JPWO2015041011A1 - 円盤状ガラス基板の製造方法、円盤状ガラス基板、情報記録媒体用ガラス基板、および、情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
この情報記録媒体用ガラス基板の製造方法は、ガラス基板(1)の洗浄を行なう工程と、ガラス基板(1)の洗浄を行なった後に、ガラス基板(1)の表面を化学強化する工程とを備え、ガラス基板(1)の洗浄を行なう工程は、ガラス基板(1)の内周端面(4)において、φ0.1μm以上の酸化セリウムの残渣量が3個/mm2以下となるように洗浄を行なう工程を含む。
Description
本発明は、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法に関する。
近年、記録媒体(磁気ディスク)を搭載するハードディスクドライブ(HDD)装置においては、2.5インチの記録媒体1枚で、記録容量が500GB(片面250GB)、面記録密度が630Gb/平方インチ以上の記録密度を有するものが開発されている。
これらのHDD装置においては、磁気ヘッドと磁気ディスクとの間の距離(フライングハイト)が小さくなってきている。フライングハイトが小さくなるにつれて、磁気ディスクに起因する不良(ヘッドクラッシュ)を抑えるために、磁気ディスクとして許容される基板表面の清浄度、および、基板表面の平坦性への要求が厳しくなってきている。
さらに、HDD装置の耐久性の観点から、HDD装置には衝撃に強いことが求められる。近年ではHDD装置には、アルミ基板よりもガラス基板が多く用いられている。ガラス基板の強度を向上させる為に、ガラス基板に化学強化処理を施すことが知られている。特開2008−234823号公報(特許文献1)には、化学強化処理工程を採用して形成された磁気ディスクが開示されている。
しかし、近年のモバイルPC等に搭載されるHDD装置においては、想定以上の大きな衝撃が加わった際に、HDD装置が動作しなくなる場合が考えられる。HDD装置が動作しなくなる具体的な原因としては、落下等の衝撃の際にHDD装置内の磁気ディスクが破損してしまうことが考えられる。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、磁気ディスクのさらなる強度の向上を図ることができる、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
この発明に基づいた情報記録媒体用ガラス基板の製造方法においては、一方の主表面、他方の主表面、孔を規定する内周端面、および外周端面を有し、全体として円盤状のガラス基板を成形する工程と、上記内周端面に対して、酸化セリウムによる内端研磨を行なう工程と、上記ガラス基板の洗浄を行なう工程と、上記ガラス基板の洗浄を行なった後に、上記ガラス基板の表面を化学強化する工程とを備え、上記ガラス基板の洗浄を行なう工程は、上記ガラス基板の上記内周端面において、φ0.1μm以上の酸化セリウムの残渣量が3個/mm2以下となるように洗浄を行なう工程を含む。
他の形態においては、上記ガラス基材の洗浄を行なう工程は、上記ガラス基板を洗浄液中に浸漬させた状態で、上記孔に振動棒を挿入し、上記振動棒に超音波を付与して上記振動棒を振動させて、上記ガラス基板の洗浄を行なう。
他の形態においては、上記振動棒にブラシを装着し、上記内周端面に上記ブラシを当接させた状態で、上記ガラス基板の洗浄を行なう。
他の形態においては、上記化学強化を行なった後に、少なくとも1つ以上の精密研磨を行なう工程を含む。
他の形態においては、上記ガラス基板の厚みが、0.65mm以下である。
この発明に基づいた情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によれば、磁気ディスクのさらなる強度の向上を図ることができる、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を提供することを可能とする。
本発明に基づいた実施の形態および各実施例について、以下、図面を参照しながら説明する。実施の形態および各実施例の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態および各実施例の説明において、同一の部品、相当部品に対しては、同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。
[実施の形態]
(情報記録装置30)
図1を参照して、情報記録装置30について説明する。図1は、情報記録装置30を示す斜視図である。情報記録装置30は、実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板(以下、単にガラス基板ともいう)の製造方法によって製造されたガラス基板1を、情報記録媒体10として備える。
(情報記録装置30)
図1を参照して、情報記録装置30について説明する。図1は、情報記録装置30を示す斜視図である。情報記録装置30は、実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板(以下、単にガラス基板ともいう)の製造方法によって製造されたガラス基板1を、情報記録媒体10として備える。
