JPWO2015133621A1 - 電流量検出器 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献2においては、複数の磁気センサと、前記磁気センサの電流感度の差異が反映された出力信号に基づいて電流値を算出する信号処理手段と、を備える電流測定装置が開示されており、測定可能な導体としては様々な形状のものが開示されている。また、磁気センサとして磁界を検出する磁電変換素子等の磁気センサであれば特に制約を受けない旨記載されている。特許文献2においては、図18に示すように、磁気センサ3aと被測定導体5’との距離、及び、磁気センサ3bと被測定導体5’との距離が異なるようにこれら磁気センサ3a、3b及び被測定導体5’が配置されている。
磁気センサ3a、3bの電流感度をそれぞれSa、Sb[V/A]、被測定導体5’に流れる電流をI[A]、磁気センサ3a、3bの磁界感度をそれぞれma、mb[V/T]、磁気センサ3a、3bに外部から与えられる外乱磁界の磁束密度をそれぞれBa、Bb[T]、磁気センサ3a、3bの出力電圧をVa、Vb[V]とすると、
磁気センサ3aについて、
Va=Sa×I+ma×Ba (1)
が成り立ち、
磁気センサ3bについて、
Vb=Sb×I+mb×Bb (2)
が成り立つ。2つの磁気センサ3a、3bの磁界感度について、ma=mbが成り立ち、磁気センサ3a、3bに外部から与えられる外乱磁界の磁束密度についてもBa=Bbが成り立つと近似し、(1)から(2)を差し引くことにより、
Va−Vb=(Sa−Sb)Iが得られる。
電流感度Sa、Sb並びにVa、Vbを求めることにより、被測定導体5’に流れる電流Iを算出することができる。
測定電流が流れる電流線と、
磁界を検出して電気的に出力する少なくとも2つの磁気センサと、を備え、
前記2つの磁気センサは、それぞれ、磁界に対して平行な場合に電気的な出力が最も高くなる感磁軸と、磁界に対して平行な場合に電気的な出力が無くなる不感磁軸と、を有する磁気抵抗効果素子からなり、
前記2つの磁気センサの感磁軸は互いに平行であり、
前記2つの磁気センサのうち、一方の第1磁気センサは、測定電流により発生する磁界の、感磁軸に対して垂直な成分の磁界強度より、感磁軸に対して平行な成分の磁界強度が大きくなるような位置に配置され、
前記2つの磁気センサのうち、他方の第2磁気センサは、その感磁軸が、測定電流により発生する磁界に対して垂直であり、その不感磁軸が、測定電流により発生する磁界に対して平行になる位置に配置され、
前記第1磁気センサの出力と前記第2磁気センサの出力との差分により、測定電流の電流量を検出することを特徴とする。
前記第2磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記電流線の外側の位置であって、その不感磁軸が、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界に対して平行となる位置に配置されており、
前記第1磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記第1電流路及び前記第2電流路のいずれか一方と重なる位置であって、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界の、感磁軸に垂直な成分の磁界強度より、感磁軸に平行な成分の磁界強度が大きくなる位置に配置されていることを特徴とする。
前記第2磁気センサは、前記第1電流路と前記第2電流路との間であって、その不感磁軸が、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界に対して平行となる位置に配置されており、
前記第1磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記第1電流路及び前記第2電流路のいずれか一方と重なる位置であって、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界の、感磁軸に垂直な成分の磁界強度より、感磁軸に平行な成分の磁界強度が大きくなる位置に配置されていることを特徴とする。
前記第1磁気センサは、前記第1電流路と前記第2電流路との間であって、前記第1電流路及び前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界の、感磁軸に垂直な成分の磁界強度より、感磁軸に平行な成分の磁界強度が大きくなる位置に配置されており、
前記第2磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記第1電流路及び前記第2電流路のいずれか一方と重なる位置であって、その不感磁軸が、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界に対して平行となる位置に配置されていることを特徴とする。
