JP6948769B2 - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、及び、インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、及び、インクジェット記録に係わる。
インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット記録方式の一つとして、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いる、活性エネルギー線硬化型インクジェット方式方法が提案されている、この方式では、インクジェットインク組成物の液滴を記録媒体に着弾させた後、紫外線等の活性エネルギー線を照射してインク組成物を硬化させて画像を形成する。活性エネルギー線硬化型インクジェット方式は、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
活性エネルギー線硬化型インクジェット方式に用いるインクジェットインク組成物として、活性エネルギー線硬化性化合物と、ゲル化剤(ワックスとも呼ばれる)とを含む組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなインクジェットインク組成物において、ゲル化剤は、室温や記録媒体に着弾した際の温度域での流動性を小さく(ゲル化)し、インクジェット装置から液滴を射出する温度域での流動性を大きくするために用いられている。また、活性エネルギー線硬化性化合物とゲル化剤とを含むインクジェットインク組成物において、印刷画像のブルーミングを抑制するために、無機粒子を加えることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2012/114759号 特開2013−121992号公報
しかしながら、上述のゲル化剤を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いたインクジェット記録方式においては、印刷画像の更なる高精細化が要求されている。また、粒子を含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物では、粒子の沈降等が発生しやすい。このため、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物において、保存性の向上が求められている。
上述した問題の解決のため、本発明においては、印刷画像の高精細化と組成物の保存性との向上が可能な活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、及び、この活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物は、活性エネルギー線硬化性化合物と、炭素原子数が15以上26以下の極性基を有するゲル化剤と、粒子径が200nm以下の架橋高分子粒子とを含む。
また、本発明のインクジェット記録方法は、上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いて画像記録する。
本発明によれば、高精細化と保存性との向上が可能な活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、及び、インクジェット記録方法を提供することができる。
ライン記録方式のインクジェット記録装置の構成を示す図(側面図)である。 ライン記録方式のインクジェット記録装置の構成を示す図(上面図)である。 シリアル記録方式のインクジェット記録装置の構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態の例を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
なお、説明は以下の順序で行う。
1.活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の実施の形態
2.インクジェット記録方法の実施の形態
〈1.活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の実施の形態〉
以下、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の具体的な実施の形態について説明する。活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物(以下、インク組成物)は、活性エネルギー線硬化性化合物と、炭素原子数が15以上26以下の極性基を有するゲル化剤と、粒子径が200nm以下の架橋高分子粒子とを含む。
粒子径が200nm以下の架橋高分子粒子を含むことにより、インク組成物中でのゲル化剤の析出(凝集、固化、ゲル化、結晶化等)を促進することができる。ゲル化剤の析出が促進される理由としては、架橋高分子粒子がゲル化剤の析出における核となることで、ゲル化剤の核生成頻度が増加し、ゲル化剤の析出速度が速まるためと考えられる。より具体的には、下記のメカニズムによると推測される。
インク組成物中のゲル化剤は、炭素原子数15以上26以下の極性基を有している。また、架橋高分子粒子とは粒子状に形成された架橋高分子体であり、この粒子の表面には架橋高分子の分岐による多数の極性基が存在する。ここで、ゲル化剤が有する極性基と、架橋高分子粒子の表面に存在する多数の極性基とが互いに親和性が高いと、ゲル化剤が析出する際に、架橋高分子粒子が結晶核のように作用する。すなわち、極性基同士の相互作用によって、架橋高分子粒子を核としてゲル化剤が析出しやすくなり、ゲル化剤の析出速度が速くなると推測される。
上述のように、ゲル化剤の析出速度が速くなると、インク組成物の液滴を記録媒体に着弾させた際に、ゲル化剤の析出が促進される。また、架橋高分子粒子が核となることにより、従来ではゲル化剤が析出しにくい高温環境においても、ゲル化剤の結晶の析出速度を速めることができるため、インク組成物を着弾させた記録媒体の温度差によるゲル化剤の析出速度の差が小さくなる。このため、温度分布が大きい記録媒体にインク組成物が着弾した場合においても、記録媒体の相対的に温度が低い場所でのゲル化剤の析出速度と、相対的に温度が高い場所でのゲル化剤の析出速度との差が小さくなる。このため、記録媒体の場所毎の温度差による、ゲル化剤の析出速度の差を小さくし、記録媒体の温度変動による画質の変動を抑制することができる。また、記録媒体の相対的に温度が高い場所においても、記録媒体に着弾させたインク組成物の液滴の流動性が低下しやすく、液滴の形状が安定化するため、ドット径の拡大を抑制される。さらに、隣接する液滴同士の混合、拡散等が抑制される。このため、上述のインク組成物を用いることにより、インクジェット記録による印刷画像の高精細化が可能となる。
また、架橋高分子粒子を添加することにより、ゲル化剤の結晶が微結晶化し、室温環境下のインク組成物中でゲル化剤によって形成されるカードハウス構造を、より強固にすることができる。そして、カードハウス構造を強固にすることで、インク組成物の保存性を向上させることができる。これは、以下の下記のメカニズムによると推測される。
上述のようにゲル化剤の結晶の析出過程において、核生成頻度を上昇させることは、相対的にゲル化剤の結晶成長を抑制することになる。このため、ゲル化剤の析出速度が速くなると微結晶が析出しやすく、相対的にゲル化剤の結晶がより小さく(微粒子化)なる。このようにゲル化剤の結晶が小さくなると、室温環境下のインク組成物中において、ゲル化剤によって形成されるカードハウス構造がより緻密化する。さらに、ゲル化剤が析出する温度域において、インク組成物の粘度が高くなる傾向にある。カードハウス構造は、緻密化することにより構造の安定性が向上する。このため、カードハウス構造が崩壊しにくくなり、固化したゲル化剤と液相とが分離しにくくなる。従って、室温環境下におけるインク組成物の安定性が向上し、インク組成物の保存性が向上する。
上述のように、極性基を有するゲル化剤と、架橋高分子粒子とを含むインク組成物では、架橋高分子粒子によってゲル化剤の析出が促進される。これにより、インクジェット記録における射出されたインク組成物の流動性の制御が容易となる。さらに、室温環境下におけるゲル化剤のカードハウス構造が安定化する。従って、このインク組成物を用いたインクジェット記録における高精細化と、インク組成物の保存性の向上とが可能となる。
上記インク組成物において、架橋高分子粒子は粒子径が200nm以下である。架橋高分子粒子の粒子径が200nm以下であることにより、架橋高分子粒子がインク組成物に分散しやすい。また、粒子径を小さくすることにより比表面積が増加するため、架橋高分子粒子によるゲル化剤に対する作用が高まり、ゲル化剤の析出速度を高めることができる。さらに、ゲル化剤によるカードハウス構造が緻密化しやすい。
