JPWO2015133463A1 - 毛髪化粧料組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、アクリル酸ポリマーから選ばれるアニオン性ポリマーが、酸性からアルカリ性へ変化する際に増粘するという特性に着目し、酸性の剤にこのアニオン性ポリマーを配合することにより、複数の剤を混合・発泡中に増粘できることを見い出し、本発明を完成した。
本願第1発明は、複数の剤を振とうにより混合発泡させる毛髪化粧料組成物であって、
前記複数の剤にはアクリル酸ポリマーから選ばれるアニオン性ポリマーの1種以上を含有する酸性の剤が含まれ、かつ、複数の剤の混合物はアルカリ性となる、毛髪化粧料組成物である。
この特徴によると、酸性の剤がアニオン性界面活性剤の1種以上を含有するので、振とうにより混合発泡させた際に、良好な泡質の泡状毛髪化粧料組成物を得ることができる。アニオン性界面活性剤は、良好な泡質の発泡に好適であることが知られている。
この特徴によれば、毛髪化粧料組成物における酸性の剤とは別の剤(例えば、酸化染毛剤や毛髪脱色剤におけるアルカリ剤含有の第1剤、又は、酸化剤やアルカリ剤を含有しない第3剤)がカチオン性界面活性剤又はカチオン性ポリマーから選ばれるカチオン性物質の1種以上を含有するので、泡状毛髪化粧料を適用した毛髪の感触が良好となる。
この特徴によれば、カチオン性ポリマーがポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウムであるため、他のカチオン性ポリマーと比べて発泡性への悪影響が少なく、洗い流し時の感触を向上するという効果がある。
複数の剤を振とうにより混合発泡させる毛髪化粧料組成物において、その任意の剤にポリエーテル変性シリコーンの1種以上を配合すると、毛髪の感触を良好に向上させるだけでなく、毛髪感触向上成分として汎用されるアミノ変性シリコーンやジメチコン等のシリコーン類と比較して消泡性が小さく、毛髪処理中の泡質・泡量を維持し易いという効果を奏する。従って、シリコーン化合物による毛髪感触の向上効果を伴いつつ、前記第1発明の効果をより発揮することができる。
本願発明者は、ポリエーテル変性シリコーンの配合効果として、毛髪化粧料組成物の粘性、明度、染毛力に関与する高級アルコールの析出を抑制し、その保存安定性を高めるという新規な効果も見出した。従って、この特徴によれば、毛髪化粧料組成物に高級アルコールが配合されている場合に、その析出を抑制し、保存安定性を高めることができる。
酸性の剤に非イオン性界面活性剤の1種以上を配合すると、複数の剤の混合発泡時における泡質及び泡の硬さが一層向上するため、発泡後の泡保持性を一層高めることができる。
この特徴によれば、複数の混合発泡時における泡質及び泡の硬さを向上させる効果のほか、酸性の剤に高級アルコールが配合されている場合に、その析出を抑制し、保存安定性を高めることができる。
本願第2発明は、泡状として毛髪に適用される毛髪化粧料組成物であって、ポリエーテル変性シリコーンの1種以上を含有する、毛髪化粧料組成物である。
酸性の剤がアニオン性アクリル酸ポリマーを含有し、複数の剤の混合物がアルカリ性となり、かつ複数の剤を振とうにより混合発泡させる毛髪化粧料において、ポリエーテル変性シリコーンの1種以上を含有させた場合の効果は、第1発明で既に述べた。
ところが本願発明者が更に研究を進めたところ、酸性の剤がアニオン性アクリル酸ポリマーを含有しない毛髪化粧料においても、あるいは複数剤式の毛髪化粧料でなくても、更に振とうにより起泡する毛髪化粧料でなくても、泡状として毛髪に適用される毛髪化粧料組成物である限りにおいて、ポリエーテル変性シリコーンの1種以上を配合すると、毛髪の感触向上効果と共に、毛髪化粧料における起泡後の消泡が抑制され易く、毛髪の処理中、泡質・泡量が良好に維持されることを見出した。
また、ポリエーテル変性シリコーンを配合することにより、毛髪化粧料で処理した毛髪の感触が向上するという効果もある。
ポリエーテル変性シリコーンの配合効果として、毛髪化粧料組成物の粘性、明度、染毛力に関与する高級アルコールの析出を抑制し、その保存安定性を高めるという新規な効果も実現できる。
