JP2020078773A - ろ過システム及びろ過方法 - Google Patents

ろ過システム及びろ過方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020078773A
JP2020078773A JP2018212540A JP2018212540A JP2020078773A JP 2020078773 A JP2020078773 A JP 2020078773A JP 2018212540 A JP2018212540 A JP 2018212540A JP 2018212540 A JP2018212540 A JP 2018212540A JP 2020078773 A JP2020078773 A JP 2020078773A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separation membrane
raw water
container
water
membrane element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018212540A
Other languages
English (en)
Inventor
巧真 小池
Takuma Koike
巧真 小池
貴久 小西
Takahisa Konishi
貴久 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2018212540A priority Critical patent/JP2020078773A/ja
Publication of JP2020078773A publication Critical patent/JP2020078773A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

【課題】原水の流れ方向を逆向きに変更する運転を行うときに分離膜を適切に保護するろ過システムを提供する。【解決手段】ろ過システム(200)は、容器(1)と、分離膜エレメント(10)と、第一供給口(31)と、第二供給口(32)とを備える。分離膜エレメント(10)は、容器(1)の内部に配置されている。ろ過システム(200)は、第一モードと第二モードとを切り換え可能に構成されている。分離膜エレメント(10)は、集水管(11)と、分離膜(12)と、流路材(13)とを備えている。分離膜(12)は、集水管(11)に巻きつけられている。流路材(13)は、分離膜(12)とともに集水管(11)に巻きつけられ原水の流路を形成する。分離膜(12)は、流路材(13)に接する表面にポリマーコーティングを有する。【選択図】図2

Description

本開示は、ろ過システム及びろ過方法に関する。
従来、分離膜エレメントを用いた原水のろ過が行われている。分離膜エレメントは、海水の淡水化、純水の製造、廃水処理、原油の採掘などの様々な分野で使用されている。分離膜エレメントは、例えば、集水管と、集水管に巻きつけられた分離膜とを備えている。分離膜エレメントが容器に装填されて分離膜モジュールが構成される。
例えば、特許文献1には、複数のスパイラル型膜エレメントがハウジング内に装填された逆浸透膜モジュールが記載されている。この逆浸透膜モジュールの運転方法において、原水の流れ方向が定期又は不定期に反対方向へ変更される。
特許文献2には、スパイラル型の分離膜エレメントと、分離膜エレメントの通水時に生じるスラスト荷重を保持するスラスト荷重保持部材とを備える分離膜モジュールが記載されている。この分離膜モジュールにおいて、所定のフラッシング液を用いて逆方向フラッシングが行われる。スラスト荷重保持部材により、逆方向フラッシング時の水の流れで発生する圧力損失によるスラスト荷重が支えられる。
特許文献3には、複数の分離膜エレメントが筒状圧力容器内に充填された少なくとも1つの分離膜モジュールからなる分離膜ユニットが記載されている。分離膜エレメントにおいて、分離膜を流路部材と共に巻回した膜巻体の外周が外装体によって覆われており、膜巻体及び外装体の少なくとも片端にテレスコープ防止板が設けられている。テレスコープ防止板の外周と筒状圧力容器の内周面との間に被処理流体シール部材が設けられている。被処理流体シール部材は、被処理流体を筒状圧力容器と分離膜エレメントの間に存在するバイパス流路へバイパスさせる通水路を有する。これにより、分離膜エレメントの圧力損失が上昇した場合において分離膜エレメントを通過する流量を低減し、分離膜エレメントにおける流動抵抗を抑制することが可能となる。その効果として、テレスコープの発生を抑えることを可能とする。
特開2004−141846号公報 国際公開第2015/41263号 特開2018−126706号公報
