JP7342850B2 - 分離膜モジュール及びその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、分離膜モジュール及びその運転方法に関する。
近年、逆浸透膜、ナノ濾過膜、限外濾過膜又は精密濾過膜等、様々な分離膜を用いた流体分離技術が開発されており、例えば逆浸透膜を用いた逆浸透分離法は、海水やかん水の淡水化、超純水の製造、又は、有価物の濃縮回収等に、幅広く適用されている。
分離膜を用いた流体分離における共通の課題が、被処理流体に含まれる不純物が分離膜表面等に吸着又は堆積して分離膜性能を劣化させる、ファウリングである。ファウリングが生じた分離膜は、薬液洗浄により回復可能であるものの、その処置は流体分離の運転を一時停止することによる稼働率低下や、薬液の影響による分離膜の劣化等、多くの問題を伴うものである。
平膜状の分離膜は、分離膜が孔を有する中心管に巻囲された、スパイラル型分離膜エレメントの形態で用いられることが一般的であるが、このスパイラル型分離膜エレメントでは、特にファウリングが生じやすいことが知られている。そしてスパイラル型分離膜エレメントは、その複数を直列に接続して用いられることが多い。特に被処理流体が海水であるような場合には、浸透圧が低く透過流束が大きい、初段のスパイラル型分離膜エレメントにおけるファウリング発生が顕著となる。
スパイラル型分離膜エレメントにおいてファウリングが発生すると、スパイラル型分離膜エレメント内部の流路が閉塞し、内部の部材等が変形あるいは押し出されて分離性能が大幅に低下する、テレスコープと呼ばれる現象が引き起こされる。
このテレスコープを抑止すべく、スパイラル型分離膜エレメントにおける被処理流体の流れ方向を一時的に逆側に切り替えて、分離膜表面に堆積した物質をフラッシングする技術(特許文献1~3)等が知られている。
国際公開第2009/128328号 日本国特開2004-141846号公報 日本国特開2002-210335号公報
しかしながら従来の技術では、例えば被処理水の水質変化等に起因してフラッシングのタイミングが不適切である場合には、テレスコープを効果的に抑止することができないことが問題視されていた。
そこで本発明は、薬液洗浄の頻度を高めることなく、分離膜モジュールの構成要素である分離膜エレメントのテレスコープを効果的に抑止することが可能な、分離膜モジュールを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、中心管、前記中心管に巻囲された分離膜、および前記中心管の長手方向の両端に設けられたテレスコープ防止板を有する複数の分離膜エレメントと、円筒状の圧力容器と、少なくとも一つのシール部材と、を備え、前記シール部材が、前記圧力容器と前記分離膜エレメントとの間隙の一部を閉塞しており、前記シール部材を、前記圧力容器の長手方向から観察したときの前記間隙の閉塞率が、少なくとも一のシール部材において60%以下であり、前記圧力容器の長手方向と、前記分離膜エレメントの長手方向とを一致させて、複数の前記分離膜エレメントが前記圧力容器に挿入され、かつ、直列に接続されている、分離膜モジュールを提供する。
上記目的を達成するため、本発明の別の態様では、中心管、前記中心管に巻囲された分離膜、および前記中心管の長手方向の両端に設けられたテレスコープ防止板を有する複数の分離膜エレメントと、円筒状の圧力容器と、少なくとも一つのシール部材と、を備え、上記圧力容器の長手方向と、上記分離膜エレメントの長手方向とを一致させて、複数の上記分離膜エレメントが上記圧力容器に挿入され、かつ、直列に接続されており、上記圧力容器の最小内径と、上記分離膜エレメントの最大外径との差が、0.1~1.8mmであり、上記シール部材が、上記圧力容器と上記分離膜エレメントとの間隙の一部を閉塞しており、上記シール部材を、上記圧力容器の長手方向から観察したときの上記間隙の閉塞率が、少なくとも一のシール部材において60%以下であり、隣接する、上記分離膜エレメントの上記テレスコープ防止板同士の間に形成される間隙を、上記圧力容器の長手方向に対し垂直な方向から観察したときの、最小面積をS1、上記テレスコープ防止板に形成された、上記圧力容器と上記分離膜エレメントとの間隙と、上記分離膜エレメント内部とを連通させるための連通流路を、上記圧力容器の長手方向に対し垂直な方向から観察したときの、最小面積をS2、としたとき、上記S1及びS2の合計の値が、1800mm以上である、分離膜モジュールを提供する。
本発明によれば、圧力容器と分離膜エレメントとの間に存在する空間等がバイパス流路としての役割を果たし、分離膜エレメントの圧力損失が上昇した場合においても、テレスコープの発生を抑止することが可能となる。
