JPWO2015001790A1 - インクジェットプリンタおよび画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、形成される画質が良好なインクジェットプリンタを提供することを目的とする。上記目的は、インクを吐出するインクヘッドHと、インクヘッドHと連通するインク供給部Pと、インク供給部Pと連通しインク供給部Pを介してインクヘッドHにインクを供給するインク貯留部Tとを有するインクジェットプリンタ1であって、インク供給部Pの少なくとも一部に、インクの粘度が5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲にまでインクを加熱するインク加熱部Sを有し、インク貯留部Tはインクを剪断する剪断装置を有するプリンタによって、達成される。

Description

本発明は、インクジェットプリンタおよび画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式の一つに、紫外線硬化型インクジェットインクの液滴を記録媒体に着弾させた後、紫外線を照射して硬化させて画像を形成する紫外線硬化型インクジェット方式がある。紫外線硬化型インクジェット方式は、インク吸収性のない記録媒体にも、高い耐擦過性及び密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
インクジェット専用紙や溶剤系インク用の塩化ビニル以外の様々な記録媒体にも記録できるインクジェットインクが望まれている。基材選択幅の高いインクとしては、ホットメルトインクとUV硬化型インクとがある。ホットメルトインクは固形のため、ブロック状やボール状にしてインク供給している。UV硬化型インクは、インクカートリッジから直接または一旦タンクに投入して、ポンプ等でインク供給している。
UV硬化型インクにワックスを添加することで、ホットメルトインクとUV硬化型インクそれぞれの特長である、基材選択性、高速印字、画像耐久性を併せ持つインクジェットインクシステムが期待されている。しかしながら、ワックスを添加したUV硬化型インクは、粘度が高く、室温であっても従来の送液ポンプを用いてインクを供給することができない。そのため、送液専用の設備が必要となるため、設備コストが上昇してしまう。また、インク貯留部で加熱溶解すると、インク貯留部及びインクジェットヘッドまでの供給路を全て加熱状態にする必要があり、エネルギー的にも安全性上も課題となる。この課題についていくつか解決手段が提案されてはいるものの解決には至っていなかった(例えば特許文献1及び2参照)。
米国特許第8096647号明細書 米国特許第8240830号明細書
本発明は、形成される画質が良好なインクジェットプリンタおよびこのようなインクジェットプリンタを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
1.インクを吐出するインクヘッドと、前記インクヘッドと連通するインク供給部と、前記インク供給部と連通し、前記インク供給部を介して前記インクヘッドにインクを供給するインク貯留部とを有するインクジェットプリンタであって、
前記インク供給部は、前記インクの粘度が5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲にまで前記インクを加熱するインク加熱部を有し、
前記インク貯留部はインクを剪断する剪断装置を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
2.25℃における粘度が5000mPa・s以上のインクに用いられる、上記1に記載のインクジェットプリンタ。
3.前記インク貯留部は、回転軸および前記回転軸の一端に設けられた回転羽を有する剪断装置と、前記インクを収容する容器とを備えることを特徴とする、上記1または2記載のインクジェットプリンタ。
4.前記容器は略円柱形の容器であり、前記容器を底面と水平な方向に切断した円の半径をRとし、前記回転軸から前記回転羽の先端までの距離をrとしたときに、r/R≧0.5であることを特徴とする上記3記載のインクジェットプリンタ。
5.r/R=0.60〜0.77であることを特徴とする上記4記載のインクジェットプリンタ。
6.前記回転軸から前記回転羽の先端までの距離をrとし、前記回転羽と前記容器の底面との距離をdとしたときに、r/d=2〜50であることを特徴とする上記3〜5のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
7.r/d=4〜30であることを特徴とする上記6記載のインクジェットプリンタ。
8.前記回転羽の周速が、100rpm〜600rpmであることを特徴とする上記3〜7のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
9.前記剪断装置は、前記インクの粘度を剪断前のインクの粘度の1/5以下に低下させるものであることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
10.前記インクは、光重合性化合物と、光重合開始剤と、ゲル化剤とを含有し、温度によりゾルゲル相転移するものであることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
11.活性光線硬化型インクジェットインクを剪断する工程と、剪断された活性光線硬化型インクジェットインクをインクの粘度が5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲になるように加熱しながらインクヘッドに供給する工程と、活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に吐出する工程と、記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる工程とをこの順番で含む、画像形成方法。
12.前記活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度が5000mPa・sであることを特徴とする、上記11記載の画像形成方法。
13.前記剪断工程は、回転軸および前記回転軸の一端に設けられた回転羽を有する剪断装置によって前記活性光線硬化型インクジェットインクを剪断する工程であることを特徴とする、上記11または12記載の画像形成方法。
14.前記回転羽の周速が、100rpm〜600rpmであることを特徴とする上記13記載の画像形成方法。
15.前記剪断工程は、前記インクの粘度を剪断前のインクの粘度の1/5以下に低下させることを特徴とする上記11〜14のいずれかに記載の画像形成方法。
本発明によれば、形成される画質が良好なインクジェットプリンタおよびこのようなインクジェットプリンタを用いた画像形成方法が提供される。
図1は、実施形態に係るインクジェットプリンタの概略図である。 図2は、実施形態に係るインクジェットプリンタのインク貯留部の概略図である。 図3Aは、ライン記録方式のインクジェットプリンタの要部の構成の一例を示す図の側面図である。 図3Bは、ライン記録方式のインクジェットプリンタの要部の構成の一例を示す図の上面図である。 シリアル記録方式のインクジェットプリンタの要部の構成の一例を示す図である。
以下に、実施形態を挙げて本発明の説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。図中同一の機能又は類似の機能を有するものについては、同一又は類似の符号を付して説明を省略する。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[インクジェットプリンタ]
図1に示すように、実施形態に係るインクジェットプリンタ1は、インクを吐出するインクヘッドHと、インクヘッドHと連通するインク供給部Pと、インク供給部Pと連通しインク供給部Pを介してインクヘッドHにインクを供給するインク貯留部Tとを有する。インク供給部Pは、インクの粘度が5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲になるまでインクを加熱するインク加熱部Sを有する。インク貯留部Tはインクを剪断する剪断装置を有する。
本発明において、インクの各温度における粘度、およびゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得る。そして、各温度における粘度は、粘度の温度変化曲線においてその温度における粘度をそれぞれ読み取ることにより求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が大きく変化する温度であり、例えば粘度が200mPa・sとなる温度とすることができる。
インク供給部Pとしては、インク加熱部Sを備えれば、特に限定されることなく通常の送液用ポンプを用いることができる。従来の高粘度インク供給手段に代えて、通常の送液用ポンプを用いることで、インクジェットプリンタのコストを抑えることができる。インク供給部Pとしては、25℃における剪断後の粘度が1000mPa・s程度のインクをインク供給を受けるヘッドの総吐出速度よりも速く供給できるものが好ましい。
インク加熱部Sとしては、インクをインクの粘度が5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲になるように加熱することができるものであれば特に制限されることなく種々の加熱装置、例えばヒータ等を用いることができる。たとえば、インクのゲル化温度+10℃以上にインクを加熱することで、インクの粘度を5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲にすることができる。
インク加熱部Sのインク供給部Pに対する配置位置は、剪断後のインクを加熱することができれば特に制限されないが、省エネの観点から、インク供給部Pの近傍に配置されることが好ましい。また、図示しないが、インク加熱部SとインクヘッドHとの間に更にインク貯留部を設けてもよい。なお、インク加熱部Sは、予めインク供給部Pに備え付けられているものであっても、後付けのものであっても構わない。インク加熱部Sはインク供給部Pの少なくとも一部に配置されていれば良いが、さらにインク貯留部Tとインク供給部Pの配管に追加のインク加熱部Sを配置しても構わない。
