JPWO2015121960A1 - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

回転電機では、Nを2以上の自然数とすると、毎極スロット数q’がN<q’<N+1の関係を満たしている。複数のベースコイルのコイルエンドはN+1個の磁極ティースを跨ぎ、上層コイル及び下層コイルのそれぞれのコイルエンドはN個の磁極ティースを跨いでいる。複数の仮想ベースコイルを2層重ね巻きで電機子コアに設けて、N個の磁極ティースを挟む2つのスロットの上口の2つのコイル辺に流れる電流が同相逆向きになる関係を持つ2つの仮想ベースコイルを仮想特定コイルとして、2つの仮想特定コイルで構成された仮想コイル対が一定のスロット間隔で現れるようにした状態を想定すると、各ベースコイルは少なくともいずれかの仮想コイル対の仮想特定コイルの位置を避けて配置され、上層コイル及び下層コイルのコイル辺はベースコイルの配置が回避されている各仮想特定コイルのコイル辺の位置に配置されている。

Description

この発明は、電機子と、電機子に対して回転する回転子とを有する回転電機に関するものである。
従来、電機子コアの複数の磁極ティースに複数の電機子コイルを2層重ね巻きで巻いて電機子を構成した回転電機が知られている。また、従来、電機子コアに電機子コイルを巻きやすくするために、コイルエンドの形態をコイルごとで揃えずに電機子コイルの素線を相ごとに電機子コアの各スロットに順番に挿入するようにした電機子の製造方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平11−98743号公報
しかし、各電機子コイルのコイルエンドが複雑に配置されるので、電機子コアのスロットに電機子コイルの素線を挿入するときに隣の電機子コイルのコイルエンドが邪魔になる。コイルエンドどうしの干渉をかわすために、コイル長の調整やコイルエンド成形作業が発生するなど、電機子コアに電機子コイルを巻く作業がむしろ難しくなることが想定される。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、動作特性が良好であり、かつ、製造を容易にすることができる回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、周方向について互いに間隔を置いて設けられた複数の磁極ティースを有し、各磁極ティース間にスロットが形成されている電機子コア、互いに異なるスロットに配置された一対のコイル辺と一対のコイル辺間を繋ぐコイルエンドとをそれぞれ含む複数の電機子コイルを有し、各電機子コイルが重ね巻きで磁極ティースに巻かれ、各電機子コイルに三相電流が流れる電機子コイル群、及び周方向へ並ぶ複数の磁極を持ち、電機子コア及び電機子コイル群に対して回転される回転子を備え、電機子コイル群は、一方のコイル辺がスロットの上口に配置され他方のコイル辺がスロットの下口に配置された複数のベースコイルと、一方及び他方のコイル辺がいずれもスロットの上口に配置された上層コイルと、一方及び他方のコイル辺がいずれもスロットの下口に配置された下層コイルとを電機子コイルとして有し、Nを2以上の自然数とすると、1つの磁極当たりのスロットの数である毎極スロット数q’は、N<q’<N+1の関係を満たし、各ベースコイルのコイルエンドは、電機子コアの周方向に対して同じ向きに傾いた状態でN+1個の磁極ティースを跨いでおり、上層コイル及び下層コイルのそれぞれのコイルエンドは、N個の磁極ティースを跨いでおり、ベースコイルと同じ構成の複数の仮想ベースコイルの各コイル辺を各スロットの上口及び下口のすべてに配置し、かつN個のティースを挟む2つのスロットの上口にそれぞれ配置された2つのコイル辺に流れる電流が同相逆向きになる関係を持つ2つの仮想ベースコイルを仮想特定コイルとして、2つの仮想特定コイルで構成された仮想コイル対が、電機子コアの周方向について一定間隔で現れるようにした仮想ベースコイル装着状態を想定すると、各ベースコイルは、少なくともいずれかの仮想コイル対を対象とし、対象とした仮想コイル対を構成するすべての仮想特定コイルの位置を避けて配置され、上層コイル及び下層コイルのそれぞれのコイル辺は、ベースコイルの配置が回避されている各仮想特定コイルのそれぞれのコイル辺の位置に配置されている。
この発明による回転電機によれば、動作特性が良好であり、かつ、製造を容易にすることができる。
この発明の実施の形態1による回転電機を示す構成図である。 図1の電機子を示す展開図である。 比較例1による回転電機を示す構成図である。 図3の回転電機の電機子を示す展開図である。 図4の回転電機の電機子の要部拡大図である。 比較例1による回転電機の巻線係数Kdを示す表である。 この発明の実施の形態2による回転電機の電機子を示す展開図である。 この発明の実施の形態3による回転電機を示す構成図である。 図8の電機子を示す展開図である。 図8の回転電機の巻線係数Kdを示す表である。 この発明の実施の形態4による回転電機の電機子を示す展開図である。 この発明の実施の形態5による回転電機を示す構成図である。 図12の電機子を示す展開図である。 図12の回転電機の巻線係数Kdを示す表である。 この発明の実施の形態6による回転電機を示す構成図である。 比較例2による回転電機を示す構成図である。 図16の電機子を示す展開図である。 比較例2による回転電機の巻線係数Kdを示す表である。 この発明の実施の形態7による回転電機の電機子を示す展開図である。 この発明の実施の形態8による回転電機を示す構成図である。 図20の電機子を示す展開図である。 図20の回転電機の巻線係数Kdを示す表である。 この発明の実施の形態9による回転電機を示す構成図である。 図23の電機子を示す展開図である。 図23の回転電機の巻線係数Kdを示す表である。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による回転電機を示す構成図である。図において、回転電機1は、円筒状の電機子(固定子)2と、電機子2の軸線上に配置された回転軸3と、回転軸3に固定され回転軸3と一体に電機子2に対して回転される回転子4とを有している。
回転子4は、電機子2の内側に配置されている。また、回転子4は、磁性材料(例えば鉄等)で構成された円柱状の回転子コア5と、回転子コア5の外周面(電機子2の内周面に対向する面)に設けられた複数の磁石6とを有している。各磁石6は、回転子コア5の周方向について互いに間隔を置いて配置されている。回転子4には、各磁石6によって回転子コア5の周方向へ並ぶ複数の磁極が形成されている。この例では、14個の磁石6が回転子コア5の外周面に設けられており、回転子4の磁極数Pが14になっている。
電機子2は、磁性材料(例えば鉄等)で構成された電機子コア7と、電機子コア7に設けられた電機子コイル群8とを有している。
電機子コア7は、円筒状のバックヨーク9と、バックヨーク9の内周部から径方向内側へ(回転子4に向けて)突出する複数の磁極ティース10とを有している。各磁極ティース10は、電機子コア7の周方向について互いに間隔を置いて設けられている。これにより、各磁極ティース10間には、電機子コア7の径方向内側へ(回転子4に向けて)開放されたスロット11が形成されている。電機子コア7では、磁極ティース10の数とスロット11の数(スロット数)Qとが同じになっている。この例では、磁極ティース10の数及びスロット数Qがともに36になっている。
ここでは、説明の便宜上、図1の回転軸3の中心から水平左側に位置するスロット11を基準スロットとし、基準スロット11の番号をNo.1としている。また、図1の基準スロットNo.1から反時計まわりの順に各スロット11の番号をNo.2、No.3、…、No.36としている。また、図1のNo.1及びNo.2のスロット11間に位置する磁極ティース10の番号をNo.1とし、No.1の磁極ティース10から反時計まわりの順に各磁極ティース10の番号をNo.2、No.3、…、No.36としている。
また、スロット数Qと磁極数Pとの関係を示す係数である毎極スロット数(回転子4の1つの磁極当たりのスロット11の数)q’は、以下の式(1)で表される。
q’=Q/P …(1)
従って、この例では、毎極スロット数q’の値が36/14=18/7≒2.57となっている。
図2は、図1の電機子2を示す展開図である。電機子コイル群8は、複数のベースコイル12と、複数の上層コイル13と、複数の下層コイル14とを電機子コイルとして有している。
ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれは、複数の磁極ティース10にまとめて巻かれた導線束により構成されている。即ち、ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれは、重ね巻きで磁極ティース10に巻かれている。また、ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれを構成する導線束の線種及びターン数は、すべて同じである。
ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれは、互いに異なるスロット11に配置された一対のコイル辺21と、複数の磁極ティース10を跨いで一対のコイル辺21間を繋ぐ一対のコイルエンド22とを有している。各コイル辺21は、スロット11に沿った略直線部である。各コイルエンド22は、電機子コア7の軸線方向外側でコイル辺21の端部間を繋いでいる。