さらには、上記のいわゆるバイパス流路における被処理流体の量や性状を指標として、分離膜エレメントを薬液洗浄すべきタイミング等をより的確に判断することも可能となる。
図1は本発明の分離膜モジュールが備える分離膜エレメントの一態様を示す、部分破断斜視図である。 図2は本発明の分離膜モジュールの実施形態の一例を示す、模式図である。 図3は本発明の分離膜モジュールの実施形態の一例を示す、模式図である。 図4はシール部材に設ける貫通孔又は連通溝の形状の例を示す、模式図である。 図5は本発明の分離膜モジュールが備える、分離膜エレメントを構成するテレスコープ防止板の一態様を示す、模式図である。 図6は本発明の分離膜モジュールの実施形態の一例を示す、模式図である。 図7は本発明の分離膜モジュールの実施形態の一例を示す、模式図である。 図8の(a)および(b)は本発明の分離膜モジュールが備える、分離膜エレメントを構成するテレスコープ防止板及びスペーサーの態様を示す、模式図である。 図9はシール部材としてC型スプリットリングシールを用いる場合の例を示す、模式図である。 図10はシール部材に設ける貫通孔又は連通溝の形状の例を示す、模式図である。 図11の(a)~(c)はシール部材に設ける貫通孔又は連通溝の形状の例を示す、模式図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
本発明の分離膜モジュールは、中心管、前記中心管に巻囲された分離膜、および前記中心管の長手方向の両端に設けられたテレスコープ防止板を有する複数の分離膜エレメントと、円筒状の圧力容器と、少なくとも一つのシール部材と、を備える。
1.分離膜エレメント
図1は、本発明の分離膜モジュールが備える分離膜エレメントの実施形態の一例を示す、部分破断斜視図である。
この実施形態における分離膜エレメント20は、有孔の中心管24の周囲に、分離膜21が巻囲されており、さらにその巻囲体の外表面は、外装材(図示しない)で覆われている。また巻囲体の長手方向における両端部には、テレスコープ防止を目的として、テレスコープ防止板25が設けられている。なおテレスコープ防止板25の外周面には、後述するシール部材を嵌め込み固定するための、周回溝251が成形されている。
分離膜エレメントを構成する有孔の中心管の素材としては、例えば、樹脂又は金属が挙げられるが、コストや耐久性の観点から、ノリル樹脂又はABS樹脂等の樹脂が好ましい。
分離膜エレメントを構成する分離膜としては、例えば、逆浸透膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜、ガス分離膜又は脱ガス膜が挙げられる。
分離膜エレメントを構成する巻囲体の外表面は、外装材で覆われていても構わない。外装材としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン若しくはポリ塩化ビニルのフィルム、又は、硬化性樹脂を塗布したガラス繊維のシートが挙げられる。
分離膜エレメントを構成するテレスコープ防止板の素材としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は耐熱性樹脂が挙げられる。またテレスコープ防止板の形状としては、強度を維持しながらも供給流体を高効率に分離膜エレメント内部に供給するため、外周環状部材と内周環状部材とが複数のスポーク状部材で結合された、スポーク型構造が好ましい。
分離膜エレメント20には、その長手方向における一端から、被処理流体すなわち供給流体26が供給される。分離膜エレメント20の内部で供給流体26の一部は分離膜21を透過し、中心管の孔から中心管の内部に集められ、分離膜エレメント20の他端から透過流体27として回収される。また分離膜21を透過しなかった濃縮流体28も、分離膜エレメント20の他端から排出される。
上記のような流体の流れを形成するため、分離膜21の端部の一部は封止がされており、供給流体26と透過流体27とが混ざらないようになっている。分離膜の端部を封止する手段としては、例えば、接着法が挙げられ、接着法に用いる接着剤としては、例えば、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤又はホットメルト接着が挙げられる。
なお対向する分離膜の表面の間には、図1に示すように、流体の流路を形成するための供給側流路材23及び透過側流路材22が配置されていても構わない。
供給側流路材および透過側流路材としては、例えば、ネット状部材、メッシュ状部材、溝付シート又は波形シートが挙げられる。
2.分離膜モジュール
本発明の分離膜モジュールは、円筒状の圧力容器の長手方向と、分離膜エレメントの長手方向とを一致させて、複数の分離膜エレメントが上記圧力容器に挿入され、かつ、直列に接続されていることを必要とする。
