JPWO2014208296A1 - ニトロベンゼン化合物を製造する方法 - Google Patents
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- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C201/00—Preparation of esters of nitric or nitrous acid or of compounds containing nitro or nitroso groups bound to a carbon skeleton
- C07C201/06—Preparation of nitro compounds
- C07C201/10—Preparation of nitro compounds by substitution of functional groups by nitro groups
Abstract
Description
のニトロベンゼン化合物の製造方法に関する。
で表されるアニリン化合物を亜硝酸の金属塩と酸の存在下で反応させた後、得られる生成物又は生成物を含有する反応混合物を、亜硝酸の金属塩と銅化合物の存在下でさらに反応させ、反応に使用される水の総量が一般式(2)で表される化合物1モルに対して1.2〜2.2Lであることを特徴とする、一般式(1):
で表されるニトロベンゼン化合物の製造方法により、前記課題が解決可能であることが見出された。本発明者らはこの知見に基づき本発明を完成するに至った。
で表されるニトロベンゼン化合物の製造方法であって、以下の工程:
(i) 一般式(2):
で表されるアニリン化合物を、亜硝酸の金属塩と、酸の存在下で反応させる工程;
(ii) 工程(i)の生成物を、亜硝酸の金属塩と、銅化合物の存在下で反応させる工程、
を含む方法において、工程(ii)で使用される水の総量が一般式(2)の化合物1モルに対して1.2〜2.2Lであることを特徴とする方法。
〔3〕工程(i)又は工程(ii)における亜硝酸の金属塩が、亜硝酸のアルカリ金属塩又は亜硝酸のアルカリ土類金属塩である、〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔4〕工程(i)で使用される亜硝酸の金属塩の量が、一般式(2)の化合物1モルに対して1.0〜10.0モルである、〔1〕又は〔2〕に記載の方法。
〔5〕工程(i)における酸が、ハロゲン化水素酸、硫酸、及びリン酸からなる群から選ばれる酸である、〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載の方法。
〔6〕工程(ii)における銅化合物が、酸化銅、銅(I)塩、又は銅(II)塩である、〔1〕から〔5〕のいずれか一項に記載の方法。
まず、工程(i)について説明する。
で表されるアニリン化合物を、亜硝酸の金属塩、及び酸の存在下で反応させる工程である。
本発明の方法の原料として、上記一般式(2)のアニリン化合物を用いる。一般式(2)のアニリン化合物は公知の化合物であるか、あるいは、公知の化合物から公知の方法により製造することができる化合物である。一般式(2)のアニリン化合物としては、具体的には例えば、
2,6−ジクロロアニリン、
2,6−ジブロモアニリン、
2,6−ジフルオロアニリン、
2−クロロ−6−フルオロアニリン、
2−ブロモ−6−クロロアニリン、
2−クロロ−6−ヨードアニリン、
2−アミノ−3−クロロ安息香酸メチル、
2−アミノ−3−クロロ安息香酸エチル、
2−アミノ−3−クロロ安息香酸プロピル、
2−アミノ−3−クロロ安息香酸イソプロピル、
2−アミノ−3−クロロ安息香酸ブチル、
2−アミノ−3−クロロ安息香酸イソブチル、
2−アミノ−3−クロロ安息香酸sec−ブチル、
2−アミノ−3−クロロ安息香酸tert−ブチル、
2−アミノ−3−フルオロ安息香酸メチル、
2−アミノ−3−フルオロ安息香酸エチル
2−アミノ−3−フルオロ安息香酸プロピル、
2−アミノ−3−フルオロ安息香酸イソプロピル、
2−アミノ−3−フルオロ安息香酸ブチル、
2−アミノ−3−フルオロ安息香酸イソブチル、
2−アミノ−3−フルオロ安息香酸sec−ブチル、
2−アミノ−3−フルオロ安息香酸tert−ブチル、
2−アミノ−3−ブロモ安息香酸メチル、
2−アミノ−3−ブロモ安息香酸エチル、
2−アミノ−3−ブロモ安息香酸プロピル、
2−アミノ−3−ブロモ安息香酸イソプロピル、
2−アミノ−3−ヨード安息香酸メチル、
2−アミノ−3−ヨード安息香酸エチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。加えて、一般式(2)のアニリン化合物は、塩酸又は硫酸等の酸との塩であってもよい。
工程(i)で使用できる亜硝酸の金属塩としては、亜硝酸のアルカリ金属塩(例えば、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等)、亜硝酸のアルカリ土類金属塩(例えば、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸バリウム等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。価格、入手性、及び反応性等の観点から、亜硝酸のアルカリ金属塩が好ましく、亜硝酸ナトリウム又は亜硝酸カリウムがより好ましく、亜硝酸ナトリウムがさらに好ましい。
亜硝酸の金属塩の使用量は、反応が進行する限りは何れの量でもよい。
収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(2)のアニリン化合物1モルに対して、通常1.0〜10.0モル、好ましくは1.0〜5.0モル、より好ましくは1.0〜3.0モル、さらに好ましくは1.0〜2.0モル、特に好ましくは1.0〜1.2モルの範囲を例示できる。
工程(i)で使用できる酸としては、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸等)、硫酸、リン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。価格、取り扱いの容易さ、収率及び副生成物抑制等の観点から、塩酸、臭化水素酸又は硫酸が好ましく、塩酸又は硫酸がより好ましく、塩酸がさらに好ましい。
