JP2014030805A - 水処理装置および水処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】処理膜の交換頻度を低減できる水処理装置および水処理システムを提供する。
【解決手段】ROエレメント3を収容するベッセル2と、ベッセル2内に海水を含む被処理水を導入する導入口2b1と、に含まれる有機物を吸着させる吸着部材4と、を備え、導入口2b1とROエレメント3との間に吸着部材4を配置した。また、吸着部材4は、ベッセル2に対して取り外し可能であり、整流機能を有するものである。
【選択図】図1
【解決手段】ROエレメント3を収容するベッセル2と、ベッセル2内に海水を含む被処理水を導入する導入口2b1と、に含まれる有機物を吸着させる吸着部材4と、を備え、導入口2b1とROエレメント3との間に吸着部材4を配置した。また、吸着部材4は、ベッセル2に対して取り外し可能であり、整流機能を有するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、海水などを透過させることで淡水を得る水処理装置および水処理システムに関する。
近年、逆浸透(RO:Reverse Osmosis)膜によるろ過処理を用いた逆浸透膜処理装置(水処理装置)を含んで構成された淡水化処理システム(水処理システム)が増加する傾向にある。このような逆浸透膜処理装置は、海水にその浸透圧の2倍以上の圧力を加えて逆浸透膜を通過させることによって、塩分の透過を抑制して、淡水を得ることができるものである。逆浸透膜処理装置の透過性能を低下させる現象として、有機ファウリングがある。有機ファウリングは、海水中に含まれる微生物が生成する細胞外代謝産物などによって生じるファウリング(目詰まり)であり、逆浸透膜を目詰まりさせる現象である。
このような有機ファウリングは、ファウリング原因物質(ファウラント)のRO膜の膜面への吸着から始まり、それを餌に微生物が膜面で増殖することで発生するといわれている。そこで、特許文献1では、処理膜(RO膜など)の表面に、抗菌剤を含む糸で構成した供給側流路材を積層したものを使用することが提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、供給水(被処理水)を供給側流路材によって処理膜表面に導くことで抗菌するものであるため、処理膜に微生物などを含む供給水が接触するのを十分に阻止することはできず、処理膜の交換頻度を低減することは困難であった。
本発明は、処理膜の交換頻度を低減できる水処理装置および水処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、塩分を含む被処理水を淡水化する逆浸透膜を備えた処理部と、前記処理部を収容する容器と、前記容器内に前記被処理水を導入する導入部と、前記被処理水に含まれる有機物を吸着させる吸着部材と、を備え、前記導入部と前記処理部との間の容器内に前記吸着部材を配置したことを特徴とする。
これによれば、被処理水を逆浸透膜に導入する前に、被処理水に含まれる有機物(ファウラント)を逆浸透膜の上流側の吸着部材によって吸着させることができるので、逆浸透膜に有機物が吸着するのを低減することが可能になる。
本発明によれば、逆浸透膜の交換頻度を低減可能な水処理装置および水処理システムを提供できる。
以下、本実施形態に係る水処理装置1およびこの水処理装置1を備えた水処理システム100について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る水処理装置1は、海水、汽水、かん水などの比較的塩分濃度の高い水を工業用水や飲料水などの水として再利用可能に浄化処理をする海水淡水化処理系(水処理システム100)に適用されるものである。なお、「海水、汽水、かん水などの比較的塩分濃度の高い水」は、塩分を含む被処理水(以下、被処理水と略記する)に相当する。
図1は、本実施形態に係る水処理装置を示す内部構造図である。なお、図1では、水処理装置の被処理水が導入される入口側のみを図示している。
図1に示すように、水処理装置1は、ベッセル2(容器)、逆浸透膜エレメント(以下、ROエレメントと表記)3、吸着部材4などで構成されている。なお、ROエレメント3は、逆浸透膜を備えた処理部に相当する。
図1に示すように、水処理装置1は、ベッセル2(容器)、逆浸透膜エレメント(以下、ROエレメントと表記)3、吸着部材4などで構成されている。なお、ROエレメント3は、逆浸透膜を備えた処理部に相当する。
ベッセル2は、円筒形状を有する筒体2aと、この筒体2aの軸方向の端部を塞ぐ端板2b,2c(端板2cについては図4参照)と、で構成されている。端板2bは、筒体2aの軸方向の入口側の開口に着脱自在に構成されている。また、端板2bの径方向の中心から外れた位置には、被処理水が導入される導入口2b1(導入部)が形成されている。
