JPWO2014203922A1 - 使用済み衛生用品の処理方法 - Google Patents

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Abstract

環境への悪影響が小さく、繊維やSAPなど素材の分離回収を効率良く行うことができる、使用済み衛生用品の処理方法を提供する。使用済み衛生用品の処理方法であって、使用済み衛生用品を破砕する工程と、架橋剤および酸性物質とともに衛生用品を離解して水に分散させる工程と、衛生用品に含まれる繊維および/またはSAPを分離回収する工程とを少なくとも含み、前記衛生用品を離解して水に分散させる工程において、架橋剤および酸性物質を加えることを特徴とする。

Description

本発明は、使用済み衛生用品の処理方法に関する。特に、本発明は、使用済みの衛生用品からその素材を再使用可能に分離回収する処理方法に関する。
使い捨て紙おむつ等の衛生用品は、典型的には、パルプ繊維などからなる吸収体と、吸収体が吸収した水分を保持するSAP(超吸収性の高分子ポリマー)と、これらを包む包材として不織布やビニールなどの素材から構成されている。これらの衛生用品は、繰り返し使用されるものではなく、使用後は廃棄され焼却処理されていたが、近年、環境面への配慮から、構成する素材を回収し再資源化する必要性が高まっている。
例えば、特許文献1には、超吸収性ポリマーを含む生理用紙製品を水性溶液の少なくとも一つの浴中で処理し、製品から可溶性物質を溶解させ、超吸収性ポリマーをアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、銅(II)、鉄(III)及び亜鉛の少なくとも一つの水溶性化合物によって処理して、水性溶液中の超吸収性ポリマーの膨潤を減少させる諸工程を含む処理方法が記載されている。
また、特許文献2には、使用済み紙おむつを破砕した後、ポリマー分解剤が水に混入され且つ撹拌されるポリマー分解槽中に破砕した使用済み紙おむつを投入し、ポリマー分解槽より排出される汚水中からポリマー分解剤を含んだ水を微生物を用いて浄化する浄化槽で浄化し、その浄化された水の一部又は全部をポリマー分解槽に戻し、ポリマー分解剤を循環使用し、ポリマー分解槽内で紙おむつに含まれる吸水ポリマーをモノマーに分解してから紙おむつに含まれるパルプ成分を分離回収する再生処理方法が記載されている。
特表平6−502454号公報 特開2000−84533号公報
特許文献1の方法は、具体的には洗濯機に類似の装置を用いるものであり、洗濯槽は連続的なバッチ式であって、薬品による洗浄と水によるリンスが繰り返して行われている。そのため、多量の水を必要とし、省資源の観点から問題がある。
また、特許文献2の方法では、ポリマー分解剤が分解槽に添加されており、この場合大量の添加が必要となる。また、ポリマーが分解されることから、ポリマーを回収できず、パルプを含む繊維分とポリマー双方の再利用の両立は難しいと考えられる。さらに、SAPが分解され排水に溶出すると、排水処理の負荷の増大も懸念される。
特に、紙おむつを初めとする衛生用品には、パルプ繊維やSAPの他にビニールなどの樹脂フィルムや不織布なども使用されており、衛生用品をパルパーなどで離解する場合、ローターやシャフトにビニールや不織布が絡まることがあり、これが操業性を大きく低下させてしまう。
また、ビニールや不織布が絡まってしまうと、それに合わせてパルプ繊維も絡まってしまうため、ビニールや不織布とともにパルプ繊維までリジェクトとして排出されてしまうことがあり、これでは、パルプ繊維の回収効率が低下してしまう。
さらに、パルパーから原料を抜き出す場合にも、衛生用品に含まれる樹脂フィルムや不織布などによって排出配管の閉塞が発生し、一度での抜き出しが難しいことがある。例えば、パルパーに水を張り、再度分散させてから排出することを複数回繰り返すことによって、排出配管の閉塞を回避することができるが、それでは、パルパーでの操業性が悪く、効率性が大きく悪化してしまう。
そこで、本発明は、従来よりも環境への悪影響が小さく、繊維やSAPなど素材の分離回収を効率良く行うことができる、使用済み衛生用品の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、第一に、使用済みの衛生用品を離解して水に分散させる工程において、架橋剤および酸性物質を加えることにより、素材の分離回収効率を高めることができることを見出し、さらに、使用済みの衛生用品を水に分散させる工程に先立ち、使用済みの衛生用品を破砕する工程を設けることによって、素材の分離回収効率を高めるとともに操業効率も大きく向上できることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明は、これに限定されるものではないが、以下の発明を包含する。
(1) 使用済み衛生用品を破砕する工程と、架橋剤および酸性物質とともに衛生用品を離解して水に分散させる工程と、衛生用品に含まれる繊維および/またはSAPを分離回収する工程とを少なくとも含む、衛生用品の処理方法。
(2) 衛生用品の一片の長さが200mm以下になるまで破砕する、(1)に記載の方法。
(3) 衛生用品の一片の長さが3mm以上となるように破砕する、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 固形分濃度が20〜95%にて破砕工程を行う、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前記離解分散工程において漂白殺菌剤をさらに添加する、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 前記離解分散工程が、衛生用品を水に分散する工程と、分散液を希釈して濃度調整を行う工程とを含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) 衛生用品を水に分散した後の固形分濃度が3.0〜20.0%である、(6)に記載の方法。
(8) 分散液を希釈した後の固形分濃度が2%以下である、(6)または(7)に記載の方法。
(9) 前記分散液を希釈して濃度調整を行う工程において酸性物質を加える、(6)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10) 前記衛生用品を水に分散する工程において酸性物質を加える、(6)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11) 前記架橋剤が塩化カルシウムである、(1)〜(10)のいずれかに記載の方法。
(12) 前記酸性物質を加えてスラリーのpHを6以下に調整する、(1)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13) 酸性物質を加える前に、還元剤を予め添加することを含む、(1)〜(12)のいずれかに記載の方法。
本発明の処理方法によれば、使用済みの衛生用品から繊維やSAPなどの素材を高純度でかつ効率良く分離回収することができる。従って、高品質で再利用可能な繊維やSAPを得ることができるとともに、操業性を向上させることができる。
特に本発明によって使用済みの衛生用品を予め破砕することによって、パルパーなどにおいて衛生用品を効率的に離解することが可能になり、単位時間あたりの処理量を向上させることができる。また、本発明によれば、使用済みの衛生用品から効率的に繊維を回収することができ、リサイクルの観点からも本発明は極めて有用である。
本発明の処理方法の一実施態様を示すフロー図である。 本発明の処理方法の一実施態様を示すフロー図である。 本発明の処理方法の一実施態様を示すフロー図である。
1.素材
本発明でいう衛生用品とは、繊維およびSAP(超吸収性ポリマー)を含んで構成され、その例として、使い捨て紙おむつ、失禁製品、女性用生理製品、ベッドパッド等が挙げられるが、これに限定されるものではない。以下、紙おむつを例として本発明を説明することがあるが、本発明をそれに限定されるものではない。
本発明において、繊維とは、紙おむつなどの衛生用品を構成する素材のうち、パルプ繊維、不織布などの合成繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン等)をいう。また、SAPとは、超吸収性の高分子であり、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。最もよく使われているのは、架橋型のポリアクリル酸ナトリウムである。
2.処理フロー、装置
<処理フロー>
