JP2018070520A - 3−クロロ−2−ニトロソ−n−フェニルアニリン化合物及びその製造方法並びに5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1h)−オン化合物の製造方法 - Google Patents

3−クロロ−2−ニトロソ−n−フェニルアニリン化合物及びその製造方法並びに5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1h)−オン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】農薬等の製造中間体として有用な、2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物及びその製造方法、並びに5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の製造方法の提供。【解決手段】式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物。またアニリン化合物と2−クロロニトロベンゼンの反応工程を含む、式(2)の化合物の製造方法。更に式(2)の化合物を使用する、5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の製造方法。(R1はC1〜4のアルキル基又はC1〜4のアルコキシ基、好ましくは、メトキシ基)【選択図】なし

Description

本発明は、新規な2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物及びその製造方法に関する。
本発明はまた、一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の製造方法に関する。

(式中、R及びRは後記の通りである。)
一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物は、農薬及び医薬等の生理活性な有機化合物等の製造中間体として有用である。
特許文献1は除草剤として優れた多くの化合物を開示する。特許文献1で開示された化合物の中でも特に5−クロロ−3−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−1−シクロヘキセンカルボニル)−1−(4−メトキシフェニル)−キノキサリン−2(1H)−オン(フェンキノトリオン)が、極めて優れた除草効果と水稲に対する高い安全性を有することが報告されている(非特許文献4参照)。加えて、一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物は、除草剤の製造中間体として有用であることもまた特許文献1は開示する。
特許文献2は、一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物が、下記一般式(5)で表される2−ニトロ−N−フェニルアニリン化合物から製造できることを開示する。

(Rは一般式(4)中と同じである。)
特許文献2は、具体的には、以下の方法を開示する:
下記スキームで示すように、本文献では、p−アニシジンを2,6−ジクロロニトロベンゼンと反応させて3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリンを製造する(特許文献2の実施例1,3等を参照)。
次に、3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリンを還元して3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミンを製造する(特許文献2の実施例19を参照)。その後、3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)ベンゼン−1,2−ジアミンをケトマロン酸ジエチルと反応させて、5−クロロ−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノキサリン−3−カルボン酸エチルを製造する(特許文献2の実施例20を参照)。そして、得られた5−クロロ−1−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノキサリン−3−カルボン酸エチルから、優れた除草剤の活性成分である5−クロロ−3−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−1−シクロヘキセンカルボニル)−1−(4−メトキシフェニル)−キノキサリン−2(1H)−オン(フェンキノトリオン)を製造する(特許文献2の実施例21〜23を参照)。
上記からわかるように、2,6−ジクロロニトロベンゼンから一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物を製造するために、上記方法は3工程(3ステップ)を必要とする。したがって、工程数がより少ない製造方法が望まれていた。また、2,6−ジクロロニトロベンゼンやケトマロン酸ジエステルは入手が比較的容易ではなく、より入手が容易な原料が望まれていた。
ところで、上記一般式(5)で表される2−ニトロ−N−フェニルアニリン化合物と類似する構造を有する化合物として、N−フェニルアニリンの2位のニトロ基がニトロソ基となった2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物が知られている(非特許文献2参照)。本文献には、アニリンをニトロベンゼンとt−ブトキシカリウムの存在下で、−60℃で反応させることにより、2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物を製造する方法が報告されている。本文献に記載されている2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物の合成スキームを以下に例示する。
本文献は、ニトロベンゼンの4位が塩素原子により置換されている場合、目的の2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物が許容できる収率で製造されることを報告している。しかし、非特許文献2と後述する非特許文献3は、ニトロベンゼンの2位が塩素原子により置換されている場合、副生成物として2−ニトロ−N−フェニルアニリン化合物が生成することを報告している。さらに、非特許文献3は、ニトロベンゼンの4位がフッ素原子により置換されている場合、副生成物として4−ニトロ−N−フェニルアニリン化合物が生成することを報告している。これらは、ニトロベンゼンの2位又は4位におけるハロゲン原子の置換反応が起きたことを意味する。加えて、非特許文献3は、ニトロベンゼンが無置換の場合、4−ニトロ−N−フェニルアニリン化合物が生成することを報告している。これは、ニトロベンゼンの4位における酸化反応が起きたことを意味する。言い換えれば、これらの場合では、目的のニトロソ化合物ではないニトロ化合物が副生成物として生成する。
一方で、非特許文献3は、溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)をテトラヒドロフラン(THF)に変えることにより、ニトロベンゼンの2位における望みの反応の選択性が向上したことを開示する。本文献に記載されている2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物の合成スキームを以下に例示する。本文献では、カリウムtert−ブトキシド存在下にて、反応温度−60℃、反応時間5〜60分で反応を行っている。
近年、一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の類縁体の製造方法が報告された(非特許文献1参照)。しかし、非特許文献1では、非特許文献4が開示する極めて優れた除草効果等を有する5−クロロ−3−(2−ヒドロキシ−6−オキソ−1−シクロヘキセンカルボニル)−1−(4−メトキシフェニル)−キノキサリン−2(1H)−オン(フェンキノトリオン)は製造されていなかった。加えて、非特許文献2及び3では、非特許文献4が開示する極めて優れた除草効果等を有する前記化合物に対応する2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物、すなわち3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンもまた製造されていなかった。したがって、非特許文献1、2及び3は、それらが開示する製造方法がニトロベンゼンの4位が無置換である2−クロロニトロベンゼンとパラ位にメトキシ基のような電子供与基を有するアニリン類との特殊な組み合わせは開示されていない。
非特許文献2及び3では、反応に使用される塩基について、カリウムtert−ブトキシドだけを開示する。カリウムtert−ブトキシドの使用は、反応後に廃棄物としてt−ブタノールを生成するとの問題を有する。
非特許文献3で開示される方法は−60℃付近の低温を必要とする。したがって、特殊な製造設備が必要とされるために、非特許文献3で開示される方法は工業的に好ましくない。このため、極端な低温を必要としない製造方法が望まれていた。
国際公開第2009/016841号(段落0171等) 国際公開第2013/089002号(段落0113,0116,0141,0143〜0151等)
Zbigniewほか、"Efficient Synthesis of 1−Arylquinoxaline−2(1H)−ones via Cyclocondensation of N−Aryl−Substituted 2−Nitrosoanilines with Functionalized Alkyl Acetates"、Helvetica Chimica Acta,2013,Vol.96,pp.956−968 Zbigniewほか、"2−Nitroso−N−arylanilines: Products of Acid−Promoted Transformation of oH Adducts of Acrylamines and Nitroarenes"、Synlett,2007,No.10,pp.1525−1528 Zbigniewほか、"Simple Synthesis of N−Aryl−2−nitrosoanilines in the Reaction of Nitroarenes with Aniline Anion Derivatives"、Synthesis,2010,No.22,pp.3865−3872 玉井ほか、"新規除草剤フェンキノトリオンに関する研究(第1報)−合成及び構造と活性−"、日本農薬学会第39回大会講演要旨集、128頁
本発明の目的は、農薬等の製造中間体として有用な、新規な2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の工業的に好ましい製造方法を提供することにある。
上記のような状況に鑑み、本発明者らが上記化合物類及びその製造方法について鋭意研究した。その結果、2−クロロニトロベンゼンと、4位にアルコキシ基を有するアニリン化合物とを特定の条件で反応させると、農薬等の製造中間体として有用な新規の2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記に記載の発明を提供することにより上記課題を解決したものである。
〔1〕
一般式(2):