また、架橋高分子粒子の添加量は、ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。架橋高分子粒子は、少量でもゲル化剤に対して高い作用を有するため、ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%程度の添加量でも、十分な作用を発揮する。さらに、80質量%以下とすることにより、インクジェット記録におけるインク組成物の射出や、インク組成物の硬化に対しても悪影響を与えにくい。
上述のゲル化剤としては、炭素原子数が15以上26以下の極性基として、エステル基、ケトン基、及び、アミド基から選ばれる少なくとも1種以上含む材料を用いることが好ましい。また、ゲル化剤は、極性基として、炭素原子数が15以上26以下のアルキル基を少なくとも1つ含有することが好ましい。上記の極性基を有することにより、架橋高分子粒子の表面の極性基との親和性が高くなり、ゲル化剤の析出速度が向上しやすい。そして、炭素原子数15以上26以下のアルキル基を有することにより、使用環境におけるゲル化剤の状態(析出、溶解)の制御が容易となる。例えば、ゲル化剤が炭素原子数15以上26以下のアルキル基を有することにより、インクジェット記録でインク組成物を射出する際に、インク組成物の流動性を高めるために適用可能な温度幅が、インクジェット記録における好適な範囲となる。さらに、保存時や記録媒体に着弾した際のインク組成物の流動性を低下させるための温度が、保存、及び、インクジェット記録における好適な範囲となる。このように、ゲル化剤が炭素原子数15以上26以下のアルキル基を有することにより、ゲル化剤の析出温度を好適な範囲とすることができ、インク組成物を扱う環境において温度制御が容易となり、作業性が向上する。
以下、インク組成物の各構成要素の詳細について説明する。なお、下記の説明は、インク組成物における各構成要素の一例であり、各構成要素は下記の説明に限定されない。また、下記の各構成要素以外の材料がインク組成物に含まれていてもよい。
[活性エネルギー線硬化性化合物]
インク組成物に含まれる活性エネルギー線硬化性化合物は、活性エネルギー線により架橋又は重合する、重合性化合物である。活性エネルギー線硬化性化合物に照射する活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、γ線、及び、エックス線等が挙げられる。活性エネルギー線としては、紫外線、又は、電子線を用いることが好ましい。活性エネルギー線硬化性化合物としては、ラジカル重合性化合物、及び、カチオン重合性化合物が挙げられ、ラジカル重合性化合物であることが好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。ラジカル重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマー、又は、これらの混合物を用いることができる。また、インク組成物において、ラジカル重合性化合物を、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、不飽和カルボン酸及びその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が挙げられる。
ラジカル重合性化合物としては、不飽和カルボン酸エステル化合物を用いることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物を用いることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物としては、後述するモノマーだけでなく、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物、重合性官能基を有するオリゴマー等をもちいることができる。
(メタ)アクリレート化合物には、単官能モノマー、二官能モノマー、及び、三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。単官能モノマーとしては、例えば、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能モノマーとしては、例えば、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能以上の多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物としては、感光性等の観点から、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートが好ましい。
(メタ)アクリレート化合物は、変性物であってもよい。変性物としては、例えば、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートやエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物、及び、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
本インク組成物においては、活性エネルギー線硬化性化合物として、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物を用いることによりインク組成物が室温下でゲル化する際に、後述するカードハウス構造が形成されやすい。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、感光性が高い。さらに、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、高温下でインク組成物の他の成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561(分子量358)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454(分子量429)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499(分子量560)、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494(分子量528)、新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400(分子量508)、ポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−600(分子量742)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G(分子量536)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル14G(分子量770)、大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレートV#335HP(分子量302)、Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072(分子量471、ClogP4.90)、及び、新中村化学社製の1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N(分子量310、ClogP5.75)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP(分子量304、ClogP4.69)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP(分子量332、ClogP5.12)等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物は、重合性オリゴマーであってもよい。重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、及び、直鎖(メタ)アクリルオリゴマー等が挙げられる。
カチオン重合性化合物としては、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、及び、オキセタン化合物等を用いることができる。カチオン重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物は、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、又は脂肪族エポキシド等であり、硬化性を高めるためには、芳香族エポキシド、及び、脂環式エポキシドが好ましい。
