JPWO2015072328A1 - 磁界発生装置及びリニアモータ - Google Patents

磁界発生装置及びリニアモータ Download PDF

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Abstract

磁界発生空間に対向するヨークの一面に、複数の主極及び補極を夫々の主面を揃えて交互に並設する。主極は、並設方向の中央位置では主面に直交する磁化方向を有し、中央位置の両側では主面に対する傾斜角度を連続的に減じる磁化方向を有する集中配向磁石とする。補極は、主面と平行な磁化方向を有する磁石であり、主面に向けて磁化された主極に夫々の磁化方向を向けて配置する。主極の内部には磁化方向の急変部が存在せず、減磁界の増加を抑え、熱減磁の影響による不可逆減磁の発生を抑制できる。従って、主極に高残留磁束密度の材質を使用することができ、この主極の形成磁界を補極の作用により強化して可及的に高い磁束密度を実現することができる。

Description

本発明は、希土類磁石を用いた磁界発生装置、及びこれを用いて構成されるリニアモータに関する。
リニアモータは、磁界発生装置が発生する磁界中にコイルを配し、該コイルの通電制御により磁界発生装置とコイルとを相対移動させるモータである。磁界発生装置は、磁界発生空間を隔てて対向配置した一対のヨークの夫々に、複数の磁石を、相隣する磁石の磁化方向が逆向きとなるように並設して構成されている。近年においては、希土類鉄ホウ素系磁石等の高い残留磁束密度Brを有する磁石を用い、更に、磁石の配列及び構成を工夫することにより、高磁束密度の磁界発生が可能であり、小型、軽量化された磁界発生装置及びリニアモータを実現する試みがなされている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1に記載の磁界発生装置は、ハルバッハ配列と称される磁石配列を採用している。ハルバッハ配列とは、磁界発生空間に対向する主面と直交する磁化方向を有する磁石(主極)を所定の間隔を隔てて並べ、各主極間に主面と平行な磁化方向を有する磁石(補極)を介在させる配列である。補極は、磁化方向が主面に向かう主極(主面の側がN極である主極)の側に夫々の磁化方向を向けて配置されている。
このようなハルバッハ配列を採用した磁界発生装置によれば、主極の対向部に形成される磁界が補極の作用により強化され、高磁束密度を有する磁界の形成が可能となるが、一方では、磁化方向が異なる主極と補極とが相隣する境界部分の減磁界が増加し、使用環境下での温度上昇に伴う熱減磁の影響により不可逆減磁を招来し、磁束密度が経時的に低下するという問題がある。
この問題に対応するために特許文献1には、補極の主極との境界面の少なくとも主面近傍に、重希土類(Dy:ジスプロシウム、Tb:テルビウム等)の拡散により保磁力を高めた高保磁力層を形成することが開示されている。更に、主極(第1磁石)と補極(第2磁石)との間に、主面に対して傾斜する磁化方向を有する第3磁石を介在させ、各磁石の境界面の主面近傍位置に、前述した高保磁力層を形成することも開示されている。
また特許文献2には、主面と直交する配向方向を有する磁石の両側に、主面に対して傾斜する配向方向を有する磁石を主面を揃えて固定し、これらを、中央の磁石の配向方向と一致する磁界中で磁化してなる磁石ユニットが開示されている。
この磁石ユニットは、特許文献1に記載された磁界発生装置において、主極を構成する第1磁石と第3磁石とを予め一体化させたユニットとして使用することができる。この場合、相隣する磁石ユニットの磁化の向きが互いに離れる方向となることから、磁路の短絡の発生を抑制し、磁界発生空間の磁束密度を高めることができ、磁界発生装置の小型、軽量化にも対応可能である。
特開2010−136516号公報 特開2010−50440号公報
しかしながら特許文献1に開示された磁界発生装置においては、前述した主極、補極を構成する第1、第2磁石、更に第3磁石は、ヨークの一面に前述した位置関係が得られるように固定される必要があり、夫々の磁力に抗して実施される固定作業に多大の手間を要し、正確な位置関係を保って固定することが難しいという問題がある。
また、高保磁力層を形成するための重希土類は、希少で高価な材料であり、前述した各位置への高保磁力層の形成により製品コストの上昇を招来する。更に、大型の磁石を使用する磁界発生装置においては、重希土類を拡散させる必要厚さも大となり、高保磁力層の形成による保磁力の増加に限界がある。
特許文献2に記載の磁石ユニットは、主極を構成する第1の磁石と第3の磁石とを、磁化前に一体化することから、前述した固定作業の手間を削減することができるが、中央の磁石と両側の磁石との間で磁化方向が急変することから、夫々の磁石の境界部分での減磁界が増加し、使用環境下での熱減磁の影響により、磁石ユニット内で不可逆減磁を発生する虞れがある。
また特許文献2には、残留磁束密度Br及び保磁力Hcjが異なる2種の磁石を用い、相対的に残留磁束密度が小さく保磁力が大きい磁石をヨーク側に、残留磁束密度が大きく保磁力が小さい磁石を磁界発生空間側に夫々配置することで減磁界の軽減を図った磁界発生装置を構成することが開示されている。しかしながら、この磁界発生装置においては、2種類の磁石を必要とし、構成が複雑化する上、Brが小さい磁石の併用により、磁界発生空間の磁束密度の向上に限界がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、熱減磁の発生を軽微に抑え、且つ磁界発生空間内で可及的に高い磁束密度を得ることができる簡素な構成の磁界発生装置を提供し、この磁界発生装置の使用により高出力が得られるリニアモータを提供することを目的とする。