なお、本実施形態では、端板2bに導入口2b1を形成した場合を例に挙げて説明するが、図1において二点鎖線で示すように、導入口2b1に替えて、筒体2aの周面の端板2bと吸着部材4との間に、被処理水が導入される導入口2a1を形成してもよい。
また、ベッセル2は、例えば、後記する高圧ポンプ40(図8参照)による高い圧力(5MPa以上)に耐え得るスーパーステンレス(PREN値(孔食係数)が40以上の鋼種)によって構成されている。
図2は、水処理装置のROエレメントの内部構造を示す一部展開斜視図である。
図2に示すように、ROエレメント3は、逆浸透膜(以下、RO膜と表記)11を含む膜ユニット10が、ベッセル2(図1参照)の軸中心に対応する位置に沿って形成された集水管12の周囲にスパイラル状に巻回されることで構成されている。
図2に示すように、ROエレメント3は、逆浸透膜(以下、RO膜と表記)11を含む膜ユニット10が、ベッセル2(図1参照)の軸中心に対応する位置に沿って形成された集水管12の周囲にスパイラル状に巻回されることで構成されている。
膜ユニット10は、RO膜11、スペーサ13,14により構成されている。
RO膜11は、袋状に形成され、袋状に形成された開口が集水管12の外周部に接着されている。なお、RO膜11は、セルロースやポリアミドなどの素材で形成されている。
スペーサ13は、メッシュ状に形成され、袋状のRO膜11の内側に配設されている。このスペーサ13によって、RO膜11がスパイラル状に巻かれてもRO膜11の内部空間が潰れないようになっている。
スペーサ14は、メッシュ状に形成され、隣り合うRO膜11,11の間に配設されている。また、スペーサ14は、RO膜11と同様に集水管12の外周部に接着されている。
なお、RO膜11の構造としては、スパイラル型に限定されるものではなく、中空糸型など他の種類の構造であってもよい。
図3は、水処理装置のROエレメントのRO膜の展開図である。なお、この図3は、ROエレメント3を軸方向から見たときの展開図である。
図3に示すように、ROエレメント3は、4枚の袋状のRO膜11,11,11,11を備え、それぞれのRO膜11の袋状の開口が集水管12の外周部に形成された透孔12aと連通するようにRO膜11が集水管12に接着されている。ROエレメント3に供給された被処理水は、RO膜11の外表面を流れ、RO膜11を外表面から内表面へと透過することにより脱塩される。そして、RO膜11を透過した脱塩後の透過水は、RO膜11の内側からRO膜11の袋状の開口、および集水管12の透孔12aを介して集水管12内に集水される。
図3に示すように、ROエレメント3は、4枚の袋状のRO膜11,11,11,11を備え、それぞれのRO膜11の袋状の開口が集水管12の外周部に形成された透孔12aと連通するようにRO膜11が集水管12に接着されている。ROエレメント3に供給された被処理水は、RO膜11の外表面を流れ、RO膜11を外表面から内表面へと透過することにより脱塩される。そして、RO膜11を透過した脱塩後の透過水は、RO膜11の内側からRO膜11の袋状の開口、および集水管12の透孔12aを介して集水管12内に集水される。
なお、RO膜11は、4枚に限定されるものではなく、3枚以下であっても、5枚以上であってもよい。また、透孔12aの形状や数は、適宜変更できる。
図4は、水処理装置のROエレメントがベッセルに組み込まれた逆浸透膜モジュールを示す透視斜視図である。
図4に示すように、水処理装置1は、ベッセル2内に3個のROエレメント3,3,3が軸方向に直列に配置され、隣り合う集水管12同士が連結管15を介して連結されることでモジュール化されている。なお、この例では、最も上流側に位置するROエレメント3の集水管12は、連結管15を介して延長管16と接続されている。延長管16の端部は、閉塞されるとともに、端板2bを貫通する位置まで延びている。
図4に示すように、水処理装置1は、ベッセル2内に3個のROエレメント3,3,3が軸方向に直列に配置され、隣り合う集水管12同士が連結管15を介して連結されることでモジュール化されている。なお、この例では、最も上流側に位置するROエレメント3の集水管12は、連結管15を介して延長管16と接続されている。延長管16の端部は、閉塞されるとともに、端板2bを貫通する位置まで延びている。
なお、ROエレメント3の個数は、図4に示すように3個に限定されるものではなく、2個以下であっても、4個以上であってもよい。また、水処理装置1は、後記する水処理システム100(図8参照)に適用する場合、図4に示すようなモジュール化した水処理装置1を単独で使用するものであってもよく、またはモジュール化した水処理装置1を例えば並列に接続して使用するものであってもよく、水処理システム100(図8参照)が必要とする水処理能力に応じて適宜変更することができる。
