JP2016082623A - リニアモータ用固定子 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディテント力の高調波成分を簡素な構成により効果的に低減し、推力むらの発生を抑制することができるリニアモータ用固定子を提供する。【解決手段】保持部材1の相対向する一対の長尺部10、10に夫々の長手方向に並べて保持された複数の磁極歯2を備えるリニアモータ用固定子において、複数の磁極歯2は、並び方向に直交する方向に長く、並び方向の幅が長手方向の一側から他側に向けて変化する形状を有しており、このような形状を有する磁極歯2を、狭幅側と広幅側とが交互に位置するように並設した構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、リニアモータに使用される固定子に関する。
近年、半導体製造装置、液晶表示装置の製造分野においては、処理対象物としての基板の大判化に伴って、当該基板を高速度で直線移動させ、適宜の移動位置で高精度に位置決めすることができる送り装置が必要となっている。この種の送り装置は、一般的には、駆動源としてのモータの回転運動をボールねじ機構等の運動変換機構により直線運動に変換するように構成されているが、運動変換機構が介在することから移動速度の高速化と位置決め精度の高精度化とを同時に行うには限界がある。
この問題に対応するため、近年においては、直線運動出力が直接的に取り出し可能なリニアモータを駆動源とする送り装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。リニアモータは、移動経路に沿って延設された固定子と、該固定子の延設方向に移動する可動子とを備えている。特許文献1に開示されたリニアモータは、板状の永久磁石を一定間隔毎に並設して構成された固定子と、磁極歯及び通電コイルを有する電機子として構成された可動子とを備えるムービングコイル型のリニアモータである。
一方、ムービングコイル型のリニアモータでは、固定子に永久磁石を並設するため、可動子の移動距離、即ち、固定子の全長が長くなるほど永久磁石の必要数が増加する。近年においては、磁石材料として使用する希土類の価格上昇に伴い、磁石量の増加は、コスト増加の原因となっていた。この問題を解決するために、本発明者らはコイル及び磁石の両方を可動子に備えたムービングコイル型コア付リニアモータを提案している(例えば、特許文献2参照)。
特開平3−139160号公報 国際公開第2013/122031号パンフレット
特許文献2に開示されたリニアモータ用固定子は、移動経路に沿って延びる保持部材の相対向する一対の長尺部の夫々に、複数の磁極歯を長手方向に並設保持させて構成されている。この固定子は、磁石を備えていないため、可動子の移動距離が長い場合のコスト上昇を抑えることができるが、一方では、可動子に磁石とヨークとが共存するため、ディテント力の高調波成分が顕著になるという問題がある。ディテント力は、固定子と可動子の相対位置の違いによる推力むら(推力リップル)を引き起こすことから、ディテント力の高調波成分、特に、12次以上の高調波成分を低減する対策が求められている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、ディテント力の高調波成分を、簡素な構成により効果的に低減させることができるリニアモータ用固定子を提供することを目的とする。
本発明に係るリニアモータ用固定子は、相対向する一対の長尺部及び該長尺部を短手方向の一側で結合する結合部を有する保持部材と、該保持部材の前記一対の長尺部に夫々の長手方向に並設して保持された複数の磁極歯とを備えるリニアモータ用固定子において、前記複数の磁極歯は、並設方向に直交する方向に長く、並設方向の幅が長手方向の一側から他側に向けて連続的又は段階的に変化する形状を有し、狭幅側と広幅側とが交互に位置するように並設されていることを特徴とする。
本発明においては、幅が連続的又は段階的に変化する磁極歯を複数使用し、これらを保持部材の相対向する長尺部の夫々に、狭幅側と広幅側とが交互に位置するように並設して固定子を構成してある。この構成においては、相隣する磁極歯の対向辺が、互いに略平行をなし磁極歯の並設方向に直交する方向に対して傾斜する。この傾斜により、磁極歯の並設方向に可動子が移動する際における比透磁率の周期的な変化が緩和され、ディテント力の高調波成分の位相がずれて互いに打ち消し合う。この結果、ディテント力の高調波成分、特に、12次以上の高調波成分が低減され、固定子と可動子の相対位置の違いによる推力むら(推力リップル)の発生を抑制することができる。対向辺の傾斜角度は数度程度であればよい。
