JP6016833B2 - 電気機械 - Google Patents

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この発明は、電動機や発電機などの回転電機やリニアモータなどの直動機などの電気機械に関し、特に、永久磁石からなる主磁極と副磁極などにより構成されるハルバッハ磁石配列構造を有する界磁の構造に関する。
従来の永久磁石同期モータは、主磁極と副磁極をヨーク上に交互に並べて1列に配列して構成されたハルバッハ磁石配列構造を有する界磁と、空隙を介して界磁と対向するように配置される電機子と、を備えている。主磁極は、それぞれ、配列方向と直交するように着磁され、着磁方向がヨーク側と空隙側とに交互に向くように、配列されている。副磁極は、それぞれ、配列方向に着磁され、着磁方向が主磁極を介して対向するように、配列されている。
このように構成された従来の界磁では、副磁極が発生する磁束の磁路は、副磁極から一側の主磁極、空隙および他側の主磁極を通って副磁極に戻る第1の磁路と、副磁極から一側の主磁極、ヨークおよび他側の主磁極を通って副磁極に戻る第2の磁路との2つとなる。第1の磁路を通る磁束の流れ方向は、主磁極の着磁方向と同方向となり、反磁界とはならない。一方、第2の磁路を通る磁束の流れ方向は、主磁極の着磁方向と逆の方向となり、主磁極に対して反磁界として作用する。このため、主磁極が減磁し、発生磁束密度が低下して、モータの出力特性が低下するという問題が発生する。
このような状況を鑑み、副磁極を配列方向に1列に配列された3つの永久磁石により構成し、磁束が、一側の主磁極の主面近傍から、ヨーク側に湾曲して、他方の主磁極の主面近傍に戻るように、3つの永久磁石を着磁配向し、さらに主磁極を配列方向と直交する方向に2分割された2つの永久磁石により構成し、保持力の大きな永久磁石をヨーク側に配置した、従来の永久磁石同期モータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1による従来の永久磁石同期モータでは、磁束が、一側の主磁極の主面近傍から、ヨーク側に湾曲して、他方の主磁極の主面近傍に戻るように、副磁極を構成する3つの永久磁石を着磁配向している。そこで、副磁極から他側の主磁極、ヨークおよび一側の主磁極を通って副磁極に戻る第2の磁路を流れる磁束量が低減され、主磁極の減磁が抑制される。また、減磁しやすい主磁極のヨーク側が保持力の大きな永久磁石で構成されているので、副磁極から一側の主磁極、ヨークおよび他側の主磁極を通って副磁極に戻る磁路を流れる磁束による主磁極の減磁が緩和される。
特開2009−106037号公報
特許文献1による従来の永久磁石同期モータでは、副磁極を構成する3つの永久磁石の中央に位置する永久磁石の着磁方向は配列方向を向いているが、両側に位置する永久磁石の着磁方向は、中央の永久磁石の着磁方向と、主磁極の着磁方向との間を向いている。配列方向と、配列方向と直交する方向との間の方向に着磁された永久磁石を製造するには、大きな永久磁石から削り出す必要があり、製造コストが高くなるという課題があった。
また、保持力の大きな永久磁石は、ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)などを使用する必要があり、製造コストが高くなるという課題があった。
さらに、主磁極が着磁方向に2分割されているため、主磁極のパーミアンスが低下し、永久磁石の動作点が劣化し、減磁耐力が低下するという課題もあった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、主磁極の磁化方向と副磁極の磁化方向との間の方向を向く磁化容易方向を有する電磁鋼板の積層体を主磁極と副磁極との間に配置し、主磁極および副磁極を分割することなく、主磁極の減磁を抑制して、製造コストの低コスト化を図るとともに、パーミアンスの低下に起因する主磁極の減磁耐力の低下を抑制できる電気機械を得ることを目的とする。
この発明による電気機械は、コイルを有する電機子と、第1面を上記電機子に向けて上記電機子と空隙を介して配置されるヨーク、上記ヨークの第1面上に一定のピッチで駆動方向に配列されて上記ヨークに保持される複数の主磁極、上記主磁極間のそれぞれに配置されて上記主磁極と交互に並ぶように上記駆動方向に配列されて上記ヨークに保持される複数の副磁極、および上記主磁極と上記副磁極との間のそれぞれに配置された複数の磁束誘導部を有するハルバッハ磁石配列構造の界磁と、を備えている。上記複数の主磁極は、それぞれ、上記第1面と直交する方向に着磁配向された永久磁石からなり、着磁方向が上記ヨークの方向と上記空隙の方向とを交互に向くように、上記ヨークの第1面上に配設され、かつ上記主磁極の上記空隙側の面が上記磁束誘導部と対向しておらず、上記複数の副磁極は、それぞれ、上記駆動方向に着磁配向された永久磁石からなり、上記主磁極を介して同極が向き合うように上記ヨークの第1面上に配設され、上記複数の磁束誘導部は、それぞれ、電磁鋼板をその圧延方向を積層方向から見て一致させて積層して構成され、上記電磁鋼板の圧延方向と上記駆動方向との間の角度θが、0°<θ<90°の範囲となっており、上記複数の磁束誘導部の圧延方向は、上記主磁極および上記副磁極が発生する、上記空隙を通る磁束の向きに沿っている。
この発明によれば、複数の磁束誘導部は、それぞれ、電磁鋼板をその圧延方向を積層方向に一致させて積層して構成され、電磁鋼板の圧延方向と駆動方向との間の角度θが、0°<θ<90°の範囲となっている。そこで、副磁極が発生する磁束は、湾曲されて空隙側に流れ、ヨーク側に流れる磁束量が低減する。これにより、主磁極に加わる反磁界が低減され、主磁極の減磁が抑制される。
着磁方向が駆動方向と主磁極の着磁方向との間を向く、製造コストの高い永久磁石に替えて廉価な電磁鋼板の積層体を主磁極と副磁極との間に配置しているので、製造コストの低価格化が図られる。