特許文献1に記載の技術は、分離膜モジュールにおいて原水の流れ方向を逆向きに変更する運転を行うときに分離膜の保護の観点から改良の余地を有する。一方、特許文献2には、原水の流れ方向を変更するように分離膜モジュールを運転することは記載されていない。特許文献3に記載の技術では、原水の流れ方向を変更するように上記の分離膜モジュールを運転することは記載されていない。
そこで、本開示は、原水の流れ方向を逆向きに変更する運転を行うときに分離膜を適切に保護する観点から有利なろ過システムを提供する。加えて、本開示は、原水の流れ方向を逆向きに変更する運転を行うときに分離膜を適切に保護する観点から有利なろ過方法を提供する。
本開示は、
容器と、
前記容器の内部に配置された分離膜エレメントと、
特定方向における前記容器の一方の端部に位置し、原水を前記容器の内部に導くための第一供給口と、
前記特定方向における前記容器の他方の端部に位置し、前記原水を前記容器の内部に導くための第二供給口と、を備え、
前記原水が前記第一供給口を通過して前記容器の内部に供給される第一モードと、前記原水が前記第二供給口を通過して前記容器の内部に供給される第二モードとを切り換え可能に構成され、
前記分離膜エレメントは、集水管と、前記集水管に巻きつけられた分離膜と、前記分離膜とともに前記集水管に巻きつけられ前記原水の流路を形成する流路材と、を備え、
前記分離膜は、前記流路材に接する表面にポリマーコーティングを有する、
ろ過システムを提供する。
別の側面において、本開示は、
(i)容器の内部に原水を供給することと、
(ii)前記容器の内部に配置された分離膜エレメントによって前記原水をろ過して、透過水及び濃縮された原水を生成することと、を含み、
前記(i)の工程は、前記容器の内部において原水の流れ方向を逆向きに変更することを含み、
前記分離膜エレメントは、集水管と、前記集水管に巻きつけられた分離膜と、前記分離膜とともに前記集水管に巻きつけられ前記原水の流路を形成する流路材と、を備え、
前記分離膜は、前記流路材に接する表面にポリマーコーティングを有する、
ろ過方法を提供する。
本開示によれば、上記のろ過システム及びろ過方法は、原水の流れ方向を逆向きに変更する運転を行うときに分離膜を適切に保護する観点から有利である。
図1は、本開示のろ過システムの一例の構成を示す図である。 図2は、図1のろ過システムにおける分離膜モジュールを示す断面図である。 図3は、分離膜エレメントの一例を示す展開斜視図である。 図4は、図3に示す分離膜エレメントの断面図である。 図5は、分離膜エレメントの端部材の正面図である。
近年、廃水処理の分野又は原油採掘の分野で使用可能な分離膜エレメントのように、高いTDS(Total Dissolved Solids)濃度を有する原水を処理できる分離膜エレメントのニーズが生まれつつある。例えば、工業廃水は、減容化の目的で濃縮されるため、高いTDS濃度(例えば、質量濃度で30000ppm以上の濃度)を有しうる。原油を採掘すると、大量の随伴水が副産物として得られる。随伴水には様々な物質が高濃度で含まれている。原油採掘の現場では、地下油層の圧力を高めるための注入水の製造も必要である。注入水の製造に分離膜エレメントを使用する場合、特に中東地域で見られるような高濃度の海水などの高いTDS濃度を有する原水を処理する必要がある。
分離膜エレメントを用いて高いTDS濃度の原水を処理する場合、処理能力の向上のために、直列に接続された複数の分離膜エレメントを容器の中に装填して分離膜モジュールを構成することが考えられる。このような分離膜モジュールにおいて、原水が特定方向にのみ流れると、原水の高いTDS濃度に起因して、特定の分離膜エレメントの膜負荷が著しく大きくなり、特定の分離膜エレメントにおいてファウリングが著しく酷くなる。例えば、原水の流れ方向において最上流の分離膜エレメントの膜負荷が最下流の分離膜エレメントに比べて著しく大きくなる。そこで、分離膜モジュールにおける分離膜エレメント間の膜負荷のばらつきを抑制するために、分離膜モジュールにおいて原水の流れ方向を所定のタイミングで逆向きに変更することが考えられる。なお、分離膜エレメントの膜負荷とは、分離膜エレメントに供給される原水の体積流量を当該分離膜エレメントにおける分離膜の有効膜面積で除した物理量であり、例えば、[L(リットル)/(m2・時間)]の次元を有する。分離膜の「有効膜面積」とは、接着剤によって封止された部分等を除く、原水をろ過処理できる部分の面積を意味する。
分離膜モジュールに原水が供給されると、原水の流れによって、分離膜ではなく集水管に巻きつけられている流路材が全体的に原水の流れ方向に移動する。しかし、その流路材の移動は、原水の供給開始時期及びファウリング又はスケールが流路材に堆積して圧力損失が大きくなった時などの所定のタイミングに限定され、通常、分離膜の保護の観点から問題になることはない。一方、分離膜モジュールにおいて原水の流れ方向を所定のタイミングで逆向きに変更する場合、原水の流れの変更に伴い流路材が原水の流れ方向に動く。この場合、分離膜とともに集水管に巻きつけられている流路材と、分離膜とが擦れる。原水の流れの変更が繰り返されると、原水の流れの変更の度に流路材と分離膜との擦れが起こり、分離膜が損傷する可能性がある。そこで、本発明者らは、分離膜モジュールにおける原水の流れ方向を所定のタイミングで逆向きに変更する場合でも、分離膜を適切に保護できる技術について鋭意検討を重ね、本開示のろ過システム及びろ過方法を案出した。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