また本発明に係るリニアモータ用固定子は、前記一対の長尺部が夫々保持する磁極歯は、並設方向に千鳥配置してあることを特徴とする。
本発明においては、磁極歯を千鳥配置してあり、一対の長尺部に夫々保持された磁極歯が並設方向に位置ずれしているので、大きい推力を発現することができる。
また本発明に係るリニアモータ用固定子は、前記磁極歯が、異なる幅を有する複数の磁性金属板を幅方向中央で位置合わせし、厚さ方向に積層して構成してあることを特徴とする。
本発明においては。各磁極歯が複数の磁性金属板を積層して構成されている。動作時における各磁極歯での磁束の流れ方向は、磁性金属板の積層方向と直交する方向である。この磁束の流れの時間的変化に伴い、この流れに対して直交する平面内で磁束を取り囲むように渦電流が発生し、各磁性金属板を貫く方向に流れようとするが、積層された磁性金属板間では、相互の接触抵抗により電気抵抗が大きい。従って、渦電流は流れ難く、推力の渦電流損を低減し、効率の低下を少なくすることが可能となる。
また本発明に係るリニアモータ用固定子は、前記磁性金属板の夫々が、幅方向の中央部に厚さ方向に貫通形成された位置決め孔を備えることを特徴とする。
本発明においては、磁極歯を構成する複数の磁性金属板が位置決め孔を有している。この位置決め孔を利用することで各磁性金属板の幅方向中央での位置合わせを容易に実施し、所望の磁極歯を高精度に構成することができる。
また本発明に係るリニアモータ用固定子は、前記磁性金属板が、積層面の少なくとも一部に絶縁処理を施してあることを特徴とする。
本発明においては、磁極歯における磁束の流れの時間的変化に伴って各磁性金属板を貫く方向に発生する渦電流が積層面に施した絶縁処理部の存在により一層流れ難くなり、渦電流損をより効果的に低減することが可能になる。
また本発明に係るリニアモータ用固定子は、前記長尺部が、隣り合う磁極歯間に配され、前記対向の方向に複数の磁性金属板を積層して構成された補助磁極を備えることを特徴とし、更に前記補助磁極を構成する磁性金属板が、積層面の少なくとも一部に絶縁処理を施してあることを特徴とする。
本発明においては、磁極歯を保持する長尺部が、対向方向に複数の磁性金属板を積層してなる補助磁極を隣り合う磁極歯間に備える。動作時における各補助磁極での磁束の流れ方向は、補助磁極の磁性金属板の積層方向と直交する方向であり、この磁束の流れに伴い各磁性金属板を貫く方向に発生する渦電流を流れ難くし、推力の渦電流損を低減することが可能となる。更に、各磁性金属板の積層面に絶縁処理を施したから、渦電流は一層流れ難くなる。
本発明に係るリニアモータ用固定子においては、保持部材の相対向する一対の長尺部に並設保持された複数の磁極歯が、並設方向の幅が長手方向の一側から他側に向けて、並設方向と直交する方向に連続的又は段階的に変化する形状を有するから、ディテント力の高調波成分が低減されて、固定子と可動子の相対位置の違いによる推力むらの発生を抑制することが可能となる。
実施の形態に係るリニアモータ用固定子の部分破断斜視図である。 磁極歯の構成例を示す斜視図である。 補助磁極の構成例を示す斜視図である。 磁極歯と補助磁極の組み立て手順の説明図である。 実施の形態の固定子と組み合わせて用いる可動子の斜視図である。 リニアモータの動作説明図である。 リニアモータの動作説明図である。 リニアモータの動作説明図である。 可動子と磁極歯との位置関係を示す平面図である。 磁極歯の他の構成例を示す斜視図である。 磁極歯の他の構成例を示す斜視図である。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は実施の形態に係るリニアモータ用固定子の部分破断斜視図である。図示の固定子は、保持部材1と、該保持部材1に保持された複数の磁極歯2とを備える。保持部材1は、相対向する一対の長尺部10、10と、これらの長尺部10、10を短手方向の一側で結合する結合部11とを備えている。
長尺部10、10は、例えば、圧延鋼材等の磁性金属製の長板である。結合部11は、例えば、珪素鋼板等の磁性金属製の長板である。結合部11は、短手方向の両端部を長尺部10、10夫々の長手方向の一側に沿わせ、ボルト、ナット等の公知の固定手段により固定されて保持部材1を構成する。長尺部10、10は、結合部11から同側に延び、互いに略平行をなして対向する