各スロット11には、コイル辺21を配置するための空間である上口(上層)及び下口(下層)がスロット11の深さ方向について存在している。スロット11の上口は、スロット11の下口よりも電機子コア7の径方向内側(スロット11の開口側)に位置している。
各ベースコイル12は、一方のコイル辺21をスロット11の上口に配置し、他方のコイル辺21をスロット11の下口に配置して電機子コア7に設けられている。また、各ベースコイル12のコイルエンド22は、電機子コア7の周方向に対して同じ方向に傾いた状態で複数の磁極ティース10を跨いでいる。
コイルエンド22が跨ぐ磁極ティース10の数(即ち、共通のコイルにおける一方及び他方のコイル辺21間に挟まれる磁極ティース10の数)をコイルピッチとすると、各ベースコイル12のコイルピッチは、すべて同じになっている。各ベースコイル12は、コイルピッチが毎極スロット数q’よりも大きい長節巻きのコイルである。
上層コイル13は、一方及び他方のコイル辺21をいずれもスロット11の上口に配置して電機子コア7に設けられている。下層コイル14は、一方及び他方のコイル辺21をいずれもスロット11の下口に配置して電機子コア7に設けられている。
なお、図2では、各ベースコイル12、各上層コイル13及び各下層コイル14のそれぞれに流れる電流の相をU、V、Wで示している。また、図2では、各コイル辺21に流れる電流の向きを、U、V、Wの大文字及び小文字と、コイル辺21を示す白抜きの丸印の中に黒丸印及びX印を付した記号とで示している。従って、各コイル12,13,14の巻き回し方向は、各コイル辺21の電流の向きで分かるようになっている。
ここで、本実施の形態による回転電機1での各ベースコイル12、各上層コイル13及び各下層コイル14のそれぞれの位置を特定するために、上層コイル13及び下層コイル14を含まない比較例1による回転電機を想定する。
図3は、比較例1による回転電機101を示す構成図である。また、図4は、図3の回転電機101の電機子2を示す展開図である。さらに、図5は、図4の回転電機101の電機子2の要部拡大図である。なお、図4及び図5では、各コイルに流れる電流相と、各コイル辺に流れる電流の向きとが、図2と同様の方法で示されている。
比較例1による回転電機101の構成は、電機子コイル群8の構成以外、実施の形態1による回転電機1の構成と同様である。電機子コイル群8は、ベースコイル12と同じ構成の複数の仮想ベースコイル12aのみを有している。各仮想ベースコイル12aは、ベースコイル12のコイル辺21と同じ構成の一対のコイル辺21aと、ベースコイル12のコイルエンド22と同じ構成の一対のコイルエンド22aとを有している。
各仮想ベースコイル12aは、一方のコイル辺21aをスロット11の上口に配置し他方のコイル辺21aをスロット11の下口に配置して電機子コア7に規則的に並べられている。各仮想ベースコイル12aの各コイル辺21aは、各スロット11の上口及び下口のすべてに配置されている。これにより、比較例1による回転電機101の電機子2の状態は、各仮想ベースコイル12aが2層重ね巻きで電機子コア7に規則的に配置された仮想ベースコイル装着状態となっている。
回転電機の理想状態は、U相、V相、W相の各電機子コイルがつくる誘起電圧のそれぞれの合成ベクトルの大きさが同じで、各相の誘起電圧の合成ベクトルが電気角で位相差120°ごとに分布している状態である。従って、比較例1による回転電機101では、回転電機の理想状態になるように、各仮想ベースコイル12aに接続される電流相(U相、V相、W相)の選択と、各仮想ベースコイル12aの巻き回し方向の選択とが行われている。回転電機101では、各相の仮想ベースコイル12aの配置順及び各仮想ベースコイル12aの巻き回し方向をそれぞれ調整することにより、回転子4の磁極がつくる磁束に対応するおよそ正弦波状の誘起電圧が発生するようになっている。
図4では、No.1〜No.18のスロット11と、No.19〜No.36のスロット11とに分けてみると、コイル辺21aに流れる電流の向きが反転していることを除いて、各相の仮想ベースコイル12aの配置が同じになっていることが分かる。これは、比較例1による回転電機101の毎極スロット数q’の値が18/7であることによるものである。即ち、比較例1での電機子2では、18個のスロット11に対して7個の磁極が対応して1組となっていることから、各相の仮想ベースコイル12aの配置が18個のスロット11のまとまりで繰り返される構成となっている。
各仮想ベースコイル12aが2層重ね巻きで電機子コア7に規則的に配置された仮想ベースコイル装着状態では、Nを2以上の自然数とすると、毎極スロット数q’が以下の式(2)を満たすとき、各仮想ベースコイル12aのU相、V相、W相の電流相及び巻き回し方向を調整することにより、電流相及び電流の向きに関して特定の関係を持つ2つの仮想ベースコイル12aで構成された仮想コイル対23が、一定間隔で出現するようにすることができる。仮想コイル対23を構成する2つの仮想ベースコイル12aをそれぞれ仮想特定コイル12Aとすると、共通の仮想コイル対23に含まれる2つの仮想特定コイル12Aの関係は、N個の磁極ティース10を挟む2つのスロット11の上口同士(又は下口同士)に配置された2つのコイル辺21aに流れる電流が同相逆向きになる関係になっている。
N<q’<N+1 …(2)
これは、U相、V相、W相の各仮想ベースコイル12aがつくる誘起電圧のそれぞれの合成ベクトルの大きさが各相で同じで、かつ各合成ベクトルの位相差が120°ごとに分布する理想状態になるように、各仮想ベースコイル12aの配置を決めることによる。
毎極スロット数q’の値は、上述のように約2.57であるので、2よりも大きく3よりも小さい値(2<q’<3)である。従って、比較例1による回転電機101の電機子2の構成は、式(2)から、N=2としたときの電機子2の構成であることが分かる。各仮想ベースコイル12aは、コイルエンド22aがN+1個の磁極ティース10を跨ぐコイルになっている。従って、この例では、各仮想ベースコイル12aのコイルピッチが3になっている。
ここで、V相に着目すると、No.1及びNo.3のスロット11の上口同士、No.16及びNo.18のスロット11の下口同士、No.19及びNo.21のスロット11の上口同士、No.34及びNo.36のスロット11の下口同士のそれぞれに、同相逆向きの電流が流れるコイル辺21aの組が配置されていることが分かる。また、同相逆向きの電流が流れるコイル辺21aの組がそれぞれ上口にあるNo.1及びNo.3のスロット11とNo.19及びNo.21のスロット11との距離は18スロット分であり、同相逆向きの電流が流れるコイル辺21aの組がそれぞれ下口にあるNo.16及びNo.18のスロット11とNo.34及びNo.36のスロット11との間の距離も18スロット分であることが分かる。さらに、No.1及びNo.3のスロット11の上口同士、No.34及びNo.36のスロット11の下口同士のそれぞれのコイル辺21aが共通の2つの仮想ベースコイル12aのコイル辺21aになっており、No.19及びNo.21のスロット11の上口同士、No.16及びNo.18のスロット11の下口同士のそれぞれのコイル辺21aも共通の2つの仮想ベースコイル12aのコイル辺21aになっていることが分かる。このようなことから、図2では、2個(N=2)の磁極ティース10を挟む2つのスロット11の上口同士(又は下口同士)の2つのコイル辺21aに同相逆向きの電流が流れる関係を持つ2つの仮想ベースコイル12aがそれぞれ仮想特定コイル12Aとなり、2つの仮想特定コイル12Aで構成されたV相の仮想コイル対23が、18スロット間隔で配置されていることが分かる。また、U相、W相についても、V相と同様に、仮想コイル対23が、18スロット間隔で配置されていることが分かる。
一定間隔で出現する各仮想コイル対23の電流相の順序は、各相(U相、V相、W相)が同じ順番で繰り返される順序となっている。図2の仮想ベースコイル12aでは、スロット11の上口のコイル辺21aを基準に考えると、No.1及びNo.3の上口同士の2つのコイル辺12aを持つ仮想コイル対23がV相、No.7及びNo.9の上口同士の2つのコイル辺21aを持つ仮想コイル対23がU相、No.13及びNo.15の上口同士の2つのコイル辺21aを持つ仮想コイル対23がW相であることから、V相、U相、W相の順に並ぶ組が繰り返されている。
図6は、比較例1による回転電機101の巻線係数Kdを示す表である。巻線係数Kdは、回転電機の特性を示す指標であり、基本波成分の数値が1に近いほどトルク特性が良く、5次、7次、…等の高次成分の数値が小さいほど高周波振動が小さくなって、回転電機の動作特性が良いことを示す。比較例1による回転電機101では、巻線係数Kdの数値が基本波成分、高次成分ともに良好な傾向を示していることが分かる。
本実施の形態による回転電機1では、図2を図4と比較すると、各仮想コイル対23のうち、V相の仮想コイル対23を構成するすべての仮想特定コイル12A(この例では、No.1、No.3、No.19、No.21のスロット11の上口にそれぞれ配置されたコイル辺21aを持つ4つの仮想特定コイル12A)の位置を避けて各ベースコイル12が配置されている。この例では、V相の仮想コイル対23の各仮想特定コイル12Aの位置(合計4か所)を除いて、各仮想ベースコイル12aの位置のすべてに各ベースコイル12が配置されている。