図2は、本発明の分離膜モジュールの実施形態の一例を示す、模式図である。
この実施形態における分離膜モジュール47は、円筒状の圧力容器46の長手方向と、分離膜エレメント39a~39fの長手方向とを一致させて、前記六つの分離膜エレメント(39a,39b,39c,39d,39e,39f)が圧力容器に挿入され、かつ、直列に接続されている。ここで「直列に接続される」とは、一の分離膜エレメントの中心管と、隣接する他の(一の)分離膜エレメントの中心管とが接続され、一の分離膜エレメントの中心管から流出した透過流体の全てが、隣接する他の(一の)分離膜エレメントの中心管に流入する態様をいう。なお図2では、分離膜エレメント39a~39fの中心管同士の間が、中心管コネクター41でそれぞれ連結されることで、前記六つの分離膜エレメント39a~39fが直列に接続されている。また、分離膜モジュール47の両端に位置する分離膜エレメント39a及び分離膜エレメント39fの片方の中心管は、それぞれ透過流体取出口43a,43bに接続されている。
図2に示す分離膜モジュール47では、供給流体が供給流体供給口38を経由して、分離膜エレメント39aの端部に供給される。分離膜エレメント39aで分離された濃縮流体は、分離膜エレメント39bに供給される。その後順次、濃縮流体は分離膜エレメント39c、39d、39e及び39fに供給され分離された後に、濃縮流体排出口40から排出されることとなる。
本発明の分離膜モジュールにおいては、圧力容器の最小内径と、分離膜エレメントの最大外径との差が、0.1~1.8mmであることが好ましい。圧力容器と分離膜エレメントとの間に少なくとも0.1~1.8mmの間隙が確保されることで、該間隙がバイパス流路として機能する。例えば分離膜エレメント内部の流路がファウリングの発生により閉塞する等して流動抵抗が高まった場合においても、供給流体の一部をこのバイパス流路に逃がすことで、分離膜エレメントのテレスコープを抑止することが可能となる。
圧力容器の最小内径と分離膜エレメントの最大外径との差が0.1mm未満であると、分離膜エレメントを圧力容器に挿入するのが困難となるばかりでなく、圧力容器と分離膜エレメントとの間隙がバイパス流路として機能しない。一方で、上記の差が1.8mmを超えると、分離膜エレメントに供給される供給流体の量が過度に減るおそれがある。更には、分離膜モジュールを水平方向に設置したような場合には、例えば分離膜エレメントの下部に位置するシール部材が重力によって潰れてしまい、バイパス流路に逃げた供給流体の流れにムラが生じ、結果として分離膜モジュールの分離性能が低下してしまう。
圧力容器の最小内径と分離膜エレメントの最大外径との差は、0.5~1.5mmであることが好ましく、0.5~1.0mmであることがより好ましい。
圧力容器の最小内径と、分離膜エレメントの最大外径とは、ノギス等を用いて測定することができる。なお複数の分離膜エレメント間で最大外径が異なる場合においては、最も大きい最大外径の値を、「分離膜エレメントの最大外径」として上記の差を算出するものとする。
供給流体が最も多くテレスコープが発生する可能性が高い、(圧力容器の長手方向において)最も供給流体供給口側に存在する分離膜エレメントについて、供給流体の総流量に占める、バイパス流路へ逃げることとなる流体の流量の割合は、該分離膜エレメント内部の流動抵抗を十分に低減する観点から、10~60%が好ましく、20~50%がより好ましい。
また、圧力容器の長手方向において分離膜エレメントと隣接する他の分離膜エレメントとのテレスコープ防止板同士の間に間隙が設けられておらず、分離膜エレメント同士が接触しているような場合、例えば、分離膜エレメントのテレスコープ防止板同士が密着しているような場合においては、一旦バイパス流路へ逃げた流体が、再び分離膜エレメント内部に供給されることが困難となるばかりでなく、圧力損失を適度な範囲に抑制することが困難となる。従ってこのような場合においては、例えば図5に示すように、テレスコープ防止板25に、バイパス流路と分離膜エレメント内部とを連通させるための、連通流路64a~64nを設ける必要が生じる。
3.シール部材
本発明の分離膜モジュールは、シール部材が、圧力容器と分離膜エレメントとの間隙の一部を閉塞しており、上記シール部材を、上記圧力容器の長手方向から観察したときの上記間隙の閉塞率が、少なくとも一のシール部材において60%以下である必要がある。該閉塞率が60%以下であることで、供給流体の総流量に対するバイパス流路へ逃げることとなる流体の割合が好適な割合となる。該閉塞率はより好ましくは40%未満、さらに好ましくは30%未満であるとより大きな効果が得られる。
図2に示す分離膜モジュール47では、分離膜エレメント39a~39fの両端に設けられたテレスコープ防止板と圧力容器との間の空隙を、複数のシール部材45a1~45f1及びシール部材45a2~45f2が閉塞している。