上記した第2発明に係る広範囲な種類の毛髪化粧料組成物の内、好ましい実施形態の一つとして、例えば「複数の剤を振とうにより混合発泡させる」タイプの毛髪化粧料組成物を挙げることができる。このタイプの毛髪化粧料組成物によれば、振とう混合により容易に発泡させることができる。
非イオン性界面活性剤の1種以上を配合すると、泡質及び泡の硬さが一層向上するため、起泡後の消泡を抑制し、毛髪の処理中、泡質・泡量を良好に維持するという本願第2発明の効果を高めることができる。
HLBが10以上の非イオン性界面活性剤の1種以上を含有すると、高級アルコールの析出を抑制し、その保存安定性を高めるという効果が一層向上する。
この第1実施形態群は、前記の第1発明に係る毛髪化粧料組成物の実施形態に関する。
本発明において、毛髪化粧料組成物を構成する複数の剤を振とうにより混合発泡させる。複数の剤を混合した後、混合物を振とうして発泡しても良いし、複数の剤の混合と発泡を同時に進めるように振とうしても良い。
第1実施形態群の毛髪化粧料組成物は、複数の剤を振とうにより混合発泡させる毛髪化粧料組成物であって、前記複数の剤にはアクリル酸ポリマーから選ばれるアニオン性ポリマーの1種以上を含有する酸性の剤が含まれ、かつ、複数の剤の混合物はアルカリ性となる毛髪化粧料組成物である。
第1実施形態群の毛髪化粧料組成物としては、例えば、それぞれ複数剤式の、酸化染毛剤等の染毛剤あるいは毛髪脱色・脱染剤が挙げられる。複数剤式としては、例えばアルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤(更には、酸化助剤)を含有する第2剤からなる2剤式のものが代表的であるが、更に適宜な処方に係る第3剤などを付加した3剤式のもの等も包含される。
第1実施形態群の毛髪化粧料組成物は酸性の剤(例えば酸化染毛剤や毛髪脱色・脱染剤の第2剤)を含み、これらの複数の剤の混合後はアルカリ性となるものである。酸性の剤のpHは特段に限定されないが、例えばpH1〜7の範囲内、特にpH2〜6の範囲内であることが好ましい。
毛髪化粧料組成物における「酸性の剤」としては、酸化染毛剤や毛髪脱色・脱染剤の第2剤を例示できる。酸化染毛剤や毛髪脱色剤の第2剤は少なくとも酸化剤を含有し、毛髪に含まれるメラニンを脱色する働きをする。毛髪脱染剤の第2剤は酸化剤に加えて酸化助剤を含有し、毛髪に含まれるメラニンの脱色と、酸化染料重合体の分解とを行う。
酸化剤としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、及びピロリン酸塩の過酸化水素 付加物等が例示される。又、酸化助剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩が例示される。これらの中でも、過酸化水素が好ましい。
酸性の剤は、アニオン性アクリル酸ポリマーの1種以上を含有する。アニオン性アクリル酸ポリマーとは、モノマーとしてアクリル酸モノマーを含み、更に、分子内にカチオン性基よりもアニオン性基を多く有するものである。アニオン性アクリル酸ポリマーとしては、アクリル酸モノマーのみからなるホモポリマーも、アクリル酸モノマーと他種モノマーからなるアニオン性のコポリマーも包含される。しかし、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリル酸共重合体(商品名マーコート280)や塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸共重合体(商品名マーコート3330)のように、共重合により分子内にアニオン性基よりもカチオン性基を多く有するコポリマーを包含しない。又、アクリル酸モノマーを含まないメタクリル酸ポリマーも包含しない。本発明におけるアニオン性アクリル酸ポリマーは、酸性の剤中では低粘度であり又は粘性を示さないが、アルカリ性下では増粘するという特性を持つ。