使用済み紙おむつの処理フローとしては、求める品質と処理コストに応じて、例えば以下のようなフローを利用することができる。
本発明に係る分離回収処理では、繊維およびSAPなどの素材を回収するが、例えば、クリーナーやスクリーンなどにおいて、繊維はアクセプトとして回収し、繊維以外の素材(SAPなど)はリジェクトとして回収することができる。なお本明細書において、繊維以外の素材を異物と称することがあるが、リジェクトとして回収された異物(繊維以外の素材)から、SAPなどの素材をさらに分離回収する事も出来る。
・フロー1(低品質・低コスト):
破砕→離解→クリーナーおよび/またはスクリーン→脱水・濃縮機→洗浄機
・フロー2(中品質・中コスト):
破砕→離解→クリーナーおよび/またはスクリーン→脱水・濃縮機→高濃度処理装置→洗浄機
・フロー3(高品質・高コスト):
破砕→離解→粗選スクリーン→クリーナー→脱水・濃縮機→高濃度処理装置→精選スクリーン→洗浄・脱水機
・フロー4(高品質・高コスト):
破砕→離解→脱水・濃縮機→高濃度処理装置→粗選スクリーン→クリーナー→精選スクリーン→洗浄・脱水機
図に、処理フローの具体例を示すが、本発明はこれに制限されるものではない。図1・図2には示していないが、まず、衛生用品を破砕処理する。次に、破砕された衛生用品を離解して水に分散させる工程として、原料である使用済み紙おむつをパルパーに投入し、水に分散する。このとき、パルパーには漂白殺菌剤、架橋剤を添加する。さらに、分散液を希釈して濃度調整を行い、還元剤、酸性物質を順次添加してpHを調整する。次に、紙おむつに含まれる繊維およびSAPを分離回収する工程として、スクリーン、クリーナーを用い処理し、まずSAP分を回収する。一方、繊維を含む分散液は、続いて脱水機等により洗浄・脱水する。ここで、脱水された水は工程内に戻し再利用することができる。さらに、繊維を含む分散液は、高濃度化装置により処理する。そして、図示しないが、必要に応じて洗浄・脱水やスクリーン処理を行い、繊維分を回収する。また、図示はしないが、繊維分の他に、不織布等に含まれるプラスチック分の分離回収も行われる。
3.破砕する工程
本発明においては、衛生用品を離解して水に分散させる前に、使用済みの衛生用品を破砕する。衛生用品を破砕する装置としては、破砕機や粉砕機が好ましく用いることができる。
<破砕機>
破砕機は、例えば、「廃棄物処理資源リサイクル」(環境管理設備事典編集委員会編、p269−272)に記載されている、いずれの形式の破砕機を用いることができる。古紙や廃プラスチックの破砕に使用される破砕機には、主に以下の一軸型破砕機、二軸型破砕機、同軸心型破砕機、ハンマー型破砕機、の4種類が挙げられるが、伸縮性のあるビニールなどを効率的に切断できることから、一軸型破砕機が特に好適である。また本発明においては、一軸および二軸破砕機を組み合わせた三軸型破砕機など、これらの破砕機を組み合わせたシステムで衛生用品を破砕処理することができ、破砕片を均一に細かくすることができる。また、特開2003−200147号公報には、衛生用品を50mm以下の間隔で帯状に切断し、ビニールなどのプラスチック材料を、パルプやSAPなどの他の吸水性材と分離することが記載されており、このような文献を参考にしてもよい。
一軸型破砕機としては、例えば、フジックス社製のALIや、日本プログ社製のSSG型一軸破砕機、日本シーム株式会社製のPFSシリーズなどが挙げられる。一般に一軸型破砕機としては、油圧押込式、高速回転式などがあり、回転刃と固定刃により、対象物を押し付ける様にして削り取っていくことによって、下部に備わったスクリーン穴径よりも小さくなるまで破砕が繰り返される。
破砕の程度は、破砕機に取り付けるスクリーンなどによって調整することが可能である。好ましい態様において、破砕機に取り付けるスクリーンの穴径としては、φ200.0mm〜φ3.0mmのものが利用でき、好ましくはφ150.0mm〜φ10.0mm、より好ましくはφ150.0mm〜φ20.0mm、さらに好ましくはφ100.0mm〜φ30.0mmのものを利用できる。スクリーンの穴径がφ3.0mm〜200.0mm程度であると、後続の離解工程においてビニールや不織布の絡まりを効率的に抑制することができる。破砕片が小さくなり過ぎると、スクリーンやクリーナーなどで素材を分離回収する際に、効率的な分離が難しくなる場合があるため、スクリーンの穴径はφ3.0mm以上とすることが好ましい。
ハンマー型破砕機としては、例えば、株式会社日泉のHCNシリーズなどが挙げられる。ハンマー型破砕機は、ハンマーのように対象物を叩き割るように破砕する形式であり、一軸破砕機同様に下部にスクリーンなどを設け、穴径よりも小さくなるまで、破砕が繰り返される。破砕機に取り付けるスクリーンの穴径は、一軸型と同様のものを用いることができる。
二軸型破砕機としては、株式会社フジックス社製のタイガーシュレッドや日本プログ社製のTSG型二軸破砕機などが挙げられる。二軸型破砕機では、刃幅およびフックの間隔を調整して破砕の程度を調整することが可能である。刃幅およびフックの間隔としては、例えば200.0mm〜3.0mmのものが利用でき、好ましくは150.0mm〜10.0mm、より好ましくは100.0mm〜20.0mm、さらに好ましくは80.0mm〜30.0mmのものを利用できる。3.0mm〜200.0mm程度であると、後続の離解工程においてビニールや不織布の絡まりを効率的に抑制することができる。破砕片が小さくなり過ぎると、スクリーンやクリーナーなどで素材を分離回収する際に、効率的な分離が難しくなる場合があるため、3.0mm以上とすることが好ましい。
同軸心型破砕機としては、内外スクリュー機構の回転速度差により破砕を行うことができ、前澤工業株式会社製のスクリューカッターなどが挙げられる。同軸心型破砕機では、内外スクリューの速度比(外スクリューの速度/内スクリューの速度)を調整することによって破砕の程度を調整することができるが、例えば、この速度比を15〜5倍として利用することができる。
<処理条件>
破砕機の軸の回転数などは適宜設定することが可能であるが、例えば、一軸型などの高速回転タイプの場合、1000〜200rpmで利用することができ、二軸型などの低速回転タイプの場合、200〜3rpmで利用することができる。回転数は、破砕機の処理量、サイズにより異なる。回転数が早過ぎる場合は、破砕片のサイズが小さくなり過ぎるため、次工程でのスクリーンやクリーナーで、除去できず、分離効率が低下する。回転数が遅すぎる場合は、破砕サイズが適切になるまでに時間を要し、単位時間あたりの処理量が低下するため、効率的ではない。
好ましい態様において、破砕機での処理は、固形分濃度が95.0〜20.0%で行うことができ、好ましくは60.0〜20.0%、より好ましくは40.0〜20.1%である。一般的に使用済み紙おむつは水やし尿などを吸水しており、固形分濃度は30〜20%程度(使用済み紙おむつの全重量のうち、70〜80%が水分)である。固形分濃度が95%を超えると、破砕前での乾燥にエネルギーが掛かり過ぎ、経済的に不利となる一方、固形分濃度が20.0%未満だと、水分を多く含むため、破砕機の刃が滑りやすく、十分な破砕ができないことがある。
破砕機で処理する際の固形分濃度(水分量)を調整する方法としては、例えば、乾燥機や脱水機、濃縮機、洗浄機などを用いることができる。乾燥機としては、例えば、いずれも株式会社大川原製作所製の熱風式のスラッジドライヤーや真空式のインナーチューブロータリー、伝導電熱式のエコドライヤーや、同じく伝導電熱式の日工株式会社製マルチドライヤー、過熱水蒸気式の株式会社大和三光製作所製の高能力乾燥機などを利用することができる。
破砕効率およびSAPの吸水による膨潤、および膨潤したSAPによる操業および品質トラブルを回避するために、使用済みの衛生用品を予め薬品処理したり、破砕機において薬品処理することができる。すなわち、破砕機に投入する前および/または破砕機内において、加温、加圧、塩化カルシウムやハイポなどの薬品添加をすることができる。また、破砕処理後、パルパーなどの離解装置に供給するシューターなどの装置上で薬品処理を行ってもよい。
4.離解して水に分散させる工程
次に、衛生用品を離解して水に分散させる工程(離解分散工程)を行う。好ましい態様において、離解して水に分散させる工程には、原料である破砕された使用済み紙おむつをパルパーに投入して水に分散する工程や、分散液を希釈して濃度調整を行う工程が含まれる。衛生用品を離解して水に分散させる工程では、漂白殺菌剤、架橋剤、還元剤を添加し、また、酸性物質を添加してpHを調整する。
<パルパー>
