JPWO2015002038A1 - 新規なフェニルナフトール誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明のフェニルナフトール誘導体は、下記一般式(1)で表される。式中、R1〜R3は、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、R2とR3とは、互いに結合して脂肪族炭化水素環または複素環を形成してもよく、a及びbは、それぞれ、0〜4の整数であり、R4およびR5は、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ヘテロ原子として窒素原子を有しており且つ該窒素原子を介して結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、環内炭素原子を介して結合するヘテロアリール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基またはヘテロアリールチオ基である。

Description

本発明は、医薬、染料などの機能性有機材を製造する際の中間体として有用な新規なフェニルナフトール誘導体に関するものであり、より詳細には、該フェニルナフトール誘導体を使用したインデノナフトール化合物及びインデノナフトピランの製造方法にも関する。
フェニルナフタレン化合物の一種であるフェニルナフトール化合物は、医薬、染料などの機能性有機材料を製造する際の中間体として有用な化合物である。例えば、フォトクロミック色素の一種であるインデノナフトピラン化合物は、インデノナフトール化合物から合成されている。そして、このインデノナフトール化合物は、従来、ベンゾフェノン化合物を出発原料として製造されていた。
ベンゾフェノン化合物からインデノナフトール化合物を製造する従来の方法では、インデノ基に変換される置換基をナフタレン環に有するフェニルナフトール化合物を製造する必要があった。このような従来公知のフェニルナフトール化合物は、ベンゾフェノン化合物から多段階の反応を経由して合成されている。そのため、工程が煩雑になったり、収率が低下し、結果として製造コストが高いという問題があり、その改善が必要である。特に、非対称の分子構造を有するベンゾフェノン化合物を出発原料とする場合には、構造異性体が生成するため、得られるフェニルナフトール化合物の収率が大きく低下する傾向にあり、その改善が求められている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、下記式:
に示すようなベンゾフェノン化合物をFriedel−Craftsアシル化反応により合成しようとすると、アシル化される位置の選択性が低く、目的物を高い収率で得ることが難しい。このため、このようなベンゾフェノン化合物は、Friedel−Craftsアシル化反応を用いずに、多段階を経て合成しなければならなかった。
さらに、従来公知のフェニルナフトール化合物を用いてインデノナフトール化合物を合成する場合には、ナフタレン環にインデン環を縮環させるに際して、過酷な酸性条件が必要となる場合があり、このため、目的物が分解したり、不純物が副生することが多い。
以下に、従来のフェニルナフトール化合物を使用してインデノナフトール化合物を合成する例を示した。
上記の例から理解されるように、従来の方法では、フェニルナフトール化合物を合成するまでに非常に多くの工程が必要であった。また、従来のフェニルナフトール化合物からインデノナフトール化合物を合成する場合も、目的物の分解や不純物の生成という点で問題がある。
米国特許第6296785号 WO2011/016582号
したがって、本発明の目的は、機能性有機材料の中間体として有用であり、簡便な工程で製造できる、新規なフェニルナフトール誘導体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記のフェニルナフトール誘導体を用いて、簡便かつ高収率でインデノナフトール化合物を製造する方法、および得られたインデノナフトール化合物からインデノナフトピラン化合物を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、特定の構造を有する新規なフェニルナフトール誘導体を簡便な方法により合成することに成功し、このフェニルナフトール誘導体を使用することにより、容易にインデノナフトー化合物を合成でき、さらには、このインデノナフトール化合物とプロパルギルアルコール化合物とを反応させることにより、フォトクロミック色素として有用なインデノナフトピラン化合物を、簡便かつ高収率で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記一般式(1)で表されるフェニルナフトール誘導体が提供される。
式中、
、RおよびRは、水素原子、アルキル基またはアリール基であ
り、RとRとは、互いに結合して脂肪族炭化水素環または複素環を形
成してもよく、
aは、0〜4の整数であり、
bは、0〜4の整数であり、
およびRは、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、シ
クロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ヘテロ原子として窒素原子を
有しており且つ該窒素原子を介して結合する複素環基、シアノ基、ニトロ
基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アル
コキシカルボニル基、ハロゲン原子、アラルキル基、アラルコキシ基、ア
リールオキシ基、アリール基、環内炭素原子を介して結合するヘテロアリ
ール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基または
ヘテロアリールチオ基であり、
或いはRが複数存在する場合には、複数のR或いは複数のR
は互いに同一でも異なっていてもよく、また、2個のR或いは2個のR
が、互いに結合して脂肪族炭化水素環または複素環を形成してもよい。
また、本発明によれば、下記一般式(2):
式中、
、R、R、R、R、aおよびbは、式(1)で説明したも
のと同義である、
で示されるインデノナフトール化合物を製造する方法であって、上記のフェニルナフトール誘導体を酸触媒の存在下で環化することを特徴とする方法が提供される。
本発明によれば、さらに、下記一般式(3):
式中、
、R、R、R、R、aおよびbは、前記式(1)で説明し
たものと同義であり、
およびRは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または
ヘテロアリール基である、
で表されるインデノナフトピラン化合物を製造する方法であって、前述した方法により製造されたインデノナフトール化合物と下記一般式(4):
式中、RおよびRは、前記式(3)で説明したものと同義である、
で示されるプロパルギルアルコール化合物とを反応させることを特徴とする方法が提供される。
また、本発明において、前述した一般式(1)のフェニルナフトール誘導体の中でも、複数の基Rが互いに結合して複素環を形成している構造を有する化合物、具体的には、下記一般式(1”)で表されるフェニルナフトール誘導体は、下記一般式(1−1a)で表されるハロゲノナフトール誘導体と下記一般式(1−2)で表されるホウ素含有フェニル化合物とを反応させることにより製造することができる。
一般式(1”):
式中、
は、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、
10およびR11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基また
はアリール基である、
2BおよびR3Bは、互いに結合して、脂肪族炭化水素環または複素
環を形成する基であり、
5CおよびR5Dは、一方が硫黄原子であることを条件として、酸素
原子または硫黄原子である。
一般式(1−1a):
式中、
Xは、ハロゲン原子であり、
10、R11、R5CおよびR5Dは、前記一般式(1”)で説明し
たものと同義である。
一般式(1−2):
式中、
は、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、
前記一般式(1”)で説明したものと同義であり、
Zで示される基は、下記式:
から選ばれるホウ素含有基である。
本発明において、前記一般式(1−1a)で表されるハロゲノナフトール誘導体は、下記一般式(1−1b):
式中、
5C、R5D、R10およびR11は、前記一般式(1−1a)で説
明したものと同義である。
で表されるナフトール誘導体を、アセトニトリル及び/またはトルエンを含む溶媒中でハロゲン化することにより製造される。
さらに、本発明において、前述した一般式(1−1a)で表されるハロゲノナフトール誘導体及び一般式(1−1b)で表されるナフトール誘導体は、何れも新規化合物である。
本発明のフェニルナフトール誘導体によれば、これを原料として、従来の方法に比べて簡便かつ高収率でインデノナフトール化合物を製造することができる。