又、酸性の剤は、好ましくはアニオン性界面活性剤の1種以上を含有する。アニオン性界面活性剤は、酸性の剤に配合しても保存安定性に問題がなく、かつ、複数の剤を振とうにより混合発泡させた際に良好な泡質を実現できる。
更に、酸性の剤は、好ましくは、上記のアニオン性界面活性剤と共に、非イオン性界面活性剤の1種以上を含有する。非イオン性界面活性剤は、酸性の剤に配合しても保存安定性に問題がなく、かつ、アニオン性界面活性剤との相乗作用により、複数の剤を振とうにより混合発泡させた際に、良好な泡質で、泡の硬さも良好な泡を実現できる。
毛髪化粧料組成物を構成する複数の剤の混合物をアルカリ性とするために、複数の剤の中にアルカリ性の剤を含ませる。アルカリ性の剤としては、酸化染毛剤や毛髪脱色・脱染剤の第1剤を例示できる。酸化染毛剤や毛髪脱色剤の第1剤は少なくともアルカリ剤を含有し、酸化染毛剤の第1剤においては更に酸化染料を含有する。アルカリ剤は、酸性の剤に含有される酸化剤の作用を促進することにより、毛髪の脱色効果又は脱染効果を向上させる働きをする。酸化染料は、主要中間体からなり、又は主要中間体とカプラーからなるもので、毛髪の内部において酸化剤の作用により酸化染料重合体を形成し、発色する。酸化染毛剤には、染毛色調を調整するため、更に直接染料を配合することがある。
アルカリ剤としては、アンモニア、アルカノールアミン、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、メタケイ酸塩、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、塩基性アミノ酸等が例示される。具体的には、アルカノールアミンとしてはモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等が例示され、ケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムが例示され、炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムが例示され、炭酸水素塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムが例示され、メタケイ酸塩としてはメタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウムが例示され、硫酸塩としては硫酸アンモニウムが例示され、塩化物としては塩化アンモニウムが例示され、リン酸塩としてはリン酸第1アンモニウム、リン酸第2アンモニウムが例示され、塩基性アミノ酸としてはアルギニン、リジン及びそれらの塩が例示される。これらの中でも、アンモニア及びアンモニウム塩が好ましい。
酸化染料の主要中間体は、主としてo−又はp−のフェニレンジアミン類あるいはアミノフェノール類である染料先駆物質であり、通常、それ自体は無色か又は弱く着色した化合物である。主要中間体は単独で用いられ、又はカプラーと共に用いられる。
複数の剤における酸性の剤とは別の剤が、カチオン性界面活性剤又はカチオン性ポリマーから選ばれるカチオン性物質の1種以上を含有することが好ましい。この「酸性の剤とは別の剤」は、上記のアルカリ性の剤であっても良く、酸性の剤でもアルカリ性の剤でもない第3の剤であっても良い。
カチオン性物質は、泡状とした毛髪化粧料組成物を毛髪に適用した際、毛髪の感触を向上させる。これらのカチオン性物質は、仮に、酸性の剤に配合するとした場合には、過酸化水素により分解を受けて低分子化し、感触向上効果が低減する恐れがある。しかし、アルカリ性の剤に配合するので、保存安定性に問題がない。
第1実施形態群の毛髪化粧料組成物は、好ましくはポリエーテル変性シリコーンを含有する。ポリエーテル変性シリコーンは酸性の剤、アルカリ性の剤、「酸性の剤とは別の剤」のいずれか1以上に配合することができるが、この成分が、毛髪感触の向上効果、毛髪化粧料における起泡後の消泡を抑制する効果に加えて、高級アルコールの析出を抑制する効果も示す点からは、高級アルコールが配合された剤に配合することが、特に好ましい。