なお、長尺部10、10及び結合部11は、同一の材料であってもよく、また平板の折り曲げ加工により一体に構成することもできる。更に、結合部11を磁性金属製とすることは必須ではなく、結合部11は、アルミニウム、ステンレス等の非磁性金属製であってもよい。
磁極歯2は、長尺部10、10夫々の対向面に長手方向に等間隔を隔てて並設され、隣り合う磁極歯2、2間に配された補助磁極3a、3bと共に夫々の対向面に固定されている。図1に示す如く、磁極歯2は、長尺部10上での並設方向に直交する方向に長く、長手方向の一側から他側に向けて連続的に幅が変化する形状を有している。
図2は、磁極歯2の構成例を示す斜視図である。本図に示す如く、磁極歯2は、異なる幅を有する磁性金属板20を多数枚積層し、相互に固着することにより、積層方向を長手方向として構成されている。磁極歯2の幅の変化は、夫々の磁性金属板20の幅を変えることで実現される。
図2には、広幅側の数枚の磁性金属板20が積層前の状態で示してある。磁性金属板20の夫々は、幅方向の中央部に厚さ方向に貫通形成された同形の位置決め孔21を備えている。磁性金属板20の積層固定は、夫々の位置決め孔21に治具を通し、各磁性金属板20を幅方向の中央で位置合わせして簡易に実施することができ、図1、図2に示す如く、長手方向の一側から他側に向けて連続的に幅が変化する磁極歯2を高精度に構成することができる。
磁性金属板20は、珪素鋼等の軟磁性を有する材料製の薄板を打ち抜き成形して得られる磁性金属板である。磁性金属板20の板厚及び枚数は、磁極歯2の大きさ等の仕様に応じて適宜設計すればよい。磁性金属板20の板厚を薄くし、枚数を多くするほど後述する渦電流損は低減するが、磁極歯2の強度及び組立ての手間を考慮すると、磁性金属板20の板厚は、1mm程度とするのが望ましい。
磁性金属板20の固着は、熱溶着、カシメ、溶接等の適宜の手段により実現される。また磁性金属板20は、少なくとも積層面の一部に、絶縁物質の被膜を形成する等の絶縁処理が施されているのが望ましい。磁性金属板20の固着に熱溶着を採用する場合には、各磁性金属板20の積層面に絶縁性及び熱溶着性を併せ持つ被膜を塗布して熱溶着を実施することにより、固着と同時に絶縁処理を完了することができる。
図3は、補助磁極3a、3bの構成例を示す斜視図である。本図に示す如く補助磁極3a、3bは、薄肉の磁性金属板30を複数枚積層し、相互に固着して構成されている。なお磁性金属板30は、珪素鋼等、軟磁性を有する金属材料製である。
磁性金属板30の固着は、熱溶着、カシメ、溶接等の適宜の手段により実現される。磁性金属板30は、少なくとも積層面の一部に、絶縁物質の被膜を形成する等の絶縁処理が施されているのが望ましい。なお磁性金属板30の固着に熱溶着を採用する場合には、各磁性金属板30の積層面に絶縁性及び熱溶着性を併せ持つ被膜を塗布して熱溶着を実施することにより、固着と同時に絶縁処理を完了することができる。
また磁性金属板30の板厚及び枚数は、仕様に応じて適宜設計すればよい。磁性金属板30の板厚を薄くし、枚数を多くするほど後述する渦電流損は低減するが、補助磁極3a、3bの強度及び組立ての手間を考慮すると、磁性金属板30の板厚は、1mm程度とするのが望ましい。
補助磁極3a、3bは、長手方向の両側縁に沿って延びる凹部31、32を夫々備えている。一方の凹部31は、長手方向一側の端縁に連続し、他側に向けて連続的に幅を増す形状を有している。他方の凹部32は、長手方向一側の端縁に連続し、他側に向けて連続的に幅を減じる形状を有している。凹部31、32の形成位置は、図3に示す如く、補助磁極3a、3bの夫々について互いに逆位置としてあり、補助磁極3a、3bには、凹部31、32の形成位置間で互いに逆向きに傾斜する部分に、厚さ方向に貫通するねじ通し孔33が長手方向に複数並設されている。
図4は、磁極歯2と補助磁極3a、3bの組み立て手順の説明図である。本図に示す如く磁極歯2は、長尺部10、10の他方との対向面に、広幅側と狭幅側とが交互に位置するように等間隔毎に並べ、夫々の間に補助磁極3a、3bを介在させ、これらをねじ通し孔33の夫々に通した固定ねじSにより長尺部10に固定することにより、相隣する補助磁極3a、3b間に挟持した状態で固定される。なお図1中には、固定ねじSの図示を省略してある。