前記第1電流路若しくは前記第2電流路の比抵抗は、分岐される前の電流線若しくは合流した後の電流線の比抵抗より大きく、且つ
前記第1電流路若しくは前記第2電流路の温度係数は、分岐される前の電流線若しくは合流した後の電流線の温度係数と略同一であることが好ましい。
前記第1磁気センサの感磁軸は、前記電流線の長辺の中心に位置してもよい。
前記第1磁気センサの感磁軸は、前記電流線の短辺の中心に位置し、
前記第2磁気センサの感磁軸は、前記電流線の長辺の中心に位置してもよい。
ここで、図3に示す断面(電流線5の長手方向に垂直な断面)において、電流線5の中心を通り水平に延びる線をX軸とし、電流線5の中心を通り当該X軸に対して垂直に延びる線をY軸とする。
本発明の実施の形態1に係る電流量検出器1は、図1(a)〜(c)に示すように、断面形状が矩形の電流線5と、電流線5の外周に配置された2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有する。この2つの磁気センサは、それぞれ、磁界を検出する感磁軸11、12を有する磁気抵抗効果素子からなる。2つの磁気センサ2、3は、2つの磁気センサ2、3の感磁軸11、12が互いに平行となるように配置されている。さらに、第2磁気センサ3は、電流線5を上面視した場合に電流線5の外側に配置され、第1磁気センサ2は電流線5を上面視した場合に電流線5と重なる位置に配置されている。電流線5は、平坦な上面を有しており、本発明においては、この上面に垂直な方向から見る場合を「上面視」という。「電流線5を上面視した場合に第2磁気センサ3が外側に配置される」とは、電流線5の平坦な上面に垂直な直線上のある点から電流線5を見た場合に、第2磁気センサ3が電流線5の外側、すなわち、図2に示すように、電流線5の測定電流25の流れる方向に垂直な幅方向の両端53、54の間を内側の範囲(当該範囲を参照番号52により示す)として、その範囲外(当該範囲を参照番号51により示す)に配置されていることを意味する。また、「第1磁気センサ2が電流線5を上面視した場合に電流線5と重なる位置に配置されている」とは、電流線5の平坦な上面に垂直な直線状のある点から電流線5を見た場合に、第1磁気センサ2が電流線5と重なる位置、すなわち、電流線5の測定電流25の流れる方向に垂直な幅方向の両端53、54の間を内側の範囲として、その範囲内(当該範囲を52により示す)に配置されていることを意味する。
特許文献2においては、図18に示すように、磁気センサ3aと被測定導体5’との距離、及び、磁気センサ3bと被測定導体5’との距離が異なるようにこれら磁気センサ3a、3b及び被測定導体5’が配置されている。図18においては、磁気センサ3aと被測定導体5’との距離が、磁気センサ3bと被測定導体5’との距離より小さくなるように設定されている。
上述のように、磁気センサ3a、3bの電流感度をそれぞれSa、Sb[V/A]、被測定導体5’に流れる電流をI[A]、磁気センサ3a、3bの磁界感度をそれぞれma、mb[V/T]、磁気センサ3a、3bに外部から与えられる外乱磁界の磁束密度をそれぞれBa、Bb[T]、磁気センサ3a、3bの出力電圧をVa、Vb[V]とすると、
磁気センサ3aについて、
Va=Sa×I+ma×Ba (1)
が成り立ち、
磁気センサ3bについて、
Vb=Sb×I+mb×Bb (2)
が成り立つ。2つの磁気センサ3a、3bの磁界感度について、ma=mbが成り立ち、磁気センサ3a、3bに外部から与えられる外乱磁界の磁束密度についてもBa=Bbが成り立つと近似し、(1)から(2)を差し引くことにより、
Va−Vb=(Sa−Sb)Iが得られる。
電流感度Sa、Sb並びにVa、Vbを求めることにより、被測定導体5’に流れる電流Iを算出することができるとされている。
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、同一方向の磁界(図18に示すように、電流Iが流れる方向から見て左から右へ向かう方向)を検出するように磁気センサ3a、3bを互いに近接して配置したことによって当該2つの磁気センサ3a、3bの出力差が小さくなり、高精度の検出が難しくなる。一方、出力差を大きくするためには磁気センサ3a、3bを互いに離す必要があり、小型化が難しくなる。また、事前に2つの磁気センサ3a、3b間の電流感度Sa、Sbの差異を検出しなければならず、また出力信号に反映させるためのキャリブレーション手段が必要となるためコストが掛かるという問題があった。