具体的には、情報記録装置30は、情報記録媒体10、筐体20、ヘッドスライダー21、サスペンション22、アーム23、垂直軸24、ボイスコイル25、ボイスコイルモーター26、クランプ部材27、および固定ネジ28を備える。筐体20の上面上には、スピンドルモーター(図示せず)が設置される。
磁気ディスクなどの情報記録媒体10は、クランプ部材27および固定ネジ28によって、上記のスピンドルモーターに回転可能に固定される。情報記録媒体10は、このスピンドルモーターによって、たとえば数千rpmの回転数で回転駆動される。詳細は図4および図5を参照して後述されるが、情報記録媒体10は、ガラス基板1に圧縮応力層12(図5参照)および磁気記録層14(図4および図5参照)が形成されることによって製造される。
アーム23は、垂直軸24回りに揺動可能に取り付けられる。アーム23の先端には、板バネ(片持ち梁)状に形成されたサスペンション22が取り付けられる。サスペンション22の先端には、ヘッドスライダー21が情報記録媒体10を挟み込むように取り付けられる。
アーム23のヘッドスライダー21とは反対側には、ボイスコイル25が取り付けられる。ボイスコイル25は、筐体20上に設けられたマグネット(図示せず)によって挟持される。ボイスコイル25およびこのマグネットにより、ボイスコイルモーター26が構成される。
ボイスコイル25には所定の電流が供給される。アーム23は、ボイスコイル25に流れる電流と上記マグネットの磁場とにより発生する電磁力の作用によって、垂直軸24回りに揺動する。アーム23の揺動によって、サスペンション22およびヘッドスライダー21も矢印AR1方向に揺動する。ヘッドスライダー21は、情報記録媒体10の表面上および裏面上を、情報記録媒体10の半径方向に往復移動する。ヘッドスライダー21に設けられた磁気ヘッド(図示せず)はシーク動作を行なう。
当該シーク動作が行なわれる一方で、ヘッドスライダー21は、情報記録媒体10の回転に伴って発生する空気流により、浮揚力を受ける。当該浮揚力とサスペンション22の弾性力(押圧力)とのバランスによって、ヘッドスライダー21は情報記録媒体10の表面に対して一定の浮上量で走行する。当該走行によって、ヘッドスライダー21に設けられた磁気ヘッドは、情報記録媒体10内の所定のトラックに対して情報(データ)の記録および再生を行なうことが可能となる。ガラス基板1が情報記録媒体10を構成する部材の一部として搭載される情報記録装置30は、以上のように構成される。
(ガラス基板1)
図2は、本実施の形態に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板1を示す平面図である。図3は、図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図2は、本実施の形態に基づく情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によって製造されるガラス基板1を示す平面図である。図3は、図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図2および図3に示すように、情報記録媒体10(図4および図5参照)にその一部として用いられるガラス基板1(情報記録媒体用ガラス基板)は、主表面2、主表面3、孔5を規定する内周端面4、および外周端面6を有し、全体として円盤状に形成される。
孔5は、一方の主表面2から他方の主表面3に向かって貫通するように設けられる。内周端面4は、直線部4aと面取部4bとを含む。面取部4bは、一方の主表面2と直線部4aとの間に形成される内周端チャンファー部と、他方の主表面3と直線部4aとの間に形成される内周端チャンファー部とを含む。
外周端面6は、直線部6aと面取部6bとを含む。面取部6bは、一方の主表面2と直線部6aとの間に形成される外周端チャンファー部と、他方の主表面3と直線部6aとの間に形成される外周端チャンファー部とを含む。
ガラス基板1Gは、たとえば、0.8インチ、1インチ、1.8インチ、2.5インチまたは3.5インチの大きさを有する。ガラス基板1Gは、たとえば、0.3mm、0.65mm、0.8mm、1mm、2mm、2.2mmの厚みを有する。ガラス基板1Gの厚みとは、ガラス基板1G上の点対称となる任意の複数の点で測定した値の平均によって算出される値である。
ガラス基板1Gのガラス組成としては、イオン交換による化学強化が可能なガラスであれば特に限定されない。たとえば、SiO2、Na2O、CaOを主成分としたソーダライムガラス、SiO2、Al2O3、R2O(R=K、Na、Li)を主成分としたアルミノシリケートガラス、ボロシリケートガラス、Li2O−SiO2系ガラス、Li2O−Al2O3−SiO2系ガラス、R’O−Al2O3−SiO2系ガラス(R’=Mg、Ca、Sr、Ba)などを使用することができる。中でも、SiO2を63〜70mol%含み、かつSiO2とAl2O3との合計量を70mol%以上とするアルミノシリケートガラスが好ましい。
(情報記録媒体10)
図4は、情報記録媒体としてガラス基板1を備えた情報記録媒体10を示す平面図である。図5は、図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。