図2に示す如く磁極歯2には、一側の端縁に幅方向の両側に張り出す耳部22が設けてあり、磁極歯2は、長尺部10の一面側に耳部22の形成側を向けて配置される。また図3に示す如く、補助磁極3a、3bには、凹部31、32夫々の長尺部10の一面側となる端縁に沿って前記耳部22に対応する切欠き部34が夫々設けてある。これらの切欠き部34は、図1及び図4に示す如く、長尺部10の一面側で耳部22と係合し、リニアモータの後述する動作時に発生する磁力の作用により磁極歯2、2が、夫々の対向側に抜け出すことを防止する作用をなす。
磁極歯2及び補助磁極3a、3bを固定する固定ねじSは、ステンレス鋼等の非磁性金属製であるのが望ましい。固定ねじSを磁性体とした場合、後述する動作時に磁極歯2に流れるべき磁束が、補助磁極3a、3bから突出する固定ねじSの頭部を経由して補助磁極3a、3bに多く流れる虞れがあるためである。磁性体製の固定ねじSを用いる場合には、該固定ねじSの頭部が補助磁極3a、3bから突出しないように、ねじ頭の形状、固定方法を工夫する必要がある。
なお磁極歯2を挟持する補助磁極3a、3bは、一体に形成してもよく、また長尺部10の全長に亘って一体に形成された補助磁極を用いてもよい。磁極歯2及び補助磁極3a、3bは、前述した組み立ての前又は組み立ての後に防錆処理するのが望ましい。防錆処理は、塗装、樹脂モールド等の手段により実現できる。
磁極歯2と補助磁極3a、3bは、他方の長尺部10にも同様に固定されており、両長尺部10、10の夫々に固定された磁極歯2は、図1に示す如く、並設方向に千鳥配置されている。この配置は、固定ねじSによる補助磁極3a、3bの固定位置を、長尺部10の10の夫々において、磁極歯2の並設ピッチの半ピッチ分だけずらせて設けることにより実現し得る。
図5は、実施の形態の固定子と組み合わせて用いる可動子の斜視図である。図示の如く可動子4は、5つの電機子ヨーク(電機子コア)40、4つの永久磁石41、締結体42及びコイル43を備えている。電機子ヨーク40は、表面を絶縁処理された軟磁性の珪素鋼板を複数枚積層して構成されている。なお、珪素鋼板表面の絶縁処理は必須ではない。
永久磁石41は、例えば、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ボロン(B)を主成分とするネオジム磁石であるのが望ましく、電機子ヨーク40と略等長、等幅で適宜の厚さを有する板状に成形されている。なお永久磁石41は、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石等の他の磁石であってもよい。締結体42は、樹脂、セラミックス等、非磁性且つ非導電性材料製の板である。
可動子4は、図5に示すように、5つの電機子ヨーク40と4つの永久磁石41とを交互に重ね、長手方向の一端を締結体42により一体に締結し、これらの外側を囲繞するようにコイル43を巻回して構成されている。締結体42は、樹脂、セラミックス等、非磁性且つ非導電性材料製である。永久磁石41の夫々は、図5中に白抜矢符により示す如く短手方向に沿って磁化してあり、相隣する永久磁石41の磁化方向は互いに対向させてある。
図5に示す可動子4は、図1に示す固定子の長尺部10、10の対向面間に配されてリニアモータを構成する。図6〜図8は、リニアモータの動作説明図である。可動子4は、コイル43に電流を流すことにより、長尺部10の長手方向(磁極歯2の並設方向)に移動する。図6は、可動子4のコイル43に通電されていない状態での磁束の流れを示し、図7は、可動子4が図中の左方向に移動している状態での磁束の流れを、図8は、可動子4が図中の右方向に移動している状態での磁束の流れを夫々示している。
図6において、夫々の永久磁石41に示す白抜矢符は、磁化の方向(S極からN極に向かう方向)を示している 夫々の永久磁石41の発生磁束により、可動子4及び固定子を磁路とする磁界が形成される。磁束は磁気抵抗が少なく、路程が短くなるような磁路を形成するので、可動子4の電機子ヨーク40と固定子の磁極歯2との間では、空隙を介して磁束は流れるが、電機子ヨーク40と補助磁極3a、3bとの間では磁束は流れない。
長尺部10、10の夫々において、磁極歯2に流入した磁束は、図6中に矢符により示す如く、当該磁極歯2を経て電機子ヨーク40に戻るか、又は相隣する補助磁極3a、3bを経て相隣する磁極歯2に入り、該磁極歯2から電機子ヨーク40に戻る。以上のような磁束の磁界により、夫々の電機子ヨーク40は磁化される。