ベースコイル12のコイルエンド22はN+1個の磁極ティース10を跨いでいる。即ち、ベースコイル12のコイルピッチはN+1になっている。この例では、N=2であることから、ベースコイル12のコイルピッチが3になっている。
上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21は、ベースコイル12の配置が回避されている仮想特定コイル12Aのそれぞれのコイル辺21aの位置に配置されている。これにより、上層コイル13及び下層コイル14は、ベースコイル12の配置が回避されている共通の仮想コイル対23につき1つずつ配置されている。従って、電機子コイル群8に含まれる上層コイル13の数と下層コイル14の数とは、同じになっている。また、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイルエンド22は、N個の磁極ティース10を跨いでいる。即ち、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイルピッチは、いずれもN(この例では、N=2)になっている。
上層コイル13の電流相は、上層コイル13のコイル辺21に対応するコイル辺21aを持つ仮想コイル対23の電流相と同じ相(この例では、V相)とされている。また、上層コイル13のコイル辺21に流れる電流の向きが仮想特定コイル12Aのコイル辺21aに流れる電流の向きと同じになるように、上層コイル13の巻き回し方向が決められている。
下層コイル14の電流相は、下層コイル14のコイル辺21に対応するコイル辺21aを持つ仮想コイル対23の電流相と同じ相(この例では、V相)とされている。また、下層コイル14のコイル辺21に流れる電流の向きが仮想特定コイル12Aのコイル辺21aに流れる電流の向きと同じになるように、下層コイル14の巻き回し方向が決められている。
この例では、上層コイル13及び下層コイル14が2つずつ電機子コイル群8に含まれている。また、この例では、一方の上層コイル13のそれぞれのコイル辺21がNo.1及びNo.3のスロット11の上口に配置され、他方の上層コイル13のそれぞれのコイル辺21がN0.19及びNo.21のスロット11の上口に配置されている。さらに、この例では、一方の下層コイル14のそれぞれのコイル辺21がNo.34及びNo.36のスロット11の下口に配置され、他方の下層コイル14のそれぞれのコイル辺21がN0.16及びNo.18のスロット11の下口に配置されている。
即ち、本実施の形態での電機子2の構成は、各仮想ベースコイル12aのすべてのコイル辺21aが各スロット11の上口及び下口のすべてに規則的に配置されている仮想ベースコイル装着状態(図4)を想定した場合、図2に示すように、V相の仮想コイル対23に含まれるそれぞれの仮想特定コイル12Aの位置を除いて、各仮想ベースコイル12aの位置のすべてにベースコイル12が配置され、ベースコイル12が配置されていない仮想特定コイル12Aのそれぞれのコイル辺21aの位置に上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21が配置された構成になっている。
本実施の形態での電機子2は、図2を図4と比較すると、一部のベースコイル12を無くして上層コイル13及び下層コイル14を加えている点で、比較例1での電機子2と異なっているが、各スロット11の上口及び下口のそれぞれのコイル辺21の配置は、本実施の形態も比較例1も同じになっていることが分かる。これにより、本実施の形態での電機子2がつくる誘起電圧は 比較例1での電機子2がつくる誘起電圧と同じになる。
ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14を電機子コア7に巻くときには、まず下層コイル14を電機子コア7に巻いた後、各ベースコイル12を電機子コア7の周方向へ順次巻いていく。このとき、各ベースコイル12については、上層コイル13の各コイル辺21間及び下層コイル14の各コイル辺21間に配置されたコイル辺21を持つベースコイル12(この例では、例えばNo.20のスロット11の上口に配置されたコイル辺21を持つベースコイル12)を電機子コア7に最後に巻くようにする。
最後のベースコイル12を電機子コア7に巻くときには、電機子コア7にすでに巻かれている一部のベースコイル12(この例では、例えばNo.17及びNo.18のそれぞれに配置されたコイル辺21を持つベースコイル12)が、最後のベースコイル12の巻き予定位置に被さっているので、この一部のベースコイル12を曲げながら、スロット11の上口からコイル辺21を外す作業(上げコイル作業)を行った後、最後のベースコイル12を電機子コア7に巻く。この後、曲げた一部のベースコイル12を元に戻してから、最後に、上層コイル13を電機子コア7に巻く。このようにして、各ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14を電機子コア7に巻く。
このような回転電機1では、各仮想コイル対23のうち、V相の仮想コイル対23を構成するすべての仮想特定コイル12Aの位置を避けて各ベースコイル12が配置され、ベースコイル12の配置が回避されている仮想特定コイル12Aのコイル辺21の位置に上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21が配置されているので、上層コイル13と下層コイル14との間に位置する磁極ティース10に跨るコイルエンド22の数を、比較例1での各磁極ティース10に跨るコイルエンド22aの数よりも減らすことができる。これにより、各ベースコイル12を電機子コア7に巻くときに、最後のベースコイル12を電機子コア7に巻くために曲げるベースコイル12の数を比較例1に比べて少なくすることができる。また、ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイルエンド22の配置が複雑になることを回避することもできる。これにより、各ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14を電機子コア7に巻きやすくすることができ、回転電機1の製造を容易にすることができる。また、各ベースコイル12を電機子コア7に巻きやすくするためにベースコイル12を無くすと、回転電機1のトルク特性が低下してしまうが、上層コイル13及び下層コイル14を電機子コイル群8に含ませることにより、回転電機1の動作特性を良好にすることができる。即ち、動作特性が良好である回転電機1の製造を容易にすることができる。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2による回転電機1の電機子2を示す展開図である。本実施の形態では、図7を図4と比較すると、各ベースコイル12が、図4の各仮想コイル対23のすべての仮想特定コイル12Aの位置を避けて配置されている。また、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21は、各ベースコイル12の配置が回避されている各仮想特定コイル12Aのそれぞれのコイル辺21aの位置に配置されている。即ち、すべての仮想特定コイル12Aのそれぞれのコイル辺21aの位置のうち、スロット11の上口の位置に各上層コイル13のコイル辺21が配置され、スロット11の下口の位置に各下層コイル14のコイル辺21が配置されている。他の構成は実施の形態1と同様である。
このように、各仮想コイル対23のすべての仮想特定コイル12Aの位置を避けて各ベースコイル12が配置され、各仮想特定コイル12Aのそれぞれのコイル辺21aの位置に上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21が配置されているので、実施の形態1と同様に、回転電機1の動作特性が良好であり、かつ回転電機1の製造を容易にすることができる。また、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれを構成する導線の長さを各相間で調整する手間をなくすことができ、回転電機1の製造をさらに容易にすることができる。即ち、例えば、実施の形態1のように、V相の仮想コイル対23に対応する上層コイル13及び下層コイル14のみを電機子コア7に巻いて、U相及びW相のそれぞれの仮想コイル対23に対応する位置には、上層コイル13及び下層コイル14を巻かない場合、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれの導線の長さと、各ベースコイル12の導線の長さとが異なることから、V相と、U相及びW相との間でコイル抵抗が異なることになってしまい、各相間での誘起電圧の発生のバランスが崩れやすくなってしまうおそれがある。実施の形態1では、これを避けるために上層コイル13及び下層コイル14の導線長さを予め調整しておくことが必要である。これに対して、本実施の形態では、各相において同じ数の上層コイル13及び下層コイル14を配置することができるので、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれの導線の長さを各相間で調整する必要がなくなり、電機子2をさらに製造しやすくすることができる。
実施の形態3.