インク貯留部Tが有する剪断装置としては、インクを剪断することができるものであるば特に限定されることなく種々の剪断装置を用いることができる。なお、剪断とは、インク内部の任意の面に対して平行となる方向にインクを分割し、分割されたインクをまた混合する動作を繰り返すことをいう。剪断装置としては、回転羽によりインクを剪断する装置、および互いに異なる方向にねじった2種類の長方形の金属板を交互に配置したスタチックミキサーによりインクを剪断する装置等を用いることができる。これらのうち、大量のインクを短時間で剪断できること、および装置の構成を簡易なものにできることから、剪断装置は、回転羽によりインクを剪断する装置であることが好ましい。
剪断装置が回転羽によりインクを剪断する場合、図2に示すように、インク貯留部Tは、回転軸50aとその一端に設けられた回転羽50bを有する剪断装置50と、回転軸50aの他端に設けられ剪断装置50を軸回転させる駆動装置(図示せず)と、容器52と、を備える。回転羽50bは、円盤状の物を用いてもよいし、長楕円形の羽を複数組みあわせて用いてもよい。剪断装置50は、インクの粘度を少なくとも1/5まで低下させるものであることが好ましい。
容器52が略円柱形である場合、回転軸50aは容器52を切断した円の中心を通るように配置されることが好ましい。このとき、容器52を底面と水平な方向に切断した円の半径をRとし、回転軸50aから回転羽50bの先端までの距離(以下、回転羽の半径ともいう。)をrとしたときに、r/R≧0.5が好ましく、r/R=0.60〜0.77がさらに好ましい。r/Rが小さすぎると、剪断されない部分が広く、全体を剪断するのに時間がかかるからである。r/Rが0.77を超えると容器内の対流効率が落ちたり、回転するためのトルクが大きくなるからである。
容器52の形状にかかわらず、回転羽50bと容器52の底面との距離をdとしたときに、r/d=2〜50が好ましく、r/d=4〜30がより好ましい。r/dが小さすぎると回転羽下部へ押し出す力が弱くなり、回転羽50bの下部の剪断残りが起こるほか、回転中の回転羽のぶれにより、回転羽とタンクの底部が接触するなどの不具合が起こるからである。r/dが大きすぎると下部に押し出すときの抵抗が大きくなり、循環効率が悪くなるからである。
剪断時の液の深さLには特に規定はないが、効率的に剪断するためには、L/R=1.0〜5.0が好ましく、L/R=1.5〜3.0がさらに好ましい。
回転羽の周速は、100rpm〜600rpmが好ましい。遅いと均一になるのに時間がかかり、速いと大きなトルクが必要となり、また、液はねによる周囲の汚染や泡の巻き込み等が起こるからである。更に好ましくは、150rpm〜400rpmである。
インク貯留部Tには、粘度が5000mPa・s以上のインクが導入され、貯留および剪断されることが好ましい。本発明は、このような高い粘度を有するインクを用いて画像を形成する際にも、送液しやすく、濃度ムラおよび光沢ムラの少ない画像を形成することができる。
(インクジェットプリンタの1態様について)
活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェットプリンタについて、インクヘッドHの1態様を中心に説明する。活性光線硬化型インクジェット方式のインクジェットプリンタには、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものと、シリアル記録方式のものと、がある。求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)が好ましい。
図3A、図3Bは、ライン記録方式のインクジェットプリンタの要部の構成の一例を示す図である。このうち、図3Aは側面図であり、図3Bは上面図である。図3A、図3Bに示されるように、インクジェットプリンタ10は、複数のインクジェット記録ヘッド14を収容するヘッドキャリッジ16と、記録媒体12の全幅を覆い、かつヘッドキャリッジ16の(記録媒体の搬送方向)下流側に配置された活性光線照射部18と、記録媒体12の下面に配置された温度制御部19(19a及び19b)と、を有する。
ヘッドキャリッジ16は、インクを貯留するインクタンク31とインク流路30を介して接続されている。ヘッドキャリッジ16は、記録媒体12の全幅を覆うように固定配置されており、各色ごとに設けられた複数のインクジェット記録ヘッド14を収容する。インクジェット記録ヘッド14にはインクが供給されるようになっている。たとえば、インクジェットプリンタ10に着脱自在に装着された不図示のインクカートリッジなどから、直接または不図示のインク供給手段によりインクが供給されるようになっていてもよい。
インクジェット記録ヘッド14は、各色ごとに、記録媒体12の搬送方向に複数配置される。記録媒体12の搬送方向に配置されるインクジェット記録ヘッド14の数は、インクジェット記録ヘッド14のノズル密度と、印刷画像の解像度によって設定される。例えば、液滴量2pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド14を用いて1440dpiの解像度の画像を形成する場合には、記録媒体12の搬送方向に対して4つのインクジェット記録ヘッド14をずらして配置すればよい。また、液滴量6pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド14を用いて720×720dpiの解像度の画像を形成する場合には、2つのインクジェット記録ヘッド14をずらして配置すればよい。dpiとは、1インチ(2.54cm)当たりのインク滴(ドット)の数を表す。
活性光線照射部18は、記録媒体12の全幅を覆い、かつ記録媒体の搬送方向についてヘッドキャリッジ16の下流側に配置されている。活性光線照射部18は、インクジェット記録ヘッド14により吐出されて、記録媒体12に着弾した液滴に活性光線を照射し、液滴を硬化させる。
活性光線が紫外線である場合、活性光線照射部18(紫外線照射手段)の例には、蛍光管(低圧水銀ランプ、殺菌灯)、冷陰極管、紫外レーザー、数100Pa〜1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等が含まれる。硬化性の観点から、照度100mW/cm以上の紫外線を照射する紫外線照射手段;具体的には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等が好ましい。紫外線照射手段は、消費電力が少なく、さらに輻射熱も少ないとの観点から、LEDが特に好ましい。紫外線照射手段であるLEDの具体例には、Phoseon Technology社製 395nm、水冷LED等が含まれる。
活性光線が電子線である場合、活性光線照射部18(電子線照射手段)の例には、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等の電子線照射手段が含まれるが、処理能力の観点から、カーテンビーム方式の電子線照射手段が好ましい。電子線照射手段の例には、日新ハイボルテージ(株)製の「キュアトロンEBC−200−20−30」、AIT(株)製の「Min−EB」等が含まれる。
温度制御部19(19a及び19b)は、記録媒体12の下面に配置されており、記録媒体12を所定の温度に維持する。温度制御部19は、例えば各種ヒータ等でありうる。
以下、ライン記録方式のインクジェットプリンタ10を用いた画像記録方法を説明する。記録媒体12を、インクジェットプリンタ10のヘッドキャリッジ16と温度制御部19aとの間に搬送する。一方で、記録媒体12を、温度制御部19aにより所定の温度に調整する。次いで、ヘッドキャリッジ16のインクジェット記録ヘッド14から高温のインクを吐出して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。そして、活性光線照射部18により、記録媒体12上に付着したインク滴に活性光線を照射して硬化させる。
インクジェット記録ヘッド14からインクを吐出する際の、インクジェット記録ヘッド14内のインクの温度は、インクの吐出性を高めるためには、当該インクのゲル化温度よりも10〜30℃高い温度に設定されることが好ましい。インクジェット記録ヘッド14内のインク温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、インクジェット記録ヘッド14内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの吐出性が低下しやすい。一方、インクジェット記録ヘッド14内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インクジェット記録ヘッド14の各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、高解像度の画像を形成するためには、0.5pl〜10plであることが好ましく、1pl〜4.0plであることがより好ましい。
活性光線照射部18からの活性光線の照射は、隣り合うインク滴同士が合一するのを抑制するために、インク滴が記録媒体上に付着した後10秒以内、好ましくは0.001秒〜5秒以内、より好ましくは0.01秒〜2秒以内に行うことが好ましい。活性光線の照射は、ヘッドキャリッジ16に収容された全てのインクジェット記録ヘッド14からインクを吐出した後に行われることが好ましい。このとき、温度制御部19bで記録媒体12の温度を適宜調整する。このときの記録媒体12の温度は、インク吐出時の記録媒体12の温度;つまり温度制御部19aで調整する温度と同一であってもよく、異なってもよい。
活性光線が電子線である場合、電子線照射の加速電圧は、十分な硬化を行うためには、30〜250kVとすることが好ましく、30〜100kVとすることがより好ましい。加速電圧が100〜250kVである場合、電子線照射量は30〜100kGyであることが好ましく、30〜60kGyであることがより好ましい。