図6においては、両端部に位置する2つ電機子ヨーク40、40と中央に位置する電機子ヨーク40はS極に、残りの2つの電機子ヨーク40はN極に夫々磁化されており、このように磁化された電機子ヨーク40の夫々と最寄りの磁極歯2との間には吸引力が発生する。コイル43に通電されていない状態で可動子4は、マイナス方向の吸引力とプラス方向の吸引力が釣り合う位置で停止する。
この停止状態から、図7中に黒丸印(紙面の裏から表)及びバツ印(紙面の表から裏)で示す向きの電流をコイル43に流すと、図7中に矢符により示すように、N極に磁化された電機子ヨーク40の吸引力が強まり、S極に磁化された電機子ヨーク40の吸引力は弱まる。これにより、可動子4は、マイナス方向(左方向)に移動する。一方、図8中に黒丸印及びバツ印で示す向き(図7とは逆向き)の電流をコイル43に流すと、図8中に矢符により示すように、N極に磁化された電機子ヨーク40の吸引力が弱まり、S極に磁化された電機子ヨーク40の吸引力は強まる。これにより、可動子4は、プラス方向(右方向)に移動する。
以上のように、実施の形態に係るリニアモータは、可動子4が備える永久磁石41によって発生するベース磁場(バイアス磁場)下での吸引力のバランスを、コイル43への通電により発生する磁場によって崩すことにより動作し、可動子4を移動させるための推力が発生する。
一対の長尺部10の夫々に保持された磁極歯2は、千鳥配置されている。一方の長尺部10の磁極歯2と他方の長尺部10の磁極歯2とが正対している場合には、前述した推力は発生しない。推力の発生には、一対の長尺部10の夫々に保持された磁極歯2が、並設方向(可動子4の移動方向)に位置ずれしている必要があり、推力は、位置ずれ量の増大(対向する部分の減少)に伴って増加するから、磁極歯2の千鳥配置により最大限の推力を発現することができる。
リニアモータの動作時に磁極歯2には、図7、図8中に矢符により示す吸引力と同方向の磁束の流れが発生する。またこの磁束は、補助磁極3a又は3bを通って相隣する磁極歯2に抜けていく。この磁束の流れの時間的変化により、固定子を構成する磁極歯2、補助磁極3a、3bには、磁束の流れる方向と垂直な平面上で、磁束の変化を妨げる向きに渦電流が発生する。
前述の如く、磁極歯2は、複数枚の磁性金属板20を、また補助磁極3a、3bは、複数枚の磁性金属板30を夫々積層して構成されている。磁性金属板20、磁性金属板30の積層方向は、磁極歯2、補助磁極3a、3bにおける磁束の流れと直交する方向である。前述の如く発生する渦電流は、磁性金属板20、磁性金属板30の積層面を貫く向きに流れることとなり、夫々の積層面が渦電流の流れを妨害するように作用するから、推力の渦電流損を低減することができる。更に、磁性金属板20、磁性金属板30の積層面には絶縁処理を施してあるから、磁性金属板20、磁性金属板30を貫く方向に発生する渦電流は、積層面に施した絶縁処理部の存在により一層流れ難くなり、渦電流損をより効果的に低減することが可能になる。
図9は、可動子4と磁極歯2との位置関係を示す平面図である。図中の矢符は、可動子4の移動方向を示している。長尺部10に並設保持された磁極歯2は、前述の如く、並設方向に直交する方向に長く、並設方向の幅が長手方向の一側から他側に向けて連続的に変化する形状を有し、狭幅側と広幅側とが交互に位置するように配置されている。従って、相隣する磁極歯2、2の対向辺2a、2bは、互いに略平行をなし、長尺部10の長手方向、即ち、可動子4の移動方向に直交する方向に対して傾斜する。この傾斜により、可動子4が移動する際における比透磁率の周期的な変化が緩和され、ディテント力の高調波成分の位相がずれて互いに打ち消し合うこととなり、ディテント力の高調波成分、特に、12次以上の高調波成分が低減される。この結果、可動子4の移動に伴う固定子との相対位置の変化による推力むら(推力リップル)の発生を抑制することができる。なお、対向辺2a、2bの傾斜角度は数度程度であればよい。
磁極歯2は、長手方向の一側から他側に向けて幅が変化する単純な形状であり、長尺部10の長手方向に対して垂直をなして保持させればよく、高精度に位置決めすることができる。従って、ディテント力を低減するための前述した構成は、簡易に、しかも高精度に実現することができ、推力リップルの発生を確実に抑制することができる。