図4は、情報記録媒体としてガラス基板1を備えた情報記録媒体10を示す平面図である。図5は、図4中のV−V線に沿った矢視断面図である。
図4および図5に示すように、情報記録媒体10は、ガラス基板1と、圧縮応力層12と、磁気記録層14とを含む。圧縮応力層12は、ガラス基板1の主表面2,3、内周端面4、および外周端面6を覆うように形成される。磁気記録層14は、圧縮応力層12の主表面2,3上の所定の領域を覆うように形成される。ガラス基板1の内周端面4上に圧縮応力層12が形成されることによって、内周端面4の内側に孔15が形成される。孔15を利用して、情報記録媒体10は筐体20(図1参照)上に設けられたスピンドルモーターに対して固定される。
図5に示す情報記録媒体10においては、主表面2上に形成された圧縮応力層12と主表面3上に形成された圧縮応力層12との双方(両面)の上に、磁気記録層14が形成されている。磁気記録層14は、主表面2上に形成された圧縮応力層12の上(片面)にのみ設けられていてもよく、主表面3上に形成された圧縮応力層12の上(片面)に設けられていてもよい。
磁気記録層14は、磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂をガラス基板1の主表面2,3上の圧縮応力層12にスピンコートすることによって形成される(スピンコート法)。磁気記録層14は、ガラス基板1の主表面2,3上の圧縮応力層12に対して実施されるスパッタリング法または無電解めっき法等により形成されてもよい。
磁気記録層14の膜厚は、スピンコート法の場合は約0.3μm〜1.2μm、スパッタリング法の場合は約0.04μm〜0.08μm、無電解めっき法の場合は約0.05μm〜0.1μmである。薄膜化および高密度化の観点からは、磁気記録層14はスパッタリング法または無電解めっき法によって形成されるとよい。
磁気記録層14に用いる磁性材料としては、高い保持力を得る目的で結晶異方性の高いCoを主成分とし、残留磁束密度を調整する目的でNiまたはCrを加えたCo系合金などを付加的に用いることが好適である。近年では、熱アシスト記録用に好適な磁性層材料として、Fe−Pt系磁性材料が用いられるようになってきている。
磁気ヘッドの滑りをよくするために、磁気記録層14の表面に潤滑剤を薄くコーティングしてもよい。潤滑剤としては、たとえば液体潤滑剤であるパーフロロポリエーテル(PFPE)をフレオン系などの溶媒で希釈したものが挙げられる。
磁気記録層14には、必要に応じて下地層または保護層を設けてもよい。情報記録媒体10における下地層は、磁性膜の種類に応じて選択される。下地層の材料としては、たとえば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、またはNiなどの非磁性金属から選ばれる少なくとも一種以上の材料が挙げられる。
磁気記録層14に設ける下地層は、単層に限らず、同一または異種の層を積層した複数層構造としても構わない。たとえば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、または、NiAl/CrV等の多層下地層としてもよい。
磁気記録層14の摩耗および腐食を防止する保護層としては、たとえば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ジルコニア層、またはシリカ層が挙げられる。これらの保護層は、下地層および磁性膜など共にインライン型スパッタ装置で連続して形成されることができる。これらの保護層は、単層としてもよく、または、同一若しくは異種の層からなる多層構成としてもよい。
上記保護層上に、あるいは上記保護層に代えて、他の保護層を形成してもよい。たとえば、上記保護層に代えて、Cr層の上にテトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈した中に、コロイダルシリカ微粒子を分散して塗布し、さらに焼成して酸化ケイ素(SiO2)層を形成してもよい。
なお、上述においては、一例として、ガラス基板1が、たとえば、0.3mm、0.65mm、0.8mm、1mm、2mm、2.2mmの厚みを有する場合を例示したが、特に0.65mm以下の厚みを有することが好ましい。ガラス基板の厚みが薄くなりガラス基板自体のフラッタリング量が大きくなる(厚さが0.635mmでのフラッタリング量は、たとえば厚さが0.8mmのフラッタリング量の2倍となる)場合に、上記のような構成とすることで、上記の耐久性がより顕著に向上し、より確実に磁気ヘッドの浮上特性を安定させることができる。
(ガラス基板の製造方法)
次に、図6を参照して、本実施の形態に係るガラス基板1および情報記録媒体10の製造方法を説明する。図6は、ガラス基板1および情報記録媒体10の製造方法を示すフロー図である。
次に、図6を参照して、本実施の形態に係るガラス基板1および情報記録媒体10の製造方法を説明する。図6は、ガラス基板1および情報記録媒体10の製造方法を示すフロー図である。
まず、ステップ10(以下、「S10」と略す。ステップ11以降も同様。)の「ガラス溶融工程」において、ガラス基板を構成するガラス素材を溶融する。
