式脱イオン水製造装置の運転電圧がどのように変化するかを調べた。具体的には、各濃縮室にアニオン交換樹脂が充填されている場合と充填されていない場合の両方において、同一の条件(被処理水として導電率が3.6μS/cmの水(膜ろ過装置からの透過水)を用い、運転電流を0.1Aに設定した条件)で運転を行い、それぞれの運転電圧を比較した。その結果、前者の運転電圧が、後者の運転電圧の約1/7になることが確認された。したがって、電気式脱イオン水製造装置の各濃縮室にアニオン交換樹脂(イオン交換体)を充填することは、運転電圧の低下につながるため、水力発電装置の発電量がそれほど大きくない場合に特に有効であると考えられる。
1 純水製造装置
2 膜ろ過装置(第1の膜ろ過装置)
3 EDI装置(第1のEDI装置)
4 加圧ポンプ
5 水力発電装置
51 第1の水力発電機
52 第2の水力発電機
6 第2のEDI装置
7 第2の膜ろ過装置
8 薬液注入装置
21 薬液タンク
22 薬注ポンプ
9 脱気装置
L1 供給ライン
L2 透過水ライン(第1の透過水ライン)
L3 濃縮水ライン(第1の濃縮水ライン)
L31 バイパスライン
L4 排水ライン
L5 還流水ライン
L6 処理水ライン
L7,L9 濃縮水排出ライン
L8 処理水返送ライン
L10 第2の透過水ライン
L11 第2の濃縮水ライン
L12 薬液供給ライン
V1〜V5 バルブ

Claims (13)

  1. 被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有する膜ろ過装置と、
    電気式脱イオン水製造装置と、
    前記膜ろ過装置からの前記濃縮水を流通させる濃縮水ラインに設けられた少なくとも1つの水力発電機と、前記少なくとも1つの水力発電機をバイパスするように前記濃縮水ラインに接続されたバイパスラインとを有し、前記濃縮水ラインを流れる前記濃縮水の流れを利用して発電を行い、該発電された電力を前記電気式脱イオン水製造装置に供給する水力発電装置と、を有する純水製造装置。
  2. 記水力発電装置が、前記電気式脱イオン水製造装置の電源装置として機能するか、または前記電源装置の電源として機能する、請求項1に記載の純水製造装置。
  3. 前記電気式脱イオン水製造装置が、陽極と陰極との間に位置し、前記陽極側のアニオン交換膜と前記陰極側のカチオン交換膜とで区画され、カチオン交換体とアニオン交換体との少なくとも一方が充填された脱塩室と、前記アニオン交換膜および前記カチオン交換膜を介して前記脱塩室の両側に配置された一対の濃縮室とを有する、請求項1または2に記載の純水製造装置。
  4. 前記一対の濃縮室のそれぞれにイオン交換体が充填されている、請求項3に記載の純水製造装置。
  5. 前記電気式脱イオン水製造装置の前記脱塩室が、前記膜ろ過装置からの前記透過水を処理するように前記膜ろ過装置に接続されている、請求項3または4に記載の純水製造装置。
  6. 前記電気式脱イオン水製造装置とは別の電気式脱イオン水製造装置であって、陽極と陰極との間に位置し、前記陽極側のアニオン交換膜と前記陰極側のカチオン交換膜とで区画され、カチオン交換体とアニオン交換体との少なくとも一方が充填された脱塩室と、前記アニオン交換膜および前記カチオン交換膜を介して前記脱塩室の両側に配置された一対の濃縮室とを有する、別の電気式脱イオン水製造装置を有し、
    前記別の電気式脱イオン水製造装置の前記脱塩室が、前記膜ろ過装置からの前記透過水を処理するように前記膜ろ過装置に接続され、
    前記電気式脱イオン水製造装置の前記脱塩室が、前記別の電気式脱イオン水製造装置の前記一対の濃縮室から流出する水と前記脱塩室から流出する水のいずれかを処理するように前記別の電気式脱イオン水製造装置に接続されている、請求項3または4に記載の純水製造装置。
  7. 前記水力発電装置が、前記バイパスラインを流れる前記濃縮水の流量を調整する流量調整手段を有する、請求項から6のいずれか1項に記載の純水製造装置。
  8. 前記水力発電装置が、前記濃縮水ラインに直列に配置された前記少なくとも1つの水力発電機を含む複数の水力発電機と、前記バイパスラインを流れる前記濃縮水の流量を調整する流量調整手段とを有する、請求項から6のいずれか1項に記載の純水製造装置。
  9. 前記水力発電装置が、前記被処理水または前記電気式脱イオン水製造装置で製造された脱イオン水の水質と、前記電気式脱イオン水製造装置の運転電流とのいずれかに基づいて、前記流量調整手段を制御し、前記濃縮水を前記バイパスラインに流すことで前記少なくとも1つの水力発電機を除いた発電機で発電を行う発電モードと、前記濃縮水を前記バイパスラインに流さずに前記複数の水力発電機で発電を行う発電モードとを切り替える制御部を有する、請求項8に記載の純水製造装置。
  10. 前記濃縮水ラインの下流側の部分が、前記濃縮水の一部を外部へ排出する排水ラインと、前記濃縮水の残りを、前記膜ろ過装置に前記被処理水を供給する供給ラインに還流させる還流水ラインとに分岐し、
    前記水力発電装置が、前記濃縮水ラインのうち前記排水ラインと前記還流水ラインとに分岐していない上流側の部分に設けられている、請求項1からのいずれか1項に記載の純水製造装置。
  11. 前記水力発電装置の前記水力発電機が、前記濃縮水の流れを受けて回転する羽根車を有し、前記羽根車の回転数から前記濃縮水の流量を検出するように構成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の純水製造装置。
  12. 前記膜ろ過装置の下流側で該膜ろ過装置に接続された、逆浸透膜またはナノろ過膜を有する別の膜ろ過装置を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の純水製造装置。
  13. 被処理水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜またはナノろ過膜を有する膜ろ過装置と、電気式脱イオン水製造装置と、を有する純水製造装置の運転方法であって、
    前記膜ろ過装置からの前記濃縮水を流通させる濃縮水ラインに少なくとも1つの水力発電機を設置するとともに、前記少なくとも1つの水力発電機をバイパスするように前記濃縮水ラインにバイパスラインを接続する工程と、
    前記濃縮水ラインを流れる前記濃縮水の流れを利用して発電を行い、該発電された電力を前記電気式脱イオン水製造装置に供給する工程と、を含む、純水製造装置の運転方法。
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