図4の各仮想コイル対23に含まれるそれぞれの仮想特定コイル12A間に挟まれた仮想ベースコイル12aを仮想調整コイル12Bとすると、比較例1の電機子2では、図4に示すように、仮想調整コイル12Bの電流相と、仮想調整コイル12Bを挟む2つの仮想特定コイル12Aで構成された仮想コイル対23の電流相とが、互いに異なっている。この例では、V相の仮想コイル対23の仮想特定コイル12Aに挟まれた仮想調整コイル12Bの電流相がW相、U相の仮想コイル対23の仮想特定コイル12Aに挟まれた仮想調整コイル12Bの電流相がV相、W相の仮想コイル対23の仮想特定コイル12Aに挟まれた仮想調整コイル12Bの電流相がU相となっている。
U相、V相、W相の各仮想調整コイル12Bは、互いに位相差が120°となる誘起電圧をつくる仮想ベースコイル12aである。また、U相、V相、W相の各仮想調整コイル12Bは、電気角幅α°の範囲内に同数ずつ(この例では、1つずつ)存在している。電気角幅α°は、スロット数Q及び極数P、即ち毎極スロット数q’に依存して決まり、以下の式(3)で表される。
α°=180°×P/gcd(Q,P)=1260° …(3)
ただし、gcd(Q,P)は、スロット数Qと回転子4の極数Pとの最大公約数である。
図8は、この発明の実施の形態3による回転電機1を示す構成図である。また、図9は、図8の電機子2を示す展開図である。本実施の形態では、図9を図4と比較すると、V相の仮想コイル対23のそれぞれの仮想特定コイル12Aの位置と、電気角幅α°の範囲内に位置する各相の仮想調整コイル12Bのそれぞれの位置とを避けて、各ベースコイル12が各仮想ベースコイル12aの位置にそれぞれ配置されている。
この例では、電気角幅α°の範囲内でベースコイル12の配置が回避されている各仮想調整コイル12Bのうち、W相の仮想調整コイル12Bを挟むそれぞれの仮想特定コイル12Aのコイル辺21aの位置に、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21が配置されている。即ち、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21は、実施の形態1と同様に、V相の仮想コイル対23のそれぞれの仮想特定コイル12Aのコイル辺21aの位置に配置されている。
これにより、電機子2の状態は、上層コイル13と下層コイル14との間に位置する磁極ティース10(この例では、No.18及びNo.36の磁極ティース10)にベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイルエンド22が跨っていない状態になっている。
図9を図4と比較してみると、上層コイル13の各コイル辺21間及び下層コイル14の各コイル辺21間にそれぞれ位置するコイル辺21aを持つ仮想調整コイル12B(この例では、No.2及びNo.20のスロット11のそれぞれの上口に位置するコイル辺21aを持つ2つの仮想ベースコイル12a)の電流相がW相になっている。W相の仮想調整コイル12Bの位置のベースコイル12のみを無くすと、U相及びV相がつくる誘起電圧とW相がつくる誘起電圧とでバランスが崩れ、回転電機の動作特性が低下してしまう。従って、これを回避するために、W相の仮想調整コイル12Bとの関係で各相の誘起電圧のバランスを維持するV相の仮想調整コイル12B(この例では、No.8及びNo.26のスロット11のそれぞれの上口に位置するコイル辺21aを持つ2つの仮想ベースコイル12a)、及びU相の仮想調整コイル12B(この例では、No.14及びNo.32のスロット11のそれぞれの上口に位置するコイル辺21aを持つ2つの仮想ベースコイル12a)のそれぞれの位置も避けて、各ベースコイル12が配置されている。
図8及び図9では、各スロット11のうち、上口及び下口のいずれかにのみコイル辺21が配置されているスロット11が存在している。このようなスロット11では、コイル辺21が動かないように、例えばスロット11の上口又は下口を埋める充填材(例えばスペーサブロック又は樹脂モールド等)をスロット11内に設けてもよい。
電機子コア7は、電機子コア7の周方向へ並ぶ複数(この例では、2つ)の分割コア31に分割されている。各分割コア31は、例えば溶接等により互いに連結されている。各分割コア31の境界32の位置は、コイルエンド22が跨っていない磁極ティース10(この例では、No.18及びNo.36の各磁極ティース10)の位置になっている。また、この例では、各分割コア31の境界32が電機子コア7の径方向に沿って形成されている。電機子2は、仮想調整コイル12Bの位置を除いて巻かれたベースコイル12、上層コイル13、下層コイル14及び分割コア31を含む複数(この例では、2つ)の分割電機子33で構成されている。他の構成は実施の形態1と同様である。
図10は、図8の回転電機1の巻線係数Kdを示す表である。本実施の形態による回転電機1の巻線係数Kdの数値は、比較例1による回転電機101の巻線係数Kdと比較しても、基本波成分、高次成分ともに良好であることが分かる。
このような回転電機1では、各ベースコイル12が、電気角幅α°の範囲内に位置する各相の仮想調整コイル12Bのそれぞれの位置と、W相の仮想調整コイル12Bを挟む仮想特定コイル12Aの位置とを避けて配置され、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21が、電気角幅α°の範囲内で各ベースコイル12の配置が回避されているW相の仮想調整コイル12Bを挟むそれぞれの仮想特定コイル12Aのコイル辺21aの位置に配置されているので、上層コイル13と下層コイル14との間に位置する磁極ティース10を各コイル12,13,14のコイルエンド22が跨がないようにすることができる。従って、上層コイル13と下層コイル14との間に位置する磁極ティース10の位置で電機子コア7を複数の分割コア31に分割することができる。これにより、ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14を分割コア31ごとに巻くことができ、電機子2の製造を容易にすることができる。また、各相の誘起電圧のバランスが維持されるので、電機子コア7を分割するために各ベースコイル12を無くしても、回転電機1の動作特性を良好に維持することができる。さらに、電機子2を構成する各部品の小形軽量化を図ることができるので、回転電機1の完成後も、電機子2を分割電機子33単位で分解及び再組立を行うことができ、回転電機1の修理及びメンテナンス等の作業性を向上させることができる。これにより、電機子2が損傷した場合であっても、電機子2全体を修理、交換する必要がなくなり、回転電機1の修理及び交換に要するコストの低減化及び作業期間の短縮化を図ることができる。
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4による回転電機の電機子2を示す展開図である。各ベースコイル12は、図11を図4と比較してみると、図4の各仮想コイル対23のすべての仮想特定コイル12Aの位置を避けて配置されている。また、各ベースコイル12は、各仮想コイル対23に含まれるそれぞれの仮想特定コイル12A間に挟まれる仮想ベースコイル(仮想調整コイル)12Bのすべての位置を避けて配置されている。従って、各ベースコイル12は、各仮想コイル対23のすべての仮想特定コイル12Aの位置と、各仮想コイル対23の仮想特定コイル12A間に挟まれる仮想ベースコイル(仮想調整コイル)12Bのすべての位置とを除いて、各仮想ベースコイル12aの位置に配置されている。
上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21は、ベースコイル12の配置が回避されているすべての仮想特定コイル12Aのそれぞれのコイル辺21aの位置に配置されている。即ち、各仮想特定コイル12Aのそれぞれのコイル辺21aの位置のうち、スロット11の上口の位置に各上層コイル13のコイル辺21が配置され、スロット11の下口の位置に各下層コイル14のコイル辺21が配置されている。共通の仮想コイル対23に対応する上層コイル13と下層コイル14との間に位置する磁極ティース10には、各ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のコイルエンド22がいずれも跨っていない。