(式中、RはC1〜C4アルキル基又はC1〜C4アルコキシ基である。)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物。
〔2〕
がC1〜C4アルコキシ基である、〔1〕に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物。
〔3〕
がメトキシ基である、〔1〕に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物。
〔4〕
一般式(2):

(式中、RはC1〜C4アルキル基又はC1〜C4アルコキシ基である。)
で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物を製造する方法であって、以下の工程:
(i−a−1) 一般式(1):

(式中、Rは上記で定義した通りである。)
で表されるアニリン化合物をエーテル溶媒の存在下で塩基と反応させる工程;及び
(i−a−2) 工程(i−a−1)を含む方法で製造された生成物を2−クロロニトロベンゼンと反応させる工程、
を含む3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
〔5〕
工程(i−a−1)で使用される塩基がアルカリ金属水素化物である、〔4〕に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
〔6〕
工程(i−a−1)で使用される塩基が水素化ナトリウム又は水素化カリウムである、〔4〕に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
〔7〕
工程(i−a−1)で使用される塩基が水素化ナトリウムである、〔4〕に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
〔8〕
工程(i−a−1)で使用される塩基の量が工程(i−a−2)で使用される2−クロロニトロベンゼンに対して2当量以上であり;
工程(i−a−1)で使用される一般式(1)で表されるアニリン化合物の量が工程(i−a−2)で使用される2−クロロニトロベンゼンに対して2当量以上である、
〔4〕から〔7〕のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
〔9〕
エーテル溶媒がテトラヒドロフランである、〔4〕から〔8〕のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
〔10〕
工程(i−a−2)の反応が−20℃〜10℃で行われる、〔4〕から〔9〕のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
〔11〕
がC1〜C4アルコキシ基である、〔4〕から〔10〕のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
〔12〕
がメトキシ基である、〔4〕から〔10〕のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
〔13〕一般式(4):

(式中、RはC1〜C4アルキル基又はC1〜C4アルコキシ基であり;RはC1〜C4アルキル基である。)
で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物を製造する方法であって、以下の工程;
(i−a−1) 一般式(1):

(式中、Rは上記で定義した通りである。)
で表されるアニリン化合物をエーテル溶媒の存在下で塩基と反応させる工程;
(i−a−2) 工程(i−a−1)を含む方法で製造された生成物を2−クロロニトロベンゼンと反応させる工程
;及び
(ii) 工程(i−a−1)及び工程(i−a−2)を含む方法で製造された一般式(2):