芳香族エポキシドとしては、多価フェノール、又は、そのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られる、ジグリシジルエーテル及びポリグリシジルエーテルを用いることができる。反応させる多価フェノール、又は、そのアルキレンオキサイド付加体としては、例えば、ビスフェノールA、又は、そのアルキレンオキサイド付加体等が挙げられる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド、及び、プロピレンオキサイド等を用いることができる。
脂環式エポキシドとしては、シクロアルカン含有化合物を、過酸化水素や過酸等の酸化剤でエポキシ化して得られるシクロアルカンオキサイド含有化合物を用いることができる。シクロアルカンオキサイド含有化合物におけるシクロアルカンとしては、シクロヘキセン及びシクロペンテンを用いることができる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコール、又は、そのアルキレンオキサイド付加体と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるジ又はポリグリシジルエーテルを用いることができる。脂肪族多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のアルキレングリコール等が挙げられる。アルキレンオキサイド付加体におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、及び、プロピレンオキサイド等を用いることができる。
ビニルエーテル化合物としては、モノビニルエーテル化合物、ジビニルエーテル化合物及びトリビニルエーテル化合物等が挙げられる。モノビニルエーテル化合物としては、例えば、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物が挙げられる。ジビニルエーテル化合物及びトリビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等が挙げられる。これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性や密着性等を考慮すると、ジビニルエーテル化合物及びトリビニルエーテル化合物が好ましい。
オキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物であり、例えば、特開2001−220526号公報、特開2001−310937号公報、特開2005−255821号公報に記載のオキセタン化合物等が挙げられる。
インク組成物における活性エネルギー線硬化性化合物の含有量は、1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。
[ゲル化剤]
ゲル化剤は、保管温度(常温)や記録媒体上での温度では固体(ゲル化、固相又はワックス状等)となり、インク組成物中で析出する。さらに、インクジェット記録におけるインク組成物の射出温度以下で液相に転化してインク組成物に溶解する。このように、常温での保管の際、及び、インクジェット記録において記録媒体に着弾した際に、インク組成物中でゲル化剤が析出することにより、インク組成物の流動性を大きく低下させることができる。
インク組成物におけるゲル化剤の含有量は、1質量%以上15質量%未満であることが好ましい。ゲル化剤含有量が1質量%未満であると、ゲル化時の流動性低下の効果が得られない。また、ゲル化剤含有量が15質量%以上であると、インクジェットヘッドからのインク射出性が悪化しやすい。
インク組成物では、ゲル化剤がゲル化温度よりも高い温度で活性エネルギー線硬化性化合物に溶解すること、及び、ゲル化温度以下の温度でインク組成物中に析出することが必要である。具体的には、ゲル化温度以下の温度においてゲル化剤から板状の結晶が生成され、この板状結晶の結晶端面がお互いに引き合い、結晶層表面や端面同士の結合等による立体的な会合構造、いわゆるカードハウス構造が形成される。そして、ゲル化剤の結晶からなる立体的な会合構造によって、三次元的に囲まれた空間を形成され、この空間内にインク組成物の液相が内包される。このように、インク組成物中にカードハウス構造が形成されると、インク組成物を構成する活性エネルギー線硬化性化合物等の液体がカードハウス構造内に保持される。これにより、記録媒体上のインク組成物の液滴の流動性を低下させて、液滴を固定化(ピニング)することができ、記録媒体上で隣接する液滴同士の混交、拡散を抑制することができる。さらに、インク組成物の常温保存において、ゲル化剤とインク組成物の液相とが分離せず、インク組成物の安定性が向上するため、インク組成物の保存性が向上する。
インク組成物中においてカードハウス構造を形成するには、インク中で溶解している活性エネルギー線硬化性化合物にゲル化剤が溶解していることが好ましい。インク中で活性エネルギー線硬化性化合物とゲル化剤とが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
ゲル化剤は、炭素原子数が15以上26以下の極性基を有する有機物であれば特に限定されない。ゲル化剤として使用可能な極性基を有する有機物としては、例えば、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、トリグリセライド、脂肪酸アミン、脂肪族ケトン、脂肪酸アミド等を挙げることができる。
また、ゲル化剤が有する極性基としては、エステル基、ケトン基、アミド基、ヒドロキシル基、カルボニル基、及び、カルボキシル基が挙げられる。特に、ゲル化剤が、エステル基、ケトン基、及び、アミド基から選ばれる少なくとも1種以上の極性基を含むことが好ましい。
(脂肪族ケトン)
ゲル化剤としての脂肪族ケトンは、例えば下記一般式(I)で示される。
Figure 0006948769
一般式(I)において、R21、及び、R22は、それぞれ独立して、炭素原子数15以上26以下の脂肪族炭化水素基である。また、脂肪族炭化水素基としては、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基が挙げられる。インク組成物のゲル化温度を高くする観点等からは、ゲル化剤として、炭素原子数15以上26以下の飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基、及び、アルキレン基)を有する脂肪族ケトンを用いることが好ましい。
一般式(I)に示す脂肪族ケトンにおいて、脂肪族炭化水素基に含まれる炭素原子数が15以上であると、十分な結晶性が得られ、ゲル化剤によるインク組成物の流動性の制御が可能となる。さらに、ゲル化温度以下でゲル化剤が形成する上述のカードハウス構造において、インク組成物の液相を内包するための十分な空間を形成できる。特に、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が15以上であると、十分な結晶性、及び、カードハウス構造が得られる。
また、一般式(I)に示す脂肪族ケトンにおいて、脂肪族炭化水素基に含まれる炭素原子数が25以下であれば、ゲル化剤の融点(ゲル化温度)がインクジェット記録における実用的な温度より高くなりすぎない。特に、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が15以上25以下であれば、ゲル化剤の融点をインクジェット記録における実用的な温度内に制御しやすい。ゲル化剤の融点をインクジェット記録における実用的な温度内とすることにより、インクジェット記録においてゲル化剤がインク組成物中で液化(融解)しやすく、インク組成物の射出温度を実用的な温度以上に高くする必要がない。
従って、脂肪族炭化水素基に含まれる炭素原子数が15以上26以下、特に直鎖部分の炭素原子数が15以上26以下の脂肪族炭化水素基であると、ゲル化剤に要求される結晶性及びカードハウス構造が得られ、融点(ゲル化温度)も実用的な範囲内となりやすい。このため、R21、及び、R22は、炭素原子数15以上26以下の直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(直鎖アルキル基、及び、直鎖アルキレン基)であることが特に好ましい。
炭素原子数15以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基としては、例えば、ドコサニル基(C22)、イコサニル基(C20)、オクタデカニル基(C18)、ヘプタデカニル基(C17)、ヘキサデカニル基(C16)、ペンタデカニル基(C15)等が挙げられる。
また、一般式(I)に示す脂肪族ケトンにおいて、R21とR22の脂肪族炭化水素基の炭素原子数がそれぞれ同程度の場合、R21とR22とが共に飽和脂肪族炭化水素基である脂肪族ケトンは、R21とR22とが共に不飽和脂肪族炭化水素基である脂肪族ケトンよりも、高い融点を有することが多い。このため、R21とR22とが共に飽和脂肪族炭化水素基である脂肪族ケトンを用いることにより、インクのゲル化温度を高めることが容易となる。飽和脂肪族炭化水素基としては、分岐状又は直鎖状の脂肪族炭化水素基を用いることができるが、高い結晶性を得るためには、直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基(直鎖アルキル基、及び、直鎖アルキレン基)を用いることが好ましい。