また、このインデノナフトール化合物とプロパルギルアルコール化合物とを反応させることにより、フォトクロミック色素として有用なインデノナフトピラン誘導体をも、簡便でかつ高収率で製造することができる。
<フェニルナフトール誘導体>
本発明のフェニルナフトール誘導体は、下記一般式(1)で表される。
尚、かかるフェニルナフトール誘導体において、この化合物を後述するインデノナフトール誘導体の製造等に使用する場合には、常法にしたがって、OH基に保護基を導入することができる。
このような保護基をRaで示すと、一般式(1)中の−OHは、−ORaとなり、各種の反応に際して、OH基での反応を防止し、副生物の生成を抑制するわけである。
このようなOH基の保護基Raは、それ自体公知であり、アルキル保護基、アセタール保護基、ベンジル保護基、シリル保護基などが代表的である。
アルキル保護基としては、メチル基が好適である。
アセタール保護基としては、メトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基が好ましい。
ベンジル保護基としては、ベンジル基及びp−メトキシベンジル基が好ましい。
シリル保護基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基が好ましい。
本発明のフェニルナフトール誘導体において、特に好適な保護基は、メチル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基及びトリメチルシリル基である。
このような水酸基の保護基Raは、一般式(1)で表される本発明のフェニルナフトール誘導体に限らず、何れの化合物においても、適宜、導入することができる。
(基R、RおよびR
前記一般式(1)において、R、RおよびRは、それぞれ、水素原子、アルキル基、またはアリール基である。
前記アルキル基としては、炭素数1〜6のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が好適である。
前記アリール基としては、炭素数6〜14のものが好ましく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が好適である。
また、このようなアリール基が有する芳香族環は、1〜4個、特に1〜2個の置換基(例えば、前記のアルキル基またはアルコキシ基)を有していてもよい。
また、RとRは結合して、脂肪族炭化水素、或いはヘテロ原子として、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子の少なくとも1種を有する複素環を形成してもよい。このような環の環構成原子数は、通常、4〜20で、特に5〜12の範囲にある。また、前述したアルキル基またはアリール基を置換基として有していてもよい。
尚、RとRとが結合して脂肪族炭化水素環或いは複素環を形成しているフェニルナフトール誘導体の中では、この化合物を用いて最終的に合成されるインデノナフトピラン化合物が優れたフォトクロミック特性を発揮するという観点から、下記式で表されるものが好適である。
(a,b,基RおよびR
前記一般式(1)において、aは、基Rの数を示し、0〜4の整数である。また、bは、基Rの数を示し、0〜4の整数である。
およびRは、それぞれ、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ヘテロ原子として窒素原子を含み且つ該窒素原子を介して結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、環内炭素原子を介して結合するヘテロアリール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、またはヘテロアリールチオ基である。
或いはRが複数存在する場合(a或いはbが2〜4の整数である場合)、これら複数の基(R或いはR)は、互いに同一であっても異なってもよい。
上記のアルキル基およびアリール基としては、Rについて既に説明した基と同じ基が挙げられる。
上記のハロアルキル基としては、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を置換基として有する炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、特に、トリフルオロメチル基、テトラフルオロエチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、ブロモメチル基が好適である。
上記のシクロアルキル基としては、炭素数3〜8のものが好ましく、特にシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好適である。
上記のアルコキシ基としては、炭素数1〜6のものが好ましく、特に、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好適である。
上記のアミノ基は、1級アミノ基(−NH)に限定されるものではなく、1つまたは2つの水素原子が置換されている2級或いは3級のアミノ基であってもよい。かかるアミノ基が有する置換基としては、例えば炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数4〜14のヘテロアリール基等が挙げられる。
特に好適なアミノ基の例としては、1級アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基を挙げることができる。
上記の複素環基は、ヘテロ原子として窒素原子を有しており且つ該窒素原子を介して結合するものであれば、特に制限されず、例えば、脂肪族系のものであってもよいし、芳香族系のものであってもよく、その具体例としては、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基等を挙げることができる。また、これらの複素環基は、アルキル基等の置換基を有していてもよい。このような置換基を有する複素環基の好適な例としては、2,6−ジメチルモルホリノ基、2,6−ジメチルピペリジノ基および2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ基等が挙げられる。
上記のアルキルカルボニル基としては、炭素数2〜7のものが好ましく、特に、アセチル基、エチルカルボニル基が好適である。
上記のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜7のもの、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が好適である。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
上記のアラルキル基としては、例えば炭素数7〜11のもの、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルメチル基等が好適である。
上記のアラルコキシ基としては、炭素数7〜11のもの、例えば、ベンジロキシ基、ナフチルメトキシ基等が好適である。
前記アリールオキシ基としては、炭素数6〜12のアリールオキシ基が好ましい。好適なアリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等を挙げることができる。
上記のアリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が好ましい。好適なアリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等を挙げることができる。
上述したアラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基およびアリール基は、芳香族環に、7個以下、特に4個以下の置換基が結合していてもよい。このような置換基としては、上述のヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ヘテロ原子として窒素原子を含み且つ該窒素原子を介して結合する複素環基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子を挙げることができる。
上記のヘテロアリール基は、環内炭素原子を介して結合するものであり、該基が有する複素環としては、特に制限されないが、ヘテロ原子(酸素原子、窒素原子または硫黄原子)を1〜2個含む5〜7員環の芳香族複素環、またはこれら芳香族複素環とベンゼン環との縮合環が好適である。このようなヘテロアリール基として、特に好適なものは、チエニル基、フリル基、ピロリニル基、ピリジル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾピロリニル基である。