インク硬化後の画像の総膜厚は、2〜25μmであることが好ましい。「総膜厚」とは、記録媒体に着弾したインクの硬化物の最大膜厚である。
図4は、シリアル記録方式のインクジェットプリンタ20の要部の構成の一例を示す図である。図4に示されるように、インクジェットプリンタ20は、記録媒体の全幅を覆うように固定配置されたヘッドキャリッジ16の代わりに、記録媒体の全幅よりも狭い幅であり、かつ複数のインクジェット記録ヘッド24を収容するヘッドキャリッジ26と、ヘッドキャリッジ26を記録媒体12の幅方向に可動させるためのガイド部27と、を有する以外は図2と同様に構成されうる。
シリアル記録方式のインクジェットプリンタ20では、ヘッドキャリッジ26がガイド部27に沿って記録媒体12の幅方向に移動しながら、ヘッドキャリッジ26に収容されたインクジェット記録ヘッド24からインクを吐出する。ヘッドキャリッジ26が記録媒体12の幅方向に移動しきった後(パス毎に)、記録媒体12を搬送方向に送る。その後、活性光線照射部28で活性光線を照射する。これらの操作以外は、前述のライン記録方式のインクジェットプリンタ10とほぼ同様にして画像を記録する。
[活性光線硬化型インク]
実施形態に係るインクジェットプリンタに用いられる活性光線硬化型インクは、ゲル化剤と、光重合性化合物と、及び光重合開始剤とを含有し、温度によりゾルゲル相転移する活性光線硬化型インクジェットインクであることが好ましい。
(光重合性化合物)
光重合性化合物は、活性光線の照射により架橋又は重合する化合物である。活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線等であり、好ましくは紫外線である。
活性光線硬化型インクジェットインクに用いられる光重合性化合物は、特に限定されないが、たとえば、下記の重合性化合物A及び重合性化合物Bを含むことができる。
1)ClogPが−4.0以上1.0未満の範囲にあり、分子内に(メタ)アクリルアミド基を有する重合性化合物A
2)ClogPが−1.0以上4.0未満の範囲にあり、分子量が200以上1200未満であり、分子内に(メタ)アクリレート基を有する重合性化合物B
ここで、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかをいい、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかをいう。
また「logP値」とは、水と1−オクタノールに対する有機化合物の親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の二液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPで示す。すなわち、「logP値」とは、1−オクタノール/水の分配係数の対数値であり、分子の親疎水性を表す重要なパラメータとして知られている。
「ClogP値」とは、計算により算出したlogP値である。ClogP値は、フラグメント法や、原子アプローチ法等により算出されうる。より具体的に、ClogP値を算出するには、文献(C.Hansch及びA.Leo、“Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology”(John Wiley & Sons, New York, 1969))に記載のフラグメント法または下記市販のソフトウェアパッケージ1又は2を用いればよい。
ソフトウェアパッケージ1:MedChem Software (Release 3.54,1991年8月、Medicinal Chemistry Project, Pomona College,Claremont,CA)
ソフトウェアパッケージ2:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
本願明細書等に記載したClogP値の数値は、ソフトウェアパッケージ2を用いて計算した「ClogP値」である。
従来のゾルゲル相転移型のUV硬化型インクでは、ゲル化剤と光重合性化合物との相溶性が詳細に検討されていなかった。そのため、光重合性化合物とゲル化剤とが相溶し難い場合には、インクの吐出が不安定となったり、ゲル化剤が所望のゲル構造(カードハウス構造や繊維状の網目構造)を形成できず、着弾後のインク液滴がゲル化し難いとの問題があった。一方、光重合性化合物とゲル化剤との相溶性が高すぎる場合には、インクが記録媒体に着弾後、ゲル化剤が十分に結晶化できないという問題があった。また、印字初期にはゲル化剤が光重合性化合物に相溶しても、印字を続けるうちに、次第にゲル化剤が相溶しなくなり、インクの吐出性が低下すること等もあった。
これに対し、本発明者らは、一定量の重合性化合物A、及び一定量の重合性化合物Bをゲル化剤と併用することで、ゲル化剤が安定に相溶し、インクの吐出性が良好となること、さらにインクが記録媒体に着弾後、ゲル化剤が速やかに結晶化し、液滴同士の合一を抑制できることを見出した。その理由は以下のように推察される。
重合性化合物A((メタ)アクリルアミド化合物)は、親水性が比較的高い。これに対し、重合性化合物B((メタ)アクリレート化合物)は、比較的疎水性が高い。これらの重合性化合物A及び重合性化合物Bは、いずれも(メタ)アクリロイル基を有しており、互いに相溶しやすい。一方、活性光線硬化型インクジェットインク中に含まれるゲル化剤は、その分子構造内に、疎水性部分と親水性部分を併せ持つ。このゲル化剤の疎水性部分及び親水性部分が、それぞれ重合性化合物B及び重合性化合物Aと親和しやすい。そのため、ゾル状のインクにおいて、ゲル化剤が安定に存在できる。
その一方で、インクには親水性の高い重合性化合物Aが含まれるため、インクが記録媒体に着弾すると、ゲル化剤が速やかに析出して結晶化する。つまり、着弾後の液滴同士の合一が抑制され、高品質な画像が得られる。
また、活性光線硬化型インクジェットインクでは、重合性化合物A(アクリルアミド化合物)が含まれるため、硬化後のインク(印刷画像)と記録媒体との密着性が良好である。またさらに、硬化膜の耐傷性も高まる。さらに、柔軟性の高い重合性化合物Bが含まれるため、印刷画像の柔軟性(折り曲げ耐性)も良好となる。
(重合性化合物A)
重合性化合物Aは(メタ)アクリルアミド化合物である。前述のように、活性光線硬化型インクジェットインク中に、重合性化合物Aが含まれると、硬化後のインクと記録媒体との密着性が高まる。さらに、インクの硬化膜の耐傷性も高まる。
重合性化合物AのClogP値は、−4.0以上1.0未満であり、好ましくは−3.0以上1.0未満である。重合性化合物AのClogP値が−4.0未満であると、親水性が過剰に高くなり、ゲル化剤や重合性化合物Bとの相溶性が低下する。そのため、ゲル化剤の溶解性が不安定となり、インクの吐出性が不安定となったり、記録媒体に着弾後、所望のゲル構造(カードハウス構造や繊維状の網目構造)が形成されず、ドットの合一を抑制できないことがある。一方、重合性化合物AのClogP値が1.0以上であると、印刷画像と記録媒体との密着性が高まり難い。
重合性化合物Aの分子内に含まれる(メタ)アクリルアミド基の数は特に限定されない。重合性化合物Aに、1つのみ(メタ)アクリルアミド基が含まれてもよく、2つ以上の(メタ)アクリルアミド基が含まれてもよい。
重合性化合物Aの分子量は特に制限されないが、100以上1000未満であることが好ましく、より好ましくは100以上500未満である。分子量が100以下であるアクリルアミド化合物には、生体有害性を有するものがある。一方、アクリルアミド化合物の分子量が1000であると、インクの粘度が過剰に高くなりやすい。
重合性化合物Aの好ましい例には、以下の化合物が含まれる。ただし、重合性化合物Aは、以下の化合物に制限されない。
N,N−ジメチルアクリルアミド(分子量99、ClogP値:−0.17)、N,N−ジエチルアクリルアミド(分子量127、ClogP値:0.89)、アクリロイルモルホリン(分子量141、ClogP値:−0.07)、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(分子量115、ClogP値:−1.03)、N−イソプロピルアクリルアミド(分子量113、ClogP値:0.25)、ダイアセトンアクリルアミド(分子量169、ClogP値:0.29)、N−メチロールアクリルアミド(分子量101、ClogP値:−0.93)、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド(分子量156、ClogP値:0.20)、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(分子量154、ClogP値:−0.92)、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド(分子量200、ClogP値:−3.00)、N,N’−エチレンビスアクリルアミド(分子量154、ClogP値:−0.94)、N,N’−プロピレンビスアクリルアミド(分子量182、ClogP値:−0.43)、N,N’−ジメチルメタクリルアミド(分子量113、ClogP値:0.14)、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド(分子量129、ClogP値:−0.17)。
下記一般式(1)で表されるN−{3−[4−(3−アクリロイルアミノ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−ブトキシ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−アクリルアミド(分子量344、ClogP値:−2.09)
Figure 2015001790
下記一般式(2)で表されるN−(3−{2−[2−(3−アクリロイルアミノ−プロポキシ)−エトキシ]−エトキシ}−プロピル)−アクリルアミド(分子量328、ClogP値:−0.32)
Figure 2015001790