本発明において、使用済み紙おむつを離解して水に分散させる装置としては、パルパーや撹拌装置を備えたチェスト、タンクなどが用いられる。好ましくは、離解能力の高いパルパーが好ましく用いられる。パルパーは、古紙の離解に使用するパルパーが好適であり、低濃度パルパーまたはバッチ式縦型タブタイプの高濃度パルパーと、その後の2次パルパー(分離パルパー)および/またはデトラッシャーからなるシステムの利用が好ましい。タブタイプ(タブ型)は、ドラム型と比べて、離解能力が高いため、原料である使用済み紙おむつの破砕を効率良く行うことができる。
低濃度パルパーとしては、丸石製作所製の縦型タブタイプの連続式低濃度パルパーや相川鉄工製の低中濃度パルパーなどが挙げられ、濃度3.0〜8.0%前後で離解される。
高濃度パルパーとしては、相川鉄工製の縦型タブタイプのバッチ式高濃度パルパーなどが挙げられる。パルパー内部のローター形状としては、スパイラル型やヘリディスク型を利用することができる。離解濃度としては8.0〜20.0%前後で実施される。
また、ビニールなどの異物を早期に効率良く取り除くために、低濃度および低中濃度パルパーでは、ロープラガーと呼ばれる異物回収装置を利用することができる。また、パルパーなどから排出されるビニール片や不織布片は、ボイラーで焼却し、工程内の熱源として用いることができる。その際に、そのままで用いてもよいし、乾燥機などを使用して、減容化してから用いてもよいし、さらに処理して、RPF化して用いてもよい。これらは、工程内での利用だけでなく、熱源として、販売することもできる。
減容化に用いる乾燥機としては、一般的な熱源乾燥機や減圧乾燥機にだけでなく、株式会社カワタ社製のブレンダーのような、せん断熱での加熱による水分除去と造粒を同時にできる機器や、株式会社郷鉄工所製の過熱蒸気式熱分解装置HTS Evolution STANDARDのような、高温での熱分解による減容化装置を用いることもできる。
2次パルパーとしては、相川鉄工製のPALソーターやペアパルパーなどが挙げられる。これらの装置は、機械的な離解と丸穴ストレーナー・バスケットなどによる、粗い異物除去(粗選処理)を行う機能を有しており、パルパーでの離解時間の短縮と異物の分離促進を図ることができる。中でもペアパルパーは、φ7.00mm程度の丸穴ストレーナーと3.50mm程度のスリットスクリーンを有している事から、異物除去効率が高く好適である。
デトラッシャーとしては、相川鉄工製のスクリューセパレータやドラム形のセパレータを用いることが出来、デトラッシャーに離解能力を持たせた相川鉄工製のMAXドラムも適宜利用できる。
紙おむつの再生処理においては、おむつに含まれる不織布や回収する際に使用されるビニールが多いことから、特に2次パルパーを使用することで、パルパーでの処理時間を短縮することができる。また、おむつ離解懸濁液の流動性が高いことから、高濃度パルパーを用いた場合でもラガーを利用することで、よりビニールなどの除去効率が向上し作業性が改善する。
デトラッシャーは、パルパーで離解されずに排出された原料を脱水・精選することができ、排出される粕の容積を減らすことが出来る。そのため、パルパーで離解された使用済み紙おむつを2次パルパーで処理した後、デトラッシャーで処理することは効果的である。
例えば、相川鉄工製のMAXドラムは、デトラッシャーの脱水精選機能に加え離解能力を併せ持つため、パルパーで離解が不十分で排出された原料を処理し、そこから繊維およびSAPを回収する事ができるので、繊維およびSAP回収率を向上させ、廃棄物を低減させることに効果的であり、パルパー後にMAXドラムによる繊維回収処理を行うことは、より効果的である。
本発明では、離解濃度が低すぎると水分が多くSAPが膨潤しやすくなる上に、一度に処理できる紙おむつの量が少なくなる、また離解濃度が高すぎるとパルパーでの離解効率が低下し、紙おむつの破砕が充分に行えないため、パルパーでの濃度が3.0〜20.0%となるように離解することが好ましい。より好ましくは濃度3.0〜15.0%、さらに好ましくは3.0〜8.0%である。
パルパー後は、SAPを析出させる際に繊維を巻き込みにくくするために、タンク、ミキサー等において分散液を希釈する濃度調整を行う工程を行い、濃度0.3〜2.0%、好ましくは0.3〜1.5%、さらに好ましくは0.3〜1.2%に調整しても良い。
5.紙おむつに含まれる繊維およびSAPを分離回収する工程
次に、紙おむつに含まれる繊維およびSAPを分離回収する工程として、スクリーン、クリーナーを用い処理し、まずSAP分を分離回収する。一方、繊維を含む分散液は、続いて脱水機・濃縮機・洗浄機等により洗浄・脱水する。ここで、脱水された水は工程内に戻し再利用することができる。さらに、繊維を含む分散液は、高濃度化装置により処理する。
<スクリーン>
スクリーンとしては、インワード形式またはアウトワード形式の丸穴及び/またはスリットスクリーンが利用できる。また、リジェクトスクリーンやテールスクリーンと呼ばれる、異物混入量が多い条件に適した異物の詰りや絡みによる問題の発生し難いスクリーンを使用することもでき、丸穴スクリーンとバスケットタイプのスリットスクリーンを併せ持つ複合スクリーン(ADSダブルセパレーター:相川鉄工製)も使用する事ができる。
スクリーンのリジェクトを更にスクリーンで処理する多段スクリーンとすることで、繊維ロスを抑えて異物の分離効率を高める事ができる。多段スクリーンシステムとする場合は、2次スクリーン以降のアクセプトを次工程に先送りするフォワード処理しても良いし、前段に戻すカスケード処理を行っても良い。
また、丸穴スクリーンの直後にスリットスクリーンを組み合わせたシリーズ(タンデム)システムとしても良い。丸穴スクリーンの穴径としては、φ3.00〜0.50mmのものが利用でき、粗選処理としてはφ2.50〜1.00mmのものが好ましい。φ3.00mmより大きい場合は異物除去効率が悪くなる。また、SAPは比重が繊維より重く、またゲル状に膨潤しやすいことから、φ0.5mmより小さい場合は、ゲル状となったSAPが詰り易く操業性が悪くなる。
スリットスクリーンとしては、切削タイプまたはバータイプのバスケットが利用でき、スリット幅として0.30〜0.10mmのものが利用でき、0.25〜0.15mmのものが好ましい。0.30mmより大きい場合は、ゲル状のSAPが通過し易く繊維との分離効率が悪くなる。0.10mmより小さい場合は、ゲル状ポリマーが詰まり易く操業性が悪くなる。
本発明におけるスクリーンの運転条件としては、固形分濃度が、0.3〜1.2%が好ましく、0.4〜0.8%がより好ましい。1.5%より高いとスクリーンの目詰まりが起こりやすく、その結果分離効率が低下するため、好ましくなく、0.3%より低いと、処理液体量が多くなり処理に時間がかかり、エネルギー的も無駄が多くなるばかりでなく、スクリーン後の脱水負荷も増えるため好ましくない。
スクリーン通過流速としては、0.6〜2.0m/sの範囲が好ましく、1.0〜1.5m/sの範囲がより好ましい。更に、スクリーン内部のアジテータの周速については、10〜20m/sが好ましく、14〜18m/sがより好ましい。通過流速や周速が低すぎる場合は、バスケット等へのゲルの堆積が生じるため好ましくない。一方、通過流速や周速が速すぎる場合は、せん断力が大きくなりすぎてゲル状のSAPポリマーが微細化し、繊維との分離効率が低下するため不適である。
紙おむつの再生処理においては、2台以上のスリットスクリーンからなるカスケードおよび/またはフォワード処理が好ましく、SAPの除去効率向上の観点から、カスケード処理がより好ましい。
<クリーナー>
本発明におけるクリーナーとしては、遠心力を利用した重量異物クリーナーが利用でき、低濃度・高差圧型または、低濃度低差圧型のクリーナーが好適である。
本発明におけるクリーナーのリジェクトコーンの直径としては、7.0〜30.0mmが好ましい。6.0mmより小さい場合は、リジェクトコーンの目詰まりにより、安定した原料採取が困難となり、30.0mmより大きいとリジェクトコーンの入口圧と出口圧の差圧制御が困難となり、分離効率が著しく低下するので好ましくない。
クリーナーの運転条件としては、固形分濃度が、0.3〜1.2%が好ましく、0.3〜0.8%がより好ましい。濃度1.5%より高いとリジェクトコーンが目詰まりし、安定した原料が採取できない。また採取できた場合でも、異物との分離が不十分となるので好ましくなく、0.3%より低いと、処理液体量が多くなり処理に時間がかかり、エネルギー的も無駄が多くなるばかりでなく、スクリーン後の脱水負荷も増えるため好ましくない。
クリーナーのリジェクトを更にクリーナー処理する多段処理とすることで、繊維ロスを抑えて異物の分離効率を高める事ができる。多段クリーナーシステムとする場合は、2次クリーナー以降のアクセプトを次工程に先送りするフォワード処理しても良いし、前段に戻すカスケード処理を行っても良く、歩留向上と設備のコンパクト化の観点から、フォワード処理がより好ましい。
