JPWO2015137250A1 - 偏光板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 偏光フィルムの一方の面に水系接着剤層を介して保護フィルムを貼合するとともに、前記偏光フィルムの他方の面に、揮発性液体からなる層を介して剥離フィルムを積層する第1工程と、
加熱により、前記水系接着剤層を乾燥させるとともに、前記揮発性液体を揮発させる第2工程と、
を含む、偏光板の製造方法。
(1)偏光フィルムの一方の面に水系接着剤層を介して第1保護フィルムを貼合するとともに、該偏光フィルムの他方の面に、揮発性液体からなる層を介して剥離フィルムを積層する第1工程、及び
(2)加熱により、上記水系接着剤層を乾燥させるとともに、上記揮発性液体を揮発させる第2工程、
を含む。
図5を参照して、本工程ではまず、長尺の偏光フィルム5のロール(巻回品)、長尺の第1保護フィルム20のロール及び長尺の剥離フィルム10のロールを用意し、これらを図示しない巻き出し装置を用いて連続的に巻き出しながらフィルム搬送を行う。各フィルムは、それらの長手方向が搬送方向となるように搬送される。フィルムの搬送経路には適宜、走行するフィルムを支持するガイドロール60が設けられる。図5における矢印は、フィルムの搬送方向又は各種ロールの回転方向を示す。通常、偏光フィルム5の搬送方向(フィルム長手方向)と第1保護フィルム20の搬送方向(フィルム長手方向)と剥離フィルム10の搬送方向(フィルム長手方向)とは平行である。
偏光フィルム5は、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものであることができる。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体が例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。
ケン化度(モル%)=100×(水酸基の数)/(水酸基の数+酢酸基の数)
で定義される。ケン化度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。ケン化度が高いほど、水酸基の割合が高いことを示しており、従って結晶化を阻害する酢酸基の割合が低いことを示している。
第1保護フィルム20は、熱可塑性樹脂、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)のようなポリオレフィン系樹脂;セルローストリアセテート、セルロースジアセテートのようなセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメタクリル酸メチル系樹脂のような(メタ)アクリル系樹脂;又はこれらの混合物、共重合物等からなる透明樹脂フィルムであることができる。
第1接着剤層25を形成する水系接着剤55は、接着剤成分を水に溶解したもの又は水に分散させたものである。好ましく用いられる水系接着剤は、例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂又はウレタン樹脂を用いた接着剤組成物である。水系接着剤から形成される第1接着剤層25の厚みは通常、1μm以下である。
剥離フィルム10は、偏光フィルム5に積層した後、所望のタイミングで剥離可能なフィルムである。「剥離可能」とは、偏光フィルム5及び剥離フィルム10を破損又は傷めることなく、偏光フィルム5と剥離フィルム10とを分離できることを意味する。
偏光フィルム5と剥離フィルム10との間に介在させる揮発性液体50は、第2工程での加熱処理によって揮発し得る液体であり、好ましくは偏光フィルム5に悪影響を与えない液体である。悪影響を与えないのであれば、帯電防止剤を添加してもよい。本発明において使用し得る揮発性液体50の例を挙げれば、例えば、水や、水と親水性液体との混合物等である。親水性液体は、第2工程での加熱処理後に残留しないものであることが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、1-ブタノール、テトロヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ギ酸、酢酸等が挙げられる。
本工程は、加熱によって、水系接着剤層である第1接着剤層25を乾燥させるとともに、揮発性液体50を揮発除去する工程である。この加熱処理によって、剥離フィルム10は、偏光フィルム5の表面に直接、適度な密着力をもって積層される。
上記第2工程の後、室温以上の温度で少なくとも半日、通常は数日間以上の養生を施して十分な接着強度を得てもよい。かかる養生は、典型的には、ロール状に巻き取られた状態で行われる。好ましい養生温度は、30〜50℃の範囲であり、さらに好ましくは35〜45℃である。養生温度が50℃を超えると、ロール巻き状態において、いわゆる「巻き締まり」が起こりやすくなる。なお、養生時の湿度は、特に限定されないが、相対湿度が0〜70%RH程度の範囲となるように選択されることが好ましい。養生時間は、通常1〜10日程度、好ましくは2〜7日程度である。
JIS Z 0208に準拠し、40℃での透湿度(g/m2・24hr)を測定した。
剥離フィルムから、1辺が剥離フィルムのMD(フィルム長手方向)と平行になるように1辺100mmの正方形の試験片を切り出し、当該試験片の初期寸法A(MDの初期寸法)と、その試験片を80℃の乾熱環境下で5分保持した後の寸法B(MDの寸法)とから、下記式:
MD寸法変化率(%)=(A−B)/A×100
により、剥離フィルムのMD寸法変化率を算出し、これをMD収縮率とした。同様にして、初期寸法A’(TDの初期寸法)と、その試験片を80℃の乾熱環境下で5分保持した後の寸法B’(TDの寸法)とから、TD寸法変化率を算出し、これをTD収縮率とした。