また、かかるヘテロアリール基は、芳香族複素環に1〜6個、特に1〜4個の置換基が結合していてもよく、かかる置換基としては、前述したヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ヘテロ原子として窒素原子を含み且つ該窒素原子を介して結合している複素環基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子を挙げることができる。
上記のアルキルチオ基としては、炭素数1〜6のもの、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等が好ましい。
上記のシクロアルキルチオ基としては、炭素数3〜8のもの、例えば、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等が好ましい。
上記のアリールチオ基としては、炭素数6〜10のもの、例えば、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基等が好ましい。
上記のヘテロアリールチオ基としては、炭素数4〜12のもの、例えば、チエニルチオ基、フリルチオ基、ピロリルチオ基、ピリジルチオ基、ベンゾチエニルチオ基、ベンゾフリルチオ基、ベンゾピロリルチオ基等が好適である。
また、上述したアリールチオ基およびヘテロアリールチオ基は、芳香族環に1〜5個、特に1〜4個の置換基を有していてもよく、このような置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルキル基またはハロゲン原子を挙げることができる。
また、上述した一般式(1)において、R或いはRが複数存在する場合(即ち、aまたはbが1〜4の場合)には、2個のRまたはRが結合して脂肪族炭化水素環またはヘテロ原子として酸素原子、硫黄原子あるいは窒素原子を有する複素環を形成してもよい。このような脂肪族炭化水素環及び複素環は、通常、環を構成する原子数が4〜8、特に5〜6の範囲にあるものが好ましい。
本発明において、2個のRまたはRが結合して脂肪族炭化水素環或いは複素環を形成しているフェニルナフトール誘導体の中では、この化合物を用いて最終的に合成されるインデノナフトピラン化合物が優れたフォトクロミック特性を発揮するという観点から、下記式で表されるものが好ましい。
2個のRが結合して環を形成している態様;
2個のRが結合して環を形成している態様;
(好適なフェニルナフトール誘導体)
上述した一般式(1)で表される本発明のフェニルナフトール誘導体において、この誘導体から合成されるインデノナフトピラン化合物が優れたフォトクロミック特性を示すという点で、特に好適な一般式(1)中の各基は、以下のとおりである。
例えば、Rは、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。
また、RとRは互いに結合して脂肪族炭化水素環を形成していることが好ましい。
は、アルキル基、アルコキシ基或いはヘテロ原子として窒素原子を有し且つ該窒素原子を介して結合している複素環基であることが好ましく、さらに、2個のRが結合して脂肪族炭化水素環もしくは複素環を形成する態様も好適である。
は、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基或いはヘテロ原子として窒素原子を有し且つ該窒素原子を介して結合している複素環基が好ましく、さらに、2個のRが結合して脂肪族炭化水素環もしくは複素環を形成している態様も好適である。
上記のような好適なフェニルナフトール誘導体は、下記式(1’)で表される。
上記の一般式(1’)において、
1Aは、一般式(1)のRに対応するものであり、水素原子または
アルキル基であり、
2A及びR3Aは、一般式(1)のR及びRに対応するものであ
り、互いに結合して脂肪族炭化水素環を形成しており、
4AおよびR4Bは、一般式(1)のRに対応するものであり、そ
れぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、またはヘテロ原子として
窒素原子を有し且つ該窒素原子を介して結合している複素環基であり、R
4AとR4Bとは結合して脂肪族炭化水素環または複素環を形成していて
もよく、
5AおよびR5Bは、一般式(1)のRに対応するものであり、そ
れぞれ、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリ
ール基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、また
はヘテロ原子として窒素原子を有し且つ該窒素原子を介して結合している
複素環基であり、R5AとR5Bとは結合して脂肪族炭化水素環または複素
環を形成していてもよい。
本発明において、特に好適なフェニルナフトール誘導体の例として、以下の化合物を例示することができる。
<フェニルナフトール誘導体の製造>
前述した一般式(1)で表される本発明のフェニルナフトール誘導体は、下記一般式(1−1);
式中、
Xは、ハロゲン原子であり、好ましくは、塩素原子、臭素原子またはヨ
ウ素原子であり、
およびbは、前記一般式(1)で説明したものと同義である、
で表されるハロゲノナフトール化合物を原料とし、必要に応じて、この化合物のOH基に前述した保護基Raを導入し、鈴木−宮浦カップリング反応を利用した下記合成法(A)〜(C)を採用して製造することができる。
(合成法A)
この合成法Aでは、下記の反応経路を経て目的とするフェニルナフトール誘導体が製造される。
尚、以下の反応経路は、原料化合物に保護基Raを導入した態様で示されている。
尚、上記の反応経路及び後述する合成法B、(C)の反応経路において、Yは、ハロゲン原子、好ましくは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、その他の基R〜R、a及びbは、一般式(1)で説明したものと同義である。
さらに、Zは、ホウ素含有基、例えば、下記式;
で表されるボロン酸基またはボロン酸エステル基である。
即ち、この合成法Aでは、前述した原料化合物である一般式(1−1)のハロゲノナフトール化合物のハロゲノ基Xを、水酸基に適宜保護基Raを導入した後、ボロン酸もしくはボロン酸エステルに変換し(基Zに変換)、ホウ素含有ナフトール化合物(A−1)を合成する。
このホウ素含有ナフトール化合物(A−1)に、パラジウム触媒やニッケル触媒を用いた鈴木―宮浦カップリングにより、フェニル化合物(A−2)を反応させて中間体のフェニルナフトール(A−3)を得る。
この後、このフェニルナフトール(A−3)に、マグネシウムまたは有機リチウム化合物を反応させてハロゲン−金属交換を行った後、カルボニル化合物(A−4)を反応させ、生成する第3級アルコールを、酸を用いての脱水反応に供し、必要に応じて得られた化合物から水酸基の保護基を脱離することにより、目的とする一般式(1)のフェニルナフトール誘導体が得られる。
尚、上記の反応経路において、一般式(1−1)のハロゲノナフトール化合物のハロゲン原子Xを、ボロン酸もしくはボロン酸エステルに変換した化合物)を得ることができる。ハロゲノ基を、ボロン酸もしくはボロン酸エステルに変換する方法は、公知の方法を採用すればよい。例えば、ハロゲノ基を有機リチウム化合物と反応させた後に、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリイソプロピル等のホウ酸エステル化合物と反応させ、さらに酸で処理することにより対応するボロン酸を得ることができる。
また、鈴木―宮浦カップリングについても、公知の方法を採用すればよい。
例えば、反応溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどが用いられる。
また、パラジウム触媒としては、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等のパラジウム触媒や、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル等のニッケル触媒が用いられる。
さらに、反応に介在させる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が用いられる。
反応温度は30〜150℃が好ましい。
この鈴木―宮浦カップリングにより得られた生成物の精製は、例えば、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーや再結晶により行うことができる。
さらに、上記反応経路でのハロゲン−金属交換反応は、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等の溶媒中で行われる。また、この反応に用いる有機リチウム化合物としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムが代表的である。
(合成法B)
この合成法Bでは、下記の反応経路を経て目的とするフェニルナフトール誘導体が製造される。
以下の反応経路は、原料化合物に保護基Raを導入した態様で示されている。