主磁極の減磁が抑制されるので、主磁極を着磁方向に2分割し、保持力の高い高価な永久磁石をヨーク側に配置する必要がない。そこで、主磁極を安価に構成できる。
主磁極を分割する必要がないので、パーミアンスの低下に起因する主磁極の減磁耐力の低下を抑制できる。
この発明の実施の形態1に係る永久磁石同期リニアモータの要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る永久磁石同期リニアモータの界磁における副磁極が発生した磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に係る永久磁石同期リニアモータの界磁における副磁極が発生した磁束の流れを説明する図である。 この発明の実施の形態3に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態4に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態5に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態6に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態7に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態8に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態9に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態10に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態11に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態12に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態13に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態14に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 この発明の実施の形態15に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。 従来の永久磁石同期リニアモータの要部を示す断面図である。 従来の永久磁石同期リニアモータの界磁における主磁極が発生した磁束の流れを説明する図である。 従来の永久磁石同期リニアモータの界磁における副磁極が発生した磁束の流れを説明する図である。
以下、本発明による電気機械の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る永久磁石同期リニアモータの要部を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る永久磁石同期リニアモータの界磁における副磁極が発生した磁束の流れを説明する図である。なお、図1および図2は磁束誘導部を構成する電磁鋼板の積層方向と直交する断面を示している。
図1において、電気機械としての永久磁石同期リニアモータは、ハルバッハ磁石配列構造を有する界磁20Aと、空隙Gを介して界磁20Aと対向するように配置される電機子100と、を備えている。
電機子100は、ティース部111bが、それぞれ、バックヨークの側面から突出して、一定のピッチで配列された電機子鉄心110と、ティース部のそれぞれに装着された電機子コイル120と、を備えている。電機子鉄心110は、バックヨーク部111aとティース部111bとからなるT字状の分割鉄心111を、バックヨーク部111aの長さ方向の端面同士を突き合わせて1列に配列して構成される。バックヨーク部111aが1列に配列して電機子鉄心110のバックヨークを構成する。分割鉄心111は、打ち抜き加工や放電加工により電磁鋼板の帯板から形成されたT字状のコア片を積層一体化して作製される。なお、電機子鉄心は、ティース部111bが、それぞれ、バックヨークの側面から突出して、一定のピッチで配列された単一の鉄心で構成されてもよい。
界磁20Aは、主磁極21と、副磁極22と、磁束誘導部24と、主磁極21、副磁極22および磁束誘導部24を保持するヨーク23と、を有する。
主磁極21は、直方体に作製され、駆動方向Aと直交する方向に着磁配向された永久磁石により構成される。主磁極21は、それぞれ、着磁方向B1を空隙G側とヨーク23側とに交互に向けて、かつ直方体の長さ方向を互いに平行として、駆動方向Aに一定のピッチで配列され、ヨーク23上に位置決め固定されている。具体的には、主磁極21の着磁方向B1の矢印が向いている面をN極、反対側の面をS極としたときに、主磁極21は、空隙G側の面が、N極、S極、N極、S極・・・と交互に並ぶように、駆動方向Aに配列される。なお、駆動方向Aは主磁極21および副磁極22の配列方向に一致する。
副磁極22は、直方体に作製され、駆動方向Aに着磁配向された永久磁石により構成される。副磁極22は、それぞれ、着磁方向B2が主磁極21を介して対向し、かつ主磁極21との間に隙間を確保して、隣り合う主磁極21間のそれぞれに挿入されて、ヨーク23上に位置決め固定されている。具体的には、副磁極22は、主磁極21を挟んで、同極の面が対向するように配設される。