本発明に係る磁界発生装置は、磁界発生空間を隔てて対向する一対のヨークの一面に、複数の主極と複数の補極とを前記磁界発生空間に向けた夫々の主面を揃えて交互に並設し、前記主極により形成される磁界を前記補極の作用により強化するように構成された磁界発生装置において、前記主極は、並設方向の中央位置では前記主面に直交し、該中央位置の両側では前記主面に対する傾斜角度を連続的に減じる磁化方向を有する集中配向磁石であり、相隣する主極と磁化の向きを逆として並設してあり、前記補極は、前記主面と平行な磁化方向を有する磁石であり、前記主面に向けて磁化された前記主極に夫々の磁化方向を向けて配置してあることを特徴とする。
本発明においては、磁化方向が連続的に変化し、主面の中央に集中する集中配向磁石を主極として用い、この主極と主面に対して平行な磁化方向を有する補極とをヨークの一面にハルバッハ配列して磁界発生装置を構成する。主極の磁化方向は、連続的に変化し、主極の内部には磁化方向の急変部が存在しない。従って、主極内部での減磁界の増加を抑え、熱減磁の影響による不可逆減磁の発生を抑制できるため、不可逆減磁を抑えるために主極に高保磁力の材質ではなく高残留磁束密度の材質を使用することができ、可及的に高い磁束密度を実現することが可能となる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記主極及び補極の断面形状が、並設方向の幅が略一定の矩形形状であることを特徴とする。
本発明においては、一定幅の矩形形状を有する主極及び補極を並設して磁界発生装置を構成する。矩形形状の主極及び補極は、成形が容易で高精度に構成することができる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記補極の並設方向の幅が、前記ヨークの側に対して前記ヨークの反対側が長くしてあり、前記主極の並設方向の幅が、前記ヨークの反対側に対して前記ヨークの側が長くしてあることを特徴とする。
本発明においては、減磁が発生しやすい磁界発生空間に面する側での補極の幅が大きいため、磁化方向の磁石の長さが長くなり、減磁の発生を抑えることができる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記主極及び補極の断面形状が等脚台形であることを特徴とする。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記主極の断面形状が等脚台形であり、前記補極の断面形状が三角形であることを特徴とする。
これらの発明では、単純な形状で減磁が発生し難い補極を実現することができる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記主極及び補極の一方又は両方は、夫々との境界面に形成された高保磁力層を有することを特徴とする。
本発明においては、磁化方向の変化が大きい主極と補極との境界部分に高保磁力層を設けたから、当該部分の熱減磁の影響を軽減して不可逆減磁の発生を抑制できる。高保磁力層は、主極と補極との間に限って設ければよく、製品コストの上昇程度は小さい。
また本発明に係る磁界発生装置は、磁界発生空間を隔てて対向する一対の非磁性体製の保持体の一面に、複数の主極と複数の補極とを前記磁界発生空間に向けた夫々の主面を揃えて交互に並設し、前記主極により形成される磁界を前記補極の作用により強化するように構成された磁界発生装置において、前記主極は、並設方向の中央位置では前記主面に直交し、該中央位置の両側では前記主面に対する傾斜角度を連続的に減じる磁化方向を有する集中配向磁石であり、相隣する主極と磁化の向きを逆として並設してあり、前記補極は、前記主面と平行な磁化方向を有する磁石であり、前記主面に向けて磁化された前記主極に夫々の磁化方向を向けて配置してあることを特徴とする。
本発明においては、磁化方向が連続的に変化し、主面の中央に集中する集中配向磁石を主極として用い、この主極と主面に対して平行な磁化方向を有する補極とを非磁性体製の保持体の一面にハルバッハ配列して磁界発生装置を構成する。主極の磁化方向は、連続的に変化し、主極の内部には磁化方向の急変部が存在しない。従って、主極内部での減磁界の増加を抑え、熱減磁の影響による不可逆減磁の発生を抑制できるため、不可逆減磁を抑えるために主極に高保磁力の材質ではなく高残留磁束密度の材質を使用することができ、可及的に高い磁束密度を実現することが可能となる。非磁性体製の保持体としては、アルミニウム,CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等の軽量材を用いることができ、磁界発生装置の軽量化を図ることができる。
更に本発明に係るリニアモータは、以上の如き磁界発生装置と、該磁界発生装置が発生する磁界中に配したコイルとを備え、該コイルと前記磁界発生装置とを、前記主極及び補極の並設方向に相対移動させることを特徴とする。
本発明においては、上記した磁界発生装置の発生磁界中にコイルを配してリニアモータを構成する。磁界発生装置は、熱減磁の影響を受けずに高磁束密度の磁界を形成することができ、種々の環境下での高出力の動作を安定して実現することができる。
また本発明に係る磁界発生装置は、磁界発生空間を隔てて対向する一対のヨークの一面に複数の磁石を、前記磁界発生空間に向けた夫々の主面を揃えて並設してある磁界発生装置において、前記磁石は、並設方向の中央位置では前記主面に直交する磁化方向を有し、前記中央位置の両側では前記主面に対する傾斜角度を連続的に減じる磁化方向を有する集中配向磁石であり、相隣する磁化の向きを逆として並設してあることを特徴とする。