S11の「プレス成形工程」において、溶融させたガラス素材を上型および下型を用いたプレスによりガラス基板を作製した。使用したガラス組成は、一般的なアルミノシリケートガラスを用いた。ガラス基板の作製方法としては成形に限らず、公知の手法である板ガラスからの切り出し等でも構わず、ガラス組成もこれに限らない。
S12の「第1ラップ工程」において、ガラス基板の両主表面をラッピング加工した。この第1ラップ工程は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置を用いて行なった。具体的には、ガラス基板の両面に上下からラップ定盤を押圧させ、研削液をガラス基板の主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行なった。このラッピング加工により、おおよそ平坦な主表面を有するガラス基板を得た。
S13の「コアリング工程」において、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、ガラス基板の中心部に孔を形成し、円環状のガラス基板を作製した。ガラス基板の内周端面、および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を実施した。
S14の「内周研磨工程」において、ガラス基板の内周端面に対して、ブラシ研磨による鏡面研磨を行なった。研磨砥粒としては、一般的な酸化セリウム砥粒(平均粒径φ2μm)を含むスラリーを用いた。
S15の「第2ラップ工程」において、ガラス基板の両主表面について、上記第1ラップ工程(S12)と同様に、ラッピング加工を行なった。この第2ラップ工程を行なうことにより、前工程のコアリングおよび端面加工において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができる。その結果、後工程での主表面の研磨時間を短縮することができる。
S16の「外周研磨工程」において、ガラス基板の外周端面について、ブラシ研磨による鏡面研磨を行なった。研磨砥粒としては、一般的な酸化セリウム砥粒を含むスラリーを用いた。
S17の「第1ポリッシュ工程」において、主表面研磨を行なった。この第1ポリッシュ工程は、上述の第1および第2ラップ工程(S12,S14)において主表面に残留したキズおよび反りを矯正することを主目的とするものである。この第1ポリッシュ工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により主表面の研磨を行なった。研磨剤としては、一般的な酸化セリウム砥粒を用いた。
S18の「化学強化前洗浄」においては、ガラス基板1の内周端面4において、φ0.1μm以上の酸化セリウムの残渣量が3個/mm2以下となる洗浄を行なった。具体的な洗浄方法については後述する。
S19の「化学強化工程」において、ガラス基板1の主表面に対して表面強化層を形成した。具体的には、300℃に加熱された硝酸カリウム(70%)と硝酸ナトリウム(30%)の混合溶液中に、ガラス基板1を約30分間浸漬することによって化学強化を行なった。その結果、ガラス基板の内周端面および外周端面のリチウムイオンおよびナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオンおよびカリウムイオンにそれぞれ置換され、圧縮応力層が形成されることでガラス基板の主表面及び端面が強化された。
S20の「第2ポリッシュ工程」において、主表面研磨工程を施した。この第2ポリッシュ工程は上述までの工程で発生、残存している主表面上の微小欠陥等を解消して鏡面状に仕上げること、反りを解消し所望の平坦度に仕上げることを目的とする。この第2ポリッシュ工程は、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により研磨を行なった。研磨剤としては、平滑面を得る為に平均粒径が約20nmのコロイダルシリカを用いた。
S21の「最終洗浄工程(Final Cleaning)」において、ガラス基板の主表面、端面の最終洗浄を実施する。これによりガラス基板上に残存する付着物を除去する。
S22の「磁気薄膜層成膜工程」において、上述の工程を経て得られたガラス基板1の洗浄後に、ガラス基板1の両主表面に、Cr合金からなる密着層、CoFeZr合金からなる軟磁性層、Ruからなる配向制御下地層、CoCrPt合金からなる垂直磁気記録層、C系の保護層、F系からなる潤滑層を順次成膜することにより、垂直磁気記録方式の情報記録媒体を製造した。この構成は垂直磁気記録方式の構成の一例であり、面内情報記録媒体として磁性層等を構成してもよい。熱アシスト記録用に好適な磁性層材料として、FePt系の材料を用いてもよい。その後、S23の「後熱処理工程」を実施することで、情報記録媒体が完成する。
上記ガラス基板の製造方法においては、S17の「第1ポリッシュ工程」の後にS18の「化学強化前洗浄」を行なっているが、S16の「外周研磨工程」の後にS18の「化学強化前洗浄」を行ない、S19の「化学強化工程」の後に、S17の「第1ポリッシュ工程」を行ない、引き続きS20の「第2ポリッシュ工程」を行なってもよい。
(発明者らが知見したガラス基板の製造方法の課題)
ここで、発明者らが知見したガラス基板の製造方法の課題について、図7を参照して説明する。図7は、ガラス基板の製造方法において生じる課題を示す模式図である。