磁束誘導部24は、電磁鋼板の帯板から打ち抜かれた矩形平板を、その圧延方向が積層方向から見て一致するように、積層一体化して作製される。磁束誘導部24は、図1中、積層方向を紙面に垂直な方向として、主磁極21と副磁極22との間の隙間に挿入されて、ヨーク23上に位置決め固定される。そして、磁束誘導部24は、主磁極21と副磁極22との相対する面に接して、主磁極21と副磁極22との間の磁気抵抗の増加を抑制している。電磁鋼板の帯板においては、圧延方向が磁化容易方向Cとなる。そこで、磁化容易方向Cが、主磁極21の着磁方向B1と副磁極22の着磁方向B2との間を向くように、矩形平板が電磁鋼板の帯板から打ち抜かれる。具体的には、駆動方向Aに対する副磁極22の着磁方向B2の角度を0°、主磁極21の着磁方向B1の角度を90°としたときに、駆動方向Aに対する磁束誘導部24の磁化容易方向Cの角度θは、0°<θ<90°となっている。これにより、磁束が、一側の主磁極21の主面(空隙G側の面)近傍から、ヨーク23側に湾曲して、他方の主磁極21の主面近傍に戻る磁路が、副磁極22と、副磁極22の両側に配置された一対の磁束誘導部24とに形成される。
ヨーク23は、例えば鋳鉄などの磁性材料により矩形平板状に作製される。主磁極21、副磁極22および磁束誘導部24がヨーク23の第1面上を配設される。
つぎに、実施の形態1の効果について、従来技術と比較して説明する。
従来の永久磁石同期モータは、図18に示されるように、ハルバッハ磁石配列構造を有する界磁200と、空隙Gを介して界磁200と対向するように配置される電機子100と、を備えている。界磁200は、主磁極201と、副磁極202と、主磁極201および副磁極202を保持するヨーク203と、を有する。主磁極201は、それぞれ、駆動方向Aと直交する方向に着磁配向され、着磁方向B1を空隙G側とヨーク203側とに交互に向けて、駆動方向Aに一定のピッチで配列されて、ヨーク203上に配設されている。副磁極202は、それぞれ、駆動方向Aに着磁配向され、着磁方向B2が主磁極201を介して対向するように、隣り合う主磁極201間のそれぞれに挿入されて、ヨーク203上に配設されている。
このように構成された界磁200では、主磁極201が発生する磁束は、図19に矢印で示されるように、一側の主磁極201からヨーク203を通って他側の主磁極201に至り、さらに空隙Gを通って一側の主磁極201に戻る磁路210を流れる。
また、副磁極202が発生する磁束は、図20に矢印で示されるように、副磁極202から一側の主磁極201、空隙Gおよび他側の主磁極201を通って副磁極202に戻る第1の磁路211aと、副磁極202から一側の主磁極201、ヨーク203および他側の主磁極201を通って副磁極202に戻る第2の磁路211bとを流れる。
従来の永久磁石同期モータでは、磁路210を流れる主磁極201が発生した磁束と第1の磁路211aを流れる副磁極202が発生した磁束との合成磁束が電機子100に鎖交する。そして、例えば3相交流電流を電機子コイル120に流し、電機子100に駆動方向Aの推力を発生させる。これにより、電機子100は、ガイドレール(図示せず)に沿って駆動方向Aに移動する。
ここで、第1の磁路211aを通る磁束の流れ方向は、主磁極201の着磁方向B1と同方向となり、反磁界とはならない。一方、第2の磁路211bを通る磁束の流れ方向は、主磁極201の着磁方向B1と逆の方向となり、主磁極201に対して反磁界として作用する。このように、従来の永久磁石同期モータでは、副磁極202が発生する磁束の中の第2の磁路211bを流れる磁束量が多くなる。また、主磁極201の副磁極202側かつヨーク203側の角部(図18中、破線で囲まれた領域D3)は、主磁極201を通過する第2の磁路211bの中で、磁気抵抗が最も小さい領域となるので、領域D3に磁束が集中する。このため、主磁極201が減磁し、発生磁束密度が低下して、モータの出力特性が低下する。
実施の形態1による界磁20Aでは、一側の主磁極21の主面近傍から、ヨーク23側に湾曲して、他方の主磁極21の主面近傍に戻る磁路が、副磁極22および副磁極22の両側に配置された一対の磁束誘導部24に形成される。そこで、副磁極22が発生する磁束のほとんどが、図2に矢印11aで示されるように、一側の磁束誘導部24に入り、磁化容易方向Cに沿って磁束誘導部24内を空隙G側に流れる。そして、空隙に流れ出た磁束は、電機子100(図示せず)に鎖交して他側の磁束誘導部24に入り、磁化容易方向Cに沿って磁束誘導部24内を副磁極22側に流れた後、副磁極22に戻る。これにより、副磁極22から他側の磁束誘導部24、主磁極21、ヨーク23および一側の主磁極21、磁束誘導部24を通って副磁極22に戻る磁路11bを流れる磁束量が少なくなる。このように、主磁極201に対して反磁界として作用する磁路11bを流れる磁束量が少なくなり、主磁極21の減磁が抑制される。これにより、減磁に起因する主磁極21の発生磁束密度の低下が抑えられ、モータの出力特性が向上される。
また、副磁極22が発生する磁束の中の、磁路11bを流れる磁束量が少なくなるので、空隙G側に流れる磁束量が多くなる。これにより、電機子100に鎖交する主磁極21が発生する磁束と副磁極22が発生する磁束との合成磁束が増加し、モータ特性を向上させることができる。
磁束誘導部24が電磁鋼板を積層一体化して作製されているので、副磁極22が発生する磁束の中の、磁路11bを流れる磁束量が極めて少なくなる。したがって、主磁極21の磁束誘導部24側かつヨーク23側の角部(図18の領域D3に相当)における磁束の集中が緩和されるので、特許文献1のように、主磁極部を着磁方向に2分割し、ヨーク側に保持力の高い永久磁石を配置する必要がない。このように、主磁極21を2つの永久磁石に分割構成することに起因する主磁極21のパーミアンスの低下がなく、主磁極21の減磁耐力の低下を抑えることができる。さらに、保持力の高い永久磁石を用いる必要がないので、界磁20Aの低コスト化が図られる。
また、特許文献1のように、着磁方向が主磁極の着磁方向と駆動方向との間を向く、製造コストの高い永久磁石を用いる必要がない。そして、磁束誘導部24が電磁鋼板を積層一体化して作製されているので、磁束誘導部24の製造コストは廉価となり、界磁20Aの低コスト化が図られる。