図11では、各スロット11のうち、上口及び下口のいずれかにのみコイル辺21が配置されているスロット11が存在している。このようなスロット11では、コイル辺21が動かないように、例えばスロット11の上口又は下口を埋める充填材(例えばスペーサブロック又は樹脂モールド等)をスロット11内に設けてもよい。
電機子コア7は、電機子コア7の周方向へ並ぶ複数(この例では、6つ)の分割コア31に分割されている。各分割コア31は、例えば溶接等により互いに連結されている。各分割コア31の境界32の位置は、コイルエンド22が跨っていない磁極ティース10(この例では、No.6、No.12、No.18、No.24、No.30、No.36の各磁極ティース10)の位置になっている。また、この例では、各分割コア31の境界32が電機子コア7の径方向に沿って形成されている。電機子2は、仮想調整コイル12Bの位置を除いて巻かれたベースコイル12、上層コイル13、下層コイル14及び分割コア31を含む複数(この例では、6つ)の分割電機子33で構成されている。他の構成は実施の形態2と同様である。
このような回転電機1では、すべての仮想コイル対23に対応する上層コイル13と下層コイル14との間に位置する磁極ティース10にコイルエンド22が跨っておらず、コイルエンド22が跨っていない各磁極ティース10の位置に各分割コア31の境界32が形成されているので、電機子2を複数の分割電機子33に分割することができ、各分割電機子33に分けて電機子2を製造することができる。これにより、実施の形態3と同様に、電機子2の製造の容易化、回転電機1の修理及びメンテナンス等の作業性の向上、回転電機1の修理及び交換に要するコストの低減化及び作業期間の短縮化を図ることができる。また、電機子2を構成する各部品の小形軽量化を、実施の形態3よりもさらに図ることができるので、電機子2を構成する各部品の取扱いをさらに容易にすることができる。
実施の形態5.
図12は、この発明の実施の形態5による回転電機1を示す構成図である。また、図13は、図12の電機子2を示す展開図である。電機子コイル群8は、ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14がつくる誘起電圧の合成ベクトルの大きさを各相(U相、V相、W相)で大きくする誘起電圧をそれぞれつくる複数の追加コイル41を電機子コイルとしてさらに有している。本実施の形態による電機子コイル群8では、ベースコイル12、上層コイル13、下層コイル14及び追加コイル41に三相電流が流れる。また、この例では、U相、V相、W相の追加コイル41が2つずつ電機子コア7に設けられている。
各ベースコイル12は、図13を図4と比較すると、V相の仮想コイル対23に含まれるそれぞれの仮想特定コイル12Aの位置と、各仮想コイル対23に対応する仮想調整コイル12B(各仮想コイル対23の仮想特定コイル12A間に挟まれる仮想ベースコイル12a)の位置とを避けて、各仮想ベースコイル12aのそれぞれの位置に配置されている。また、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21は、V相の仮想コイル対23に含まれるそれぞれの仮想特定コイル12Aのコイル辺21aの位置に配置されている。
電機子コア7は、電機子コア7の周方向へ並ぶ複数(この例では、2つ)の分割コア31に分割されている。各分割コア31は、例えば溶接等により互いに連結されている。各分割コア31の境界32の位置は、コイルエンド22が跨っていない磁極ティース10(この例では、No.18及びNo.36の各磁極ティース10)の位置になっている。また、この例では、各分割コア31の境界32が電機子コア7の径方向に沿って形成されている。電機子2は、ベースコイル12、上層コイル13、下層コイル14、追加コイル41及び分割コア31を含む複数(この例では、2つ)の分割電機子33で構成されている。即ち、各ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれの配置、及び電機子コア7の構成は、図9と同様になっている。
各追加コイル41は、互いに異なるスロット11に配置された一対のコイル辺21と、一対のコイル辺21間を繋ぐ一対のコイルエンド22とを有する重ね巻きのコイルである。各追加コイル41のそれぞれのコイル辺21は、各スロット11の上口及び下口のうち、各ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21がいずれも配置されずに空いている位置(この例では、No.2、No.8、No.14、No.20、No.26、No.32のスロット11の上口、及びNo.5、No.11、No.17、No.23、No.29、No.35のスロット11の下口)に配置されている。即ち、各追加コイル41のそれぞれのコイル辺21は、仮想調整コイル12Bのそれぞれのコイル辺21aの位置に配置されている。
各追加コイル41のコイルエンド22は、電機子コア7の周方向に対してベースコイル12のコイルエンド22とは逆向きに傾いた状態で配置されている。また、各追加コイル41は、ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14がいずれも跨らない磁極ティース10(この例では、No.18及びNo.36の磁極ティース10)を避けて配置されている。さらに、各追加コイル41のコイルエンド22が跨ぐ磁極ティース10の数は、各追加コイル41で同じになっている。即ち、各追加コイル41のコイルピッチはすべて同じになっている。この例では、各追加コイル41のコイルエンド22が跨ぐ磁極ティース10の数が、3つになっている。
各追加コイル41は、図13を図4と比較すると、互いに隣り合って出現している一方及び他方の仮想コイル対23のそれぞれの一部に重なった状態で、一方及び他方の仮想コイル対23間に配置されている。一方及び他方の仮想コイル対23間に配置された追加コイル41の電流相は、一方及び他方の仮想コイル対23のそれぞれの電流相と異なる相になっている。例えば、No.2及びNo.5のスロット11のそれぞれに配置されたコイル辺21を持つ追加コイル41の電流相は、V相の仮想コイル対23(No.1及びNo.3のスロット11の上口に配置されたコイル辺21aを含む仮想コイル対23)とU相の仮想コイル対23(No.4及びNo.6のスロット11の下口に配置されたコイル辺21aを含む仮想コイル対23)との間に配置されていることから、W相になっている。
また、各追加コイル41のコイル辺21の電流の向きは、追加コイル41と同じ相のベースコイル12のコイル辺21のうち、追加コイル41のコイル辺21と同じスロット11に配置されているコイル辺21に流れる電流と同じ向きになっている。他の構成は実施の形態3と同様である。
図14は、図12の回転電機1の巻線係数Kdを示す表である。本実施の形態による回転電機1の巻線係数Kdの数値は、比較例1による回転電機101の巻線係数Kdと比較しても、基本波成分、高次成分ともに良好であることが分かる。
このような回転電機1では、ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14がつくる誘起電圧の合成ベクトルの大きさを各相で大きくする誘起電圧をそれぞれつくる複数の追加コイル41が電機子コイルとして電機子コイル群8に含まれ、各追加コイル41のコイル辺21が仮想調整コイル12Bのそれぞれのコイル辺21aの位置に配置されているので、実施の形態3と比較してコイル数を増加させることができ、回転電機1の発生トルクを大きくすることができる。また、コイルエンド22が跨がない磁極ティース10を避けて各追加コイル41が配置されているので、電機子2を複数の分割電機子33に分割することができる。これにより、実施の形態3,4と同様に、電機子2の製造を容易にすることができるとともに、回転電機1の修理及び交換等についてコストの低減化及び作業期間の短縮化を図ることができる。
実施の形態6.