本発明においては、磁化方向が連続的に変化し、主面の中央に集中する集中配向磁石をヨークの一面に並設して磁界発生装置を構成する。磁石の内部には磁化方向の急変部が存在せず、減磁界の発生を緩和でき、熱減磁の影響による不可逆減磁の発生を抑制でき、また相隣する磁石間での磁路の短絡を低減できる。従って、不可逆減磁を抑えるために磁石に高保磁力の材質ではなく高残留磁束密度の材質を使用することができ、磁界発生空間に可及的に高い磁束密度を実現することが可能となる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記複数の磁石が、並設方向の幅が略一定の矩形断面を有することを特徴とする。
本発明においては、一定幅の矩形形状の磁石を並設して磁界発生装置を構成する。矩形形状の磁石は、成形が容易で高精度に構成することができる
また本発明に係る磁界発生装置は、前記複数の磁石が、相互に離間させてあることを特徴とする。
本発明においては、相隣する磁石が離間しており、磁石の並設間隔を離間量の増減により適正に調整することができる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記複数の磁石が、相互に隣接させてあることを特徴とする。
本発明においては、相隣する磁石が隣接しており、磁界発生空間の磁束密度を高めることができる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記磁石が、並設方向の幅が前記ヨークの側で広く、前記主面の側で狭い断面形状を有していることを特徴とする。
本発明においては、並設方向の磁石の幅が狭い主面近傍で、相隣する磁石との間隔を広くすることができ、磁石間での磁路の短絡をより低減することができ、磁界発生空間に可及的に高い磁束密度を実現することが可能となる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記複数の磁石が、前記ヨークの側で相互に離間させてあることを特徴とする。
本発明においては、相隣する磁石が離間しており、磁石の並設間隔を離間量の増減により適正に調整することができる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記複数の磁石が、前記ヨークの側で相互に隣接させてあることを特徴とする。
本発明においては、相隣する磁石が隣接しており、磁界発生空間の磁束密度を更に高めることができる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記磁石の断面形状が等脚台形であることを特徴とする。
本発明では、磁石の断面形状が等脚台形であり、磁化方向を中央に良好に集中させることができ、磁界発生空間に比較的均一な磁束密度波形を実現することができる。
また本発明に係る磁界発生装置は、前記複数の磁石が、並設方向両側の側面に形成された高保磁力層を有することを特徴とする。
磁石の角部、特にヨークと反対側の角部は、減磁界が大きく減磁しやすい部位である。本発明においては、製作する磁界発生装置に要求される熱減磁の規格が厳しい場合に各磁石の側面に高保磁力層を設けることで、当該部分の熱減磁の影響を軽減して不可逆減磁の発生を抑制できる。高保磁力層は、重希土類(Dy:ジスプロシウム、Tb:テルビウム等)を拡散させた拡散層として形成することができる。高保磁力層は、磁石の側面に限って設ければよく、高価な重希土類の使用による製品コストの上昇程度は小さい。
また本発明に係る磁界発生装置は、磁界発生空間を隔てて対向する一対の非磁性体製の保持体の一面に複数の磁石を、前記磁界発生空間に向けた夫々の主面を揃えて並設してある磁界発生装置において、前記磁石は、並設方向の中央位置では前記主面に直交する磁化方向を有し、前記中央位置の両側では前記主面に対する傾斜角度を連続的に減じる磁化方向を有する集中配向磁石であり、相隣する磁化の向きを逆として並設してあることを特徴とする。
本発明においては、磁化方向が連続的に変化し、主面の中央に集中する集中配向磁石を非磁性体製の保持体の一面に並設して磁界発生装置を構成する。磁石の内部には磁化方向の急変部が存在せず、減磁界の発生を緩和でき、熱減磁の影響による不可逆減磁の発生を抑制でき、また相隣する磁石間での磁路の短絡を低減できる。従って、不可逆減磁を抑えるために磁石に高保磁力の材質ではなく高残留磁束密度の材質を使用することができ、磁界発生空間に可及的に高い磁束密度を実現することが可能となる。非磁性体製の保持体としては、アルミニウム,CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等の軽量材を用いることができ、磁界発生装置の軽量化を図ることができる。
更に本発明に係るリニアモータは、以上の如き磁界発生装置と、該磁界発生装置が発生する磁界中に配したコイルとを備え、該コイルと前記磁界発生装置とを、前記複数の磁石の並設方向に相対移動させることを特徴とする。
本発明においては、上記した磁界発生装置の発生磁界中にコイルを配してリニアモータを構成する。磁界発生装置は、熱減磁の影響を受けずに高磁束密度の磁界を形成することができ、種々の環境下での高出力の動作を安定して実現することができる。
本発明に係る磁界発生装置においては、磁化方向が連続的に変化する集中配向磁石を主極として用い、ヨーク又は非磁性体製の保持体の一面に補極と共に並設したから、主極と補極との相互作用により高磁束密度の磁界発生が可能であり、また主極の内部での減磁界の増加を抑え、熱減磁の影響による不可逆減磁の発生を抑制することが可能であるため主極に高残留磁束密度の材質を使用でき、更に磁束密度の経時的な低下を防止することができる。