この合成法Bでは、前述した原料のハロゲノナフトール化合物のOH基に、適宜保護基Raを導入した後、前記と同様の鈴木―宮浦カップリングにより、ホウ素含有フェニル化合物(B−1)を反応させ、フェニルナフトール(B−2)を合成する。
この後は、前述した合成法(A)と同様に、フェニルナフトール(B−2)に、マグネシウムまたは有機リチウム化合物を反応させてハロゲン−金属交換を行った後、カルボニル化合物(B−3)を反応させ、生成する第3級アルコールを、酸を用いての脱水反応に供し、必要に応じて得られた化合物から水酸基の保護基を脱離することにより、目的とする一般式(1)のフェニルナフトール誘導体が得られる。
(合成法C)
この合成法Cでは、下記の反応経路を経て目的とするフェニルナフトールが製造される。
以下の反応経路でも、原料化合物は保護基Raを導入した態様で示されている。
即ち、この合成法Cでは、原料のハロゲノナフトール化合物のOH基に、適宜保護基Raを導入した後、前記と同様の鈴木―宮浦カップリングにより、ホウ素含有フェニル化合物(C−1)を反応させ、必要に応じて水酸基の保護基Raを脱離することで、本発明のフェニルナフトール誘導体が得られる。
このように、本発明のフェニルナフトール誘導体は、上述した合成法A〜Cの何れを用いても合成することができるため、工業的に実施する際には、原料の入手のし易さや合成の容易さを考慮し、上記合成法A〜Cの何れかを選択すればよい。
<原料化合物及びその製造>
上述したように、本発明のフェニルナフトール誘導体は、一般式(1−1)で表されるハロゲノナフトール化合物を原料として合成することができるが、このようなハロゲノナフトール化合物の内、下記一般式(1−1a):
式中、
Xは、ハロゲン原子であり
5CおよびR5Dは、一方が硫黄原子であることを条件として、酸素
原子または硫黄原子であり、
10およびR11は、それぞれ、水素原子、アルキル基、シクロアル
キル基またはアリール基である、
で示されるハロゲノナフトール誘導体は、新規化合物である。即ち、このハロゲノナフトール誘導体を原料として用いることにより、前記一般式(1)において、2つの基Rが結合した複素環を形成している態様のフェニルナフトール誘導体を合成することができる。
このようなハロゲノナフト−ル誘導体は、下記式:
式中、
5EおよびR5Fは、一方がチオール基であることを条件として、ヒ
ドロキシル基またはチオール基である、
で示されるナフトール化合物を用いて合成することができる。
即ち、上記のナフトール化合物を、下記式:
式中、
10およびR11は、前記一般式(1−1a)で説明した基と同義で
ある、
で示されるケトン化合物を用いてチオアセタール化することにより、下記一般式(1−1b):
式中、
5C、R5D、R10およびR11は、前記一般式(1−1a)で説 明したものと同義である。
で表されるナフトール誘導体を得ることができる。
このナフトール誘導体をハロゲン化することにより、一般式(1−1a)で表されるハロゲノナフトール誘導体を合成することができる。
上記のようにしてハロゲノナフトール誘導体を合成するに際して、ナフタレン環に結合している水酸基には、適宜、前述した保護基が導入されていてよい。
また、ケトン化合物を用いてのナフトール化合物のチオアセタール化は、反応溶媒としてベンゼン、トルエン、キシレン等を使用し、生成する水分を系外に除去しながら反応することが好ましく、反応温度は70℃以上とすることが好ましい。
また、一般式(1−1b)のナフトール誘導体のハロゲン化は、アセトニトリル及び/またはトルエンを含む溶媒中で行われ、ハロゲン化剤としては、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、またはN−ヨードスクシンイミド等のスクシンイミド化合物が好適に使用される。ハロゲン化に際しての反応温度は、特に制限されるものではないが、30℃以下、より好ましくは10℃以下である。
尚、上記のハロゲノナフトール誘導体を合成する際、中間体として得られる一般式(1−1b)のナフトール誘導体も新規化合物である。
<フェニルナフトール誘導体の合成に用いるホウ素含有フェニル化合物及びその製造>
本発明のフェニルナフトール誘導体を合成するに際して、合成法Cで使用されるホウ素含有フェニル化合物(C−1)の中で、下記式(1−2):
式中、
は、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、
2BおよびR3Bは、前記一般式(1’)で説明したものと同義であり、互いに結合して、脂肪族炭化水素環または複素環を形成する基であり、
Zで示される基は、下記式:
から選ばれるホウ素含有基である、
で表される化合物は、特に、一般式(1)中の基R及びRが互いに結合して脂肪族炭化水素環或いは複素環を形成している態様のフェニルナフトール誘導体の合成に使用される。
このような式(1−2)で表されるホウ素含有フェニル化合物は、特に制限はないが、例えば、2−ベンジルオキシ−1−ブロモベンゼンを原料として合成することができる。
即ち、この原料化合物に、マグネシウムまたは有機リチウム化合物を用いてハロゲン−金属交換反応を行い、得られた反応物に、下記式:
で示されるカルボニル化合物を反応させ、得られた化合物中のベンジル基を水添反応によって脱離して3級アルコールを生成せしめ、適当な酸によって脱水反応を行うことで、下記式:
で表されるフェノール化合物を合成する。
次いで、このフェノール化合物を、トリフルオロメタンスルホン酸を用いてトリフラート化し、パラジウム触媒の存在下で、対応するホウ素化合物を反応させることで、前記式(1−2)で示されるホウ素含有フェニル化合物を得ることができる。
上記反応に用いるパラジウム触媒としては、上述した鈴木―宮浦カップリング反応に使用されるものが使用できる。また、ホウ素化合物としてはボロン化合物もしくはジボロン化合物を用いることが好ましく、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、ビス(ピナコラート)ジボロン、ビス(ネオペンチルグリコラート)ジボロン等が具体的な例として挙げられる。
このような式(1−2)で示されるホウ素含有フェニル化合物は、前述した一般式(1−1a)で表されるハロゲノナフトール誘導体を原料としての合成法Cに好適に使用され、これにより、特に下記一般式(1”):
式中、
は、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、
10およびR11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基また
はアリール基である、
2BおよびR3Bは、互いに結合して、脂肪族炭化水素環または複素
環を形成する基であり、
5CおよびR5Dは、一方が硫黄原子であることを条件として、酸素
原子または硫黄原子である、
で表される本発明のフェニルナフトール誘導体を合成することができる。
<インデノナフトール化合物の製造>
前述した一般式(1)で表される本発明のフェニルナフトール誘導体は、下記一般式(2):
式中、
〜R、aおよびbは、式(1)で説明したものと同義である、
で表されるインデノナフトール化合物の合成に使用される。
即ち、本発明のフェニルナフトール誘導体を酸触媒の存在下で環化することにより、不純物の生成を抑制しかつ高収率で、上記の一般式(2)で表されるインデノナフトール誘導体が得られる。
反応に用いる酸触媒としては、ルイス酸として作用する酸性物質が好適に用いられる。具体的には、硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸(一水和物)、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸等を挙げることができる。酸の使用量は、フェニルナフトール誘導体1モルに対して0.01〜10モルの範囲で適宜決定すればよいが、副生物の生成を抑制するという観点から、酸量は少ない方が好ましく、例えばフェニルナフトール誘導体1モル当り0.1〜1モルの範囲とすることが望ましい。
また、反応溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が好ましく使用される。
反応温度は、40〜80℃とすることが、適度な反応速度を確保し且つ副生物の生成を抑えるという点で好ましい。
反応時間は、酸の使用量や反応温度により異なるが、通常、1〜5時間である。
既に述べたように、本発明のフェニルナフトール誘導体は、適宜、水酸基に前述した保護基Raを導入することにより、上記の環化反応に供することができるが、上記の方法では、環化と同時に、保護基Raを脱離することができる。但し、収率をより高め、さらに純度も高めるためには、保護基Raは導入しない方が望ましく、従って、本発明のフェニルナフトール誘導体が保護基Raが導入された状態で製造されている場合には、この保護基Raを脱離した後に、上記の環化反応に供することが望ましい。特に、保護基Raとしてベンジル基やp−メトキシベンジル基が導入されている場合には、保護基Raの転位による副生成物が生成する恐れがあるため、このような副生物を抑制するため、先ず、酸、アルカリ、水素を用いての還元などにより、脱保護反応を行うことが好ましい。
