JPWO2015005321A1 - 一口サイズのスモークチーズ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記の燻煙処理をするスモークチーズの製造方法の他に、予め調製した薫液の中に、チーズを一定時間浸漬することで、スモーク処理をするスモークチーズの製造方法も知られている(特許文献1)。
スモークチーズの材料として用いられるチーズとしては、チーズ、及びチーズの類似品が挙げられる。例えば、ナチュラルチーズやプロセスチーズの他に、チーズフードなどを用いることができる。
一方、プロセスチーズを材料として用いたものとして、加工適性から、食べやすい一口サイズのスモークチーズ製品が広く市販されている。
[1] 一口サイズのチーズの全表面積中の40〜75%の表面がスモーク処理されており、残りの表面がスモーク処理されていないことを特徴とする一口サイズのスモークチーズ。
[2] 一口サイズのスモークチーズの重量が1〜50gである、上記[1]記載の一口サイズのスモークチーズ。
[3] 一口サイズのスモークチーズの体積が1〜50cm3である、上記[1]又は[2]記載の一口サイズのスモークチーズ。
[4] 一口サイズのチーズの全表面積中の50〜70%の表面がスモーク処理されており、残りの表面がスモーク処理されていない、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の一口サイズのスモークチーズ。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかに記載の一口サイズのスモークチーズを製造するための方法であって、スモーク処理が、燻液の塗布、または、燻煙によるものである一口サイズのスモークチーズの製造方法。
[6] 一口サイズよりも大きなサイズを有するチーズの全表面をスモーク処理して、スモークチーズを得るスモーク処理工程と、上記スモーク処理工程で得られた上記スモークチーズを一口サイズに切断して、上記一口サイズのスモークチーズを得る切断工程、を含む上記[5]に記載の一口サイズのスモークチーズの製造方法。
[7] 一口サイズのチーズの表面の一部をスモーク処理して、上記一口サイズのスモークチーズを得る、上記[5]に記載の一口サイズのスモークチーズの製造方法。
ナチュラルチーズの例示として、エダム、ゴーダ、カンタル、フォンティナ、チェシャー、チェダー、グロスター、ダービー、ライセスター、スベシア、ダンロップ、ツルンマ、グラナ、パルメザン、エメンタール、グリュイエール、ボフォール、ヘルガートオスト、アシアゴ、スプリンツ、スカモルゼ、プロボローネ、カシオカバロ、モッツァレラ、セシル、カッセリ、カシュカバル、ペレニカ、セントポーリン、カーフィリー、ランカシャー、トラピスト、プロビデンス、エルブ、リンブルグ、ロマジュール、ミュンスター、チルジット、バシュランモンドール、ルムドゥ、スタインブッシャーケーゼ、ブリック、スチルトン、ロックフォール、ゴルゴンゾラ、ダナブルー、ミセラ、ウエンズレーデイル、ブルービニー、ガンメルオスト、アデルオスト、チロラーグロウケーゼ、エーデルピルツケーゼ、アウラ、カッテージ、モツァレラ、ピザ、ケソブランコ、ブリー、ベルペーゼ、マルワール、カマンベール、カレドゥレスト、ヌシャーテル、シャウルス、コルウィッチ、ラクティック、クワルク、ボンドン、ペチスイス、クリーム、クロミエ、ヨーク、ケンブリッジ、マスカルポーネ、リコッタ、ミスオスト、ブリムオスト、イェットオスト、チンシカ、ウルダ、ミチスラ、マヌール、ルール、フェタ、シレネー、ハローミ、ダニ、ドミアタ、ミシなどが挙げられるが、その他の公知のナチュラルチーズも含め、特に使用に制限はない。
また、本発明において、一口サイズとは、そのまま口の中に入る大きさであればその重量に特に制限はないが、好ましくは1〜50g、より好ましくは2〜40g、さらに好ましくは3〜35g、さらに好ましくは4〜30g、さらに好ましくは5〜25g、特に好ましくは8〜25gの重量を有する大きさである。
また、一口サイズの形状は、特に制限されず、例えば、立方体形状、直方体形状、円柱状形状、扇形形状などの形状を例示できる。
スモーク処理の方法として、燻液を塗布する方法、燻煙装置で燻煙する方法が例示できる。
スモーク風味の強さは、スモークの香ばしい風味が感じられる程度であればよく、例えば、燻煙装置として電子スモーク装置USM−3(北陽社)を使用し、縦8cm×横8cm×高さ2cmのプロセスチーズブロック、又は直径8cm×高さ2cmのカマンベールチーズをスモーク処理する場合には、それぞれ5〜20分間、好ましくは6〜15分間、より好ましくは7〜13分間、さらに好ましくは8〜12分間スモークにかける。スモーク処理する時間が5分間未満では、スモーク風味が弱くなるため、好ましくない。また、スモーク処理する時間が20分間を超えると、スモーク風味が強くなり過ぎるため、好ましくない。