本発明によれば、上述のように、2つの磁気センサ(第1磁気センサ2、第2磁気センサ3)の感磁軸11、12が互いに平行であり、2つの磁気センサのうち、一方の第1磁気センサ2が、測定電流25により発生する磁界の、感磁軸11に垂直な成分の磁界強度より、測定電流25により発生する磁界の、感磁軸11に平行な成分の磁界強度が大きくなる位置に配置されており、2つの磁気センサのうち、他方の第2磁気センサ3が、その感磁軸12が測定電流25により発生する磁界に対して垂直であり、その不感磁軸14が、測定電流25により発生する磁界に対して平行になる位置に配置されている。そのため、測定磁界が増加しても第2磁気センサ3の出力が変動しないため、第1磁気センサ2と第2磁気センサ3の出力差を大きくすることができ、高精度の検出が可能である。また、第1磁気センサ2と第2磁気センサ3の出力差を大きくするために、第1磁気センサ2と第2磁気センサ3とを離す必要がなく小型化が可能である。また、本発明によれば、第1磁気センサ2を電流線5の長辺27に、すなわち、電流線5を上面視して電流線5と重なる位置に配置しており、上述した理由から電流の変化に対する磁界強度変化が小さくなることで、位置ずれによる誤差も小さくなる。そのため、第1磁気センサ2と第2磁気センサ3の電流感度の差異を検出する必要がなく、キャリブレーション手段が必要でなくなり、コストが掛からない。
図5は、本発明の実施の形態2に係る電流量検出器1の概略断面図である。図5に示すように、実施の形態2に係る電流量検出器1は、断面形状が矩形の電流線5と、電流線5の外周に配置された2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有し、2つの磁気センサは、それぞれ、磁界を検出する感磁軸11、12を有する磁気抵抗効果素子からなり、2つの磁気センサの感磁軸11、12は互いに平行であり、第2磁気センサ3が、上面視した場合に電流線5と重なる位置に配置され、第1磁気センサ2は電流線5を上面視した場合に電流線5の外側の位置に配置されている。また、図5に示すように、実施の形態2においては、第1磁気センサ2と第2磁気センサ3は、それぞれの感磁軸11、12を含む感磁面が、基板4に対して垂直となるように設けられている。実施の形態2、及び他の実施の形態において、第1磁気センサ2の主面31の方向と感磁軸11を含む感磁面の方向とが平行、第2磁気センサ3の主面32の方向と感磁軸12を含む感磁面の方向とが平行となるように配置されているが、第1磁気センサ2の主面31の方向と感磁軸11を含む感磁面の方向とが平行でなくともよく、また、第2磁気センサ3の主面32の方向と感磁軸12を含む感磁面の方向とが平行でなくてもよい。第1磁気センサ2の主面31の方向と感磁軸11を含む感磁面の方向とが平行でなくともよく、また、第2磁気センサ3の主面32の方向と感磁軸12を含む感磁面の方向とが平行でなくてもよいことは、他の実施の形態においても同様に当てはまる。
図6(a)は、本発明の実施の形態3に係る電流量検出器1の概略断面図であり、図6(b)は、その斜視図である。図6(a)、(b)に示すように、実施の形態3に係る電流量検出器1は、空隙部30が設けられることにより2つの電流路(第1電流路21及び第2電流路22)に分岐し、さらに合流する電流線5と、第1電流路21又は第2電流路22内を流れる測定電流25により発生する磁界を検出する2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有し、2つの磁気センサは、それぞれ、磁界を検出する感磁軸11、12を有する磁気抵抗効果素子からなり、2つの磁気センサの感磁軸11、12は互いに平行であり、第2磁気センサ3が、電流線5を上面視した場合に電流線5の外側(すなわち、第1電流路21に第1磁気センサ2が設けられる場合は、第1電流路21を中心として第2電流路22と反対側、第2電流路22に第1磁気センサ2が設けられる場合は、第2電流路22を中心として第1電流路21と反対側)に配置され、第1磁気センサ2は電流線5を上面視した場合に第1電流路21及び第2電流路22の少なくとも一方(第2磁気センサ3が第1電流路21の外側に配置されているときは、第1電流路21、第2磁気センサ3が第2電流路22の外側に配置されているときは、第2電流路22)と重なる位置に配置されている。また、図6に示すように、実施の形態3においては、第1磁気センサ2と第2磁気センサ3は、感磁軸11、12を含む感磁面が基板4に対して平行となるように設けられている(すなわち、第1磁気センサ2と第2磁気センサ3は、第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3の法線が基板4の法線に対して平行になるように設けられている)。
