JP6948769B2 - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、及び、インクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
また、本発明のインクジェット記録方法は、上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いて画像記録する。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の実施の形態
2.インクジェット記録方法の実施の形態
以下、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の具体的な実施の形態について説明する。活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物(以下、インク組成物)は、活性エネルギー線硬化性化合物と、炭素原子数が15以上26以下の極性基を有するゲル化剤と、粒子径が200nm以下の架橋高分子粒子とを含む。
インク組成物に含まれる活性エネルギー線硬化性化合物は、活性エネルギー線により架橋又は重合する、重合性化合物である。活性エネルギー線硬化性化合物に照射する活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、γ線、及び、エックス線等が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、又は、電子線を用いることが好ましい。活性エネルギー線硬化性化合物としては、ラジカル重合性化合物、及び、カチオン重合性化合物が挙げられ、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
ゲル化剤は、保管温度(常温)や記録媒体上での温度では固体(ゲル化、固相又はワックス状等)となり、インク組成物中で析出する。さらに、インクジェット記録におけるインク組成物の射出温度以下で液相に転化してインク組成物に溶解する。このように、常温での保管の際、及び、インクジェット記録において記録媒体に着弾した際に、インク組成物中でゲル化剤が析出することにより、インク組成物の流動性を大きく低下させることができる。
ゲル化剤としての脂肪族ケトンは、例えば下記一般式(I)で示される。
ゲル化剤としての脂肪酸エステルは、例えば下記式で示される。
ゲル化剤としての脂肪酸アミドは、例えば下記式で示される。
ゲル化剤の好ましい具体例としては、18−ペンタトリアコンタノン、及び、16−ヘントリアコンタノン等の脂肪族ケトン化合物(例えば花王社製 カオーゲル化剤T1等)、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、及び、ベヘニン酸ベヘニル等の脂肪族モノエステル化合物(例えばユニスタ−M−2222SL(日油社製)、エキセパールSS(花王社製、融点60℃)、EMALEX CC−18(日本エマルジョン社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業社製)、エキセパール MY−M(花王社製)、スパームアセチ(日油社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン社製)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、及び、N−(2−エチルヘキサノイル)−L−グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノ)、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(ゲルオールD 新日本理化)等のジベンジリデンソルビトール類、パラフィンゲル化剤、マイクロクリスタリンゲル化剤、ペトロラクタム等の石油系ゲル化剤、キャンデリラゲル化剤、カルナウバゲル化剤、ライスゲル化剤、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、及び、ホホバエステル等の植物系ゲル化剤、ミツロウ、ラノリン、及び、鯨ロウ等の動物系ゲル化剤、モンタンゲル化剤、及び、水素化ゲル化剤等の鉱物系ゲル化剤、硬化ヒマシ油又は硬化ヒマシ油誘導体、モンタンゲル化剤誘導体、パラフィンゲル化剤誘導体、マイクロクリスタリンゲル化剤誘導体又はポリエチレンゲル化剤誘導体等の変性ゲル化剤、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸,ラウリン酸、オレイン酸、及び、エルカ酸等の高級脂肪酸、ステアリルアルコール、及び、ベヘニルアルコール等の高級アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、及び、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製のニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等)、N−ステアリルステアリン酸アミド、及び、N−オレイルパルミチン酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリルアミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、及び、N,N’−キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド、ドデシルアミン、及び、テトラデシルアミン又はオクタデシルアミン等の高級アミン、ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、及び、