このように、本発明のフェニルナフトール誘導体を用いた場合には、高収率で高純度のインデノナフトール化合物を容易に得ることができるが、従来公知のフェニルナフトール化合物を用いた場合には、このような本発明の利点は達成されない。
例えば、酸としてp−トルエンスルホン酸を用い、反応溶媒にトルエンを用いた場合、従来公知のフェニルナフトール化合物を用いた場合には、フェニルナフトール化合物1モル当り1モルを超える量のp−トルエンスルホン酸が必要となり、反応温度は100℃以上の高温とする必要があるため、副生物が生成しやすく、高い収率を得ることが困難である。しかるに、本発明の新規なフェニルナフトール誘導体を使用した場合には、上記でも述べたように、酸の使用量は1モル以下でよく、反応温度も40〜80℃の低温とすることができ、かなり温和な条件で反応を行うことができるため、副生物の生成を抑制することができ、高収率でインデノナフトール化合物を得ることができることとなる。
上記のようにして得られるインデノナフトール化合物の精製方法としては特に限定されず、例えば、シリカゲルカラム精製や再結晶を採用することができる。
得られたインデノナフトール化合物は、フォトクロミック特性の良好なインデノナフトピラン誘導体の合成に使用される。
<インデノナフトピラン誘導体の製造>
本発明においては、上記で得られた一般式(2)のインデノナフトール化合物を用いて、フォトクロミック化合物として有用な下記一般式(3)で表されるインデノナフトピラン化合物を製造することができる。
式中、
、R、R、R、R、aおよびbは、前記式(1)で説明し
たものと同義であり、
およびRは、それぞれ、アルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基またはヘテロアリール基である。
即ち、一般式(2)のインデノナフトール化合物と、下記一般式(4):
式中、
およびRは、前記式(4)で説明したものと同義である、
で示されるプロパルギルアルコール化合物とを反応させることにより、上記のインデノナフトール化合物を得ることができる。
上記の反応は、プロパルギルアルコールを用いた公知の反応と同様に行うことができる。
例えば、インデノナフトール化合物とプロパルギルアルコール化合物との量比(仕込み比)は、広い範囲から採用されるが、一般には1:10〜10:1(モル比)の範囲から選択される。
また、反応は、通常、酸触媒の存在下で行われる。酸触媒としては硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩等が用いられ、インデノナフトール誘導体1モルに対して0.001〜1モル当量の量で酸触媒が用いられる。
さらに、シリカゲル、酸性アルミナ等の固体酸触媒を使用することもでき、その使用量は、一般に、インデノナフトール化合物とプロパルギルアルコール化合物との総和100重量部当り0.1〜10重量部である。
反応温度は、0〜200℃が好ましく、反応溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が好ましく使用される。
反応生成物の精製も、特に限定されず、例えば、シリカゲルカラム精製を行い、さらに再結晶を行うことにより、高純度のインデノナフトピラン化合物を高収率で得ることができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
下記式(E1)で表されるフェニルナフトール誘導体の合成;
4−ブロモ−1−ナフトール22.3g(100mmol)をジメチルホルムアミド440mlに溶解させ、炭酸カリウム20.7g(150mmol)と塩化ベンジル13.9g(110mmol)を加えて50℃で反応させた。
3時間後に,トルエン440mlと水880mlを加え、有機層を水で洗浄し、溶媒を除去した後、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で示される1−ベンジルオキシ−4−ブロモナフタレンの白色固体29.4g(94mmol、収率94%)を得た。
尚、下記式中、Bnは、保護基であるベンジル基を示す(以下、同じ)。
上記で得られた1−ベンジルオキシ−4−ブロモナフタレンの白色固体29.4gをテトラヒドロフラン500mlに溶解させ、−78℃に冷却し、この後に、70mlのブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M)を1時間かけて添加した。
次いで、ホウ酸トリイソプロピル23.0g(122mmol)を加え、10℃まで温度を上げた。1時間後に、10%塩酸200mlを加え、10%塩水300mlで有機層を洗浄し、溶媒を除去した後、ヘキサン300mlを加えて、下記式で示されるボロン酸化合物の白色固体23.0g(83mmol、収率88%)として得た。
上記のボロン酸化合物23.0gに、
トルエン200ml
エタノール200ml
1−ブロモ−2−ヨードベンゼン25.7g(91mmol)
10%炭酸ナトリウム水溶液100ml
を加え、この反応液にアルゴンガスを導入して溶存酸素を除去した。
次いで、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム4.8g(4.1mmol)を加え、還流温度で8時間反応させた。その後、溶媒を減圧で除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で示されるブロモフェニルナフトール化合物の淡黄色固体26.1g(67mmol、収率81%)を得た。
このブロモフェニルナフトール化合物26.1gをテトラヒドロフラン500mlに溶解させ、−78℃に冷却し、46mlのブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M)を1時間かけて添加した。その後、4,4−ジメチルシクロヘキサノン10.1g(80mmol)を加え、20℃まで温度を上げた。1時間後に、5%塩化アンモニウム水溶液300mlを加え、有機層にp−トルエンスルホン酸一水和物2.54g(13.4mmol)を加え、50℃で反応させた。5時間後、10%塩水を加え、有機層を洗浄した。
この有機層から溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン/酢酸エチル=4/1v/v)によって精製することで、下記式で示されるベンジル保護フェニルナフトール誘導体21.0g(50.4mmol)を得た。
ベンジル基で水酸基が保護されているこのフェニルナフトール誘導体の元素分析値及びC3130Oの計算値は以下のとおりであった。
元素分析値 C:87.91%、H:7.27%
計算値 C:88.95%、H:7.22%
上記の結果から、元素分析値は、C3130Oの計算値と良く一致していることが判る。
上記のフェニルナフトール化合物21.0gをテトラヒドロフラン210mlに溶解させ、5%パラジウムカーボン(50wt含水品)を5.2g添加し、水素雰囲気下で反応させた。2時間後、固体を濾別し、溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン/酢酸エチル=2/1v/v)により精製することで、保護基であるベンジル基が脱離され、前述した式(E1)で示される本発明のフェニルナフトール誘導体16.0g(48.9mmol)を得た。
このようにして得られたフェニルナフトール誘導体の4−ブロモ−1−ナフトールからのトータル収率は49%だった。
また、このフェニルナフトール誘導体の元素分析値及びC2424Oの計算値は以下のとおりであった。
元素分析値 C:87.81%、H:7.30%
計算値 C:87.76%、H:7.37%
上記の結果から、元素分析値は、C2424Oの計算値と良く一致していることが判る。
また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ0.5〜4.0ppm付近にアルキル基およびアルキレン基に基づく12Hのピーク、δ5.0〜δ9.0ppm付近にアロマティックおよびオレフィンに基づく11Hのピークを示した。
さらに、13C−核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭素に基づくピーク、δ20〜80ppmにアルキル基およびアルキレン基の炭素に基づくピークを示した。
上記の分析結果から、得られたフェニルナフトール誘導体の構造が式(E1)で表されることを確認した。
<実施例2>
下記式(E2)で表されるフェニルナフトール誘導体の合成;
7−メトキシ−1−ナフトール17.4g(100mmol)をアセトニトリル340mlに溶解させ、0℃でN−ブロモスクシンイミド17.8g(10mmol)を加えて反応させた。2時間後に水と酢酸エチルをそれぞれ340ml加え、有機層を10%塩水で洗浄し、溶媒を除去してシリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で表されるブロモナフトールの淡黄色オイル23.3g(92mmol、収率92%)を得た。