また、実施の形態3に係る電流量検出器1において、実施の形態1と同様、第1磁気センサ2を電流線5の長辺27に、すなわち、電流線5を上面視して電流線5と重なる位置に配置することが好ましい。このような構成とした場合、上述のように、電流が流れることにより長辺27に沿って発生する磁界強度は短辺26に沿って発生する磁界強度より小さくなる。そのため、電流の変化に対する磁界強度変化が小さくなり、磁気センサが飽和しづらくなる、すなわち、大きな電流を電流線5に流しても第1の磁気センサ2が飽和しにくくなることにより、広い範囲の電流を測定できる。さらに、第1の磁気センサ2の感磁軸を長辺27の中心に配置すれば、その効果を最大とすることができる。
図7(a)は、本発明の実施の形態4に係る電流量検出器1の概略断面図であり、図7(b)は、その斜視図である。図7(a)、(b)に示すように、実施の形態4に係る電流量検出器1は、実施の形態3と同様の電流線5と、2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有し、第2磁気センサ3が、電流線5を上面視した場合に分岐した2つの電流路(第1電流路21、第2電流路22)間に配置され、第1磁気センサ2は実施の形態3と同様に配置されている。
また、実施の形態4に係る電流量検出器1において、実施の形態1と同様、第1磁気センサ2を電流線5の長辺27に、すなわち、電流線5を上面視して電流線5と重なる位置に配置することが好ましい。このような構成とした場合、上述のように、電流が流れることにより長辺27に沿って発生する磁界強度は短辺26に沿って発生する磁界強度より小さくなる。そのため、電流の変化に対する磁界強度変化が小さくなり、磁気センサが飽和しづらくなる、すなわち、大きな電流を電流線5に流しても第1の磁気センサ2が飽和しにくくなることにより、広い範囲の電流を測定できる。さらに、第1の磁気センサ2の感磁軸を長辺27の中心に配置すれば、その効果を最大とすることができる。
図8は、本発明の実施の形態5に係る電流量検出器1の概略断面図である。図8に示すように、実施の形態5に係る電流量検出器1は、実施の形態4と同様の電流線5と、2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有し、第1磁気センサ2が、上面視した場合に分岐した2つの電流路(第1電流路21と第2電流路22)間に配置され、第2磁気センサ3は、上面視した場合に第1電流路21及び第2電流路22の少なくとも一方と重なる位置に配置されている。また、図8に示すように、実施の形態5においては、第1磁気センサ2と第2磁気センサ3は、感磁軸11を含む感磁面が基板4に対して垂直となるように設けられている。
また、実施の形態5に係る電流量検出器1において、実施の形態2と同様、第1磁気センサ2を短辺26に、第2磁気センサ3を長辺27に配置することが好ましい。このような構成とした場合、上述のように、電流が流れることにより短辺26に沿って発生する磁界強度は長辺27に沿って発生する磁界強度より大きくなる。そのため、電流の変化に対する磁界強度変化が大きくなり、微小な電流に対して高感度な測定が可能となる。さらに、第1の磁気センサ2の感磁軸を短辺26の中心に配置すれば、その効果を最大とすることができる。
図9(a)は、本発明の実施の形態6に係る電流量検出器1の断面図であり、図9(b)は、その斜視図である。図9(b)に示すように、実施の形態6に係る電流量検出器1は、一つの主電流路15と、当該主電流路15から分岐され主電流路15に合流する迂回電流路17と、迂回電流路17の外周に配置された2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有し、2つの磁気センサは、それぞれ、磁界を検出する感磁軸11、12を有する磁気抵抗効果素子からなり、2つの磁気センサの感磁軸11、12は互いに平行であり、第2磁気センサ3が、上面視した場合に迂回電流路17の外側に配置され、第1磁気センサ2は上面視した場合に迂回電流路17と重なる位置に配置されている。より具体的には、迂回電流路17は、主電流路15に対して略垂直に主電流路15側面から出発して主電流路15側面から離れる方向に形成された電流路17Aと、電流路17Aから主電流路15に対して平行に形成された電流路17Bと、電流路17Bから主電流路15に対して略垂直に主電流路15側面へ向かう電流路17Cと、からなる。第1磁気センサ2は迂回電流路17を上面視した場合に電流路17Aと重なる位置に配置されている。一方、第2磁気センサ3は、迂回電流路17を上面視した場合に電流路17Aの外側、すなわち、電流路17Aを中心として、電流路17Cと反対側に配置されている。また、第1磁気センサ2は迂回電流路17を上面視した場合に電流路17Cと重なる位置に配置されていてもよい。この場合、第2磁気センサ3は、迂回電流路17を上面視した場合に電流路17Cの外側、すなわち、電流路17Cを中心として、電流路17Aと反対側に配置される。なお、実施の形態6及び以下の実施の形態7〜9における「主電流路15」は、本発明に係る「電流量検出器付き電流線」の「電流線」に相当する。