ここで、発明者らが知見したガラス基板の製造方法の課題について、図7を参照して説明する。図7は、ガラス基板の製造方法において生じる課題を示す模式図である。
上述したように、HDD装置において、想定以上の大きな衝撃が加わった際に、HDD装置が動作しなくなる場合がある。HDD装置が動作しなくなる具体的な原因としては、落下等の衝撃の際にHDD装置内のガラス基板1(磁気ディスク)が破損してしまうことが考えられる。そこで、破損したガラス基板1を調査したところ、破損箇所はガラス基板1の内周端面4の一部(スジ状のキズ)が起点になっている傾向が高いことがわかった。さらに、調査の結果、スジ状のキズの発生原因が、以下であることを突き止めた。
S14の「内周研磨工程」において、研磨材として酸化セリウムを使用することで内周端面を鏡面に仕上げている。しかし、次工程に移動する際の保持具100による挟持の際、および/または、研磨の際に研磨パット110が押しつけられる際に、ガラス基板1の内周端面4に酸化セリウム(図7中のCe)が突き刺さったり、ガラス基板1と反応して融着しやすい傾向にある。
この状態で、以降の工程であるS19の「化学強化工程」が行なわれると、ガラス基板1の内周端面4の酸化セリウムCeが化学強化時の熱(300℃以上)により、さらに内周端面4に固着し、以降のS20の「第2ポリッシュ工程」では完全に酸化セリウムCeを除去できなくなってしまう。
さらに、その状態で内周端面4に物理的な強い力が加わると、ガラス基板1の内周端面4のハンドリング時、および/または、ドライブ組み込み時等に、これまでガラス基板1に固着した酸化セリウムCeが突発的に除去される。その結果、外部装置120が、内周端面4に当接した場合、内周端面4の表面にスジ状のキズC1を発生させて、化学強化によって形成させた内周端面4の応力が緩和された状態となる。その箇所が起点となりガラス基板1に亀裂C2(破損)が発生し易くなると考えられる。
そこで、本実施の形態では、上記したように、S19の「化学強化工程」の前に、S18の「化学強化前洗浄」を実施し、ガラス基板1の内周端面4において、φ0.1μm以上の酸化セリウムの残渣量が3個/mm2以下となる洗浄を行なっている。
以下、図8および図9を参照して、S18の「化学強化前洗浄」の具体的な実施の形態について説明する。図8は、ガラス基板1の化学強化前洗浄に用いられる洗浄装置の模式図、図9は、ガラス基板1の化学強化前洗浄に用いられる洗浄装置の拡大図である。
(洗浄工程1)
この洗浄装置500は、循環槽501内に、酸性洗剤の濃度が3%の洗浄液Wが蓄積され、複数枚のガラス基板1が浸漬されている。
この洗浄装置500は、循環槽501内に、酸性洗剤の濃度が3%の洗浄液Wが蓄積され、複数枚のガラス基板1が浸漬されている。
ガラス基板1は、基板保持部材51に、複数枚の各ガラス基板1が水平方向に保持され、垂直方向に所定の間隔を隔てて保持されている。具体的には、基板保持部材51は、ガラス基板1の外周端側を保持するフレーム部材55と、フレーム部材55の外周端に直接接触し、ガラス基板1の位置決めを行なうガイド部53とを有する。
各ガラス基板1の孔5には、振動棒59が挿入されている。この振動棒59には、この振動棒59に所定の周波数の超音波(US)を付与して振動棒59を振動させる振動素子58および発信器50が連結されている。
図9に示すように、本実施の形態において、ガラス基板1の孔5の開口直径Iが、たとえば、20mmの場合には、振動棒59の直径は、5mm程度がよい。振動素子58および発信器50により、振動棒59に付与する周波数は、40kHz〜60kHzであるとよい。洗浄液Wの液温30℃にて、超音波(US)洗浄を約5分実施した。
これにより、ガラス基板1の内周端面4に軽度に付着している大量の酸化セリウムをおおまか除去することができる。通常の槽の底に振動板がレイアウトされた浸漬式の超音波(US)洗浄の場合と比較して、定在波が阻害されることなく内周端面4に超音波(US)が直接作用するので、洗浄力を向上させることができる。
(洗浄工程2)
次に、図10から図12を参照して、振動棒59に代わり、振動棒59Aを用いてUS洗浄を行なう。この振動棒59Aの基本的構成は、上記した振動棒59と同じであり、相違点は、図10に示すように、筒状の振動棒59の外周面に、螺旋状にブラシ590が巻きつけられている。上下に隣接するブラシ590の配置ピッチP1は、本実施の形態では、4mmに設定している。配置ピッチP1が細かすぎると洗浄液Wの置換効率が悪く、配置ピッチP1が大きすぎると洗浄液Wの洗浄能力が低下する。よって、ブラシ590の配置ピッチP1は、適宜変更することが望ましい。
次に、図10から図12を参照して、振動棒59に代わり、振動棒59Aを用いてUS洗浄を行なう。この振動棒59Aの基本的構成は、上記した振動棒59と同じであり、相違点は、図10に示すように、筒状の振動棒59の外周面に、螺旋状にブラシ590が巻きつけられている。上下に隣接するブラシ590の配置ピッチP1は、本実施の形態では、4mmに設定している。配置ピッチP1が細かすぎると洗浄液Wの置換効率が悪く、配置ピッチP1が大きすぎると洗浄液Wの洗浄能力が低下する。よって、ブラシ590の配置ピッチP1は、適宜変更することが望ましい。