また、クリーナーとスクリーンを組み合わせて用いることも好ましく、丸穴スクリーンおよび/またはスリットスクリーン、遠心型クリーナーで処理することから2つ以上を組み合わせた処理がより好ましく、丸穴スクリーン、遠心型クリーナー、スリットスクリーンの順で処理する事が、更に好ましい。
<脱水機・濃縮機・洗浄機>
本発明において、脱水・濃縮・洗浄は、これらの機能を併せ持つ装置で行ってもよいし、個々の装置により別々に行ってもよい。
中〜高濃度脱水機としては、スクリューシックナーや傾斜エキストラクター、スクリュープレスやパワープレスなど、2.0〜3.0%前後の濃度のパルプを10.0%前後に脱水する装置や10.0%前後の濃度のパルプを25.0〜30.0%程度に脱水する装置であれば特に限りはない。
低濃度濃縮機としては、濃度1.0%前後のパルプを脱水濃縮して、濃度3.0%以上にするような予備脱水装置であり特に限りは無い。例えば、ディスクエキストやディスクシックナーのようなパルプマットを用いてろ過脱水するものや、SPフィルターやトロンメルのようなフィルター・脱水エレメントを用いて自然脱水する装置などが挙げられる。
洗浄機としては、ワイヤー&ロール型のDNTウォッシャーのような高速洗浄脱水機や横ドラム型のトロンメルやフォールウォッシャー、縦型のゼクーのような装置を利用することができる。
紙おむつの再生処理には、特に縦型洗浄機は水使用量が少ないことから、好適である。横型脱水機と比較して、洗浄水の使用量を1/3以下に節水することができる。また、脱水された水を、工程水として再利用することで、さらに節水を図ることができる。例えば、スクリーン・クリーナー前段での希釈水として用いることができる。
<高濃度処理装置>
本発明における高濃度処理の濃度としては、濃度10.0〜50.0%である。好ましくは15.0〜45.0%、より好ましくは20.0〜40.0%である。高濃度処理装置としては、低速のニーダーや高速のディスパーザーなどが挙げられる。上記したフロー2では、高濃度処理装置として、異物分散性に優れたホットディスパージョンシステムの利用が好適である。フロー3では、SAPを熱変性させて樹脂粒子化し、分離しやすくする点から、高濃度処理装置として、ニーダーの利用が好ましく、その後にスクリーン処理を行うことが更に好ましい。
ニーダーとしては一軸や二軸、四軸のものが使用でき、二つ以上のニーディング部を持つ、ニーダーも利用できる。ニーディング部に蒸気を加えることで加温することや複数のニーディング部を連続で通すことにより、繊維の摩擦で自然発熱することで、処理温度を40〜120℃、好ましくは40〜100℃、更に好ましくは50〜80℃に加温することで、SAPを熱変性させて内部に含まれる水を分離させた樹脂状の粒子とする事ができる。なお、本発明では、高濃度処理以外のところでも、繊維とSAPの分離効率を向上させるために、加温を行うことができる。加温することで、SAPのポリアクリル酸のカルボキシル基と水分子の結合力が弱まるため、SAPからの離水が促進さると考えられる。また、同時にSAPに包含された汚水の置換・殺菌を容易に行うことができ、好適である。さらに、SAPの含水率が低下するため、SAP回収後の乾燥効率の向上も期待できる。
ディスパーザーとしては、ディスクタイプやコニカルタイプのものが利用できる。ディスパーザーの直前に加熱チューブなどの装置を組み合わせることで、いわゆるホットディスパージョンを行うことができ、SAPを微分散し、目立たなくすることができる。
6.添加薬品等
本発明は、使用済み紙おむつを離解して水に分散させる工程において、架橋剤および酸性物質を加えて処理する。
<漂白殺菌剤>
好ましい態様において、原料の紙おむつに含まれる汚物や、汚物の付着した繊維、SAPなどの素材を、漂白し、消毒・殺菌することを目的として、漂白殺菌剤を添加してもよい。漂白殺菌剤は、パルパーなど使用済み紙おむつを離解する装置に添加することが好ましい。汚水も含んだ原料を、前段で一括して強力な漂白殺菌を行なうため、効率的である。
漂白殺菌剤は、酸化型と還元型の2種類に分類され、酸化型はさらに塩素系と酸素系とに分類される。この中で、酸化力は酸化型塩素系が優れており、特に次亜塩素酸ナトリウムが最も強く、効率的な漂白・殺菌が可能であるため好ましい。
本発明では、原料がし尿を含むため、工程内のpHは弱酸性〜中性と考えられるが、次亜塩素酸ナトリウムの場合、このpH領域での殺菌漂白効果が高く、効率的である。一方、前述の特許文献1では、過酸化水素(酸化型酸素系漂白)、殺微生物剤(過酢酸)を用いることが記載されているが、これらは次亜塩素酸ナトリウムに比べて漂白もしくは殺菌作用が弱い。また、特許文献1において漂白殺菌効果を最適にするには、過酸化水素はpH11.0以上、殺微生物剤pH9.0以上で効果が高いため、アルカリに制御する必要があるが、pHを高くする(pH11.0以上)と、高ナトリウムイオン条件となるため架橋剤の効果が低下し、また、アルカリ焼けにより繊維が黄色くなり、白色度が向上しにくいと想定される。なお、酸性(pH4.0以下)では、繊維の損傷(セルロースの重合度が低下)するため、繊維の強度が低下し、再利用時に支障をきたす可能性がある。本発明では、中性〜弱酸性のpH領域で殺菌漂白効果の高い次亜塩素酸ナトリウムを用いることにより、pH制御(アルカリ処理)の手間が必要なく、また、繊維に悪影響を及ぼすことなく処理することができる。
漂白殺菌剤の添加率は、添加時の分散液中で1〜100000ppm、好ましくは5〜30000ppm、より好ましくは10〜20000ppmである。1ppm以下では十分な漂白殺菌作用が期待できない可能性があり、また、100000ppm以上では、後述するように、後段での遊離塩素の還元に多量の亜硫酸ナトリウムを要し、無駄が多くなる。
<架橋剤>
架橋剤は、SAPの主成分であるポリアクリル酸のカルボキシル基同士を架橋し、SAPの膨潤を抑制するために添加される。架橋剤も漂白殺菌剤と同様に、パルパーなど使用済み紙おむつを離解する装置に添加することが効果的である。
架橋剤は、多価金属塩であればよく、例えば塩化カルシウム、硝酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)などが挙げられる。その中でも、安価であり、SAPの膨潤抑制効果に優れるため、塩化カルシウムが好ましい。
添加率は、原料重量に対して、1.0〜30.0%であれば良く、好ましくは5.0〜20.0%、より好ましくは10.0〜20.0%である。1.0%以下では、架橋剤としての効果が十分に期待できず、また、30.0%以上では架橋によるSAPの膨潤抑制効果のメリットよりも、過剰な塩化物イオンによる工程内配管の腐食の危険が高まるというデメリットの方が大きくなる。
架橋剤の添加方法や添加タイミングは特に制限されず、衛生用品を水系溶媒に分散させてスラリーを得る際に添加すればよい。架橋剤は、一括添加してもよく、複数回に分けて添加してもよく、また、連続的に添加してもよい。
<酸性物質>
酸性物質は、繊維とSAPの分離効率を向上させるために、pHを低下させ、分散液を酸性溶液にするために添加される。pHの低下により、SAPがゲル状でなく砂のような細かな樹脂状の粒子とし、スクリーンを目詰まりさせることなく、分離回収効率を高めることができる。SAPの主成分であるポリアクリル酸の酸解離定数pKaは、5.3〜5.7程度であるため、それ以下にすることで、イオン状態から遊離酸の状態となり、SAP内部に包含する水の離水が起こると考えられる。
酸性物質は、架橋剤の添加後に添加することができ、パルパーや希釈後のチェストに添加することが効果的である。SAPを析出する際に繊維を巻き込みにくくするために、濃度0.3〜2.0%、好ましくは0.3〜1.5%、さらに好ましくは0.3〜1.2%に調整しても良い。
酸性物質として使用できる酸は、特に制限はなく、有機酸、無機酸(鉱酸)、炭酸ガスを使用することができるが、安価であり、少ない添加量でpHを低下させることができることから、無機酸が好ましく、硫酸や硫酸バンドが特に好ましい。
添加量としては、添加後の分散液がpH6.0以下になるように調整すればよく、好ましくはpH4.0〜6.0、より好ましくはpH4.5〜5.5、さらに好ましくはpH4.5〜5.3になるように添加する。
硫酸バンドを用いてpHを調整する場合は、添加量に対するpH低下効果が小さいため、添加量を多くする必要がある。結果として、系内の硫酸イオン濃度が高くなり、架橋剤として添加した塩化カルシウム等のカルシウムイオンとの間で硫酸カルシウム(石膏)スケールを生じる恐れがある。この対策として、より少量の添加量でpH低減効果の大きい硫酸の使用が効果的である。