測定対象面(偏光フィルムにおける剥離フィルム側表面又は剥離フィルムにおける偏光フィルム側表面)を外側にして、偏光フィルム又は剥離フィルムをガラス基板に粘着剤を用いて貼合して測定サンプルとした。この測定サンプルを測定対象表面が上面となるように接触角計〔協和界面科学(株)製の画像処理式接触角計「FACE CA−X型」)に水平にセットし、測定対象表面に1マイクロリットルの揮発性液体を滴下し、揮発性液体に対する接触角を測定した。
剥離力は、剥離フィルムが積層された片面保護偏光板を25mm幅にカットして測定サンプルを取得し、(株)島津製作所製の精密万能試験機「オートグラフAGS−50NX」を用いて、測定サンプルの剥離フィルムと片面保護偏光板とを掴み、180°方向に剥がすときの力を測定することにより求めた。剥離力の測定は、剥離速度300mm/minで温度23±2℃、相対湿度50±5%の環境下で行った。
(A)偏光フィルムの作製
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上で厚み30μmのポリビニルアルコールフィルムを、乾式で約4倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、40℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.1/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が10.5/7.5/100の水溶液に68℃で300秒間浸漬した。引き続き、5℃の純水で5秒間洗浄した後、70℃で180秒間乾燥して、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。偏光フィルムの厚みは11μmであった。
ポリビニルアルコール粉末〔(株)クラレ製の商品名「KL−318」、平均重合度1800〕を95℃の熱水に溶解し、濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤〔田岡化学工業(株)製の商品名「スミレーズレジン650」〕をポリビニルアルコール粉末2重量部に対して1重量部の割合で混合して、水系接着剤とした。
図5に示される偏光板製造装置と同様の装置を用いて、次の手順で剥離フィルム付片面保護偏光板を作製した。上記(A)で得られた偏光フィルムを連続的に搬送するとともに、保護フィルム〔コニカミノルタオプト(株)製のTACフィルムである商品名「KC2UAW」、厚み25μm、貼合面にケン化処理を施したもの〕のロールから保護フィルムを連続的に巻き出し、また、剥離フィルム〔コニカミノルタオプト(株)製のTACフィルムである商品名「KC8UX2MW」、厚み80μm、ケン化処理なし〕のロールから剥離フィルムを連続的に巻き出した。次いで、偏光フィルムと保護フィルムとの間に上記(B)で得られた水系接着剤を注入するとともに、偏光フィルムと剥離フィルムとの間に純水を注入し、貼合ロール40,40間に通して保護フィルム/水系接着剤層/偏光フィルム/純水/剥離フィルムからなる積層フィルムとした(第1工程)。引き続き、積層フィルムを搬送し、乾燥装置70に通して80℃、300秒の加熱処理を行うことにより、水系接着剤層の乾燥とともに、偏光フィルムと剥離フィルムの間に介在する純水を揮発除去して、剥離フィルム付片面保護偏光板を得た(第2工程)。
保護フィルムの種類、剥離フィルムの種類を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして剥離フィルム付片面保護偏光板を作製した。比較例1及び2では、第1工程において偏光フィルムと剥離フィルムとの間に純水を介在させずに剥離フィルムを直接、偏光フィルム面に積層した。
〔b〕COP:JSR(株)製の環状ポリオレフィン系樹脂フィルムである商品名「FEKB015D3」、厚み15μm、
〔c〕PET:三菱樹脂(株)のポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み25μm、
〔d〕アクリル1:住友化学(株)のポリメタクリル酸メチル樹脂フィルム、厚み40μm、
〔e〕TAC2:コニカミノルタオプト(株)製のTACフィルムである商品名「KC8UX2MW」、厚み80μm、ケン化処理なし、
〔f〕PE:東レフィルム加工(株)のポリエチレンフィルムである商品名「トレテック 7332K」、厚み30μm、
〔g〕アクリル2:住友化学(株)のポリメタクリル酸メチル樹脂フィルム、厚み80μm、
〔h〕EtOH:エタノール。
Claims (5)
- 偏光フィルムの一方の面に水系接着剤層を介して保護フィルムを貼合するとともに、前記偏光フィルムの他方の面に、揮発性液体からなる層を介して剥離フィルムを積層する第1工程と、
加熱により、前記水系接着剤層を乾燥させるとともに、前記揮発性液体を揮発させる第2工程と、
を含む、偏光板の製造方法。 - 前記保護フィルム及び前記剥離フィルムの少なくとも一方は、その透湿度が400g/m2・24hr以上である、請求項1に記載の偏光板の製造方法。
- 前記剥離フィルムは、80℃にて5分間加熱したときの収縮率が0.15%以下である、請求項1又は2に記載の偏光板の製造方法。
- 前記剥離フィルムにおける偏光フィルム側表面の前記揮発性液体に対する接触角が、50〜80°である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法。
- 前記偏光フィルムにおける剥離フィルム側表面の前記揮発性液体に対する接触角が、50〜110°である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板の製造方法。
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