(脂肪酸エステル)
ゲル化剤としての脂肪酸エステルは、例えば下記式で示される。
Figure 0006948769
一般式(II)において、R23、及び、R24は、それぞれ独立して、炭素原子数15以上26以下の脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基としては、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を用いることができる。また、飽和脂肪族炭化水素基としては、分岐状又は直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基を用いることができるが、インク組成物のゲル化温度を高くする観点等からは、ゲル化剤として、炭素原子数15以上26以下の飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基、及び、アルキレン基)を有する脂肪酸エステルを用いることが好ましい。
23とR24の脂肪族炭化水素基に含まれる炭素原子数が15以上26以下、特に、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が15以上26以下であると、一般式(I)で表される脂肪族ケトンと同様に、ゲル化剤に要求される十分な結晶性、及び、カードハウス構造が得られ、融点(ゲル化温度)も実用的な範囲内となりやすい。炭素原子数15以上26以下の脂肪族炭化水素基としては、例えば、上述の一般式(I)で表される脂肪族ケトンのR21、及び、R22と同様の炭素原子数15以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基が挙げられる。
(脂肪酸アミド)
ゲル化剤としての脂肪酸アミドは、例えば下記式で示される。
Figure 0006948769
一般式(III)において、R25、R26、及び、R27は、それぞれ独立して、炭素原子数15以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基である。脂肪族炭化水素基としては、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基を用いることができる。飽和脂肪族炭化水素基(アルキレン基)を用いることが好ましい。また、飽和脂肪族炭化水素基としては、分岐状又は直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基を用いることができるが、インク組成物のゲル化剤に要求される結晶性を得るためには、ゲル化剤として、炭素原子数15以上26以下の飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基、及び、アルキレン基)を有する脂肪酸アミドを用いることが好ましい。
25、R26、及び、R27の脂肪族炭化水素基に含まれる炭素原子数が15以上26以下、特に、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が15以上26以下であると、一般式(I)で表される脂肪族ケトンと同様に、ゲル化剤に要求される十分な結晶性、及び、カードハウス構造が得られ、融点(ゲル化温度)も実用的な範囲内となりやすい。炭素原子数15以上26以下の脂肪族炭化水素基としては、例えば、上述の一般式(I)で表される脂肪族ケトンのR21、及び、R22と同様の炭素原子数15以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基が挙げられる。
(ゲル化剤の具体例)
ゲル化剤の好ましい具体例としては、18−ペンタトリアコンタノン、及び、16−ヘントリアコンタノン等の脂肪族ケトン化合物(例えば花王社製 カオーゲル化剤T1等)、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、及び、ベヘニン酸ベヘニル等の脂肪族モノエステル化合物(例えばユニスタ−M−2222SL(日油社製)、エキセパールSS(花王社製、融点60℃)、EMALEX CC−18(日本エマルジョン社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業社製)、エキセパール MY−M(花王社製)、スパームアセチ(日油社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン社製)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、及び、N−(2−エチルヘキサノイル)−L−グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノ)、1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール(ゲルオールD 新日本理化)等のジベンジリデンソルビトール類、パラフィンゲル化剤、マイクロクリスタリンゲル化剤、ペトロラクタム等の石油系ゲル化剤、キャンデリラゲル化剤、カルナウバゲル化剤、ライスゲル化剤、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、及び、ホホバエステル等の植物系ゲル化剤、ミツロウ、ラノリン、及び、鯨ロウ等の動物系ゲル化剤、モンタンゲル化剤、及び、水素化ゲル化剤等の鉱物系ゲル化剤、硬化ヒマシ油又は硬化ヒマシ油誘導体、モンタンゲル化剤誘導体、パラフィンゲル化剤誘導体、マイクロクリスタリンゲル化剤誘導体又はポリエチレンゲル化剤誘導体等の変性ゲル化剤、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸,ラウリン酸、オレイン酸、及び、エルカ酸等の高級脂肪酸、ステアリルアルコール、及び、ベヘニルアルコール等の高級アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、及び、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製のニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等)、N−ステアリルステアリン酸アミド、及び、N−オレイルパルミチン酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリルアミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、及び、N,N’−キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド、ドデシルアミン、及び、テトラデシルアミン又はオクタデシルアミン等の高級アミン、ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、及び、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製のEMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製のリケマールシリーズ、理研ビタミン社製のポエムシリーズ等)、ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸エステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ、三菱化学フーズ社製)、ポリエチレンゲル化剤、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ゲル化剤等の合成ゲル化剤、重合性ゲル化剤(Baker−Petrolite社製、UNILINシリーズ等)、ダイマー酸、並びに、ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等)が挙げられる。これらのゲル化剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[架橋高分子粒子]
インク組成物において、架橋高分子粒子とは、多官能モノマーを用いて重合生成され、分子内に多数の架橋点を持つ固体高分子微粒子を指す。このような架橋高分子粒子は、従来のポリマーが一般的に紐状(または線状)の形状であるのに対し、3次元的に枝分かれ構造を繰り返し、高度に分岐している高分子である。このため、架橋高分子粒子は、ナノメートルオーダーのサイズで、球形に近い粒子形状を有する。また、架橋高分子粒子は、分子間の絡み合いが少なく微粒子的挙動を示し、紐状ポリマーに比べて溶媒や液状のインク組成物中に混合した際の分散性が高く、かつ、インク組成物の粘度の増加等の流動性の変化を低く抑えることができる。さらに、架橋高分子粒子は、機能性基を導入可能な分子鎖末端を表面に多数有すること、及び、分子内に空隙を有している等の特徴を有している。