このブロモナフトールをジメチホルムアミド460mlに溶解させ、炭酸カリウム19.1g(138mmol)と塩化ベンジル12.8g(101mmol)を加えて50℃で反応させた。3時間後にトルエン460mlと水920mlを加え、有機層を水で洗浄し、溶媒を除去してシリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、水酸基がベンジル基(Bn)で保護された下記式で表されるベンジル保護ブロモナフトールの白色固体29.8g(87mmol、収率95%)を得た。
上記のベンジル保護ブロモナフトール10.3g(30mmol)に、
ジメチルホルムアミド150ml
10%炭酸カリウム水溶液150ml
2−ブロモフェニルボロン酸9.0g(45mmol)
を加え、この反応液にアルゴンガスを導入して溶存酸素を除去した。これにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム3.45g(3.0mmol)を加え、80℃で24時間反応させた。その後、トルエン300mlと水300mlを加え、有機層を水で洗浄して、溶媒を減圧で除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で表されるベンジル保護ブロモフェニルナフトール誘導体の白色固体7.10g(17mmol、収率57%)を得た。
上記のベンジル保護ブロモフェニルナフトール誘導体を使用し、4,4−ジメチルシクロヘキサノンの代わりに3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノンを使用した以外は、実施例1と同様の手法でカップリング及び脱保護を行うことで、前述した式(E2)で表されるフェニルナフトール誘導体の白色固体5.45g(14.1mmol)を得た。
7−メトキシ−1−ナフトールからのトータル収率は41%だった。
得られた化合物について、実施例1と同様な構造確認の手段を用いて構造解析した結果、前記式(E2)で示される化合物であることを確認した。表1に元素分析値および1H−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示した。
<実施例3>
下記式(E3)で表されるフェニルナフトール誘導体の合成;
1−ベンジルオキシ−2−ブロモベンゼン26.3g(100mmol)にトルエン526mlを加え、−10℃に冷却し、75mlのブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M)を1時間かけて添加した。その後、シクロオクタノン15.1g(120mmol)を加え、1時間反応させた。
この反応液に水263mlを加え、有機層を水洗した。溶媒を除去し、酢酸エチル465mlとメタノール62mlを加え、5%パラジウムカーボン(50wt含水品)を5.2g添加し、水素雰囲気下で反応させた。
2時間後、固体を濾別し、溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン/酢酸エチル=5/1v/v)により精製することで、下記式で示されるフェノール化合物9.91g(45mmol)を得た。
このフェノール化合物にトルエン200mlと、カンファースルホン酸2.1g(9.0mmol)を加え、80℃で反応させた。2時間後、水200mlを加え、有機層を水で洗浄し、溶媒を除去した。
溶媒が除去された釜残の透明オイルに、ジクロロメタン137mlとピリジン10.9mlを加え、−10℃に冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物19.0g(67.5mmol)を1時間かけて滴下した。その後0℃で1時間反応熟成後、水137mlを加え、ジクロロメタン相を分離し、10%塩酸45mlを加えて、水層を除去することによりピリジンを除去した。
次いでジクロロメタン相を水で洗浄し、溶媒を除去して、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で表されるトリフラート化合物の白色固体13.5g(40.5mmol)を得た。
このトリフラート化合物をジメチルスルホキシド203mlに溶解させ、さらに、
ビス(ピナコラート)ジボロン15.4g(60.8mmol)
酢酸カリウム13.9g(141mmol)
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
3.45g(3.0mmol)
を加え、80℃で16時間反応させた。反応液にトルエン203ml、水203mlを加え、有機層を水で洗浄し、溶媒を除去して、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で表されるボロン酸エステル化合物の白色固体11.0g(35.2mmol)を得た。
尚、上記の白色固体の元素分析値及び上記式での計算値は以下のとおりであった。
元素分析値 C:76.88%、H:9.40%、B:3.51%
計算値 C:76.93%、H:9.36%、B:3.46%
元素分析値と計算値とがよく一致していることが判る。
上記で得られたボロン酸エステル9.37g(30mmol)
実施例2で得られたベンジル保護ブロモフェニルナフトール誘導体
6.87g(20mmol)
1,2−ジメトキシエタン200ml
エタノール20ml
10%炭酸ナトリウム水溶液200ml
を混合し、アルゴンガスを導入して溶存酸素を除去した。これにテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム3.45g(3.0mmol)を加え、75℃で24時間反応させた。
その後、トルエン200mlと水200mlを加え、有機層を水で洗浄して、溶媒を減圧で除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で示されるベンジル保護フェニルナフトール誘導体の白色固体7.90g(17.6mmol)を得た。
このフェニルナフタレン化合物をテトラヒドロフラン160mlに溶解させ、5%パラジウムカーボン(50wt含水品)を3.95g添加し、水素雰囲気下で反応させた。2時間後、固体を濾別し、溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、前述した式(E3)のフェニルナフトール誘導体の白色固体6.02g(16.8mmol)を得た。
7−メトキシ−1−ナフトールからのトータル収率は73%だった。
得られた化合物について、実施例1と同様な構造確認の手段を用いて構造解析した結果、上記構造式で示される化合物であることを確認した。表1に元素分析値および1H−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示した。
<実施例4>
インデノナフトール誘導体の合成;
実施例2で得られた式(E2)のフェニルナフトール誘導体3.87g(10mmol)にトルエン58mlを加え、80℃に加熱した。これにp−トルエンスルホン酸一水和物0.95g(5.0mmol)を加え、2時間反応させた。反応後、水30mlで有機層を洗浄し、溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式(E4)で示されるインデノナフトール誘導体の白色固体3.75g(9.7mmol)を得た。
フェニルナフトール誘導体からの収率は97%だった。
<実施例5>
インデノナフトピランの合成;
下記式で表されるプロパルギルアルコール化合物を用意した。
実施例4で得られたインデノナフトール化合物1.55g(4.0mmol)と上記のプロパルギルアルコール化合物1.40g(5.2mmol)をトルエン47mlに溶解し、さらにカンファースルホン酸を0.03g加えて100℃で1時間反応させた。
反応後、溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製し、さらにアセトニトリルで再結晶することにより、下記式(E5)で示されるインデノナフトピランの白色固体1.86g(2.9mmol)得た。収率は73%であった。
<実施例6>
下記式(E6)で示されるフェニルナフトール誘導体の合成;
下記式で示される6,7−メチレンジオキシ−1−ナフトールを用意した。
上記の6,7−メチレンジオキシ−1−ナフトールを原料とした以外は実施例2と同様の手法で、上記式(E6)で示されるフェニルナフトール誘導体を得た(収率39%)。
得られた化合物について、実施例1と同様な構造確認の手段を用いて構造解析した結果、上記式(E6)で示される化合物であることを確認した。表1に元素分析値および1H−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示した。
<実施例7>
下記式(E7)で示されるフェニルナフトール誘導体の合成;
実施例7