シール部材は、圧力容器と分離膜エレメントとの間隙すなわちバイパス流路を適度に閉塞してバイパス流路に逃げる供給流体の量を調整し、分離膜モジュール全体の分離効率が過度に低下することを防止する役割を果たす。
シール部材としては、例えば、公知のU-カップリングシール、V-カップリングシール、O-リングシール又はスプリットリングシールが挙げられる。ここでスプリットリングシールとは、環状の部材が一箇所以上で切断された形状を有する。環状のスプリットリングシールの径方向における切断面は、圧力容器と分離膜エレメントの間で対称な形となって間隙が閉塞されるよう、矩形であることが好ましい。これにより、本発明の分離膜モジュールの両端いずれからでも供給流体を供給することが可能となり、かつ、圧力容器内で分離膜エレメントを移動させることが容易となる。
シール部材の素材としては、供給流体に対する耐久性を有するものであれば特に限定されない。U-カップリングシール、V-カップリングシール又はO-リングシールの素材としては取付け容易性の観点から弾性材が好ましく、スプリットリングシールの素材としては非弾性材が好ましい。
弾性材としては、例えば、ニトリルゴム、スチロールゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム又はウレタンゴム等のゴムが挙げられる。これらゴムを架橋させる方法としては、例えば、加硫剤として硫黄を用いた加硫、又は、パーオキサイドを用いた架橋反応が挙げられるが、弾性材であるゴムの耐久性をより高めるため、パーオキサイドを用いた架橋反応が好ましい。
非弾性材としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等の樹脂、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム若しくはチタン又はそれらの合金等の金属、セラミック、黒鉛、石綿又はFRP等の有機無機複合体が挙げられる。
シール部材を圧力容器の長手方向から観察したときにおける、圧力容器と分離膜エレメントとの間隙の閉塞率は、少なくとも一のシール部材において60%以下である必要がある。閉塞率が60%以下であることで、圧力容器と分離膜エレメントの間隙を、バイパス流路として十分に活用することができる。該閉塞率はより好ましくは40%未満、さらに好ましくは30%未満であるとより大きな効果が得られる。
圧力容器と分離膜エレメントの間隙の閉塞率は、圧力容器の長手方向から圧力容器、分離膜エレメント及びシール部材の写真を撮影し、その画像から、圧力容器と分離膜エレメントとの間隙の面積H1、並びに、該間隙で閉塞されている部分の総面積H2をそれぞれ決定し、H2をH1で除して百分率で表すことで、算出することができる。なお、圧力容器の長手方向における一方から観察して決定したH1又はH2の値と、圧力容器の長手方向における他方から観察して決定したH1又はH2の値とが異なる場合には、それぞれの平均値を用いて、上記の閉塞率を算出することができる。
上記の閉塞率を好適な値に調整する手段としては、例えば、図3に示すように、シール部材の一部に、圧力容器の長手方向にシール部材を貫通する、貫通孔61a若しくは61bを設ける方法、あるいは、シール部材の外表面又は圧力容器の内表面に、供給流体の一部をバイパス流路に逃がすための、連通溝62a若しくは62bを設ける方法が挙げられる。
シール部材の一部に設けられる貫通孔又は連通溝の形状は特に限定されず、例えば、スプリットリングシールを一例として図4に示すような、多様な形状が挙げられる。こうして、例えば分離膜エレメント内部の流路が閉塞する等して流動抵抗が高まった場合においても、供給流体の一部をバイパス流路に逃がすことで、分離膜エレメントのテレスコープを抑止することが可能となる。
分離膜モジュールを、分離膜エレメント内部の流動抵抗が高まったときほど、より多くの供給流体がバイパス流路60に流れるように構成するため、シール部材が弾性材からなるO-リングシール等である場合には、貫通孔の形状を柔軟に変形可能な星型多角形又はスリットにすることや、シール部材の一部を薄くすることが好ましい。
シール部材を圧力容器の長手方向から観察したときにおける、圧力容器と分離膜エレメントの間隙の閉塞率は、少なくとも一のシール部材の部位において、60%以下であればよいが、圧力容器内にシール部材が複数存在する場合には圧力容器の長手方向において両端に位置するシール部材の少なくとも片側(供給流体供給口側)において、閉塞率が60%以下であることが好ましく、他のシール部材の部位においては、例えば間隙が完全閉塞(閉塞率100%)の状態であっても構わない。ただし、1つの分離膜エレメントに複数のシール部材がある場合、供給流体供給口側の分離膜エレメントのシール部材は全て閉塞率が60%以下であることが望ましい。