架橋高分子粒子は、ポリマー同士の分子間の絡み合いが少なく微粒子的挙動を示すので、架橋高分子粒子が配合されるインク組成物の粘度を高めることなく、高い親和性で分散させることができる。そして、架橋高分子粒子が3次元的な広がりをもつことから、ゲル化剤の極性基が架橋高分子粒子の末端と結びつき、ゲル化剤が析出する際に架橋高分子粒子が結晶核のように作用する。従って、架橋高分子粒子を、極性基を有するゲル化剤と共にインク組成物に配合することで、インク組成物中でのゲル化剤の析出(凝集、固化、ゲル化、結晶化等)を促進することができる。
架橋高分子粒子としては、例えば、アクリレートやスチレン、メラミン、ベンゾグアナミン等の架橋高分子粒子が含まれる。特に、ジメタクリレート重合体の架橋高分子粒子ジビニルベンゼン重合体の架橋高分子粒子が好ましい。また、架橋構造を多く有し、粒子表面に極性基を多く持つ架橋高分子粒子ほど、ゲル化剤との相互作用が強く、核剤としての効果が高い。
架橋高分子粒子は、インク組成物中における沈降を抑制するため、及び、少量で多くの表面積を持たせ高い効果を得るために、粒子径が200nm以下、好ましくは粒子径が100nm以下であることが好ましい。また、架橋高分子粒子の添加量は、ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上、80質量%以下であることが好ましい。架橋高分子粒子は、ゲゲル化剤の全質量に対して1.0質量%程度の少量でも、十分な作用を発揮する。さらに、80質量%以下とすることにより、インクジェット記録におけるインク組成物の射出や硬化に悪影響を与えにくい。
架橋高分子粒子の具体例としては、アクリレート、スチレン、メラミン、ベンゾグアナ
ミン等の架橋高分子粒子を挙げることができる。これらの架橋高分子粒子としては、例えば、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、架橋ポリメタクリル酸、メチルメラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ジメタクリレート重合体の架橋高分子粒子ジビニルベンゼン重合体の架橋高分子粒子を挙げることができる。特に、架橋高分子粒子としては、ジメタクリレート重合体の架橋高分子粒子ジビニルベンゼン重合体の架橋高分子粒子を用いることが好ましい。また、架橋高分子粒子は、架橋構造を多く有し、粒子表面に極性基を多く持つほど、ゲル化剤との相互作用が強くなり、核剤としての効果が高くなる。
インク組成物に用いることが可能な架橋高分子粒子のより具体的な例としては、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体としてナノ・ミール社製のPS10V(粒子径100nm)、架橋ポリメタクリル酸メチルとして積水化成品工業社製のテクポリマー(粒子径100nm)、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物として日本触媒社製のエポスターSS(粒子径100nm)、ジメタクリレート重合体(架橋高分子粒子)として日産化学工業社製のHA−DMA−200(粒子径5nm)、ジビニルベンゼン重合体(架橋高分子粒子)として日産化学工業社製のHA−DVB−500(粒子径11nm)を挙げることができる。
(架橋高分子粒子の製造方法)
上述の架橋高分子粒子は、例えば、窒素雰囲気下で加熱還流された溶媒中に、ジメタクリレート等のモノマーと、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル等のアゾ系開始剤とを滴下し、開始剤の10時間半減期温度より十分高い温度で反応を行うことにより、溶媒への分散において最適な分子量での重合が可能である。
(粒子径の測定)
架橋高分子粒子の粒子径は、公知のレーザー回折式、動的光散乱式等の方法を用いて測定することができる。具体的には、適当な分散媒を用いて架橋高分子粒子の粒子濃度を調節し、Marvern社製の動的光散乱式粒度分布測定装置Zetasizer nano S90を用いて測定を行うことができる。
[その他の構成要素]
(重合開始剤)
インク組成物は、上述の、活性エネルギー線硬化性化合物、炭素原子数が15以上26以下の極性基を有するゲル化剤、及び、架橋高分子粒子とともに、重合開始剤を含んでいてもよい。例えば、活性エネルギー線硬化性化合物の硬化に用いる活性エネルギー線が電子線である場合には、通常、重合開始剤は含まれなくてもよいが、活性エネルギー線が紫外線である場合には、重合開始剤が含まれることが好ましい。インク組成物における重合開始剤の含有量は、使用する活性エネルギー線や活性エネルギー線硬化性化合物の種類等にもよるが、0.01質量%〜10質量%であることが好ましい。
重合開始剤には、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。
分子内結合開裂型の重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、及び、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン系、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、及び、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系、ベンジル、並びに、メチルフェニルグリオキシエステル等が挙げられる。
分子内水素引き抜き型の重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、及び、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、及び、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系、ミヒラーケトン、及び、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、並びに、カンファーキノン等が挙げられる。
インク組成物は、重合開始剤として、光酸発生剤を含んでもよい。光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる。例えば、「イメージング用有機材料(有機エレクトロニクス材料研究会編、1993年ぶんしん出版発行)」の、187〜192頁に記載の材料を用いることができる。
(その他)
インク組成物は、必要に応じて重合開始剤助剤や重合禁止剤等を含んでもよい。重合開始剤助剤としては、第3級アミン化合物を用いることができ、芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン、及び、N,N−ジメチルヘキシルアミン等が挙げられる。特に、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステルを用いることが好ましい。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
重合禁止剤としては、例えば、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、及び、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
[色材]
インク組成物は、必要に応じて色材を含んでいてもよい。色材としては、染料、及び、顔料が挙げられる。インク組成物に対して良好な分散性を有し、耐候性に優れることから、顔料を用いることが好ましい。顔料としては、特に限定されず、従来公知の有機顔料及び無機顔料と用いることができる。
インク組成物への顔料の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、及び、ペイントシェーカー等により行うことができる。顔料の分散は、顔料粒子の平均粒子径が、好ましくは0.08〜0.5μm、最大粒子径が好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.3〜3μmとなるように行われることが好ましい。顔料の分散は、顔料の選定、分散剤の選定、及び、分散媒体の選定、分散条件、並びに、ろ過条件等によって調整される。
インク組成物は、顔料の分散性を高めるために、分散剤を含んでいてもよい。また、インク組成物は、必要に応じて分散助剤を含んでいてもよい。分散助剤は、顔料に応じて選択されればよい。分散剤及び分散助剤の合計量は、顔料に対して1〜50質量%であることが好ましい。分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびステアリルアミンアセテート等が含まれる。分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