酸の使用量は、反応が進行する限りは何れの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(2)のアニリン化合物1モルに対して、通常1〜10モル、好ましくは1〜5モル、より好ましくは1〜3モルの範囲を例示できる。
反応の円滑な進行等の観点から、工程(i)の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程(i)の溶媒は、工程(i)の反応が進行してかつ工程(ii)の反応へ悪影響を及さない限りは、如何なる溶媒でもよい。価格及び取り扱いの容易さ等の観点から、工程(i)の溶媒は特に好ましくは水である。
工程(i)の溶媒の使用量としては、反応系の撹拌が充分にできる限りは何れの量でもよい。反応性、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(2)のアニリン化合物1モルに対して、工程(i)で使用される水の総量が通常0.1〜1.2L(リットル)、好ましくは0.3〜1.0L、より好ましくは0.4〜0.9Lの範囲を例示できる。ここで、工程(i)で使用される水の総量とは、工程(i)の反応が終了したときに、反応系内に存在する全ての水の量である。したがって、溶媒として添加した水の量だけでなく、酸や亜硝酸の金属塩を水溶液として添加した場合の水の量も加算されることになる。例えば、工程(i)で使用される水の総量には、工程(i)で使用される酸の水溶液中の水、及び亜硝酸の金属塩の水溶液中の水の量が含まれる。さらに、同様の観点から、一般式(2)のアニリン化合物1モルに対して、水以外の上記した溶媒の量が通常0(ゼロ)〜5L(リットル)、好ましくは0〜1Lの範囲を例示できる。なお、水及び水以外の溶媒を組み合わせて使用するときは、水及び水以外の溶媒の割合は、反応が進行する限りはいずれの割合でもよい。水以外の2種以上の溶媒を用いるときは、水以外の2種以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りはいずれの割合でもよい。しかしながら、溶媒として水を単独で使用するか、水と混和しない有機溶媒との組み合わせで使用することが特に好ましい。
工程(i)における反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、通常−30℃(マイナス30℃)〜50℃、好ましくは−20℃〜25℃、より好ましくは−10℃〜10℃の範囲を例示できる。
工程(i)における反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、通常は0.5時間〜48時間、好ましくは1時間〜24時間、より好ましくは1時間〜12時間の範囲を例示できる。
工程(i)の生成物は、原料として用いた一般式(1)のアニリン化合物に相当するジアゾニウム塩である。一般にジアゾニウム塩は当業者によく知られた化合物である。
本発明における「工程(i)の生成物」とは、工程(i)の反応生成物を精製・単離した物質のみならず、未精製の粗生成物、及び工程(i)の反応生成物を含有する混合物を包含している。このような混合物としては、例えば、工程(i)の反応混合物そのものであってもよいし、当該反応混合物のうちの工程(i)の反応生成物が含有されている層、例えば水層部分だけであってもよい。このような混合物は必要に応じて、さらに精製された混合物であってもよい。
次に、工程(ii)について説明する。
一般式(1):
の化合物を製造する工程である。
工程(ii)で使用できる亜硝酸の金属塩としては、亜硝酸のアルカリ金属塩(例えば、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等)、亜硝酸のアルカリ土類金属塩(例えば、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸バリウム等)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。価格、入手性、及び反応性等の観点から、亜硝酸のアルカリ金属塩が好ましく、亜硝酸ナトリウム又は亜硝酸カリウムがより好ましく、亜硝酸ナトリウムがさらに好ましい。
亜硝酸の金属塩の使用量は、反応が進行する限りは何れの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(2)のアニリン化合物1モルに対して、通常1.0〜10.0モル、好ましくは1.0〜7.0モル、より好ましくは1.0〜5.0モル、さらに好ましくは2.0〜4.0モルの範囲を例示できる。
工程(ii)では、触媒として銅化合物を使用することが好ましい。工程(ii)で使用できる銅化合物としては、一般にザンドマイヤー反応(Sandmeyer reaction)の触媒として知られる銅化合物が挙げられる。さらには、Hantzschらの方法の触媒が挙げられる。当該銅化合物としては、例えば、酸化銅、銅(I)塩、銅(II)塩、銅(I)及び銅(II)からなる複塩、銅粉等が挙げられる。酸化銅としては、例えば、酸化銅(I)、酸化銅(II)が挙げられる。銅(I)塩としては、例えば、硫酸銅(I)、亜硫酸銅(I)、炭酸銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)、シアン化銅(I)等が挙げられる。銅(II)塩としては、例えば、硫酸銅(II)、亜硫酸銅(II)、炭酸銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、シアン化銅(II)等が挙げられる。銅(I)及び銅(II)からなる複塩としては、例えば、Hantzschらの方法の触媒である硫酸銅(I)銅(II)(cupro−cuprisulfite)等が挙げられる。工程(ii)で使用できる銅化合物の具体的な例としては、好ましくは酸化銅(I)、硫酸銅(I)、亜硫酸銅(I)、亜硫酸銅(I)銅(II)(cupro−cuprisulfite)、炭酸銅(I)、銅粉等、より好ましくは酸化銅(I)、硫酸銅(I)、亜硫酸銅(I)、亜硫酸銅(I)銅(II)(cupro−cuprisulfite)、銅粉、さらに好ましくは酸化銅(I)、亜硫酸銅(I)銅(II)(cupro−cuprisulfite)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