また、副磁極22が電磁鋼板からなる一対の磁束誘導部24に挟持されているので、副磁極202が主磁極201に挟持されている界磁200に比べて、副磁極22のパーミアンスが向上される。これにより、副磁極22の磁石特性が向上し、副磁極22の減磁を抑制することができる。
ここで、方向性電磁鋼板および無方向性電磁鋼板に拘わらず、電磁鋼板の磁化容易方向Cは、圧延方向に一致するが、磁化容易方向Cと圧延方向の一致度を考慮すれば、方向性電磁鋼板を用いることが望ましい。また、電磁鋼板の圧延方向に対する矩形平板の打ち抜き角度を適宜調整することにより、所望の磁化容易方向Cを有する磁束誘導部24を簡易に作製できる。
さらに、電磁鋼板では、圧延方向に対して45°〜60°の角度範囲が最も磁束を通しにくい磁化困難方向となっている。そこで、磁化容易方向C(圧延方向)が駆動方向Aに対して45°〜30°の角度範囲となるように、磁束誘導部24を作製することが望ましい。これにより、副磁極22から磁束誘導部24を通って主磁極21に入り、主磁極21の着磁方向B1に垂直に鎖交する磁束量が低減され、主磁極21の減磁を抑制できる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図、図4はこの発明の実施の形態2に係る永久磁石同期リニアモータの界磁における副磁極が発生した磁束の流れを説明する図である。
図3において、第1凹部25が、溝方向を電磁鋼板の積層方向として、主磁極21と磁束誘導部24との境界線の下部に、主磁極21と磁束誘導部24とに跨がるように、ヨーク23の上面(第1面)に形成されている。
なお、実施の形態2では、第1凹部25がヨーク23に形成されている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Bでは、図4に示されるように、第1凹部25が磁路11b中に存在する。そこで、第1凹部25による磁気ギャップが磁路11b中に形成され、磁路11bの磁気抵抗が増大する。これにより、磁路11bを流れる磁束量が低減され、主磁極21の減磁を抑制することができる。さらに、副磁極22が発生する磁束のなかの空隙G側に流れる磁束量が増大するので、電機子100に鎖交する主磁極21が発生する磁束と副磁極22が発生する磁束との合成磁束が増加し、モータ特性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態2では、第1凹部25が空隙となっているが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部25内に充填してもよい。
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図5において、磁束誘導部24Aは、主磁極21に接する面とヨーク23に接する面との角部を切り欠いて、ヨーク23に接する面の駆動方向Aの幅Lbが空隙Gに面する面の駆動方向Aの幅Lgより狭くなる5角形の断面形状に構成されている。
なお、実施の形態3では、磁束誘導部24に替えて磁束誘導部24Aを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Cでは、図5に示されるように、磁束誘導部24Aの主磁極21側かつヨーク23側に空洞26が形成される。そこで、空洞26による磁気ギャップがヨーク23側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に形成され、当該磁路の磁気抵抗が増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量が低減され、主磁極21の減磁を抑制することができる。さらに、副磁極22が発生する磁束のなかの空隙G側に流れる磁束量が増大するので、電機子100に鎖交する主磁極21が発生する磁束と副磁極22が発生する磁束との合成磁束が増加し、モータ特性を向上させることができる。
空洞26による磁気ギャップが、主磁極21の磁束誘導部24側かつヨーク23側の角部に磁束誘導部24側に形成されるので、図5中一点鎖線で囲まれた領域D1を通過する磁路の磁気抵抗が増加する。また、磁束誘導部24Aのヨーク23側の幅Lbが空隙G側の幅Lgより狭くなっているので、磁束誘導部24Aのヨーク23側の領域が磁気飽和しやすくなり、磁気抵抗が大きくなる。これらにより、副磁極22から磁束誘導部24および主磁極21を通りヨーク23に流れる磁束量が低減されるので、主磁極21の領域D1における磁束の集中が緩和され、主磁極21の減磁が抑制される。
なお、上記実施の形態3では、空洞26には何も充填されていないが、例えば、非磁性の樹脂材を空洞26内に充填してもよい。
また、上記実施の形態3では、主磁極21に接する面とヨーク23に接する面との角部を切り欠いて磁束誘導部24Aを作製しているが、幅Lbを確保して、空隙G側の面の主磁極21側の辺を含むように切り欠いて磁束誘導部を作製してもよい。この場合、磁束誘導部は、空隙G側の面の主磁極21側の辺で主磁極21と接することになる。
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図6において、第1凹部25が、溝方向を電磁鋼板の積層方向として、主磁極21と磁束誘導部24との境界線の下部に、主磁極21と空洞26とに跨がるように、ヨーク23の上面に形成されている。
なお、実施の形態4では、第1凹部25がヨーク23に形成されている点を除いて、上記実施の形態3と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態4においても、上記実施の形態3と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Dでは、図6に示されるように、第1凹部25および空洞26がヨーク23側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に存在するので、当該磁路の磁気抵抗が増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量がさらに低減され、主磁極21の減磁を抑制することができる。