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製のEMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製のリケマールシリーズ、理研ビタミン社製のポエムシリーズ等)、ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸エステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ、三菱化学フーズ社製)、ポリエチレンゲル化剤、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ゲル化剤等の合成ゲル化剤、重合性ゲル化剤(Baker−Petrolite社製、UNILINシリーズ等)、ダイマー酸、並びに、ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等)が挙げられる。これらのゲル化剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
インク組成物において、架橋高分子粒子とは、多官能モノマーを用いて重合生成され、分子内に多数の架橋点を持つ固体高分子微粒子を指す。このような架橋高分子粒子は、従来のポリマーが一般的に紐状(または線状)の形状であるのに対し、3次元的に枝分かれ構造を繰り返し、高度に分岐している高分子である。このため、架橋高分子粒子は、ナノメートルオーダーのサイズで、球形に近い粒子形状を有する。また、架橋高分子粒子は、分子間の絡み合いが少なく微粒子的挙動を示し、紐状ポリマーに比べて溶媒や液状のインク組成物中に混合した際の分散性が高く、かつ、インク組成物の粘度の増加等の流動性の変化を低く抑えることができる。さらに、架橋高分子粒子は、機能性基を導入可能な分子鎖末端を表面に多数有すること、及び、分子内に空隙を有している等の特徴を有している。
ミン等の架橋高分子粒子を挙げることができる。これらの架橋高分子粒子としては、例えば、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、架橋ポリメタクリル酸、メチルメラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ジメタクリレート重合体の架橋高分子粒子、ジビニルベンゼン重合体の架橋高分子粒子を挙げることができる。特に、架橋高分子粒子としては、ジメタクリレート重合体の架橋高分子粒子、ジビニルベンゼン重合体の架橋高分子粒子を用いることが好ましい。また、架橋高分子粒子は、架橋構造を多く有し、粒子表面に極性基を多く持つほど、ゲル化剤との相互作用が強くなり、核剤としての効果が高くなる。
上述の架橋高分子粒子は、例えば、窒素雰囲気下で加熱還流された溶媒中に、ジメタクリレート等のモノマーと、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ系開始剤とを滴下し、開始剤の10時間半減期温度より十分高い温度で反応を行うことにより、溶媒への分散において最適な分子量での重合が可能である。
架橋高分子粒子の粒子径は、公知のレーザー回折式、動的光散乱式等の方法を用いて測定することができる。具体的には、適当な分散媒を用いて架橋高分子粒子の粒子濃度を調節し、Marvern社製の動的光散乱式粒度分布測定装置Zetasizer nano S90を用いて測定を行うことができる。
(重合開始剤)
インク組成物は、上述の、活性エネルギー線硬化性化合物、炭素原子数が15以上26以下の極性基を有するゲル化剤、及び、架橋高分子粒子とともに、重合開始剤を含んでいてもよい。例えば、活性エネルギー線硬化性化合物の硬化に用いる活性エネルギー線が電子線である場合には、通常、重合開始剤は含まれなくてもよいが、活性エネルギー線が紫外線である場合には、重合開始剤が含まれることが好ましい。インク組成物における重合開始剤の含有量は、使用する活性エネルギー線や活性エネルギー線硬化性化合物の種類等にもよるが、0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
分子内結合開裂型の重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、及び、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、及び、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系、ベンジル、並びに、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
インク組成物は、必要に応じて重合開始剤助剤や重合禁止剤等を含んでもよい。重合開始剤助剤としては、第3級アミン化合物を用いることができ、芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン、及び、N,N−ジメチルヘキシルアミン等が挙げられる。特に、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステルを用いることが好ましい。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
インク組成物は、必要に応じて色材を含んでいてもよい。色材としては、染料、及び、顔料が挙げられる。インク組成物に対して良好な分散性を有し、耐候性に優れることから、顔料を用いることが好ましい。顔料としては、特に限定されず、従来公知の有機顔料及び無機顔料と用いることができる。