下記一般式(3)で表されるN−{2−[2−(2−アクリロイルアミノ−エトキシ)−エトキシ]−エチル}−アクリルアミド(分子量256、ClogP値:−0.76)
Figure 2015001790
下記一般式(4)で表されるN−{3−[2−(3−アクリロイルアミノ−プロポキシ)−エトキシ]−プロピル}−アクリルアミド(分子量284、ClogP値:−0.19)
Figure 2015001790
下記一般式(5)で表されるN−{3−[2−(3−アクリロイルアミノ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−エトキシ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−アクリルアミド(分子量316、ClogP値:−2.41)
Figure 2015001790
下記一般式(6)で表されるN−{3−[3−(3−アクリロイルアミノ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−2,2−ビス−(3−アクリロイルアミノ−2−ヒドロキシ−プロポキシメチル)−プロポキシ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−アクリルアミド(分子量645、ClogP値:−3.81)
Figure 2015001790
下記一般式(7)で表されるN−{3−[2−(3−アクリロイルアミノ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−1−(2−ヒドロキシ−5−オキソ−ヘプト−6−エニルオキシメチル)−エトキシ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−アクリルアミド(分子量472、ClogP値:−3.05)
Figure 2015001790
下記一般式(8)で表されるN−[2−(2−{2−{2−[2−(アクリロイルアミノ−メトキシ)−エトキシ]−エトキシメチル}−2−[2−(アクリロイルアミノ−メトキシ)−エトキシメチル]−ブトキシ}−エトキシ)−エトキシメチル]−アクリルアミド(分子量604、ClogP値:−0.62)
Figure 2015001790
下記一般式(9)で表されるN−{3−[2,2−ビス−(3−アクリロイルアミノ−2−ヒドロキシ−プロポキシメチル)−ブトキシ]−2−ヒドロキシ−プロピル}−アクリルアミド(分子量516、ClogP値:−1.56)
Figure 2015001790
下記一般式(10)で表されるN−{2−[2−(2−{2−[2−(アクリロイルアミノ−メトキシ)−エトキシ]−エトキシ}−1−{2−[2−(アクリロイルアミノ−メトキシ)−エトキシ]−エトキシメチル}−エトキシ)−エトキシ]−エトキシメチル}−アクリルアミド(分子量606、ClogP値:−2.99)
Figure 2015001790
下記一般式(11)で表されるN−(2−{3−[2−(アクリロイルアミノ−メトキシ)−エトキシ]−2,2−ビス−[2−(アクリロイルアミノ−メトキシ)−エトキシメチル]−プロポキシ}−エトキシメチル)−アクリルアミド(分子量645、ClogP値:−2.20)
Figure 2015001790
重合性化合物Aの含有量は、活性光線硬化型インクジェットインク全質量に対して、5質量%以上、50質量%未満であることが好ましく、より好ましくは10〜40質量%である。重合性化合物Aの含有量が50質量%以上であると、インクの親水性が高くなり、ゲル化剤の溶解性が不安定になりやすい。そのため、インクの吐出が不安定になったり、着弾後のインク液滴において、ゲル構造(カードハウス構造や繊維状の網目構造)が十分に形成されず、ドットの合一が抑制され難くなる。一方、重合性化合物Aの量が5質量%未満であると、インクの硬化膜と記録媒体との密着性が十分に高まらない。
(重合性化合物B)
重合性化合物Bは、(メタ)アクリレート化合物である。活性光線硬化型インクジェットインク中に重合性化合物Bが含まれると、インク中でゲル化剤が安定に溶解する。また、重合性化合物Bが含まれると、インクの硬化膜の柔軟性が高まる。重合性化合物BのClogP値は、−1.0以上4.0未満であり、好ましくは0以上3.6未満である。(メタ)アクリレート化合物のClogP値が−1.0未満であると、重合性化合物Bとゲル化剤とが相溶し難くなる。そのため、インクの吐出が不安定になったり、着弾後のインク液滴において、ゲル構造(カードハウス構造や繊維状の網目構造)が十分に形成されず、ドットの合一が抑制され難くなる。一方、(メタ)アクリレート化合物のClogP値が4.0以上であると、重合性化合物Aと重合性化合物Bとが、相溶し難くなる。
重合性化合物Bの分子量は、200以上1200未満であり、好ましくは300以上800未満である。重合性化合物Bの分子量が200未満であると、重合性化合物Bがインクジェットプリンタ内で揮発しやすくなり、インクの吐出が不安定になりやすい。一方、(メタ)アクリレート化合物の分子量が1200を超えると、インクの粘度が過剰に高くなり、インクの吐出が不安定になりやすい。
重合性化合物Bの分子内に含まれる(メタ)アクリレート基の数は特に限定されないが、分子内に2つ以上の(メタ)アクリレート基を有することが好ましい。具体的には2、3または4つの(メタ)アクリレート基を有することが、インクの硬化性の観点から好ましい。
重合性化合物Bの好ましい例には、以下の化合物が含まれる。ただし、重合性化合物Bは、以下の化合物に限定されない。
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494、Sartomer社製、分子量528、ClogP値:2.28)、テトラエチレングリコールジアクリレート(V♯335HP、大阪有機化学社製、分子量302、ClogP値:1.15)、ポリエチレングリコール♯400ジアクリレート(NKエステルA−400、新中村化学社製、分子量508、ClogP値:0.47)、ポリエチレングリコール♯600ジアクリレート(NKエステルA−600、新中村化学社製、分子量708、ClogP値:−0.16)、ポリエチレングリコール♯200ジメタクリレート(NKエステル4G、新中村化学社製、分子量330、ClogP値:0.59)、ポリエチレングリコール♯400ジメタクリレート(NKエステル9G、新中村化学社製、分子量536、ClogP値:1.09)、4EO変性ヘキサンジオールジアクリレート(CD561、Sartomer社製、分子量358、ClogP値:2.52)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR454、Sartomer社製、分子量429、ClogP値:3.97)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、Sartomer社製、分子量560、ClogP値:3.57)、トリプロピレングリコールジアクリレート(APG−200、新中村化学社製、分子量300、ClogP値:2.21)、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(SR368、Sartomer社製、分子量423、ClogP値:2.59)、グリセリンプロポキシアクリレート(OTA480、ダイセル・サイテック社製、分子量428、ClogP値:2.66)、ジオキサングリコールジアクリレート(CD536、Sartomer社製、分子量326、ClogP値:3.03)、3PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(SR9003、Sartomer社製、分子量328、ClogP値:3.38)、ジプロピレングリコールジアクリレート(APG−100、新中村化学社製、分子量242、ClogP値2.04)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(A−NPG、新中村化学社製、分子量212、ClogP値:2.58)、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(701A、新中村化学社製、分子量214、ClogP値:0.84)、グリセリンジメタクリレート(701、新中村化学社製、分子量228、ClogP値:1.15)、1、6−ヘキサンジオールジアクリレート(A−HD、新中村化学社製、分子量226、ClogP値:3.02)、カプロラクトンアクリレート(SR495B、Sartomer社製、分子量344、ClogP値:2.09)、フェノール4EO変性アクリレート(Miramer M144、Miwon社製、分子量324、ClogP値:2.45)、メトキシトリエチレングリコールアクリレート(AM−30G、新中村化学社製、分子量218、ClogP値0.49)、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート(V−MTG、大阪有機化学社製、分子量232、ClogP値:0.79)、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(例えばSartomer社製、CD9043、CD9045)、EO変性ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート。
重合性化合物Bの分子内には、(−CH−CH−O−)で表される構造が、3以上25未満含まれることが好ましく、より好ましくは3以上15未満含まれる。重合性化合物Bの分子内に(−CH−CH−O−)で表される構造が3以上含まれると、インクの硬化膜の柔軟性が高まる。一方、重合性化合物Bの分子内に(−CH−CH−O−)で表される構造が25以上含まれると、重合性化合物Bの親水性が過剰に高くなりやすく、ゲル化剤と相溶し難くなるおそれがある。