なお、上記実施の形態4では、第1凹部25および空洞26には何も充填されていないが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部25および空洞26内に充填させてもよい。
実施の形態5.
図7はこの発明の実施の形態5に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図7において、第2凹部27が、溝方向を電磁鋼板の積層方向として、副磁極22の駆動方向Aの略中央部の下部に位置するように、ヨーク23の上面に形成されている。
なお、実施の形態5では、第2凹部27がヨーク23に形成されている点を除いて、上記実施の形態2と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態5においても、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Eでは、図7に示されるように、第1凹部25および第2凹部27がヨーク23側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に存在するので、当該磁路の磁気抵抗がさらに増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量がさらに低減され、主磁極21の減磁を抑制することができる。
なお、上記実施の形態5では、第1凹部25および第2凹部27には何も充填されていないが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部25および第2凹部27内に充填させてもよい。
実施の形態6.
図8はこの発明の実施の形態6に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図8において、磁束誘導部24Aは、主磁極21に接する面とヨーク23に接する面との角部を切り欠いて、作製されている。
なお、実施の形態3では、磁束誘導部24に替えて磁束誘導部24Aを用いている点を除いて、上記実施の形態5と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態6においても、上記実施の形態5と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Fでは、図8に示されるように、磁束誘導部24Aの主磁極21側かつヨーク23側に空洞26が形成される。そこで、第1および第2凹部25,27に加えて、空洞26による磁気ギャップがヨーク23側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に形成されるので、当該磁路の磁気抵抗がさらに増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量が低減され、主磁極21の減磁を抑制することができる。
なお、上記実施の形態6では、第1凹部25、空洞26および第2凹部27には何も充填されていないが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部25、空洞26および第2凹部27内に充填してもよい。
実施の形態7.
図9はこの発明の実施の形態7に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図9において、主磁極21Aは、長さ方向に直交する断面を等脚台形とする四角柱に構成されている。そして、主磁極21Aは、等脚台形断面の一方の底辺を空隙G側に向けてヨーク23上に配設されている。ここで、主磁極21Aの等脚台形断面の一方の底辺の長さをLmg、他方の底辺の長さをLmbとすると、Lmb>Lmgとなっている。
磁束誘導部24Bは、幅Lbを確保して、空隙G側の面の主磁極21A側の辺を含むように切り欠いて作製されている。そして、磁束誘導部24Bは、切り欠いて作製された斜面を、それぞれ、主磁極21Aの等脚台形の平行でない2辺により構成される斜面に接するように主磁極21Aの両側に配設されている。ここで、Lg+Lmg=Lb+Lmbとなっている。
なお、実施の形態7では、主磁極21および磁束誘導部24に替えて主磁極21Aおよび磁束誘導部24Bを用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態7においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Gでは、図9に示されるように、主磁極21Aの磁束誘導部24B側かつヨーク23側の角部が磁束誘導部24B側に突出している。そこで、電磁鋼板からなる磁束誘導部24Bが主磁極21Aの当該角部の空隙G側に存在するので、一点鎖線で囲まれた主磁極21Aの領域D2のパーミアンスが向上される。これにより、磁石の動作点が改善され、主磁極21Aの減磁が抑制される。
磁束誘導部24Bのヨーク23側の幅Lbが空隙G側の幅Lgより狭くなっているので、磁束誘導部24Bのヨーク23側の領域が磁気飽和しやすくなり、磁気抵抗が大きくなる。これらにより、副磁極22から磁束誘導部24Bおよび主磁極21Aを通りヨーク23に流れる磁束量が低減されるので、主磁極21Aの領域D2における磁束の集中が緩和され、主磁極21Aの減磁が抑制される。
なお、上記実施の形態7では、主磁極21Aが長さ方向に直交する断面を等脚台形とする四角柱に構成されているが、主磁極の長さ方向に直交する断面形状は、等脚台形に限定されず、主磁極の台形断面の空隙側の底辺の長さがヨーク側の底面の長さより短く、主磁極の磁束誘導部側かつヨーク側の角部が磁束誘導部側に突出し、電磁鋼板からなる磁束誘導部が主磁極の当該角部の空隙G側に存在していればよい。
実施の形態8.