<還元剤>
還元剤は、系内の遊離塩素を還元するために添加してもよい。酸性物質でpHを低下させるとき、漂白殺菌剤として過剰に添加した次亜塩素酸ナトリウムの遊離塩素(残留塩素)が残った状態でpHを低下させると、塩素ガスが発生する。これを回避するために、遊離塩素を予め還元した後に、酸性物質を加えることが望ましい。還元剤としては、亜硫酸ナトリウムが好ましく使用できる。添加量は、還元剤を使用する工程において、分散液の上澄みからパックテストのようなキットを用いて遊離塩素を測定し、還元剤添加の要否、および、還元剤の添加量を決めることができる。目安としては、添加した次亜塩素酸ナトリウムに対して、0.0〜50.0%の還元剤を添加することができるが、特にこれに限定されるものではない。
7.衛生用品の処理方法
一つの態様において本発明は、繊維およびSAPを含んでなる衛生用品の処理方法であり、本発明によれば、衛生用品から繊維やSAPを効率的に分離し、回収することができる。
本発明においては、衛生用品を離解して水に分散させる前に、使用済みの衛生用品を破砕する。破砕の程度は、衛生用品の一片の長さが200mm以下になるまで破砕することが好ましく、150mm以下まで破砕することがより好ましく、100mm以下まで破砕することがさらに好ましい。また、あまりに細かく破砕すると後工程において素材を回収しにくくなるため、破砕の程度は、衛生用品の一片の長さが3mm以上となるように破砕することが好ましく、10mm以上となるように破砕することがより好ましく、20mm以上となるように破砕することがさらに好ましく、30mm以上となるように破砕することが特に好ましい。装置としては、破砕機や粉砕機を好ましく用いることができる。
好ましい態様において、破砕処理は、固形分濃度が95.0〜20.0%で行うことができ、好ましくは60.0〜20.0%、より好ましくは40.0〜20.1%である。一般的に使用済み紙おむつは水やし尿などを吸水しており、固形分濃度は30〜20%程度(使用済み紙おむつの全重量のうち、70〜80%が水分)である。固形分濃度が95%を超えると、破砕前での乾燥にエネルギーが掛かり過ぎ、経済的に不利となる一方、固形分濃度が20.0%未満だと、水分を多く含むため、破砕機の刃が滑りやすく、十分な破砕ができないことがある。
破砕効率およびSAPの吸水による膨潤、および膨潤したSAPによる操業および品質トラブルを回避するために、使用済みの衛生用品を予め薬品処理したり、破砕機において薬品処理することができる。すなわち、破砕機に投入する前および/または破砕機内において、加温、加圧、塩化カルシウムやハイポなどの薬品添加をすることができる。また、破砕処理後、パルパーなどの離解装置に供給するシューターなどの装置上で薬品処理を行ってもよい。
すでに述べたように、本発明は、衛生用品を離解して水に分散させてスラリーを得る工程を備える。この工程では、SAPを架橋するための架橋剤、さらにはSAPを分離しやすくするための酸性物質が添加される。また、好ましい態様において、漂白殺菌剤や還元剤をスラリーに添加してもよい。この工程は、パルパーを用いて実施することが好ましく、デトラッシャーの使用も好ましい。
また本発明は、衛生用品に含まれる繊維およびSAPを分離回収する工程を備える。この工程は、スクリーンやクリーナーを用いて実施することが好ましく、スラリーから繊維やSAPを効率的に得ることができる。
さらに本発明では、繊維を含むスラリーを脱水し、それによって得られた水を再利用してもよい。
本発明の処理対象は使用済みの衛生用品であるため、細菌などの繁殖を抑制するために、滅菌処理を適宜施すことができる。滅菌方法としては、ハイポ(次亜塩素酸ナトリウム)などを初めとする薬品処理、オゾン処理、エチレンオキサイドガス(EOG)処理、熱処理、オートクレーブ処理などから、目的に合わせて単独ないし組み合わせて処理することができる。
また、別の観点からは、本発明は、衛生用品から繊維および/またはSAPを製造する方法と考えることもできる。本発明によれば、衛生用品から繊維やSAPを効率的に分離・回収できるため、通常は廃棄物となると使用済み衛生用品から繊維やSAPを得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例をあげてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、部および%は重量部および重量%を示し、数値範囲はその端点を含むものとして記載される。
実験1:破砕処理による操業性への影響
衛生用品を予め破砕処理することによる効果を検証した。
(1)衛生用品の破砕処理
試料として、市販のオシメパッド(日本製紙クレシア製、未使用品:SAP成分は15%、SAP/繊維の重量比率:約15/85、寸法は長軸450mm、短軸180mm)を用いた。使用済み紙おむつの状態を再現するために、オシメパッドひとつにつき、生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム溶液)を150ml吸水させた。この、未破砕の紙おむつを試料1とした。
試料1を長軸方向に4等分になるように帯状に裁断し、試料2とした。試料2を短軸方向に無作為に4回裁断し、おおよそ長軸150mm〜100mm×短軸45mmの長方形状となった試料を試料3とした。さらに、試料3を無作為に短軸方向に2回裁断し、70〜30mm×45mmとなった試料を試料4とした。試料4を20mm×20mm程度の断片になるように長軸、短軸方向に複数回裁断した試料を試料5とした。試料5を、シュレッダーを用い、3mm×3mm未満になるようにさらに細かく裁断し、試料6とした。試料6には、2mm×2mm以下の小さなビニール片および不織布片が多く見られた。
(2)高濃度離解機での離解
上記処理によって得られた試料1〜6について、ラボテスト用のタブ型高濃度離解機(熊谷理機工業製)で固形分濃度10%、液温60℃になるように加温し、6分間離解処理した。離解機における離解や撹拌のしやすさを評価した結果を以下に示す。
(試料1) 離解処理開始後すぐに、試料が撹拌刃とケーシング容器との間に挟まり、塊となって、オーバーロードした。そのため、十分な離解・撹拌はできなかった。
(試料2) 離解処理は6分間継続できたが、撹拌終了後、撹拌刃に帯状になったビニール・不織布の絡まりが見られた。原料を一度に全量取り出すことが困難であった。
(試料3) 離解処理は6分間継続して実施できた。ビニール・不織布の絡まりは多少発生したが、絡まりは手で容易に解くことが可能であり、原料の取り出しに特に大きな影響はなかった。
(試料4) ビニール・不織布の絡まりはほとんど見られず、原料の取り出しも特に支障はなく、効率的な離解処理・原料抜き出しを行うことができた。
(試料5) 試料4同様に、ビニール・不織布の絡まりはほとんど見られず、原料の取り出しも特に支障はなく、効率的な離解処理・原料抜き出しを行うことができた。
(試料6) ビニール・不織布の絡まりは全く見られず、試料4同様に、効率的な離解処理・原料抜き出しを行うことができた。
(3)低濃度での撹拌性および原料抜き出し性
(2)で離解処理した試料について、パルパー後の濃度調整チェストなどでの撹拌を想定して、低濃度での撹拌実験を行った。試料2〜6を固形分濃度1%になるように希釈し、試料スラリー400gを、下部に60mmの原料抜き出し口を設け、その上にテフロン(登録商標)製の底板を張ったドレネージジャーに投入し、500rpmにて10分間撹拌を行なった。その後、ジャーの底に敷いた板を取り外し、抜き出し口から原料の抜き出しおよび上部から、押し出しを目的に洗い水をかけ、抜き出し性の評価を行った。その結果を以下に示す。
(試料2) 撹拌終了後のシャフトおよび撹拌刃に、帯状になったビニール・不織布の絡まりが多く見られ、手では容易に除去できず、ハサミでの裁断が必要であった。また、原料の抜き出しに際し、下部の抜き出し口がビニール・不織布の絡まりで閉塞した。洗い水をかけたが、原料を押し出すことができなかった。
(試料3) 撹拌終了後のシャフトおよび撹拌刃に、ビニール・不織布の絡まりが多少見られたが、シャフトへの絡まりは手で容易に除去できるレベルであり、洗い水をかけることで、解くことができ、原料抜き出しも特に問題なかった。
(試料4) 撹拌終了後のシャフトおよび撹拌刃に、ビニール・不織布の絡まりはほとんど見られなかった。原料の抜き出しについても、洗い水を使用することで、問題なくでき、操業性としては良好と考えられた。
(試料5) 撹拌終了後のシャフトおよび撹拌刃に、ビニール・不織布の絡まりはまったく見られず、原料の抜き出しについても、特に洗い水を使用しなくても十分にできるレベルであった。