(式中、Rは上記で定義した通りである。)
で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物を、一般式(3):

(式中、Rはそれぞれ独立して上記で定義した通りである。)
で表されるマロン酸ジエステル化合物と反応させて、一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物を製造する工程、
を含むことを特徴とする5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の製造方法。
本発明によれば、農薬等の製造中間体として有用な新規な2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物及び新規なその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の工業的に好ましい製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書において用いられる用語及び記号について以下に説明する。
接頭語「n−」、「s−」及び「sec−」、「i−」、「t−」及び「tert−」、[neo−]、「c−」及び「cyc−」、「o−」、「m−」、並びに「p−」は、それらの以下の通常の意味を有する:ノルマル、セカンダリー(「s−」及び「sec−」)、イソ、ターシャリー(「t−」及び「tert−」)、ネオ、シクロ(「c−」及び「cyc−」)、オルソ、メタ、並びにパラ。
「Ca〜Cb」とは炭素原子数がa〜b個であることを意味する。例えば、「C1〜C4アルキル基」の「C1〜C4」とは、アルキル基の炭素原子数が1〜4であることを意味する。
C1〜C4アルキル基とは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基を意味する。C1〜C4アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル及びtert−ブチルが挙げられる。
C1〜C4アルコキシ基とは、(C1〜C4アルキル)−O−基を意味する(ここで、C1〜C4アルキル基部分は上記の定義と同じ意味を有する。)。C1〜C4アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ及びtert−ブトキシが挙げられる。
以下、5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の製造方法について説明する。本発明の5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の製造方法は、上記の工程(i−a−1)と工程(i−a−2)とにより、一般式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物を製造する工程(i−a)と、得られた一般式(2)の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物にマロン酸ジエステル化合物を反応させる工程(ii)とを含む。以下、各工程について詳細に説明する。
(工程(i−a−1))
まず、工程(i−a−1)について説明する。
工程(i−a−1)は、一般式(1):