インク組成物は、必要に応じて顔料を分散させるための分散媒体を含んでいてもよい。分散媒体としてインク組成物に溶剤を含ませてもよいが、形成された画像における溶剤の残留を抑制するためには、上述の活性エネルギー線硬化性化合物のうち、粘度の低いモノマーを分散媒体として用いることが好ましい。
顔料、及び、染料の含有量は、インク組成物に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.4〜10質量%であることがより好ましい。顔料または染料の含有量が少なすぎると、得られる画像の発色が十分ではなく、多すぎるとインクの粘度が高くなり、射出性が低下する。
[その他の成分]
インク組成物は、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分としては、例えば、各種添加剤や活性エネルギー線硬化性化合物以外の他の樹脂等が挙げられる。添加剤としては、例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物等が挙げられる。また、他の樹脂としては、硬化膜の物性を調整するための樹脂等が挙げられ、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、及び、ワックス類等が挙げられる。
[インク組成物の製造方法]
インク組成物は、上述の活性エネルギー線硬化性化合物、ゲル化剤、及び、架橋高分子粒子、並びに、必要に応じて加えられる任意の他の成分を、加熱下で混合することにより製造することできる。インク組成物の製造においては、加熱及び混合により得られた混合液を、所定のフィルターで濾過する工程を含むことが好ましい。
インク組成物の射出性を高めるためには、高温下におけるインク組成物の粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、インク組成物の80℃における粘度が、3〜20mPa・sであることが好ましい。一方、隣り合うドットの混合を抑制するためには、着弾後の常温下におけるインク組成物の粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、インク組成物の25℃における粘度が、1000mPa・s以上であることが好ましい。
インク組成物のゲル化温度は、40℃以上70℃以下であることが好ましく、50℃以上65℃以下であることがより好ましい。射出温度が80℃近傍である場合に、インク組成物のゲル化温度が上記範囲を超えると、射出の際にゲル化が生じやすく射出性が低くなる。また、ゲル化温度が上記範囲未満であると、記録媒体に着弾後、速やかにゲル化しない。ゲル化温度とは、ゾル状態にあるインク組成物を冷却する過程において、ゲル化して流動性が低下するときの温度である。
インク組成物の80℃における粘度、25℃における粘度、及び、ゲル化温度は、レオメータを用いてインク組成物の動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インク組成物を100℃に加熱し、剪断速度11.7(/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃まで冷却したときの粘度の温度変化曲線を得る。そして、80℃における粘度と25℃における粘度を、粘度の温度変化曲線から、当該温度おける粘度をそれぞれ読み取る。また、ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求めることができる。
なお、インク組成物の測定では、レオメータとして、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とする。
インク組成物は、吐出用記録ヘッドからのインク組成物の射出性を高めるために、吐出用記録ヘッドに充填されたときのインク組成物の温度は、インク組成物のゲル化温度に対して、+10℃以上から+30℃以下までの範囲に設定されることが好ましい。吐出用記録ヘッド内のインク組成物の温度が、ゲル化温度に対して+10℃未満であると、吐出用記録ヘッド内もしくはノズル表面でインク組成物がゲル化して、インク組成物の射出性が低下しやすい。一方、吐出用記録ヘッド内のインク組成物の温度がゲル化温度に対して+30℃を超えると、インク組成物が高温になりすぎるため、インク組成物成分が劣化しやすい。
〈2.インクジェット記録方法の実施の形態〉
次に、上述のインク組成物を用いたインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録方法に使用可能なインクジェット記録装置について説明する。
[インクジェット記録方法]
インクジェット記録方法は、[1]インク組成物を記録媒体に射出する工程(射出工程)と、[2]記録媒体に着弾したインク組成物に活性エネルギー線を照射して、インク組成物を硬化させる工程(硬化工程)と、を含む。
[1]射出工程においては、インクジェット記録装置の吐出用記録ヘッドに収納されたインク組成物を、ノズルを通して記録媒体に向けて液滴として吐出(射出)すればよい。このとき、吐出用記録ヘッドに収納されたインク組成物の温度は、ゲル化剤の含有量がインク組成物中での飽和溶解量以下となる温度とすることが好ましい。より好ましくは、含まれるゲル化剤の融点又はゲル化温度以上、特にインク組成物の融点又はゲル化温度に対して、+10℃以上から+30℃以下までの範囲内であることが好ましい。
[2]硬化工程においては、記録媒体に着弾したインク組成物に活性エネルギー線を照射する。照射される活性エネルギー線は、活性エネルギー線硬化性化合物の種類によって適宜選択すればよく、紫外線や電子線等を使用することができる。
[インクジェット記録装置]
次に、活性エネルギー線硬化型インクジェット方式に使用する、インクジェット記録装置について説明する。活性エネルギー線硬化型インクジェット方式に使用するインクジェット記録装置には、ライン記録方式(シングルパス記録方式)の装置と、シリアル記録方式の装置とがある。これらは、求められる画像の解像度や記録速度に応じて選択されればよいが、高速記録の観点では、ライン記録方式(シングルパス記録方式)の装置を使用することが好ましい。
(ライン記録方式のインクジェット記録装置)
ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を、図1及び図2に示す。図1には、インクジェット記録装置10の側面図を示す。また、図2には、インクジェット記録装置10の上面図を示す。
図1及び図2に示すように、インクジェット記録装置10は、図1及び図2に矢印13で示す記録媒体の搬送方向に並ぶ、複数の吐出用記録ヘッド14を収容する、ヘッドキャリッジ16を有する。そして、記録媒体12の全幅を覆い、且つ、ヘッドキャリッジ16よりも記録媒体の搬送方向の下流側に配置された活性エネルギー線照射部18と、記録媒体12の裏面側に配置された温度制御部19とを有する。
ヘッドキャリッジ16は、記録媒体12の全幅を覆うように固定配置され、色毎(インク組成物毎)に設けられた複数の吐出用記録ヘッド14を収容する。そして、直接又は不図示のインク供給手段から、吐出用記録ヘッド14にインク組成物が供給される。例えば、インクジェット記録装置10に着脱自在に装着された不図示のインクカートリッジ等の吐出用記録ヘッド14からインク組成物が供給される。
吐出用記録ヘッド14は、色毎に記録媒体12の搬送方向に複数配置される。記録媒体12の搬送方向に配置される吐出用記録ヘッド14の数は、吐出用記録ヘッド14のノズル密度と、印刷画像の解像度によって設定される。例えば、液滴量2pl、ノズル密度360dpiの吐出用記録ヘッド14を用いて1440dpiの解像度の画像を形成する場合には、記録媒体12の搬送方向に対して4つの吐出用記録ヘッド14をずらして配置すればよい。また、液滴量6pl、ノズル密度360dpiの吐出用記録ヘッド14を用いて720×720dpiの解像度の画像を形成する場合には、2つの吐出用記録ヘッド14をずらして配置すればよい。dpiとは、約2.54cm(1インチ)当たりの液滴(ドット)の数を表す。
活性エネルギー線照射部18は、記録媒体12の全幅を覆い、且つ、記録媒体12の搬送方向において、ヘッドキャリッジ16の下流側に配置されている。活性エネルギー線照射部18は、吐出用記録ヘッド14から吐出(射出)されて記録媒体12に着弾した液滴に、活性エネルギー線を照射する。この活性エネルギー線の照射により、インク組成物の液滴が硬化する。