図1に示す通り、ろ過システム200は、分離膜モジュール100を備えている。図2に示す通り、分離膜モジュール100は、容器1と、分離膜エレメント10と、第一供給口31と、第二供給口32とを備えている。分離膜エレメント10は、容器1の内部に配置されている。第一供給口31は、特定方向(軸線方向)における容器1の一方の端部に位置し、原水を容器1の内部に導くためのものである。第二供給口32は、特定方向における容器1の他方の端部に位置し、原水を容器1の内部に導くためのものである。ろ過システム200は、第一モードと第二モードとを切り換え可能に構成されている。第一モードは、原水が第一供給口31を通過して容器1の内部に供給される運転モードである。第二モードは、原水が第二供給口32を通過して容器1の内部に供給される運転モードである。図3に示す通り、分離膜エレメント10は、集水管11と、分離膜12と、流路材13(供給側流路材)とを備えている。分離膜12は、集水管11に巻きつけられている。流路材13は、分離膜12とともに集水管11に巻きつけられ原水の流路を形成する。分離膜12は、流路材13に接する表面にポリマーコーティングを有する。これにより、ろ過システム200において、原水の流れ方向が逆向きに変更される運転が行われる場合でも、分離膜12と流路材13との擦れによって分離膜12が損傷しにくい。その結果、原水の流れ方向を逆向きに変更する運転を行うときに分離膜12が適切に保護される。
ろ過システム200を用いて、下記の(i)及び(ii)の工程を含むろ過方法を実行できる。(i)の工程は、容器1の内部において原水の流れ方向を逆向きに変更することを含む。このようなろ過方法が実行されても、分離膜12が適切に保護される。
(i)容器1の内部に原水を供給する。
(ii)容器1の内部に配置された分離膜エレメント10によって原水をろ過して、透過水及び濃縮された原水を生成する。
分離膜モジュール100において、容器1の内部に配置される分離膜エレメント10の数は、特に限定されず、例えば、1〜7である。容器1の内部に配置される分離膜エレメント10の数が2以上である場合、複数の分離膜エレメント10は、典型的には互いに接続されている。
分離膜12は、例えば、逆浸透膜である。ただし、分離膜12は、ナノ濾過膜であってもよく、限外濾過膜であってもよく、精密濾過膜であってもよい。
分離膜12は、例えば、多孔質の基材上に芳香族ポリアミド等の有機高分子によって形成された緻密なスキン層を形成することによって作製される。ポリマーコーティングは、例えば、スキン層を覆うように形成されている。
ポリマーコーティングの材料は、分離膜12を適切に保護できる限り、特定の材料に限定されない。ポリマーコーティングは、例えば、イオン系親水基を有するポリマー及び非イオン系親水基を有するポリマーの少なくとも1つを含有している。イオン系親水基は、例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、及び硫酸エステル塩等のアニオン、又は、アミン塩及び第4級アンモニウム塩等のカチオンであってもよいし、ベタイン等の両性イオンであってもよい。非イオン系親水基は、例えば、−OH、−NHCO−、−O−、及び下記式(I)で表される官能基でありうる。この場合、ろ過システム200において、原水の流れ方向を逆向きに変更する運転を行うときに分離膜12が適切に保護されるとともに、分離膜12の透水性が高くなりやすい。
Figure 2020078773
イオン系親水基を有するポリマーは、例えば、イオン系親水基を有するビニル重合体、縮合重合体、又は付加重合体である。イオン系親水基を有するポリマーは、典型的には、25℃の水に不溶である。
非イオン系の親水性基を有するポリマーは、例えば、非イオン系親水性基を有するビニル重合体、縮合重合体、又は付加重合体である。非イオン系の親水性基を有するポリマーは、例えば、ポリビニルアルコール、けん化ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、及びポリエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1つである。非イオン系の親水性基を有するポリマーは、典型的には、25℃の水に不溶である。非イオン系の親水性基を有するポリマーは、望ましくは、ポリビニルアルコールである。