そこで、重合性化合物Bは、テトラエチレングリコールジアクリレート(V♯335HP、大阪有機化学社製、分子量302、ClogP値:1.15)、ポリエチレングリコール♯400ジアクリレート(NKエステルA−400、新中村化学社製、分子量508、ClogP値:0.47)、ポリエチレングリコール♯600ジアクリレート(NKエステルA−600、新中村化学社製、分子量708、ClogP値:−0.16)、ポリエチレングリコール♯200ジメタクリレート(NKエステル4G、新中村化学社製、分子量330、ClogP値:0.59)、ポリエチレングリコール♯400ジメタクリレート(NKエステル9G、新中村化学社製、分子量536、ClogP値:1.09)、4EO変性ヘキサンジオールジアクリレート(CD561、Sartomer社製、分子量358、ClogP値:2.52)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR454、Sartomer社製、分子量429、ClogP値:3.97)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、Sartomer社製、分子量560、ClogP値:3.57)であることがより好ましい。
重合性化合物Bの含有量は、活性光線硬化型インクジェットインク全質量に対して10質量%以上、70質量%未満であり、より好ましくは20〜50質量%である。重合性化合物Bの含有量が70質量%以上であると、アクリルアミド基を有する重合性化合物Aの量が相対的に少なくなり、記録媒体への密着性が高まり難い。一方、重合性化合物Bの含有量が10質量%未満であると、ゲル化剤の溶解性が不安定となり、インクの吐出が不安定になりやすい。また、印刷画像の柔軟性が十分に高まらず、印刷物の折り曲げ性が低下する。
(その他の重合性化合物)
活性光線硬化型インクジェットインクには、重合性化合物A及び重合性化合物B以外の光重合性化合物が更に含まれていてもよい。その他の重合性化合物は、ラジカル重合性化合物でありうる。
その他の重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)でありうる。その他の重合性化合物は、活性光線硬化型インクジェットインク中に一種のみ含まれてもよく、二種以上含まれてもよい。
その他の重合性化合物(エチレン性不飽和結合を有する化合物)の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
その他の重合性化合物は、(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー、その他の重合性オリゴマーであることが特に好ましい。
(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマーの例には、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン変性可とう性アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー;
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等の二官能モノマー;
PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー;
及びこれらのオリゴマーが含まれる。
その他の重合性オリゴマーの例には、エポキシアクリレート、脂肪族ウレタンアクリレート、芳香族ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、直鎖アクリルオリゴマー等が含まれる。
(ゲル化剤)
活性光線硬化型インクジェットインクには、ゲル化剤が含まれる。そのため、インクが温度により可逆的にゾルゲル相転移する。本発明でいうゾルゲル相転移とは、高温では流動性を有する溶液状態であるが、ゲル化温度以下に冷却すると、液全体がゲル化して流動性を失った状態に変化し、さらにゾル化温度以上に加熱すると、流動性を有する液体状態に戻る現象を指す。
本発明でいうゲル化とは、下記いずれかの構造を形成することをいう。
1)ラメラ構造
2)非共有結合や水素結合により形成される高分子網目構造
3)物理的な凝集状態によって形成される高分子網目構造
4)微粒子の凝集構造などの相互作用または析出した微結晶の相互作用などにより、物質が独立した運動を失って集合した構造
つまり、ゲルとは、急激な粘度上昇や弾性増加を伴って固化または半固化状態、もしくは増粘した状態のことを指す。一方、ゾルとはゲル化により形成された相互作用が解消されて、液体が流動性を有する状態をいう。
記録媒体に着弾後のインクがゲル化すると、隣り合うドット同士の合一が抑制され、画像品質が高まる。また、インクがゲル化すると、インク液滴内に酸素が拡散し難くなる。そのため、光重合性化合物の光重合が酸素阻害され難くなり、インクの硬化性も高まる。
本発明における活性光線硬化型インクジェットインクのゲル化剤の添加量はインク全質量に対して0.5質量%以上10質量%未満であり、より好ましくは1質量%以上6質量%未満である。活性光線硬化型インクジェットインクに、二種類以上のゲル化剤が含まれる場合には、ゲル化剤の総量が上記範囲であることが好ましい。
ゲル化剤の含有量が0.5質量%未満であると、活性光線硬化型インクジェットインクが十分にゾルゲル相転移しない可能性がある。一方、ゲル化剤の含有量が10質量%を超えると、ゲル化剤の溶解性が不安定となり、インクの吐出が不安定になりやすい。
活性光線硬化型インクジェットに含まれるゲル化剤は、ワックス、もしくは水素結合性ゲル化剤のいずれであってもよいが、粘度を5000mPa・s以上にする観点およびゾルゲル相転移性の観点から、ワックスまたは水素結合性ゲル化剤であることが好ましく、特に光重合性化合物との相溶性の観点から、分子内に極性基を有するワックスであることが好ましい。
(ワックス)
本発明において「ワックス」とは、常温で固体、加熱すると液体となる有機物をいう。ワックスの融点は、好ましくは融点が30℃以上150℃未満である。活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるワックスは、少なくとも1)ゲル化温度よりも高い温度で、光重合性化合物に溶解すること、2)ゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化すること、が必要である。
ワックスがインク中で結晶化する際、ワックスの結晶化物である板状結晶が三次元的に囲む空間を形成し、上記空間に光重合性化合物を内包することが好ましい。このように、板状結晶が三次元的に囲む空間に光重合性化合物が内包された構造を「カードハウス構造」ということがある。カードハウス構造が形成されると、液体の光重合性化合物を保持することができ、インク液滴をピニングすることができる。それにより、液滴同士の合一を抑制することができる。カードハウス構造を形成するには、光重合性化合物とワックスとが相溶していることが好ましい。これに対して、光重合性化合物とワックスとが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
ワックスの種類は特に限定されない。ワックスの好ましい例には、ジベヘニルケトン、ジステアリルケトン、ジパルミチルケトン、ジミリスチルケトン、ジラウリルケトン、パルミチルステアリルケトン、ステアリルベヘニルケトン、18−Pentatriacontanon(例えばAlfaAeser社製 試薬)、ケトンワックス(例えば花王株式会社製 カオーワックスT1)等の脂肪族ケトン化合物;ベヘニン酸ベヘニル(例えば日油株式会社製 ユニスターM−2222SL)、ステアリン酸ステアリル(例えば花王株式会社製 エキセパールSS)、パルミチン酸セチル(例えば高級アルコール工業株式会社製 アムレプスPC)、ステアリン酸パルミチル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ラウリル、セロチン酸ミリシル、モンタン酸ベヘニル等の脂肪族モノエステル化合物;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;12-ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOHWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等のN-置換脂肪酸アミド;N,N'-エチレンビスステアリルアミド、N,N'-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N'-キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミンなどの高級アミン;グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);ダイマー酸;ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等)等が含まれる。
これらのワックスは、活性光線硬化型インクジェットインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。また市販品のワックスは、二種類以上のワックスの混合物であることが多い。そのため、市販のワックスを、必要に応じて分離・精製して用いてもよい。
前述のように、ワックスは、分子内に極性基を有することが好ましい。極性基は、ケトン基、−OH基、カルボキシル基、アミド基、カルボニル基、エステル結合等であることが好ましい。特に、ワックスは、脂肪族ケトン化合物、脂肪族モノエステル化合物、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、高級アルコール、多価アルコール脂肪酸エステルのいずれかであることが好ましく、脂肪族ケトン化合物または脂肪族モノエステル化合物であることがより好ましい。極性基にプロトンが含まれるワックスでは、極性基がアクリルアミド基と水素結合を形成し、ワックスの溶解性が過剰に高くなることがある。そのため、記録媒体に着弾後のインク液滴において、ゲル化剤の析出が阻害され、十分にゾルゲル相転移しない場合がある。これに対し、ケトン基もしくはエステル基を有するワックス(脂肪族ケトン化合物または脂肪族モノエステル化合物)では、記録媒体に着弾後のインク液滴において、ゲル化剤が析出しやすく、十分にゾルゲル相転移が行われる。