また、実施の形態6に係る電流量検出器1において、実施の形態1と同様、第1磁気センサ2を電流線5の長辺27に、すなわち、電流線5を上面視して電流線5と重なる位置に配置することが好ましい。このような構成とした場合、上述のように、電流が流れることにより長辺27に沿って発生する磁界強度は短辺26に沿って発生する磁界強度より小さくなる。そのため、電流の変化に対する磁界強度変化が小さくなり、磁気センサが飽和しづらくなる、すなわち、大きな電流を電流線5に流しても第1の磁気センサ2が飽和しにくくなることにより、広い範囲の電流を測定できる。さらに、第1の磁気センサ2の感磁軸を長辺27の中心に配置すれば、その効果を最大とすることができる。
図10(a)は、本発明の実施の形態7に係る電流量検出器1の断面図であり、図10(b)は、その斜視図である。図10(b)に示すように、実施の形態7に係る電流量検出器1は、一つの主電流路15と、当該主電流路15から分岐され主電流路15に合流する迂回電流路17と、迂回電流路17の外周に配置された2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有し、2つの磁気センサは、それぞれ、磁界を検出する感磁軸11、12を有する磁気抵抗効果素子からなり、2つの磁気センサの感磁軸11、12は互いに平行であり、第2磁気センサ3が、迂回電流路17を上面視した場合に迂回電流路17の外側に配置され、第1磁気センサ2は迂回電流路17を上面視した場合に迂回電流路17と重なる位置に配置されている。より具体的には、迂回電流路17は、上述の電流路17A、17B、17Cからなり、第1磁気センサ2は迂回電流路17を上面視した場合に電流路17Bと重なる位置に配置されている。一方、第2磁気センサ3は、迂回電流路17を上面視した場合に電流路17Bの外側、すなわち、電流路17Bを中心として、主電流路15と反対側に配置されている。
また、実施の形態7に係る電流量検出器1において、実施の形態1と同様、第1磁気センサ2を電流線5の長辺27に、すなわち、電流線5を上面視して電流線5と重なる位置に配置することが好ましい。このような構成とした場合、上述のように、電流が流れることにより長辺27に沿って発生する磁界強度は短辺26に沿って発生する磁界強度より小さくなる。そのため、電流の変化に対する磁界強度変化が小さくなり、磁気センサが飽和しづらくなる、すなわち、大きな電流を電流線5に流しても第1の磁気センサ2が飽和しにくくなることにより、広い範囲の電流を測定できる。さらに、第1の磁気センサ2の感磁軸を長辺27の中心に配置すれば、その効果を最大とすることができる。
図11(a)は、本発明の実施の形態8に係る電流量検出器1の断面図であり、図11(b)は、その斜視図である。図11(b)に示すように、実施の形態8に係る電流量検出器1は、一つの主電流路15と、当該主電流路15から分岐されさらに合流する迂回電流路17と、迂回電流路17の外周に配置された2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有し、迂回電流路17は、空隙部30が設けられることにより2つに分岐しさらに合流し、2つの磁気センサは、それぞれ、磁界を検出する感磁軸11、12を有する磁気抵抗効果素子からなり、2つの磁気センサの感磁軸11、12は互いに平行であり、第2磁気センサ3が、上面視した場合に迂回電流路17の外側に配置され、第1磁気センサ2は上面視した場合に第1電流路21及び第2電流路22の少なくとも一方と重なる位置に配置されている。また、図11(a)、(b)に示すように、実施の形態8においては、第1磁気センサ2と第2磁気センサ3は、感磁軸11、12を含む感磁面が、基板4に対して平行となるように設けられている。すなわち、本発明の実施の形態8に係る電流量検出器1は、図11(b)に示すように、実施の形態6の電流線に実施の形態3の構成を組み合わせたものである。
また、実施の形態8に係る電流量検出器1において、実施の形態1と同様、第1磁気センサ2を電流線5の長辺27に、すなわち、電流線5を上面視して電流線5と重なる位置に配置することが好ましい。このような構成とした場合、上述のように、電流が流れることにより長辺27に沿って発生する磁界強度は短辺26に沿って発生する磁界強度より小さくなる。そのため、電流の変化に対する磁界強度変化が小さくなり、磁気センサが飽和しづらくなる、すなわち、大きな電流を電流線5に流しても第1の磁気センサ2が飽和しにくくなることにより、広い範囲の電流を測定できる。さらに、第1の磁気センサ2の感磁軸を長辺27の中心に配置すれば、その効果を最大とすることができる。