本発明に係る磁界発生装置においては、磁化方向が連続的に変化する集中配向磁石をヨーク又は非磁性体製の保持体の一面に並設したから、高磁束密度の磁界発生が可能であり、また磁石内部での減磁界の発生が緩和され、熱減磁の影響による不可逆減磁の発生を抑制することが可能であるため、高残留磁束密度の材質を使用でき、更に磁束密度の経時的な低下を防止することができる。
実施の形態1に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る磁界発生装置の作用、効果の説明図である。 実施の形態1に係る磁界発生装置の作用、効果の説明図である。 実施の形態2に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る磁界発生装置を用いたリニアモータの一構成例を示す断面図である。 実施の形態5に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る磁界発生装置の作用、効果の説明図である。 実施の形態5に係る磁界発生装置の作用、効果の説明図である。 実施の形態6に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。 実施の形態7に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。 実施の形態8に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。 実施の形態9に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る磁界発生装置を用いたリニアモータの一構成例を示す断面図である。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、実施の形態1に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。この磁界発生装置は、磁界発生空間となすべき空隙を隔てて対向配置された一対のヨーク(継鉄)3,3と、両ヨーク3,3の夫々との対向面に並設された複数の主極1,1…及び補極2,2…とを備えている。主極1及び補極2の断面形状は、並設方向の幅が夫々略一定の矩形形状である。
主極1及び補極2は、希土類鉄ホウ素系磁石等の高い残留磁束密度Brを有する磁石である。この種の磁石は、ネオジム(Nd)等の希土類、鉄(Fe)及びホウ素(B)を所定の比率で含む合金粉末を磁場中で圧縮成形した後、不活性気体又は真空下で焼結することにより、前記磁場の方向を配向方向とする焼結体を構成し、この焼結体に外部磁場を加えて磁化することにより製造される。
図1中の矢符は、主極1及び補極2の磁化方向を示している。図示の如く主極1は、磁界発生空間との対向面(主面)の中央位置では、該主面に対して直交する磁化方向を有する一方、中央位置の両側では、主面に対して傾斜し、この傾斜角度が端部に向けて連続的に減少する磁化方向を有している。
このような磁化方向を有する主極1は、前述した合金粉末の圧縮成形を、主面の中央から放射状に拡がる磁場中で実施し、その後の焼結工程を経て得られた焼結体を主面と直交する外部磁場中で磁化する手順で製造される。この種の磁石は、配向方向が主面の中央に集中することから、集中配向磁石と称される。
外部磁場の方向は、主面の中央では配向方向と一致する一方、両側では配向方向に対して傾斜するが、傾斜角度が過度に大きくない場合、磁化方向は配向方向と一致するから、主極1は、図1中に示すように連続的に磁化方向が変化する磁石として構成される。主極1の磁化の向きは、磁化する際の外部磁場の向きに依存する。主極1は、逆向きの磁場中での磁化により、前記磁界発生空間に対向する主面の側をN極とした磁石と、主面の側をS極とした磁石との2種類で構成されている。このような主極1は、ヨーク3の長手方向に所定の間隔を隔て、異なる磁極が相隣するように、ヨーク3の長手方向に所定の間隔を隔てて並設してある。
一方補極2は、前記磁界発生空間に対向する主面に対して平行な配向方向を有して製造された焼結体を、配向方向と同方向の外部磁場を加えて磁化し、主面に対して平行な磁化方向を有する磁石として構成されている。このような補極2は、磁化の向きを逆とした2種類を、図1に示す如く、前述の如く並設された主極1,1間に、主面側がN極である主極1の側に夫々の磁化方向を向けて介在させてある。
磁界発生装置は、以上のように主極1、補極2を並設した一対のヨーク3,3を,異なる磁極を有する主極1,1が対向するように配置して構成されている。この磁界発生装置によれば、主極1,1の対向部間に形成される磁界が両側の補極2,2の作用により強化されて、図1中に白抜矢符にて示すように、磁界発生空間に高い磁束密度を有する磁界を発生することができる。
主極1は、前述の如く磁化方向が設定された集中配向磁石として構成されており、主極1,1の対向部間に磁束を集中させることができ、磁界発生空間の磁束密度を更に高めることが可能となる。主極1の磁化方向は、主面の中央部から両側に向けて連続的に変化している。換言すれば、主極1は、主面に対する傾斜角度が僅かづつ異なる多数の磁石を、主面を揃えて並べた構成を有しており、磁化方向の急変部分が存在しない。従って、主極1の内部の減磁界が増加する虞れを緩和することができ、使用環境下での熱減磁の発生を軽減し、磁界発生空間における磁束密度の経時的な低下を防止することができる。
図2,図3は、実施の形態1に係る磁界発生装置の作用、効果の説明図である。図2は特許文献1に記載されているハルバッハ配列を採用した従来の磁界発生装置であり、図3は実施の形態1の集中配向磁石を主極に用いたハルバッハ配列を採用した磁界発生装置であって、それぞれ対向するヨーク3、主極1及び補極2で構成される磁界発生装置の片側を示している。図中の矢符は、磁化の方向を示し、矢符の長さは、磁化方向での磁石長さを示している。