(水素結合性ゲル化剤)
ゲル化剤は、水素結合性ゲル化剤であってもよい。本発明において「水素結合性ゲル化剤」とは、インク中で分子間水素結合により繊維状の準安定構造を形成し、繊維構造の網目中に溶媒を内包することでゲル化する化合物をいう。
水素結合性ゲル化剤の例には、ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド、N-(2-エチルヘキサノイル)-L-グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;特開2005−126507号公報、特開2005−255821号公報および特開2010−111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤;等が含まれる。
(光重合開始剤)
活性光線硬化型インクジェットインクには、光重合開始剤がさらに含まれる。
光重合開始剤は、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
分子内水素引き抜き型の光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合開始剤の含有量は、活性光線や光重合性化合物の種類などにもよるが、0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合開始剤に、光酸発生剤が含まれていてもよい。光酸発生剤の例には、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤などがさらに含まれていてもよい。光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N−ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。活性光線硬化型インクジェットインクに、これらの化合物が、一種のみ含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
(色材)
活性光線硬化型インクジェットインクには、色材が含まれてもよい。色材は、染料または顔料でありうる。インクの構成成分に対して良好な分散性を有し、かつ耐候性に優れることから、顔料がより好ましい。
染料は、油溶性染料等でありうる。油溶性染料は、以下の各種染料が挙げられる。マゼンタ染料の例には、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)が含まれる。
シアン染料の例には、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
イエロー染料の例には、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧社製)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
ブラック染料の例には、MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料または無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36等が含まれる。青またはシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60等が含まれる。緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193等が含まれる。黒顔料の例には、Pigment Black 7、28、26等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製);
KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製);
Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製);
Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、
Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製);
Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);
カーボンブラック♯2600、♯2400、♯2350、♯2200、♯1000、♯990、♯980、♯970、♯960、♯950、♯850、MCF88、♯750、♯650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、♯52、♯50、♯47、♯45、♯45L、♯40、♯33、♯32、♯30、♯25、♯20、♯10、♯5、♯44、CF9(三菱化学製)などが挙げられる。
顔料の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、およびペイントシェーカー等により行うことができる。顔料の分散は、顔料粒子の平均粒子径が、好ましくは0.08〜0.5μm、最大粒子径が好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.3〜3μmとなるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料、分散剤、および分散媒体の選定、分散条件、およびろ過条件等によって、調整される。
活性光線硬化型インクジェットインクには、顔料の分散性を高めるために、分散剤がさらに含まれていてもよい。分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて分散助剤がさらに含まれていてもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。
分散剤および分散助剤の合計量は、顔料に対して1〜50質量%であることが好ましい。
顔料は、溶剤等に分散されていてもよいが、前述の光重合性化合物(特に粘度の低いモノマー)に分散されていることがより好ましい。
顔料または染料の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインク全質量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましい。顔料または染料の含有量が少なすぎると、得られる画像の発色が十分ではなく、多すぎるとインクの粘度が高くなり、インクジェットプリンタからの吐出性が低下するからである。
(その他の成分)
活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて他の成分がさらに含まれていてもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、およびワックス類等が含まれる。
(有機溶剤)
活性光線硬化型インクジェットインクには、必要に応じて水、もしくは有機溶剤が含まれてもよい。インクに有機溶剤が含まれると、インクが記録媒体に浸透しやすくなる等の効果が得られる。
有機溶剤の例としては、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);糖アルコール類;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;等が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(活性光線硬化型インクジェットインクの物性)
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述のように、温度により可逆的にゾルゲル相転移するインクである。ゾルゲル相転移型の活性光線硬化型インクは、高温(例えば80℃程度)ではゾルであるため、インクジェット記録ヘッドから吐出することができる。高温下で活性光線硬化型インクジェットインクを吐出すると、インク滴(ドット)が記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うドット同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
ゾルゲル相転移型のインクの吐出性を高めるためには、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの、80℃における粘度が3〜20mPa・sであることが好ましい。一方、隣り合うドットの合一を抑制するためには、着弾後の常温下におけるインクの粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、剪断後の活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
ゾルゲル相転移型のインクのゲル化温度は、40℃以上70℃以下であることが好ましく、50℃以上65℃以下であることがより好ましい。インクの吐出温度が80℃近傍である場合に、インクのゲル化温度が70℃を超えると、吐出時にゲル化が生じやすく、吐出性が低くなる。一方、ゲル化温度が40℃未満であると、記録媒体に着弾後、速やかにゲル化し難い。ゲル化温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却する過程において、ゲル化して流動性が低下するときの温度である。
レオメータは、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いることができる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とすることができる。
(活性光線硬化型インクジェットインクの調製方法)