第1実施形態群に係る毛髪化粧料組成物の、酸性の剤、アルカリ性の剤及び「酸性の剤とは別の剤」には、発明の効果を阻害しない範囲内で、上記した成分以外の成分、例えば両性イオン性界面活性剤、可溶化剤、油性成分、水溶性高分子化合物、糖、防腐剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート化剤等を任意に配合することができる。その内の幾つかを以下に具体的に述べる。
両性イオン性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、脂肪酸アミドプロピルベタイン型、アルキルイミダゾール型、アミノ酸型のものが例示される。
可溶化剤は、毛髪化粧料組成物の各剤を液状にするために配合される。可溶化剤としては水や有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としてはエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、メチルカルビトール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、γ−フェニルプロピルアルコール、ケイ皮アルコール、p−メチルベンジルアルコール、α−フェニルエタノール、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノール、N−アルキルピロリドン、炭酸アルキレン、アルキルエーテル等が例示される。特に水が好ましく使用される。混合時の水の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
油性成分としては多価アルコール、油脂、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、エステル類、シリコーン類、炭化水素等が例示される。
水溶性高分子化合物としては、前記したアニオン性アクリル酸ポリマー、カチオン性ポリマーを除く、アニオン性、非イオン性及び両性の高分子化合物を使用することができる。例えば、ヒドロキシエチルセルロース等が例示される。
この第2実施形態群は、前記の第2発明に係る毛髪化粧料組成物の実施形態に関する。
第2実施形態群に係る毛髪化粧料組成物は、泡状として毛髪に適用される毛髪化粧料組成物であって、ポリエーテル変性シリコーンの1種以上を含有する毛髪化粧料組成物である。この毛髪化粧料組成物は、単一の剤からなるものであっても良く、使用時に混合して用いる2剤あるいは3剤以上の複数の剤からなるものであっても良い。
第2実施形態群に係る毛髪化粧料組成物は、ポリエーテル変性シリコーンの1種以上を含有する。又、好ましくは、HLBが10以上の非イオン性界面活性剤を含有する。この非イオン性界面活性剤は、毛髪化粧料組成物が高級アルコールを含有する場合において、当該高級アルコールの析出を抑制するので、特に有効である。
ポリエーテル変性シリコーンの種類及び含有量は、第1実施形態群に係る毛髪化粧料組成物についての「ポリエーテル変性シリコーン」の項で述べた通りである。毛髪化粧料組成物が複数剤式である場合において、いずれの剤がポリエーテル変性シリコーンを含有しても構わない。但し、ポリエーテル変性シリコーンは毛髪感触の向上効果や、他のシリコーンに比べて毛髪化粧料における起泡後の消泡を抑制する効果に加えて、高級アルコールの析出を抑制する効果も示すので、第2実施形態群に係る毛髪化粧料組成物が複数剤式であって、その内の1以上の剤に高級アルコールが配合されている場合には、その剤にポリエーテル変性シリコーンを配合することが、特に好ましい。
第2実施形態群に係る毛髪化粧料組成物は、更に、HLBが10以上の非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。