ポリマーコーティングがポリビニルアルコールを含有している場合、ポリビニルアルコールは、例えば、25℃の水に対し不溶であり、かつ、80℃の水に対して可溶なポリビニルアルコールである。ポリマーコーティングに含有されるポリビニルアルコールのけん化度は、望ましくは、99〜100%である。この場合、ポリビニルアルコールが25℃の水に不溶であり、かつ、熱水に対して可溶性を示しやすい。加えて、ポリマーコーティングが高い親水性を示しやすく、分離膜12の透水性が高くなりやすい。
図3に示す通り、分離膜エレメント10の一端部に原水が流入すると、原水は、分離膜12によってろ過されて濃縮される。これにより、濃縮された原水と透過水とが生成される。濃縮された原水は、分離膜エレメント10の他端部から分離膜エレメント10の外部へと排出される。透過水は、透過水の流路及び集水管11を通じて、分離膜エレメント10の外部へと排出される。分離膜エレメント10は、原水に含まれたイオン、塩類などの溶質が取り除かれた透過水を生成する。
分離膜エレメント10は、例えば、透過側流路材14をさらに備えている。透過側流路材14は、分離膜12とともに集水管11に巻きつけられている。例えば、分離膜12、供給側流路材13、及び透過側流路材14によって積層体15が構成され、積層体15が集水管11に巻きつけられている。積層体15は、例えば、複数の分離膜12、複数の供給側流路材13、及び複数の透過側流路材14によって構成されている。
例えば、複数の分離膜12は、互いに重ね合わされ、袋状の構造を有するように3辺において封止され、集水管11に巻きつけられている。袋状の構造の外部に位置するように、分離膜12と分離膜12との間に供給側流路材13が配置されている。供給側流路材13は、分離膜12と分離膜12との間に原水の流路としての空間を確保している。袋状の構造の内部に位置するように、分離膜12と分離膜12との間に透過側流路材14が配置されている。透過側流路材14は、分離膜12と分離膜12との間に透過水の流路としての空間を確保している。透過水の流路が集水管11に連通するように、袋状の構造の開口端が集水管11に接続されている。
集水管11は、各分離膜12を透過した透過水を集めて分離膜エレメント10の外部に導く役割を担っている。集水管11には、その軸線方向に沿って複数の貫通孔11hが所定間隔で設けられている。透過水は、これらの貫通孔11hを通じて集水管11の中に流入する。
集水管11の構成材料は特に限定されない。集水管11は、例えば、金属、セラミック又は樹脂で作られている。金属としては、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、黄銅(真鍮)、青銅、ジュラルミン、その他の合金などが挙げられる。セラミックとしては、アルミナセラミック、ジルコニアセラミック、窒化ケイ素セラミック、窒化アルミニウムセラミック、炭化ケイ素セラミックなどが挙げられる。樹脂としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹脂)、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。集水管11を構成する樹脂は、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、又はシリコーン樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂)、ポリフェニレンオキシド樹脂、変性ポリフェニレンオキシド樹脂(例えば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、アクリルニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、これらの樹脂の混合物、これらの樹脂を含むポリマーアロイなどが挙げられる。
集水管11の構成材料は樹脂を含んでいてもよい。この場合、集水管11に優れた耐食性を付与しやすい。集水管11の構成材料の主成分が樹脂であってもよい。「主成分」とは、体積比で最も多く含まれた成分を意味する。
集水管11の構成材料は、樹脂と強化材料とを含む樹脂組成物であってもよい。強化材料としては、繊維材料、結晶材料などが挙げられる。繊維材料としては、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。結晶材料としては、ウィスカー、液晶ポリマーなどが挙げられる。ガラス繊維としては、ガラスウール、チョップド・ガラスファイバー、ミルド・ガラスファイバーが挙げられる。炭素繊維としては、ミルド炭素繊維が挙げられる。ウィスカーとしては、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、珪酸カルシウムウィスカー、硫酸カルシウムウィスカーなどが挙げられる。