図11に示すように、ブラシ(チャンネルブラシ)590は、ベース部591にブラシ部592が固定され、長手方向に延びる形態を有している。ベース部591の断面形状は略正方形で、一辺の長さは(h1)は、本実施の形態では、約1.5mmである。ブラシ部592のベース部591からの突出長さ(h2)は、約4mmである。ブラシ部592のブラシ毛は、直径0.2mmのナイロン繊維を使用した。それ以外にも、塩化ビニル製、豚毛製のブラシ毛を用いてもよい。
図12に示すように、洗浄時には、内周端面4にブラシ590を当接させた状態で、ガラス基板1の洗浄を行なう。この際、振動棒59Aを回転(矢印R方向)および上下(矢印Y)揺動させながら、超音波(US)洗浄を約5分実施した。これにより、内周端面4に突き刺さっているような強固に付着している酸化セリウムの除去が可能となる。
好ましくは、ガラス基板1を15rpm、振動棒59Aを985rpmで相互に逆回転となるように回転させる。内周端面4とブラシ590との相対的な回転速度は、約1000rpm以上がよい。振動棒59Aのブラシ590を内周端面4の一方向に約2mm押し付け、振動棒59Aを上下に400mm/minの速度で揺動しながら超音波(US)を実施した。ブラシ590の形状、取り付け方は本実施の形態には限定されない。
振動棒59の場合と同様に、振動棒59Aに40kHz〜60kHzの振動を付与し、循環槽において、洗浄液Wの液温30℃にて、超音波(US)洗浄を約5分実施した。
(洗浄工程3)
次に、循環槽において、HF濃度0.2%、液温30℃の洗浄液を用いて、ガラス基板1を3分間浸漬させた。これにより内周端面4を含む全ての主表面2,3において、反応している酸化セリウムをガラス基板1とともに溶解、除去する。化学反応の為、液温、時間が固定の場合、濃度が薄いと十分な効果がえられず、逆に濃い場合はガラス基板1の表面が粗れて寸法が変化するので好ましくない。よって、HF濃度は、0.1%〜0.3%が好ましい。
次に、循環槽において、HF濃度0.2%、液温30℃の洗浄液を用いて、ガラス基板1を3分間浸漬させた。これにより内周端面4を含む全ての主表面2,3において、反応している酸化セリウムをガラス基板1とともに溶解、除去する。化学反応の為、液温、時間が固定の場合、濃度が薄いと十分な効果がえられず、逆に濃い場合はガラス基板1の表面が粗れて寸法が変化するので好ましくない。よって、HF濃度は、0.1%〜0.3%が好ましい。
(洗浄工程4)
次に、酸洗剤濃度3%、液温30℃の洗浄液を用いて、槽底に振動板がレイアウトされた浸漬式のUS洗浄(80KHz)を5分実施し、ガラス基板全面の洗浄を行なった。
次に、酸洗剤濃度3%、液温30℃の洗浄液を用いて、槽底に振動板がレイアウトされた浸漬式のUS洗浄(80KHz)を5分実施し、ガラス基板全面の洗浄を行なった。
(洗浄工程5)
その後、純水、1way槽を用いて、槽底に振動板がレイアウトされた浸漬式のUS洗浄(80KHz)を5分実施し、ガラス基板1全面の最終リンスを行なった。
その後、純水、1way槽を用いて、槽底に振動板がレイアウトされた浸漬式のUS洗浄(80KHz)を5分実施し、ガラス基板1全面の最終リンスを行なった。
(洗浄工程6)
最後にIPA(イソプロピルアルコール)循環槽にガラス基板1を浸漬し、その後IPAベーパー槽にてガラス基板1乾燥させた。
最後にIPA(イソプロピルアルコール)循環槽にガラス基板1を浸漬し、その後IPAベーパー槽にてガラス基板1乾燥させた。
(各実施例)
以下、図13を参照して、本実施の形態における各実施例について説明する。図13は、実施例1から3、比較例1から3の落下衝撃試験の結果を示す図である。
以下、図13を参照して、本実施の形態における各実施例について説明する。図13は、実施例1から3、比較例1から3の落下衝撃試験の結果を示す図である。
(実施例1)
実施例1は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、上記洗浄工程2から6を実施した。
実施例1は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、上記洗浄工程2から6を実施した。
(実施例2)
実施例2は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、上記洗浄工程1から6を実施した。
実施例2は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、上記洗浄工程1から6を実施した。
(実施例3)
実施例3は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、上記洗浄工程1から6を実施した。ただし、以下に示すように条件を変更した。洗浄工程1は、洗浄時間を2倍の10分で実施した。洗浄工程2の洗浄前に毎回ブラシを用いたレフレッシュ工程を実施した。すなわち、使用回数につれてブラシにも除去した酸化セリウムが付着する為に、予め最終洗浄工程まで完了した基板を準備し、それをダミー基板として洗浄することで、ブラシに付着した酸化セリウムを除去する工程を追加した。洗浄工程2の洗浄時間を2倍の10分で実施した。