また、端板2bに形成された導入口2b1(図1参照)には、配管22が接続されている。また、筒体2aの下流側の端部には、RO膜11を透過しなかった濃縮水を排出する排水管23が接続されている。また、端板2cには、集水管12と連通する配管24が接続され、集水管12に集水された透過水を水処理装置1の外部に取り出すことができるようになっている。
図1に戻って、吸着部材4は、最も上流側に(最前段に)位置するROエレメント3と導入口2b1が形成された端板2bとの間に配置され、配管22から導入された被処理水に含まれる有機物を吸着する吸着機能と、配管22から導入された被処理水を整流する整流機能と、を有している。
図5は、水処理装置に設けられる吸着部材を示す正面図である。
図5に示すように、吸着部材4は、円盤状に形成されたベース材4aを有し、ベース材4aの中心に軸方向に貫通する貫通孔4bが形成され、この貫通孔4bに集水管12(図1参照)が挿通されるように構成されている。
図5に示すように、吸着部材4は、円盤状に形成されたベース材4aを有し、ベース材4aの中心に軸方向に貫通する貫通孔4bが形成され、この貫通孔4bに集水管12(図1参照)が挿通されるように構成されている。
また、吸着部材4は、筒体2a(図1参照)の上流側の開口2a2(図1参照)から端板2bを取り外すことで着脱できるように構成されている。例えば、吸着部材4の下流側の端面は、筒体2aの内周壁面から径方向内側に延びる位置決め部材2dに当接し、図示しない抜け止め部材によってROエレメント3の端面に対向する位置に位置決めされている。
なお、位置決め部材2dを設けずに、延長管16の外周面から径方向外側に突出する連結管15に、吸着部材4の貫通孔4bの周縁部を当接させて位置決めするようにしてもよい。
また、吸着部材4は、軸方向に複数の通流孔4cが貫通して形成されている。通流孔4cの直径(孔径)dは、例えば、吸着部材4の直径Dが約40cm(16インチ)のものに対して、約2.8cm(1.1インチ)のものを使用することができる。なお、通流孔4cの孔径dを小さくすればするほど被処理水に含まれる有機物(ファウラント:ファウリング原因物質)の捕集率を高めることはできるが、そうすると通流孔4cが閉塞するおそれが高くなるので、ファウリングによって通流孔4cが閉塞しないようにするために、約5mm(0.2インチ)以上の孔径に設定することが好ましい。
また、吸着部材4は、例えば、以下の方法によって製造することができる。すなわち、吸着部材4は、高圧の被処理水に耐え得る材料で形成されたレンコン型のベース材4aに、有機物を吸着させるのに適した吸着層をコーティングすることで得ることができる。
なお、図5に示す形状のベース材4aは、単体で整流板として機能(形状)を有するものである。ここでの整流板とは、導入口2b1から導入された被処理水の流れを均等化する均等板としての機能を有し、ROエレメント3の上流側の端面に均等に被処理水が供給されるようにするものである。
また、図1では、ROエレメント3の外周面とベッセル2の内周面との間に隙間が形成された状態で図示しているが、これは簡略化して図示しただけであり、吸着部材4を通過した被処理水の全量が、ROエレメント3の端面に導入されるように構成されている。
ベース材4aとしては、金属、樹脂など、吸着層をコーティングでき、かつ、高圧ポンプ40(図8参照)の駆動力によって導入される被処理水の高圧に耐え得る材質であれば、特に限定されるものではない。
吸着部材4は、例えば、アルミナの原料となるAl(OC3H7)3を、水−エタノール溶液に溶解し、ディップなどでベース材4aの表面に液膜を形成した後、少なくとも200℃で加熱することで吸着層を得ることができる。なお、ベース材4aの耐熱性が低い場合には、アルミナ粉末を分散させた樹脂をコーティングするなど別の方法で、ベース材4aに吸着層を形成するようにしてもよい。
また、有機物を吸着させるのに好適な材料としては、アルミナが特に好ましいが、アルミナに限定されるものではなく、例えば、溶液に可溶な芳香族ポリアミドを適用することもできる。
図6は、水処理装置の流体の流れを示す模式図である。
図6に示すように、水処理装置1は、矢印A1に示すように、導入口2b1から、被処理水としての供給水(例えば、海水などを前処理した前処理水)が導入されると、吸着部材4の表面、つまり吸着部材4の軸方向上流側に向いている表面4a1や、通流孔4cの内壁面4c1に接しながら通流する。これにより、供給水A1に含まれる有機物(ファウラント)が吸着部材4に吸着される。また、吸着部材4を通過した供給水A1は、吸着部材4とROエレメント3との間の空間Qに滞留し、吸着部材4の軸方向下流側に向いている表面4a2に接することによっても、供給水A1に含まれる有機物が吸着部材4に吸着される。