図12(a)は、本発明の実施の形態9に係る電流量検出器1の断面図であり、図12(b)は、その斜視図である。図12(b)に示すように、実施の形態9に係る電流量検出器1は、実施の形態6の電流線に実施の形態4の構成を組み合わせたものである。
また、実施の形態9に係る電流量検出器1において、実施の形態1と同様、第1磁気センサ2を電流線5の長辺27に、すなわち、電流線5を上面視して電流線5と重なる位置に配置することが好ましい。このような構成とした場合、上述のように、電流が流れることにより長辺27に沿って発生する磁界強度は短辺26に沿って発生する磁界強度より小さくなる。そのため、電流の変化に対する磁界強度変化が小さくなり、磁気センサが飽和しづらくなる、すなわち、大きな電流を電流線5に流しても第1の磁気センサ2が飽和しにくくなることにより、広い範囲の電流を測定できる。さらに、第1の磁気センサ2の感磁軸を長辺27の中心に配置すれば、その効果を最大とすることができる。
図13は、本発明の実施の形態10に係る電流量検出器1の概略断面図である。図13に示すように、実施の形態10に係る電流量検出器1は、角張った略U字状の断面を有する電流線5と、電流線5の外周に配置された2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有し、2つの磁気センサは、それぞれ、磁界を検出する感磁軸11、12を有する磁気抵抗効果素子からなり、2つの磁気センサの感磁軸11、12は互いに平行であり、電流線5を上面視した場合に、第2磁気センサ3が、電流線5の外側に配置され、第1磁気センサ2は電流線5を上面視した場合に電流線5と重なる位置であって略U字状の両端部間に配置されている。
図14は、本発明の実施の形態11に係る電流量検出器1の概略断面図である。図14に示すように、実施の形態11に係る電流量検出器1は、上記同様、角張った略U字状の断面を有する電流線5と、2つの磁気センサ(第1磁気センサ2及び第2磁気センサ3)と、を有し、2つの磁気センサは、それぞれ、磁界を検出する感磁軸11、12を有する磁気抵抗効果素子からなり、2つの磁気センサの感磁軸11、12は互いに平行である。
電流線5は、測定電流25が流れる方向に対して垂直な断面において、角張った略U字状の断面形状、すなわち、両端18A、18Cが同方向(上方向)に略垂直に屈曲し同方向(上方向)に延びる凹形状を有する。上記同様、水平な部分を水平部分18Bと称し、水平部分18Bの両端からそれぞれ鉛直上方向(すなわち、水平部分18Bに対して略垂直な方向であって上方向)に延びる部分を右端部分18A、左端部分18Cと称する。
本願は、2014年3月7日に日本国に出願された特願2014−45588号に基づく優先権を主張する。当該出願(特願2014−45588号)の明細書に記載された内容は、本明細書において引用することにより援用する。
2 第1磁気センサ
3 第2磁気センサ
4 基板
5 電流線
21 第1電流路
22 第2電流路
Claims (12)
- 測定電流が流れる電流線と、
磁界を検出して電気的に出力する少なくとも2つの磁気センサと、を備え、
前記2つの磁気センサは、それぞれ、磁界に対して電気的な出力が最も高くなる感磁軸と、磁界に対して電気的な出力が無くなる不感磁軸と、を有する磁気抵抗効果素子からなり、
前記2つの磁気センサの感磁軸は互いに平行であり、
前記2つの磁気センサのうち、一方の第1磁気センサは、測定電流により発生する磁界の、感磁軸に対して垂直な成分の磁界強度より、感磁軸に対して平行な成分の磁界強度が大きくなるような位置に配置され、
前記2つの磁気センサのうち、他方の第2磁気センサは、その感磁軸が、測定電流により発生する磁界に対して垂直であり、その不感磁軸が、測定電流により発生する磁界に対して平行になる位置に配置され、
前記第1磁気センサの出力と前記第2磁気センサの出力との差分により、測定電流の電流量を検出することを特徴とする電流量検出器。 - 前記第2磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記電流線の外側に配置され、前記第1磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記電流線と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電流量検出器。
- 前記第1磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記電流線の外側に配置され、前記第2磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記電流線と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電流量検出器。