図15は、この発明の実施の形態6による回転電機1を示す構成図である。本実施の形態では、スロット数Qが108、回転子4の磁極数Pが42になっている。毎極スロット数q’は18/7である。即ち、本実施の形態による回転電機1では、実施の形態1〜5による回転電機1よりもスロット数Q及び磁極数Pが多くなっているが、毎極スロット数q’の値が実施の形態1〜5と同じになっている。従って、本実施の形態での電機子2の構成は、実施の形態1〜5での電機子2と同様に、18個のスロット11と回転子4の7個の磁極とが1組となって連続している構成になっている。本実施の形態では、電機子2が、電機子2の周方向へ並んで連結された6個の分割電機子33により構成されている。各分割電機子33の構成は、実施の形態5での分割電機子33の構成と同様である。
このように、実施の形態5と同様の構成の分割電機子33の数を6個としても、実施の形態5と同様の効果を得ることができる。これと同様に実施の形態1〜4についても、毎極スロット数q’の値が同じであれば、スロット数Q、極数Pの増減によらず同様のコイル配置が可能であり、同様の効果を得ることができる。
実施の形態7.
実施の形態7による回転電機1を説明する前に、比較例2による回転電機101の構成を説明する。
図16は、比較例2による回転電機101を示す構成図である。また、図17は、図16の電機子2を示す展開図である。比較例2による回転電機101では、比較例1と同様に、各仮想ベースコイル12aが2層重ね巻きで電機子コア7に規則的に配置されている。また、比較例2による回転電機101では、スロット11の数Qが54、回転子4の磁極数Pが14になっている。従って、比較例2での毎極スロット数q’の値は、27/7(≒3.85)であり、3よりも大きく4よりも小さい値(3<q’<4)である。このことから、比較例2による回転電機101の電機子2の構成は、式(2)から、N=3としたときの電機子2の構成であることが分かる。これにより、比較例2では、各仮想ベースコイル12aのコイルピッチが4になっていることが分かる。
U相に着目すると、No.1及びNo.4のスロット11の上口同士、No.24及びNo.27のスロット11の下口同士、No.28及びNo.31のスロット11の上口同士、No.51及びNo.54のスロット11の下口同士のそれぞれに、同相逆向きの電流が流れるコイル辺21aの組が配置されていることが分かる。また、同相逆向きの電流が流れるコイル辺21aの組がそれぞれ上口にあるNo.1及びNo.4のスロット11とNo.28及びNo.31のスロット11との距離は27スロット分であり、同相逆向きの電流が流れるコイル辺21aの組が下口にあるNo.24及びNo.27のスロット11とNo.51及びNo.54のスロット11との間の距離も27スロット分であることが分かる。さらに、No.1及びNo.4のスロット11の上口同士、No.51及びNo.54のスロット11の下口同士のそれぞれのコイル辺21aが共通の2つの仮想ベースコイル12aのコイル辺21aになっており、No.28及びNo.31のスロット11の上口同士、No.24及びNo.27のスロット11の下口同士のそれぞれのコイル辺21aも共通の2つの仮想ベースコイル12aのコイル辺21aになっていることが分かる。このようなことから、図17では、3個(N=3)の磁極ティース10を挟む2つのスロット11の上口同士(又は下口同士)の2つのコイル辺21aに同相逆向きの電流が流れる関係を持つ2つの仮想ベースコイル12aがそれぞれ仮想特定コイル12Aとなり、2つの仮想特定コイル12Aで構成された仮想コイル対23が、27スロット間隔で配置されていることが分かる。また、V相、W相についても、U相と同様に、仮想コイル対23が、27スロット間隔で配置されている。
一定のスロット間隔で出現する各仮想コイル対23の電流相の順序は、各相(U相、V相、W相)が同じ順番で繰り返される順序となっている。図17の仮想ベースコイル12aでは、スロット11の上口のコイル辺21aを基準に考えると、No.1及びNo.4の上口同士の2つのコイル辺21aを持つ仮想コイル対23がU相、No.10及びNo.13の上口同士の2つのコイル辺21aを持つ仮想コイル対23がW相、No.19及びNo.22の上口同士の2つのコイル辺21aを持つ仮想コイル対23がV相であることから、U相、W相、V相の順に並ぶ組が繰り返されている。比較例2の他の構成は比較例1と同様である。
図18は、比較例2による回転電機101の巻線係数Kdを示す表である。比較例2による回転電機101では、巻線係数Kdの数値が基本波成分、高次成分ともに良好な傾向を示していることが分かる。
図19は、この発明の実施の形態7による回転電機1の電機子2を示す展開図である。各ベースコイル12は、図19を図17と比較すると、U相の仮想コイル対23に含まれるすべての仮想特定コイル12Aの位置を避けて、各仮想ベースコイル12aの位置に配置されている。上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21は、ベースコイル12の配置が回避されているU相の仮想特定コイル12Aのそれぞれのコイル辺21aの位置に配置されている。上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイルエンド22は、3(N=3)個の磁極ティース10を跨いでいる。即ち、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイルピッチは、いずれもN=3になっている。
即ち、本実施の形態での電機子2の構成は、各仮想ベースコイル12aのすべてのコイル辺21aが各スロット11の上口及び下口のすべてに規則的に配置されている仮想ベースコイル装着状態(図17)を想定した場合、U相の仮想コイル対23に含まれるすべての仮想特定コイル12Aの位置を除いて、各仮想ベースコイル12aの位置のすべてにベースコイル12が配置され、ベースコイル12が配置されていない仮想特定コイル12Aのそれぞれのコイル辺21aの位置に上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21が配置された構成になっている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このように、毎極スロット数q’が3よりも大きく4よりも小さい値である場合であっても、回転電機1の動作特性を良好に維持しながら、各ベースコイル12のコイルピッチ(N+1=4)よりも上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイルピッチ(N=3)を小さくすることができる。これにより、ベースコイル12を電機子コア7に巻くときに一部のベースコイル12を曲げてコイル辺21をスロット11から外す上げコイル作業の手間の軽減化を図ることができ、回転電機1の製造を容易にすることができる。
実施の形態8.