第2実施形態群に係る毛髪化粧料組成物は、発明の効果を阻害しない範囲内で、上記した成分以外の各種成分、例えばHLB10以上の非イオン性界面活性剤以外の各種界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン以外の油性成分の他、酸化剤、アルカリ剤、アニオン性又はカチオン性の水溶性ポリマー、酸化染料、可溶化剤、糖、防腐剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート化剤等を任意に配合することができる。
カチオン性アクリル酸ポリマー :成分記号(cA)
アニオン性界面活性剤 :成分記号(B)
カチオン性界面活性剤/カチオン性ポリマー :成分記号(C)
ポリエーテル変性シリコーン :成分記号(D)
非イオン性界面活性剤 :成分記号(E)
HLB10以上の非イオン性界面活性剤 :成分記号(F)
又、各表の成分中、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・POE(20)ステアリルエーテル共重合体としては、商品名「アキュリン22」を用いた。
〔毛髪化粧料組成物の調製〕
末尾の表1〜表3に示す組成の液状の第1剤及び第2剤からなる実施例1〜実施例22、及び比較例1〜比較例3に係る毛髪化粧料組成物(毛髪脱色剤組成物)を常法に従って調製した。これらはいずれも、「混合比 1剤:2剤」の欄に示す混合比で第1剤と第2剤を振とうにより混合させつつ発泡させてから毛髪に適用するものである。
(粘度測定法)
第1剤及び第2剤の粘度は、例えばB型粘度計を用い、25℃及び1分間の測定条件で求めることができる。B型粘度計の具体例としては、例えばBL型粘度計VISCOMETER(東機産業株式会社製)を挙げることができる。使用するロータ及び回転速度は、測定機器の測定可能な粘度範囲に従い適宜選択される。例えば、粘度範囲が10mPa・s以下の場合、BLアダプタを用い、60rpmの条件で求めることができる。粘度範囲が10〜100mPa・sの場合、1号ロータを用い、60rpmの条件で求めることができる。粘度範囲が100〜500mPa・sの場合、2号ロータを用い、60rpmの条件で求めることができる。粘度範囲が500〜2000mPa・sの場合、3号ロータを用い、60rpmの条件で求めることができる。粘度範囲が2000〜10000mPa・sの場合、4号ロータを用い、60rpmの条件で求めることができる。粘度範囲が10000〜20000mPa・sの場合、4号ロータを用い、30rpmの条件で求めることができる。
以上の実施例1〜実施例22、及び比較例1〜比較例3に係る毛髪化粧料組成物を用いて、以下の評価項目について評価を行った。
容器として、底部よりも開口部が拡径した形状を有する有底筒状の容器本体(開口部の内径(直径)は8.5cm、底部の内径は7cm、高さ14cm)と、当該容器本体の開口部を液密に閉塞する半球状の蓋体とを備える容器を使用した。なお、当該容器は透明であり、容器の外から容器の中を視認できる。容器本体の容量は600mlであり、開口部を蓋体で閉塞した状態の容器全体の容量は770mlである。当該容器の形状は、国際公開WO2011/151880号公報の図1〜2に開示の容器と同様である。
振とう操作後、容器を25℃下で10分間静置し、その後容器本体内の泡の残量及び状態を目視で確認した。評価基準は以下の通りであり、各例について5回の試験の評価点の平均値を小数第1位で四捨五入し、整数で評価結果を得た。評価結果は各表中の「液化」欄に記載した。
5: 液化は見られず、泡上面の泡の状態も維持されている。
4: 容器本体の底にたまった液の高さが2mm以下である。
3: 容器本体の底にたまった液の高さが2mmより高く、7mm以下である。
2: 容器本体の底にたまった液の高さが7mmより高く、10mm以下である。
1: 容器本体の底にたまった液の高さが10mmより高い。
振とう操作後、容器を25℃下で1分間静置し、蓋体側に付着していた泡も容器本体内に集めた。その後、蓋体を外し、容器本体内の泡の量を目視で確認した。
振とう操作によって形成された泡について、保形性の観点から、複数剤を振とうして混合発泡する形式の毛髪化粧料組成物についての専門性を備えるパネラーが評価した。評価基準は以下の通りであり、評価結果はそれぞれ表中の「泡質」欄に記載した。なお、各例について試験は5回行い、評価点の平均値を小数第1位で四捨五入し、整数で評価結果を得た。