シール部材をテレスコープ防止板の周回溝251にはめ込む場合、シール部材の強度を保ちつつ供給流体をバイパス流路に逃がすためには、シール部材の貫通孔又は連通溝がテレスコープ防止板と圧力容器の間に位置することが望ましく、図10や11のようにシール部材の外径111と内径110の中間の径を有する円よりも外径よりに貫通孔又は連通溝が形成されていることが望ましい。また、シール部材をテレスコープ防止板の周回溝に装着して圧力容器の長手方向から観察したときに、シール部材の貫通孔又は連通溝が分離膜エレメントの径より外側の部分に形成されていることが望ましい。また、シール部材の貫通孔又は連通溝の分布がシールの周方向に疎の部分112と密の部分がある場合、分離膜エレメントの重量がシール部材に掛かるため、シール部材の貫通孔又は連通溝の分布が疎の部分を鉛直方向下向きに設置することにより、シール部材が変形することを防ぎ、分離膜エレメントを圧力容器の中心に固定することができ、供給流体の偏りを防ぐことが可能となる。分離膜エレメントの重量がシール部材に掛かるのは上記の通り鉛直方向下向きであり、鉛直方向下の部分のみシールの強度があれば良いので、シール部材の貫通孔又は連通溝の分布がシールの周方向に疎の部分112はシール全体の30%以下であることが望ましい。
ここで、シール部材の貫通孔又は連通溝の分布が疎または密とは、シール部材をシール部材の周方向に10等分して、それぞれの部分の閉塞率がシール部材全体の閉塞率より大きい場合に「疎」、小さい場合に「密」と定義する。
図9のように、リングの一部から形成されたC型スプリットリングシールで供給流体をバイパス流路に逃がすことが可能である。
C型スプリットリングシールの欠損部分は両端とシールの中心の形成する角度103が144°より大きいことが望ましく、より好ましくは216°より大きく、さらに好ましくは252°より大きいとより大きな効果が得られる。
ただし、C型スプリットリングシールを使用する場合は、C型スプリットリングシールの欠損部分は両端とシールの中心の形成する角度103は180°より小さいことが好ましい。これにより分離膜エレメントが振動で動いてもC型スプリットリングシールに固定され、圧力容器と分離膜エレメントの距離を保つことが可能となる。
圧力容器の長手方向において、最も供給流体供給口側に存在する分離膜エレメントが、供給流体の流量が大きく、ファウリングの発生原因となる微粒子等の不純物を捕捉しやすいことから、最もテレスコープが発生する可能性が高い。そのため、少なくとも、最も供給流体供給口側に存在するシール部材の部位において、上記の閉塞率が60%以下であることが好ましく、より好ましくは40%未満、さらに好ましくは30%未満であるとより大きな効果が得られる。すなわち、圧力容器の長手方向において、一端に位置するシール部材の部位における上記の閉塞率B1が60%以下であることが好ましく、より好ましくは40%未満、さらに好ましくは30%未満であると大きな効果が得られる。
圧力容器の長手方向において、供給流体供給口側に存在する分離膜エレメントよりも他端側に存在する分離膜エレメントは、よりテレスコープが発生する可能性が低い。このため、圧力容器の長手方向において、最も供給流体供給口側に存在するシール部材に隣接するシール部材における上記の閉塞率B2は、上記の閉塞率B1より大きくて構わない。すなわち、圧力容器の長手方向において、一端に位置するシール部材の部位において、上記の閉塞率B1が、60%以下であり、かつ、それに隣接するシール部材における上記の閉塞率B2が、B1<B2の関係を満たすことがより好ましい。
分離のエネルギー効率を高めるため、上記の閉塞率B2は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
さらには、圧力容器の長手方向において、一端に位置するシール部材の部位において、上記の閉塞率B1が、60%以下であり、かつ、より他端側に位置するシール部材ほど、上記の閉塞率Bnが高くなることがさらに好ましい。ここで閉塞率Bnとは、圧力容器の長手方向において一端に位置するシール部材から数えてn番目のシール部材の部位における閉塞率を意味する。
一方で、供給流体の一部が分離膜エレメントを一切通過することなく、濃縮流体排出口から排出されること等を防ぐため、シール部材が複数存在する場合には、最も供給流体供給口側に存在するシール部材以外の、少なくとも一つのシール部材の部位の上記の閉塞率が100%であることが好ましく、最も濃縮流体排出口側に存在するシール部材の部位の上記の閉塞率が100%であることがより好ましい。またそれにより、供給流体供給口側の分離膜エレメントから流出する透過流体量と、濃縮流体排出口側の分離膜エレメントから流出する透過流体量とのバランスが好適なバランスとなり、全体として得られる透過流体の質を向上させることができる。