図6に示すように、水処理装置1は、矢印A1に示すように、導入口2b1から、被処理水としての供給水(例えば、海水などを前処理した前処理水)が導入されると、吸着部材4の表面、つまり吸着部材4の軸方向上流側に向いている表面4a1や、通流孔4cの内壁面4c1に接しながら通流する。これにより、供給水A1に含まれる有機物(ファウラント)が吸着部材4に吸着される。また、吸着部材4を通過した供給水A1は、吸着部材4とROエレメント3との間の空間Qに滞留し、吸着部材4の軸方向下流側に向いている表面4a2に接することによっても、供給水A1に含まれる有機物が吸着部材4に吸着される。
また、本実施形態では、吸着部材4のベース材4aが整流機能(均等化機能)を有する形状を有しているので、吸着部材4の一部に向けて導入口2b1から被処理水が導入されたとしても、導入口2b1からの供給水A1を、吸着部材4の上流側において均等に分散させて、吸着部材4の各通流孔4cに均等に通流させることができる。
なお、前記した説明では、通流孔4cの内壁面4c1にも吸着層を設ける場合を例に挙げて説明したが、内壁面4c1には吸着層を設けないようにすることで、内壁面4c1への有機物(ファウラント)の吸着を低減することができ、通流孔4cの詰まり(閉塞)を低減することができる。よって、通流孔4cの孔径dを小さく形成したとしても、通流孔4cの閉塞を抑えることができる。
ちなみに、吸着部材4に有機物が吸着される原理は以下に記載する通りである。すなわち、所定の形状を有するベース材4aにアルミナなどをコーティングした吸着部材4に被処理水(供給水)を通流させることで、吸着部材4の電荷をプラス側に帯電させることができる。一方、有機物(微生物および海水中の粒子)はマイナス側に帯電しているので、有機物を吸着部材4に良好に吸着させることが可能になる。ちなみに、表面がアルミナなどでコーティングされた吸着部材4を適用することで、有機物の吸着性を高めることが可能になる。
ところで、海水用のRO膜11を備えた水処理装置1では、有機ファウリングがROエレメント3の前段部に集中して起こり、後段での発生は少なくなることが知られている。そこで、本実施形態の水処理装置1では、ベッセル2に挿入される1段目(端板2b側)のROエレメント3の前段に吸着部材4を配置することで、被処理水に含まれる多くの有機物を吸着させることが可能になる。つまり、本実施形態のように、1段目のROエレメント3の前段に配置することで、吸着部材4を無駄に配置することなく、より少ない吸着部材4の数で有機物を効率的に吸着することが可能になる。
また、吸着部材4による有機物吸着後の供給水は、矢印A2に示すように、ROエレメント3の端面から導入され、RO膜11(図2、図3参照)を透過して淡水化されることで、矢印Bに示すように、透過水として集水管12に集水される。透過水Bは、配管24(図4参照)から生産水として外部のその水質レベルに応じた用途に供給される。
一方、RO膜11を透過しなかった供給水は、矢印Cに示すように、ベッセル2内を下流に行くにしたがって徐々に塩分濃度が高められ、供給水A1よりも塩分濃度の高い塩水(濃縮水)となって排水管23(図4参照)から排出される。
図7は、各種試薬ごとの吸着量を示すグラフである。なお、各種試薬は、実施例としてアルミナ、比較例として酸化チタンおよび酸化亜鉛の粉末を使用し、人工海水に模擬ファウリング原因物質としてヒアルロン酸を添加したものを、モデル海水として使用した。そして、モデル海水中に各種粉末を投入し、15分間攪拌した。なお、攪拌時間は、モデル海水中の粉末が平衡に達する時間である。そして、攪拌前のモデル海水中のヒアルロン酸量と、攪拌後のモデル海水中のヒアルロン酸量をTOC(Total Organic Carbon)計で測定して、吸着量(μg/m2)を算出した。なお、表面積はBET法にて求めた。図7に示すように、アルミナを使用した場合には、比較例として示した他の金属酸化物(酸化チタン、酸化亜鉛)に比べて吸着量が特に優れていることが確認された。
以上説明したように、本実施形態の水処理装置1では、導入口2b1とROエレメント3との間に吸着部材4を配置することで、ROエレメント3の前段(上流側)で、ファウリング原因物質である有機物を捕集し、捕集した有機物を餌にして有機ファウリングをROエレメント3の前段(上流側)で誘発させることができるので、ROエレメント3に有機ファウリングが発生するのを低減することができ、ROエレメント3の交換頻度を低減することが可能になる。
また、本実施形態の水処理装置1では、有機物(ファウリング原因物質、ファウラント)をROエレメント3の直前で除去することで、再汚染を防止することができる。