(式中、RはC1〜C4アルキル基又はC1〜C4アルコキシ基である。)
で表されるアニリン化合物をエーテル溶媒の存在下で塩基と反応させる工程である。
本発明におけるRとしては、例えば、C1〜C4アルキル基及びC1〜C4アルコキシ基が挙げられる。生成物の有用性等の観点から、本発明における好ましいRとしては、例えば、C1〜C4アルコキシ基、より好ましくはメトキシ基を挙げることができる。
(原料;一般式(1)で表されるアニリン化合物)
工程(i−a−1)の原料として、上記一般式(1)で表されるアニリン化合物を用いる。上記一般式(1)で表されるアニリン化合物は公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法により製造することができる化合物である。
上記一般式(1)で表されるアニリン化合物としては、具体的には例えば、
4−メトキシアニリン(p−アニシジン)、4−エトキシアニリン、4−n−プロポキシアニリン、4−n−ブトキシアニリン、4−メチルアニリン、4−エチルアニリン、4−n−プロピルアニリン、4−n−ブチルアニリン、4−t−ブチルアニリン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
工程(i−a−1)の上記一般式(1)で表されるアニリン化合物の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。後記工程(i−a−2)で用いられる2−クロロニトロベンゼン(原料化合物)1モルに対して、1モル以上、好ましくは2モル以上、より好ましくは2〜5モル、さらに好ましくは2〜4モル、特に好ましくは2〜3モルの範囲を例示することができる。
(工程(i−a−1)の塩基)
工程(i−a−1)の塩基としては、例えば、
アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、
アルコキシド(例えば、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等)、及び
アルカリ金属(例えば、ナトリウム金属、カリウム金属等)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
収率及び経済効率等の観点から、工程(i−a−1)の塩基の好ましい例としては、アルカリ金属水素化物及び任意の割合のそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
工程(i−a−1)の塩基の好ましい具体的な例としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、より好ましくは水素化ナトリウムを挙げることができる。
工程(i−a−1)の塩基は、単独で又は任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(i−a−1)の塩基の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(i−a−1)の塩基の形態は、当業者により適切に選択されることができる。
工程(i−a−1)の塩基の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。後記工程(i−a−2)で用いられる2−クロロニトロベンゼン(原料化合物)1モルに対して、1モル以上、好ましくは2モル以上、より好ましくは2〜5モル、さらに好ましくは2〜4モル、特に好ましくは2〜3モルの範囲を例示することができる。
(工程(i−a−1)の溶媒)
工程(i−a−1)の溶媒としては、エーテル溶媒を用いることができる。工程(i−a−1)の溶媒はエーテル溶媒を単独で用いても、エーテル溶媒とエーテル溶媒以外の後述する溶媒との組み合わせとして用いてもよい。
工程(i−a−1)のエーテル溶媒としては、具体的には例えば、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、ジエチルエーテル、ジオキサン、メチル−t−ブチルエーテル及び任意の割合のそれらの任意の組み合わせ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。反応性及び経済効率等の観点から、エーテル溶媒の好ましい具体的な例としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、より好ましくはテトラヒドロフランを挙げることができる。
工程(i−a−1)のエーテル溶媒の使用量は、反応系の撹拌が充分にできる限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、後記工程(i−a−2)で用いられる2−クロロニトロベンゼン1モルに対して、10L(リットル)以下、好ましくは0.1〜10L、より好ましくは0.1〜5L、さらに好ましくは0.5〜5Lの範囲を例示することができる。
工程(i−a−1)のエーテル溶媒以外の溶媒としては、例えば、
アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等)、
芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。エーテル溶媒以外の溶媒の好ましい例としては、芳香族炭化水素類を挙げることができる。
収率及び経済効率等の観点から、エーテル溶媒以外の溶媒の好ましい具体的な例としては、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン、より好ましくはトルエンを挙げることができる。
工程(i−a−1)のエーテル溶媒以外の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が充分にできる限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、後記工程(i−a−2)で用いられる2−クロロニトロベンゼン1モルに対して、10L(リットル)以下、好ましくは0.1〜10L、より好ましくは0.1〜5L、さらに好ましくは0.5〜5Lの範囲を例示することができる。
(工程(i−a−1)のエーテル溶媒とエーテル溶媒以外の溶媒との比率)
エーテル溶媒以外の溶媒を用いるときは、エーテル溶媒とエーテル溶媒以外の溶媒との比率は、反応が進行する限りは、いずれの比率でもよい。
(工程(i−a−1)の反応温度)
工程(i−a−1)の反応温度は、特に制限されない。
一つの実施態様においては、収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、30℃〜100℃、好ましくは40℃〜80℃、より好ましくは50℃〜80℃、さらに好ましくは50℃〜70℃の範囲を例示することができる。
(工程(i−a−1)の反応時間)
工程(i−a−1)の反応時間は、特に制限されない。副生物抑制等の観点から、0.1時間〜48時間、好ましくは0.1時間〜24時間、より好ましくは0.5時間〜12時間、さらに好ましくは0.5時間〜2時間の範囲を例示することができる。
(工程(i−a−1)の反応雰囲気)
工程(i−a−1)は、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)を例示することができる。
加えて、後述の工程(i−a−2)も不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、希ガス(アルゴン、ヘリウムなど)を例示することができる。
(工程(i−a−2))
次に、工程(i−a−2)について説明する。
工程(i−a−2)は、工程(i−a−1)を含む方法で製造された生成物を2−クロロニトロベンゼンと反応させる工程である。
(原料;2−クロロニトロベンゼン)
工程(i−a−2)の原料として、2−クロロニトロベンゼンを用いる。2−クロロニトロベンゼンは公知の化合物である。
(工程(i−a−2)の溶媒)
工程(i−a−2)における溶媒の例及びその使用量の例などは、工程(i−a−1)におけるそれらと同様である。
(工程(i−a−2)の反応温度)
一つの態様では、工程(i−a−2)の反応温度は、収率、副生成物抑制、経済効率、工業的製造等の観点から、−80℃〜30℃、好ましくは−70℃〜10℃、よりに好ましくは−30℃〜10℃、さらに好ましくは−20℃〜10℃の範囲を例示することができる。
別の態様では、工程(i−a−2)の反応温度は、同様の観点から、−80℃〜0℃、好ましくは−70℃〜0℃、より好ましくは−20℃〜0℃、さらに好ましくは−10℃〜0℃の範囲を例示することができる。
(工程(i−a−2)の反応時間)
工程(i−a−2)の反応時間は、特に制限されない。副生物抑制等の観点から、0.1時間〜48時間、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは0.5時間〜12時間、さらに好ましくは0.2時間〜2時間の範囲を例示することができる。
(工程(i−b))
次に、工程(i−b)について説明する。
本発明の製造方法は、以下に説明する工程(i−b)を含んでもよい。
工程(i−b)は、工程(i−a−1)及び工程(i−a−2)を含む方法で製造された反応混合物を、酸により処理する工程である。
(工程(i−b)の酸)
工程(i−b)で使用される酸は、目的生成物の一般式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物が得られる限りは、いずれの酸でもよい。
工程(i−b)で使用できる酸としては、例えば、塩化アンモニウム、塩酸、酢酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸の形態は、目的生成物が得られる限りは、いずれの形態でもよい。酸の形態としては、例えば、酸のみの液体若しくは固体、又は水溶液若しくは前記工程(i−a−1)及び/又は工程(i−a−2)における溶媒の溶液等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸の使用量は、目的生成物が得られる限りは、いずれの量でもよい。
(工程(i−b)の溶媒)
工程(i−b)における溶媒としては、工程(i−a−1)及び工程(i−b−1)におけるそれら、並びに水を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。工程(i−a−1)及び工程(i−b−1)におけるそれらと水の混合溶媒もまた挙げることができる。
工程(i−b)における溶媒の使用量の例は、工程(i−a−1)及び/又は工程(i−a−2)におけるそれらと同様であるが、これらに限定されるものではない。
(工程(i−b)の処理温度)
工程(i−b)の処理温度は、特に制限されない。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、−10℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃、より好ましくは10℃〜35℃の範囲を例示できる。
(工程(i−b)の処理時間)
工程(i−b)の処理時間は、特に制限されない。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、例えば、工程(i−b)における処理時間の例は、工程(i−a−1)及び/又は工程(i−a−2)におけるそれらと同様である。
(一般式(2)で表される化合物)
工程(i−a−1)及び工程(i−a−2)を含む方法で製造される一般式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物としては、具体的には例えば、
3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン、
3−クロロ−N−(4−エトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン、
3−クロロ−N−(4−プロポキシフェニル)−2−ニトロソアニリン、
3−クロロ−N−(4−イソプロポキシフェニル)−2−ニトロソアニリン、
3−クロロ−N−(4−ブトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン、
3−クロロ−N−(4−t−ブトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン、
3−クロロ−N−(4−メチルフェニル)−2−ニトロソアニリン、
3−クロロ−N−(4−エチルフェニル)−2−ニトロソアニリン、
3−クロロ−N−(4−プロピルフェニル)−2−ニトロソアニリン、
3−クロロ−N−(4−ブチルフェニル)−2−ニトロソアニリン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
生成物の有用性等の観点から、本発明における好ましい3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物としては、具体的には例えば、3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンが挙げられる。
一般式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物は、工程(ii)の原料として使用することができる。一般式(2)で表される化合物は、工程(ii)の反応が進行する限りは、単離して次工程に用いてもよく、さらに精製して次工程に用いてもよく、又は単離することなく次工程に用いてもよい。
(工程(ii))
次に、工程(ii)について説明する。
工程(ii)は、一般式(2):