また本発明の分離膜モジュールは、S1及びS2の合計の値が、1800mm以上であると好ましい。
ここでS1とは、隣接する分離膜エレメントのテレスコープ防止板同士の間に形成される間隙を、圧力容器の長手方向に対し垂直な方向から観察したときの、最小面積をいう。またS2とは、テレスコープ防止板に形成された、圧力容器と分離膜エレメントとの間隙と、分離膜エレメント内部とを連通させるための連通流路を、圧力容器の長手方向に対し垂直な方向から観察したときの、最小面積をいう。
なお、分離膜エレメントが圧力容器内で三つ以上直列に接続された場合には、S1は複数存在する(S1,S1・・・)ことになる。また分離膜モジュールが備える複数の分離膜エレメント全体で、複数の連通流路が少なくとも一部のテレスコープ防止板に形成されている場合には、S2は複数存在する(S2,S2・・・)ことになる。S1及びS2については、それらすべてを合計した値が1800mm以上であれば構わず、S1又はS2のいずれかが0(ゼロ)であっても構わない。
S1及びS2の合計の値が1800mm以上であることで、本発明の分離膜モジュールの構成において圧力損失を適度な範囲に抑制することができる。S1及びS2の合計の値は、2500mm以上であることが好ましく、2800mm以上であることがより好ましい。一方で、S1及びS2の合計の値が12000mmを超えると圧力損失は上昇しないため、S1及びS2の合計の値は、12000mm以下であることが好ましい。
それぞれS1及びS2の値は、圧力容器に挿入されていない状態の複数の分離膜エレメントを、直列に接続されたままの状態で、圧力容器の長手方向に対し垂直な方向から全周囲について観察し、それぞれの値が最小となるような位置で写真を撮影し、その画像から決定することができる。
隣接する分離膜エレメントのテレスコープ防止板同士の間に間隙を形成する方法としては、図7に示すように、隣接する分離膜エレメント同士の間に、中心管コネクター80またはスペーサー81を設ける方法が挙げられる。中心管コネクター又はスペーサーは、いずれか一方のみが設けられることでも構わない。スペーサーは、図8の(a)に示すスペーサー92のように、中心管コネクターと一体型であっても構わないし、図8の(b)に示すスペーサー91のように、テレスコープ防止板より直径が小さい、輪状であっても構わない。
4.分離膜モジュールの運転方法
本発明の分離膜モジュールの運転方法では、本発明の分離膜モジュールを用いて、供給流体を、透過流体と濃縮流体とに分離する。
本発明の分離膜モジュールが備える、分離膜エレメント内部の流路が閉塞する等して流動抵抗が高まった場合には、圧力容器と分離膜エレメントの間隙であるバイパス流路へ逃げる流体の量が増加する。このようなバイパス流路へ逃げる流体の量の変化を検知してもよく、例えばその値が予め設定した閾値を超えた場合には、例えば、分離膜モジュールに供給する供給流体の量を減らす(供給流体の圧力を下げる)、分離膜エレメントを洗浄する、又は、分離膜エレメントを交換する、等の手段により、分離膜エレメントのテレスコープを未然に防ぐことが可能である。
なおバイパス流路へ逃げる流体の量の変化を検知する方法としては、例えば、バイパス流路に笛等の空力騒音を発生可能な手段を設ける方法、又は、電磁誘導によって生じる起電力を測定する方法が挙げられる。
なお図6に示すように、隣接する分離膜エレメントの間に、中心管コネクター41の代わりに中間プラグ70を設け、さらに圧力容器の長手方向において中間プラグの両端に、透過流体取出口(43a,43b)をそれぞれ設けることで、例えばそれぞれの透過流体取出口から中間プラグ70前後の透過流体を個別にサンプリング等することが可能となる。
この場合、中間プラグ前後の透過流体の流量又は性状を測定して比較することで、分離膜エレメント内部の閉塞の程度を解析することも可能である。具体的には、中間プラグよりも供給流体供給口側の分離膜エレメント内部が閉塞した場合には、中間プラグ前の流体の流量は低下し、透過流体の電気伝導度は上昇する。
透過流体の性状の指標としては電気伝導度以外に、例えば、総溶解固形分(TDS)が挙げられる。電気伝導度は、オンライン又はハンディタイプの電気伝導度計を用いて測定することができる。また総溶解固形分(TDS)は、サンプリングした透過流体を加熱蒸発させ、残留物の質量を測定して算出することができる。
中間プラグは、圧力容器の長手方向において、一端に位置する分離膜エレメントと、それに隣接する分離膜エレメントの間に設けられることが好ましい。中間プラグが設けられた側を供給流体供給口側とすることで、最もテレスコープが発生する可能性が高い、(圧力容器の長手方向において)最も供給流体供給口側に存在する分離膜エレメントの閉塞の程度を解析することができる。