図10はこの発明の実施の形態8に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図10において、第1凹部25が、溝方向を電磁鋼板の積層方向として、主磁極21Aと磁束誘導部24Bとの境界線の下部に、主磁極21Aと磁束誘導部24Bとに跨がるように、ヨーク23の上面に形成されている。
なお、実施の形態2では、第1凹部25がヨーク23に形成されている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態8においても、上記実施の形態7と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Hでは、図10に示されるように、第1凹部25がヨーク23側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に存在する。そこで、第1凹部25による磁気ギャップが当該磁路中に形成され、当該磁路の磁気抵抗が増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量が低減され、主磁極21Aの減磁を抑制することができる。さらに、副磁極22が発生する磁束のなかの空隙G側に流れる磁束量が増大するので、電機子100に鎖交する主磁極21Aが発生する磁束と副磁極22が発生する磁束との合成磁束が増加し、モータ特性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態8では、第1凹部25が空隙となっているが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部25内に充填してもよい。
実施の形態9.
図11はこの発明の実施の形態9に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図11において、第2凹部27が、溝方向を電磁鋼板の積層方向として、副磁極22の駆動方向Aの略中央部の下部に位置するように、ヨーク23の上面に形成されている。
なお、実施の形態9では、第2凹部27がヨーク23に形成されている点を除いて、上記実施の形態8と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態9においても、上記実施の形態8と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Iでは、図11に示されるように、第1凹部25および第2凹部27がヨーク23側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に存在するので、当該磁路の磁気抵抗がさらに増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量がさらに低減され、主磁極21Aの減磁を抑制することができる。
なお、上記実施の形態9では、第1凹部25および第2凹部27には何も充填されていないが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部25および第2凹部27内に充填させてもよい。
実施の形態10.
図12はこの発明の実施の形態10に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図12において、分割コア30は、ヨーク部30aと磁束誘導部30bからなるT字状に、かつ一体に構成され、電磁鋼板の帯板から打ち抜かれたT字状のコア片を積層一体化して作製される。分割コア30は、ヨーク部30aの長さ方向の端面同士を突き合わせて駆動方向Aに1列に配列されている。そして、ヨーク部30aが駆動方向に連なって、上記実施の形態1におけるヨーク23を構成する。主磁極21と副磁極22が、ヨーク部30aの端面同士が突き合わされた分割コア30の磁束誘導部30b間に、駆動方向Aに交互に挿入、保持されている。
駆動方向Aに対する副磁極22の着磁方向B2の角度を0°、主磁極21の着磁方向B1の角度を90°としたときに、駆動方向Aに対する磁束誘導部30bの磁化容易方向Cの角度θは、0°<θ<90°となっている。これにより、磁束が、一側の主磁極21の主面(空隙G側の面)近傍から、ヨーク部30a側に湾曲して、他方の主磁極21の主面近傍に戻る磁路が、副磁極22と、副磁極22の両側に配置された一対の磁束誘導部30bとに形成される。
なお、実施の形態10における他の構成は、上記実施の形態1と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態10においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Jでは、ヨーク部30aと磁束誘導部30bが電磁鋼板のみで作製されているので、ヨーク23と磁束誘導部24とが異なる材料で作製されている界磁20A〜20Iに比べて、構造部材が少なくなり、製造コストの低コスト化が図られる。
また、ヨーク部30aは、鋳鉄などで作製されたヨーク23に比べて、磁気飽和特性が高い電磁鋼板を用いて作製されているので、ヨーク部30aの飽和による主磁極21および副磁極22のパーミアンスの低下が抑制され、主磁極21および副磁極22の減磁が抑制される。
実施の形態11.