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述の光重合性化合物と、ゲル化剤と、光重合開始剤と、色材と、任意の各成分とを、加熱下において混合することにより得ることができる。得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。
[画像形成方法]
画像形成方法は特に限定されないが、(イ)図1に示すようなインクジェットプリンタ1と上述のような活性光線硬化型インクジェットインクを用意する工程と、(ロ)インクを剪断する工程と、(ハ)剪断されたインクを加熱しながらインクヘッドに供給する工程と、(ニ)上記活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に吐出する工程と、(ホ)記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる工程と、を含むことが好ましい。
(イ)工程について
インク貯留部へのインク供給は、運搬用の容器からインク貯留部に供給してもよいし、インク貯留部毎運搬・交換してもよい。インク貯留部へ供給されるインクは特に限定されないが、粘度が5000mPa・s以上のインクを供給しても、本発明の方法によれば送液が容易であり、かつ濃度ムラおよび光沢ムラの少ない画像を形成することができる。
(ロ)工程について
剪断の方法は特に限定されず、回転羽をインク内で回転される方法またはスタチックミキサーを用いる方法等によることができるが、大量のインクを短時間で剪断できること、および剪断に用いる装置の構成を簡易なものにできることから、回転羽によりインクを剪断することが好ましい。
回転羽によりインクを剪断する場合の回転羽の回転速度は特に限定されないが、回転羽の周速が100rpm〜600rpmの条件で剪断することが好ましい。
剪断は、剪断後のインクの粘度を少なくとも剪断前のインクの粘度の1/5以下に低下させることが好ましい。
(ハ)工程について
インク供給部およびインク加熱部を作動させて、剪断されたインクを加熱しながらインクヘッドに供給することが好ましい。供給スピードは、インク吐出量を上回っていれば特に規定はない。またインクの粘度が5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲になるようにインクを加熱することが好ましい。インクの粘度を5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲にするには、たとえば、インクのゲル化温度+10℃以上にインクを加熱すればよい。
(ニ)工程について
インクジェット記録ヘッドに収納された前述の活性光線硬化型インクジェットインクを、ノズルを通して記録媒体に向けて液滴として吐出する。このとき、インクジェット記録ヘッドに収納されたインクジェットインクの温度は、ゲル化剤が析出しない温度とする。つまり、インクに対するゲル化剤の飽和溶解量が、インク中に含まれるゲル化剤の量より多くなる温度とする。
インク液滴の吐出性を高めるためには、インクジェット記録ヘッド内のインクジェットインクの温度を、ゲル化温度よりも10〜30℃高い温度に設定することが好ましい。インクジェット記録ヘッド内のインク温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、インクジェット記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インク液滴の吐出性が低下しやすい。一方、インクジェット記録ヘッド内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録ヘッドに接続したインク流路又はインク流路に接続したインクタンク中のインクジェットインクを加熱して、所定の温度のインクジェットインク液滴を吐出することが好ましい。
記録媒体に着弾したインク液滴は冷却されてゾルゲル相転移により速やかにゲル化する。これにより、インク液滴が拡散せずに、ピニングすることができる。さらには、インク液滴内に酸素が拡散し難くなる。そのため、後述の(ホ)工程において、光重合性化合物の光重合が酸素阻害され難くなり、インクの硬化性が高まり、LED等の低光量の光源でも、十分に硬化できる。
インク液滴が着弾する際の記録媒体の温度は、当該インクのゲル化温度より10〜20℃低い温度に設定されていることが好ましい。記録媒体の温度が低すぎると、インク液滴が過剰に迅速にゲル化してピニングしてしまうため、インク液滴のレベリングが十分に生じず、画像光沢が低下することがある。一方で、記録媒体の温度が高すぎると、インク液滴がゲル化しにくくなり、隣り合うドット同士が混じりあうことがある。記録媒体の温度を適切に調整することで、インク液滴の隣り合うドット同士が混じり合わない程度の適度なレベリングと、適切なピニングとが実現される。
記録媒体は、紙であってもよく、樹脂フィルムであってもよい。紙の例には、印刷用コート紙、印刷用コート紙Bなどが含まれる。また、樹脂フィルムの例には、ポリエチレンテレフタレートフィルムや塩化ビニルフィルムなどが含まれる。
記録媒体の搬送速度は、30〜120m/minであることが好ましい。搬送速度が速いほど画像形成速度が速まるので好ましいが、搬送速度が速すぎると、画像品質が低下したり、インクの硬化が不十分になったりする。
(ホ)工程について
記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射することで、インク液滴に含有される光重合性化合物が架橋又は重合してインク液滴が硬化する。
照射する活性光線は、光重合性化合物の種類によって適宜選択すればよく、紫外線や電子線などでありうる。紫外線の光源としては、メタルハライドランプ等もありうるが、LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインク液滴表面が溶解することを抑制できる。
LED光源からの光は、波長370〜410nmにピーク照度1.0〜10.0W/cmを有することが好ましく、ピーク照度は1.0〜5.0W/cmであることがより好ましい。ピーク照度は、記録媒体表面での照度である。また、光照射時の記録媒体の搬送速度は、30〜120m/minであることが好ましい。搬送速度が速いほど輻射熱の影響が少なく、さらに画像形成速度が速まるので好ましい。ただし、搬送速度が速すぎると、光硬化が不十分になるおそれがある。
活性光線の照射の際、記録媒体の温度は任意に調整できる。吐出工程における記録媒体の温度と、硬化工程における記録媒体の温度は必ずしも同一である必要はなく、独立に制御してもよい。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、これらの記載によって本発明の範囲は限定して解釈されない。
また、以下の実施例における粘度は、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズにおいて、コーンプレートの直径を75mm、コーン角を1.0°として測定したときの値である。
(実施例1)
表1に示すような成分(光重合性化合物、ゲル化剤、光重合開始剤、重合禁止剤、及び顔料分散液)及び配合量で、活性光線硬化型インクジェットインクを調製した。
Figure 2015001790
(光重合性化合物)
・重合性化合物A
N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(東京化成工業製、分子量115、ClogP値:−1.03)
N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド(東京化成工業製、分子量200、ClogP値:−3.00)
・重合性化合物B
ポリエチレングリコールジアクリレート(NKエステルA−400、新中村化学社製、分子量508、EOユニット量9、ClogP値:0.47)
6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR499、Sartomer社製、分子量560、ClogP値:3.57)
・その他の重合性化合物
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(Photomer4072、Cognis社製、分子量471、ClogP値:4.90)
(ゲル化剤)
・ワックス
ベヘニン酸(ルナックBA、花王社製、分子量340、ClogP値:10.1)
パルミチン酸アミド(ダイヤミッドKP、日本化成社製、分子量255、ClogP値:6.3)
脂肪族ケトン(カオーワックスT1、花王社製、ClogP値15以上)
ベヘニン酸ベヘニル(ユニスターM−2222SL、日油社製、ClogP値15以上)
下記一般式(12)で表されるゲル化剤(Unilin425、ペトロライト社製)
Figure 2015001790
下記一般式(13)で表されるゲル化剤
Figure 2015001790
なお、上記一般式13で表されるゲル化剤は、特開2012−236998号公報の段落0081〜0084に記載の方法で合成した。
(光重合開始剤)
DAROCURE TPO(チバスペシャリティケミカル社製)
(重合禁止剤)
Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル社製)
(顔料分散液)
・顔料分散液1(K:ブラック)の調製
下記に示す組成比で、分散剤、光重合性化合物、及び重合禁止剤を、ステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して溶解させた。得られた溶液を室温まで冷却後、下記のブラック顔料1を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gとともにガラス瓶に入れて密栓した。これを、ペイントシェーカーにて5時間、分散処理した。その後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液1を調製した。
・顔料分散液1の組成
分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製) 9質量部