図4に示す通り、分離膜エレメント10は、例えば、第一端部材16aと、第二端部材16bと、シール部材17と、シェル18とをさらに備えている。第一端部材16aは、集水管11の軸線方向における分離膜12の一方の端を覆っている。第二端部材16bは、集水管11の軸線方向における分離膜12の他方の端を覆っている。シール部材17は、第一端部材16aの外周に取り付けられた環状の部材である。シール部材17は、第二端部材16bの外周に取り付けられた環状の部材である。シェル18は積層体15を取り囲んでいる。第一端部材16a、第二端部材16b、及びシェル18のそれぞれの材料として、例えば、集水管11の材料として挙げた材料を使用可能である。
第一端部材16a及び第二端部材16bは、積層体15がテレスコピック状に伸長することを防止する。第一端部材16a及び第二端部材16bは、典型的には、同一の形状を有する。このため、第一端部材16aの形状に関する説明は、第二端部材16bの形状にも当てはまる。
図5に示す通り、第一端部材16aは、内側筒部16i、外側筒部16e、及び複数のリブ16rを有する。第一端部材16aは、テレスコープ防止部材又はシールキャリアとも呼ばれる。内側筒部16iが外側筒部16eによって周方向に囲まれている。外側筒部16eの中心は、内側筒部16iの中心に一致している。複数のリブ16rは、内側筒部16iの周りに等角度間隔で設けられており、内側筒部16iから外側筒部16eに向かって延びている。リブ16rは、弓状に湾曲していてもよく、半径方向に真っ直ぐ延びていてもよい。内側筒部16iには、集水管11を通すための貫通孔16hが設けられている。隣り合うリブ16rとリブ16rとの間に広がる部分には、原水を通過させるための複数の貫通孔16fが設けられている。リブ16rとリブ16rとの間に広がる部分の全部が貫通孔であってもよい。
第一端部材16a及び第二端部材16bの少なくとも1つは、集水管11の軸線に垂直な方向に延びている溝16kを有する。第一端部材16a及び第二端部材16bの両方が溝16kを有していてもよいし、第一端部材16a及び第二端部材16bの一方のみが溝16kを有していてもよい。これにより、積層体15を通過した原水の一部が溝16kを通過して、分離膜エレメント10の外部に導かれうる。溝16kは、例えば、集水管11の軸線方向における外側筒部16eの端面において、集水管11の軸線に垂直な方向に外側筒部16eの内端から外端に延びる溝によって形成されている。例えば、第一端部材16a及び第二端部材16bの少なくとも1つは、集水管11の軸線に垂直な方向における外側筒部16eの端面において、周方向に等角度間隔で複数の溝16kを有している。例えば、図2に示す通り、隣り合う2つの分離膜エレメント10において、第一端部材16a及び第二端部材16bは、それぞれ、第二端部材16b及び第一端部材16aと面接触しうる。この場合、溝16kによって、分離膜エレメント10の内部の原水の流路が分離膜エレメント10の外部に連通する。場合によっては、第一端部材16a及び第二端部材16bは、溝16kを有していなくてもよい。
図2に示す通り、例えば、集水管11の軸線方向において、集水管11の端面11pの位置が第一端部材16aの端面16p及び第二端部材16bの端面16pの位置に揃っている。このような構造によれば、複数の分離膜エレメント10を集水管11の軸線方向に並べて分離膜モジュール100を構成する場合に、隣り合う2つの分離膜エレメント10の第一端部材16aと第二端部材16bとが互いに接する。その結果、分離膜12の面積を十分に稼ぐことができる。例えば、第一端部材16a及び第二端部材16bにおいて、内側筒部16iの端面及び外側筒部16eの端面は同一平面上に存在する。さらに、内側筒部16iの端面、外側筒部16eの端面、及び、リブ16rの端面は、同一平面上に存在していてもよい。集水管11の端面11pは、貫通孔16hの内部に位置していてもよい。
シール部材17は、例えば、U字状の断面を有する弾性体によって形成されている。シール部材17は、円状、楕円形、四角形、V字状、C字状、又はX字状の断面を有する弾性体によって形成されていてもよい。弾性体は、例えば、ゴム、熱可塑性エラストマー、又は樹脂でありうる。例えば、第一端部材16aの外周面には、環状溝が形成されている。シール部材17は、例えば、第一端部材16aの外周面の環状溝に嵌められている。シール部材17の外径は、第一端部材16aの外径よりも大きい。このため、シール部材17は、半径方向外側に第一端部材16aから突出している突出部を有する。
図2に示す通り、分離膜モジュール100において、容器1の両端には、円盤状の端板8a及び8bが取り付けられている。端板8aには、透過水を取り出すための第一排出管63aが中心に設けられている。端板8bには、透過水を取り出すための第二排出管63bが中心に設けられている。
分離膜モジュール100において、隣り合う2つの分離膜エレメント10は、コネクタ61によって互いに接続されている。コネクタ61は、集水管11の内部に位置するインターコネクタでありうる。集水管11の軸線方向において、隣り合う分離膜エレメント10の第一端部材16aと第二端部材16bとが接している。詳細には、第一端部材16aの端面と第二端部材16bの端面とが接している。このような構造によれば、容器1の内部の無駄な空間を減らし、積層体15の長さを最大限に確保でき、分離膜12の面積を十分に確保できる。