活性エネルギー線が紫外線である場合、活性エネルギー線照射部18(紫外線照射手段)には、例えば、蛍光管(低圧水銀ランプ、殺菌灯)、冷陰極管、紫外レーザー、数100Pa〜1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧及び高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等を使用する。硬化性の観点から、照度100mW/cm以上の紫外線を照射する紫外線照射手段、具体的には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ及びLED等を使用することが好ましい。消費電力の少ない点から、LEDを使用することがより好ましく、例えば、Phoseon Technology社製、波長395nmの水冷LED(LED−UV)を使用することができる。
活性エネルギー線が電子線である場合、活性エネルギー線照射部18(電子線照射手段)には、例えば、スキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式等の電子線照射手段を使用することができる。処理能力の観点からは、カーテンビーム方式の電子線照射手段使用することが好ましい。電子線照射手段としては、例えば、日新ハイボルテージ(株)製の「キュアトロンEBC−200−20−30」、AIT(株)製の「Min−EB」等を使用することができる。
温度制御部19は、記録媒体12の裏面側に配置され、記録媒体12を所定の温度に維持する。温度制御部19は、例えば、各種ヒータ等を使用する。
(画像記録方法;ライン記録方式)
以下、ライン記録方式のインクジェット記録装置10を用いた画像記録方法を説明する。記録媒体12を、インクジェット記録装置10のヘッドキャリッジ16と温度制御部19との間に搬送する。一方で、記録媒体12を、温度制御部19により所定の温度に調整する。次に、ヘッドキャリッジ16の吐出用記録ヘッド14から高温のインク組成物を吐出(射出)して、記録媒体12上に付着(着弾)させる。そして、活性エネルギー線照射部18により、記録媒体12上に付着したインク組成物の液滴に活性エネルギー線を照射して硬化させる。
吐出用記録ヘッド14の各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、高解像度の画像を形成するためには、1pl〜10plであることが好ましく、0.5pl〜4.0plであることがより好ましい。
活性エネルギー線の照射は、隣り合うインク組成物の液滴同士が混合するのを抑制するために、インク組成物の液滴が記録媒体上に付着した後、10秒以内、好ましくは0.001秒〜5秒以内、より好ましくは0.01秒〜2秒以内に行うことが好ましい。活性エネルギー線の照射は、ヘッドキャリッジ16に収容された全ての吐出用記録ヘッド14からインク組成物を吐出した後に行われることが好ましい。
活性エネルギー線が電子線である場合、電子線照射の加速電圧は、十分な硬化を行うためには、30〜250kVとすることが好ましく、30〜100kVとすることがより好ましい。加速電圧が100〜250kVである場合、電子線照射量は30〜100kGyであることが好ましく、30〜60kGyであることがより好ましい。
硬化後の総インク膜厚は、2〜25μmであることが好ましい。「総インク膜厚」とは、記録媒体12に描画された、硬化後のインク組成物の厚さの最大値である。
(シリアル記録方式のインクジェット記録装置)
次に、シリアル記録方式のインクジェット記録装置20の要部の構成の一例を、図3に示す。図3に示すインクジェット記録装置20は、記録媒体12の全幅よりも狭い幅であり、且つ、複数の吐出用記録ヘッド24を収容するヘッドキャリッジ26を有する。さらに、図3に矢印25で示すヘッドキャリッジ26の走査方向に、ヘッドキャリッジ26を可動させるためのガイド部27を有する。ヘッドキャリッジ26の走査方向は、記録媒体12の搬送方向(矢印13)と直交する方向、すなわち記録媒体の幅方向とすることが好ましい。なお、図3に示すインクジェット記録装置20において、上記ヘッドキャリッジ26及びガイド部27以外の構成は、図1及び図2に示すライン記録方式のインクジェット記録装置10と同様の構成とすることができる。
シリアル記録方式のインクジェット記録装置20では、ライン記録方式のインクジェット記録装置において記録媒体12の全幅を覆うヘッドキャリッジの代わりに、記録媒体の全幅よりも狭い幅のヘッドキャリッジ26が設けられている。そして、このヘッドキャリッジ26が、ガイド部27に沿って記録媒体12の幅方向に移動し、ヘッドキャリッジ26に収容された吐出用記録ヘッド24からインク組成物を吐出(射出)する。ヘッドキャリッジ26が記録媒体12の幅方向に移動しきった後(パス毎に)、記録媒体12を搬送方向に送る。これらの操作以外は、上述のライン記録方式のインクジェット記録装置10とほぼ同様に画像を記録することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」及び「部」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」及び「質量部」を表す。
〈インク組成物の製造〉
以下の成分(活性エネルギー線硬化性化合物、ゲル化剤、架橋高分子粒子、粒子、重合禁止剤、重合開始剤、顔料分散液)を用いて、下記表1に示す配合(質量%)で混合し、試料101〜123の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク(インク組成物)を調製した。
[活性エネルギー線硬化性化合物]
・ポリエチレングリコール#200ジアクリレート SR210(SARTOMER社製)
・3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート SR454(SARTOMER社製)
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート SR355(SARTOMER社製)
[ゲル化剤]
・ステアロン カオーワックスT1(花王社製)
・ベヘニン酸ベヘニル ユニスターM−2222SL(日油社製)
・ステアリン酸ベヘニル WEP−11(日油社製)
・ステアリン酸ステアリル エキセパール SS(花王社製)
・パルミチン酸セチル アムレプスPC(高級アルコール工業社製)
・ミリスチン酸ミリスチル エキセパール MY−M(花王社製)
・ステアリン酸 ルナックS98(花王社製)
・ステアリルアルコール カルコール8098(花王社製)
・N−ステアリルステアリン酸アマイド ニッカアマイドS(日本化成社製)
・直鎖炭化水素ワックス CIREBELL505(DKSHジャパン社製)
[架橋高分子粒子・粒子]
(架橋高分子粒子)
ジメタクリレート重合体(架橋高分子粒子) HA−DMA−200(5nm)(日産化学工業社製)
ジビニルベンゼン重合体(架橋高分子粒子) HA−DVB−500(11nm)(日産化学工業社製)
スチレン・ジビニルベンゼン共重合体 PS10V(100nm)(ナノ・ミール社製)
・スチレン架橋体 SX−130H(1.3μm)(綜研化学社製)
(粒子)
・非架橋アクリル粒子 MP−1451(綜研化学社製)
・アルミナ NANOBYK−3601(BYK社製)
[重合禁止剤]
・Irgastab UV10(チバスペシャリティケミカル社製)
[重合開始剤]
・フォスフィンオキサイド DAROCURE TPO(チバスペシャリティケミカル社製)
・イソプロピルチオキサントン Speedcure ITX(Lambson社製)
[顔料分散液]
(マゼンタ顔料分散液)
・顔料分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製) 9部
・活性光線硬化性化合物:トリプロピレングリコールジアクリレート 70部
・重合禁止剤:Irgastab UV10(チバジャパン社製) 0.02部
・マゼンタ顔料:Pigment Red 122(大日精化社製、クロモファインレッド6112JC) 21部
〈画像形成方法〉
作製した試料101〜123のインク組成物を使用し、ライン型インクジェット記録装置で単色画像を形成した。
インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの温度は80℃に設定した。記録媒体(OKトップコート 米坪量128g/m 王子製紙社製)の温度を30℃〜55℃の範囲で調節し、記録媒体に、抜き文字、5cm×5cmのベタ画像を印字した。画像を形成した後、記録装置の下流部に配置したLEDランプ(Phoseon Technology社製、395nm、水冷LED)で、画像に紫外線を照射してインクを硬化した。
吐出用記録ヘッドは、ノズル径20μm、ノズル数512ノズル(256ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)のピエゾヘッドを用いた。また、インク組成物を、1滴の液滴量が2.5plとなる吐出条件で、液滴速度約6m/sで射出させて、1440dpi×1440dpiの解像度で記録した。記録速度は500mm/sとした。画像形成は、23℃、55%RHの環境下で行った。