実施例3は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、上記洗浄工程1から6を実施した。ただし、以下に示すように条件を変更した。洗浄工程1は、洗浄時間を2倍の10分で実施した。洗浄工程2の洗浄前に毎回ブラシを用いたレフレッシュ工程を実施した。すなわち、使用回数につれてブラシにも除去した酸化セリウムが付着する為に、予め最終洗浄工程まで完了した基板を準備し、それをダミー基板として洗浄することで、ブラシに付着した酸化セリウムを除去する工程を追加した。洗浄工程2の洗浄時間を2倍の10分で実施した。
(比較例1)
比較例1は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、洗浄工程1〜3は実施せずに、洗浄工程4〜6のみを実施した。
比較例1は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、洗浄工程1〜3は実施せずに、洗浄工程4〜6のみを実施した。
(比較例2)
比較例2は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、洗浄工程1〜2は実施せずに、洗浄工程3〜6のみを実施した。
比較例2は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、洗浄工程1〜2は実施せずに、洗浄工程3〜6のみを実施した。
(比較例3)
比較例3は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、洗浄工程1〜2は実施せずに、洗浄工程3〜6のみを実施した。ただし、洗浄工程3のHF浸漬洗浄を3槽設けて、各3分×3回の洗浄として実施した。この場合、HFのエッチング効果により酸化セリウムはさらに除去されるが、洗浄槽設備が大きくなることと、端面表面の粗さが規格値上限にまで達してしまうおそれがある。
比較例3は、図6に示す製造フローに基づきガラス基板および情報記録媒体を製造した。化学強化前洗浄(S18)としては、洗浄工程1〜2は実施せずに、洗浄工程3〜6のみを実施した。ただし、洗浄工程3のHF浸漬洗浄を3槽設けて、各3分×3回の洗浄として実施した。この場合、HFのエッチング効果により酸化セリウムはさらに除去されるが、洗浄槽設備が大きくなることと、端面表面の粗さが規格値上限にまで達してしまうおそれがある。
(評価)
実施例1、2、3、比較例1、2、3で作製したガラス基板において、S18後(化学強化工程(S19)前)のガラス基板に対して、内周端面4に存在する酸化セリウムの評価を下記のように行なった。
実施例1、2、3、比較例1、2、3で作製したガラス基板において、S18後(化学強化工程(S19)前)のガラス基板に対して、内周端面4に存在する酸化セリウムの評価を下記のように行なった。
抜き取られたガラス基板の内周端面4を走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察できるように数分割し、SEMによる付着物観察とエネルギー分散型X線分析装置(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)による分析を行ない、内周端面4に存在するφ0.1μm以上の酸化セリウムの個数を求めた。その後、内周端面4の面積で割り、単位面積当たり(1平方ミリメートル)の酸化セリウムの残渣量(個数)を求めた。
内径ハンドリング治具、およびスピンドル軸表面の粗さRaは通常は数nm(JIS_01規格、触針r≒2μmによるRa)の鏡面であるので、φ0.1μm未満の小さい付着物は治具、スピンドルとの接触時に除去・内端のキズ発生させることはほとんどない為に、後発エラーの問題になると考えられる、φ0.1μm以上の酸化セリウムの単位面積当たり(1平方ミリメートル)の個数に着目した。
図13に示すように、化学強化工程前の酸化セリウムの単位面積当たりの残渣量(個数)は、実施例1が、3個/mm2、実施例2が、2.6個/mm2、実施例3が1.9個/mm2であった。また、比較例1は、4.5/mm2、比較例2は、3.8/mm2、比較例3が3.3個/mm2であった。
その後、磁気ディスク(情報記録媒体)の製造の最終工程まで行ない、HDD装置に組み込んで落下衝撃試験を実施した。具体的には、実施例1〜3、比較例1〜3で作製した磁気ディスクを5000rpm仕様のHDD装置に搭載して落下衝撃試験を行なった。
試験機は、市販の落下衝撃試験機を用いて各実施例および各比較例の磁気ディスクを取り付けたHDD装置を一定の高さから落下させて行なった。試験では、1mの高さからHDD装置を落下させた後、HDD装置置を分解し、磁気ディスクのワレの有無を目視で確認した。
各実施例および各比較例で作製した各1000枚の磁気ディスクのHDD装置の評価結果を図13に示す。落下試験後のワレ発生率(品質)の判定は、発生したワレが1枚以下の場合を評価「A」、2〜5枚の場合を評価「B」、6〜10枚の場合を評価「C」、11枚以上の場合を評価「F」としている。
「A」は、実用途で申し分のないレベルであり、「B」は十分使用可能なレベルであり、「C」は実用途には不安定なレベルであり、「F」は、実用途には適さないレベルである。
図13に示すように、評価結果は、化学強化工程前の酸化セリウムの単位面積当たりの残渣量(個数)に比例しており、酸化セリウムの単位面積当たりの残渣量(個数)が1.9個/mm2の実施例3が最も評価結果がよく、評価「A」であり、次いで、残渣量(個数)が2.6個/mm2の実施例2が評価「B」であり、残渣量(個数)が3個/mm2の実施例3も評価「B」であった。