分離膜モジュール100において、複数の分離膜エレメント10のうち第一供給口31に最も近い分離膜エレメント10は、アダプタ62によって第一排出管63aに接続されている。複数の分離膜エレメント10のうち第二供給口32に最も近い分離膜エレメント10は、アダプタ62によって第二排出管63bに接続されている。
分離膜モジュール100は、例えば、一対のスラストリング70をさらに備えている。一対のスラストリング70の一方は、複数の分離膜エレメント10のうち第一供給口31に最も近い分離膜エレメント10と、端板8aとの間に配置されている。一対のスラストリング70の他方は、複数の分離膜エレメント10のうち第二供給口32に最も近い分離膜エレメント10と、端板8bとの間に配置されている。スラストリング70は、例えば、円錐台状かつ環状の部品である。スラストリング70の中央には、スラストリング70をアダプタ62に嵌めるための貫通孔が形成されている。この貫通孔の孔径は、アダプタ62の外周部分よりもわずかに大きい。加えて、スラストリング70の錐面には、原水を通過させるための貫通孔が形成されている。スラストリング70の最大内径及び最大外径は、例えば、第一端部材16a及び第二端部材16bの外側筒部16eの内径と外径との間の値を有する。スラストリング70の半径方向における内側の端部は、第一排出管63a又は第二排出管63bと周方向において重なっている。例えば、複数の分離膜エレメント10に端板8bに向かってスラスト荷重が働くと、第二排出管63b及びスラストリング70がこのスラスト荷重を受ける。一方、複数の分離膜エレメント10に端板8aに向かってスラスト荷重が働くと、第一排出管63a及びスラストリング70がこのスラスト荷重を受ける。
図1に示す通り、ろ過システム200は、第一モードと、第二モードとを切り換えるためのバルブとして、例えば、三方弁51、52、及び53を備えている。ろ過システム200は、例えば、流路50a、50b、50c、50d、50e、50f、流路50hをさらに備えている。また、ろ過システム200は、ポンプ120をさらに備えている。ポンプ120は、分離膜モジュール100に向かって原水を圧送する。ポンプ120は、流路50aに配置されている。流路50aは、三方弁51に接続されている。流路50bは、三方弁51及び三方弁52に接続されている。流路50cは、三方弁52及び第一供給口31に接続されている。流路50dは、第二供給口32及び三方弁53に接続されている。流路50eは、ろ過システム200の外部に向かって延びている。流路50fは、三方弁51及び三方弁53に接続されている。流路50gは、三方弁52及び流路50eに接続されている。流路50hは、第一排出管63a及び第二排出管63bに接続されている。
ろ過システム200の運転の一例について説明する。第一モードにおいて、ポンプ120によって圧送された原水は、三方弁51、流路50b、三方弁52、流路50c、及び第一供給口31をこの順番で通過して、分離膜モジュール100の内部に供給される。一方、濃縮された原水は、第二供給口31、流路50d、三方弁53、及び流路50eをこの順番で通過して、ろ過システム200の外部に導かれる。このとき、分離膜モジュール100の内部において、原水は、第一供給口31から第二供給口32に流れる。図1における実線の矢印は第一モードにおける原水の流れ方向を示す。
第二モードにおいて、ポンプ120から圧送された原水は、三方弁51、流路50f、三方弁53、流路50d、及び第二供給口32をこの順番で通過して、分離膜モジュール100の内部に供給される。一方、濃縮された原水は、第一供給口31、流路50c、三方弁52、流路50g、及び流路50eをこの順番で通過して、ろ過システム200の外部に導かれる。このとき、分離膜モジュール100の内部において、原水は、第二供給口32から第一供給口31に流れる。図1における破線の矢印は第二モードにおける原水の流れ方向を示す。
ろ過システム200において、第一モードと第二モードとを切り換えるためにバルブが操作される。このとき、第一モードの継続時間T1に対する第二モードの継続時間T2の比(T1/T2)が0.5〜1.5となるようにバルブが操作される。これにより、分離膜モジュール100における各分離膜エレメント10の膜負荷のばらつきを抑制しやすい。第一モードの継続時間T1は、原水のTDS濃度等によって変動しうる。第一モードの継続時間T1は、例えば、1〜72時間である。
ろ過システム200は、例えば、制御器150をさらに備えている。制御器150によって、T1/T2が0.5〜1.5となるようにバルブの作動を制御する。例えば、制御器150は、三方弁51、52、及び53の作動を制御する。なお、第一モードと第二モードとを切り換えるために手動でバルブを操作してもよい。