(式中、RはC1〜C4アルキル基又はC1〜C4アルコキシ基である。)
で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物を、一般式(3):

(式中、Rはそれぞれ独立してC1〜C4アルキル基である。)
で表されるマロン酸ジエステル化合物と反応させることにより、一般式(4):

(式中、R及びRは前記と同じ意味を示す。)
で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物を製造する工程である。
本発明におけるRとしては、例えば、C1〜C4アルキル基が挙げられる。生成物の有用性等の観点から、本発明における好ましいRとしては、例えば、メチル基又はエチル基を挙げることができる。
工程(ii)の反応は、好ましくは塩基の存在下で反応が行われる。
(原料;マロン酸ジエステル化合物)
工程(ii)の原料として、上記一般式(3)で表されるマロン酸ジエステル化合物を用いる。上記一般式(3)で表されるマロン酸ジエステル化合物は、公知の化合物であるか、又は公知の化合物から公知の方法により製造することができる化合物である。
上記一般式(3)で表されるマロン酸ジエステル化合物としては、具体的には例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジ−t−ブチル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
工程(ii)の上記一般式(3)で表されるマロン酸ジエステル化合物の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、上記一般式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物1モルに対して、1.0〜3.0モル、好ましくは1.0〜2.0モル、より好ましくは1.0〜1.5モルの範囲を例示することができる。
(工程(ii)の塩基)
工程(ii)で使用される塩基は、反応が進行する限りは、いずれの塩基でもよい。
工程(ii)で使用できる塩基としては、例えば、
炭酸アルカリ金属塩(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等)、
炭酸水素アルカリ金属塩(例えば、炭酸水素ナトリウム等)、
炭酸アルカリ土類金属塩(例えば、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等)、
有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
収率及び経済効率等の観点から、工程(ii)の塩基の好ましい具体的な例としては、炭酸カリウム、トリエチルアミンを挙げることができる。
工程(ii)の塩基は、単独で又は任意の割合の2種以上の組み合わせで使用してもよい。工程(ii)の塩基の形態は、反応が進行する限りは、いずれの形態でもよい。工程(ii)の塩基の形態は、当業者により適切に選択されることができる。
工程(ii)の塩基の使用量は、反応が進行する限りは、いずれの量でもよい。
上記一般式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物1モルに対して、好ましくは1モル以上、より好ましくは1〜20モル、さらに好ましくは1〜15モル、特に好ましくは1〜10モルの範囲を例示することができるが、工程(ii)の塩基の使用量は、当業者により適切に調整されることができる。
(工程(ii)の溶媒)
工程(ii)の溶媒は、反応が進行する限りは、いずれの溶媒でもよい。
工程(ii)の溶媒としては、具体的には例えば、
エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、メチル−tert−ブチルエーテル、ジオキサン等)、
アミド類(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)等)、
スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)、
ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等)、
アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、
芳香族炭化水素類(例えば、ベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、キシレン等)、
及び任意の割合のそれらの任意の組み合わせ等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
工程(ii)の溶媒の使用量は、反応系の撹拌が充分にできる限りは、いずれの量でもよい。収率、副生成物抑制及び経済効率等の観点から、上記一般式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物1モルに対して、10L(リットル)以下、好ましくは0.1〜10L、より好ましくは0.1〜5Lの範囲を例示することができる。
(工程(ii)の反応温度)
工程(ii)の反応温度は、特に制限されない。副生物抑制等の観点から、−10℃〜100℃、好ましくは0℃〜95℃、より好ましくは10℃〜80℃、さらに好ましくは15℃〜80℃の範囲を例示することができる。
(工程(ii)の反応時間)
工程(ii)の反応時間は、特に制限されない。副生物抑制等の観点から、0.1時間〜48時間、好ましくは0.1時間〜24時間、より好ましくは0.5時間〜15時間の範囲を例示することができる。
(工程(ii)の生成物;一般式(4)で表される化合物)
工程(ii)で得られる一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物としては、具体的には例えば、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−エトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−プロポキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−イソプロポキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−ブトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−t−ブトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−メトキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−メトキシカルボニル−1−(4−エトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−メトキシカルボニル−1−(4−プロポキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−メトキシカルボニル−1−(4−イソプロポキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−メトキシカルボニル−1−(4−ブトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−メトキシカルボニル−1−(4−t−ブトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−プロポキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−イソプロポキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−ブトキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−イソブトキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−t−ブトキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−メチルフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−エチルフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−プロピルフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−イソプロピルフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−ブチルフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン、
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−t−ブチルフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
生成物の有用性等の観点から、本発明における好ましい5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物としては、具体的には例えば、5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オンを挙げることができる。
以上、本発明によれば、一般式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物の、工業的に好ましい製造方法、特に、工業生産における大スケールでの製造に適した製造方法を提供することが可能となる。例えば、本発明では、比較的入手が容易ではない2,6−ジクロロニトロベンゼンではなく、2−クロロニトロベンゼンを原料として使用することができる。また、別の例として、本発明では、ケトマロン酸ジエステルではなく、より入手が容易なマロン酸ジエステルを原料として使用することができる。したがって、本発明は経済的であり、環境にも優しく、高い工業的な利用価値を有する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例によって何ら限定されるものではない。
本明細書中、室温は10℃から35℃である。
本明細書中、実施例及び参考例の各物性の測定には次の機器を用いた。
H核磁気共鳴スペクトル(H−NMR);JEOL JMN−ECS−300又はJEOL JMN−ECS−400(日本電子株式会社製)、内部基準物質:テトラメチルシラン(TMS)
質量分析;Mass Selective Detector 5973(Agilent Technologies製)
融点;Yanaco Mp−500V(株式会社アナテック・ヤナコ製)
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析;LC−2010A HT(株式会社島津製作所製)
(1)実施例1
3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンの製造