なお以上の実施の形態では、磁極歯2が補助磁極3a,3bから、一対の長尺部10の対向面側に突出しているが、突出しない構造(面一)としてもよい。この場合には、磁極歯2及び補助磁極3a,3bを、磁気抵抗が明らかに変わる程度に異なる飽和磁化を持つ材料製とする。例えば、磁極歯2は,珪素鋼板製とし、補助磁極3a,3bは,ソフトフェライト又はSMC(軟磁性複合部材:Soft Magnetic Composites)製とすればよい。実施の形態のリニアモータでは、電機子ヨーク40及び磁極歯2の間の磁気抵抗、並びに電機子ヨーク40及び補助磁極3a,3bの間の磁気抵抗が異なることにより磁束の流れに勾配が生じる。生じた勾配により、リニアモータの可動子4の進行方向が定まる。従って、磁気抵抗の差による磁束の流れに勾配がなければ、リニアモータは動作しない。
図10、図11は、磁極歯2の他の構成例を示す斜視図である。図10に示す磁極歯2は、長尺部10、10の対向面側に突出する角部に面取り部23、23を備えている。このような面取り部23、23を設けた場合、移動する可動子4の電機子ヨーク40は、磁極歯2の角部と徐々に隙間を減じながら対向する結果、ディテント力を低減することが可能となる。
面取り部23、23は、図10に示すC形に限らず、R形であってもよい。また面取り部23、23の幅は、磁極歯2の幅の範囲内で適宜に設定することができ、例えば、磁極歯2の全幅に亘って緩やかに湾曲する円弧状の面取りを設けてもよい。
図11に示す磁極歯2は、長手方向の一側から他側に向けて段階的に幅を変化させた形状を有している。この磁極歯2は、等幅の磁性金属板20を積層してなる複数(図においては4つ)のブロックを幅方向の中央で位置合わせして結合することにより構成することができる。この磁極歯2においては、異なる幅を有する磁性金属板20を多種類用意する必要がなく、部品の種類を削減することができる。このような磁極歯2を用いた場合においてもディテント力の高調波成分を低減することができる。
なお、磁性金属板20に設けた位置決め孔21は、ブロック同士の位置決めにも利用でき、図11に示す磁極歯2は、高精度に構成することができる。また図11に示す磁極歯2においても、図10に示す面取り部23、23を更に設けてもよいことは言うまでもない。
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 保持部材
2 磁極歯
3a 補助磁極
3b 補助磁極
10 長尺部
11 結合部
20 磁性金属板
21 位置決め孔
30 磁性金属板

Claims (7)

  1. 相対向する一対の長尺部及び該長尺部を短手方向の一側で結合する結合部を有する保持部材と、該保持部材の前記一対の長尺部に夫々の長手方向に並設して保持された複数の磁極歯とを備えるリニアモータ用固定子において、
    前記複数の磁極歯は、
    並設方向に直交する方向に長く、並設方向の幅が長手方向の一側から他側に向けて連続的又は段階的に変化する形状を有し、
    狭幅側と広幅側とが交互に位置するように並設されていることを特徴とするリニアモータ用固定子。
  2. 前記一対の長尺部が夫々保持する磁極歯は、並設方向に千鳥配置してあることを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ用固定子。
  3. 前記磁極歯は、異なる幅を有する複数の磁性金属板を幅方向中央で位置合わせし、厚さ方向に積層して構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリニアモータ用固定子。
  4. 前記磁性金属板の夫々は、幅方向の中央部に厚さ方向に貫通形成された位置決め孔を備えることを特徴とする請求項3に記載のリニアモータ用固定子。
  5. 前記磁性金属板は、積層面の少なくとも一部に絶縁処理を施してあることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のリニアモータ用固定子。
  6. 前記長尺部は、隣り合う磁極歯間に配され、前記対向の方向に複数の磁性金属板を積層して構成された補助磁極を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のリニアモータ用固定子。
  7. 前記補助磁極を構成する磁性金属板は、積層面の少なくとも一部に絶縁処理を施してあることを特徴とする請求項6に記載のリニアモータ用固定子。
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