〈評価〉
[画像評価;温度]
インクの画像品質が高く保たれる温度範囲を、下記の方法で求めた。
上記の条件で記録した画像において、ベタ印字部が埋まるかを目視で確認し、これを満たす基材温度を上記温度範囲の下限値とした。また、同条件で記録した画像において、4pt抜き文字「籍(明朝体)」が細部まで明瞭に記録されているかを目視で確認し、これを満たす基材温度を上記温度範囲の上限値とした。この方法で定められた上限値と下限値の温度差をインクの画像品質が高く保たれる範囲とし、この範囲の広さを下記の基準で評価した。なお、下記表1には、温度範囲の中心値を温度範囲の評価とともに示す。
A:12℃(良い)
B:7℃(やや良い)
C:3℃(悪い)
[画像評価;ブルーミング]
上記の条件で印刷した5×5cmのベタ画像を、40℃の環境下で1ヶ月間保管した。保管後の画像を目視観察し、下記の基準に従ってブルーミングを評価した。
A:画像表面に析出物が認められない。(良い)
B:画像表面が粉上の物質で覆われており、目視で確認できる。(悪い)
[保存安定性;沈降]
調製したインク組成物を、試験管内において80℃で1か月静置した後、インク組成物の下層を検鏡し、凝集沈降物の有無を確認した。
A:沈降なし(良い)
B:凝集沈降物あり(悪い)
[保存安定性;相分離]
調製したインク組成物を、試験管内において25℃で1か月静置した後、インク組成物の相分離の有無を目視で確認した。
A:相分離なし(良い)
B:相分離あり(悪い)
下記表1に、試料101〜123の調製に用いた材料、及び、インク組成物の配合、並びに、各評価結果を示す。
Figure 0006948769
表1に示すように、粒子径が100nm以下の架橋高分子粒子を含む試料101〜115のインク組成物は、画像評価及び保存性評価の全てで良好な結果が得られた。特に、ゲル化剤の有する極性基がエステル基、ケトン基、又は、アミド基である、試料101〜107、及び、試料111〜115は、ゲル化剤の有する極性基がカルボキシル基である試料109や、ヒドロキシル基である試料110に比べて、画像評価(温度範囲)の結果が良好である。
画像評価における温度範囲は、インク組成物を用いた印刷画像の品質が高く保たれる温度範囲を表す。このため、画像評価における温度範囲が大きいと、インク組成物を着弾させた記録媒体の温度差による画質の変動を抑制することができる。すなわち、インク組成物が、極性基を有するゲル化剤と粒子径200nm以下の架橋高分子粒子とを含むことにより、記録画像の高精細化と、保存性の向上とが可能となる。さらに、極性基としてエステル基、ケトン基、又は、アミド基を有するゲル化剤を用いることにより、記録媒体の温度変動によるインク組成物中のゲル化剤の析出速度の変動を抑制することができ、より広い温度条件において、高精細な画像形成が可能となる。
一方、架橋高分子粒子を含まない試料116及び試料117のインク組成物は、画像評価(温度範囲)、又は、25℃における保存性評価のいずれかの結果が、上記試料101〜115のインク組成物に比べて悪化している。この結果から、記録画像の高精細化と、保存性の向上とを得るためには、極性基を有するゲル化剤と粒子径200nm以下の架橋高分子粒子とを含むことが必要と考えられる。
架橋高分子粒子の添加量がゲル化剤の全質量に対して100質量%の試料118のインク組成物は、架橋高分子粒子の添加量が過剰なため、インク組成物の保存において、粒子の沈降が発生している。但し、25℃における保存性評価では、インク組成物に相分離が発生していない。このため、試料118のインク組成物は、常温保存においては保存性が良好である。また、試料103のインク組成物ように、架橋高分子粒子がゲル化剤の全質量に対して70質量%程度添加されていても、保存性が良好である。一方、試料102のインク組成物ように、架橋高分子粒子の添加量がゲル化剤の全質量に対して1.0質量%程度であっても、十分な効果が得られている。従って、架橋高分子粒子の添加量は、ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上であれば十分な効果が得られ、80質量%以下とすることにより保存性が良好となる。
架橋高分子粒子の粒径が1.3μmの試料119のインク組成物は、画像評価(ブルーミング)以外の全ての評価結果が悪化している。これは、粒子径が大きすぎると、ゲル化剤との親和性が得られにくく、架橋高分子粒子による結晶化促進の効果が十分に得られにくいためと考えられる。また、粒子径が大きすぎると、インク組成物による粒子の保持力が十分ではなく、粒子が沈降しやすいためと考えられる。
架橋高分子粒子ではない粒子を含む試料120及び試料121のインク組成物においても、画像評価(ブルーミング)以外の全ての評価結果が悪化している。これは、架橋高分子粒子以外の粒子では、ゲル化剤の結晶化促進の効果が得られないためと考えられる。
アルキル基の炭素原子数が15未満のゲル化剤を用いた試料122のインク組成物においても、各評価結果が悪化している。アルキル基の炭素原子数が15未満のゲル化剤では、保存や記録媒体への着弾の際の温度域において十分な結晶性を有していないため、架橋高分子粒子によるゲル化剤の結晶化促進の効果が得られていないためと考えられる。
極性基を有していないゲル化剤を用いた試料123のインク組成物においても、各評価結果が悪化している。極性基を有していないゲル化剤では、架橋高分子粒子に対する親和性がなく、架橋高分子粒子によるゲル化剤の結晶化促進の効果が得られないためと考えられる。すなわち、架橋高分子粒子によるゲル化剤の結晶化促進の効果は、ゲル化剤の有する極性基が架橋高分子粒子に作用することで得られると考えられる。
なお、本発明は上述の実施形態例において説明した構成に限定されるものではなく、その他本発明構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能である。
10,20 インクジェット記録装置、12 記録媒体、14,24 吐出用記録ヘッド、16,26 ヘッドキャリッジ、18 活性エネルギー線照射部、19 温度制御部、27 ガイド部

Claims (5)

  1. 活性エネルギー線硬化性化合物と、
    炭素原子数が15以上26以下のアルキル基と極性基からなるゲル化剤と、
    3次元的な枝分かれ構造を有して分子内に多数の架橋点を有し、粒子径が200nm以下である架橋高分子粒子と、を含み、
    前記架橋高分子粒子の添加量が前記ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上、80質量%以下であり、
    前記架橋高分子粒子が、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、架橋ポリメタクリル酸、メチルメラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ジメタクリレート重合体、及び、ジビニルベンゼン重合体から選ばれる1種以上を含む
    活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  2. 前記ゲル化剤が、前記極性基として、エステル基、ケトン基、及び、アミド基から選ばれる少なくとも1種以上含む請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物。
  3. 活性エネルギー線硬化性化合物と、炭素原子数が15以上26以下のアルキル基と極性基からなるゲル化剤と、前記ゲル化剤の全質量に対して1.0質量%以上80質量%以下の添加量であり、3次元的な枝分かれ構造を有して分子内に多数の架橋点を有し、粒子径が200nm以下であるスチレン・ジビニルベンゼン共重合体、架橋ポリメタクリル酸、メチルメラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ジメタクリレート重合体、及び、ジビニルベンゼン重合体から選ばれる1種以上を含む架橋高分子粒子とを含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を用いて画像記録する
    インクジェット記録方法。
  4. 前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を、記録媒体に射出する工程と、前記記録媒体に射出されたインクに活性エネルギー線を照射して、前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物を硬化させる工程と、を有する請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物の射出を、前記ゲル化剤が飽和溶解量以下となる温度で行う請求項4に記載のインクジェット記録方法。
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