さらに中間プラグの前の透過流体の流量が閾値を超えないように供給流体を適宜調節することにより、分離膜エレメント内部の閉塞をより効果的に抑制することが可能となる。中でも、被処理流体である水の温度が高い場合や分離膜エレメントが新しい場合には、テレスコープが発生する可能性が高まるため、より多くの供給流体をバイパス流路へ逃がして中間プラグの前の流体の流量を低減することで、テレスコープをより効果的に抑制することが可能となる。
本発明の分離膜モジュールの運転方法に供される供給流体としては、例えば、河川水、海水、下水処理水、雨水、工業用水又は工業廃水が挙げられるが、よりテレスコープ発生の可能性が高い、有機物又は無機物を含有する供給流体、又は、浸透圧が20bar以上の供給流体に対して、本発明の分離膜モジュールの運転方法は特に好適である。
(実施例1)
中心管に分離膜が巻囲され、その長手方向の両端にテレスコープ防止板が設けられた分離膜エレメント(東レ株式会社製;ロメンブラ(登録商標)TM820V-400)を二つ用意し、中心管同士を接着剤で直列に接続し、圧力容器に挿入した。圧力容器の最小内径と、分離膜エレメントの最大外径との差は、0.9mmであった。圧力容器の供給流体供給口側の分離膜エレメントと、圧力容器との間隙にシール部材として、貫通孔が設けられたニトリルゴム製のU-カップリングシールで該間隙を部分的に閉塞した。シール部材の閉塞率は、60%であった。また隣接する分離膜エレメントのテレスコープ防止板同士の間に形成される間隙についての、S1の値は1800mmであった。このようにして製造した分離膜モジュールを用いて、供給流体である濃度32000mg/LのNaCl水溶液を、回収率8%、供給量15m/hの条件で、透過流体と濃縮流体とに分離する運転をしたところ、分離膜モジュールへのNaCl水溶液の供給圧と、濃縮水圧との差圧は、0.08kgf/cmとなった。
(実施例2)
S1の値を2500mmにした以外は、実施例1と同様に分離膜モジュールを製造し、同条件で運転をしたところ、上記差圧は0.075kgf/cmとなった。
(実施例3)
シール部材の閉塞率を30%にした以外は、実施例1と同様に分離膜モジュールを製造し、同条件で運転をしたところ、上記差圧は0.055kgf/cmとなった。
(実施例4)
シール部材の閉塞率を40%にした以外は、実施例1と同様に分離膜モジュールを製造し、同条件で運転をしたところ、上記差圧は0.060kgf/cmとなった。
(比較例1)
シール部材の閉塞率を80%にした以外は、実施例1と同様に分離膜モジュールを製造し、同条件で運転をしたところ、上記差圧は0.31kgf/cmと高い数値になった。
(比較例2)
S1の値を1600mmにした以外は、実施例1と同様に分離膜モジュールを製造し、同条件で運転をしたところ、上記差圧は0.15kgf/cmと高い数値になった。
(比較例3)
シール部材の閉塞率を70%にした以外は、実施例1と同様に分離膜モジュールを製造し、同条件で運転をしたところ、上記差圧は0.19kgf/cmと高い数値になった。
本出願は、2018年10月17日出願の日本国特許出願2018-195536に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
20 : 分離膜エレメント
21 : 分離膜
22 : 透過側流路材
23 : 供給側流路材
24 : 中心管
25 : テレスコープ防止板
251: 周回溝
26,26a :供給流体(供給水)
27,27a :透過流体(透過水)
28 : 濃縮流体(濃縮水)
38 : 供給流体供給口
39a,39b,39c,39d,39e,39f : 分離膜エレメント
40 : 濃縮流体排出口
41 : 中心管コネクター
42a,42b : 端板
43a,43b : 透過流体取出口
45a1,45b1,45c1,45d1,45e1,45f1 : シール部材
45a2,45b2,45c2,45d2,45e2,45f2 : シール部材
46 : 圧力容器
47 : 分離膜モジュール
60 : バイパス流路
61a,61b : 貫通孔
61r~61z : 貫通孔又は連通溝
62a,62b : 連通溝
64a~64n : 連通流路
70 : 中間プラグ
80 : 中心管コネクター
81 : スペーサー
82 : テレスコープ防止板
91 : 輪状のスペーサー
92 : 中心管コネクターと一体型のスペーサー
100 : C型スプリットリングシール
103 : 両端とシールの中心の形成する角度
110 : シールの内径
111 : シールの外径
112 : 連通溝の分布が疎の部分

Claims (14)