(試料6) 試料5同様に、撹拌終了後のシャフトおよび撹拌刃に、ビニール・不織布の絡まりはまったく見られず、原料の抜き出しについても、特に洗い水を使用しなくても十分にできるレベルであった。
(4)ビニール・不織布の分離・除去性
試料2〜6について、分離パルパーや、スクリーンでのビニール・不織布の分離・除去を想定して、評価を行った。濃度0.5%に希釈した試料400gを、東京スクリーン株式会社製の試験用ふるい(目穴サイズ2.0mm)にて、洗浄水を十分にかけながら処理し、ふるいを通過したろ液サンプルと、ふるい上の残渣サンプルとを採取し、評価した。その結果を以下に示す。
(試料2) ろ液サンプルには、パルプとSAPのみが見られ、ビニール・不織布の混入はほとんどなかった。残渣サンプルには、ビニール・不織布とともに、SAPや繊維が多く絡まっていた。
(試料3) ろ液サンプルには、パルプとSAPのみが見られ、ビニール・不織布の混入はほとんどなかった。残渣サンプルには、ビニール・不織布とともに、SAPや繊維が多少絡まっていたが、試料Bよりは少なかった。
(試料4) 試料3と同様に、ろ液サンプルには、パルプとSAPのみが見られ、ビニール・不織布の混入はほとんどなかった。残渣サンプルには、ビニール・不織布とともに、SAPや繊維が多少絡まっていたが、試料Bよりは少なかった。
(試料5) ろ液サンプルには、パルプとSAPに加えて、ふるいの目穴を通過したビニールや不織布が若干見られた。
(試料6) ろ液サンプルには、パルプとSAPに加えて、ふるいの目穴を通過したビニールや不織布が多く見られた。そのため、破砕処理により細かくなったことで、ビニールや不織布が取り除きにくくなっていると考えられた。
(5)評価結果
以上の結果を総合して、評価結果を表1にまとめた。本発明によって適度に紙おむつを破砕することで、離解、撹拌、原料の抜き出しなどの操業性と、ビニール片や不織布片などを、パルプを含むスラリーから分離・除去し、再生繊維の品質とを両立できることが判る。
実験2:SAPの粒子化に関する評価試験
水で膨潤したSAPに対するpH低下による離水促進効果(粒子化)を確認するために、以下の実験を行った。使用したSAPは住友精化(株)のアクアキープSA60S(アクリル酸ポリマー)であった。SAPを純水で600倍に希釈し、充分に膨潤させた後、塩化カルシウム(架橋剤)を加え、充分に反応させてから、硫酸または硫酸バンドを加えて攪拌した。その後、SAP膨潤液のpHを測定し、SAP粒子の析出状況を目視にて確認した。各実験例における薬品の種類および使用量と評価結果を以下の表に示す。
架橋剤である塩化カルシウムを加えることにより、SAP膨潤液の流動性の向上が見られた(試験1と試験2を参照)。但し、試験2で形成されるSAP粒子は、2〜5mm程度のゲル状粒子であり比重が小さいため、沈降しにくかった。
また、酸性物質である硫酸バンドまたは硫酸を添加した場合、pH6.0以下、すなわちSAPの主成分であるポリアクリル酸のpKa以下に調整すると、SAPからの離水が促進され、SAPが樹脂状の粒子となること、また、攪拌して静置するとすぐに沈降することが確認された(試験3〜6:硫酸バンド、試験7・8:硫酸)。但し、硫酸バンドの添加量が多い場合は、硫酸カルシウムが析出した(試験4〜6)。
実験3:繊維とSAPの分離効率に関する評価試験
使用済み衛生用品からの繊維とSAPの分離効率向上効果を確認するために、以下の実験を行った。使用した衛生用品は、日本製紙クレシア製のオシメパッド(SAP成分は約15%、SAP/繊維の重量比率:約15/85)であった。
使用済みの紙おむつの状態を再現するために、オシメパッドに生理食塩水を吸水させた。その後、オシメパッドを裁断し、ラボテスト用のタブ型高濃度離解機で固形分濃度約10%になるようにして、液温60℃になるように加温し、6分間離解処理した後に、固形分濃度約1%になるように水道水で希釈した。これにより、オシメパッドは破砕され、分散した状態となった。
この離解処理時に薬品を加えることを前添加、離解処理後希釈してから薬品を添加することを後添加という。
次亜塩素酸ナトリウム(漂白殺菌剤)および塩化カルシウム(架橋剤)を前添加し、さらに酸性物質である硫酸もしくは硫酸バンドを用いてpHを調整した(試験7・8)。なお、試験7・8において、前添加後の試料の遊離塩素を測定したところ遊離塩素は存在しなかった。また、塩化カルシウムを前添加および後添加した(試験5・6)。また、次亜塩素酸ナトリウムを前添加し、塩化カルシウムを前添加または後添加し、酸性物質を添加しなかった(試験1〜4)。
このように薬品を添加した各原料を、それぞれ1000分の6インチのスリット幅を持つテスト用フラットスクリーンを用いて繊維成分とSAP成分とに分離した。アクセプト分(スクリーンを通過したもの)とリジェクト分(スクリーンを通過しなかったもの)のそれぞれを回収し、乾燥させて重量を計測し、回収原料の性状を確認した。
この実験における薬品の使用量(衛生用品の固形分重量に対する重量%)と評価結果を、以下の表に示す。試験1〜6は、酸性物質によるpH調整をしない例である。試験1では、スクリーンが完全に目詰まりしてしまい、その後の実験を続けることができなかった。試験2・3では、試験1ほどではないが、スクリーンが目詰まりした。そのため、目詰まりを除去しながら、フラットスクリーン処理をせざるを得ず、処理に2時間以上かかり、作業性に難があった。試験4では、スクリーンの目詰まりはあまり起こらなかったが、リジェクト側にSAPだけでなく、繊維も多く混在していた。また、アクセプト側にはSAPが抜けていた。これは、SAPがゲル状であるため、SAP粒子が変形してスリットをすり抜けているためと考えられる。そのため、分離効率の点で難がある。
試験5・6は、架橋剤として塩化カルシウムを離解時と希釈後に分けて添加する例である。この場合、試験4と比べて、スクリーンの目詰まりはほとんど見られず、また、リジェクト側に繊維はほとんど見られなかった。このことから、塩化カルシウムを分割添加すると、繊維とSAPを効率よく分離することができることがわかる。
試験7・8は、漂白殺菌剤、架橋剤、および酸性物質を添加する例である。この場合、試験1と比べて、pHを低下させることで、SAPが砂状粒子となるため、スクリーンの目詰まりは全く見られず、リジェクト側にはSAPの粒子のみが、アクセプト側には繊維のみが観察された。リジェクト/アクセプトの重量比率は、製品におけるSAP/繊維の重量比率である15/85とほぼ同じであるため、高い分離効率であったといえる。
実験4:SAP分離評価試験1
使用済み紙おむつから再生した繊維シート(トータルケア・システム社製、繊維含量86.5重量%、SAP含量13.5重量%)400kgを、高濃度パルパー(相川鉄工製、タブ型)を用いて、固形分濃度8.0%となるように水を添加した後に、対固形分濃度10.6%(42.4kg)の塩化カルシウムを添加し、温度40℃の条件で10分間破砕し、硫酸を添加してpH5.0に調整し、さらに、蒸気を供給した4軸ニーダー(相川鉄工製)にて、温度90℃で加温処理した。このようにして離解して得られたスラリーを、固形分濃度0.7%になるように希釈し、これを試料Aとした。なお、この実験では、繊維以外の素材を異物と称する。
(1)クリーナー処理
試料Aを、リジェクトノズル径8mmのLCC−150型ラモー・クリーナー(相川鉄工製)を用いて、入口側配管内の圧力が0.320MPa、流量が0.54m/分、出口側配管内の圧力が0.065MPaの条件で処理した。
まず、クリーナー処理におけるスラリー濃度の影響を確認すべく、試料Aの濃度が、クリーナー入口において1.05重量%、0.70重量%、0.31重量%となるようにしてクリーナー処理を実施した(試験1〜3)。
また、クリーナー処理におけるクリーナーのリジェクトノズル径の影響を確認すべく、クリーナー入口におけるスラリー濃度が0.31%の場合は、リジェクトノズル径を30mmに変更した試験も行った(試験4)。
本実験では、クリーナー処理の効果を以下の基準で評価した。
<異物混入率>
異物混入率(%)=(処理後の異物量/処理前の異物量)×100
◎:異物混入率が0%以上1.0%未満、
○:異物混入率が1.0%以上5.0%未満
△:異物混入率が5.0%以上20.0%未満
×:異物混入率が20.0%以上
<リジェクト率>
リジェクト率(%)=(リジェクトされた固形分量/処理前の固形分量)×100
◎:リジェクト率が0%以上20%未満
○:リジェクト率が21%以上40%未満
△:リジェクト率が41%以上60%未満
×:リジェクト率が61%以上
<操業性>
○:詰まりが起こらず、安定操業が可能である
△:詰まりが多少起こるが、操業は十分可能である/処理流量増加による操業効率低下が懸念される