また、ROエレメント3で有機ファウリングが発生した場合、ROエレメント3の流路の詰まりによってROエレメント3の洗浄を良好に行うことができなくなる(閉塞した流路には洗浄用の薬液が流れず、薬液洗浄の効果が低い)ことが多い。本実施形態の水処理装置1では、ROエレメント3での有機ファウリングの発生を抑制できるので、流路の閉塞を低減することができ、薬液洗浄による効果が低下するのを抑制することができる。
また、本実施形態の水処理装置1では、吸着部材4をベッセル2に対して着脱可能に取り付けられているので、交換時にはベッセル2から吸着部材4のみを取り外して、新たな吸着部材4を取り付けるだけでよい、つまり水処理装置1の全体を交換する必要がないので、無駄を無くすことができる。
また、本実施形態の水処理装置1では、吸着部材4に整流機能を持たせることで、ROエレメント3のRO膜11に均等に被処理水(供給水A2:図6参照)を導入することができ、ROエレメント3の全面を有効に利用することができるとともに、吸着部材4に効果的に有機物を吸着させることができる。
また、本実施形態の水処理装置1では、吸着部材4の表面を、アルミナを含む材料で被覆することで、被処理水に含まれる有機物の吸着量を高めることができる。その結果、ROエレメント3に発生する有機ファウリングをさらに低減することができ、ROエレメント3の交換頻度をさらに低減することが可能になる。
図8は、水処理装置を備えた水処理システムを示す概略構成図である。
図8に示すように、水処理システム100は、水処理装置1、高圧ポンプ40、センシング部50などで構成されている。
図8に示すように、水処理システム100は、水処理装置1、高圧ポンプ40、センシング部50などで構成されている。
高圧ポンプ40は、被処理水(供給水A1,A2)が水処理装置1のRO膜11に対して逆浸透するような高い圧力で駆動できる能力を有するものである。高圧ポンプ40によって、例えば、被処理水が3.5〜6MPa程度に昇圧されて、配管41を介して水処理装置1の導入口2b1に供給される。
なお、高圧ポンプ40の吸入口(導入ポート)には、配管42(メインライン)が接続され、この配管42に被処理水が導入される。この被処理水は、例えば、前処理装置(不図示)によって前処理されたものである。前処理装置としては、例えば、限外ろ過膜(UF(Ultra Filtration)膜)を用いたUF装置、精密ろ過膜(MF(Micro Filtration)膜)を用いたMF装置、砂ろ過装置などが用いられる。このように、取水された海水(原水)などは、前処理装置によって、それに含まれる固形性物質が除去された被処理水とした後に、水処理装置1に導入される。
また、高圧ポンプ40は、CPU、ROM、RAMなどを搭載したCPUボード、入出力インターフェースボードなどを搭載した制御装置200によって、駆動モータの駆動開始、駆動停止、回転速度が制御される。
センシング部50は、吸着部材4における有機物の吸着量を擬似的に検出して、吸着部材4を交換するか否かを判定するものである。このセンシング部50は、吸着部材4と同様の吸着部材(不図示)を備えており、高圧ポンプ40の上流側に配置されている。このように、センシング部50を高圧ポンプ40の上流に配置することにより、低圧領域においてセンシングが可能になるため、センシング部50のセンシング方法を複数種類選択することが可能になる(センシング方法に幅を持たせることができる)。
また、センシング部50は、例えば、QCM(Quarts Crystal Microbalance)からなる質量センサを用いることができ、配管42の一部をバイパスするバイパス配管43(バイパスライン)上に設けられている。また、バイパス配管43には、センシング部50の上流側に、流速計(または流量計)51が設けられている。
また、配管42には、バイパス配管43の上流側の接続点P1と、下流側の接続点P2との間に、流量調整弁44が設けられている。
制御装置200は、流速計51により検出された検出値(流速)が、吸着部材4に導入される流速と一致するように流量調整弁44の開度を調整する。なお、バイパス配管43の断面積は、センシング部50の流速が吸着部材4に導入される流速と一致できるような寸法に設定する。また、本実施形態では、センシング部50と、バイパス配管43と、流量調整弁44と、制御装置200とで、吸着量検出手段が構成されている。
このように、本実施形態の水処理システム100では、バイパス配管43にセンシング部50を配置して、吸着部材4における有機物の吸着量を擬似的に検出することにより、メインラインの配管41,42に大幅な変更を伴うことなく、現行の水処理システム100に適用することが可能になる。