光重合性化合物:トリプロピレングリコールジアクリレート(APG−200、新中村化学社製、分子量300、ClogP値2.21) 70質量部
重合禁止剤:Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル社製) 0.02質量部
ブラック顔料1:Pigment Black 7(三菱化学社製、#52) 21質量部
[インクの調製]
表1に記載の組成に従って、各成分を混合後、混合物を80℃に加熱して撹拌した。得られた溶液を加熱下において♯3000の金属メッシュフィルタで濾過した後、冷却してインクを調製した。表1において、各成分の配合量の単位は質量%である。
[剪断条件・送液条件・送液性の評価]
得られた試料1〜6(活性光線硬化型インクジェットインク)を、表2〜7に示す条件で、容器内径20cmの円柱状のインクタンク(インク貯留部)に装填し、半径15cmの回転羽で剪断した。回転羽と容器底との距離は1cmであり、回転羽の周速は200rpmだった。剪断後、加熱前のインクの粘度は300mPa・sだった。剪断されたインクを、80℃に加熱しながらインクヘッドに供給した。加熱後のインクの粘度は、8.5mPa・sだった。送液性について以下の基準で評価した。結果を表2〜7に示す。
表2〜7中、「剪断装置」は、上記インク貯留部での剪断の有無を示す。
表2〜7中、「充填前剪断」は、インクを製造後、小分けする際に上記インク貯留部と同じ条件で行った剪断の有無を示す。
表2〜7中、「剪断時間」は、上記インク貯留部でインクを剪断した時間を示す。
(送液性の評価)
インク貯留部の送液後の内部を目視確認し、以下の基準で評価した。
○:インク残り等ほとんどなく送液できる
×:インク残りが多い
Figure 2015001790
Figure 2015001790
Figure 2015001790
Figure 2015001790
Figure 2015001790
Figure 2015001790
[画像の形成・画像の評価]
上記それぞれの活性光線硬化型インクジェットインクを、ライン型インクジェットプリンタに装填した。インクジェットプリンタのインクジェット記録ヘッドの温度は80℃に設定した。インクジェット記録ヘッドは、ノズル径20μm、ノズル数512ノズル(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)のピエゾヘッドを用いた。1滴の液滴量は2.5pl、液滴の吐出速度は約6m/sとし、解像度は1440dpi×1440dpi、記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
インクジェットプリンタから、印字直前にコロナ処理を施したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、5cm×5cmのベタ画像を印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。照射時の積算光量は200mJとした。
(濃度ムラの評価)
PETフィルム上に印字した5cm×5cmのベタ画像の濃度ムラを、目視で確認した。評価は下記の基準で行った。結果を表2に示す。
○:15cm離れた位置から観測して、画像に濃度ムラが認められない
△:15cm離れた位置から観測すると、画像の一部において濃度ムラが認められるが、30cm離した位置からは、濃度ムラが認められない
×:30cm離した位置から観測して、画像に濃度ムラが認められる
(光沢ムラの評価)
濃度ムラ評価で用いたサンプルを、目視で光沢を確認した。
○:15cm離れた位置から観測して、どの角度から見ても光沢ムラが認められない
△:15cm離れた位置から観測して、わずかに光沢ムラが認められる
×:30cm離れた位置から観測して、光沢ムラが認められる
表2〜7に示すように、実験2〜実験4では、全ての評価項目で良好な結果が得られた。また剪断装置を用いて剪断を行わなかった実験1、5において、実験1では画質が悪く、実験5では光沢ムラが生じた。実験1〜実験5の結果から、送液時に剪断を行うことで送液性の向上と、画質、光沢ムラの改善が図られることが分かった。
(実施例2)
実施例1で調製した試料1のインクを、サイズの異なる円柱状のインクタンク(インク貯留部)に装填し、回転羽の回転により剪断を行った。回転羽の半径、回転羽と容器底との距離および回転羽の周速を様々に変更してインクを剪断し、剪断を所定時間行った後のインクを80℃に加熱しながら実施例1と同様の方法で画像を形成した。それぞれの条件において、光沢ムラが○である画像が得られるまでの剪断時間を表8に示す。
Figure 2015001790
表8に示すように、実験11〜実験15では、r/R≧0.5である場合により短い剪断時間でも光沢ムラが少ない画像が得られた。実験21〜実験25では、r/d=2〜50である場合により短い剪断時間でも光沢ムラが少ない画像が得られた。また、実験21では、回転中の回転羽のぶれにより、回転羽とタンクの底部が接触するなどの不具合が起こった。実験31〜実験35では、回転羽の周速が100rpm〜600rpmである場合により短い剪断時間でも光沢ムラが少ない画像が得られた。ただし、実験36では、液はねが起こり、周囲の汚染が生じた。
本発明によれば、25℃における粘度が5000mPa・s以上の高粘度のインクに用いられるインクジェットプリンタが提供される。通常の送液ポンプを用いてインクを送液できるので、インクジェットプリンタの生産コストを下げることができる。
H インクヘッド
P インク供給部
T インク貯留部
S インク加熱部
50 剪断装置
50a 回転軸
50b 回転羽
52 容器
1 インクジェットプリンタ
10、20 インクジェットプリンタ
12 記録媒体
14、24 インクジェット記録ヘッド
16、26 ヘッドキャリッジ
18、28 活性光線照射部
19 温度制御部
27 ガイド部

Claims (15)

  1. インクを吐出するインクヘッドと、前記インクヘッドと連通するインク供給部と、前記インク供給部と連通し、前記インク供給部を介して前記インクヘッドにインクを供給するインク貯留部とを有するインクジェットプリンタであって、
    前記インク供給部は、前記インクの粘度が5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲にまで前記インクを加熱するインク加熱部を有し、
    前記インク貯留部はインクを剪断する剪断装置を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 25℃における粘度が5000mPa・s以上のインクに用いられる、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記インク貯留部は、回転軸および前記回転軸の一端に設けられた回転羽を有する剪断装置と、前記インクを収容する容器とを備えることを特徴とする、請求項1または2記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記容器は略円柱形の容器であり、前記容器を底面と水平な方向に切断した円の半径をRとし、前記回転軸から前記回転羽の先端までの距離をrとしたときに、r/R≧0.5であることを特徴とする請求項3記載のインクジェットプリンタ。
  5. r/R=0.60〜0.77であることを特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記回転軸から前記回転羽の先端までの距離をrとし、前記回転羽と前記容器の底面との距離をdとしたときに、r/d=2〜50であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載のインクジェットプリンタ。
  7. r/d=4〜30であることを特徴とする請求項6記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記回転羽の周速が、100rpm〜600rpmであることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記剪断装置は、前記インクの粘度を剪断前のインクの粘度の1/5以下に低下させるものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記インクは、光重合性化合物と、光重合開始剤と、ゲル化剤とを含有し、温度によりゾルゲル相転移するものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載のインクジェットプリンタ。
  11. 活性光線硬化型インクジェットインクを剪断する工程と、剪断された活性光線硬化型インクジェットインクをインクの粘度が5mPa・s以上、30mPa・s以下の範囲になるように加熱しながらインクヘッドに供給する工程と、活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体に吐出する工程と、記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射して、インクを硬化させる工程とをこの順番で含む、画像形成方法。
  12. 前記活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度が5000mPa・sであることを特徴とする、請求項11記載の画像形成方法。
  13. 前記剪断工程は、回転軸および前記回転軸の一端に設けられた回転羽を有する剪断装置によって前記活性光線硬化型インクジェットインクを剪断する工程であることを特徴とする、請求項11または12記載の画像形成方法。
  14. 前記回転羽の周速が、100rpm〜600rpmであることを特徴とする請求項13記載の画像形成方法。
  15. 前記剪断工程は、前記インクの粘度を剪断前のインクの粘度の1/5以下に低下させることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項記載の画像形成方法。
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