容器本体から、3cm四方くらいの量の泡をニトリル手袋をした手ですくい取り、10秒間静止した。当該静止時間後に泡の形がどれだけ崩れるか、形を保つかを目視で評価した。評価は、正確を期して以下の10ランクによって行なった。
9:「形が崩れなかった」とは言えないが、僅かに崩れたと言える程でもないグレーゾーンである
8:形が僅かに崩れた
7:「形が僅かに崩れた」程度を超えるが、幾分か崩れたと言える程でもないグレーゾーンである
6:形が幾分か崩れた
5:「形が幾分か崩れた」程度を超えるが、崩れが目立ったと言える程でもないグレーゾーンである
4:形の崩れが目立った
3:「形の崩れが目立った」程度を超えるが、非常に目立ったと言える程でもないグレーゾーンである
2:形の崩れが非常に目立った
1:「形の崩れが非常に目立った」程度を超え、形の崩れが極めて目立った
各例に係る第1剤を着色料で着色したもので、第1剤と第2剤を振って混合したときの色の混合具合を目視した。評価基準は以下の通りである。各例について3回の試験を行い、それらを総合的に判断して妥当な評価ランクを決定した。評価結果は、各表中の「混合性」欄に記載した。
○:色のムラがない
△:色ムラがあまりない。
×:非常に色ムラがある。
各例に係る第1剤をガラス瓶中に5℃、12時間で保存したときに結晶が現れるかどうかを目視で確認した。評価基準は以下の通りであり、各例について同じ条件の3つの瓶の状態を観察して、それらを総合的に判断して妥当な評価ランクを決定した。評価結果は、各表中の「第1剤中の析出」欄に記載した。なお、実施例21、22についてはこの評価を行っていない。
○:結晶がない
△:結晶が見られるが、それほど多くない。
×:非常に多くの結晶がある
〔毛髪化粧料組成物の調製〕
末尾の表4〜表5に示す組成の液状の第1剤及び第2剤からなる実施例23〜実施例39に係る毛髪化粧料組成物を常法に従って調製した。
以上の実施例23〜実施例39に係る毛髪化粧料組成物を用いて、以下の評価項目について評価を行った。
実施例群Iの場合と同じ評価方法で、同じ評価基準のもとに評価した。評価結果を各表中の「液化」欄に示す。
実施例群Iの場合と同じ評価方法で、同じ評価基準のもとに評価した。評価結果を各表中の「泡量」欄に示す。
実施例群Iの場合と同じ評価方法で、同じ評価基準のもとに評価した。評価結果を各表中の「泡質」欄に示す。
実施例群Iの場合と同じ評価方法で、同じ評価基準のもとに評価した。評価結果を各表中の「混合性」欄に示す。
実施例群Iの場合と同じ評価方法で、同じ評価基準のもとに評価した。表4及び表5にはそれらの評価結果を示さないが、実施例23〜実施例39の全ての評価結果がランク「○」であった。
Claims (5)
- 複数の剤を振とうにより混合発泡させる毛髪化粧料組成物であって、
前記複数の剤にはアクリル酸ポリマーから選ばれるアニオン性ポリマーの1種以上を含有する酸性の剤が含まれ、かつ、複数の剤の混合物はアルカリ性となることを特徴とする毛髪化粧料組成物。 - 前記酸性の剤がアニオン性界面活性剤の1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
- 前記複数の剤にはポリエーテル変性シリコーンの1種以上を含有する剤が含まれることを特徴とする請求項1に記載の毛髪化粧料組成物。
- 前記複数の剤には高級アルコールを含有する剤が含まれ、前記ポリエーテル変性シリコーンが前記高級アルコールを含有する剤に配合されることを特徴とする請求項3に記載の毛髪化粧料組成物。
- 前記酸性の剤が、HLB10以上の非イオン性界面活性剤の1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜4に記載の毛髪化粧料組成物。
Applications Claiming Priority (3)
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