1,6−ジメトキシナフタレン18.8g(100mmol)をテトラヒドロフラン370mlに溶解させ、−10℃に冷却し、78mlのブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M)を1時間かけて添加した。この溶液に、硫黄華3.2g(100mmol)を少量ずつ添加し、−5℃で3時間反応させた。この溶液にトルエン370mlを加え、10%塩酸190mlでクエンチし、有機層を10%塩水で洗浄した。溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン/酢酸エチル=3/1v/v)により精製することで、下記式で示されるナフトール誘導体の淡黄色オイル15.4g(70mmol)得た。
上記で得られたナフトール誘導体15.4gに、154mlのジクロロメタンを加え、0℃に冷却し、217gの三臭化ホウ素ジクロロメタン溶液(17wt%)を1時間かけて添加し、3時間反応させた。
この溶液に154mlの水を加えてクエンチし、308mlの酢酸エチルを加え、水層を除去し、有機層を水で洗浄し、溶媒を除去することで、下記式で示されるジナフトール化合物を得た。
上記のジナフトール化合物は酸素により分解するため、精製せずに次の反応に用いた。また、ジナフトール合成工程で用いた水は、予めアルゴンガスでバブリングして溶存酸素を除去したものである。
上記のジナフトール化合物に、トルエン412mlを加え、ジイソプロピルケトン8.00g(77mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物1.33g(5.0mmol)を加え、生成する水を除去しながら還流温度で16時間反応させた。反応後、有機層を水で洗浄して、溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン/酢酸エチル=2/1v/v)により精製することで、下記式で示されるナフトール化合物の淡黄色粘稠オイルとして11.7g(41mmol)得た。
この化合物についての元素分析値及び計算値は、以下のとおりである。
元素分析値 C:70.69%、H:7.10%、S:11.16%
計算値 C:70.80%、H:6.99%、S:11.12%
元素分析値と計算値とがよく一致していることが判る。
上記で得られたナフトール化合物を、実施例2と同様の手法でブロモ化およびベンジルエーテル化(保護基の導入)を行い、下記式で示されるベンジル保護ブロモナフトール化合物の白色固体12.3g(27mmol、収率66%)得た。
この化合物についての元素分析値及び計算値は、以下のとおりである。
元素分析値 C:62.89%、H:5.47%、S:7.09%
計算値 C:63.02%、H:5.51%、S:7.01%
元素分析値と計算値とがよく一致していることが判る。
一方、シクロオクタノンを4,4−ジエチルシクロヘキサノンに替えた以外は実施例3と同様にして、下記式で示されるボロン酸エステル化合物を得た。
この化合物についての元素分析値及び計算値は、以下のとおりである。
元素分析値 C:77.55%、H:9.59%、B:3.22%
計算値 C:77.65%、H:9.77%、B:3.18%
元素分析値と計算値とがよく一致していることが判る。
また、このボロン酸エステル化合物の1−ベンジルオキシ−2−ブロモベンゼンからのトータル収率は53%だった。
上記で得られたベンジル保護ブロモナフトール化合物とボロン酸エステル化合物を、実施例3と同様の手法で反応させることにより、前記式(E7)で示されるフェニルナフトール誘導体を得た。このフェニルナフトール誘導体のナフトール化合物からのトータル収率は68%だった。
また、得られた化合物について、実施例1と同様な手段を用いて構造解析した結果、前記式(E7)で示される化合物であることを確認した。表1に元素分析値および1H−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示した。
<実施例8>
下記式(E8)で示されるフェニルナフトール誘導体の合成;
1,7−ジメトキシナフタレンを原料とし、ジイソプロピルケトンをジシクロヘキシルケトンに替え、さらに4,4−ジエチルシクロヘキサノンを4,4−ジメチルシクロヘキサノンに替えた以外は、実施例7と同様にして、上記式(E8)で示されるフェニルナフトール誘導体を得た。このフェニルナフトール誘導体のナフトール化合物からのトータル収率は70%だった。
また、得られた化合物について、実施例1と同様な手段を用いて構造解析した結果、前記式(E8)で示される化合物であることを確認した。表1に元素分析値および1H−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示した。
<実施例9>
下記式(E9)で示されるフェニルナフトール誘導体の合成;
7−メトキシ−1−ナフトール17.4g(100mmol)を、実施例1と同様の手法でベンジル保護し、下記式で示される1−ベンジルオキシ−7−メトキシナフタレンの白色固体24.6g(93mmol)を得た。
この1−ベンジルオキシ−7−メトキシナフタレンを、実施例7と同様の手法でリチウム化し、硫黄華の替わりに1,2−ジブロモエタンを添加することで、下記式で示される1−ベンジルオキシ−6−ブロモ−7−メトキシナフタレンの淡黄色固体18.1g(53mmol、収率57%)を得た。
この化合物を、ジメトキシエタン360mlに溶解させ、エタノール36ml、10%炭酸ナトリウム水溶液400mlを加え、アルゴンガスを導入して溶存酸素を除去した。
この溶液に、
4−メトキシフェニルボロン酸8.86g(58mmol)
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
0.67g(0.58mmol)
を加え、75℃で3時間反応させた。その後、トルエン360mlと水360mlを加え、有機層を水で洗浄して、溶媒を減圧で除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で示される1−ベンジルオキシ−6−(4−メトキシフェニル)−7−メトキシナフタレンの白色固体18.8g(51mmol、収率96%)を得た。
この化合物を、実施例2と同様の手法でブロモ化し、下記式で示されるベンジル保護ブロモナフトール化合物の淡黄色固体14.3g(32mmol、収率63%)を得た。
上記のベンジル保護ブロモナフトール化合物を、実施例1と同様の方法でホウ酸トリイソプロピルと反応させることで、下記式で示されるボロン酸化合物の白色固体12.1g(29mmol、収率91%)を得た。
このボロン酸化合物に、4,4−ジメチルシクロヘキサノンに替えて3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノンを実施例1と同様にして反応させ、前記式(E9)で示されるフェニルナフトール誘導体を得た。このフェニルナフトール誘導体の7−メトキシ−1−ナフトールからのトータル収率は19%だった。
また、得られた化合物について、実施例1と同様な手段を用いて構造解析した結果、前記式(E9)で示される化合物であることを確認した。表1に元素分析値および1H−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示した。
<参考例1>
この例では、従来公知の方法により、実施例4でも製造されている式(E4)のインデノナフトール化合物を合成する。
4−メトキシベンゾフェノン 21.2g(100mmol)に、コハク酸ジエチル20.0g(115mmol)とテトラヒドロフラン100mlを加え、均一に溶解させた。
この溶液に、カリウム−t−ブトキシド12.9g(115mmol)をテトラヒドロフラン125mlに分散させた液を50℃で滴下し、60℃で3時間反応させた。反応後、水170mlとトルエン125mlを加えて分液し、有機層を10%塩水で洗浄し、溶媒を減圧で除去して、下記式で示されるカルボン酸化合物及びその構造異性体を含む釜残を得た。
上記の釜残に、
無水酢酸51.0g(500mmol)
酢酸ナトリウム8.2g(100mmol)、
トルエン100ml
を加え、還流温度で3時間反応させた。反応液を20℃に冷却し、水100mlを加えて3時間撹拌し、水層を除去した。溶媒を減圧で除去し、150mlのメタノールで再結晶を行うことで、下記式で示されるアセトキシナフタレン化合物の淡黄色固体9.84g(27mmol)を得た。
尚、式中、Acはアセチル基である。
上記で得られたアセトキシナフタレン化合物の淡黄色固体に、メタノール45mlと20%水酸化ナトリウム水溶液54gを加え、還流温度で2時間反応させた。その後、トルエン150mlと水50mlを加え、36%塩酸を30g加えて中和し、テトラヒドロフランを50ml加えて水層を除去した。
次いで有機層を10%塩水で洗浄し、溶媒を減圧で除去し、40mlのトルエンで再結晶を行うことで、下記式で示されるヒドロキシカルボン酸化合物の白色固体7.63g(25.9mmol)を得た。
上記で得られたヒドロキシカルボン酸化合物をN,N−ジメチルホルムアミド76mlに溶解し、これに炭酸カリウム9.0g(64.8mmol)と塩化ベンジル7.2g(57mmol)を加え、60℃で4時間反応させた。この反応液に、トルエン76mlと水114mlを加え、水層を除去し、有機層を水で洗浄し、溶媒を減圧で除去した。