インク組成物は、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては、例えば、各種添加剤や活性エネルギー線硬化性化合物以外の他の樹脂等が挙げられる。添加剤としては、例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物等が挙げられる。また、他の樹脂としては、硬化膜の物性を調整するための樹脂等が挙げられ、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、及び、ワックス類等が挙げられる。
インク組成物は、上述の活性エネルギー線硬化性化合物、ゲル化剤、及び、架橋高分子粒子、並びに、必要に応じて加えられる任意の他の成分を、加熱下で混合することにより製造することできる。インク組成物の製造においては、加熱及び混合により得られた混合液を、所定のフィルターで濾過する工程を含むことが好ましい。
次に、上述のインク組成物を用いたインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録方法に使用可能なインクジェット記録装置について説明する。
インクジェット記録方法は、[1]インク組成物を記録媒体に射出する工程(射出工程)と、[2]記録媒体に着弾したインク組成物に活性エネルギー線を照射して、インク組成物を硬化させる工程(硬化工程)と、を含む。
次に、活性エネルギー線硬化型インクジェット方式に使用する、インクジェット記録装置について説明する。活性エネルギー線硬化型インクジェット方式に使用するインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)の装置と、シリアル記録方式の装置とがある。これらは、求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)の装置を使用することが好ましい。
ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を、図1及び図2に示す。図1には、インクジェット記録装置10の側面図を示す。また、図2には、インクジェット記録装置10の上面図を示す。
以下、ライン記録方式のインクジェット記録装置10を用いた画像記録方法を説明する。記録媒体12を、インクジェット記録装置10のヘッドキャリッジ16と温度制御部19との間に搬送する。一方で、記録媒体12を、温度制御部19により所定の温度に調整する。次に、ヘッドキャリッジ16の吐出用記録ヘッド14から高温のインク組成物を吐出(射出)して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。そして、活性エネルギー線照射部18により、記録媒体12上に付着したインク組成物の液滴に活性エネルギー線を照射して硬化させる。
次に、シリアル記録方式のインクジェット記録装置20の要部の構成の一例を、図3に示す。図3に示すインクジェット記録装置20は、記録媒体12の全幅よりも狭い幅であり、且つ、複数の吐出用記録ヘッド24を収容するヘッドキャリッジ26を有する。さらに、図3に矢印25で示すヘッドキャリッジ26の走査方向に、ヘッドキャリッジ26を可動させるためのガイド部27を有する。ヘッドキャリッジ26の走査方向は、記録媒体12の搬送方向(矢印13)と直交する方向、すなわち記録媒体の幅方向とすることが好ましい。なお、図3に示すインクジェット記録装置20において、上記ヘッドキャリッジ26及びガイド部27以外の構成は、図1及び図2に示すライン記録方式のインクジェット記録装置10と同様の構成とすることができる。
以下の成分(活性エネルギー線硬化性化合物、ゲル化剤、架橋高分子粒子、粒子、重合禁止剤、重合開始剤、顔料分散液)を用いて、下記表1に示す配合(質量%)で混合し、試料101〜123の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク(インク組成物)を調製した。
・ポリエチレングリコール#200ジアクリレート SR210(SARTOMER社製)
・3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート SR454(SARTOMER社製)
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート SR355(SARTOMER社製)
・ステアロン カオーワックスT1(花王社製)
・ベヘニン酸ベヘニル ユニスターM−2222SL(日油社製)
・ステアリン酸ベヘニル WEP−11(日油社製)
・ステアリン酸ステアリル エキセパール SS(花王社製)
・パルミチン酸セチル アムレプスPC(高級アルコール工業社製)
・ミリスチン酸ミリスチル エキセパール MY−M(花王社製)
・ステアリン酸 ルナックS98(花王社製)
・ステアリルアルコール カルコール8098(花王社製)
・N−ステアリルステアリン酸アマイド ニッカアマイドS(日本化成社製)
・直鎖炭化水素ワックス CIREBELL505(DKSHジャパン社製)
(架橋高分子粒子)
・ジメタクリレート重合体(架橋高分子粒子) HA−DMA−200(5nm)(日産化学工業社製)
・ジビニルベンゼン重合体(架橋高分子粒子) HA−DVB−500(11nm)(日産化学工業社製)
・スチレン・ジビニルベンゼン共重合体 PS10V(100nm)(ナノ・ミール社製)
・スチレン架橋体 SX−130H(1.3μm)(綜研化学社製)
(粒子)
・非架橋アクリル粒子 MP−1451(綜研化学社製)
・アルミナ NANOBYK−3601(BYK社製)
・Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル社製)
・フォスフィンオキサイド DAROCURE TPO(チバスペシャリティケミカル社製)
・イソプロピルチオキサントン Speedcure ITX(Lambson社製)
(マゼンタ顔料分散液)