図13はこの発明の実施の形態11に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図13において、第1凹部31が、溝方向を電磁鋼板の積層方向として、主磁極21と磁束誘導部30bとの境界線の下部に、主磁極21と磁束誘導部30bとに跨がるように、ヨーク23に形成されている。
なお、実施の形態11では、第1凹部31がヨーク部30aに形成されている点を除いて、上記実施の形態10と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態11においても、上記実施の形態10と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Kでは、第1凹部31がヨーク部30a側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に存在する。そこで、第1凹部31による磁気ギャップが当該磁路中に形成され、当該磁路の磁気抵抗が増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量が低減され、主磁極21の減磁を抑制することができる。さらに、副磁極22が発生する磁束のなかの空隙G側に流れる磁束量が増大するので、電機子に鎖交する主磁極21が発生する磁束と副磁極22が発生する磁束との合成磁束が増加し、モータ特性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態11では、第1凹部31が空隙となっているが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部31内に充填してもよい。
実施の形態12.
図14はこの発明の実施の形態12に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図14において、第2凹部32が、溝方向を電磁鋼板の積層方向として、副磁極22の駆動方向Aの略中央部の下部に位置するように、ヨーク部30aに形成されている。
なお、実施の形態12では、第2凹部32がヨーク部30aに形成されている点を除いて、上記実施の形態11と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態12においても、上記実施の形態11と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Lでは、第1凹部31および第2凹部32がヨーク部30a側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に存在するので、当該磁路の磁気抵抗がさらに増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量がさらに低減され、主磁極21の減磁を抑制することができる。
なお、上記実施の形態12では、第1凹部31および第2凹部32には何も充填されていないが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部31および第2凹部32内に充填させてもよい。
実施の形態13.
図15はこの発明の実施の形態13に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図15において、主磁極21Aと副磁極22とが駆動方向Aに交互に配列されている。
分割コア30Aは、磁束誘導部30cがヨーク部30aの内周面から突出するT字状に作製されている。磁束誘導部30cは、主磁極21Aの等脚台形の断面の平行でない辺により構成される傾斜面に接する傾斜面と、副磁極22の矩形断面の主磁極21A側の辺により構成される平面に接する、ヨーク部30aの内周面に対して垂直な垂直面と、を備えている。
なお、実施の形態13では、主磁極21および分割コア30に替えて主磁極21Aおよび分割コア30Aを用いている点を除いて、上記実施の形態10と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態13においても、上記実施の形態10と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Mでは、主磁極21Aの磁束誘導部30c側かつヨーク部30a側の角部が磁束誘導部30c側に突出している。そこで、電磁鋼板からなる磁束誘導部30cが主磁極21Aの当該角部の空隙G側に存在するので、主磁極21Aの当該角部のパーミアンスが向上される。これにより、磁石の動作点が改善され、主磁極21Aの減磁が抑制される。
磁束誘導部30cのヨーク23部側の幅が空隙G側の幅より狭くなっているので、磁束誘導部30cのヨーク部30a側の領域が磁気飽和しやすくなり、磁気抵抗が大きくなる。これらにより、副磁極22から磁束誘導部30cおよび主磁極21Aを通りヨーク部30aに流れる磁束量が低減されるので、主磁極21Aの当該角部における磁束の集中が緩和され、主磁極21Aの減磁が抑制される。
なお、上記実施の形態13では、主磁極21Aを用いているが、主磁極21を用いてもよい。この場合、空洞が主磁極21と磁束誘導部30cとの間にヨーク部30aに面するように形成されるので、ヨーク部30a側に流れる磁束の磁路の磁気抵抗が増加し、主磁極21の減磁を抑制できる。
実施の形態14.
図16はこの発明の実施の形態14に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図16において、第1凹部31が、溝方向を電磁鋼板の積層方向として、主磁極21Aと磁束誘導部30cとの境界線の下部に、主磁極21Aと磁束誘導部30cとに跨がるように、ヨーク部30aに形成されている。
なお、実施の形態14では、第1凹部31がヨーク部30aに形成されている点を除いて、上記実施の形態13と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態14においても、上記実施の形態13と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Nでは、第1凹部31がヨーク部30a側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に存在する。そこで、第1凹部31による磁気ギャップが当該磁路中に形成され、当該磁路の磁気抵抗が増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量が低減され、主磁極21Aの減磁を抑制することができる。さらに、副磁極22が発生する磁束のなかの空隙G側に流れる磁束量が増大するので、電機子に鎖交する主磁極21Aが発生する磁束と副磁極22が発生する磁束との合成磁束が増加し、モータ特性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態14では、第1凹部31が空隙となっているが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部31内に充填してもよい。
実施の形態15.