溶媒が除去された釜残に、2−プロパノール53mlと10%水酸化ナトリウム水溶液104gを加え、固体が均一に溶解するまで還流温度で5時間反応させた。
反応後、溶媒を除去し、トルエン55mlを加え、36%塩酸28.9gで中和し、テトラヒドロフラン105mlを加えて水層を除去し、有機層を10%塩水で洗浄し、溶媒を除去した。200mlのトルエンで再結晶を行うことで、水酸基がベンジル基で保護され且つ下記式で示されるカルボン酸化合物の白色固体9.27g(24.1mmol)を得た。
上記で得られたカルボン酸化合物にトルエン93ml、トリエチルアミン2.68g(26.5mmol)、ジフェニルホスホリルアジド8.62g(31.3mmol)を加え、20℃で3時間反応させた。その後、エタノールを4.0g加え、70℃で1時間反応させてウレタン化し、さらにエタノール37.7gと水酸化カリウム13.5gを加え、還流温度で3時間反応させた。その後、溶媒を除去して、トルエン93mlと水62mlを加え、水層を除去し、さらに有機層を水で洗浄して溶媒を減圧で除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で示されるアミン化合物の淡黄色固体7.54g(21.2mmol)を得た。
得られたアミン化合物に、アセトニトリル150mlと6%塩酸42.6gを加え、5℃で20%亜硝酸ナトリウム水溶液を添加してジアゾ化した。この溶液に、50%ヨウ化カリウム水溶液35.2gを1時間かけて滴下し、20℃で3時間反応させた。
反応後、トルエンを115ml加え、水層を除去し、有機層を水で洗浄して、溶媒を減圧で除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で示されるヨードナフタレン化合物の淡黄色固体6.92g(14.8mmol)を得た。
得られたヨードナフタレン化合物をテトラヒドロフラン69mlに溶解させ、−78℃に冷却し、11mlのブチルリチウムヘキサン溶液(1.6M)を1時間かけて添加した。その後、3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノン2.86g(18.6mmol)を加え、20℃まで温度を上げた。
1時間後に、5%塩化アンモニウム水溶液300mlを加え、有機層にp−トルエンスルホン酸一水和物0.56g(3.0mmol)を加え、50℃で反応させた。5時間後、10%塩水を加え、有機層を洗浄した。
この有機層に5%パラジウムカーボン(50wt含水品)を1.5g添加し、水素雰囲気下で反応させた。2時間後、固体を濾別し、溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒ヘキサン/酢酸エチル=2/1v/v)により精製することで、下記式で示されるフェニルナフトール化合物の白色固体4.17g(10.8mmol)を得た。
上記のフェニルナフトール化合物をトルエン62mlに溶解させ、p−トルエンスルホン酸一水和物3.09g(16.3mmol)を加え、還流温度で1時間反応させた。反応後、水を60ml加え、水層を除去し、有機層を水で洗浄して、溶媒を除去し、シリカゲルを用いたクロマトグラフィー(溶媒クロロホルム)により精製することで、下記式で示されるインデノナフトール化合物の白色固体4.07g(9.1mmol)を得た。
このインデノナフトール化合物は、実施例4で合成されたものと同じである。
このインデノナフト−ル化合物のフェニルナフトール化合物からの収率は84%だった。また、4−メトキシベンゾフェノンからのトータル収率は、僅か9.1%だった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるフェニルナフトール誘導体;
    式中、
    、RおよびRは、水素原子、アルキル基またはアリール
    基であり、RとRとは、互いに結合して脂肪族炭化水素環また
    は複素環を形成してもよく、
    aは、0〜4の整数であり、
    bは、0〜4の整数であり、
    およびRは、ヒドロキシル基、アルキル基、ハロアルキル
    基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、ヘテロ原子とし
    て窒素原子を有しており且つ該窒素原子を介して結合する複素環基
    、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、ア
    ルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ア
    ラルキル基、アラルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、環
    内炭素原子を介して結合するヘテロアリール基、アルキルチオ基、
    シクロアルキルチオ基、アリールチオ基またはヘテロアリールチオ
    基であり、
    或いはRが複数存在する場合には、複数のR或いは複数
    のRは互いに同一でも異なっていてもよく、また、2個のR
    いは2個のRが、互いに結合して脂肪族炭化水素環または複素環
    を形成してもよい。
  2. 下記一般式(2):
    式中、
    、R、R、R、R、aおよびbは、式(1)で説明
    したものと同義である、
    で示されるインデノナフトール化合物を製造する方法であって、請求項1に記載のフェニルナフトール誘導体を酸触媒の存在下で環化することを特徴とする方法。
  3. 下記一般式(3):
    式中、
    、R、R、R、R、aおよびbは、前記式(1)で
    説明したものと同義であり、
    およびRは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基
    またはヘテロアリール基である、
    で表されるインデノナフトピラン化合物を製造する方法であって、請求項2に記載の方法により製造されたインデノナフトール化合物と下記一般式(4):
    式中、RおよびRは、前記式(3)で説明したものと同義である、
    で示されるプロパルギルアルコール化合物とを反応させることを特徴とする方法。
  4. 下記一般式(1”):
    式中、
    は、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、
    10およびR11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル
    基またはアリール基である、
    2BおよびR3Bは、互いに結合して、脂肪族炭化水素環また
    は複素環を形成する基であり、
    5CおよびR5Dは、一方が硫黄原子であることを条件として
    、酸素原子または硫黄原子である、
    で表されるフェニルナフトール誘導体の製造方法であって、下記一般式(1−1a)で表されるハロゲノナフトール誘導体と下記一般式(1−2)で表されるホウ素含有フェニル化合物とを反応させることを特徴とする方法;
    一般式(1−1a):
    式中、
    Xは、ハロゲン原子であり、
    10、R11、R5CおよびR5Dは、前記一般式(1”)で
    説明したものと同義である、
    一般式(1−2):
    式中、
    は、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、
    前記一般式(1a)で説明したものと同義であり、
    Zで示される基は、下記式:
    から選ばれるホウ素含有基である。
  5. 前記一般式(1−1a)で表されるハロゲノナフトール誘導体の製造方法であって、下記一般式(1−1b);
    式中、
    5C、R5D、R10およびR11は、前記一般式(1−1a
    )で説明したものと同義である。
    で表されるナフトール誘導体を、アセトニトリル及び/またはトルエンを含む溶媒中でハロゲン化することを特徴とする方法。
  6. 下記一般式(1−1a);
    式中、
    Xは、ハロゲン原子であり、
    10およびR11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル
    基またはアリール基である、
    5CおよびR5Dは、一方が硫黄原子であることを条件として
    、酸素原子または硫黄原子である、
    で表されるハロゲノナフトール誘導体。
  7. 下記一般式(1−1b);
    式中、
    10およびR11は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル
    基またはアリール基である、
    5CおよびR5Dは、一方が硫黄原子であることを条件として
    、酸素原子または硫黄原子である、
    で表されるナフトール誘導体。
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