・顔料分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製) 9部
・活性光線硬化性化合物:トリプロピレングリコールジアクリレート 70部
・重合禁止剤:Irgastab UV10(チバジャパン社製) 0.02部
・マゼンタ顔料:Pigment Red 122(大日精化社製、クロモファインレッド6112JC) 21部
作製した試料101〜123のインク組成物を使用し、ライン型インクジェット記録装置で単色画像を形成した。
インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。記録媒体(OKトップコート 米坪量128g/m2 王子製紙社製)の温度を30℃〜55℃の範囲で調節し、記録媒体に、抜き文字、5cm×5cmのベタ画像を印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製、395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。
吐出用記録ヘッドは、ノズル径20μm、ノズル数512ノズル(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)のピエゾヘッドを用いた。また、インク組成物を、1滴の液滴量が2.5plとなる吐出条件で、液滴速度約6m/sで射出させて、1440dpi×1440dpiの解像度で記録した。記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。
[画像評価;温度]
インクの画像品質が高く保たれる温度範囲を、下記の方法で求めた。
上記の条件で記録した画像において、ベタ印字部が埋まるかを目視で確認し、これを満たす基材温度を上記温度範囲の下限値とした。また、同条件で記録した画像において、4pt抜き文字「籍(明朝体)」が細部まで明瞭に記録されているかを目視で確認し、これを満たす基材温度を上記温度範囲の上限値とした。この方法で定められた上限値と下限値の温度差をインクの画像品質が高く保たれる範囲とし、この範囲の広さを下記の基準で評価した。なお、下記表1には、温度範囲の中心値を温度範囲の評価とともに示す。
A:12℃(良い)
B:7℃(やや良い)
C:3℃(悪い)
上記の条件で印刷した5×5cmのベタ画像を、40℃の環境下で1ヶ月間保管した。保管後の画像を目視観察し、下記の基準に従ってブルーミングを評価した。
A:画像表面に析出物が認められない。(良い)
B:画像表面が粉上の物質で覆われており、目視で確認できる。(悪い)
調製したインク組成物を、試験管内において80℃で1か月静置した後、インク組成物の下層を検鏡し、凝集沈降物の有無を確認した。
A:沈降なし(良い)
B:凝集沈降物あり(悪い)
調製したインク組成物を、試験管内において25℃で1か月静置した後、インク組成物の相分離の有無を目視で確認した。
A:相分離なし(良い)
B:相分離あり(悪い)
Claims (5)
- 活性エネルギー線硬化性化合物と、
炭素原子数が15以上26以下のアルキル基と極性基からなるゲル化剤と、
3次元的な枝分かれ構造を有して分子内に多数の架橋点を有し、粒子径が200nm以下である架橋高分子粒子と、を含み、
前記架橋高分子粒子の添加量が前記ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上、80質量%以下であり、
前記架橋高分子粒子が、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、架橋ポリメタクリル酸、メチルメラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ジメタクリレート重合体、及び、ジビニルベンゼン重合体から選ばれる1種以上を含む
活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。 - 前記ゲル化剤が、前記極性基として、エステル基、ケトン基、及び、アミド基から選ばれる少なくとも1種以上含む請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
- 活性エネルギー線硬化性化合物と、炭素原子数が15以上26以下のアルキル基と極性基からなるゲル化剤と、前記ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上80質量%以下の添加量であり、3次元的な枝分かれ構造を有して分子内に多数の架橋点を有し、粒子径が200nm以下であるスチレン・ジビニルベンゼン共重合体、架橋ポリメタクリル酸、メチルメラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ジメタクリレート重合体、及び、ジビニルベンゼン重合体から選ばれる1種以上を含む架橋高分子粒子とを含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いて画像記録する
インクジェット記録方法。 - 前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、記録媒体に射出する工程と、前記記録媒体に射出されたインクに活性エネルギー線を照射して、前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を硬化させる工程と、を有する請求項3に記載のインクジェット記録方法。
- 前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の射出を、前記ゲル化剤が飽和溶解量以下となる温度で行う請求項4に記載のインクジェット記録方法。
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