第一モードと第二モードとを切り換えるとき、必要に応じて、第一モードと第二モードとの間の期間において中間的な運転モードでろ過システム200が運転されうる。例えば、中間的な運転モードにおいて、ろ過システム200の圧力が通常の運転圧力から低下するようにろ過システム200が運転される。中間的な運転モードには、フラッシングのための運転モードも含まれうる。
分離膜エレメント10、分離膜モジュール100、及びろ過システム200は、高いTDS濃度(例えば、質量濃度で30000ppm以上の濃度)を有する原水を処理するのに適している。分離膜エレメント10を用いた分離膜モジュール100の最大運転圧力は、例えば、12MPaである。「最大運転圧力」とは、分離膜モジュール100の入口近傍において、原水に加えられた圧力を意味する。分離膜モジュール100の入口近傍は、例えば、原水の流れ方向において最も上流側に位置している分離膜エレメント10と第一供給口31又は第二供給口32との間の空間である。
1 容器
10 分離膜エレメント
11 集水管
12 分離膜
16a 第一端部材
16b 第二端部材
17 シール部材
16k 開口部
31 第一供給口
32 第二供給口
51〜53 バルブ
150 制御器
200 ろ過システム

Claims (4)

  1. 容器と、
    前記容器の内部に配置された分離膜エレメントと、
    特定方向における前記容器の一方の端部に位置し、原水を前記容器の内部に導くための第一供給口と、
    前記特定方向における前記容器の他方の端部に位置し、前記原水を前記容器の内部に導くための第二供給口と、を備え、
    前記原水が前記第一供給口を通過して前記容器の内部に供給される第一モードと、前記原水が前記第二供給口を通過して前記容器の内部に供給される第二モードとを切り換え可能に構成され、
    前記分離膜エレメントは、集水管と、前記集水管に巻きつけられた分離膜と、前記分離膜とともに前記集水管に巻きつけられた前記原水の流路を形成する流路材と、を備え、
    前記分離膜は、前記流路材に接する表面にポリマーコーティングを有する、
    ろ過システム。
  2. 前記ポリマーコーティングは、イオン系親水基を有するポリマー及び非イオン系親水基を有するポリマーの少なくとも1つを含有している、請求項1に記載のろ過システム。
  3. 前記第一モードの継続時間に対する前記第二モードの継続時間の比が0.5〜1.5となるようにバルブが操作される、請求項1又は2に記載のろ過システム。
  4. (i)容器の内部に原水を供給することと、
    (ii)前記容器の内部に配置された分離膜エレメントによって前記原水をろ過して、透過水及び濃縮された原水を生成することと、を含み、
    前記(i)の工程は、前記容器の内部において原水の流れ方向を逆向きに変更することを含み、
    前記分離膜エレメントは、集水管と、前記集水管に巻きつけられた分離膜と、前記分離膜とともに前記集水管に巻きつけられ前記原水の流路を形成する流路材と、を備え、
    前記分離膜は、前記流路材に接する表面にポリマーコーティングを有する、
    ろ過方法。
JP2018212540A 2018-11-12 2018-11-12 ろ過システム及びろ過方法 Pending JP2020078773A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018212540A JP2020078773A (ja) 2018-11-12 2018-11-12 ろ過システム及びろ過方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018212540A JP2020078773A (ja) 2018-11-12 2018-11-12 ろ過システム及びろ過方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020078773A true JP2020078773A (ja) 2020-05-28

Family

ID=70802315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018212540A Pending JP2020078773A (ja) 2018-11-12 2018-11-12 ろ過システム及びろ過方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020078773A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58146406A (ja) * 1982-02-23 1983-09-01 Toray Ind Inc スパイラル型液体分離装置の製造方法
JP2004141846A (ja) * 2002-08-29 2004-05-20 Japan Organo Co Ltd 分離膜モジュールの運転方法及び分離膜装置