図17はこの発明の実施の形態15に係る永久磁石同期リニアモータの界磁の要部を示す断面図である。
図17において、第2凹部32が、溝方向を電磁鋼板の積層方向として、副磁極22の駆動方向Aの略中央部の下部に位置するように、ヨーク部30aに形成されている。
なお、実施の形態15では、第2凹部32がヨーク部30aに形成されている点を除いて、上記実施の形態13と同様に構成されている。
そこで、この実施の形態15においても、上記実施の形態13と同様の効果が得られる。
このように構成された界磁20Oでは、第1凹部31および第2凹部32がヨーク部30a側を通る磁路(図4における磁路11bに相当)中に存在するので、当該磁路の磁気抵抗がさらに増大する。これにより、当該磁路を流れる磁束量がさらに低減され、主磁極21Aの減磁を抑制することができる。
なお、上記実施の形態15では、第1凹部31および第2凹部32には何も充填されていないが、例えば、非磁性の樹脂材を第1凹部31および第2凹部32内に充填させてもよい。
なお、上記各実施の形態では、永久磁石同期リニアモータを構成する電機子は電機子鉄心と電機子コイルを備えているが、電機子は、電機子鉄心を省略したコアレスの電機子でもよい。
また、上記実施の形態では、永久磁石同期リニアモータが、電機子コイルに通電して電機子を駆動方向に移動させるように構成されているが、永久磁石同期リニアモータは、電機子コイルに通電して界磁を駆動方向に移動さるように構成されてもよい。
また、上記各実施の形態では、永久磁石同期リニアモータについて説明しているが、本発明は、発電機や電動機などの回転電機に適用しても、同様の効果を奏する。この場合、回転電機の回転子鉄心の外周面に、主磁極、副磁極および磁束誘導部からなるハルバッハ磁石配列構造を構成すればよい。
20A,20B,20C,20D,20E,20F,20G,20H,20I、20J、20K、20L、20M、20N、20O 界磁、21,21A 主磁極、22 副磁極、23 ヨーク、24,24A,24B 磁束誘導部、25,31 第1凹部、26 空洞、27,32 第2凹部、30,30A 分割コア、30a ヨーク部、30b,20c 磁束誘導部、100 電機子、120 電機子コイル、A 駆動方向、B1,B2 着磁方向、C 磁化容易方向、G 空隙。

Claims (6)

  1. コイルを有する電機子と、
    第1面を上記電機子に向けて上記電機子と空隙を介して配置されるヨーク、上記ヨークの第1面上に一定のピッチで駆動方向に配列されて上記ヨークに保持される複数の主磁極、上記主磁極間のそれぞれに配置されて上記主磁極と交互に並ぶように上記駆動方向に配列されて上記ヨークに保持される複数の副磁極、および上記主磁極と上記副磁極との間のそれぞれに配置された複数の磁束誘導部を有するハルバッハ磁石配列構造の界磁と、を備え、
    上記複数の主磁極は、それぞれ、上記第1面と直交する方向に着磁配向された永久磁石からなり、着磁方向が上記ヨークの方向と上記空隙の方向とを交互に向くように、上記ヨークの第1面上に配設され、かつ上記主磁極の上記空隙側の面が上記磁束誘導部と対向しておらず、
    上記複数の副磁極は、それぞれ、上記駆動方向に着磁配向された永久磁石からなり、上記主磁極を介して同極が向き合うように上記ヨークの第1面上に配設され、
    上記複数の磁束誘導部は、それぞれ、電磁鋼板をその圧延方向を積層方向から見て一致させて積層して構成され、上記電磁鋼板の圧延方向と上記駆動方向との間の角度θが、30°<θ<45°の範囲となっており、
    上記複数の磁束誘導部の圧延方向は、上記主磁極および上記副磁極が発生する、上記空隙を通る磁束の向きに沿っていることを特徴とする電気機械。
  2. 第1凹部が、上記主磁極と上記磁束誘導部との境界下部に、上記主磁極と上記磁束誘導部とに跨がるように、上記ヨークの第1面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気機械。
  3. 上記磁束誘導部の上記ヨーク側の面の上記駆動方向の幅が上記磁束誘導部の上記空隙側の面の上記駆動方向の幅より狭く構成され、空洞が上記主磁極と上記磁束誘導部との間に上記ヨークに面するように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電気機械。
  4. 第2凹部が、上記副磁極の上記駆動方向の中央部の下部に、上記副磁極に面するように、上記ヨークの第1面に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気機械。
  5. 上記主磁極の上記第1面側の面の上記駆動方向の幅が上記磁極の上記空隙側の面の上記駆動方向の幅より広く構成されていることを特徴とする請求項1、請求項2および請求項4のいずれか1項に記載の電気機械。
  6. 上記ヨークは、ヨーク部の長さ方向の端部同士を上記主磁極および上記副磁極の上記駆動方向の中央位置で突き合わせて、複数の上記ヨーク部を上記駆動方向に配列して構成され、
    上記磁束誘導部と上記ヨーク部は、上記電磁鋼板を積層して、上記磁束誘導部が上記ヨーク部の長さ方向の中央部から突出するT字状に、かつ一体に作製されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電気機械。
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