比較例2による各仮想コイル対23に含まれるそれぞれの仮想特定コイル12A間に挟まれた仮想ベースコイル12aを仮想調整コイル12Bとすると、図17では、U相の仮想コイル対23の仮想特定コイル12Aに挟まれた2つの仮想調整コイル12Bの電流相がV相及びW相、W相の仮想コイル対23の仮想特定コイル12Aに挟まれた2つの仮想調整コイル12Bの電流相がV相及びU相、V相の仮想コイル対23の仮想特定コイル12Aに挟まれた2つの仮想調整コイル12Bの電流相がU相及びW相となっている。
U相、V相、W相の各仮想調整コイル12Bは、互いに位相差が120°となる誘起電圧をつくる仮想ベースコイル12aである。また、U相、V相、W相の各仮想調整コイル12Bは、式(3)で表される電気角幅α°(α°=1260°)の範囲内に同数ずつ(この例では、2つずつ)存在している。
図20は、この発明の実施の形態8による回転電機1を示す構成図である。また、図21は、図20の電機子2を示す展開図である。図21を図17と比較すると、本実施の形態では、U相の仮想コイル対23のそれぞれの仮想特定コイル12Aの位置と、電気角幅α°(α°=1260°)の範囲内に位置する各相の仮想調整コイル12Bのそれぞれの位置とを避けて、各ベースコイル12が各仮想ベースコイル12aの位置にそれぞれ配置されている。
上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21は、電気角幅α°の範囲内でベースコイル12の配置が回避されている各仮想調整コイル12Bのうち、W相及びV相の2つの仮想調整コイル12Bを挟むそれぞれのU相の仮想特定コイル12Aのコイル辺21aの位置に配置されている。即ち、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21は、実施の形態7と同様に、U相の仮想コイル対23のそれぞれの仮想特定コイル12Aのコイル辺21aの位置に配置されている。
これにより、電機子2の状態は、上層コイル13と下層コイル14との間に位置する磁極ティース10(この例では、No.27及びNo.54の磁極ティース10)にベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイルエンド22が跨っていない状態になっている。
図21を図17と比較してみると、上層コイル13の各コイル辺21間及び下層コイル14の各コイル辺21間にそれぞれ位置するコイル辺21aを持つ2つの仮想調整コイル12Bの電流相がW相及びV相になっている。W相及びV相の仮想調整コイル12Bの位置のベースコイル12のみを無くすと、電機子コイル群8全体の誘起電圧のバランスが崩れ、回転電機の動作特性が低下してしまう。従って、これを回避するために、この例では、W相及びV相の仮想調整コイル12Bとの関係で各相の誘起電圧のバランスを維持するV相及びU相の仮想調整コイル12B、及びV相及びU相の仮想調整コイル12Bのそれぞれの位置も避けて、各ベースコイル12が配置されている。
図20及び図21では、各スロット11のうち、上口及び下口のいずれかにのみコイル辺21が配置されているスロット11が存在している。このようなスロット11では、コイル辺21が動かないように、例えばスロット11の上口又は下口を埋める充填材(例えばスペーサブロック又は樹脂モールド等)をスロット11内に設けてもよい。
電機子コア7は、電機子コア7の周方向へ並ぶ複数(この例では、2つ)の分割コア31に分割されている。各分割コア31は、例えば溶接等により互いに連結されている。各分割コア31の境界32の位置は、コイルエンド22が跨っていない磁極ティース10(この例では、No.27及びNo.54の各磁極ティース10)の位置になっている。また、この例では、各分割コア31の境界32が電機子コア7の径方向に沿って形成されている。電機子2は、仮想調整コイル12Bの位置を除いて巻かれたベースコイル12、上層コイル13、下層コイル14及び分割コア31を含む複数(この例では、2つ)の分割電機子33で構成されている。他の構成は実施の形態7と同様である。
図22は、図20の回転電機1の巻線係数Kdを示す表である。本実施の形態による回転電機1の巻線係数Kdの数値は、比較例2による回転電機101の巻線係数Kd(図18)と比較しても、基本波成分、高次成分ともに良好であることが分かる。
このように、毎極スロット数q’が3よりも大きく4よりも小さい値である場合であっても、実施の形態3と同様に、電機子コア7を複数の分割コア31に分割することができる。これにより、電機子2の製造を容易にすることができるとともに、回転電機1の修理及び交換等についてコストの低減化及び作業期間の短縮化を図ることができる。また、各相の誘起電圧のバランスが維持されるので、電機子コア7を分割するために各ベースコイル12を無くしても、回転電機1の動作特性は良好である。
実施の形態9.
図23は、この発明の実施の形態9による回転電機1を示す構成図である。また、図24は、図23の電機子2を示す展開図である。電機子コイル群8は、実施の形態5と同様に、ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14がつくる誘起電圧の合成ベクトルの大きさを各相(U相、V相、W相)で大きくする誘起電圧をそれぞれつくる複数の追加コイル41を電機子コイルとしてさらに有している。この例では、U相、V相、W相の追加コイル41が4つずつ電機子コア7に設けられている。各ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれの配置、及び電機子コア7の構成は、図20及び図21と同様になっている。
各追加コイル41は、実施の形態5と同様に、互いに異なるスロット11に配置された一対のコイル辺21と、一対のコイル辺21間を繋ぐ一対のコイルエンド22とを有する重ね巻きのコイルである。各追加コイル41のそれぞれのコイル辺21は、各スロット11の上口及び下口のうち、各ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21がいずれも配置されずに空いている位置に配置されている。即ち、各追加コイル41のそれぞれのコイル辺21は、各仮想調整コイル12Bのそれぞれのコイル辺21aの位置に配置されている。
各追加コイル41のコイルエンド22は、実施の形態5と同様に、電機子コア7の周方向に対してベースコイル12のコイルエンド22とは逆向きに傾いた状態で配置されている。また、各追加コイル41は、ベースコイル12、上層コイル13及び下層コイル14がいずれも跨らない磁極ティース10(この例では、No.27及びNo.54の磁極ティース10)を避けて配置されている。さらに、各追加コイル41のコイルエンド22が跨ぐ磁極ティース10の数は、各追加コイル41で同じになっている。即ち、各追加コイル41のコイルピッチはすべて同じになっている。この例では、各追加コイル41のコイルエンド22が跨ぐ磁極ティース10の数が、5つになっている。
各追加コイル41は、図24を図17と比較すると、互いに隣り合って出現している一方及び他方の仮想コイル対23のそれぞれの一部に重なった状態で、一方及び他方の仮想コイル対23間に2つずつ配置されている。一方及び他方の仮想コイル対23間に配置された追加コイル41のコイル辺21には、追加コイル41のコイル辺21と同じスロット11に配置されているコイル辺21、及び両隣のスロット11に配置されているコイル辺21のいずれかと同相同向きの電流が流れるようになっている。
この例では、一方及び他方の仮想コイル対23間に配置された追加コイル41の電流相が、一方及び他方の仮想コイル対23のそれぞれの電流相と異なる相になっている。また、この例では、互いに並ぶ2つの追加コイル41の電流相が同じになっている。例えば、U相の仮想コイル対23(No.1及びNo.4のスロット11の上口に配置されたコイル辺21aを含む仮想コイル対23)とW相の仮想コイル対23(No.6及びNo.9のスロット11の下口に配置されたコイル辺21aを含む仮想コイル対23)との間に配置された2つの追加コイル41(No.2,3及びNo.7,8のスロット11のそれぞれに配置されたコイル辺21を持つ2つの追加コイル41)の電流相は、V相になっている。また、各追加コイル41のコイル辺21の電流の向きは、追加コイル41と同じ相のベースコイル12のコイル辺21のうち、追加コイル41のコイル辺21と同じスロット11に配置されているコイル辺21に流れる電流と同じ向きになっている。他の構成は実施の形態8と同様である。