両図中に実線の三角で示した領域は磁石の配列により減磁が起きやすい部位である。図2において減磁の起きやすい部位は,主極1については、ヨーク3との接合部側であって補極2の近傍部位(A部)であり、補極2については、ヨーク3との接合部とは反対側の部位(B部)である。
これに対し図3においては、主極1として集中配向磁石が用いられており、減磁しやすい部位を含めた磁化方向の磁石長さが長くなり、破線の三角で示した領域A(図2のA部に対応する)においても減磁を抑えることができる。言い換えるとパーミアンス係数が大となるため減磁を抑えることができる。
なお、図3に示す磁界発生装置においても、上記の通り、主極1の磁化方向は、主面に対して傾斜しており、補極2の磁化方向は、主面に対して平行であるから、主極1と補極2との境界部分(図3中のB部)には、磁化方向の急変部分が存在し減磁界が増加する虞れがある。この場合補極2については高い保磁力を有する磁石を使用することで減磁を抑えることができるが、同時に残留磁束密度が低下するため磁界発生空間での磁束密度が低下する虞がある。
補極2に高い残留磁束密度の材質を用い、高い磁束密度を維持しながら同時に減磁を抑える構成について説明する。図4は、実施の形態2に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。この磁界発生装置は、実施の形態1と同様の主極1及び補極2を備え、これらを一対のヨーク3,3の対向面に並設して構成されている。
この磁界発生装置は、更に、主極1及び補極2の境界部分に、高保磁力層4が設けてある。高保磁力層4は、特許文献1に開示されているように、Dy,Tb等の重希土類を拡散させた拡散層として形成することができる。このように設けられる高保磁力層4は、主極1と補極2との境界部分の保磁力を高めて、熱減磁の発生を軽減する作用をなす。高保磁力層4は、主極1及び補極2のいずれか一方に設ければよいが、主極1及び補極2の両方に設けてもよい。
図5は、実施の形態3に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図であり、図2及び図3と同様、対向するヨーク3,主極1及び補極2で構成される磁界発生装置の片側を示している。
この磁界発生装置の主極1、補極2は、斜辺の傾斜が等しい等脚台形の断面形状を有しており、主極1は、ヨーク3の側に下底を向け、補極2は、ヨーク3の側に上底を向けて交互に並べ、それぞれの斜辺を当接させた態様で配置してある。
この磁界発生装置においては、補極2の減磁の起きやすい部位(図2のB部に対応する部位)であるヨーク3との接合部と反対側の部位は、断面視での幅が相対的に大きくなっている、言い換えると磁化方向の磁石長さが長くなっており、パーミアンス係数が高くなるため減磁し難い。従って、主極1及び補極2の破線の三角で示す領域での減磁の発生を抑えることができる。
図6は実施の形態4に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図であり、図2,3,5と同様、対向するヨーク3,主極1及び補極2で構成される磁界発生装置の片側を示している。
この実施の形態の磁界発生装置の主極1は、実施の形態3と同様、等脚台形の断面形状を有する一方、補極2は、実施の形態3とは異なり、主極1と傾斜及び長さが等しい斜辺を有する2等辺三角形の断面形状を有している。主極1と補極2とは、主極1の下底、補極2の頂点をヨーク3の側に向けて交互に並べ、それぞれの斜辺を合わせた態様で配置してある。
実施の形態4の磁界発生装置においても、実施の形態3と同様、補極2の減磁の起きやすい部位(図2のB部に対応する部位)であるヨーク3との接合部の反対側は、断面視での幅が相対的に大きくなっている、言い換えると磁化方向の磁石長さが長くなっており、パーミアンス係数が大きく減磁し難い。従って、主極1及び補極2の破線の三角で示す領域での減磁の発生を抑えることができる。
実施の形態3及び実施の形態4に示すように、ヨーク3に接する側の幅に対して、ヨーク3とは反対側の幅が大きい補極2を用いることで、ヨーク3と反対側の部位のパーミアンス係数を高くして補極2における減磁の発生を抑えることができる。
実施の形態3及び実施の形態4においては補極2の材質として高い保磁力を有する材質ではなく高い残留磁束密度の材質を使用することができるため、高い磁束密度を有する磁界発生装置を実現できる。なお、実施の形態3,4に示す形状の補極2を使用した場合でも若干の減磁がある場合には、残留磁束密度を若干低下させ保磁力を若干増加させた材質の補極2を使用することで、磁界発生空間の磁束密度の低下を抑えた上で減磁を抑えた磁界発生装置を実現できる。
また実施の形態2に示したように主極1と補極2の境界部分にDy、Tb等の重希土類を拡散させた高保磁力層4を形成する必要性も低下し、工程の簡略化をはかることができる。ただし磁石特性における保磁力と残留磁束密度のバランスにおいて重希土類の拡散により高保磁力層4を形成した方がよい場合には、実施の形態2と同様に高保磁力層4を形成してもよい。
なお、以上の実施の形態1〜4の夫々において、アルミニウム,CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等の非磁性体製の保持体をヨーク3に代えて使用し、該保持体の一面に主極1及び補極2を並設保持させてもよい。非磁性体製の保持体は、ヨーク3に比較して軽量であり、磁界発生装置の軽量化を図ることができる。