一方、残渣量(個数)が4.5個/mm2の比較例1、および、3.8個/mm2の比較例2はいずれも評価「F」であり、残渣量(個数)が3.3個/mm2の比較例3は、評価「C」であった。
以上、本実施の形態における情報記録媒体用ガラス基板の製造方法によれば、ガラス基板1の表面を化学強化する工程の前に実施されるガラス基板1の洗浄を行なう工程は、ガラス基板1の内周端面4において、φ0.1μm以上の酸化セリウムの残渣量が3個/mm2以下となるように洗浄を行なっている。
これにより、内周端面4に生じるスジ状のキズの発生が抑制され、この領域からの亀裂(破損)の発生が生じ難くなる。その結果、磁気ディスクのさらなる強度の向上を図ることを可能とする。
また、化学強化工程(S19)の後に、1つ以上の研磨工程(S20,S17)が存在すれば、研磨中の研磨パッドの端面回り込みにより酸化セリウム除去とともに、内周端面の表面へのキズの発生が想定される。その結果、応力が開放されてガラス基板が、落下衝撃に弱くなると予想できることから、本実施の形態の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を採用することで、より効果的に、本実施の形態の効果を得ることができる。
さらに、ガラス基板1の厚さが、0.65mm以下のガラス基板1を用いた場合においても、ガラス基板1の厚みが薄い方が同じ衝撃に対しては弱いことから、本実施の形態の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法を採用することで、より効果的に、本実施の形態の効果を得ることができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ガラス基板、2,3 主表面、4 内周端面、4a,6a 直線部、4b,6b 面取部、5,15 孔、6 外周端面、10 情報記録媒体、12 圧縮応力層、14 磁気記録層、20 筐体、21 ヘッドスライダー、22 サスペンション、23 アーム、24 垂直軸、25 ボイスコイル、26 ボイスコイルモーター、27 クランプ部材、28 固定ネジ、30 情報記録装置、50 発信器、51 基板保持部材、53 ガイド部、55 フレーム部材、58 振動素子、59,59A 振動棒、100 保持具、110 研磨パット、120 外部装置、500 洗浄装置、590 ブラシ、591 ベース部、592 ブラシ部。
本発明は、円盤状ガラス基板の製造方法、円盤状ガラス基板、情報記録媒体用ガラス基板、および、情報記録媒体に関する。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、磁気ディスクのさらなる強度の向上を図ることができる、円盤状ガラス基板の製造方法、円盤状ガラス基板、情報記録媒体用ガラス基板、および、情報記録媒体を提供することを目的とする。
この発明に基づいた円盤状ガラス基板の製造方法、円盤状ガラス基板、情報記録媒体用ガラス基板、および、情報記録媒体によれば、磁気ディスクのさらなる強度の向上を図ることができる、円盤状ガラス基板、情報記録媒体用ガラス基板、および、情報記録媒体を提供することを可能とする。
Claims (5)
- 情報記録媒体用ガラス基板の製造方法であって、
一方の主表面、他方の主表面、孔を規定する内周端面、および外周端面を有し、全体として円盤状のガラス基板を成形する工程と、
前記内周端面に対して、酸化セリウムによる内端研磨を行なう工程と、
前記ガラス基板の洗浄を行なう工程と、
前記ガラス基板の洗浄を行なった後に、前記ガラス基板の表面を化学強化する工程と、を備え、
前記ガラス基板の洗浄を行なう工程は、前記ガラス基板の前記内周端面において、φ0.1μm以上の酸化セリウムの残渣量が3個/mm2以下となるように洗浄を行なう工程を含む、情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 前記ガラス基材の洗浄を行なう工程は、
前記ガラス基板を洗浄液中に浸漬させた状態で、前記孔に振動棒を挿入し、前記振動棒に超音波を付与して前記振動棒を振動させて、前記ガラス基板の洗浄を行なう、請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。 - 前記振動棒にブラシを装着し、前記内周端面に前記ブラシを当接させた状態で、前記ガラス基板の洗浄を行なう、請求項2に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
- 前記化学強化を行なった後に、少なくとも1つ以上の精密研磨を行なう工程を含む、請求項1または3のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
- 前記ガラス基板の厚みが、0.65mm以下である、請求項1または4のいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板の製造方法。
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