- 前記電流線は、2つに分岐され合流する第1電流路及び第2電流路を有し、
前記第2磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記電流線の外側の位置であって、その不感磁軸が、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界に対して平行となる位置に配置されており、
前記第1磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記第1電流路及び前記第2電流路のいずれか一方と重なる位置であって、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界の、感磁軸に垂直な成分の磁界強度より、感磁軸に平行な成分の磁界強度が大きくなる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電流量検出器。 - 前記電流線は、2つに分岐され合流する第1電流路及び第2電流路を有し、
前記第2磁気センサは、前記第1電流路と前記第2電流路との間であって、その不感磁軸が、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界に対して平行となる位置に配置されており、
前記第1磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記第1電流路及び前記第2電流路のいずれか一方と重なる位置であって、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界の、感磁軸に垂直な成分の磁界強度より、感磁軸に平行な成分の磁界強度が大きくなる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電流量検出器。 - 前記電流線は、2つに分岐され合流する第1電流路及び第2電流路を有し、
前記第1磁気センサは、前記第1電流路と前記第2電流路との間であって、前記第1電流路及び前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界の、感磁軸に垂直な成分の磁界強度より、感磁軸に平行な成分の磁界強度が大きくなる位置に配置されており、
前記第2磁気センサは、前記電流線を上面視した場合に前記第1電流路及び前記第2電流路のいずれか一方と重なる位置であって、その不感磁軸が、前記第1電流路又は前記第2電流路を流れる測定電流により発生する磁界に対して平行となる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電流量検出器。 - 前記電流線は、2つに分岐され合流する第1電流路及び第2電流路を有し、
前記第1電流路若しくは前記第2電流路の比抵抗は、分岐される前の電流線若しくは合流した後の電流線の比抵抗より大きく、且つ
前記第1電流路若しくは前記第2電流路の温度係数は、分岐される前の電流線若しくは合流した後の電流線の温度係数と略同一であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電流量検出器。 - 前記電流線は、測定電流の流れる方向に対して垂直な断面が、長辺と短辺とからなる略矩形形状を有し、
前記第2磁気センサの感磁軸は、前記電流線の短辺の中心に位置し、
前記第1磁気センサの感磁軸は、前記電流線の長辺の中心に位置することを特徴とする請求項1、2、4、5、7のいずれか一つに記載の電流量検出器。 - 前記電流線は、測定電流の流れる方向に対して垂直な断面が、長辺と短辺とからなる略矩形形状を有し、
前記第1磁気センサの感磁軸は、前記電流線の短辺の中心に位置し、
前記第2磁気センサの感磁軸は、前記電流線の長辺の中心に位置することを特徴とする請求項3又は6に記載の電流量検出器。 - 前記電流線は、測定電流が流れる方向に対して垂直な断面において、両端が同方向に略垂直に屈曲した断面凹形状を有することを特徴とする請求項1記載の電流量検出器。
- 前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、一の基板の表面及び裏面にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電流量検出器。
- 主電流路と、前記主電流路から分岐され前記主電流路と合流する迂回電流路と、を有する電流線と、当該迂回電流路に設けられた請求項1〜11のいずれかに記載の電流量検出器と、を有してなることを特徴とする電流量検出器付き電流線。
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