×:詰まりが起こりやすく、安定操業が難しい/後段で脱水不良が起こる/処理流量増加による除塵効率の低下
<総合評価>
◎:すべての評価項目が◎または○であるもの
○:総合評価が◎と×以外
×:上記の評価項目において×がひとつでもあるもの
結果を以下の表に示す。表から明らかなように、濃度が0.70%とき、最も繊維への異物混入が少なく、かつリジェクト率(クリーナーによって除去されたものの重量%)も低く、操業性(取扱い易さ)の観点でも優れていた。また、濃度が0.31%のときは、処理流量の増加による操業効率低下が懸念されたが、特段の問題はなく、良好だった。
一方、クリーナー入口濃度が1.05%のときは、操業の継続には問題ないものの、リジェクトコーンでの詰まりが生じ、リジェクト率も悪化した。
また、クリーナーのリジェクトノズル径については、8.0mmの場合、繊維への異物混入が少なく、リジェクト率が低く、さらに操業性(取扱い易さ)の観点からも優れていた。一方、クリーナー径が30.0mmの場合、クリーナー径が8.0mmの場合と比較して、リジェクト率が増加(25.3%→42.6%)したものの、操業性(取扱い易さ)の観点からは問題ないレベルだった。
(2)スクリーン処理
試料Aを、スリットスクリーン(GFC−400、スリット幅0.15mmst、相川鉄工製)を用いて、入口側配管内の圧力が0.110MPa、流量が0.70m/分、出口側配管内の圧力が0.060MPa、スクリーン通過流速が1.0m/秒、の条件で処理した。
この際、スクリーン処理におけるスラリー濃度の影響を評価するため、スクリーン入口におけるスラリー濃度を、1.05%、0.70%、0.43%と変化させて、スクリーン処理をおこなった。
上記(1)と同様の基準でスクリーン処理の効果を評価した結果を以下に示す。表から明らかなように、スクリーン入口濃度が0.70%の場合、最も繊維への異物混入が少なく、リジェクト率も低く、操業性(取扱い易さ)の観点からも優れていた。また、スクリーン入口濃度が0.43%のときは、リジェクト率が若干増加したが、特段の問題はなく、良好だった。一方、スクリーン入口濃度が1.05%の場合、操業には問題ないものの、リジェクトコーンでの詰まりが散見され、また、リジェクト率も悪化した。
(3)スクリーン処理とクリーナー処理の組合せ
試料Aについて、クリーナー処理とスクリーン処理を組合せて処理する検討を行った。具体的には、下記の表に示すように、クリーナー処理およびスクリーン処理(スリットスクリーン処理、丸穴スクリーン処理)を組み合わせて実施した。
ここで、クリーナー処理、スリットスクリーン処理、丸穴スクリーン処理にはそれぞれ異なった特性がある。すなわち、クリーナー処理は、使用済み紙おむつ原料に含まれるSAPを効果的に除去する事ができるが、包装ビニールや不織布などの大型の異物が詰まり易い傾向がある。一方、丸穴スクリーンは、包装ビニールや不織布などの大型の異物を除去する事に優れるが、SAPをそのまま通過させてしまう傾向がある。また、スリットスクリーンは、SAP、包装ビニール、不織布以外の異物を除去する事に優れ、異物の少ない良好な繊維を得るために有用であるが、包装ビニールや不織布が詰まり易い傾向にあり、またSAPも目詰まりし易い。
≪クリーナー≫ 上記(1)のクリーナー処理と同様である。リジェクトノズル径8mm、クリーナー入口における原料濃度を0.60%に調整した。
≪スリットスクリーン≫ 上記(2)のスクリーン処理と同様である。スクリーン入口における原料濃度を0.60%に調整した。
≪丸穴スクリーン≫ 丸穴スクリーン(穴径2.2mm、FR−400型、相川鉄工製)を用いて、入口側配管内の圧力が0.10MPa、流量が1.0m/分、出口側配管内の圧力が0.05MPaの運転条件で、原料を処理した。スクリーン入口における原料濃度を0.80%に調整した。
本実験では、各種処理の効果を以下の基準で評価した。
<異物混入率>
異物混入率(%)=(処理後の異物量/処理前の異物量)×100
◎:0%以上1.0%未満
○:1.0%以上5.0%未満
△:5.0%以上25.0%未満
×:25.0%以上
<操業性>
◎:詰りが起こる可能性がほとんどなく、安定操業が可能である
○:詰りが起こる可能性が懸念されるが、連続操業は十分に可能である
△:詰まりが多少起こるが、操業は可能である
×:詰まりが起こり、連続操業はできない
<総合評価>
◎:すべての評価が、◎もしくは○であるもの
○:評価が、◎もしくは○のひとつでもあるもの
△:全ての評価が、△であるもの
×:上記評価項目において×がひとつでもあるもの
試験結果を以下の表に示すが、最初に丸穴スクリーンで処理した場合、ビニールや不織布を効率的に除去できるため、続いて行うスリットスクリーンやクリーナー処理で、詰りを発生させることなく、SAPを除去可能であり、外観性、操業性の観点から最も良好であった(試験1〜4)。特に、試験2のように、丸穴スクリーンで処理した後、クリーナー、スリットスクリーンで順次処理すると、包装ビニール・不織布、SAP、その他異物と、順次除去され、非常に異物の少ない良好な繊維を得ることができた。大きさや、硬さの異なる異物の除去が的確に行われるため、操業安定性にも優れていた。
また、最初にクリーナーで処理した場合、ビニールや不織布が詰ることがあり、連続操業の安定性という点では劣るものの、SAPの様な異物については除去効率が非常に高く、良好な繊維を得ることができた(試験5〜8)。
さらに、最初にスリットスクリーンで処理した場合、スリットスクリーンに、ビニールや不織布の詰り、また大量の原料を連続での処理した場合には、SAPが詰ることがあったが、続いて行う丸穴スクリーン、もしくはクリーナー処理をすることで、SAPなどの異物除去が十分に行え、良好な繊維を得ることができた(試験9〜12)。
スリットスクリーンのみで処理した場合は、SAPの除去効率が低下する傾向があった(試験13)。また、クリーナーのみでスラリーを分離・回収処理した場合、パルパーなどでビニールの除去が十分なされていた場合、詰りはあまり見られず、得られる繊維は良好なものであった(試験14)。
実験5:SAP分離評価試験2
日本製紙クレシア製の紙おむつ2kg(パンツタイプ10枚、パッドタイプ30枚)に、尿を想定した4.6kgの生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム溶液)を染み込ませ、可燃ゴミ用のビニール袋に詰めた。
このビニール袋110個、つまり紙おむつゴミ220kgを、液温40℃の水(約2,750L)で満たされた高濃度パルパー(相川鉄工製:タブ型高濃度パルパー)に、塩化カルシウム2水和物を30.0kg(紙おむつの固形分重量に対する塩化カルシウムの添加量:12.1重量%)と共に固形分濃度8%になるように投入し、濃硫酸でpH4.7に調整した後に、10分間破砕した。破砕したスラリーを水で希釈して、固形分濃度が4.9重量%のスラリーを得た。このスラリーの固形分に占める繊維含量は70.2重量%、SAP含量は29.8重量%であった。
次いで、固形分濃度0.7%になるようにスラリーを水で希釈した後に、スクリーン処理を行った。具体的には、2.20mm丸穴スクリーン(FR−400型;相川鉄工製)を用いて、入口側配管内の圧力が0.10MPa、流量が1.01m/分、出口側配管内の圧力が0.05MPaの条件でスラリーをスクリーン処理し、試料Bを採取した。
(1)デトラッシャー処理
デトラッシャー処理の効果を評価すべく、上述の試料Bをさらにデトラッシャーで処理した。具体的には、MAXドラム(相川鉄工製デトラッシャー)を用いて試料Bを回転数20rpmで処理し、試料Cを得た。
試料Bおよび試料Cについて、丸穴ストレーナー(丸穴:φ2.20mm)で処理して巨大異物を除去し、処理後のスラリーに含まれる繊維およびSAPを定量し、原料である紙おむつゴミ220kgから分離・回収できた素材の割合(回収率)を確認した。
結果を以下の表に示すが、デトラッシャー処理によって、紙おむつゴミからの繊維およびSAPの回収率を13.5ポイント(43.6→57.1%)向上させることができた。これは、MAXドラムで処理することによって、パルパーだけでは離解しきれなかった原料を十分に離解させることができたために、回収率が向上したものと考えられる。
(2)回収されたSAPの定量
上記の試料Cについて、実験4(3)の試験4と同様にして「丸穴スクリーン、スリットスクリーン、クリーナー」の順で処理し、スラリーを得た(試料D)。