水素化ナトリウム(60%、流動パラフィン分散、3.93g、98.38mmol)をTHF(50ml)に懸濁させた。窒素気流下、内温を55〜60℃に保ちながら、そこにp−アニシジン(11.72g、95.21mmol)をTHF(50ml)に溶解した溶液を加え、混合物を同温度で30分間撹拌した。混合物を−70℃に冷却した。内温を−65℃以下に保ちながら、そこに2−クロロニトロベンゼン(5.00g、31.74mmol)をTHF(50ml)に溶解した溶液を加え、混合物を同温度で15分間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。その後、混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を1N塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的生成物として3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン(4.06g、収率49%)及び副生成物としてN−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリン(3.80g、収率49%)を得た。
得られた3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンの物性は以下のとおりであった。
融点:101−104℃
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm,TMS基準):3.84(s,3H),6.89−7.02(m,4H),7.13−7.22(m,3H).
N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリンのH−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm,TMS基準):3.84(s,3H),6.71(ddd,J=8.7,6.9,1.2Hz,1H),6.95(d,J=8.7Hz,2H),7.00(dd,J=8.7,1.2Hz,1H),7.20(d,J=8.7Hz,2H),7.32(ddd,J=8.7,6.9,1.8Hz,1H),8.19(dd,J=8.7,1.8Hz,1H),9.40(br,1H).
(2)実施例2
3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンの製造

水素化ナトリウム(62.7%、流動パラフィン分散、0.38g、9.93mmol)をTHF(5ml)に懸濁させた。窒素気流下、内温を55〜60℃に保ちながら、p−アニシジン(1.17g、9.52mmol)をTHF(5ml)に溶解した溶液を加え、混合物を同温度で2時間撹拌した。混合物を冷却した。内温を−60℃に保ちながら、そこに2−クロロニトロベンゼン(0.67g、4.25mmol)をTHF(5ml)に溶解した溶液を加え、混合物を同温度で1時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。その後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を1N塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄して、目的生成物を含む酢酸エチル溶液を得た。得られた酢酸エチル溶液をHPLC絶対検量線法により分析した。その結果、得られた酢酸エチル溶液には、目的生成物として3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン(収率42%)、副生成物としてN−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリン(収率32%)及び残存する原料として2−クロロニトロベンゼン(回収率26%)が含まれていた。
(3)実施例3
3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンの製造