銅化合物の使用量は、反応が進行する限りは何れの量でもよい。収率、副生成物抑制、経済効率及び安全性等の観点から、一般式(2)のアニリン化合物1モルに対して、通常0.01〜5.0モル、好ましくは0.01〜1.0モル、より好ましくは0.1〜0.5モルの範囲を例示できる。
本発明は、工程(i)の反応の終了後又は工程(ii)の反応の開始前などに塩基を加えてもよい。言い換えれば、必要に応じて塩基を加えることにより工程(ii)の反応系のpHを調整してもよい。工程(ii)の反応が円滑に進行する限りは、塩基の添加、すなわちpHの調整は行ってもよく、また行わなくてもよい。また、工程(ii)反応が円滑に進行する限りは、当該塩基の添加はいつ行ってもよく、どこで(いずれの反応容器等で)行ってもよい。
上記の塩基としては、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等)、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ土類金属炭酸塩(例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ土類金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム等)、リン酸塩(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム等)、リン酸水素塩(例えば、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素カルシウム等)、カルボン酸アルカリ金属塩(例えば、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、カルボン酸アルカリ土類金属塩(例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等)、アンモニア等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。価格、取り扱いの容易さ、反応性及び収率等の観点から、当該塩基の好ましい例としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、より好ましくはアルカリ金属炭酸水素塩が挙げられる。当該塩基の具体的な例としては、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、より好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、さらに好ましくは炭酸水素ナトリウムが挙げられる。当該塩基の形態は、反応が進行する限りは如何なる形態でもよい。当該塩基の形態としては、例えば、塩基のみの固体若しくは液体、又は任意の濃度の水溶液若しくは水以外の溶媒の溶液等を挙げられる。また、当該塩基は単独で又は2種以上を任意の割合で混用しても良い。
上記塩基の使用量は、必要に応じて、当業者が検討して決定できるものである。上記塩基の使用量は、反応が進行する限りは何れの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(2)のアニリン化合物1モルに対して、通常0(ゼロ)〜5モル、好ましくは0〜1モル、より好ましくは0〜0.6モルの範囲を例示できる。
反応の円滑な進行等の観点から、工程(ii)の反応は溶媒の存在下で実施することが好ましい。工程(ii)の溶媒は、工程(ii)の反応が進行する限りは、如何なる溶媒でもよい。工程(ii)に用いることができる溶媒としては、例えば、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグリム(diglyme)、トリグリム(triglyme)等)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル等)、アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等)、アルキル尿素類(例えば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(DMI)等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、ケトン類(例えば、アセトン、イソブチルメチルケトン(MIBK)等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、カルボン酸類(例えば、酢酸等)、芳香族炭化水素誘導体類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(例えば、ジクロロメタン等)及び任意の割合のそれらからなる組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工程(ii)の溶媒の使用量としては、反応系の撹拌が充分にできる限りは何れの量でもよい。反応性、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、一般式(2)のアニリン化合物1モルに対して、工程(ii)で使用される水の総量が好ましくは1.2〜2.2L(リットル)、より好ましくは1.2〜1.6Lの範囲を例示できる。ここで、工程(ii)で使用される水の総量とは、工程(ii)の反応が終了したときに、反応系内に存在する全ての水の量である。したがって、工程(ii)で添加した水の量だけでなく、酸や亜硝酸の金属塩を水溶液として場合の水の量も加算されることになる。さらには、工程(i)の反応混合物をそのまま使用する場合には、当該反応混合物中の水の量も加算されることになる。例えば、工程(ii)で使用される水の総量には、工程(ii)で使用される亜硝酸の金属塩の水溶液中の水、塩基の水溶液中の水が加算されるし、さらに工程(i)の反応混合物をそのまま使用した場合には、工程(i)の水の総量も加算されることになる。さらに、同様の観点から、一般式(2)のアニリン化合物1モルに対して、水以外の上記した溶媒の量が通常0(ゼロ)〜5L(リットル)、好ましくは0.1〜1L、より好ましくは0.2〜0.7Lの範囲を例示できる。なお、水及び水以外の溶媒を組み合わせて使用するときは、水及び水以外の溶媒の割合は、反応が進行する限りはいずれの割合でもよい。水以外の2種以上の溶媒を用いるときは、水以外の2種以上の溶媒の割合は、反応が進行する限りはいずれの割合でもよい。