図25は、図23の回転電機1の巻線係数Kdを示す表である。本実施の形態による回転電機1の巻線係数Kdの数値は、比較例2による回転電機101の巻線係数Kd(図18)と比較しても、基本波成分、高次成分ともに良好であることが分かる。
このように、毎極スロット数q’が3よりも大きく4よりも小さい値である場合であっても、実施の形態8と比較してコイル数を増加させることができ、回転電機1の発生トルクを大きくすることができる。また、実施の形態8と同様に、電機子コア7を複数の分割コア31に分割することができ、電機子2の製造を容易にすることができるとともに、回転電機1の修理及び交換等についてコストの低減化及び作業期間の短縮化を図ることができる。
即ち、実施の形態7〜9で示した通り、回転電機1の電機子2のスロット数Q、回転子4の磁極数Pの組み合わせにかかわらず、毎極スロット数q’が式(2)の条件を満たしていれば、各コイル辺21の配置を維持したまま、各ベースコイル12のコイルピッチN+1よりも小さいコイルピッチNを持つ上層コイル13及び下層コイル14を得ることができる。従って、回転電機1の動作特性を良好に維持しながら、回転電機1の製造を容易にすることができるという効果を得ることができる。
なお、実施の形態1,2、4〜9では、V相又はU相の仮想コイル対23のみを対象とし、対象としたV相又はU相の仮想コイル対23を構成するすべての仮想特定コイル12Aの位置のみを避けてベースコイル12が配置されているが、少なくともいずれかの仮想コイル対23を対象とし、対象とした仮想コイル対23を構成するすべての仮想特定コイル12Aの位置を避けてベースコイル12を配置していればよい。従って、例えば、U相、V相、W相のうち、2つの相の仮想コイル対23を構成する各仮想特定コイル12Aの位置を避けてベースコイル12を配置してもよいし、すべての相の仮想コイル対23を構成する各仮想特定コイル12Aの位置を避けてベースコイル12を配置してもよい。また、同じ相(例えば、V相)の複数の仮想コイル対23のうち、いずれかの仮想コイル対23を構成する各仮想特定コイル12Aの位置のみを避けてベースコイル12を配置してもよい。この場合、ベースコイル12の配置が回避されているすべての仮想特定コイル12Aのコイル辺21aの位置に上層コイル13及び下層コイル14のそれぞれのコイル辺21が配置される。
また、実施の形態6では、ベースコイル12、上層コイル13、下層コイル14及び追加コイル41を含む実施の形態5での電機子コイル群8のコイルの配置がスロット数Q=108の電機子コア7に適用されているが、実施の形態1〜9での電機子コイル群8のコイルの配置を多スロットの電機子コア7に適用してもよい。実施の形態4での電機子コイル群8(すべての仮想特定コイル12Aの位置及びすべての仮想調整コイル12Bの位置を避けてベースコイル12を配置している態様の電機子コイル群8)を多スロットの電機子コア7に適用した場合、コイルエンド22が跨らない磁極ティース10がすべての仮想コイル対23に対応して現れるので、実施の形態4と同様に、コイルエンド22が跨らないすべての磁極ティース10の位置で多スロットの電機子コア7を分割して分割コア31の数を多くしてもよい。
また、電機子2の内側に回転子4が配置されたインナロータ型の回転電機1にこの発明が適用されているが、これに限定されず、筒状の回転子の内側に電機子が配置されたアウタロータ型の回転電機にこの発明を適用してもよい。また、電機子と回転子とが径方向について対向するラジアルギャップ型(インナロータ型、アウタロータ型)の回転電機だけでなく、例えば、電機子と回転子とが軸線方向について対向するアキシャルギャップ型の回転電機にこの発明を適用してもよい。
また、各上記実施の形態による回転電機1は、例えば電動機、発電機及び発電電動機のいずれにも適用することができる。また、各上記実施の形態による回転電機1は、同期機以外の例えば誘導機等に適用することもできる。

Claims (5)

  1. 周方向について互いに間隔を置いて設けられた複数の磁極ティースを有し、各上記磁極ティース間にスロットが形成されている電機子コア、
    互いに異なる上記スロットに配置された一対のコイル辺と上記一対のコイル辺間を繋ぐコイルエンドとをそれぞれ含む複数の電機子コイルを有し、各上記電機子コイルが重ね巻きで上記磁極ティースに巻かれ、各上記電機子コイルに三相電流が流れる電機子コイル群、及び
    周方向へ並ぶ複数の磁極を持ち、上記電機子コア及び上記電機子コイル群に対して回転される回転子
    を備え、
    上記電機子コイル群は、一方の上記コイル辺が上記スロットの上口に配置され他方の上記コイル辺が上記スロットの下口に配置された複数のベースコイルと、一方及び他方の上記コイル辺がいずれも上記スロットの上口に配置された上層コイルと、一方及び他方の上記コイル辺がいずれも上記スロットの下口に配置された下層コイルとを上記電機子コイルとして有し、
    Nを2以上の自然数とすると、1つの上記磁極当たりの上記スロットの数である毎極スロット数q’は、N<q’<N+1の関係を満たし、
    各上記ベースコイルの上記コイルエンドは、上記電機子コアの周方向に対して同じ向きに傾いた状態でN+1個の上記磁極ティースを跨いでおり、
    上記上層コイル及び上記下層コイルのそれぞれの上記コイルエンドは、N個の上記磁極ティースを跨いでおり、
    上記ベースコイルと同じ構成の複数の仮想ベースコイルの各上記コイル辺を各上記スロットの上口及び下口のすべてに配置し、かつN個の上記磁極ティースを挟む2つの上記スロットの上口にそれぞれ配置された2つの上記コイル辺に流れる電流が同相逆向きになる関係を持つ2つの上記仮想ベースコイルを仮想特定コイルとして、上記2つの仮想特定コイルで構成された仮想コイル対が、上記電機子コアの周方向について一定間隔で現れるようにした仮想ベースコイル装着状態を想定すると、
    各上記ベースコイルは、少なくともいずれかの上記仮想コイル対を対象とし、対象とした上記仮想コイル対を構成するすべての上記仮想特定コイルの位置を避けて配置され、
    上記上層コイル及び上記下層コイルのそれぞれの上記コイル辺は、上記ベースコイルの配置が回避されている各上記仮想特定コイルのそれぞれの上記コイル辺の位置に配置されている回転電機。
  2. 各上記ベースコイルは、各上記仮想コイル対のすべての上記仮想特定コイルの位置を避けて配置され、
    上記上層コイル及び上記下層コイルのそれぞれの上記コイル辺は、上記ベースコイルの配置が回避されているすべての上記仮想特定コイルのそれぞれの上記コイル辺の位置に配置されている請求項1に記載の回転電機。
  3. 上記電機子コアにおける上記スロットの数Qと上記回転子における上記磁極の数Pとの最大公約数をgcd(Q,P)とし、
    電気角幅α°を、
    α=180°×P/gcd(Q,P)
    で表わし、
    各上記仮想コイル対に含まれるそれぞれの上記仮想特定コイル間に挟まれた上記仮想ベースコイルを仮想調整コイルとすると、
    各上記ベースコイルは、上記電気角幅α°の範囲内に位置する各相の上記仮想調整コイルのそれぞれを避けて配置され、
    上記上層コイル及び上記下層コイルのそれぞれの上記コイル辺は、上記電気角幅α°の範囲内で各上記ベースコイルの配置が回避されている各上記仮想調整コイルの少なくともいずれかを挟むそれぞれの上記仮想特定コイルの上記コイル辺の位置に配置されている請求項1又は請求項2に記載の回転電機。
  4. 上記電機子コアは、上記電機子コアの周方向へ並ぶ複数の分割コアに分割されており、
    各上記分割コアの境界の位置は、各上記電機子コイルがいずれも跨らない上記磁極ティースの位置となっている請求項3に記載の回転電機。
  5. 上記電機子コイル群は、上記ベースコイル、上記上層コイル及び上記下層コイルがつくる誘起電圧の合成ベクトルの大きさを各相で大きくする誘起電圧をそれぞれつくる複数の追加コイルを上記電機子コイルとしてさらに有し、
    各上記仮想調整コイルのそれぞれの上記コイル辺の位置には、上記追加コイルの上記コイル辺が配置され、
    各上記追加コイルの上記コイルエンドは、上記電機子コアの周方向に対して上記ベースコイルの上記コイルエンドとは逆向きに傾いた状態で、上記上層コイル、上記下層コイル及び上記ベースコイルがいずれも跨らない上記磁極ティースを避けて配置されており、
    各上記追加コイルの上記コイルエンドが跨ぐ上記磁極ティースの数は、各上記追加コイルで同じになっている請求項3又は請求項4に記載の回転電機。
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