試料Cおよび試料Dについて、SAPを定量した。具体的には、原料を固形分濃度0.7%に調整した後、この原料スラリー300ml(絶乾重量2g相当)に対して、4%塩化コバルト(II)六水和物水溶液を添加し、SAPを染色した。その後、このスラリーを用いて、坪量60g/mの手抄きシートをJIS P 8209に基づき丸形手抄き機を用いて作製し、夾雑物測定装置EasyScan(日本製紙ユニテック製)にて、JIS P 8208の測定条件に準拠して、藍色に染色されたSAPの1平方mあたりの個数と面積を測定した。
結果を以下の表に示すが、試料Cと比較して、試料DはSAPの量が著しく少なく、スクリーンとクリーナーを併用してスラリーを処理することによって、衛生用品から繊維を選択的に分離回収できることが確認された。
実験6:SAP分離評価試験3
<破砕工程>
紙おむつ(日本製紙クレシア社製)170kgを、0.9%塩化ナトリウム水溶液に浸し、水分率70%(固形分30%)になるように調整した後に、ビニール袋に袋詰めした。
続いて、穴径φ50mmのスクリーンプレートを設置した一軸破砕機PFS−40(日本シーム社製)を用いて、回転数600rpmの条件にて、ビニール詰めした紙おむつの破砕処理を行い、概ね数cm角に破砕された試料を得た。
<離解分散工程>
破砕した試料を、水張りした低濃度パルパーであるADP−5(相川鉄工社製)に投入し、試料に対して固形10%に相当する塩化カルシウムを添加し、反応時間を充分おいた後に、硫酸でpHを調整し、濃度約6%で5分間撹拌した。その後、3%に希釈し、パルパーから排出した。このときの試料pHは5.2であった。
パルパー排出配管の閉塞などのビニールの絡まりに起因した問題は見られなかった。また、目視での確認をおこなったところ、大きく分類してパルプ繊維、ビニール、SAPに分かれていた。
<繊維および/またはSAPを分離回収する工程>
(1)粗選
パルパーからブローした試料を、デトラッシャー、MAXドラム(相川鉄工社製)を用いて、回転数20rpm、ドラム穴径φ8mm(前段)、φ7mm(後段)で処理した。このとき、シャワー水の影響でpHが上昇しないよう、硫酸を適宜追加添加し、pH5.0前後に調整した。
ドラム穴を通過した試料は、繊維やSAPを多く含み、ドラム穴を通過せずにリジェクトされた試料はビニール主体であった。表9に示すように、パルパーに供した紙おむつと、MAXドラムから排出された試料から、パルプ繊維とSAPなどの回収率を算出した結果、66.7%であった(表9:実施例)。一方、事前に紙おむつを破砕処理しない以外は同様にして紙おむつを処理したところ、回収率は57.1%であった(表9:比較例)。この結果から、事前に紙おむつの破砕処理を行うことで、素材の分離回収効率が向上していることがわかる。
続いて、ドラム穴を通過した試料を濃度0.65%に調整し、φ2.2mmの丸穴スクリーン、CH−500(相川鉄工社製)を用いて、入口側配管内の圧力が0.16MPa、流量が2.0m/分、出口側配管内の圧力が0.17MPaの条件で処理した。また、リジェクトされた試料は、濃度0.67%に調整し、φ2.2mmの丸穴スクリーン、FR−400(相川鉄工社製)を用いて、入口側配管内の圧力が0.10MPa、流量が1.0m/分、出口側配管内の圧力が0.06MPaの条件で処理し、出口側から得られた試料を、上記CH−500スクリーンの出口から得られた試料と混合し(フォワード処理)、クリーナー処理に供する試料を得た。
(2)クリーナー処理
上記試料を、濃度0.42%に調整し、リジェクトノズル径8mmのLCC−150型ラモークリーナー(相川鉄工社製)を用いて、入口側配管内の圧力が0.275MPa、流量が0.73m/分、出口側配管内の圧力が0.055MPaの条件で処理し、リジェクトされた試料は二次処理として、再度リジェクトノズル径8mmのLCC−150型ラモークリーナーを用いて、入口側配管内の圧力が0.250MPa、流量が0.18m/分、出口側配管内の圧力が0.050MPaの条件で処理し、一次、二次それぞれの処理で出口側から得られた試料を混合し(フォワード処理)、次のスクリーン処理に供した。
(3)スクリーン処理
上記(2)で得られた試料を濃度0.37%に調整し、スリット幅0.15mmstのスリットスクリーン(FH−400型、相川鉄工社製)を用いて、入口側配管内の圧力が0.10MPa、流量が1.40m/分、出口側配管内の圧力が0.08MPa、スクリーン通過流速1.1m/秒の条件で処理し、リジェクトされた試料は二次処理として、スリット幅0.15mmstのスリットスクリーン(FR−400型、相川鉄工社製)を用いて、入口側配管内の圧力が0.10MPa、流量が0.24m/分、出口側配管内の圧力が0.07MPa、スクリーン通過流速1.9m/秒の条件で処理し、一次、二次それぞれの処理で出口側から得られた試料を混合し(フォワード処理)、試料を得た。
この試料について、酵素法による原料組成定量と、染色法によるSAP定量評価を行った結果を、表10に示す。
再生パルプ中のSAP含有量は、破砕処理を行った場合でも、破砕処理を行わなかった場合と同等であった。また、酵素法での評価の結果から、破砕処理を行うことで、ビニールや不織布が微細化しているが、スクリーンやクリーナーなどで十分に除去可能であり、破砕処理なしの場合と比較して、再生パルプの品質にはそれほど大きな影響を与えていなかった。
(酵素法による原料組成の定量方法)
固形分濃度0.7%とした原料スラリー300ml(絶乾重量2g相当)をpH4.5に調整した後に、2重量%の酵素(アクレモニウム、明治製菓製)を添加し、50℃で24時間反応させて、セルロースからなるパルプ繊維を単糖に分解した。この溶液は、主にSAPと不織布やビニールが含まれていると考えられ、攪拌することで、SAPが沈殿し、不織布やビニールは上澄みに残るため、攪拌と上澄みの排出を、上澄みから不織布やビニールがなくなって透明になるまで繰り返すことで、SAPと不織布やビニールの分離を行った。次いで、それぞれの重量から、パルプの重量を計算することで、原料組成を定量し、SAPの含有量を求めた。
(染色法によるSAPの定量方法)
絶乾重量2g相当に対して、4%塩化コバルト(II)六水和物水溶液を添加し、SAPの染色を行った後に、坪量60g/mの手抄きシートをJIS P 8209に基づき丸形手抄き機を用いて作製し、夾雑物測定装置EasyScan(日本製紙ユニテック株式会社製)にて、JIS P 8208の測定条件に準拠して、藍色に染色されたSAPの1平方mあたりの個数、面積の測定をした。

Claims (13)

  1. 使用済み衛生用品を破砕する工程と、架橋剤および酸性物質とともに衛生用品を離解して水に分散させる工程と、衛生用品に含まれる繊維および/またはSAPを分離回収する工程とを少なくとも含む、衛生用品の処理方法。
  2. 衛生用品の一片の長さが200mm以下になるまで破砕する、請求項1に記載の方法。
  3. 衛生用品の一片の長さが3mm以上となるように破砕する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 固形分濃度が20〜95%にて破砕工程を行う、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記離解分散工程において漂白殺菌剤をさらに添加する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記離解分散工程が、衛生用品を水に分散する工程と、分散液を希釈して濃度調整を行う工程とを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 衛生用品を水に分散した後の固形分濃度が3.0〜20.0%である、請求項6に記載の方法。
  8. 分散液を希釈した後の固形分濃度が2%以下である、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記分散液を希釈して濃度調整を行う工程において酸性物質を加える、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記衛生用品を水に分散する工程において酸性物質を加える、請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記架橋剤が塩化カルシウムである、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記酸性物質を加えてスラリーのpHを6以下に調整する、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 酸性物質を加える前に、還元剤を予め添加することを含む、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
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