工程(ii)における反応温度は、特に制限されない。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、通常−30℃(マイナス30℃)〜70℃、好ましくは−20℃〜50℃、より好ましくは−10℃〜35℃の範囲を例示できる。
工程(ii)における反応時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、通常は0.5時間〜48時間、好ましくは0.5時間〜24時間、より好ましくは0.5時間〜12時間の範囲を例示できる。
工程(ii)で得られる一般式(1)のニトロベンゼン化合物としては、具体的には例えば、
2,6−ジクロロニトロベンゼン、
2,6−ジブロモニトロベンゼン、
2,6−ジフルオロニトロベンゼン、
2−クロロ−6−フルオロニトロベンゼン、
2−ブロモ−6−クロロニトロベンゼン、
2−クロロ−6−ヨードニトロベンゼン、
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチル、
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸エチル、
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸プロピル、
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸イソプロピル、
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸ブチル、
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸イソブチル、
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸sec−ブチル、
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸tert−ブチル、
3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸メチル、
3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸エチル
3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸プロピル、
3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸イソプロピル、
3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸ブチル、
3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸イソブチル、
3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸sec−ブチル、
3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸tert−ブチル、
3−ブロモ−2−ニトロ安息香酸メチル、
3−ブロモ−2−ニトロ安息香酸エチル、
3−ブロモ−2−ニトロモ安息香酸プロピル、
3−ブロモ−2−ニトロ安息香酸イソプロピル、
3−ヨード−2−ニトロ安息香酸メチル、
3−ヨード−2−ニトロ安息香酸エチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の方法の工程(i)と工程(ii)を通した収率としては、通常70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは85〜100%の範囲を例示できる。
収率(%)=100×{(得られた一般式(1)のニトロベンゼン化合物のモル数)/(原料としての一般式(2)のアニリン化合物のモル数)}
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの製造
攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた100mLの四つ口フラスコに、2−アミノ−3−クロロ安息香酸メチル9.28g(0.050mоl)、水24mL及び35%塩酸10.95g(0.105mol)を加えた。混合物を−5℃(マイナス5℃)で攪拌しながら、そこへ38%亜硝酸ナトリウム水溶液9.35g(0.0515mol)を滴下した。その後、混合物を−5〜0℃で2時間攪拌して、反応混合物を得た。攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた200mLの四つ口フラスコに、酸化銅(I)2.42g(0.0169mоl)、トルエン25mL、38%亜硝酸ナトリウム水溶液27.24g(0.150mol)及び水21gを加え、そこへ上記で得られた反応混合物を25℃で2時間かけて滴下した。得られた反応混合物へトルエン25mLを加え、混合物を30℃で10分間撹拌した後、銅をろ過により除去した。ろ液をトルエンと水に分配した後、トルエン層を分離した。得られたトルエン層を水25mLで洗浄し、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルをトルエン溶液として得た。得られたトルエン溶液をHPLC絶対検量線法により分析した。その結果、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの収率は88%であった。このとき、不純物の2,3−ジニトロ安息香酸メチルの含有率は0.6%であった。