ゴーダチーズ40重量%、チェダーチーズ40重量%、ポリリン酸ナトリウム2重量%、水18重量%を、一般的なプロセスチーズの製造方法に則り、ケトル型チーズ様乳化釜で加熱溶解し、80℃で10分間保持した後に、30℃まで冷却し、半液状のプロセスチーズ溶解物を調製した。この半液状のプロセスチーズ溶解物を8cm×8cm×2cmの直方体の型に流し込み、冷蔵庫(10℃以下)で一晩冷却し、型から取り出し、8cm×8cm×2cmのプロセスチーズブロックを得た。このプロセスチーズブロックを2cm×2cm×2cmの立方体に切り出すことで、8cm3(比重:1.2)の一口サイズのプロセスチーズを得た。この一口サイズのプロセスチーズの立方体6面のうち、1面だけ燻液(東海化成社製、型番:SF−5)を塗布(全表面積中のスモーク処理した面の面積の割合:17%;以下、「スモーク処理面の割合」という。)したものを試験例1とし、2面に燻液を塗布(スモーク処理面の割合:33%)したものを試験例2とし、3面に燻液を塗布(スモーク処理面50%)したものを試験例3、4面に燻液を塗布(スモーク処理面の割合:67%)したものを試験例4とし、5面に燻液を塗布(スモーク処理面の割合:83%)したものを試験例5とし、6面に燻液を塗布(スモーク処理面の割合:100%)したものを試験例6とした。
得られた試験例1〜6を用いて、専門パネル30名による官能評価を実施した。各専門パネルには、試験例1〜6をそれぞれ1個づつ試食してもらい、おいしいと感じた順番に「5点」、「4点」、「3点」、「2点」、「1点」、「0点」と評点した。各試験例について、30名分の評点を合計し、平均値を算出した。試験例1(スモーク処理面の割合:17%)の評点は1.1点であった。試験例2(スモーク処理面の割合:33%)の評点は2.1点であった。試験例3(スモーク処理面の割合:50%)の評点は4.2点であった。試験例4(スモーク処理面の割合:67%)の評点は4.6点であった。試験例5(スモーク処理面の割合:83%)の評点は1.8点であった。試験例6の評点は1.2点であった。なお、評点が3以上のものを、嗜好性の高いスモークチーズと認定した。
上述の試験例と同様にして、8cm×8cm×2cmのプロセスチーズブロックを得た。このプロセスチーズブロックを燻煙装置(電子スモーク装置USM−3、北陽社)で10分間スモーク処理し、プロセスチーズブロックの全面がスモーク処理されたスモークプロセスチーズを得た。このスモークプロセスチーズを、4枚のブレード(切断刃)を45度の角度に組合せて放射状にした複合切断刃を用いて、チーズブロックの中心から放射状に8等分にカットし、各16cm3(比重:1.2)の一口サイズのスモークチーズ片を得た。得られたチーズ小片は、5面のうち3面がスモーク処理されており、残りの2面は切断面のためスモーク処理されていないものであった。チーズ小片のスモーク処理面の割合は、55%であった。
上述の試験例と同様にして、8cm×8cm×2cmのプロセスチーズブロックを得た。得られたプロセスチーズブロックを、実施例1と同様にしてカットし、各16cm3(比重:1.2)の一口サイズのプロセスチーズ片を得た。この一口サイズのプロセスチーズ片を燻煙装置(電子スモーク装置USM−3、北陽社)で10分間スモーク処理し、一口サイズのプロセスチーズ片の全面がスモーク処理された一口サイズのスモークプロセスチーズを得た。得られたチーズ小片は、5面のうち5面がスモーク処理されていた。チーズ小片のスモーク処理面の割合は、100%であった。
上述の試験例と同様にして、8cm×8cm×2cmのプロセスチーズブロックを得た。得られたプロセスチーズブロックを、実施例1と同様にしてカットし、各16cm3(比重:1.2)の一口サイズのプロセスチーズ片を得た。得られたチーズ小片は、5面のうち5面がスモーク処理されていなかった。チーズ小片のスモーク処理面の割合は、0%であった。
得られた実施例1及び比較例1〜2の各チーズ小片を用いて、専門パネル30名による官能評価を実施した。各専門パネルには、各チーズ小片をそれぞれ1個づつ試食してもらい、おいしいと感じた順番に「2点」、「1点」、「0点」と評点した。各チーズ小片について、30名分の評点を合計し、平均値を算出した。実施例1(スモーク処理面の割合:55%)の評点は2.0点であった。比較例1(スモーク処理面の割合:100%)の評点は0.6点であった。比較例2(スモーク処理面の割合:0%)の評点は0.5点であった。なお、評点が1以上のものを、嗜好性の高いスモークチーズと認定した。