水素化ナトリウム(62.7%、流動パラフィン分散、0.38g、9.93mmol)をTHF(5ml)に懸濁させた。窒素気流下、内温を55〜60℃に保ちながら、p−アニシジン(1.17g、9.52mmol)をTHF(5ml)に溶解した溶液を加え、混合物を同温度で2時間撹拌した。混合物を室温まで冷却した。一方で、窒素気流下、2−クロロニトロベンゼン(0.50g、3.17mmol)をTHF(5ml)に溶解させた。そこにp−アニシジンと水素化ナトリウムを用いて先に調製した混合物を−10〜0℃(内温)で加え、得られた混合物を同温度で2時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。その後、混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を1N塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄して、目的生成物を含む酢酸エチル溶液を得た。得られた酢酸エチル溶液をHPLC絶対検量線法により分析した。その結果、得られた酢酸エチル溶液には、目的生成物として3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン(収率49%)、副生成物としてN−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリン(収率28%)及び残存する原料として2−クロロニトロベンゼン(回収率16%)が含まれていた。
(4)実施例4
3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンの製造

水素化ナトリウム(62.7%、流動パラフィン分散、0.38g、9.93mmol)をTHF(5ml)に懸濁させた。窒素気流下、内温を55〜60℃に保ちながら、p−アニシジン(1.17g、9.52mmol)をTHF(5ml)に溶解した溶液を加え、混合物を同温度で2時間撹拌した。混合物を室温まで冷却した。一方で、窒素気流下、2−クロロニトロベンゼン(0.67g、4.25mmol)をTHF(5ml)に溶解させた。そこにp−アニシジンと水素化ナトリウムを用いて先に調製した混合物を−10〜0℃(内温)で加え、得られた混合物を同温度で1時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。その後、混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を1N塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄して、目的生成物を含む酢酸エチル溶液を得た。得られた酢酸エチル溶液をHPLC絶対検量線法により分析した。その結果、得られた酢酸エチル溶液には、目的生成物として3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン(収率38%)、副生成物としてN−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリン(収率26%)及び残存する原料として2−クロロニトロベンゼン(回収率42%)が含まれていた。
(5)実施例5
3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンの製造

水素化カリウム(30%、鉱物油分散、1.27g、9.50mmol)をTHF(5ml)に懸濁させた。窒素気流下、温度を室温に保ちながら、p−アニシジン(1.17g、9.52mmol)をTHF(5ml)に溶解した溶液を加え、混合物を同温度で2時間撹拌した。一方で、窒素気流下、2−クロロニトロベンゼン(0.50g、3.17mmol)をTHF(5ml)に溶解させた。そこにp−アニシジンと水素化カリウムを用いて先に調製した混合物を−10〜0℃(内温)で加え、得られた混合物を同温度で1時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。その後、混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を1N塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄して、目的生成物を含む酢酸エチル溶液を得た。得られた酢酸エチル溶液をHPLC絶対検量線法により分析した。その結果、得られた酢酸エチル溶液には、目的生成物として3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン(収率41%)、副生成物としてN−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリン(収率23%)及び残存する原料として2−クロロニトロベンゼン(回収率12%)が含まれていた。
(6)実施例6
3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンの製造

カリウムt−ブトキシド(10.47g、93.30mmol)をTHF(60ml)に溶解した。窒素気流下、内温を−60〜−55℃に保ちながら、そこにp−アニシジン(3.83g、31.10mmol)をTHF(10ml)に溶解した溶液を加えた。内温を−55℃以下に保ちながら、そこに2−クロロニトロベンゼン(5.00g、31.74mmol)をTHF(10ml)に溶解した溶液を加え、混合物を同温度で30分間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。その後、混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。目的生成物として3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン及び残存する原料として2−クロロニトロベンゼンがTLC(薄層クロマトグラフィー)により確認された。副生成物としてN−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリンの生成もTLCにより確認された。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的生成物としての3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン(2.00g、収率24%)を得た。
(7)実施例7
3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリンの製造

水素化ナトリウム(純度60%、流動パラフィン分散、3.93g、98.38mmol)をTHF(50ml)に懸濁させた。窒素気流下、内温を55〜60℃に保ちながら、そこにp−アニシジン(3.91g、31.74mmol)をTHF(20ml)に溶解した溶液を加えた、混合物を同温度で30分間撹拌した。混合物を−70℃に冷却した。内温を−65℃以下に保ちながら、そこに2−クロロニトロベンゼン(5.00g、31.74mmol)をTHF(50ml)に溶解した溶液を加え、混合物を同温度で15分間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に注いだ。その後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を1N塩酸及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮して、粗生成物を得た。目的生成物として3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン及び残存する原料として2−クロロニトロベンゼンがTLC(薄層クロマトグラフィー)により確認された。副生成物としてN−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロアニリンの生成もTLCにより確認された。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的生成物として3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン(1.70g、収率20%)を得た。
(8)実施例8
5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オンの製造