図7は、実施の形態1に係る磁界発生装置を用いたリニアモータの一構成例を示す断面図である。図示のリニアモータは、固定配置された主極1及び補極2の対向部間に、コイル5を備えるコイルモジュール6を配して構成されている。コイルモジュール6は、主極1及び補極2の並設方向に延びるガイドレール7に支持され、該ガイドレール7の延設方向に沿って移動可能な可動子を構成している。
このように構成されたリニアモータにおいては、コイルモジュール6に設けたコイル5の通電制御により、コイルモジュール6に主極1及び補極2の並設方向に沿った移動力が加わり、可動子としてのコイルモジュール6は、ガイドレール7による案内下で直線移動する。
コイルモジュール6が配される磁界発生空間には、主極1及び補極2の前述した作用により高磁束密度の磁界が生じており、またこの磁界は、使用環境下での熱減磁を受け難く、磁束密度の経時的な低下が抑制されるから、長期に亘って安定した高出力での動作が可能なリニアモータを提供することができる。
なお、図7に示すリニアモータにおいても、磁界発生装置の主極1と補極2との間に高保磁力層4を設けることができ、これにより、熱減磁を更に低減することが可能となる。なお図7には、コイルモジュール6を可動子とするリニアモータを示したが、コイルモジュール6を固定子とし、磁界発生装置(主極1、補極2及びヨーク3)を可動子とするリニアモータを同様に構成し得ることは言うまでもない。また、実施の形態2〜4の磁界発生装置を用いても同様のリニアモータを構成することができる。
図8は、実施の形態5に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。この磁界発生装置は、磁界発生空間を隔てて対向配置された一対のヨーク(継鉄)20,20と、両ヨーク20,20の夫々との対向面に並設された複数の磁石10,10…を備えている。
磁石10は、希土類鉄ホウ素系磁石等の高い残留磁束密度Brを有する磁石である。この種の磁石10は、ネオジム(Nd)等の希土類、鉄(Fe)及びホウ素(B)を所定の比率で含む合金粉末を磁場中で圧縮成形した後、不活性気体中又は真空下で焼結して前記磁場の方向を配向方向とする焼結体を構成し、この焼結体に外部磁場を加えて磁化することにより製造される。
図8中の矢符は、磁石10の磁化方向を示している。磁石10は、図示の如く、磁界発生空間との対向面(主面)の中央位置では、該主面に対して直交する磁化方向を有する一方、中央位置の両側では、主面に対して傾斜し、この傾斜角度が端部に向けて連続的に減少する磁化方向を有している。
このような磁化方向を有する磁石10は、前述した合金粉末の圧縮成形を、主面の中央から放射状に拡がる磁場中で実施し、その後の焼結工程を経て得られた焼結体を主面と直交する外部磁場中で磁化する手順で製造される。この種の磁石10は、配向方向が主面の中央に集中することから、集中配向磁石と称される。
外部磁場の方向は、主面の中央では配向方向と一致する一方、両側では配向方向に対して傾斜するが、傾斜角度が過度に大きくない場合、磁化方向は配向方向と一致するから、磁石10は、図8中に矢印で示すように連続的に磁化方向が変化する磁石として構成される。磁石10の磁化の向きは、外部磁場の向きに依存する。磁石10は、逆向きの磁場中での磁化により、前記磁界発生空間に対向する主面の側をN極としたものと、主面の側をS極としたものとの2種類で構成されている。このような磁石10は、相互間に所定の間隔を隔て、異なる磁極が相隣するようにヨーク20の長手方向に並設してある。
磁界発生装置は、以上のように磁石10,10…を並設した一対のヨーク20,20を,異なる磁極を有する磁石10,10が対向するように配置して構成されている。この磁界発生装置によれば、磁石10,10の対向部間の磁界発生空間に、図8中に白抜矢符により示す如く、高い磁束密度を有する磁界を発生することができる。
磁石10は、前述の如く磁化方向が設定された集中配向磁石として構成されており、磁石10,10の対向部間に磁束を集中させることができ、磁界発生空間の磁束密度を高めることが可能となる。磁石10の磁化方向は、主面の中央部から両側に向けて連続的に変化している。換言すれば、磁石10は、主面に対する磁化方向の傾斜角度が僅かづつ異なる多数の磁石を、主面を揃えて並べた構成を有しており、磁石10の内部には、磁化方向の急変部分が存在しない。従って、磁石10の内部に大きい減磁界が発生する虞れを緩和することができ、使用環境下での熱減磁の影響を軽減し、磁界発生空間における磁束密度の経時的な低下を防止することができる。また相隣する磁石10,10が並設方向に離間しており、磁石10,10…の並設間隔を離間量の増減により適正に調整することができる。
図9,図10は、実施の形態5に係る磁界発生装置の作用、効果の説明図である。図9は磁界発生空間に対向する主面に対して直交する磁化方向を有する磁石10,10…を用いた従来の磁界発生装置であり、図10は実施の形態5の磁界発生装置であって、それぞれ対向するヨーク20及び磁石10で構成される磁界発生装置の片側を示している。
図9、10中の矢符は、磁石10内の磁化方向を示し、矢符の長さは磁化方向での磁石長さを示している。図9、10中にCで示す部位、即ち、並設方向の両側部位での磁化方向の磁石長さは、図10において、図9におけるよりも実質的に長くなっている。従って、図10に示す磁界発生装置においては、パーミアンス係数が大きく、減磁しにくい。
また図9、図10中の白抜矢符は、相隣する磁石10,10間の磁路の短絡の様子を示している。図10に示す磁界発生装置では,相隣する磁石10,10の端部における磁化の方向が互いに離反する方向であり、これらの磁石10,10間での磁路の短絡は、図9に示す磁界発生装置におけるよりも長い経路間で生じることとなる。従って、図10に示す磁界発生装置においては、相隣する磁石10,10間での磁路の短絡を低減し、各磁石10から磁界発生空間にでる磁束量を大きくし、高磁束密度の磁界を発生することが可能となる。