制御装置200は、センシング部50の吸着部材の吸着量を検出して、その吸着量が吸着部材4の交換を必要とする吸着量に到達したと判定した場合には、吸着部材4の交換を必要とする水処理装置1への被処理水の導入を停止する。そして、ベッセル2から端板2bを取り外し、吸着部材4を延長管16に沿って取り外し、新たな吸着部材4を取り付ける。なお、吸着部材4を取り外す際には、例えば、専用のフック引っ掛け穴を吸着部材4に予め形成しておくことで対応することができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。例えば、整流機能を有する部材と、吸着機能を有する部材とを、ベッセル2内のROエレメント3の上流側に別個に設けるようにしてもよい。
1 水処理装置
2 ベッセル(容器)
2a 筒体
2b,2c 端板
2b1 導入口(導入部)
3 ROエレメント(処理部)
4 吸着部材
4a ベース材
4b 貫通孔
4c 通流孔
11 RO膜(逆浸透膜)
40 高圧ポンプ(ポンプ)
43 バイパス配管(吸着量検出手段)
44 流量調整弁(吸着量検出手段)
50 センシング部(吸着量検出手段)
100 水処理システム
200 制御装置(吸着量検出手段)
A1,A2 供給水(被処理水)
B 透過水
C 濃縮水
2 ベッセル(容器)
2a 筒体
2b,2c 端板
2b1 導入口(導入部)
3 ROエレメント(処理部)
4 吸着部材
4a ベース材
4b 貫通孔
4c 通流孔
11 RO膜(逆浸透膜)
40 高圧ポンプ(ポンプ)
43 バイパス配管(吸着量検出手段)
44 流量調整弁(吸着量検出手段)
50 センシング部(吸着量検出手段)
100 水処理システム
200 制御装置(吸着量検出手段)
A1,A2 供給水(被処理水)
B 透過水
C 濃縮水
Claims (5)
- 塩分を含む被処理水を淡水化する逆浸透膜を備えた処理部と、
前記処理部を収容する容器と、
前記容器内に前記被処理水を導入する導入部と、
前記被処理水に含まれる有機物を吸着させる吸着部材と、を備え、
前記導入部と前記処理部との間の容器内に前記吸着部材を配置したことを特徴とする水処理装置。 - 前記吸着部材は、前記容器に対して着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
- 前記吸着部材は、整流機能を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水処理装置。
- 前記吸着部材は、アルミナを含む材料で被覆されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の水処理装置。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水処理装置と、
前記逆浸透膜に吸着された前記有機物の吸着量を擬似的に検出する吸着量検出手段と、
前記水処理装置と前記吸着量検出手段との間に設けられ、前記被処理水を前記水処理装置の逆浸透膜に向けて圧送するポンプと、を備えることを特徴とする水処理システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012173529A JP2014030805A (ja) | 2012-08-06 | 2012-08-06 | 水処理装置および水処理システム |
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JP2012173529A JP2014030805A (ja) | 2012-08-06 | 2012-08-06 | 水処理装置および水処理システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017530001A (ja) * | 2014-09-24 | 2017-10-12 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 一体的な生物反応器を含む渦巻き状濾過アセンブリ |
-
2012
- 2012-08-06 JP JP2012173529A patent/JP2014030805A/ja active Pending
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JP2017530001A (ja) * | 2014-09-24 | 2017-10-12 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 一体的な生物反応器を含む渦巻き状濾過アセンブリ |
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