3−クロロ−N−(4−メトキシフェニル)−2−ニトロソアニリン(4.06g、15.46mmol)及びマロン酸ジエチル(3.47g、21.64mmol)をDMF(60ml)に溶解し、そこに炭酸カリウム(17.09g、123.64mmol)を加えた。混合物を室温で14時間撹拌した。そこに水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製して、目的生成物として5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オン(3.80g、収率69%)を得た。
得られた5−クロロ−3−エトキシカルボニル−1−(4−メトキシフェニル)キノキサリン−2(1H)−オンの物性は以下のとおりであった。
融点:128−129℃
H−NMR(300MHz,CDCl)δ(ppm,TMS基準):1.43(t,3H),3.89(s,3H),4.51(q,2H),6.70(dd,1H),7.10(d,2H),7.19(d,2H),7.34(dd,1H),7.42(dd,1H).
ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)方法;ガスクロマトグラフィー質量分析方法に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
文献(a):(社)日本化学会編、「新実験化学講座9 分析化学 II」、第60〜86頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社
文献(b):(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第121〜129頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、ガスクロマトグラフィー分析の具体的な使用方法及び条件に関しては、第123〜127頁を参照することができる。)
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析方法;HPLC分析方法に関しては、必要に応じて、以下の文献を参照することができる。
文献(c):(社)日本化学会編、「新実験化学講座9 分析化学 II」、第86〜112頁(1977年)、発行者 飯泉新吾、丸善株式会社(例えば、カラムに使用可能な充填剤−移動相の組合せに関しては、第93〜96頁を参照することができる。)
文献(d):(社)日本化学会編、「実験化学講座20−1 分析化学」第5版、第130〜151頁(2007年)、発行者 村田誠四郎、丸善株式会社(例えば、逆相クロマトグラフィー分析の具体的な使用方法及び条件に関しては、第135〜137頁を参照することができる。)
本発明によれば、新規な上記一般式(2)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物、その製造方法、並びに上記一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の製造方法が提供される。本発明の上記一般式(2)で表される新規な3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物は、農薬等の生理活性な有機化合物等の製造中間体として有用である。本発明の製造方法で得られる上記一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物もまた同様に製造中間体として有用である。加えて、本発明によれば、上記製造中間体の新規な且つ優れた製造方法が提供される。したがって、本発明は高い産業上の利用可能性を有する。

Claims (13)

  1. 一般式(2):

    (式中、RはC1〜C4アルキル基又はC1〜C4アルコキシ基である。)で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物。
  2. がC1〜C4アルコキシ基である、請求項1に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物。
  3. がメトキシ基である、請求項1に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物。
  4. 一般式(2):

    (式中、RはC1〜C4アルキル基又はC1〜C4アルコキシ基である。)
    で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物を製造する方法であって、以下の工程:
    (i−a−1) 一般式(1):

    (式中、Rは上記で定義した通りである。)
    で表されるアニリン化合物をエーテル溶媒の存在下で塩基と反応させる工程;及び
    (i−a−2) 工程(i−a−1)を含む方法で製造された生成物を2−クロロニトロベンゼンと反応させる工程、
    を含むことを特徴とする3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
  5. 工程(i−a−1)で使用される塩基がアルカリ金属水素化物である、請求項4に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
  6. 工程(i−a−1)で使用される塩基が水素化ナトリウム又は水素化カリウムである、請求項4に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
  7. 工程(i−a−1)で使用される塩基が水素化ナトリウムである、請求項4に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
  8. 工程(i−a−1)で使用される塩基の量が工程(i−a−2)で使用される2−クロロニトロベンゼンに対して2当量以上であり;
    工程(i−a−1)で使用される一般式(1)で表されるアニリン化合物の量が工程(i−a−2)で使用される2−クロロニトロベンゼンに対して2当量以上である、
    請求項4から7のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
  9. エーテル溶媒がテトラヒドロフランである、請求項4から8のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
  10. 工程(i−a−2)の反応が−20℃〜10℃で行われる、請求項4から9のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
  11. がC1〜C4アルコキシ基である、請求項4から10のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
  12. がメトキシ基である、請求項4から10のいずれか1項に記載の3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリンの製造方法。
  13. 一般式(4):

    (式中、RはC1〜C4アルキル基又はC1〜C4アルコキシ基であり;RはC1〜C4アルキル基である。)
    で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物を製造する方法であって、以下の工程;
    (i−a−1) 一般式(1):

    (式中、Rは上記で定義した通りである。)
    で表されるアニリン化合物をエーテル溶媒の存在下で塩基と反応させる工程;
    (i−a−2) 工程(i−a−1)を含む方法で製造された生成物を2−クロロニトロベンゼンと反応させる工程
    ;及び
    (ii) 工程(i−a−1)及び工程(i−a−2)を含む方法で製造された一般式(2):

    (式中、Rは上記で定義した通りである。)
    で表される3−クロロ−2−ニトロソ−N−フェニルアニリン化合物を、一般式(3):

    (式中、Rはそれぞれ独立して上記で定義した通りである。)
    で表されるマロン酸ジエステル化合物と反応させて、一般式(4)で表される5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物を製造する工程、
    を含むことを特徴とする5−クロロ−3−アルコキシカルボニル−1−フェニルキノキサリン−2(1H)−オン化合物の製造方法。
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