図11は、実施の形態6に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。この磁界発生装置は、実施の形態5と同様、集中配向磁石として構成された複数の磁石10,10…を、一対のヨーク20,20の対向面に並設して構成されているが、各磁石10は、夫々の両側の磁石10,10と隣接させて配置されている。この磁界発生装置においては、ヨーク20の一面に並ぶ磁石10,10…が相互に隣接させてあることから、磁界発生空間における磁束量がより増大し、高磁束密度の磁界を発生することが可能となる。
一方、隣接配置された磁石10,10間での磁路の短絡は、実施の形態5と比較した場合には生じ易いが、図9に示す従来の磁界発生装置に比較した場合には生じ難く、磁路短絡の低減効果も期待し得る。
図12は、実施の形態7に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図である。この磁界発生装置は、実施の形態5と同様、一対のヨーク20,20の対向面に複数の磁石10,10…を、相互間に所定の間隔を隔てて並設して構成されている。この磁界発生装置においては、更に、各磁石10の並設方向両側の側面に高保磁力層30が形成されている。
高保磁力層30は、Dy,Tb等の重希土類を、表面から適宜の深さに亘って拡散させた拡散層として形成することができる。このように設けられる高保磁力層30は、各磁石10の側面部分の保磁力を高めて、熱減磁の影響を軽減する作用をなす。
なお高保磁力層30は、並設方向両側の側面に加えて、特に減磁界の影響が大きい各磁石10のヨーク20と反対側の角部周辺に形成してもよい。更には、各磁石10の側面全面ではなく、ヨーク20と反対側の角部に近い側面のみ高保磁力層30を形成するか、又は前記角部に近い側面及び主面に高保磁力層30を形成してもよい。
図13は、実施の形態8に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図であり、図9〜11と同様、対向するヨーク20及び複数の磁石10,10…で構成される磁界発生装置の片側を示している。この磁界発生装置の磁石10は、斜辺の傾斜が等しい等脚台形の断面形状を有しており、各磁石10は、ヨーク20の側に下底を向け、磁界発生空間の側に上底を向けて配置してある。また磁石10,10…は、実施の形態5と同様、幅広となるヨーク20の側で相互間に所定の間隔を隔てて並べてある。
この磁界発生装置においては、各磁石10の並設方向の幅が、磁界発生空間に対向する主面の側で狭く、ヨーク20の側で広い。これにより、磁石10,10間の間隔は、ヨーク20の側でYであるのに対し、磁界発生空間への対向側ではX(>Y)となる。従って、相隣する磁石10,10間の磁路の短絡は、図中に白抜矢符にて示す如く、図10に示す実施の形態5よりも長い経路間で生じることとなり、磁路の短絡を一層低減でき、高磁束密度の磁界を発生することが可能となる。
以上の効果は、各磁石10が主面の側で狭幅でヨーク20の側で広幅であることで実現されるから、各磁石10の断面形状は、図13に示す等脚台形に限らず、不等脚台形であってもよく、更には、斜辺が凹又は凸となった台形状であってもよい。なお、各磁石10の断面形状を図13に示す等脚台形とした場合、磁石10内の磁化方向を中央に良好に集中させることができ、磁界発生空間に均一な磁束密度波形を実現することができる。
図14は、実施の形態9に係る磁界発生装置の概略構成を示す断面図であり、図9〜11、図13と同様、対向するヨーク20及び複数の磁石10,10…で構成される磁界発生装置の片側を示している。この磁界発生装置は、実施の形態8と同様の等脚台形の磁石10,10…が使用されているが、これらは、幅広となったヨーク20の側で相互に隣接するように並設されている。
この磁界発生装置においては、実施の形態8と同様の作用効果が得られ、更に、ヨーク20の一面に並ぶ磁石10,10…が隣接しており、磁界発生空間の磁束密度を更に高めることが可能となる。
なお、実施の形態8、9においても、実施の形態7と同様に、各磁石10の並設方向両側の側面に高保磁力層30を設けることができる。
なお、以上の実施の形態5〜9の夫々において、アルミニウム,CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等の非磁性体製の保持体をヨーク20に代えて使用し、該保持体の一面に磁石10を並設保持させてもよい。非磁性体製の保持体は、ヨーク20に比較して軽量であり、磁界発生装置の軽量化を図ることができる。
図15は、実施の形態5に係る磁界発生装置を用いたリニアモータの一構成例を示す断面図である。図示のリニアモータは、磁石10,10…の対向部間に、コイル40を備えるコイルモジュール50を配して構成されている。コイルモジュール50は、磁石10,10…の並設方向に延びるガイドレール60に支持され、該ガイドレール60の延設方向に沿って移動可能な可動子を構成している。
このように構成されたリニアモータにおいては、コイルモジュール50に設けたコイル40の通電制御により、コイルモジュール50に磁石10,10…の並設方向に沿った移動力が加わり、可動子としてのコイルモジュール50は、ガイドレール60による案内下で直線移動せしめられる。
コイルモジュール50が配される磁界発生空間には、前述した作用により高磁束密度の磁界が生じており、またこの磁石は、使用環境下での熱減磁を受け難く、磁束密度の経時的な低下が抑制されるから、長期に亘って安定した高出力での動作が可能なリニアモータを提供することができる。