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの製造
攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた100mLの四つ口フラスコに、2−アミノ−3−クロロ安息香酸メチル9.28g(0.050mоl)、水24mL及び35%塩酸10.95g(0.105mol)を加えた。混合物を−5℃(マイナス5℃)で攪拌しながら、そこへ38%亜硝酸ナトリウム水溶液9.35g(0.0515mol)を滴下した。その後、混合物を−5〜0℃で2時間攪拌して、反応混合物を得た。攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた200mLの四つ口フラスコに、酸化銅(I)2.42g(0.0169mоl)、トルエン25mL、38%亜硝酸ナトリウム水溶液27.24g(0.150mol)及び10%炭酸水素ナトリウム水溶液21g(0.025mоl)を加え、そこへ上記で得られた反応混合物を25℃で2時間かけて滴下した。得られた反応混合物へトルエン25mLを加え、混合物を30℃で10分間撹拌した後、銅をろ過により除去した。ろ液をトルエンと水に分配した後、トルエン層を分離した。得られたトルエン層を水25mLで洗浄し、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルをトルエン溶液として得た。得られたトルエン溶液をHPLC絶対検量線法により分析した。その結果、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの収率は84%であった。このとき、不純物の2,3−ジニトロ安息香酸メチルの含有率は0.5%であった。
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの製造
攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた100mLの四つ口フラスコに、2−アミノ−3−クロロ安息香酸メチル9.28g(0.050mоl)、イソブチルメチルケトン(MIBK)21.6mL、水10mL及び35%塩酸11.47g(0.110mol)を加えた。混合物を−5℃(マイナス5℃)で攪拌しながら、そこへ38%亜硝酸ナトリウム水溶液9.81g(0.054mol)を滴下した。その後、混合物を−5〜0℃で2時間攪拌して、反応混合物を得た。混合物をイソブチルメチルケトンと水に分配した後、水層を分離した。攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた200mLの四つ口フラスコに、酸化銅(I)2.42g(0.0169mоl)、トルエン25mL、38%亜硝酸ナトリウム水溶液27.24g(0.150mol)及び水31g(1.72mоl)を加え、そこへ上記で得られた水層を0〜5℃で2時間かけて滴下した。得られた反応混合物へトルエン25mLを加え、混合物を30℃で10分間撹拌した後、銅をろ過により除去した。ろ液をトルエンと水に分配した後、トルエン層を分離した。得られたトルエン層を水25mLで洗浄し、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルをトルエン溶液として得た。得られたトルエン溶液をHPLC絶対検量線法により分析した。その結果、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの収率は85%であった。このとき、不純物の2,3−ジニトロ安息香酸メチルの含有率は0.6%であった。
2,6−ジクロロニトロベンゼンの製造
攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた1000mLの四つ口フラスコに、2,6−ジクロロアニリン100.5g(0.62mоl)、水296.1mL及び35%塩酸160.2g(1.54mol)を加えた。混合物を60℃に加熱し溶解させた。攪拌しながら、混合物を−5℃(マイナス5℃)に冷却した後、そこへ38%亜硝酸ナトリウム水溶液144.1g(0.79mol)を−5〜0℃で滴下して、反応混合物を得た。攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた2000mLの四つ口フラスコに酸化銅(I)30.0g(0.21mоl)、トルエン216.7mL及び38%亜硝酸ナトリウム水溶液675.5g(3.72mol)を加え、そこへ上記で得られた反応混合物を0〜5℃で2時間かけて滴下した。混合物を0〜5℃で30分間撹拌した後、ろ過助剤を加え、銅をろ過により除去した。ろ液をトルエンと水に分配した後、トルエン層を分離した。得られたトルエン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液208.3mL(0.25mоl)で洗浄し、2,6−ジクロロニトロベンゼンをトルエン溶液として得た。得られたトルエン溶液をGC内部標準法により分析した。その結果、2,6−ジクロロニトロベンゼンの収率は73%であった。
2,6−ジクロロニトロベンゼンの製造
攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた2000mLの四つ口フラスコに、2,6−ジクロロアニリン162.0g(1.00mоl)、水396.4mL及び35%塩酸239.6g(2.30mol)を加えた。混合物を60℃に加熱し溶解させた。攪拌しながら、混合物を−5℃(マイナス5℃)に冷却した後、そこへ38%亜硝酸ナトリウム水溶液199.7g(1.10mol)を−5〜0℃で滴下した。その後、トルエン174.7mLを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液420mLを−5〜0℃で滴下し、pHを3に調整した。混合物をトルエンと水に分配した後、水層を分離した。攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた3000mLの四つ口フラスコに酸化銅(I)48.4g(0.34mоl)、トルエン349.5mL及び38%亜硝酸ナトリウム水溶液544.7g(3.00mol)を加え、そこへ上記で得られた水層を0〜5℃で2時間かけて滴下した。混合物を0〜5℃で30分間撹拌した後、銅をろ過により除去した。ろ液をトルエンと水に分配した後、トルエン層を分離した。得られたトルエン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液336.0mL(0.40mоl)で洗浄し、2,6−ジクロロニトロベンゼンをトルエン溶液として得た。得られたトルエン溶液をGC内部標準法により分析した。その結果、2,6−ジクロロニトロベンゼンの収率は85%であった。
3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの製造
攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた100mLの四つ口フラスコに、2−アミノ−3−クロロ安息香酸メチル9.28g(0.050mоl)、水24mL及び35%塩酸10.95g(0.105mol)を加えた。混合物を−5℃(マイナス5℃)で攪拌しながら、そこへ38%亜硝酸ナトリウム水溶液9.35g(0.0515mol)を滴下した。その後、混合物を−5〜0℃で2時間攪拌して、反応混合物を得た。攪拌器、還流冷却器、温度計及び滴下ロートを備えた200mLの四つ口フラスコに、酸化銅(I)2.42g(0.0169mоl)、トルエン25mL及び38%亜硝酸ナトリウム水溶液27.24g(0.150mol)を加え、そこへ上記で得られた反応混合物を25℃で2時間かけて滴下した。得られた反応混合物へトルエン25mLを加え、混合物を30℃で10分間撹拌した後、銅をろ過により除去した。ろ液をトルエンと水に分配した後、トルエン層を分離した。得られたトルエン層を水25mLで洗浄し、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルをトルエン溶液として得た。得られたトルエン溶液をHPLC絶対検量線法により分析した。その結果、3−クロロ−2−ニトロ安息香酸メチルの収率は85%であった。このとき、不純物の2,3−ジニトロ安息香酸メチルの含有率は3.3%であった。
HPLC分析方法に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(a):(社)日本化学会編、「新実験化学講座9 分析化学 II」、第86〜112頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な充填剤−移動相の組合せに関しては、第93〜96頁を参照できる。)
(b):(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第130〜151頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、逆相クロマトグラフィー分析の具体的な使用方法及び条件に関しては、第135〜137頁を参照できる。)
GC分析方法に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
(a):(社)日本化学会編、「新実験化学講座9 分析化学 II」、第60〜86頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な固定相液体に関しては、第66頁を参照できる。)
(b):(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第121〜129頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、中空キャピラリー分離カラムの具体的な使用方法に関しては、第124〜125頁を参照できる。)
pHはガラス電極式水素イオン濃度指示計により測定した。ガラス電極式水素イオン濃度指示計としては、例えば、東亜ディーケーケー株式会社製、形式:HM−20Pが使用できる。
Claims (8)
- 一般式(1):
で表されるニトロベンゼン化合物の製造方法であって、以下の工程:
(i) 一般式(2):
で表されるアニリン化合物を亜硝酸の金属塩と酸の存在下で反応させる工程;
(ii) 工程(i)の生成物を亜硝酸の金属塩と銅化合物の存在下で反応させる工程、
を含む方法において、工程(ii)で使用される水の総量が一般式(2)の化合物1モルに対して1.2〜2.2Lであることを特徴とする方法。 - 工程(ii)で使用される水の総量が一般式(2)の化合物1モルに対して1.2〜1.6Lである、請求項1に記載の方法。
- R2、R3及びR4が水素原子である、請求項1又は2に記載の方法。
- R1がハロゲン原子であり、R5がC1〜C4アルコキシカルボニル基である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- R1が塩素原子であり、R5がC1〜C4アルコキシカルボニル基である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- R1が塩素原子であり、R5がメトキシカルボニルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- R1がハロゲン原子であり、R5がハロゲン原子である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- R1が塩素原子であり、R5が塩素原子である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
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