  1. 中心管、前記中心管に巻囲された分離膜、および前記中心管の長手方向の両端に設けられたテレスコープ防止板を有する複数の分離膜エレメントと、
    円筒状の圧力容器と、
    少なくとも一つのシール部材と、を備え、
    前記シール部材が、前記圧力容器と前記分離膜エレメントとの間隙の一部を閉塞しており、
    前記シール部材を、前記圧力容器の長手方向から観察したときの前記間隙の閉塞率が、少なくとも一のシール部材において60%以下であり、
    前記シール部材が環状の弾性材であり、貫通孔又は連通溝を有し、前記貫通孔又は前記連通溝の分布が前記シール部材の周方向に疎の部分と密の部分があり、かつ、前記疎の部分が鉛直方向下向きになるように前記シール部材が設置されており、
    前記圧力容器の長手方向と、前記分離膜エレメントの長手方向とを一致させて、複数の前記分離膜エレメントが前記圧力容器に挿入され、かつ、直列に接続されている、分離膜モジュール。
  2. 記貫通孔又は前記連通溝が前記シール部材の外径と内径の中間の径を有する円よりも外径寄りに形成されている、請求項1に記載の分離膜モジュール。
  3. 記貫通孔又は前記連通溝が、前記シール部材を前記テレスコープ防止板の周回溝に装着して前記圧力容器の長手方向から観察したときに、前記分離膜エレメントの径より外側の部分に形成されている、請求項またはに記載の分離膜モジュール。
  4. 前記シール部材の前記貫通孔又は前記連通溝の分布の疎の部分が前記シール部材全体の50%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の分離膜モジュール。
  5. 前記シール部材の前記貫通孔又は前記連通溝の分布の疎の部分が前記シール部材全体の30%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の分離膜モジュール。
  6. 記間隙の閉塞率が、少なくとも一のシール部材において30%未満である、請求項のいずれか一項に記載の分離膜モジュール。
  7. 前記圧力容器の最小内径と、前記分離膜エレメントの最大外径との差が、0.1~1.8mmである、請求項1~6のいずれか一項に記載の分離膜モジュール。
  8. 隣接する、前記分離膜エレメントの前記テレスコープ防止板同士の間に形成される間隙を、前記圧力容器の長手方向に対し垂直な方向から観察したときの、最小面積をS1
    前記テレスコープ防止板に形成された、前記圧力容器と前記分離膜エレメントとの間隙と、前記分離膜エレメント内部とを連通させるための連通流路を、前記圧力容器の長手方向に対し垂直な方向から観察したときの、最小面積をS2 、としたとき、
    前記S1 及びS2 の合計の値が、1800mm 以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の分離膜モジュール。
  9. 複数の前記シール部材を備え、
    前記圧力容器の長手方向において、一端に位置する前記シール部材を、前記圧力容器の長手方向から観察したときの前記圧力容器と前記分離膜エレメントとの前記間隙の閉塞率B1が、60%以下であり、かつ、
    一端に位置する前記シール部材に隣接する前記シール部材を、前記圧力容器の長手方向から観察したときの前記圧力容器と前記分離膜エレメントとの前記間隙の閉塞率B2が、B1<B2の関係を満たす、請求項1~8のいずれか一項に記載の分離膜モジュール。
  10. 前記間隙の閉塞率B2が、80%以上である、請求項9に記載の分離膜モジュール。
  11. 複数の前記シール部材を備え、
    前記圧力容器の長手方向において、一端に位置する前記シール部材を、前記圧力容器の長手方向から観察したときの前記圧力容器と前記分離膜エレメントとの前記間隙の閉塞率B1が、60%以下であり、かつ、
    一端に位置する前記シール部材より他端側に位置する前記シール部材ほど、前記圧力容器の長手方向から観察したときの前記圧力容器と前記分離膜エレメントとの前記間隙の閉塞率Bnが高くなる、請求項1~10のいずれか一項に記載の分離膜モジュール。
  12. 少なくとも一つの前記シール部材について、前記閉塞率Bnが100%である、請求項11記載の分離膜モジュール。
  13. 一の前記分離膜エレメントと、それに隣接する前記分離膜エレメントとの間に、中心管コネクター及びスペーサーから選ばれる少なくとも一つが設けられている、請求項1~12のいずれか一項に記載の分離膜モジュール。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の分離膜モジュールを用いて、供給流体を、透過流体と濃縮流体とに分離する、分離膜モジュールの運転方法。
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