直径8cm、高さ2cmの未熟成のカマンベールチーズカード100cm3を得た。このカマンベールチーズカードを7日間熟成させ、カマンベールチーズカードの全面が白カビで覆われていることを確認した。このカマンベールチーズカードを燻煙装置(電子スモーク装置USM−3、北陽社)で10分間スモーク処理し、カマンベールチーズの全面がスモーク処理されたスモークカマンベールチーズを得た。このスモークカマンベールチーズを、3枚の切断刃を60度の角度に組合せて放射状にしたカット刃を用いて、スモークカマンベールチーズの中心から放射状に6等分し、各17cm3(比重:1.2)のスモークカマンベールチーズ小片を得た。このチーズ小片を、内面にペクチンを塗布した食品用アルミ包材で一つずつ包み、6個を合わせて再び円形とし、円形のプラスティック製カップに挿入し、6日間の追加熟成をした。追加熟成の終了後、プラスティック製カップの上面を樹脂フィルムでシールし、90℃で1時間のレトルト殺菌を行い、冷却後に、一口サイズのスモークカマンベールチーズを得た。得られたスモークカマンベールチーズ小片は、5面のうち3面がスモーク処理されており、残りの2つの面は切断面のためスモーク処理されていないものであった。チーズ小片のスモーク処理面の割合は、61%であった。
直径8cm、高さ2cmの未熟成のカマンベールチーズカード100cm3を得た。このカマンベールチーズカードを7日間熟成させ、カマンベールチーズカードの全面が白カビで覆われていることを確認した。このカマンベールチーズカードを、実施例2と同様にして6等分し、各17cm3(比重:1.2)のカマンベールチーズ小片を得た。このカマンベールチーズ小片を燻煙装置(電子スモーク装置USM−3、北陽社)で10分間スモーク処理し、カマンベールチーズ小片の全面がスモーク処理されたスモークカマンベールチーズ小片を得た。このチーズ小片を、実施例2と同様にして、円形のプラスティック製カップに挿入し、6日間の追加熟成をした。追加熟成の終了後、プラスティック製カップの上面を樹脂フィルムでシールし、90℃1時間のレトルト殺菌を行い、冷却後に、一口サイズのスモークカマンベールチーズを得た。得られたスモークカマンベールチーズ小片は、5面のうち5面がスモーク処理されたものであった。チーズ小片のスモーク処理面の割合は、100%であった。
直径8cm、高さ2cmの未熟成のカマンベールチーズカード100cm3を得た。このカマンベールチーズカードを7日間熟成させ、カマンベールチーズカードの全面が白カビで覆われていることを確認した。このカマンベールチーズカードを、実施例2と同様にして6等分し、各17cm3(比重:1.2)のカマンベールチーズ小片を得た。このチーズ小片を、実施例2と同様にして、円形のプラスティック製カップに挿入し、6日間の追加熟成をした。追加熟成の終了後、プラスティック製カップの上面を樹脂フィルムでシールし、90℃1時間のレトルト殺菌を行い、冷却後に、一口サイズのカマンベールチーズを得た。得られたカマンベールチーズ小片は、5面のうち5面がスモーク処理されていないものであった。チーズ小片のスモーク処理面の割合は、0%であった。
得られた実施例2及び比較例3〜4の各チーズ小片を用いて、専門パネル30名による官能評価を実施した。各専門パネルには、各チーズ小片をそれぞれ1個づつ試食してもらい、おいしいと感じた順番に「2点」、「1点」、「0点」と評点した。各チーズ小片について、30名分の評点を合計し、平均値を算出した。実施例2(スモーク処理面の割合:61%)の評点は1.8点であった。比較例3(スモーク処理面の割合:100%)の評点は0.7点であった。比較例4(スモーク処理面の割合:0%)の評点は0.5点であった。なお、評点が1以上のものを、嗜好性の高いスモークチーズと認定した。
Claims (7)
- 一口サイズのチーズの全表面積中の40〜75%の表面がスモーク処理されており、残りの表面がスモーク処理されていないことを特徴とする一口サイズのスモークチーズ。
- 一口サイズのスモークチーズの重量が1〜50gである、請求項1記載の一口サイズのスモークチーズ。
- 一口サイズのスモークチーズの体積が1〜50cm3である、請求項1又は2記載の一口サイズのスモークチーズ。
- 一口サイズのチーズの全表面積中の50〜70%の表面がスモーク処理されており、残りの表面がスモーク処理されていない、請求項1〜3のいずれか1項記載の一口サイズのスモークチーズ。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の一口サイズのスモークチーズを製造するための方法であって、スモーク処理が、燻液の塗布、または、燻煙によるものである一口サイズのスモークチーズの製造方法。
- 一口サイズよりも大きなサイズを有するチーズの全表面をスモーク処理して、スモークチーズを得るスモーク処理工程と、
上記スモーク処理工程で得られた上記スモークチーズを一口サイズに切断して、上記一口サイズのスモークチーズを得る切断工程、
を含む請求項5に記載の一口サイズのスモークチーズの製造方法。 - 一口サイズのチーズの表面の一部をスモーク処理して、上記一口サイズのスモークチーズを得る、請求項5に記載の一口サイズのスモークチーズの製造方法。
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