WO2013176119A1 (ja) * 2012-05-22 2013-11-28 東レ株式会社 膜分離装置および膜分離装置の運転方法
WO2015141693A1 (ja) * 2014-03-18 2015-09-24 東レ株式会社 半透膜分離装置および半透膜分離装置の運転方法
JP2015167914A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 東レ株式会社 乾式複合分離膜および乾式複合分離膜エレメント
JP2017023957A (ja) * 2015-07-24 2017-02-02 日東電工株式会社 複合分離膜及び分離膜エレメント

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58146406A (ja) * 1982-02-23 1983-09-01 Toray Ind Inc スパイラル型液体分離装置の製造方法
JP2004141846A (ja) * 2002-08-29 2004-05-20 Japan Organo Co Ltd 分離膜モジュールの運転方法及び分離膜装置
WO2013176119A1 (ja) * 2012-05-22 2013-11-28 東レ株式会社 膜分離装置および膜分離装置の運転方法
JP2015167914A (ja) * 2014-03-07 2015-09-28 東レ株式会社 乾式複合分離膜および乾式複合分離膜エレメント
WO2015141693A1 (ja) * 2014-03-18 2015-09-24 東レ株式会社 半透膜分離装置および半透膜分離装置の運転方法
JP2017023957A (ja) * 2015-07-24 2017-02-02 日東電工株式会社 複合分離膜及び分離膜エレメント

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6258454B2 (ja) 加圧式中空糸膜モジュールを含むろ過システム
WO2011094236A2 (en) Systems and methods for filtration
JPS6351722B2 (ja)
WO2004069391A1 (ja) 中空糸膜モジュールおよびそのモジュール配列群
CN107531526B (zh) 包含螺旋卷绕生物反应器和超滤膜模块的过滤总成
CN107530631B (zh) 包含定位在独立的压力容器中的螺旋卷绕生物反应器和膜模块的过滤总成
US20150375174A1 (en) Integrated ultrafiltration and reverse osmosis desalination systems
JP7133429B2 (ja) 水処理システム及び水処理方法
JP2018126706A (ja) 膜分離装置および流体分離方法
US4028250A (en) Filtration apparatus
WO2015141693A1 (ja) 半透膜分離装置および半透膜分離装置の運転方法
JP2015107483A (ja) 螺旋流水処理装置
JP2015150545A (ja) スパイラル型流体分離素子
US20180001263A1 (en) Submerged hyperfiltration system
JP2020078773A (ja) ろ過システム及びろ過方法
EP2821123B1 (en) Separation membrane module and replacement method for separation membrane element
KR101465698B1 (ko) 전도성 스페이서를 포함한 나권형 수처리 필터
JP2004050081A (ja) スパイラル型膜エレメント、逆浸透膜モジュール及び逆浸透膜装置
US11472718B2 (en) Adsorption structure, adsorption structure unit, and method for manufacturing same
JP7107817B2 (ja) 分離膜エレメント、分離膜モジュール、及びろ過システム
CN110505912B (zh) 流体分离元件和防伸缩板
KR20090093769A (ko) 적층형 막분리 시스템 및 그에 사용되는 분리막 적층 방법
JP5389885B2 (ja) 浄水装置
CN210814738U (zh) 分离膜元件、分离膜模块及净水器
JP2013212456A (ja) 中空糸膜モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210813

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220517

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221115