なお、図15に示すリニアモータは、実施の形態6〜9に係る磁界発生装置を用いて同様に構成することができる。また図15には、コイルモジュール50を可動子とするリニアモータを示したが、コイルモジュール50を固定子とし、磁界発生装置(磁石10及びヨーク20)を可動子とするリニアモータを同様に構成し得ることは言うまでもない。
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 主極
2 補極
3 ヨーク
4 高保磁力層
5 コイル
10 磁石
20 ヨーク
30 高保磁力層
40 コイル

Claims (19)

  1. 磁界発生空間を隔てて対向する一対のヨークの一面に、複数の主極と複数の補極とを前記磁界発生空間に向けた夫々の主面を揃えて交互に並設し、前記主極により形成される磁界を前記補極の作用により強化するように構成された磁界発生装置において、
    前記主極は、並設方向の中央位置では前記主面に直交し、該中央位置の両側では前記主面に対する傾斜角度を連続的に減じる磁化方向を有する集中配向磁石であり、相隣する主極と磁化の向きを逆として並設してあり、
    前記補極は、前記主面と平行な磁化方向を有する磁石であり、前記主面に向けて磁化された前記主極に夫々の磁化方向を向けて配置してあることを特徴とする磁界発生装置。
  2. 前記主極及び補極の断面形状は、並設方向の幅が略一定の矩形形状であることを特徴とする請求項1に記載の磁界発生装置。
  3. 前記補極の並設方向の幅は、前記ヨークの側に対して前記ヨークの反対側が長くしてあり、前記主極の並設方向の幅は、前記ヨークの反対側に対して前記ヨークの側が長くしてあることを特徴とする請求項1に記載の磁界発生装置。
  4. 前記主極及び補極の断面形状は等脚台形であることを特徴とする請求項3に記載の磁界発生装置。
  5. 前記主極の断面形状は等脚台形であり、前記補極の断面形状は三角形であることを特徴とする請求項3に記載の磁界発生装置。
  6. 前記主極及び補極の一方又は両方は、夫々との境界面に形成された高保磁力層を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の磁界発生装置。
  7. 磁界発生空間を隔てて対向する一対の非磁性体製の保持体の一面に、複数の主極と複数の補極とを前記磁界発生空間に向けた夫々の主面を揃えて交互に並設し、前記主極により形成される磁界を前記補極の作用により強化するように構成された磁界発生装置において、
    前記主極は、並設方向の中央位置では前記主面に直交し、該中央位置の両側では前記主面に対する傾斜角度を連続的に減じる磁化方向を有する集中配向磁石であり、相隣する主極と磁化の向きを逆として並設してあり、
    前記補極は、前記主面と平行な磁化方向を有する磁石であり、前記主面に向けて磁化された前記主極に夫々の磁化方向を向けて配置してあることを特徴とする磁界発生装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の磁界発生装置と、該磁界発生装置が発生する磁界中に配したコイルとを備え、該コイルと前記磁界発生装置とを、前記主極及び補極の並設方向に相対移動させることを特徴とするリニアモータ。
  9. 磁界発生空間を隔てて対向する一対のヨークの一面に複数の磁石を、前記磁界発生空間に向けた夫々の主面を揃えて並設してある磁界発生装置において、
    前記磁石は、並設方向の中央位置では前記主面に直交する磁化方向を有し、前記中央位置の両側では前記主面に対する傾斜角度を連続的に減じる磁化方向を有する集中配向磁石であり、相隣する磁化の向きを逆として並設してあることを特徴とする磁界発生装置。
  10. 前記複数の磁石は、並設方向の幅が略一定の矩形断面を有することを特徴とする請求項9に記載の磁界発生装置。
  11. 前記複数の磁石は、相互に離間させてあることを特徴とする請求項10に記載の磁界発生装置。
  12. 前記複数の磁石は、相互に隣接させてあることを特徴とする請求項10に記載の磁界発生装置。
  13. 前記磁石は、並設方向の幅が前記ヨークの側で広く、前記主面の側で狭い断面形状を有していることを特徴とする請求項9に記載の磁界発生装置。
  14. 前記複数の磁石は、前記ヨークの側で相互に離間させてあることを特徴とする請求項13に記載の磁界発生装置。
  15. 前記複数の磁石は、前記ヨークの側で相互に隣接させてあることを特徴とする請求項13に記載の磁界発生装置。
  16. 前記磁石の断面形状は等脚台形であることを特徴とする請求項13乃至請求項15のいずれか一つに記載の磁界発生装置。
  17. 前記複数の磁石は、並設方向両側の側面に形成された高保磁力層を有することを特徴とする請求項9乃至請求項16のいずれか一つに記載の磁界発生装置。
  18. 磁界発生空間を隔てて対向する一対の非磁性体製の保持体の一面に複数の磁石を、前記磁界発生空間に向けた夫々の主面を揃えて並設してある磁界発生装置において、
    前記磁石は、並設方向の中央位置では前記主面に直交する磁化方向を有し、前記中央位置の両側では前記主面に対する傾斜角度を連続的に減じる磁化方向を有する集中配向磁石であり、相隣する磁化の向きを逆として並設してあることを特徴とする磁界発生装置。
  19. 請求項9乃至請求項18のいずれか一つに記載の磁界発生装置と、該磁界発生装置が発生する磁界中に配したコイルとを備え、該コイルと前記磁界発生装置とを、前記複数の磁石の並設方向に相対移動させることを特徴とするリニアモータ。
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